JP3219475U - 立体型布地 - Google Patents

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【課題】簡単な製造方法で製造することができ、風合い、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみに優れる立体型布地を提供する。【解決手段】レーヨン繊維及びポリエステル繊維を含む不織布2で構成され、レーヨン繊維の含有量が75〜85質量%で、ポリエステル繊維の含有量が15〜25質量%であり、目付が55〜85g/m2であり、不織布2の一方の面に、線状凹部4を複数本有する。【選択図】図1

Description

本考案は、風合いと肌触りに優れた不織布で構成され、立体感、折り畳んだり巻いたりした際に膨らみが損なわれず、水に濡らしても同様である立体型布地に関する。
従来から、カフェ、喫茶店、寿司屋、焼肉屋及びレストラン等の飲食店等では、布製のおしぼりや不織布製の使い捨ておしぼりが使用されている。なかでも、使用者の清潔感を満足させる意味において、不織布製の使い捨ておしぼりが広く普及している。
しかしながら、不織布製の使い捨ておしぼりは、比較的薄いものが多く、立体感が無く美観や高級感に劣る。また、折り畳まれたものは開きにくく、開こうとすると破れてしまうこともあり、水を含むと風合いや肌触りが損なわれてしまうことも多々ある。折り畳んだり巻いたりした際には、更に立体感が損なわれて美観や高級感にも劣る。
ここで、昨今、世間はいわゆる高齢者社会であり、今後も介護や福祉の場面が増大しており、若い世代の人が介護や福祉の現場に参入してくることからも、上記のような不織布製の使い捨ておしぼりが、例えばおしり拭きやボディタオルの用途として求められてることが予想されるが、従来の使い捨ておしぼりでは、風合い及び強度の観点から必ずしも十分なものではなかった。
これに関連しては、例えば特許文献1(特開2010−144281号公報)において、風合いが良好で、かつ実用的な強度を有するスパンレース不織布を提供することを課題として、クロスレイヤー方式で目付を50g/m以下のクロスレイドウエブを得てスパンレース不織布を製造する方法が提案されている。
即ち、特許文献1は、「(1)セルロール系短繊維群をカード機によって開繊して得たパラレルウェブを、クロスレイヤーにより折り重ねて、目付を50g/m以下のクロスレイドウエブを得る工程、(2)クロスレイドウエブを有孔支持体に担持させ、該ウエブ側より6MPa以下の高圧水流を施し、該ウエブを構成する短繊維相互間を交絡させる工程、(3)短繊維相互間が交絡してなるウエブに、シリコーン系柔軟剤を付与する工程、を有する風合いに優れたスパンレース不織布の製造方法」を提案する。
特開2010−144281号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の製造方法で得られるスパンレース不織布は、風合いと強度には優れるかもしれないが、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)については何ら検討されておらず、未だ改善の余地があった。また、上記特許文献1の製造方法は煩雑であるから、簡便な製造方法という観点からも、未だ改善の余地があった。
そこで、本考案の目的は、簡単な製造方法で製造することができ、風合い、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れる立体型布地を提供することにある。
本考案者は、上記のように介護や福祉の現場において使い捨ておしぼりの新たな需要を実感し、このような現場でも使用可能な布地について鋭意検討して実験をし始めたところ、不織布を構成する材料の種類、混合割合及び目付によって、得られる不織布の風合いや肌触り、強度及び立体感に大きく影響するという問題に直面した。
そして、本考案者は、主として不織布を構成する繊維の材料、混合割合及び目付に着目するとともに、その構造にも着目し、これらを最適化すれば、風合い、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れる立体型布地が実現できるのではないかと考え、鋭意実験を繰返し、本考案を完成するに至った。
即ち、本考案は、上記目的を達成するために、
レーヨン繊維及びポリエステル繊維を含む不織布で構成され、
前記レーヨン繊維の含有量が75〜85質量%で、前記ポリエステル繊維の含有量が15〜25質量%であり、
目付が55〜85g/mであること、
を特徴とする立体型布地、を提供するものである。
本考案者は、レーヨン繊維及びポリエステル繊維を含む不織布を用い、かつクロスレイヤー方式で形成されたメッシュタイプの不織布を用いれば、上記のような課題を解決し得る立体型布地を実現し得ることを見出し、本考案を完成するに至った。即ち、上記構成を有する本考案の立体型布地は、簡単な構造でかつ簡易な製造方法で製造することができ、風合い、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れる。
上記本考案の立体型布地においては、前記不織布がクロスレイヤー方式で形成されたメッシュタイプの不織布であること、が好ましい。
このような構成によれば、簡単な構造でかつ簡易な製造方法で製造することができ、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れる立体型布地を、より確実に得ることができる。
また、上記本考案の立体型布地においては、前記不織布の一方の面に、深さが0.3〜2.0mmの線状凹部を複数本有すること、が好ましい。
本考案者は、上記のように立体型布地をレーヨン繊維及びポリエステル繊維を含む不織布で構成し、レーヨン繊維及びポリエステル繊維の混合割合(含有量)をそれぞれ75〜85質量%及び15〜25質量%(合計100質量%)とし、目付を55〜85g/mとすれば、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れることを見出し、本考案に係る立体型布地を完成したのである。
本考案の立体型布地は、風合い、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れる。したがって、使用感良く、使い捨てのおしぼり、ボディタオル又はおしりふき等に好適に使用できる。
本考案の立体型布地の一実施形態を模式的に示す概略縦断面図である。 図1に示す立体型布地1を矢印Xの方向からみた場合にうつる様子を示す写真である。 図2におけるA−B拡大図である。
以下、本考案の代表的な実施形態に係る立体型布地について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本考案は以下の実施形態に限定されるものではない。また、図面は、本考案を概念的に説明するためのものであるから、理解を容易にするために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
ここで、図1は、本考案の一実施形態に係る立体型布地1を模式的に示す概略縦断面図であり、図2は、図1の立体型布地1を矢印Xの方向からみた場合に表れる様子を示す写真であり、図3は、図2におけるA−B拡大図である。
本実施形態の立体型布地1は、レーヨン繊維及びポリエステル繊維を含む不織布2で構成されており(図1参照)、図3の矢印Xの方向からみた場合にみえるように、一方の面に線状凹部4を複数本有している。本実施形態においては、線状凹部4が縦及び横においていずれにおいても一定のピッチ(間隔)で並列して互いに交差しており、格子状に形成されているが、本考案の効果を損なわない範囲であれば、どのような形状に形成されていてもよい。例えば、縦のみに並列していても、横のみに並列していてもよいし、縦及び横のいずれにも並列して交差しつつ、縦及び横でピッチが異なっていてもよい。
線状凹部4の深さは、本考案の大きな特徴である。本考案者が鋭意検討を重ねた結果、レーヨン繊維及びポリエステル繊維を含む不織布2において所定の構成の組合わせを見出したことによって、深い溝を有する金型を製造工程に使用可能とすることができ、深さを確保した線状凹部4を複数本形成でき、風合い、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れる立体型布地1が得られたからである。
線状凹部4の深さは、本考案の効果が十分に得られ、また十分な量の水分を不織布2に含浸させることができるという観点から、0.3〜2.0mmであればよいが、0.7〜1.2mmであるのが好ましく、0.5〜1.0mmであるのが更に好ましい。また、線状凹部4の縦及び横のそれぞれにおけるピッチは0.2〜1.0cmであればよいが、0.3〜0.7cmであるのが好ましい。縦及び横それぞれで深さ及びピッチが異なっていてもよい。
なお、立体型布地1の目付や厚さは、線状凹部4の深さとの関係で、十分な風合い、肌触り及び強度その他の本考案の効果を損なわない範囲で、適宜決定すればよいが、本実施形態の立体型布地1においては、目付が55〜85g/mである。なかでも60〜80g/mであるのが好ましい。
なお、不織布の目付けは以下のように測定すればよい。まず、不織布を所定の大きさに裁断し、これを測定片とする。電子天秤(メーカー問わず)に、この測定片を載置する。この状態での重量を測定し、その重量を面積で割ることにより、目付(g/m)とすることができる。
本実施形態の立体型布地1を構成する不織布2は、レーヨン繊維及びポリエステル繊維の混合割合(含有量)をそれぞれ75〜85質量%及び15〜25質量%(合計100質量%)であるのが好ましいことを、本考案者は実験により見出した。なかでも、レーヨン繊維及びポリエステル繊維の混合割合(含有量)をそれぞれ78〜82質量%及び18〜22質量%(合計100質量%)であるのが特に好ましい。
上記のレーヨン繊維及びポリエステル繊維の繊度については、特に制限はなく本考案の効果を損なわない範囲で適宜決定すればよいが、例えば1.0〜2.0デニールであればよい。
なお、デニールは以下のように測定すればよい。例えば、20℃、相対湿度65%雰囲気下で繊維の試料を無緊張かつ無荷重で直線状に静置し24時間放置し放縮させ、その後、試料を900mmの長さで切断したものを10本合わせて秤量し、9000mあたりの重量に換算し、その値をデニールとすることができる。
繊度が1.0デニール未満のレーヨン繊維及びポリエステル繊維の場合、繊維が細すぎ、繊維間の隙間を十分には確保できず、十分な量の水分を不織布2に含浸させることができないため、優れた風合い、肌触り、及び爽快な冷涼感・使用感を味わうことができる立体型布地1が得られにくい。
また、繊度が2.0デニールを超えるレーヨン繊維及びポリエステル繊維の場合、繊維が太すぎ、繊維間の隙間が大きくなる傾向にあり、不織布2がごわつき、また、不織布2に含浸される水分の量が多すぎて、立体型布地1が膨らんでしまい、風合い、肌触り、冷涼感及び使用感に劣る。
さらには、不織布2は、1.2〜1.7デニールのレーヨン繊維及びポリエステル繊維で構成されるのが好ましい。この範囲であれば、より確実に、十分な量の水分を不織布2に含浸させることができ、また、不織布2がごわつくことなく、また、不織布2に含浸される水分の量が適度で、風合い、肌触り、冷涼感及び使用感に優れた立体型布地1が得られる。
また、不織布2の目付けが55g/m未満の場合、本考案の効果が十分に得られない。また、繊維どうしの緻密な重なりの程度が低く、この繊維で構成された不織布2の地合い(形態保持性)が低下するので、好ましくない。
また、不織布2の目付けが85g/mを超える場合、本考案の効果が十分に得られない。また、繊維どうしが三次元的に十分に交絡せず、全体としての一体性に劣る傾向にあるため、好ましくない。
さらには、不織布2の目付けは60〜80g/m(特に80g/m)であるのが好ましい。この範囲であれば、繊維どうしの緻密な重なりの程度が高く、不織布2の地合い(形態保持性)も高い。また、繊維どうしが三次元的に十分に交絡しており、全体としての一体性に優れる。
ここで、不織布2を構成するのはレーヨン繊維及びポリエステル繊維であるのが好ましいことを、本考案者は実験により発見した。従来の使い捨ておしぼりに適用できる不織布としては、上記特許文献1に開示されているように、例えばセルロール系短繊維群を含有する不繊布が用いられていたが、このような不織布では本考案が意図するところの課題は解決できない。
なお、本実施形態の立体型布地1は、折り畳まれた状態や捲回された状態の不織布2に水分が含浸されて、構成されていることができる。そして、このように水分を含む不織布2は、個別に、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの従来公知の包装フィルムによって包装されていてもよい。このように個別包装されていれば、使用時に必要な数の立体型布地1のみを、例えば冷蔵庫で冷やしたり電子レンジで温めたりすることができる。
ここで、本実施形態の立体型布地1の代表的な製造方法について説明する。不織布2は、従来公知の方法によって製造することが可能であるが、レーヨン繊維及びポリエステル繊維を上記の混合割合で混繊し、例えばカード機により解繊することにより不織ウエブを形成する。
両繊維を混繊する際に、合成繊維であるポリエステル繊維と再生繊維であるレーヨン繊維との上記割合の範囲を外れると、疎水性で、濡れても強度及び耐摩耗性に優れるという合成繊維の作用効果と、吸湿性、吸水性及び親水性という再生繊維の作用効果と、のバランスが崩れ、立体型布地1の作用効果が損なわれる傾向にある。
カード機により形成される不織ウエブとしては、繊維の配列が機械方向に一様なパラレルカード機を使用してパラレルカードウエブ、クロスレイヤー又はパラレルカード機とクロスレイヤーとの両方を使用して繊維の配列を機械方向に対し横直交する方向に積層したクロスレイドウエブ、このクロスレイドウエブをドラフターを用い繊維縦/横の配列を変更したウエブ、セミランダムカード機を用いたセミランダムウエブ、及びランダムカード機による繊維の配列が一様性のないランダムカードウエブなどが挙げられる。なかでも、クロスレイドウエブが好ましい。
また、これらのカード機を複数組み合わせたり、同種のカード機を複数台用いたりすることにより、不織布2の機械的性能の向上、操業性、生産性の向上を行うことができる。
次いで、得られた不織ウエブに高圧液体流処理(高圧液体流を噴出して不織ウエブに衝突させ、不織ウエブの構成繊維どうしを交絡させる処理)を施すことにより、構成繊維相互間に三次元交絡を形成して形態を保持させ、その後乾燥処理を施し、不織布2を得る。不織ウエブに高圧液体流による三次元交絡を施すに際しては、従来公知の技術を用いればよい。
高圧液体流処理を施した後乾燥処理を施すが、この際、まず処理後の不織ウエブから過剰水分を除去する。この過剰水分の除去には、従来公知の方法を採用することができ、例えばマングルロール等の絞り装置を用いて過剰水分をある程度機械的に除去する。そして、引き続き連続熱風乾燥機等の乾燥装置を用いて残余の水分を除去し、三次元交絡により形態保持された不織布を得る。
次に、上記のようにして得た不織布2に、水分を含浸させてよい。この水分は水道水、純水、蒸留水、精製水のいずれであってもよい。また、抗菌剤やメントールなどの清涼剤などを含んでいてもよい。このように水分を含浸させた不織布2を、常法によって包装フィルムに包装すれば、本実施形態の立体型布地1を得ることができる。
以上のようにして得られる本実施形態の立体型布地1は、簡単な構造でかつ簡易な製造工程で製造することができ、風合い、肌触り及び強度に優れるとともに、立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)、更には水に濡らしたときの立体感や膨らみ(特に折り畳んだり巻いたりした際)に優れる。
また、本考案者は、本実施形態の立体型布地1は使い捨ておしぼりとして特に有用であることを見出した。即ち、本考案者は、本実施形態の使い捨ておしぼり1を、精製水乃至は蒸留水等の水を含ませて包装フィルムで包装して使い捨ておしぼりを作製し、その後、開封してこれを使用してみた。その結果、3時間以上にわたって乾燥し切ることなく水分(湿潤性)を保持することができ、食事時間中におしぼりとして好適に使用できることが確認できた。昨今、海外製の使い捨ておしぼりが日本に普及してきているが、このような高い水分保持性に有しなければ本来のおしぼりとしての有用性に劣る。これに対し、本実施形態の立体型布地1は、少なくとも1〜3時間の水分保持性を有し、使い捨ておしぼりとして非常に有用であることを確認した。
1・・・立体型布地、
2・・・不織布、
4・・・線状凹部。


Claims (4)

  1. レーヨン繊維及びポリエステル繊維を含む不織布で構成され、
    前記レーヨン繊維の含有量が75〜85質量%で、前記ポリエステル繊維の含有量が15〜25質量%であり、
    目付が55〜85g/mであり、
    前記不織布の一方の面に、線状凹部を複数本有すること、
    を特徴とする立体型布地。
  2. 前記不織布がクロスレイヤー方式で形成されたメッシュタイプの不織布であること、
    を特徴とする請求項1に記載の立体型布地。
  3. 前記不織布の一方の面に、深さが0.3〜2.0mmの線状凹部を複数本有すること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の立体型布地。
  4. 使い捨てのおしぼり、ボディタオル又はおしりふきであること、
    を特徴とする請求項1〜3のうちのいずれかに記載の立体型布地。



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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020063527A (ja) * 2018-10-15 2020-04-23 英泰 宮川 立体型布地

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