JP3220125U - 杭抜器 - Google Patents
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Abstract
【課題】杭抜き作業における作業者の肉体的負担を軽減でき、かつ構造がシンプルな杭抜器を提供する。【解決手段】杭抜器100は、クランプ機構1と、クランプ機構を上下にスライド可能に支持する支柱2と、屈伸動作によってクランプ機構を上下動させるリンク機構3と、アクチュエータに接続される接続構造43を有し、アクチュエータの力をリンク機構に伝達してリンク機構を屈伸させる力伝達機構4とを備え、力伝達機構が、雌ネジ部材41と、雌ネジ部材に螺合するネジ軸部材42と、ネジ軸部材の他端部に設けられた接続構造とを備え、接続構造にアクチュエータが接続されてネジ軸部材が軸中心に回転し、雌ネジ部材がネジ軸部材に対して螺進退することによって、リンク機構が屈伸動作してクランプ機構が上下動するように構成されている。【選択図】図2
Description
本考案は、地面に打ち込まれた杭等を抜くための杭抜器に関する。
農作業や土木作業では、各種の杭が地面に打ち込まれる。このような地面に打ち込まれた杭を抜くために、従来、例えば特許文献1に記載されるような杭抜器が用いられる。この杭抜器は、ラック・ピニオン機構を利用したものであり、一端がピニオンに連結されたハンドルを手で下に押し込むと、杭に固定されたケーシングがラックに沿って上昇し、これにより地面から杭を引き抜くことができる。
しかしながら、上記したような従来の杭抜器は、作業者自身の腕力を利用して杭を引き抜くものであるため、特に高齢化が進んでいる農作業等においては杭抜き作業にかかる作業者への肉体的な負担が大きい。かと言って杭抜器を電気駆動のものにすると、製造コストが増大するだけでなく、その構造が複雑かつ大型化してしまい、これを運ぶ作業者の肉体的な負担が増加してしまう。
本考案はこのような問題に鑑みてなされたものであり、杭抜き作業における作業者の肉体的負担を軽減でき、かつ構造がシンプルな杭抜器を提供することを目的とする。
すなわち本考案に係る杭抜器は、地面から杭を引抜くためのものであって、前記杭を把持するクランプを備えたクランプ機構と、地面に起立するよう設置され、前記クランプ機構を上下にスライド可能に支持する支柱と、関節点を介して互いに回動可能に連結された第1リンク要素及び第2リンク要素を有するとともに、前記第1リンク要素の一端部が前記支柱に設けられた第1連結点に、前記第2リンク要素の一端部が前記クランプ機構に設けられた第2連結点にそれぞれ回動可能に連結され、屈伸動作によって前記クランプ機構を上下動させるリンク機構と、アクチュエータに接続される接続構造を有し、前記アクチュエータの力を前記リンク機構に伝達して、前記リンク機構を屈伸させる力伝達機構とを備え、前記力伝達機構が、前記リンク要素のいずれか一方における前記関節点と偏位する部位に設けられた第1力伝達点に回動可能に取り付けられた雌ネジ部材と、前記雌ネジ部材に螺合し、一端部が前記リンク要素のいずれか他方における前記関節点と偏位する部位に設けられた第2力伝達点に回動可能に取り付けられたネジ軸部材と、前記ネジ軸部材の他端部に設けられた前記接続構造とを備え、前記接続構造にアクチュエータが接続されて前記ネジ軸部材が軸中心に回転し、前記雌ネジ部材が前記ネジ軸部材に対して螺進退することによって、前記第1力伝達点と前記第2力伝達点との間の距離が変化し、前記リンク機構が屈伸動作して前記クランプ機構が上下動するように構成されていることを特徴とする。
このようなものであれば、接続構造にアクチュエータが接続されてネジ軸部材が軸中心に回転し、雌ネジ部材がネジ軸部材に対して螺進退することによって、第1力伝達点と第2力伝達点との間の距離が変化し、リンク機構が屈伸動作してクランプ機構が上下動するように構成されているので、作業者はドライバー等の工具を接続構造に接続してこれを回転させることで杭を引き抜くことができる。すなわち、作業者は自らの腕力のみに頼って杭を引き抜くのではなく、所有する工具を利用して杭を引き抜くことができるので、杭抜き作業における作業者の肉体的負担を軽減できる。しかも、ドライバー等の家庭内に通常ある道具を用いることができるので、経済的負担が少ない。また、杭抜器自体が電気駆動のものでないので、その構造はシンプルかつ軽量であるので持ち運びも容易である。
なお“回動可能”とは、リンク機構の動作平面内で回転できることを意味する。
なお“回動可能”とは、リンク機構の動作平面内で回転できることを意味する。
また前記接続構造が前記ネジ軸部材の他端部に設けられた連結点に回動可能に連結されていることが好ましい。
このようなものであれば、接続構造の向きを調節することで作業者にとって楽な姿勢で電動工具を接続できるようになり、作業者の肉体的負担をより軽減できる。
このようなものであれば、接続構造の向きを調節することで作業者にとって楽な姿勢で電動工具を接続できるようになり、作業者の肉体的負担をより軽減できる。
前記杭抜器は、前記第1連結点が前記第2連結点よりも下方に設けられており、第1リンク要素において、前記第1力伝達点が前記関節点よりも他端部側に設けられていることが好ましい。
このようなものであれば、第1力伝達点が第1連結点と関節点との間に設けられている場合に比べて接続構造の向きを上向きにできるので、作業者がより楽な姿勢で電動工具を接続できるようなる。
このようなものであれば、第1力伝達点が第1連結点と関節点との間に設けられている場合に比べて接続構造の向きを上向きにできるので、作業者がより楽な姿勢で電動工具を接続できるようなる。
前記杭抜器の態様として、前記支柱が上下方向に延びるガイドレールを有しており、前記第2リンク要素の前記一端部における前記第2連結点と偏位する部位が、前記ガイドレールに設けられた第3連結点に、上下方向にスライド可能かつ回動可能に連結されているものが挙げられる。
前記クランプ機構には、上下方向に貫通する杭収容空間が形成されており、前記杭収容空間は前記リンク機構の動作平面に垂直な方向に開口していることが好ましい。
このようなものであれば、引抜きたい杭に対してクランプ機構を横から水平に嵌めるだけで、杭抜器に杭を簡単にセットすることができる。
このようなものであれば、引抜きたい杭に対してクランプ機構を横から水平に嵌めるだけで、杭抜器に杭を簡単にセットすることができる。
前記クランプ機構は、前記杭収容空間内に杭を収容可能な収容可能姿勢と、前記杭収容空間内を形成する内側面によって収容された杭を把持する把持姿勢とを取るように構成されており、自重により前記収容可能姿勢から前記把持姿勢に切り替わるように構成されていることが好ましい。
このようなものであれば、収容可能姿勢において杭収容空間に杭を収容すれば、自重によりクランプ機構が杭を把持するようになる。そのため、ネジ等により杭を締め付ける作業を行う手間が省け、杭抜作業に係る肉体的負担をより軽減できるとともに、杭の引抜き作業に係る時間を短縮することができる。
このようなものであれば、収容可能姿勢において杭収容空間に杭を収容すれば、自重によりクランプ機構が杭を把持するようになる。そのため、ネジ等により杭を締め付ける作業を行う手間が省け、杭抜作業に係る肉体的負担をより軽減できるとともに、杭の引抜き作業に係る時間を短縮することができる。
前記した杭抜器の力伝達機構は、前記第1リンク要素における前記関節点と偏位する部位又は前記支柱のいずれか一方に設けられた第1力伝達点に回動可能に取り付けられた雌ネジ部材と、前記雌ネジ部材に螺合し、一端部が前記第1リンク要素における前記関節点と偏位する部位又は前記支柱のいずれか他方に設けられた第2力伝達点に回動可能に取り付けられたネジ軸部材と、前記ネジ軸部材の他端部に設けられた前記接続構造とを備えるように構成されているものであってもよい。
このようなものであっても、前記した杭抜器と同様の作用効果を奏し得る。
このようなものであっても、前記した杭抜器と同様の作用効果を奏し得る。
このようにした本考案によれば、杭抜き作業における作業者の肉体的負担を軽減でき、かつ構造がシンプルな杭抜器を提供することができる。
以下に、本考案の一実施形態に係る杭抜器100について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する杭抜器100は、本考案の技術的思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本考案を以下のものに限定しない。また、一の実施形態において説明する内容は、他の実施形態にも適用可能である。また、各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。
本実施形態に係る杭抜器100は、例えば地面に打ち込まれた杭等を引き抜くためのものである。具体的には図1及び図2に示すように、杭を把持するクランプ機構1と、クランプ機構1を上下にスライド可能に支持する支柱2と、一端部311が支柱2に連結され、他端部321がクランプ機構1に連結されており、屈伸動作によってクランプ機構1を上下動させるリンク機構3と、外部から加わった力をリンク機構3に伝達して屈伸動作させる力伝達機構4とを備えている。クランプ機構1が杭を把持している状態で、リンク機構3の関節が曲がった状態から伸びた状態になるように屈伸動作させて、クランプ機構1を上方向に移動させることにより、地面から杭を引抜くことができる。以下、各部材について説明する。
なお以下の説明において、鉛直方向をx方向(上下方向ともいう)、x方向に垂直な方向であってリンク機構3の動作平面に平行な方向をy方向、リンク機構3の動作平面に垂直な方向をz方向とする。
なお以下の説明において、鉛直方向をx方向(上下方向ともいう)、x方向に垂直な方向であってリンク機構3の動作平面に平行な方向をy方向、リンク機構3の動作平面に垂直な方向をz方向とする。
クランプ機構1は杭の側周面を挟んで把持するものである。具体的にこのクランプ機構1は、図3に示すように、x方向に垂直な上面12及び下面13を有する所定の厚みを有する部材であり。このクランプ機構1には、引き抜く杭を収容(セット)する杭収容空間11が上面12から下面13に貫通するように形成されている。
杭収容空間11はクランプ機構1のx方向に平行な内側面14によって形成された貫通孔である。後述するように、杭の引抜き時には、この内側面14が杭の側周面を挟むようにて接触することで、杭を把持するようになっている。x方向から視て、貫通孔11の外径は杭の外径より大きく、その内側に杭を非接触で収容できるようになっている。また貫通孔11はz方向の一方に向かって開口している。
支柱2は、杭が打ち込まれている地面に起立するように設置されるものであり、クランプ機構1及びリンク機構3を支持するものである。具体的にこの支柱2は、図2に示すように、地面等に接する接地面211を有するベース部材21と、クランプ機構1及びリンク機構3を支持する側板部材22と、クランプ機構1を上下方向に誘導するためのガイドレール23とを有する。
ベース部材21は概略直方体状を成すものであり、その底面が地面等に接する接地面211となる。ここでは、y方向に垂直な断面形状が下向きに開口するコの字形を成すように構成されている。
側板部材22は、z方向に垂直な平面に平行な一対の側板から構成される。この一対の側板は、互いに離間するようにベース部材21のz方向に垂直な両側面に固定されている。一対の側板は、その対向する面が互いに平行であり、かつx方向に平行になるように設けられている。
一対の側板の対向する面のそれぞれにはガイドレール23が設けられている。ガイドレール23はその断面がコの字形を成しており、x方向に沿って平行になるように設けられている。
また一対の側板の間には、z方向に垂直な平面内で屈伸動作可能なリンク機構3が設けられている。具体的にこのリンク機構3は、図2に示すように、関節点51を介して互いに回動可能に連結された第1リンク要素31と第2リンク要素32とを備える。リンク機構3は、関節点51における第1リンク要素31と第2リンク要素32がなす角(開角)が変化することで、屈伸動作できるようになっている。なお第1リンク要素31及び第2リンク要素32はともに、z方向から視て長尺状である。なおこの関節点51や、後述する各連結点、各力伝達点は、部材を連結するためのヒンジピン等の軸中心である。
第1リンク要素31は、その一端部311が支柱2の側板部材22に設けられた第1連結点52に回動可能に連結されている。第1リンク要素31における第1連結点52と偏位する部位に、第2リンク要素32が連結される関節点51が設けられている。ここで関節点51は第1リンク要素31の一端部311と他端部312との間に設けられている。
第2リンク要素32は、その一端部321がクランプ機構1に設けられた第2連結点53に回動可能に連結され、その他端部322が関節点51に回動可能に連結されている。すなわち第1リンク要素31と第2リンク要素32は、関節点51を介して互いに回動可能に連結されているといえる。第2リンク要素32の一端部321における第2連結点53と偏位する部位は、ガイドレール23に設けられた第3連結点54に、x方向にスライド可能かつ回動可能に連結されている。ここで、第2連結点53および第3連結点54は、第1連結点52よりもx方向の上方側(天側)に位置するように設けられている。
しかして本実施形態の杭抜器100は、電動ドライバー等の回転アクチュエータに接続される接続構造43を有し、回転アクチュエータの力をリンク機構3に伝達してリンク機構3を屈伸動作させる力伝達機構4を備えている。
力伝達機構4は、回転アクチュエータから入力された回転力をz方向に垂直な方向を向く直線的な力に変換し、これをリンク機構3に伝達するものであり、リンク機構3に設けられた第1力伝達点55と第2力伝達点56を介してリンク機構3に連結されている。具体的にこの力伝達機構4は、図2に示すように、第1リンク要素31に取り付けられた雌ネジ部材41と、雌ネジ部材41に螺合するネジ軸部材42と、ネジ軸部材42に設けられた、回転アクチュエータに接続される接続構造43とを備えている。
雌ネジ部材41はz方向に垂直な方向に貫通する貫通孔が形成されたものであり、例えばナット等である。この貫通孔を形成する雌ネジ部材41の内側周面には螺旋溝が形成されており、螺合するネジ軸部材42に対して軸方向に螺進退可能に構成されている。雌ネジ部材41は、第1リンク要素31に設けられた第1力伝達点55に回動可能に連結されている。この第1力伝達点55は、第1リンク要素31において第1連結点52から遠ざかるように関節点51から偏位する部位に設けられたものであり、ここでは他端部312に設けられている。
ネジ軸部材42は外側周面に螺旋溝(図示しない)が形成された円柱状のものである。ネジ軸部材42は雌ネジ部材41に螺合するとともに、軸中心に回転可能なように構成されている。より具体的には、外側周面に形成された螺旋溝が雌ネジ部材41の内側周面に形成された螺旋溝と螺合している。ネジ軸部材42の一端部421は、第2リンク要素32において、関節点51と偏位する部位に設けられた第2力伝達点56に回動可能に連結されている。この第2力伝達点56は、関節点51と第2連結点53及び第3連結点54との間に設けられている。
ネジ軸部材42の他端部422には接続構造43が設けられている。接続構造43は、電動ドライバーやインパクトドライバー等の回転アクチュエータの各種先端工具が緩みなく嵌まるように構成されたものである。具体的には、例えばソケット、ビット、ボルト等の、z軸方向に垂直な回転軸を有する柱状部材である。接続構造43はネジ軸部材42の他端部422に設けられた第4連結点57に連結されている。当該接続構造43を軸中心に回転させると、第4連結点57を介してネジ軸部材42が軸中心に回転するように構成されている。ここでは、接続構造43は第4連結点57において自在接手を介してネジ軸部材42に連結されており、ネジ軸部材42に対して回動可能なように構成されている。
次に、上記した杭抜器100及びクランプ機構1の動作について説明する。
図4に示すように杭抜器100は、第1力伝達点55と第2力伝達点56との間の距離に応じて、杭を引抜くことができる引抜可能状態Pと、杭の引抜きが完了した引抜完了状態Qとを取るように構成されている。
引抜可能状態Pでは、図4(a)に示すように雌ネジ部材41はネジ軸部材42の他端部422近傍に位置している。この状態においてリンク機構3は可動範囲内で最も折れ曲がった状態になっており、第1力伝達点55と第2力伝達点56との間の距離は可動範囲内で最大になっている。リンク機構3の関節点51における開角は可動範囲の間で最小値になっており、第2連結点53及びこれに連結されたクランプ機構1はガイドレール23の下端部近傍に位置している。
引抜完了状態Qでは、図4(b)に示すように、雌ネジ部材41はネジ軸部材42の一端部421近傍に位置している。この状態においてリンク機構3は可動範囲内で最も伸びた状態になっており、第1力伝達点55と第2力伝達点56との間の距離は可動範囲内で最小になっている。リンク機構3の関節点51における開角は可動範囲の間で最大値になっており、第2連結点53及びこれに連結されたクランプ機構1はガイドレール23の上端部近傍に位置している。
杭抜器100が引抜可能状態Pであるときに、接続構造43に接続された回転アクチュエータが動作すると、接続構造43とこれに連結されたネジ軸部材42が軸中心に回転する。すると、ネジ軸部材42に螺合している雌ネジ部材41がネジ軸部材42の軸に沿って一端部421側に向かって螺進する。これにより第1力伝達点55と第2力伝達点56との間の距離が徐々に短くなり、これに連動してリンク機構3はその開角が徐々に大きくなるように動作をする。具体的には、第1連結点52を中心に第1リンク要素31が回動し、これに連動して第2リンク要素32の一端部321がガイドレール23に沿って上方向にスライド移動する。このようにしてクランプ機構1が上方向に移動する。なお当然ながら、引抜可能状態Pと引抜完了状態Qとの間の状態において接続構造43を回転させた場合であっても同様の動作を行う。
次にクランプ機構1の動作について説明する。図5に示すように、クランプ機構1は杭収容空間11に杭を収容可能な収容可能姿勢Sと、杭収容空間11に収容された杭Oを把持する把持姿勢Tとを取るように構成されている。
収容可能姿勢Sでは、図5(a)に示すように、クランプ機構1は第2連結点53が設けられたその基端部15と先端部16とが水平になっている。具体的にはクランプ機構1の上面12及び下面13がx方向に略垂直になっており、貫通孔11を形成する内側面14がx方向に平行になっている。そのため、杭収容空間11が地面から垂直な方向に沿って貫通するようになっており、地面から略垂直に起立する杭Oを水平方向から難なく収容できるようになっている。
把持姿勢Tでは、図5(b)に示すように、クランプ機構1はその基端部15に対して先端部16が下垂している。具体的には、クランプ機構1の上面12及び下面13がy方向に対して傾斜しており、貫通孔11を形成する内側面14がx方向と傾斜している。そのため、杭収容空間11に杭Oが収容されていると、内側面14の基端部15側上方の第1接触エッジ141と先端部16側下方の第2接触エッジ142の2点によって杭Oの外側周面が把持される。
クランプ機構1は、自重により収容可能姿勢Sから把持姿勢Tに切り替わるように構成されている。すなわち、クランプ機構1が収容可能姿勢Sである状態で杭Oにセットすると、クランプ機構1自体の重さにより、第2連結点53を中心にして先端部16が下方向に回動し、自動的に杭Oを把持するように構成されている。
次に図6を参照して、抜器を用いて地面に打ち込まれた杭Oを引き抜く動作について説明する。なおここで、杭抜器100は地面に置かれた台Tの上で使用され、回転アクチュエータAとして電動のインパクトドライバーを使用している。
まず図6(a)に示すように、杭抜作業を行う作業者は、クランプ機構1を収容可能姿勢Sにして、杭Oに対してクランプ機構1を横から水平に嵌め込んでセットする。ここで杭抜器100は引抜可能状態Pにされている。
杭収容空間11に杭Oを収容してクランプ機構1から手を離すと、図6(b)に示すように、クランプ機構1は重力により自動的に把持姿勢Tに切り替わる。具体的には、第2連結点53を中心に先端部16が下垂するように回動し、その内側面14が杭Oの外周面に接触するようになる。そして作業者は、接続構造43にインパクトドライバーAの先端工具を嵌め込んで接続する。
そして作業者はインパクトドライバーAを動作させて接続構造43を軸中心に回転させる。すると、図6(c)に示すように、ネジ軸部材42が軸中心に回転し、雌ネジ部材41がネジ軸部材42に対して軸方向の一端部421側に向かって螺進する。これに連動して第1力伝達点55と第2力伝達点56との間の距離が縮まることで、リンク機構3が伸びるように屈伸動作する。これにより第2リンク要素32の一端部321がガイドレール23に沿って上方向に移動し、これに連結されたクランプ機構1は杭Oを把持したまま上昇し、地面から杭Oが引き抜かれる。
このように構成された本実施形態の杭抜器100によれば、ドライバー等の回転アクチュエータAを接続構造43に接続して回転させることで、作業者は自らの腕力のみに頼ることなく回転アクチュエータAの力によって杭Oを引き抜くことができるので、杭抜き作業における肉体的負担を軽減できる。しかも、ドライバー等の家庭内に通常ある工具を用いることができるので、経済的負担が少ない。
またクランプ機構1が収容可能姿勢Sと把持姿勢Tと取るように構成されており、自重により収容可能姿勢Sから前記把持姿勢Tに切り替わるように構成されているので、収容可能姿勢Sにおいて杭収容空間11に杭Oを収容すれば、自重によりクランプ機構1が杭Oを自動的に把持でき、ネジ等により杭Oを締め付ける作業を行う手間が省け、杭抜作業に係る肉体的負担をより軽減できるとともに、杭Oの引抜き作業に係る時間を短縮することができる。
なお、本考案は前記実施形態に限られるものではない。
前記実施形態では、ネジ軸部材42の一端部421は、第2リンク要素32に設けられた第2力伝達点56に連結されるものであったがこれに限らない。他の実施形態では、図7に示すようにネジ軸部材42の一端部421は、支柱2の側板に設けられた第2力伝達点56に連結されていてもよい。
前記実施形態では、第2連結点53および第3連結点54が、第1連結点52よりもx方向の上方側に位置するように設けられていたが、これに限定されない。他の実施形態では、図8に示すように、第1連結点52が第2連結点53および第3連結点54よりもx方向の上方側に位置するように設けられていてもよい。
また前記実施形態では、雌ネジ部材41が第1リンク要素31に設けられた第1力伝達点55に連結され、ネジ軸部材42の一端部421が第2リンク要素32に設けられた第2力伝達点56に連結されていたがこれに限定されない。他の実施形態では、図8に示すように、雌ネジ部材41が、第2リンク要素32における関節点51と偏位する部位に設けられた第1力伝達点55に連結され、ネジ軸部材42の一端部421が、第1リンク要素31における関節点51と偏位する部位に設けられた第2力伝達点56に連結されていてもよい。
また前記実施形態では、雌ネジ部材41は第1力伝達点55または第2力伝達点56の一方にのみ取り付けられていたが、これに限らず、第1力伝達点55または第2力伝達点56の両方に取り付けら、ネジ軸部材42が両方の雌ネジ部材に螺合するように設けられてもよい。このようにすればクランプ機構1の上下動の速度を早くし、杭抜き作業に係る時間をより短縮できる。
他の実施形態のクランプ機構1は、杭Oの外周に接触するピン部材を有しており、このピン部材を杭Oに接触させて締め付けることにより杭Oを把持するように構成されていてもよい。
また前記したクランプ機構1は取り替え可能なものであってもよい。このようなものであれば、クランプ機構1を取り換えることで、様々な大きさの杭Oに対して杭抜器100を使用することができる。
その他、本考案は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・杭抜器
1 ・・・クランプ機構
2 ・・・支柱
3 ・・・リンク機構
31 ・・・第1リンク要素
311・・・一端部
312・・・他端部
32 ・・・第2リンク要素
321・・・一端部
322・・・他端部
4 ・・・力伝達機構
41 ・・・雌ネジ部材
42 ・・・ネジ軸部材
421・・・一端部
422・・・他端部
43 ・・・接続構造
51 ・・・関節点
52 ・・・第1連結点
53 ・・・第2連結点
55 ・・・第1力伝達点
56 ・・・第2力伝達点
O ・・・杭
A ・・・アクチュエータ
1 ・・・クランプ機構
2 ・・・支柱
3 ・・・リンク機構
31 ・・・第1リンク要素
311・・・一端部
312・・・他端部
32 ・・・第2リンク要素
321・・・一端部
322・・・他端部
4 ・・・力伝達機構
41 ・・・雌ネジ部材
42 ・・・ネジ軸部材
421・・・一端部
422・・・他端部
43 ・・・接続構造
51 ・・・関節点
52 ・・・第1連結点
53 ・・・第2連結点
55 ・・・第1力伝達点
56 ・・・第2力伝達点
O ・・・杭
A ・・・アクチュエータ
Claims (7)
- 地面から杭を引抜くための杭抜器であって、
前記杭を把持するクランプ機構と、
地面に起立するよう設置され、前記クランプ機構を上下にスライド可能に支持する支柱と、
関節点を介して互いに回動可能に連結された第1リンク要素及び第2リンク要素を有するとともに、前記第1リンク要素の一端部が前記支柱に設けられた第1連結点に、前記第2リンク要素の一端部が前記クランプ機構に設けられた第2連結点にそれぞれ回動可能に連結され、屈伸動作によって前記クランプ機構を上下動させるリンク機構と、
アクチュエータに接続される接続構造を有し、前記アクチュエータの力を前記リンク機構に伝達して、前記リンク機構を屈伸させる力伝達機構とを備え、
前記力伝達機構が、
前記リンク要素のいずれか一方における前記関節点と偏位する部位に設けられた第1力伝達点に回動可能に取り付けられた雌ネジ部材と、
前記雌ネジ部材に螺合し、一端部が前記リンク要素のいずれか他方における前記関節点と偏位する部位に設けられた第2力伝達点に回動可能に取り付けられたネジ軸部材と、
前記ネジ軸部材の他端部に設けられた前記接続構造とを備え、
前記接続構造にアクチュエータが接続されて前記ネジ軸部材が軸中心に回転し、前記雌ネジ部材が前記ネジ軸部材に対して螺進退することによって、前記第1力伝達点と前記第2力伝達点との間の距離が変化し、前記リンク機構が屈伸動作して前記クランプ機構が上下動するように構成されている杭抜器。 - 前記接続構造が前記ネジ軸部材の他端部に設けられた連結点に回動可能に連結されている請求項1に記載の杭抜器。
- 前記第1連結点が前記第2連結点よりも下方に設けられており、
第1リンク要素において、前記第1力伝達点が前記関節点よりも他端部側に設けられている請求項1又は2に記載の杭抜器。 - 前記支柱が上下方向に延びるガイドレールを有しており、
前記第2リンク要素の前記一端部における前記第2連結点と偏位する部位が、前記ガイドレールに設けられた第3連結点に、上下方向にスライド可能かつ回動可能に連結されている請求項1〜3のいずれかに記載の杭抜器。 - 前記クランプ機構には、上下方向に貫通する杭収容空間が形成されており、
前記杭収容空間は前記リンク機構の動作平面に垂直な方向に開口している請求項1〜4のいずれかに記載の杭抜器。 - 前記クランプ機構は、
前記杭収容空間内に杭を収容可能な収容可能姿勢と、
前記杭収容空間内を形成する内側面によって収容された杭を把持する把持姿勢と
を取るように構成されており、
自重により前記収容可能姿勢から前記把持姿勢に切り替わるように構成された請求項5に記載の杭抜器。 - 地面から杭を引抜くための杭抜器であって、
前記杭を把持するクランプを備えたクランプ機構と、
地面に起立するよう設置され、前記クランプ機構を上下にスライド可能に支持する支柱と、
関節点を介して互いに回動可能に連結された第1リンク要素及び第2リンク要素を有するとともに、前記第1リンク要素の一端部が前記支柱に設けられた第1連結点に、前記第2リンク要素の一端部が前記クランプ機構に設けられた第2連結点にそれぞれ回動可能に連結され、屈伸動作によって前記クランプ機構を上下動させるリンク機構と、
アクチュエータに接続される接続構造を有し、前記アクチュエータの力を前記リンク機構に伝達して、前記リンク機構を屈伸させる力伝達機構とを備え、
前記力伝達機構が、
前記第1リンク要素における前記関節点と偏位する部位又は前記支柱のいずれか一方に設けられた第1力伝達点に回動可能に取り付けられた雌ネジ部材と、
前記雌ネジ部材に螺合し、一端部が前記第1リンク要素における前記関節点と偏位する部位又は前記支柱のいずれか他方に設けられた第2力伝達点に回動可能に取り付けられたネジ軸部材と、
前記ネジ軸部材の他端部に設けられた前記接続構造とを備え、
前記接続構造にアクチュエータが接続されて前記ネジ軸部材が軸中心に回転し、前記雌ネジ部材が前記ネジ軸部材に対して螺進退することによって、前記第1力伝達点と前記第2力伝達点との間の距離が変化し、前記リンク機構が屈伸動作して前記クランプ機構が上下動するように構成されている杭抜器。
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---|---|---|---|
JP2018004684U JP3220125U (ja) | 2018-12-03 | 2018-12-03 | 杭抜器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018004684U JP3220125U (ja) | 2018-12-03 | 2018-12-03 | 杭抜器 |
Publications (1)
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JP3220125U true JP3220125U (ja) | 2019-02-14 |
Family
ID=65352294
Family Applications (1)
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JP2018004684U Active JP3220125U (ja) | 2018-12-03 | 2018-12-03 | 杭抜器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3220125U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102553605B1 (ko) * | 2023-01-18 | 2023-07-10 | 재단법인 한국환경측정분석원 | 오염토양 샘플 채취용 채취 관 추출장치 |
-
2018
- 2018-12-03 JP JP2018004684U patent/JP3220125U/ja active Active
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KR102553605B1 (ko) * | 2023-01-18 | 2023-07-10 | 재단법인 한국환경측정분석원 | 오염토양 샘플 채취용 채취 관 추출장치 |
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