JP3218075U - 長ファイバーsmc - Google Patents

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Abstract

【課題】ファイバー含量を効果的に減らせ、こうして製造コスト、構造の厚み、重量を低下させられる長ファイバーSMCを提供する。【解決手段】長ファイバーSMC1は第一樹脂層10、第二樹脂層20、混合層30を有し、混合層30は第一樹脂層10と第二樹脂層20の間に設置され、混合層30はファイバースチール構造302を有し、ファイバースチール構造302は不連続の複数のファイバーフィラメント3021が相互に絡まり無方向性分布を呈して形成され、長ファイバーSMC1は、ファイバー含量、厚み、総重量を引き下げられ、各方向の引裂き強度、曲げ強度、曲げモジュラスは均一である。【選択図】図3

Description

本考案はファイバーSMC(Sheet Molding Compound)に関し、特にファイバー含量を効果的に減らせ、こうして製造コスト、構造の厚み、重量を低下させられる長ファイバーSMCに関する。
従来のファイバーSMCは、ファイバー材料と樹脂材料により構成される。
ファイバーSMCの強度、剛性及びサイズ安定性は、樹脂材料よりはるかに優れるため、各種成形品の製造に常用される。
よって、ファイバーSMCの各分野でのニーズは、ますます高まっている。
ファイバーSMCの用途は幅広いため、その品質は厳格に管理されなければならないほか、曲げ強度と曲げモジュラスを維持した状態で、製造コストをいかにして引き下げるかが、大きな課題である。
図1及び図2に示す通り、従来の製造工程により製造されるファイバーSMCは、樹脂材料により形成される2個の樹脂層R、及び2個の樹脂層Rの間の位置する混合層Mを有する。
混合層Mは、樹脂材料と複数の短ファイバー束M1により組成される。
各1個の短ファイバー束M1は、相互に平行に排列される複数の短ファイバーM11を、少なくとも1個のスラリーM12により粘着結合される。
各1個の短ファイバー束M1は、シート状を呈する。
よって、複数の短ファイバーM11は相互に絡み合わない。
しかも、複数の短ファイバー束M1は相互に絡み合わない。
短ファイバー束M1は、複数の長ファイバー束(図示なし)を裁断して形成する。
長ファイバー束は、スラリーM12によってカバーされる。
よって、裁断過程でスラリー微粒を生じ、人体の吸入性危険及び環境汚染を招く恐れがある。
別に、ファイバーSMCの製造時には、複数の短ファイバー束M1を、スピル方式で、下層の樹脂層Rの表面にスピルする。
スピルの過程では、複数の短ファイバー束M1は衝突し、スラリー微粒を生じるため、ここでも前述の危険が生じる。
しかも、複数の短ファイバー束M1は、相互に摩擦により、静電気を生じ集まってしまう。
よって、実際には、樹脂層Rの表面に平均に分布することはなく、こうして比較的大きい複数の孔隙M2を生じ、ファイバーSMCの構造がすきすきになってしまう。
これにより、ファイバーSMCの物性は各エリアで不安定で、しかも不均一になるという欠陥を招いている。
前記した従来の高強度、高剛性及び高サイズ安定性のファイバーSMCには、以下の欠点がある。
1.混合層が採用する短ファイバー束の長さは多くが、25〜30mmの間で、しかも短ファイバー束は、各自分布し絡み合わない。短ファイバー束の数量が不足し、各短ファイバー束の間の孔隙が過大となるなら、混合層の構造強度は不足する。一定の曲げ強度と曲げモジュラスを得ようとするなら、大量の短ファイバー束を使用し、孔隙率を低下させる必要があるが、これにはファイバーSMC中の短ファイバーのパーセンテージ(wt%)含量を30%〜50%の間にしなければならない。こうして、ファイバーSMCの重量及び厚みを拡大させてしまう。
2.ファイバーSMCを裁断加工する時には、短ファイバー及びスラリーの塵粒を生じ空気中に拡散し易く、加工者が吸入してしまえば、加工者の健康に危害を及ぼす。
本考案はファイバー含量を効果的に減らせ、こうして製造コスト、構造の厚み、重量を低下させられる長ファイバーSMCに関する。
本考案による長ファイバーSMCは、少なくとも第一樹脂層、第二樹脂層及び混合層を有する。
該混合層は、該第一樹脂層と該第二樹脂層の間に設置され、該混合層は、該第一樹脂層及び該第二樹脂層と結合される。
しかも、該混合層は、接着樹脂層及びファイバースチール構造を有する。
該ファイバースチール構造は、該接着樹脂層に包まれ、該ファイバースチール構造は、不連続の複数のファイバーフィラメントにより、相互に絡められて形成される。
複数の該ファイバーフィラメントの間には、複数のファイバーフィラメント間隔距離が形成される。
該ファイバーフィラメント間隔距離内には、該接着樹脂層が充填され、該ファイバーフィラメントは、該接着樹脂層により包まれる。
複数の該ファイバーフィラメントの平均の長さは、35mmより長いか等しく、しかも複数の該ファイバーフィラメントは、相互に絡められて、無方向性分布を形成する。
本考案の長ファイバーSMCは長ファイバーSMCの製造方法により製造される。
該長ファイバーSMCの製造方法は、順番に少なくとも材料提供ステップ、接着ステップ及び圧接ステップを含む。
本考案の長ファイバーSMCは、以下の効果を備える。
複数のファイバーフィラメントは相互に絡められて無方向性分布を形成するため、長ファイバーSMCの、各方向における引裂き強度、曲げ強度、曲げモジュラスは均一で、各方向からの破壊力に抵抗できる。
しかも、大量のファイバーフィラメントを使用する必要がなく、長ファイバーSMCの孔隙率を低下させられ、こうして製造コストを引き下げられる他、同時に全体構造の厚み及び重量を縮減できる。
従来技術のファイバーSMCの短ファイバー束の模式図である。 従来技術のファイバーSMCの模式図である。 本考案の長ファイバーSMCの模式図である。 本考案の長ファイバーSMCが採用するファイバースチール構造の模式図である。 本考案の長ファイバーSMCが使用する材料の模式図である。 本考案の長ファイバーSMCの製造方法のプロセス模式図である。 本考案の長ファイバーSMCの製造方法のプロセス図である。
(一実施形態)
図3及び図4に示す通り、本考案の長ファイバーSMC1は、第一樹脂層10、第二樹脂層20、混合層30を有する。
混合層30は、第一樹脂層10と第二樹脂層20の間に設置され、第一樹脂層10及び第二樹脂層20と結合され、しかも混合層30は、少なくとも接着樹脂層301及びファイバースチール構造302を有する。
ファイバースチール構造302は、接着樹脂層301に包まれ、ファイバースチール構造302は、不連続の複数のファイバーフィラメント3021により、相互に絡められて(entangled)形成する。
複数のファイバーフィラメント3021の間は、複数のファイバーフィラメント間隔距離3022を形成する。
ファイバーフィラメント間隔距離3022内には、接着樹脂層301が充填され、ファイバーフィラメント3021は、接着樹脂層301により包まれる。
複数のファイバーフィラメント3021の平均の長さは、35mmより長いか等しく、しかも予定の平均の長さより小さいか等しく、前述の『不連続状態』を形成する。
例えば、平均の長さは、500mmより小さいか等しい。
好ましくは、各1本のファイバーフィラメント3021の長さは、35mmより長いか等しく、しかも500mmより小さいか等しい。
本明細書の内容及び実用新案登録請求の範囲で記載する限定は、常に端値を含む。
好ましくは、前述の複数のファイバーフィラメント3021は、相互に絡められて無方向性分布を形成する。
無方向性分布とは、ファイバースチール構造302を1個の二次元平面に投影した場合に(図示なし)、二次元平面上における複数のファイバーフィラメント3021の投影が、乱雑或いはアットランダムに各方向に延伸することを言う。
複数のファイバーフィラメント3021は相互に絡められて無方向性分布を形成し、しかも複数のファイバーフィラメント3021の平均の長さは、35mmより長いか等しいため、長ファイバーSMC1の物性は、各方向で均一である。
言い換えれば、長ファイバーSMC1の、各方向における引裂き強度、曲げ強度、曲げモジュラスは均一で、各方向からの破壊力に抵抗できる。
ファイバーフィラメント3021は、1本のファイバー30211或いは複数のファイバー30211を有する。
例えば、ファイバーフィラメント3021は、1本だけのファイバー30211或いは100本のファイバー30211、或いは1〜100本のファイバー30211を有する。
ファイバーフィラメント3021が複数のファイバー30211を有する実施形態において、ファイバーフィラメント3021は、スラリーに包まれていない。
複数のファイバー30211の間には、複数のファイバー間隔距離30213が存在する。
よって、接着樹脂層301は、複数のファイバー30211の間のファイバー間隔距離30213に浸透し充填され、ファイバー30211を包む。
こうして、長ファイバーSMC1はさらに増強される。
別に、ファイバーフィラメント3021中の複数のファイバー30211の少なくとも1本のファイバー30211は、独立した2個の絨毛30212を形成する。
2個の絨毛30212は、無方向性分布で、接着樹脂層301は絨毛30212を包む。
よって、長ファイバーSMC1の、各方向の引裂き強度、曲げ強度、曲げモジュラスを強化し、均一を達成できる。
好ましくは、複数のファイバー30211は、複数の絨毛30212を有する。
複数のファイバーフィラメント3021は、相互に絡められて、ファイバースチール構造302の孔隙率を形成する。
孔隙率の計算法は、以下の通りである。
ファイバースチール構造302を、二次元平面に投影し、続いて二次元平面上の投影において、単位面積中の複数のファイバーフィラメント間隔距離3022の総面積を計算し、さらに複数のファイバーフィラメント間隔距離3022の総面積を、単位面積で割り、孔隙率を算出する。
或いは、孔隙率の計算法は、以下の通りである。
ファイバースチール構造302を、二次元平面に投影し、続いて二次元平面上の投影において、単位面積中の複数のファイバーフィラメント間隔距離3022の総面積と、複数のファイバー間隔距離30213の総面積の和を計算し、さらに複数のファイバーフィラメント間隔距離3022の総面積と、複数のファイバー間隔距離30213の総面積の和を、単位面積で割り、孔隙率を算出する。
以下に特に説明する。
複数のファイバーフィラメント3021中の少なくとも1本のファイバーフィラメント3021の少なくとも1本のファイバー30211と、もう1本のファイバーフィラメント3021の少なくとも1本のファイバー30211は、相互に絡められて、無方向性分布を形成する。
複数のファイバーフィラメント3021中の少なくとも1本のファイバーフィラメント3021の少なくとも1個の絨毛30212と、もう1本のファイバーフィラメント3021の少なくとも1本のファイバー30211は、相互に絡められて、無方向性分布を形成する。
しかも、より好ましくは、複数のファイバーフィラメント3021中の少なくとも1本のファイバーフィラメント3021の少なくとも1個の絨毛30212と、もう1本のファイバーフィラメント3021の少なくとも1個の絨毛30212は、相互に絡められて、無方向性分布を形成する。
これにより、ファイバースチール構造302の孔隙率は低下し、しかもさらに長ファイバーSMC1の、各方向の引裂き強度、曲げ強度、曲げモジュラスを強化し、均一を達成できる。
上述において、ファイバーフィラメント3021或いはファイバー30211は好ましくは、カーボンファイバー、ガラスファイバー或いはリサイクルファイバーを採用する。
ファイバーフィラメント3021の直径は、3μm〜30μmの間である。
ファイバーフィラメント3021或いはファイバー30211は、カーボンファイバーの実施形態中において、カーボンファイバーの直径は、3μm〜8μmの間である。
ファイバーフィラメント3021或いはファイバー30211は、ガラスファイバーの実施形態中において、ガラスファイバーの直径は、20μm〜35μmの間である。
接着樹脂層301、第一樹脂層10及び第二樹脂層20は、それぞれ独立し、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を採用して構成される。
また、熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、ビニール樹脂或いは不飽和樹脂を含む。
接着樹脂層301、第一樹脂層10及び第二樹脂層20は、それぞれ独立し、固態充填物をさらに含む。
固態充填物は、炭酸カルシウム(Calcium carbonate)、酸化マグネシウム(Magnesium oxide)、ステアリン酸亜鉛(Zinc stearate)、水酸化アルミニウム(Aluminum hydroxide)、酸化アンチモン(Antimony oxide)、ポリ臭化ジフェニルエーテル(Polybrominated diphenyl ethers)、ポリ臭化ビフェニル(Polybrominated biphenyls)、テトラブロモビスフェノールA(tetrabromobisphenol A)、ヘキサブロモシクロドデカン(Hexabromocyclododecane)及びN,N-ジメチルアニリン(N,N-Dimethylaniline)により組成されるグループ中の少なくとも一つである。
接着樹脂層301、第一樹脂層10及び第二樹脂層20は、相互に相同の材料或いは不相同の材料である。
上記の通り、ファイバースチール構造302の、複数のファイバーフィラメント3021の平均の長さは、35mmより長いか等しく、しかも複数のファイバーフィラメント3021、複数のファイバー30211及び複数の絨毛30212は、相互に絡められて、無方向性分布を形成する。
よって、ファイバースチール構造302の孔隙率を大幅に引き下げられ、しかも長ファイバーSMC1の、各方向の引裂き強度、曲げ強度、曲げモジュラスを強化し、均一を達成できる。
こうすることで、従来の技術と相同の曲げ強度と曲げモジュラスを達成可能な状況下で、本考案の長ファイバーSMC1中の総ファイバー含量は僅かで、長ファイバーSMC1中のパーセンテージ含量は、5%〜30%の間である。
接着樹脂層301、第一樹脂層10及び第二樹脂層20の含量はそれに相対し、長ファイバーSMC1中のパーセンテージ含量の95%〜70%の間である。
これにより、長ファイバーSMC1の厚みは、0.5mm〜3mmの間に保持され、好ましくは、1mm以下に保持される。
長ファイバーSMC1の重量は、従来の技術より40%〜50%少なくなる。
前述の総ファイバー含量とは、ファイバースチール構造302の、長ファイバーSMC1における含量である。
当然、ファイバースチール構造302は、複数のファイバーフィラメント3021、複数のファイバー30211及び複数の絨毛30212を有する。
上記の通り、本考案の長ファイバーSMCは、長ファイバーSMCの製造方法により製造される。
図5〜図7に合わせて示す通り、長ファイバーSMC1の製造過程及び成品が使用する材料は、順番に第一プラスチックフィルムP1、第一樹脂層10、ファイバースチール構造302、第二樹脂層20及び第二プラスチックフィルムP2を含む。
第一プラスチックフィルムP1及び第二プラスチックフィルムP2を通して、第一樹脂層10、ファイバースチール構造302及び第二樹脂層20を圧接し、順番に第一樹脂層10、混合層30及び第二樹脂層20を組成する。
第一プラスチックフィルムP1及び第二プラスチックフィルムP2は、それぞれ独立し、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate)、高密度ポリエチレン(High Density Polyethylene)、低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene)、ポリビニルクロライド(PolyVinyl Chloride)、ポリプロピレン(Polypropylene)、ポリスチレン(Polystyrene)、ポリカーボネート(Polycarbonate)及びポリ乳酸(Polylactic Acid)により組成されるグループの一つである。
長ファイバーSMCの製造方法は、以下のプロセスステップを含む。
材料提供ステップS1:第一プラスチックフィルムP1、第一樹脂層10、ファイバースチール構造302、第二樹脂層20及び第二プラスチックフィルムP2を提供し、第一樹脂層10は、第一プラスチックフィルムP1の下表面を覆い、第二樹脂層20は、第二プラスチックフィルムP2の上表面を覆う。
接着ステップS2:第一樹脂層10を、ファイバースチール構造302の上表面に接着し、及び第二樹脂層20を、ファイバースチール構造302の下表面に接着する。
圧接ステップS3:第一プラスチックフィルムP1の上表面及び第二プラスチックフィルムP2の下表面に圧力を加え、これにより第一樹脂層10の一部に接着樹脂層301を形成し、ファイバースチール構造302を覆い、混合層30を形成する。
或いは、これにより第二樹脂層20の一部には、接着樹脂層301を形成し、ファイバースチール構造302を覆い、混合層30を形成する。
或いは、これにより第一樹脂層10の一部及び第二樹脂層20の一部は相互に接触し、接着樹脂層301を形成し、ファイバースチール構造302を覆い、混合層30を形成する。
基本的には、前記の材料提供ステップS1、接着ステップS2及び圧接ステップS3を完成すると、長ファイバーSMCは完成される。
続いて、使用時には、離型ステップS4が続く。
離型ステップS4は、第一プラスチックフィルムP1と第一樹脂層10を分離し、及び第二プラスチックフィルムP2と第二樹脂層20を分離し、長ファイバーSMC1を形成する。
当然、前記のように、接着樹脂層301、第一樹脂層10及び第二樹脂層20の何れか一つが熱硬化性樹脂である時、離型ステップS4の後には熱圧ステップS5が続く。
熱圧ステップS5は、離型ステップS4を執行し得られた長ファイバーSMC1に対して、熱圧製造工程を行う。
例えば、接着樹脂層301、第一樹脂層10及び第二樹脂層20の何れか一つがビニール樹脂であるなら、熱圧製造工程の熱圧温度は、摂氏110度〜300度の間に設定され、熱圧製造工程の熱圧圧力は、20kgf/cm〜200kgf/cmの間に設定され、熱圧製造工程の熱圧時間は、0.5分〜10分の間に設定される。
長ファイバーSMCの製造方法を実施した比較形態1、実施形態1、実施形態2及び実施形態3の結果を表一に記載する。
比較形態1、実施形態1、実施形態2及び実施形態3中の接着樹脂層301、第一樹脂層10及び第二樹脂層20はすべてビニール樹脂で、熱圧温度は、摂氏130度に設定し、熱圧圧力は、150kgf/cmに設定し、熱圧時間は2分で、ファイバースチール構造302は、カーボンファイバーにより構成される。
Figure 0003218075
表1中で、実施形態1と比較形態1の長ファイバーSMCは、相同の重量4000g/mと相同の総ファイバー含量30wt%を有する。
実施形態1と比較形態1の相違点は以下の通りである。
実施形態1が使用する複数のファイバーフィラメントの平均の長さは、35mmで、比較形態1は、平均の長さが25mmの複数のファイバーフィラメントを使用する。
実施形態1は、平均の長さが比較的長い複数のファイバーフィラメントを使用するため、実施形態1の複数のファイバーフィラメント、複数のファイバー及び複数の絨毛が、相互に絡められて、無方向性分布を形成する現象は、比較形態1より大きい。
よって、実施形態1の曲げ強度225MPa及び曲げモジュラス14GPaは、ISO14125に規定する曲げ強度100MPa以上、及び曲げモジュラス7GPa以上よりはるかに高く、しかも実施形態1の曲げ強度225MPa及び曲げモジュラス14GPaは、比較形態1の曲げ強度150MPa及び曲げモジュラス8GPaよりはるかに高い。
よって、複数のファイバーフィラメントの平均の長さは、35mmより大きいか等しく、それが形成する複数のファイバーフィラメント、複数のファイバー及び複数の絨毛は、相互に絡められて、無方向性分布を形成するという特徴は、長ファイバーSMCの曲げ強度及び曲げモジュラスを高めるに十分であることを証明している。
実施形態2と比較形態1の相違点は以下の通りである。
実施形態2の総ファイバー含量は、10wt%まで低下させ、しかも複数のファイバーフィラメントの平均の長さは、35mmであるが、実施形態2の曲げ強度188MPa及び曲げモジュラス9GPaは、比較形態1の曲げ強度150MPa及び曲げモジュラス8GPaより高い。
よって、長ファイバーSMC使用平均の長さが35mmより大きいか等しい複数のファイバーフィラメントは、使用総ファイバー含量を10%wtまで低下させられ、コストを節減できることを証明している。
続いて、実施形態2を基準とし、総ファイバー含量を10wt%に維持した状況下で、実施形態2は、平均の長さが35mmの複数のファイバーフィラメントを採用し、実施形態3は、平均の長さが100mmの複数のファイバーフィラメントを採用し、実施形態4は、平均の長さが250mmの複数のファイバーフィラメントを採用し、実施形態5は、平均の長さが500mmの複数のファイバーフィラメントを採用する。
明らかに、採用する複数のファイバーフィラメントの平均の長さが増えるに従い、複数のファイバーフィラメント、複数のファイバー及び複数の絨毛が相互に絡められて無方向性分布を形成する現象はより顕著となるため、長ファイバーSMCの曲げ強度及び曲げモジュラスを強化する。
よって、実施形態3の曲げ強度は195MPaで、及び曲げモジュラスは10GPaで、実施形態4の曲げ強度は210MPaで、及び曲げモジュラスは12GPaで、実施形態5の曲げ強度は235MPaで、及び曲げモジュラスは15GPaで、すべてISO14125に規定する標準より高く、比較形態1、実施形態1及び実施形態2の曲げ強度と曲げモジュラスより高い。
実施形態5中の複数のファイバーフィラメント、複数のファイバー及び複数の絨毛が相互に絡められて、無方向性分布を形成する現象は非常に顕著であるため、実施形態5で使用するのは、わずかに10wt%の総ファイバー含量で、それによっても曲げモジュラス(実施形態5中では15GPa)は、30wt%の総ファイバー含量を使用する実施形態1(14GPa)及び比較形態1(8GPa)より高く、曲げ強度も類似の結果であるため、再述しない。
よって、本考案は、複数のファイバーフィラメントの平均の長さ、及び形成される相互高度が相互に絡まり無方向性分布を形成する現象の技術特徴により、必要な総ファイバー含量を低下させ、曲げ強度及び曲げモジュラスを高め、製造コスト低下の効果を達成する。
実施形態6と比較形態1の相違点は以下の通りである。
実施形態6の総ファイバー含量は、10wt%まで低下され、複数のファイバーフィラメントの平均の長さは、35mmで、長ファイバーSMCの重量は、1150g/mまで低下され、厚みは比較形態1の2.0mmから0.9mmまで低下されたが、実施形態6の曲げ強度171MPaは、比較形態1の曲げ強度150MPaより高い。
よって、長ファイバーSMCは平均の長さが35mmより大きいか等しい複数のファイバーフィラメントを使用することで、使用総ファイバー含量を10%まで低下させられ、しかも長ファイバーSMCの重量を軽減でき、及び長ファイバーSMCの厚みを減らせ、コストを節減できる他、コンパクトな製品に幅広く応用できることが証明された。
実施形態7と比較形態1の相違点は以下の通りである。
実施形態7の総ファイバー含量は、5wt%まで低下され、複数のファイバーフィラメントの平均の長さは、35mmで、長ファイバーSMCの重量は、1150g/mまで低下され、厚みは比較形態1の2.0mmかた0.9mmまで低下されたが、実施形態7の曲げ強度160MPaは、比較形態1の曲げ強度150MPaより高い。
よって、長ファイバーSMCは平均の長さが35mmより大きいか等しい複数のファイバーフィラメントを使用することで、使用総ファイバー含量を5%まで低下させられ、しかも長ファイバーSMCの重量を軽減でき、及び長ファイバーSMCの厚みを減らせ、コストを節減できる他、コンパクトな製品に幅広く応用できることが証明された。
前述した本考案の実施形態は本考案を限定するものではなく、よって、本考案により保護される範囲は後述される実用新案登録請求の範囲を基準とする。
R 樹脂層、
M 混合層、
M1 短ファイバー束、
M11 短ファイバー、
M12 スラリー、
M2 孔隙、
1 長ファイバーSMC、
10 第一樹脂層、
20 第二樹脂層、
30 混合層、
301 接着樹脂層、
302 ファイバースチール構造、
3021 ファイバーフィラメント、
30211 ファイバー、
30212 絨毛、
30213 ファイバー間隔距離、
3022 ファイバーフィラメント間隔距離、
P1 第一プラスチックフィルム、
P2 第二プラスチックフィルム、
S1 材料提供ステップ、
S2 接着ステップ、
S3 圧接ステップ、
S4 離型ステップ、
S5 熱圧ステップ。

Claims (15)

  1. 長ファイバーSMCであって、
    少なくとも、第一樹脂層と、第二樹脂層と、混合層とを有し、
    前記混合層は、前記第一樹脂層と前記第二樹脂層の間に設置され、
    前記混合層は、前記第一樹脂層及び前記第二樹脂層と結合され、
    前記混合層は、接着樹脂層及びファイバースチール構造を有し、
    前記ファイバースチール構造は、前記接着樹脂層に包まれ、
    前記ファイバースチール構造は、不連続の複数のファイバーフィラメントにより、相互に絡められて形成され、
    複数の前記ファイバーフィラメントの間には、複数のファイバーフィラメント間隔距離が形成され、
    前記ファイバーフィラメント間隔距離内には、前記接着樹脂層が充填され、
    前記ファイバーフィラメントは、前記接着樹脂層により包まれ、
    複数の前記ファイバーフィラメントの平均の長さは、35mmより長いか等しく、
    複数の前記ファイバーフィラメントは、相互に絡められて、無方向性分布を形成する
    ことを特徴とする、
    長ファイバーSMC。
  2. 前記複数の前記ファイバーフィラメントの平均の長さは、500mmより小さいか等しい
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
  3. 前記無方向性分布とは、前記ファイバースチール構造を1個の二次元平面に投影した場合に、前記二次元平面上における複数の前記ファイバーフィラメントの投影が、乱雑或いはアットランダムに各方向に延伸することを言う
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
  4. 前記ファイバーフィラメントは、複数のファイバーを有し、
    複数の前記ファイバーの間には、複数のファイバー間隔距離が存在し、
    前記接着樹脂層は、複数の前記ファイバーの間の前記ファイバー間隔距離に充填され、前記ファイバーを覆う
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
  5. 前記ファイバーフィラメント中の複数の前記ファイバーの内の少なくとも1本の前記ファイバーは、独立した2個の絨毛を形成する
    ことを特徴とする、
    請求項4に記載の長ファイバーSMC。
  6. 前記絨毛は、無方向性分布である
    ことを特徴とする、
    請求項5に記載の長ファイバーSMC。
  7. 前記複数の前記ファイバーは、複数の前記絨毛を有する
    ことを特徴とする、
    請求項6に記載の長ファイバーSMC。
  8. 前記複数の前記ファイバーフィラメント中の少なくとも1本の前記ファイバーフィラメントの少なくとも1本の前記ファイバーと、もう1本の前記ファイバーフィラメントの少なくとも1本の前記ファイバーとは、相互に絡められて、無方向性分布を形成する
    ことを特徴とする、
    請求項4に記載の長ファイバーSMC。
  9. 前記複数の前記ファイバーフィラメント中の少なくとも1本の前記ファイバーフィラメントの少なくとも1個の前記絨毛と、もう1本の前記ファイバーフィラメントの少なくとも1本の前記ファイバーとは、相互に絡められて、無方向性分布を形成する
    ことを特徴とする、
    請求項5に記載の長ファイバーSMC。
  10. 前記複数の前記ファイバーフィラメント中の少なくとも1本の前記ファイバーフィラメントの少なくとも1個の前記絨毛と、もう1本の前記ファイバーフィラメントの少なくとも1個の前記絨毛とは、相互に絡められて、無方向性分布を形成する
    ことを特徴とする、
    請求項5に記載の長ファイバーSMC。
  11. 前記ファイバーフィラメントは、カーボンファイバー或いはガラスファイバーが採用される
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
  12. 前記接着樹脂層、前記第一樹脂層及び前記第二樹脂層は、相互に相同の材料或いは不相同の材料である
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
  13. 前記接着樹脂層、前記第一樹脂層及び前記第二樹脂層は、それぞれ独立し、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂を採用して構成される
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
  14. 前記ファイバーフィラメントの直径は、3μm〜30μmの間である
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
  15. 前記長ファイバーSMC中の総ファイバー含量の前記長ファイバーSMCのパーセンテージは、5%〜30%の間である
    ことを特徴とする、
    請求項1に記載の長ファイバーSMC。
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