JP3218432B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
車両用空調装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両のフロント
側空間とリア側空間などのように、異なる領域を空調す
る複数の空調ユニットを備えた車両用空調装置に関し、
特に、内外気切替装置を有しない内気循環用空調ユニッ
トのエバポレータの温度を推定し、これに基いて対応す
る領域を温調制御するものに関する。
側空間とリア側空間などのように、異なる領域を空調す
る複数の空調ユニットを備えた車両用空調装置に関し、
特に、内外気切替装置を有しない内気循環用空調ユニッ
トのエバポレータの温度を推定し、これに基いて対応す
る領域を温調制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両の異なる領域を空調するために複数
の空調ユニットを搭載する車両用空調装置は、その内の
1つに内外気切替装置を設け、空気通路に導入された空
気をエバポレータで冷却し、さらに温度調節装置によっ
て車室内に吹出す空気温度を調節できるようにしてい
る。そして、他の空調ユニットを内気循環用とし、空気
通路に導入された内気をエバポレータで冷却し、必要に
より温度調節装置を設けて車室内に吹出す空気温度を調
節できる構成となっており、各空調ユニットのエバポレ
ータは、共通のコンプレッサから冷媒が供給されるよう
になっているものが多い。
の空調ユニットを搭載する車両用空調装置は、その内の
1つに内外気切替装置を設け、空気通路に導入された空
気をエバポレータで冷却し、さらに温度調節装置によっ
て車室内に吹出す空気温度を調節できるようにしてい
る。そして、他の空調ユニットを内気循環用とし、空気
通路に導入された内気をエバポレータで冷却し、必要に
より温度調節装置を設けて車室内に吹出す空気温度を調
節できる構成となっており、各空調ユニットのエバポレ
ータは、共通のコンプレッサから冷媒が供給されるよう
になっているものが多い。
【0003】そのような例として、車室のフロント側空
間をフロント側空調ユニットで空調し、リア側空間をリ
ア側空調ユニットで空調するようにした特開平6−26
2928号公報や特開平8−72522号公報等が知ら
れている。
間をフロント側空調ユニットで空調し、リア側空間をリ
ア側空調ユニットで空調するようにした特開平6−26
2928号公報や特開平8−72522号公報等が知ら
れている。
【0004】そのうち前者は、リア側空調ユニットのエ
バポレータ温度(リアエバ温度)をコンプレッサのオン
・オフ時間とリア側空間温度とからファジー推論し、そ
の推論されたリアエバ温度に基づいてリア側空調ユニッ
トのエアミクッスドアを制御する技術に関する。即ち、
フロント側冷房サイクルとリア側冷房サイクルがともに
コンプレッサの駆動を許容する作動モードとなっている
場合に、所要時間内におけるコンプレッサのオン時間と
オフ時間とを検出し、オン時間積算値とオフ時間積算値
とに応じて最適なリアエバ温度の補正ゲインKをファジ
ー推論し、この補正ゲインKとリア側空間温度TINCR
とに基づいてリアエバ温度の推定値TINTRを決定するよ
うにしている。そして、このエバポレータの推定値T
INTRに基づき、リア側空調ユニットのエアミックスドア
が制御されるようになっている。
バポレータ温度(リアエバ温度)をコンプレッサのオン
・オフ時間とリア側空間温度とからファジー推論し、そ
の推論されたリアエバ温度に基づいてリア側空調ユニッ
トのエアミクッスドアを制御する技術に関する。即ち、
フロント側冷房サイクルとリア側冷房サイクルがともに
コンプレッサの駆動を許容する作動モードとなっている
場合に、所要時間内におけるコンプレッサのオン時間と
オフ時間とを検出し、オン時間積算値とオフ時間積算値
とに応じて最適なリアエバ温度の補正ゲインKをファジ
ー推論し、この補正ゲインKとリア側空間温度TINCR
とに基づいてリアエバ温度の推定値TINTRを決定するよ
うにしている。そして、このエバポレータの推定値T
INTRに基づき、リア側空調ユニットのエアミックスドア
が制御されるようになっている。
【0005】これに対して、後者は、コンプレッサの稼
動、停止に応じてリアエバ温度を推論し、その推論され
たリアエバ温度に基づいてリア側空調ユニットのエアミ
クッスドアを制御する技術に関する。即ち、フロント側
冷房サイクルのエバポレータから吹き出す空気温度と、
車両のリア側空間温度とを検出し、また、コンプレッサ
が稼動しているか否かを判定する判定手段を備え、フロ
ント側冷房サイクルとリア側冷房サイクルが作動モード
に設定されている場合に、コンプレッサが稼動している
と判定されれば、リアエバ温度の推定値としてフロント
側のエバポレータ温度が用いられ、これに対して、両サ
イクルが作動モードに設定されているにも拘わらずコン
プレッサが停止している場合には、リアエバ温度の推定
値としてフロント側のエバポレータ温度からリア側空間
温度にかけて所定の時定数をもって変化させた温度が用
いられる。
動、停止に応じてリアエバ温度を推論し、その推論され
たリアエバ温度に基づいてリア側空調ユニットのエアミ
クッスドアを制御する技術に関する。即ち、フロント側
冷房サイクルのエバポレータから吹き出す空気温度と、
車両のリア側空間温度とを検出し、また、コンプレッサ
が稼動しているか否かを判定する判定手段を備え、フロ
ント側冷房サイクルとリア側冷房サイクルが作動モード
に設定されている場合に、コンプレッサが稼動している
と判定されれば、リアエバ温度の推定値としてフロント
側のエバポレータ温度が用いられ、これに対して、両サ
イクルが作動モードに設定されているにも拘わらずコン
プレッサが停止している場合には、リアエバ温度の推定
値としてフロント側のエバポレータ温度からリア側空間
温度にかけて所定の時定数をもって変化させた温度が用
いられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そもそも、このような
技術が開発されてきた背景には、特開昭56−1464
15号公報の技術をツインタイプの車両用空調装置に利
用し、リア側空調ユニットで用いるエバポレータ温度を
図3に示すように推定する場合の不都合を回避すること
にあった。
技術が開発されてきた背景には、特開昭56−1464
15号公報の技術をツインタイプの車両用空調装置に利
用し、リア側空調ユニットで用いるエバポレータ温度を
図3に示すように推定する場合の不都合を回避すること
にあった。
【0007】即ち、図3によれば、フロント側空調ユニ
ットとリア側空調ユニットのいずれもが、コンプレッサ
の駆動を許容する作動モードである場合には、固定温度
(例えば、5℃)をリアエバ温度の推定値(リアエバ推
定温度)TINTRとし、フロント側空調ユニットがコンプ
レッサを駆動し得ない非作動モード、又は、フロント側
空調ユニットが作動モードであるにも関わらずリア側空
調ユニットが非作動モードである場合には、リア側空間
温度TINCRをリアエバ温度の推定値(リアエバ推定温
度)TINTRとしていた。
ットとリア側空調ユニットのいずれもが、コンプレッサ
の駆動を許容する作動モードである場合には、固定温度
(例えば、5℃)をリアエバ温度の推定値(リアエバ推
定温度)TINTRとし、フロント側空調ユニットがコンプ
レッサを駆動し得ない非作動モード、又は、フロント側
空調ユニットが作動モードであるにも関わらずリア側空
調ユニットが非作動モードである場合には、リア側空間
温度TINCRをリアエバ温度の推定値(リアエバ推定温
度)TINTRとしていた。
【0008】このような構成は、リアエバ温度を検出す
るためのセンサが不要になるメリットを有し、また、実
際のリアエバ温度によってリア側エアミックスドアが制
御されると、コンプレッサのオンオフに伴うリアエバ温
度の揺動によって吹出温度が適切に制御できなくなる不
都合があることから、このような不都合を解消するため
に寄与できるものであった。
るためのセンサが不要になるメリットを有し、また、実
際のリアエバ温度によってリア側エアミックスドアが制
御されると、コンプレッサのオンオフに伴うリアエバ温
度の揺動によって吹出温度が適切に制御できなくなる不
都合があることから、このような不都合を解消するため
に寄与できるものであった。
【0009】しかし、この構成では、低外気温時にフロ
ント側空調ユニットが外気導入モード(FRESH)に
設定されると、フロント側空調ユニットに導入される空
気の温度がコンプレッサのオン/オフ温度(例えば、3
〜5°C)よりも低くなり、冷房サイクルは作動モード
に設定されているにも拘わらずコンプレッサが稼動しな
い状態となる。すると、リア側空調ユニットのエバポレ
ータにも冷媒が流れなくなるため、内気しか取り込まな
いリア側空調ユニットの場合、リアエバ温度はリア側空
間温度(25から30°C)になるが、制御上はコンプ
レッサの駆動を許容する作動モードとなっていることか
らリアエバ温度の推定値TINTRとして固定温度(5°
C)が与えられることとなり、リア側エアミックスドア
はこの低い推定温度によって駆動制御されてしまい、リ
ア側空間への吹出温度が目標とする温度よりも高くなっ
て乗員に不快感を与えるという不都合が生じる。
ント側空調ユニットが外気導入モード(FRESH)に
設定されると、フロント側空調ユニットに導入される空
気の温度がコンプレッサのオン/オフ温度(例えば、3
〜5°C)よりも低くなり、冷房サイクルは作動モード
に設定されているにも拘わらずコンプレッサが稼動しな
い状態となる。すると、リア側空調ユニットのエバポレ
ータにも冷媒が流れなくなるため、内気しか取り込まな
いリア側空調ユニットの場合、リアエバ温度はリア側空
間温度(25から30°C)になるが、制御上はコンプ
レッサの駆動を許容する作動モードとなっていることか
らリアエバ温度の推定値TINTRとして固定温度(5°
C)が与えられることとなり、リア側エアミックスドア
はこの低い推定温度によって駆動制御されてしまい、リ
ア側空間への吹出温度が目標とする温度よりも高くなっ
て乗員に不快感を与えるという不都合が生じる。
【0010】そこで、コンプレッサの稼動を許容する作
動モードに設定されているのにコンプレッサが駆動しな
い環境下においても、リア側空調ユニットのエバポレー
タ温度を適切に推定する必要があり、このような目的か
ら上述した制御が開発されたのであった。
動モードに設定されているのにコンプレッサが駆動しな
い環境下においても、リア側空調ユニットのエバポレー
タ温度を適切に推定する必要があり、このような目的か
ら上述した制御が開発されたのであった。
【0011】しかし、上述の従来装置にあっては、コン
プレッサが駆動しているか否かを検出する構成となって
いるので、電子サーモのように、他の空調機器を制御す
るコントロールユニットから独立した駆動アンプによっ
てコンプレッサの電磁クラッチをオン/オフ制御するシ
ステムにあっては、コントロールユニットでコンプレッ
サの駆動の有無を判定することができず、上述した制御
に対応することができない不都合がある。
プレッサが駆動しているか否かを検出する構成となって
いるので、電子サーモのように、他の空調機器を制御す
るコントロールユニットから独立した駆動アンプによっ
てコンプレッサの電磁クラッチをオン/オフ制御するシ
ステムにあっては、コントロールユニットでコンプレッ
サの駆動の有無を判定することができず、上述した制御
に対応することができない不都合がある。
【0012】そこで、この発明においては、上記不都合
を解消し、コンプレッサの駆動の有無に拘わらず内気循
環用空調ユニットのエバポレータ温度を適切に推定する
ことができ、もって、コンプレッサの制御システムによ
らず全てのシステムにおいて最適な空調制御が行える車
両用空調装置を提供することを課題としている。
を解消し、コンプレッサの駆動の有無に拘わらず内気循
環用空調ユニットのエバポレータ温度を適切に推定する
ことができ、もって、コンプレッサの制御システムによ
らず全てのシステムにおいて最適な空調制御が行える車
両用空調装置を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明は、コンプレッサが低外気時に外気導入モー
ドに設定された場合に停止しやすいこと、また、内気循
環用空調ユニットは、それに対応する空調領域の空気し
か空気通路に導入されないことから、外気温度と車室内
の領域温度とを検出することで内気循環用空調ユニット
のエバポレータ温度を推定し、コンプレッサの実際の稼
動状態にエバポレータの推定温度が左右されないように
した。
め、本発明は、コンプレッサが低外気時に外気導入モー
ドに設定された場合に停止しやすいこと、また、内気循
環用空調ユニットは、それに対応する空調領域の空気し
か空気通路に導入されないことから、外気温度と車室内
の領域温度とを検出することで内気循環用空調ユニット
のエバポレータ温度を推定し、コンプレッサの実際の稼
動状態にエバポレータの推定温度が左右されないように
した。
【0014】即ち、車両の異なる領域を空調する複数の
空調ユニットを有する本願にかかる車両用空調装置は、
空気通路内に導入される空気を内気又は外気に切りかえ
る内外気切替装置、この内外気切替装置を介して導入さ
れた空気を冷却するエバポレータ、及び吹出空気温度を
調節する温度調節装置を有する内外気切替空調ユニット
と、空気通路内に導入される空気を内気のみとし、導入
された内気を冷却するエバポレータ及び吹出温度を調節
する温度調節装置を有する内気循環用空調ユニットと、
前記内外気切替空調ユニットのエバポレータと、前記内
気循環用空調ユニットのエバポレータとに冷媒を供給す
る共通のコンプレッサと、外気温度を検出する外気温度
検出器と、前記内気循環用空調ユニットによって割り当
てられた領域の室内温度を検出する室内温度検出手段
と、前記内気循環用空調ユニットのエバポレータへの冷
媒の供給を許容する作動モードを設定する作動モード設
定手段と、前記内外気切替手段により内気を導入するモ
ードが設定され、前記作動モード設定手段により作動モ
ードが設定されている場合に、固定温度を前記内気循環
用空調ユニットのエバポレータ温度と推定し、前記作動
モード設定手段により作動モードが設定されていない場
合に、前記室内温度検出手段で検出された温度を前記内
気循環用空調ユニットのエバポレータ温度と推定し、前
記内外気切替手段により外気を導入するモードが設定さ
れ、前記作動モード設定手段により作動モードが設定さ
れている場合に、前記外気温度、前記固定温度、及び前
記室内温度検出手段で検出された温度の相関によって決
定される値を前記内気循環用空調ユニットのエバポレー
タ温度と推定するエバ温度推定手段とを具備することを
特徴としている(請求項1)。
空調ユニットを有する本願にかかる車両用空調装置は、
空気通路内に導入される空気を内気又は外気に切りかえ
る内外気切替装置、この内外気切替装置を介して導入さ
れた空気を冷却するエバポレータ、及び吹出空気温度を
調節する温度調節装置を有する内外気切替空調ユニット
と、空気通路内に導入される空気を内気のみとし、導入
された内気を冷却するエバポレータ及び吹出温度を調節
する温度調節装置を有する内気循環用空調ユニットと、
前記内外気切替空調ユニットのエバポレータと、前記内
気循環用空調ユニットのエバポレータとに冷媒を供給す
る共通のコンプレッサと、外気温度を検出する外気温度
検出器と、前記内気循環用空調ユニットによって割り当
てられた領域の室内温度を検出する室内温度検出手段
と、前記内気循環用空調ユニットのエバポレータへの冷
媒の供給を許容する作動モードを設定する作動モード設
定手段と、前記内外気切替手段により内気を導入するモ
ードが設定され、前記作動モード設定手段により作動モ
ードが設定されている場合に、固定温度を前記内気循環
用空調ユニットのエバポレータ温度と推定し、前記作動
モード設定手段により作動モードが設定されていない場
合に、前記室内温度検出手段で検出された温度を前記内
気循環用空調ユニットのエバポレータ温度と推定し、前
記内外気切替手段により外気を導入するモードが設定さ
れ、前記作動モード設定手段により作動モードが設定さ
れている場合に、前記外気温度、前記固定温度、及び前
記室内温度検出手段で検出された温度の相関によって決
定される値を前記内気循環用空調ユニットのエバポレー
タ温度と推定するエバ温度推定手段とを具備することを
特徴としている(請求項1)。
【0015】内外気切替空調ユニットは、車室をフロン
ト領域とリア領域とで分ける場合にあっては、フロント
側空調ユニットを指し、内気循環用空調ユニットは、リ
ア側空調ユニットを指す。フロント領域とリア領域のよ
うに、通常は2つの空調ユニットを想定すればよいが、
車室を左右又は上下の領域に分けても、また、内気循環
用空調ユニットを複数有するようにしてもよい。また、
温度調節装置とは、ヒータコアとこのヒータコアを通過
する空気量を変更するエアミックスドアとによって吹出
空気温度を調節するものであっても、加熱用熱交換器の
放熱量を調節するものであってもよい。
ト領域とリア領域とで分ける場合にあっては、フロント
側空調ユニットを指し、内気循環用空調ユニットは、リ
ア側空調ユニットを指す。フロント領域とリア領域のよ
うに、通常は2つの空調ユニットを想定すればよいが、
車室を左右又は上下の領域に分けても、また、内気循環
用空調ユニットを複数有するようにしてもよい。また、
温度調節装置とは、ヒータコアとこのヒータコアを通過
する空気量を変更するエアミックスドアとによって吹出
空気温度を調節するものであっても、加熱用熱交換器の
放熱量を調節するものであってもよい。
【0016】内気循環用空調ユニットによって割り当て
られた領域の温度を検出する室内温度検出手段は、この
領域の代表的な温度を検出できる任意の個所に設けられ
ればよく、例えば、内気循環用空調ユニットの空気取入
口に設けること等が考えられる。また、作動モードと
は、コンプレッサの駆動を許容するモードのことであ
り、コンプレッサが駆動していてエバポレータに冷媒が
供給されている場合や、凍結防止等の要請からコンプレ
ッサは実際には駆動していないが、条件が整えばいつで
も自動的に稼動できる状態にあるモードのことであり、
作動モード設定手段としてエアコンスイッチを考える場
合には、エアコンスイッチをオンにした状態に相当す
る。
られた領域の温度を検出する室内温度検出手段は、この
領域の代表的な温度を検出できる任意の個所に設けられ
ればよく、例えば、内気循環用空調ユニットの空気取入
口に設けること等が考えられる。また、作動モードと
は、コンプレッサの駆動を許容するモードのことであ
り、コンプレッサが駆動していてエバポレータに冷媒が
供給されている場合や、凍結防止等の要請からコンプレ
ッサは実際には駆動していないが、条件が整えばいつで
も自動的に稼動できる状態にあるモードのことであり、
作動モード設定手段としてエアコンスイッチを考える場
合には、エアコンスイッチをオンにした状態に相当す
る。
【0017】上述の構成において、内外気切替空調ユニ
ットが内気循環モードである場合を考えると、作動モー
ド設定手段によって作動モードに設定されている場合に
は、固定温度が内気循環用空調ユニットのエバポレータ
推定温度として設定され、作動モードでなければ、室内
温度検出手段で検出された温度が内気循環用空調ユニッ
トのエバポレータ推定温度として設定される。また、内
外気切替空調ユニットが外気導入モードである場合を考
えると、作動モード設定手段によって作動モードに設定
されている場合には、内気循環用空調ユニットのエバポ
レータ推定温度が、外気温度と、固定温度と、室内温度
検出手段で検出された温度との相関によって決定される
所定の値で決定される。したがって、コンプレッサの実
際の稼動の有無によってエバポレータ推定温度が異なる
ことがないので、外気導入時に作動モードであるにも拘
わらずコンプレッサが停止し続けるような場合でも、エ
バポレータ推定温度と実際のエバポレータ温度とがそれ
ほど異なるようなことはなくなる。
ットが内気循環モードである場合を考えると、作動モー
ド設定手段によって作動モードに設定されている場合に
は、固定温度が内気循環用空調ユニットのエバポレータ
推定温度として設定され、作動モードでなければ、室内
温度検出手段で検出された温度が内気循環用空調ユニッ
トのエバポレータ推定温度として設定される。また、内
外気切替空調ユニットが外気導入モードである場合を考
えると、作動モード設定手段によって作動モードに設定
されている場合には、内気循環用空調ユニットのエバポ
レータ推定温度が、外気温度と、固定温度と、室内温度
検出手段で検出された温度との相関によって決定される
所定の値で決定される。したがって、コンプレッサの実
際の稼動の有無によってエバポレータ推定温度が異なる
ことがないので、外気導入時に作動モードであるにも拘
わらずコンプレッサが停止し続けるような場合でも、エ
バポレータ推定温度と実際のエバポレータ温度とがそれ
ほど異なるようなことはなくなる。
【0018】エバ温度推定手段の相関によって決定され
る値は、外気が第1の設定温度以上の場合に前記固定温
度とし、外気が前記第1の設定温度よりも低い第2の設
定温度以下の場合に前記室内温度検出手段で検出された
温度とし、外気が前記第1の設定温度と第2の設定温度
との間である場合に、外気が低くなるほど前記固定温度
から前記室内温度検出手段で検出された温度へ近づく特
性値とする構成が考えられる(請求項2)。
る値は、外気が第1の設定温度以上の場合に前記固定温
度とし、外気が前記第1の設定温度よりも低い第2の設
定温度以下の場合に前記室内温度検出手段で検出された
温度とし、外気が前記第1の設定温度と第2の設定温度
との間である場合に、外気が低くなるほど前記固定温度
から前記室内温度検出手段で検出された温度へ近づく特
性値とする構成が考えられる(請求項2)。
【0019】このような構成では、外気が第1の設定温
度以上の場合には、サイクリング制御(冷房サイクルの
稼動要請とエバポレータの凍結防止の要請からコンプレ
ッサをオン/オフさせる制御)を行える状態であるの
で、このサイクリング制御によって通常得られる温度
(固定温度)が推定温度となり、外気が第2の設定温度
以下の場合には、エバポレータの凍結防止のためにコン
プレッサが停止するので、エバポレータの実際の温度
は、内気循環用空調ユニットによって温調される領域の
室内温度と等しくなるので、この領域の温度が推定温度
となる。
度以上の場合には、サイクリング制御(冷房サイクルの
稼動要請とエバポレータの凍結防止の要請からコンプレ
ッサをオン/オフさせる制御)を行える状態であるの
で、このサイクリング制御によって通常得られる温度
(固定温度)が推定温度となり、外気が第2の設定温度
以下の場合には、エバポレータの凍結防止のためにコン
プレッサが停止するので、エバポレータの実際の温度
は、内気循環用空調ユニットによって温調される領域の
室内温度と等しくなるので、この領域の温度が推定温度
となる。
【0020】これに対して、外気が第1の設定温度と第
2の設定温度との間にある場合には、外気温が高いほど
コンプレッサは停止しにくくなるので、この場合にはエ
バポレータ推定温度は固定温度に近づき、逆に、外気温
が低いほどコンプレッサは停止しやすくなるので、この
場合にはエバポレータ推定温度は対応する領域の室内温
度に近づく。
2の設定温度との間にある場合には、外気温が高いほど
コンプレッサは停止しにくくなるので、この場合にはエ
バポレータ推定温度は固定温度に近づき、逆に、外気温
が低いほどコンプレッサは停止しやすくなるので、この
場合にはエバポレータ推定温度は対応する領域の室内温
度に近づく。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1において、ツインタイプ車両用
空調装置が示され、このツインタイプ車両用空調装置
は、フロント側空間を主として空調するフロント側空調
ユニット1とリア側空間を主として空調するリア側空調
ユニット2とを有している。
面により説明する。図1において、ツインタイプ車両用
空調装置が示され、このツインタイプ車両用空調装置
は、フロント側空間を主として空調するフロント側空調
ユニット1とリア側空間を主として空調するリア側空調
ユニット2とを有している。
【0022】フロント側空調ユニット1は、空調ダクト
3の最上流側に内外気切替装置4が設けられ、この内外
気切替装置4は内気入口5と外気入口6とが分かれた部
分に内外気切替ドア7が配置され、この内外気切替ドア
7をアクチュエ−タ8により操作して空調ダクト3内に
導入する空気を内気と外気とに選択し、所望の吸入モ−
ドが得られるようになっている。
3の最上流側に内外気切替装置4が設けられ、この内外
気切替装置4は内気入口5と外気入口6とが分かれた部
分に内外気切替ドア7が配置され、この内外気切替ドア
7をアクチュエ−タ8により操作して空調ダクト3内に
導入する空気を内気と外気とに選択し、所望の吸入モ−
ドが得られるようになっている。
【0023】送風機9は、空調ダクト3内に空気を吸い
込んで下流側に送風するもので、この送風機9の後方に
はエバポレ−タ(フロントエバ)10が配置されてい
る。このフロントエバ10は、コンプレッサ11、コン
デンサ12、レシ−バタンク13、エクスパンションバ
ルブ14と共に配管結合されてフロント側冷却サイクル
を構成しており、前記コンプレッサ11は、車両の図示
しないエンジンに電磁クラッチ15を介して連結され、
この電磁クラッチ15を断続することで稼働、停止する
ようになっている。
込んで下流側に送風するもので、この送風機9の後方に
はエバポレ−タ(フロントエバ)10が配置されてい
る。このフロントエバ10は、コンプレッサ11、コン
デンサ12、レシ−バタンク13、エクスパンションバ
ルブ14と共に配管結合されてフロント側冷却サイクル
を構成しており、前記コンプレッサ11は、車両の図示
しないエンジンに電磁クラッチ15を介して連結され、
この電磁クラッチ15を断続することで稼働、停止する
ようになっている。
【0024】コンプレッサ11によって圧縮された高温
高圧の冷媒は、コンデンサ12を通過する際に放熱して
凝縮され、エクスパンションバルブ14によって断熱膨
張されて霧状の冷媒となる。この霧状の冷媒は、フロン
トエバ10を通過する際に吸熱して蒸発気化する。この
フロントエバ10における吸熱作用と、コンデンサ12
における放熱作用を繰り返すことによって、フロントエ
バ10を通過する空気を冷却するようになっている。
高圧の冷媒は、コンデンサ12を通過する際に放熱して
凝縮され、エクスパンションバルブ14によって断熱膨
張されて霧状の冷媒となる。この霧状の冷媒は、フロン
トエバ10を通過する際に吸熱して蒸発気化する。この
フロントエバ10における吸熱作用と、コンデンサ12
における放熱作用を繰り返すことによって、フロントエ
バ10を通過する空気を冷却するようになっている。
【0025】前記フロントエバ10の後方には、ヒ−タ
コア16が配置され、このヒ−タコア16の上流側には
フロント側エアミックスドア17が設けられており、こ
のフロント側エアミックスドア17の開度をアクチュエ
−タ18により調節することで、前記ヒ−タコア16を
通過する空気とヒ−タコア16をバイバスする空気との
割合が変えられ、これによりフロント側空間へ吹き出す
空気の温度が制御されるようになっている。
コア16が配置され、このヒ−タコア16の上流側には
フロント側エアミックスドア17が設けられており、こ
のフロント側エアミックスドア17の開度をアクチュエ
−タ18により調節することで、前記ヒ−タコア16を
通過する空気とヒ−タコア16をバイバスする空気との
割合が変えられ、これによりフロント側空間へ吹き出す
空気の温度が制御されるようになっている。
【0026】そして、前記空調ダクト3の下流側は、デ
フロスト吹出口19、ベント吹出口20、ヒート吹出口
21を介して車室のフロント側空間に開口し、吹出口1
9〜21の分かれた部分に設けられたモ−ドドア22、
23をアクチュエ−タ24で開閉制御することで吹出モ
−ドが変更されるようになっている。
フロスト吹出口19、ベント吹出口20、ヒート吹出口
21を介して車室のフロント側空間に開口し、吹出口1
9〜21の分かれた部分に設けられたモ−ドドア22、
23をアクチュエ−タ24で開閉制御することで吹出モ
−ドが変更されるようになっている。
【0027】これに対して、リア側空調ユニット2は、
空調ダクト25の最上流側に車室に開口する吸入口26
のみが形成され、フロント側空調ユニットのような内外
気切替装置は設けられていない。送風機27は、空調ダ
クト25内に空気を吸い込んで下流側に送風するもの
で、この送風機9の後方にはエバポレ−タ(リアエバ)
28が配置されている。このリアエバ28は、前記コン
プレッサ11、コンデンサ12、レシ−バタンク13、
エクスパンションバルブ14を共用するように配管結合
されてリア側冷却サイクルを構成しており、電磁弁29
によってこの冷房サイクルの作動の有無が制御されるよ
うになっている。
空調ダクト25の最上流側に車室に開口する吸入口26
のみが形成され、フロント側空調ユニットのような内外
気切替装置は設けられていない。送風機27は、空調ダ
クト25内に空気を吸い込んで下流側に送風するもの
で、この送風機9の後方にはエバポレ−タ(リアエバ)
28が配置されている。このリアエバ28は、前記コン
プレッサ11、コンデンサ12、レシ−バタンク13、
エクスパンションバルブ14を共用するように配管結合
されてリア側冷却サイクルを構成しており、電磁弁29
によってこの冷房サイクルの作動の有無が制御されるよ
うになっている。
【0028】電磁弁29を開とすることにより、コンプ
レッサ11によって圧縮された高温高圧の冷媒は、コン
デンサ12、エクスパンションバルブ14を介してリア
エバ28に入り、このリアエバ28を通過する際に吸熱
して蒸発気化する。このリアエバ28における吸熱作用
と、コンデンサ12における放熱作用を繰り返すことに
よって、リアエバ28を通過する空気を冷却するように
なっている。
レッサ11によって圧縮された高温高圧の冷媒は、コン
デンサ12、エクスパンションバルブ14を介してリア
エバ28に入り、このリアエバ28を通過する際に吸熱
して蒸発気化する。このリアエバ28における吸熱作用
と、コンデンサ12における放熱作用を繰り返すことに
よって、リアエバ28を通過する空気を冷却するように
なっている。
【0029】また、リアエバ28の後方には、ヒ−タコ
ア30が配置され、このヒ−タコア30の上流側にはリ
ア側エアミックスドア31が設けられており、このリア
側エアミックスドア31の開度をアクチュエ−タ32に
よって調節することで、前記ヒ−タコア30を通過する
空気とヒ−タコア30をバイバスする空気との割合が変
えられ、これによりリア側空間への吹き出し空気が温度
制御されるようになっている。
ア30が配置され、このヒ−タコア30の上流側にはリ
ア側エアミックスドア31が設けられており、このリア
側エアミックスドア31の開度をアクチュエ−タ32に
よって調節することで、前記ヒ−タコア30を通過する
空気とヒ−タコア30をバイバスする空気との割合が変
えられ、これによりリア側空間への吹き出し空気が温度
制御されるようになっている。
【0030】前記空調ダクト25の下流側は、上部吹出
口33、下部吹出口34を介して車室のリア側空間に開
口し、吹出口33、34の分かれた部分に設けられたモ
−ドドア35をアクチュエ−タ36によって制御するこ
とで吹出モ−ドが変更されるようになっている。
口33、下部吹出口34を介して車室のリア側空間に開
口し、吹出口33、34の分かれた部分に設けられたモ
−ドドア35をアクチュエ−タ36によって制御するこ
とで吹出モ−ドが変更されるようになっている。
【0031】そして、前記各種ドア7、17、22、2
3、31、35、コンプレッサ11の電磁クラッチ1
5、送風機9、27のモ−タ9a、27aは、コントロ
ールユニット37からの出力信号に基づいて制御され
る。このコントロールユニット37は、前記アクチュエ
ータ8、18、24、32、36、電磁クラッチ15、
送風機のモータ9a、27aを駆動制御する駆動回路、
これら駆動回路を制御するマイクロコンピュータ、この
マイクロコンピュータに信号を入力する入力回路等を有
して構成された周知のもので、マイクロコンピュータ
は、中央演算処理(CPU)、ROM、RAM等を備え
ている。
3、31、35、コンプレッサ11の電磁クラッチ1
5、送風機9、27のモ−タ9a、27aは、コントロ
ールユニット37からの出力信号に基づいて制御され
る。このコントロールユニット37は、前記アクチュエ
ータ8、18、24、32、36、電磁クラッチ15、
送風機のモータ9a、27aを駆動制御する駆動回路、
これら駆動回路を制御するマイクロコンピュータ、この
マイクロコンピュータに信号を入力する入力回路等を有
して構成された周知のもので、マイクロコンピュータ
は、中央演算処理(CPU)、ROM、RAM等を備え
ている。
【0032】このコントロールユニット37には、外気
温を検出する外気温センサ41からの信号や、リア空調
ユニットの吸入口に設けられてリア側空間の温度を検出
するリア側空間温度センサ42からの信号、フロント側
冷房サイクルを作動モードに設定するフロント側A/C
スイッチ43からの信号、リア側冷房サイクルを作動モ
ードに設定するリア側A/Cスイッチ44からの信号等
が入力される。
温を検出する外気温センサ41からの信号や、リア空調
ユニットの吸入口に設けられてリア側空間の温度を検出
するリア側空間温度センサ42からの信号、フロント側
冷房サイクルを作動モードに設定するフロント側A/C
スイッチ43からの信号、リア側冷房サイクルを作動モ
ードに設定するリア側A/Cスイッチ44からの信号等
が入力される。
【0033】図2において、前記コントロールユニット
37によるリアエバ28の推定温度の演算例と、リア側
エアミックスドア31の制御例がフローチャートとして
示されている。以下、これを説明すると、コントロール
ユニット37は、ステップ50において、フロント側A
/Cスイッチ43が押されてフロント側冷房サイクルが
コンプレッサの稼動を許容する作動(ON)モードにな
っているか否かを判定し、ステップ52において、リア
側A/Cスイッチ44が押されてリア側冷房サイクルが
同じくコンプレッサの稼動を許容する作動(ON)モー
ドになっているか否かを判定する。これらステップ5
0、52によって、フロント側とリア側の冷房サイクル
が共に作動モードなっていると判定されない限りステッ
プ54へ進み、リア側空間温度TINCRをリアエバ温度の
推定値TINTRとする。
37によるリアエバ28の推定温度の演算例と、リア側
エアミックスドア31の制御例がフローチャートとして
示されている。以下、これを説明すると、コントロール
ユニット37は、ステップ50において、フロント側A
/Cスイッチ43が押されてフロント側冷房サイクルが
コンプレッサの稼動を許容する作動(ON)モードにな
っているか否かを判定し、ステップ52において、リア
側A/Cスイッチ44が押されてリア側冷房サイクルが
同じくコンプレッサの稼動を許容する作動(ON)モー
ドになっているか否かを判定する。これらステップ5
0、52によって、フロント側とリア側の冷房サイクル
が共に作動モードなっていると判定されない限りステッ
プ54へ進み、リア側空間温度TINCRをリアエバ温度の
推定値TINTRとする。
【0034】これに対して、フロント側とリア側の冷房
サイクルが共に作動モードなっていると判定された場合
には、ステップ56へ進み、内外気切替装置(インテー
ク)が外気導入(FRESH)モードに設定されている
か否かを判定する。内気導入モードに設定されていれ
ば、ステップ58へ進み、リアエバ温度の推定値TINTR
をサイクリング制御で通常得られる温度(例えば、5
℃)に固定し、外気導入モードに設定されていれば、ス
テップ60へ進み、同ステップに示される特性が得られ
るようにリアエバ温度の推定値TINTRが設定される。
サイクルが共に作動モードなっていると判定された場合
には、ステップ56へ進み、内外気切替装置(インテー
ク)が外気導入(FRESH)モードに設定されている
か否かを判定する。内気導入モードに設定されていれ
ば、ステップ58へ進み、リアエバ温度の推定値TINTR
をサイクリング制御で通常得られる温度(例えば、5
℃)に固定し、外気導入モードに設定されていれば、ス
テップ60へ進み、同ステップに示される特性が得られ
るようにリアエバ温度の推定値TINTRが設定される。
【0035】ステップ60でのリアエバ温度の推定値T
INTRの設定は、外気温度(TAM)がサイクリング制御を
可能とする温度(例えば、4.5℃)以上の場合には上
記固定温度(5℃)とし、外気温度がコンプレッサの稼
動を事実上停止せしめる低い温度(例えば、−1.5
℃)以下の場合にはリア側空間温度センサ42によって
検出されたリア側空間温度とし、外気温度が−1.5℃
と4.5℃との間である場合には、前記固定温度(5
℃)からリア側空間温度にかけてほぼ線形的に変化する
特性線上の値とする。よって、リアエバ推定温度は、外
気温度が低くなるほどリア側空間温度に近づく。
INTRの設定は、外気温度(TAM)がサイクリング制御を
可能とする温度(例えば、4.5℃)以上の場合には上
記固定温度(5℃)とし、外気温度がコンプレッサの稼
動を事実上停止せしめる低い温度(例えば、−1.5
℃)以下の場合にはリア側空間温度センサ42によって
検出されたリア側空間温度とし、外気温度が−1.5℃
と4.5℃との間である場合には、前記固定温度(5
℃)からリア側空間温度にかけてほぼ線形的に変化する
特性線上の値とする。よって、リアエバ推定温度は、外
気温度が低くなるほどリア側空間温度に近づく。
【0036】ステップ54、58、または60によって
リアエバ温度の推定値TINTRが推定された後には、ステ
ップ62へ進み、数式1によってリア側エアミックスド
ア31の目標開度θ’RAを演算する。
リアエバ温度の推定値TINTRが推定された後には、ステ
ップ62へ進み、数式1によってリア側エアミックスド
ア31の目標開度θ’RAを演算する。
【0037】
【数1】θ’RA=100 ((−3TR +20−TINTR)/(82
−TINTR)−GR )/FR
−TINTR)−GR )/FR
【0038】ここで、TR は、リア側空調ユニットで基
準信号として使用される総合信号であり、リア側空間の
設定温度やリア側空間温度、外気温度などから演算され
る。また、GR ,FR は演算定数である。
準信号として使用される総合信号であり、リア側空間の
設定温度やリア側空間温度、外気温度などから演算され
る。また、GR ,FR は演算定数である。
【0039】次のステップ64においては、リア側エア
ミックスドア31を目標開度にフィードバック制御する
ためにリア側エアミックスドア31の目標開度θ’RAと
実開度θRAと差|θ’RA−θRA|が全開度範囲の3%未
満であるか否かを判定する。|θ’RA−θRA|が全開度
範囲の3%未満であると判定された場合には、ステップ
66へ進み、リア側エアミックスドア31を停止させ、
リア側エアミックスドア31の実開度θRAが目標開度
θ’RAに対して3%以上ずれていれば、ステップ68へ
進み、リア側エアミックスドア31の目標開度θ’RAに
対して実開度θRAが大きいか小さいかを判定する。リア
側エアミックスドア31の開度θRAが目標開度θ’RAよ
り小さい場合(NO)には、リア側エアミックスドア3
1を|θ’RA−θRA|が3%未満になるまでヒート側
(ヒータコア30を通過する風量割合が大きくなる側)
へ移動させ(ステップ70)、リア側エアミックスドア
31の開度θRAが目標開度θ’RAより大きい場合(YE
S)には、リア側エアミックスドア31を|θ’RA−θ
RA|が3%未満になるまでクール側(ヒータコア30を
バイパスする風量割合が大きくなる側)へ移動させる
(ステップ72)。
ミックスドア31を目標開度にフィードバック制御する
ためにリア側エアミックスドア31の目標開度θ’RAと
実開度θRAと差|θ’RA−θRA|が全開度範囲の3%未
満であるか否かを判定する。|θ’RA−θRA|が全開度
範囲の3%未満であると判定された場合には、ステップ
66へ進み、リア側エアミックスドア31を停止させ、
リア側エアミックスドア31の実開度θRAが目標開度
θ’RAに対して3%以上ずれていれば、ステップ68へ
進み、リア側エアミックスドア31の目標開度θ’RAに
対して実開度θRAが大きいか小さいかを判定する。リア
側エアミックスドア31の開度θRAが目標開度θ’RAよ
り小さい場合(NO)には、リア側エアミックスドア3
1を|θ’RA−θRA|が3%未満になるまでヒート側
(ヒータコア30を通過する風量割合が大きくなる側)
へ移動させ(ステップ70)、リア側エアミックスドア
31の開度θRAが目標開度θ’RAより大きい場合(YE
S)には、リア側エアミックスドア31を|θ’RA−θ
RA|が3%未満になるまでクール側(ヒータコア30を
バイパスする風量割合が大きくなる側)へ移動させる
(ステップ72)。
【0040】上記制御において、フロント側冷房サイク
ルが作動モードでない場合や、フロント側冷房サイクル
が作動モードであるにも拘らずリア側冷房サイクルが作
動モードでない場合には、リアエバ28に冷媒が供給さ
れない場合であり、リアエバ28の実際の温度もリア空
調ユニット2に吸入される空気温度と略等しくなる。こ
のため、リアエバ温度の推定値TINTRとしてリア側空間
温度TINCRが用いられる。よって、この場合には、リア
側エアミックスドア31の開度は、リア側空間温度T
INCRに基いて得られる目標開度となるよう制御される。
ルが作動モードでない場合や、フロント側冷房サイクル
が作動モードであるにも拘らずリア側冷房サイクルが作
動モードでない場合には、リアエバ28に冷媒が供給さ
れない場合であり、リアエバ28の実際の温度もリア空
調ユニット2に吸入される空気温度と略等しくなる。こ
のため、リアエバ温度の推定値TINTRとしてリア側空間
温度TINCRが用いられる。よって、この場合には、リア
側エアミックスドア31の開度は、リア側空間温度T
INCRに基いて得られる目標開度となるよう制御される。
【0041】これに対して、フロント側とリア側との冷
房サイクルが共に作動モードである場合には、内外気切
替装置4で切り換えられた吸入モードによってリアエバ
温度の推定値TINTRを異ならせている。
房サイクルが共に作動モードである場合には、内外気切
替装置4で切り換えられた吸入モードによってリアエバ
温度の推定値TINTRを異ならせている。
【0042】即ち、吸入モードが内気循環モードである
場合には、フロント側空調ユニット1の吸い込み温度は
コンプレッサ11のオン・オフ温度よりも高くなってい
るので、コンプレッサ11はサイクリング制御可能な状
態にあり、リアエバ温度の推定値TINTRはサイクリング
制御によって実現される温度に固定される。よって、こ
の場合には、リア側エアミックスドア31の開度はこの
固定温度によって得られる目標開度となるよう制御され
る。
場合には、フロント側空調ユニット1の吸い込み温度は
コンプレッサ11のオン・オフ温度よりも高くなってい
るので、コンプレッサ11はサイクリング制御可能な状
態にあり、リアエバ温度の推定値TINTRはサイクリング
制御によって実現される温度に固定される。よって、こ
の場合には、リア側エアミックスドア31の開度はこの
固定温度によって得られる目標開度となるよう制御され
る。
【0043】逆に吸入モードが外気導入モードである場
合には、外気温度が高ければコンプレッサのサイクリン
グ制御が継続されるが、外気温度が低くなってフロント
側空調ユニット1の吸い込み温度がコンプレッサ11の
オン・オフ温度よりも低くなるとコンプレッサ11は作
動モードにも拘わらず停止し続ける。しかし、リアエバ
温度は、外気温度(TAM)に応じて推定されるので(ス
テップ60)、現実のリアエバ温度に見合ったリア側エ
アミックスドア31の開度制御が行われ、吹出温度が本
来予定する温度より上昇してしまうことがなくなる。
合には、外気温度が高ければコンプレッサのサイクリン
グ制御が継続されるが、外気温度が低くなってフロント
側空調ユニット1の吸い込み温度がコンプレッサ11の
オン・オフ温度よりも低くなるとコンプレッサ11は作
動モードにも拘わらず停止し続ける。しかし、リアエバ
温度は、外気温度(TAM)に応じて推定されるので(ス
テップ60)、現実のリアエバ温度に見合ったリア側エ
アミックスドア31の開度制御が行われ、吹出温度が本
来予定する温度より上昇してしまうことがなくなる。
【0044】これにより、コンプレッサ11の実際の運
転状態に拘わらず、的確にリアエバ温度を推定し、リア
側エアミックスドア31を駆動制御することができ、し
かも、上記リアエバ温度の推定値TINTRをリア側空間温
度TINCRや外気温度TAMを変数として導出するようにし
ているので、リアエバ温度を検出する温度センサは不要
となり、システムを構築する上でもコストアップを伴わ
ない。
転状態に拘わらず、的確にリアエバ温度を推定し、リア
側エアミックスドア31を駆動制御することができ、し
かも、上記リアエバ温度の推定値TINTRをリア側空間温
度TINCRや外気温度TAMを変数として導出するようにし
ているので、リアエバ温度を検出する温度センサは不要
となり、システムを構築する上でもコストアップを伴わ
ない。
【0045】尚、上記構成例では、外気導入モード時の
リアエバ推定温度をステップ60に示される略線形的な
連続変化し得る特性値としたが、これに限らず、外気に
よって段階的に変化し得る特性値を用いても、非線形的
な特性値を用いてもよく、車種や空調ユニット毎に計算
又は実験によって得られた最適な特性値を割り当てても
よい。また、本構成例では、フロント側とリア側とに配
置されるツインタイプの空調エアコンを示したが、車室
の左右、上下に配置される構成にも適用できることは言
うまでもない。
リアエバ推定温度をステップ60に示される略線形的な
連続変化し得る特性値としたが、これに限らず、外気に
よって段階的に変化し得る特性値を用いても、非線形的
な特性値を用いてもよく、車種や空調ユニット毎に計算
又は実験によって得られた最適な特性値を割り当てても
よい。また、本構成例では、フロント側とリア側とに配
置されるツインタイプの空調エアコンを示したが、車室
の左右、上下に配置される構成にも適用できることは言
うまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
作動モード時に内外気切替装置によって外気導入モード
が設定される場合には、内気循環用空調ユニットのエバ
ポレータの推定温度が外気温度検出手段によって検出さ
れた外気温度、固定温度、室内温度検出手段で検出され
た温度の相関によって決定される所定の値に設定される
ので、コンプレッサの実際の運転状態によってエバポレ
ータの推定温度が変更されることがなく、外気導入モー
ドの場合にも内気循環用空調ユニットのエバポレータ温
度を適切に推定することができる。よって、コンプレッ
サの制御システムの種類に拘わらず、対応する車室領域
の熱負荷に見合った最適な温度制御が可能となる。
作動モード時に内外気切替装置によって外気導入モード
が設定される場合には、内気循環用空調ユニットのエバ
ポレータの推定温度が外気温度検出手段によって検出さ
れた外気温度、固定温度、室内温度検出手段で検出され
た温度の相関によって決定される所定の値に設定される
ので、コンプレッサの実際の運転状態によってエバポレ
ータの推定温度が変更されることがなく、外気導入モー
ドの場合にも内気循環用空調ユニットのエバポレータ温
度を適切に推定することができる。よって、コンプレッ
サの制御システムの種類に拘わらず、対応する車室領域
の熱負荷に見合った最適な温度制御が可能となる。
【0047】また、外気温度と室内温度検出手段で検出
された温度さえ検出されれば、内気循環用空調ユニット
のエバポレータ温度を適切に推定できることから、エバ
ポレータ温度を検出するセンサが不要となり、コンプレ
ッサの運転状態を検出しなくてもエバポレータ温度の推
定に支障がないことと相俟ってシステム構成を一層簡易
なものとすることができる。
された温度さえ検出されれば、内気循環用空調ユニット
のエバポレータ温度を適切に推定できることから、エバ
ポレータ温度を検出するセンサが不要となり、コンプレ
ッサの運転状態を検出しなくてもエバポレータ温度の推
定に支障がないことと相俟ってシステム構成を一層簡易
なものとすることができる。
【図1】図1は、この発明に係る車両用空調装置を示す
概略構成図を示す。
概略構成図を示す。
【図2】図2は、図1のコントロールユニットによるリ
ア側空調ユニットのエバポレータ温度を推定する演算例
とエアミックスドア31の制御処理例を示すフローチャ
ートである。
ア側空調ユニットのエバポレータ温度を推定する演算例
とエアミックスドア31の制御処理例を示すフローチャ
ートである。
【図3】図3は、従来考えられていた制御を示すフロー
チャートである。
チャートである。
1 フロント側空調ユニット 2 リア側空調ユニット 10 フロントエバ 11 コンプレッサ 15 電磁クラッチ 28 リアエバ 31 リア側エアミックスドア 41 外気温センサ 42 リア側空間温度センサ 43 フロント側A/Cスイッチ 44 リア側A/Cスイッチ
Claims (2)
- 【請求項1】 車両の異なる領域を空調する複数の空調
ユニットを有する車両用空調装置において、 空気通路内に導入される空気を内気又は外気に切りかえ
る内外気切替装置、この内外気切替装置を介して導入さ
れた空気を冷却するエバポレータ、及び吹出空気温度を
調節する温度調節装置を有する内外気切替空調ユニット
と、 空気通路内に導入される空気を内気のみとし、導入され
た内気を冷却するエバポレータ及び吹出温度を調節する
温度調節装置を有する内気循環用空調ユニットと、 前記内外気切替空調ユニットのエバポレータと、前記内
気循環用空調ユニットのエバポレータとに冷媒を供給す
る共通のコンプレッサと、 外気温度を検出する外気温度検出手段と、 前記内気循環用空調ユニットによって割り当てられた領
域の室内温度を検出する室内温度検出手段と、 前記内気循環用空調ユニットのエバポレータへの冷媒の
供給を許容する作動モードを設定する作動モード設定手
段と、 前記内外気切替手段により内気を導入するモードが設定
され、前記作動モード設定手段により作動モードが設定
されている場合に、固定温度を前記内気循環用空調ユニ
ットのエバポレータ温度と推定し、前記作動モード設定
手段により作動モードが設定されていない場合に、前記
室内温度検出手段で検出された温度を前記内気循環用空
調ユニットのエバポレータ温度と推定し、前記内外気切
替手段により外気を導入するモードが設定され、前記作
動モード設定手段により作動モードが設定されている場
合に、前記外気温度、前記固定温度、及び前記室内温度
検出手段で検出された温度の相関によって決定される値
を前記内気循環用空調ユニットのエバポレータ温度と推
定するエバ温度推定手段とを具備することを特徴とする
車両用空調装置。 - 【請求項2】 前記エバ温度推定手段の相関によって決
定される値は、外気が第1の設定温度以上の場合に前記
固定温度とし、外気が前記第1の設定温度よりも低い第
2の設定温度以下の場合に前記室内温度検出手段で検出
された温度とし、外気が前記第1の設定温度と第2の設
定温度との間である場合に、外気が低くなるほど前記固
定温度から前記室内温度検出手段で検出された温度へ近
づく特性値とすることを特徴とする請求項1記載の車両
用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26502197A JP3218432B2 (ja) | 1997-09-11 | 1997-09-11 | 車両用空調装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26502197A JP3218432B2 (ja) | 1997-09-11 | 1997-09-11 | 車両用空調装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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