JP3217873B2 - ベンゾフェノン誘導体及びこれを含有する紫外線吸収剤 - Google Patents

ベンゾフェノン誘導体及びこれを含有する紫外線吸収剤

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JP3217873B2 JP28620892A JP28620892A JP3217873B2 JP 3217873 B2 JP3217873 B2 JP 3217873B2 JP 28620892 A JP28620892 A JP 28620892A JP 28620892 A JP28620892 A JP 28620892A JP 3217873 B2 JP3217873 B2 JP 3217873B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なベンゾフェノン
誘導体及びこれを含有する紫外線吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
皮膚疾患の原因の一つとして紫外線が注目を浴びてお
り、日焼け、老化、皮膚がん等の皮膚疾患に紫外線が深
く関わっていることが明らかになりつつある。このよう
な背景において、皮膚を紫外線から守ることが重要視さ
れ、紫外線防御物質を成分に含む日焼け止め製剤、スキ
ンケア、ファンデーション等の化粧品が数多く上市され
ている。また、紫外線吸収剤は、紫外線による高分子の
劣化や、染料、色素の退色を防止するため、種々の高分
子材料に添加されている。
【0003】紫外線は、長波長紫外線(UV−A;32
0〜400nm)、中波長紫外線(UV−B;290〜3
20nm)及び短波長紫外線(UV−C;〜290nm)に
区別され、中でも地表に到達するUV−A及びUV−B
の皮膚に対する有害性が明らかにされ、これらの紫外線
を防御するために多くの紫外線防御物質が開発されてい
る。
【0004】例えば、UV−A防御物質としては酸化チ
タン、酸化鉄、酸化亜鉛等の無機化合物や、4−t−ブ
チル−4′−メトキシジベンゾイルメタン等の油溶性の
有機化合物が知られており、微粒子化、超微粒子化、疎
水化表面処理、他物質との複合化などの方法により、U
V−A防御効果を高めたり、目的に応じた化粧品素材と
して使用可能な素材にする工夫が行われている。
【0005】またUV−B防御物質としては、パラアミ
ノ安息香酸、サリチル酸、メトキシ桂皮酸、ベンゾフェ
ノン等及びそれらの誘導体が知られており、化粧品素材
として利用されている。
【0006】しかしながら、これらの紫外線防御物質
は、ほとんどが不溶性の粉体や水に難溶な油溶性物質で
あるため、化粧水、ローション等の水性製剤に配合する
のは極めて困難であった。従って、親水性で紫外線吸収
作用に優れた紫外線吸収剤が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、後記一般式(1)で
表わされるベンゾフェノン誘導体が、親水性でしかも紫
外線吸収作用に優れることを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(1)
【0009】
【化2】
【0010】(式中、Aは水素原子又は(メタ)アクリ
ロイル基を示し、Gは保護基を有さない糖残基を示し、
1は水素原子又はメチル基を示し、R2は水素原子、メ
チル基又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す)で表わ
されるベンゾフェノン誘導体及びこれを含有する紫外線
吸収剤を提供するものである。
【0011】本発明のベンゾフェノン誘導体は前記一般
式(1)で表わされるものであり、式中、Gで示される
糖残基としては、糖単位1〜10、特に1〜5の単糖又
はオリゴ糖が好ましく、例えばグルコース、マンノー
ス、ガラクトース、グルコサミン、マンノサミン、ガラ
クトサミン等の六炭糖類、アラビノース、キシロース、
リボース等の五炭糖類、マルトース、ラクトース、トレ
ハトース、セロビオース、イソマルトース、ゲンチオビ
オース、メリビオース、ラミナリビオース、キトビオー
ス、キシロビオース、マンノビオース、ソホロースなど
の二糖類、マントトリオース、イソマルトトリオース、
マルトテトラオース、マルトペンタオース、マンノトリ
オース、マンニノトリオースなどや、でんぷん、セルロ
ース、キチン、キトサンなどの加水分解物(例えば、局
方デキストリン、アクロデキストリン、ブリテッシュガ
ム、セロデキストリンなど)などを挙げることができ
る。
【0012】これらのベンゾフェノン誘導体(1)は、
例えば以下に示すごとく、2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン誘導体(2)とハロゲン化糖(3)を反応させ
ることにより製造することができる。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1、R2及びGは前記と同じ意味
を示し、Xはハロゲン原子を示し、A´は(メタ)アク
リロイル基を示す)
【0015】すなわち、まず一般式(1)中、Aが水素
原子のベンゾフェノン誘導体(1a)は、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン誘導体(2)とハロゲン化糖
(3)を溶媒の存在下、0〜80℃で5〜12時間反応
させることにより得ることができる。ここで、ハロゲン
化糖(3)は、その水酸基がアセチル基等の保護基で保
護されているものを用いるのが好ましく、この場合、前
記反応後に通常の方法により脱保護反応を行えばよい。
溶媒としては、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロ
ロエタン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、エチルエーテル、酢酸エチル
等を用いることができる。2,4−ジヒドロキシベンゾ
フェノン誘導体(2)とハロゲン化糖(3)の使用割合
は、特に1.2:1であるのが好ましい。
【0016】また、一般式(1)中、Aが(メタ)アク
リロイル基であるベンゾフェノン誘導体(1b)は、前
記の如くして得たベンゾフェノン誘導体(1a)を、更
にハロゲン化(メタ)アクリロイルと反応させることに
より得ることができる。反応は、溶媒の存在下、−5〜
5℃で4〜15時間行えばよく、溶媒としては、例えば
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホル
ム、ベンゼン、トルエン、キシレン、N,N−ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、エチルエーテル、酢酸エチル等を用いることができ
る。また、ベンゾフェノン誘導体(1a)とハロゲン化
(メタ)アクリロイルとの使用割合は、特に1:1であ
るのが好ましい。なお、この反応により、(メタ)アク
リロイル基は糖の各水酸基に導入され得るが、糖の6位
に(メタ)アクリロイル基が導入されたものをメイン
に、他の水酸基に導入されたものも若干含む混合物とし
て得られる。
【0017】いずれの場合も、反応終了後には、通常の
方法によって、洗浄、乾燥、シリカゲルカラム処理等を
施すことにより、目的物を得ることができる。
【0018】このようにして得られる本発明のベンゾフ
ェノン誘導体(1)は、優れた紫外線吸収作用を有する
ため、紫外線吸収剤として有用なものである。
【0019】本発明の紫外線吸収剤は、前記ベンゾフェ
ノン誘導体(1)の1種又は2種以上をそのまま使用す
ることができ、更に、ベンゾフェノン誘導体(1)の紫
外線吸収作用を損わない範囲において、他の成分、例え
ば防腐剤、香料、着色料、界面活性剤、金属塩等を配合
することもできる。
【0020】
【発明の効果】本発明のベンゾフェノン誘導体(1)
は、親水性でしかも優れた紫外線吸収作用を有するもの
である。従って、これを含有する本発明の紫外線吸収剤
は、化粧料をはじめ、多くの水性製剤などに容易に配合
することができる。また、本発明のベンゾフェノン誘導
体のうち、分子中にラジカル重合可能な二重結合を含む
(メタ)アクリロイル基を有するものは、他のラジカル
重合可能な親水性モノマーと共重合させることもできる
ため、例えば親水性コンタクトレンズや眼内レンズ材料
に適用すれば、まぶしさを感じたり網膜に有害である紫
外線を除去することができる。
【0021】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 2−ヒドロキシ−4−〔2′−(β−D−グルコピラノ
シロキシ)エトキシ〕ベンゾフェノンメタクリレートの
合成: (1)2−ヒドロキシ−4−(2′−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゾフェノンの合成 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(17.1g,8
0mmol)をメタノール(100ml)に溶解し、水酸化ナ
トリウム(3.2g,80mmol)を加えた。これに水
(40ml)を加え、次いで2−ブロモエタノール(6.
7ml,80mmol)を加え、一夜還流した。減圧濃縮によ
りメタノールを除去した後、水を加え、4規定塩酸にて
pHを2に調節した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、
酢酸エチル層を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾
燥後減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム上でヘキサ
ン−酢酸エチル(3:2v/v)で処理し、目的物を含
むフラクションを集め、減圧濃縮し、ヘキサンより目的
物を針状結晶として得た。 収量;8.3g(40%) 融点;88−89℃ λmax;287,326nm logε;4.21, 4.02 元素分析値; 計算値 C,69.25; H,5.46 測定値 C,69.17; H,5.49
【0023】(2)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(テ
トラ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシロキシ)
エトキシ〕ベンゾフェノンの合成 ペンタ−O−アセチル−β−D−グルコピラノース
(7.81g,20mmol)をごく少量のジクロロメタン
に溶解し、25%臭化水素の氷酢酸溶液(40ml)を加
えた。混合物を室温に2時間放置し、クロロホルムに溶
解した。この溶液を4%炭酸水素ナトリウムと水で洗浄
し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥、減圧濃縮後ヘキサン
を加えて固化した。 収量;6.05g(74%) 上記の方法によって得られたブロム化糖(1.81g,
7mmol)と、(1)で得た2−ヒドロキシ−4−(2′
−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン(2.88g,
7mmol)を1,2−ジクロロエタン(20ml)に溶解
し、酸化銀(1.71g)を酸受容体に用いて室温にて
一夜反応させた。銀塩を濾去した後、濾液を減圧濃縮
し、シリカゲルカラム上でヘキサン−酢酸エチル(1:
1v/v)で処理し、目的物を含むフラクションを集
め、減圧濃縮して、目的物をフィルムとして得た。 収量;2.93g(71%) 融点;92−92℃ λmax;286,323nm logε;4.21, 4.02 元素分析値; 計算値 C,59.18; H,5.48 測定値 C,59.04; H,5.51
【0024】(3)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(β
−D−グルコピラノシロキシ)エトキシ〕ベンゾフェノ
ンの合成 (2)で得た2−ヒドロキシ−4−〔2′−(テトラ−
O−アセチル−β−D−グルコピラノシロキシ)エトキ
シ〕ベンゾフェノン(2.12g,3.6mmol)をエタ
ノール(80ml)に懸濁し、2規定水酸化ナトリウム
(10.8ml)を加えた。反応混合物を室温で30分攪
拌し、減圧濃縮した。残渣に水を加え、次いでDowe
x50(H+ 型)を加えてナトリムウイオンを吸着させ
た。イオン交換樹脂を濾去した後、濾液を減圧濃縮し、
析出した結晶を集めた。元素分析の結果、これらの結晶
は一水化物であることが確認された。 収量;1.24g(82%) 融点;136−137℃ λmax;286,326nm logε;4.21, 4.02 元素分析値; 計算値 C,57.53; H,5.98 測定値 C,57.45; H,6.01
【0025】(4)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(β
−D−グルコピラノシロキシ)エトキシ〕ベンゾフェノ
ンメタクリレートの合成 (3)で得た2−ヒドロキシ−4−〔2′−(β−D−
グルコピラノシロキシ)エトキシ〕ベンゾフェノン
(1.16g,2.8mmol)をジクロロメタン(10m
l)とN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)の混合
溶液に溶解し、ピリジン(0.91ml,11.2mmol)
を加えた。この溶液を氷冷下、攪拌しながら塩化メタク
リロイル(0.55ml,5.6mmol)のジクロロメタン
溶液を徐々に滴下した。反応混合物を氷冷下で2時間攪
拌した後、冷蔵庫に一夜放置し、減圧濃縮した。残渣に
酢酸エチルを加え、1規定塩酸、4%炭酸水素ナトリウ
ム、水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、
減圧濃縮した。次いで、残渣をシリカゲルカラム上でヘ
キサン−酢酸エチル(ヘキサン含量が50−0%のグラ
ジュエント)で処理し、目的物を含むフラクションを集
めて減圧濃縮し、油状物を得た。得られた化合物は、グ
ルコース6−位にメタクリレートが導入されたものを主
成分とする、モノメタクリレートの混合物であることが
確認された。 収量;0.62g(45%) λmax;284,324nm logε;4.21, 4.02 元素分析値; 計算値 C,61.47; H,5.78 測定値 C,61.28; H,5.88
【0026】(5)(3)で得られた2−ヒドロキシ−
4−〔2′−(β−D−グルコピラノシロキシ)エトキ
シ〕ベンゾフェノン及び(4)で得られた2−ヒドロキ
シ−4−〔2′−(β−D−グルコピラノシロキシ)エ
トキシ〕ベンゾフェノンメタクリレートを、それぞれ1
0ppm 水溶液にし、分光特性を測定したところ、図1及
び図2に示すように、特に400nm以下で良好な紫外線
吸収効果を示した。
【0027】実施例2 (1)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(ヘプタ−O−ア
セチル−β−D−セロビオシロキシ)エトキシ〕ベンゾ
フェノンの合成:オクタ−O−アセチルセロビオース
(3.09g,5mmol)をジクロロメタン(50ml)と
酢酸エチル(6ml)の混合溶媒に溶解し、四臭化チタン
(2.94g,8mmol)を加えた。混合物を室温にて4
8時間攪拌した後、氷冷し、氷水にて二回洗浄した。有
機層を無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、減圧濃縮後ヘ
キサンより固化した。 収量;2.66g(76%) 上記の方法によって得られたブロム化糖(2.66g,
3.8mmol)と、実施例1(1)で得た2−ヒドロキシ
−4−(2′−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン
(1.29g,5mmol)を1,2−ジクロロエタン(2
0ml)に溶解し、酸化銀(1.22g)を酸受容体に用
いて室温にて一夜反応させた。実施例1(2)と同様の
方法により精製し、目的物を油状物として得た。 収量;1.83g (62%)
【0028】(2)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(β
−D−セロビオシロキシ)エトキシ〕ベンゾフェノンの
合成:(1)で得られた2−ヒドロキシ−4−〔2′−
(テトラ−O−アセチル−β−D−セロビオシロキシ)
エトキシ〕ベンゾフェノン(1.48g,1.8mmol)
をメタノール(20ml)に懸濁し、2規定水酸化ナトリ
ウム(8.6ml)を加え、実施例1(3)と同様の操作
により、目的物をアモルファスソリッドとして得た。1
0ppm 水溶液の分光特性を図3に示す。 収量;0.70g (67%) 融点;96−98℃ λmax;285,324nm logε;4.18, 3.99 元素分析値; 計算値 C,55.66; H,5.88 測定値 C,55.54; H,5.91
【0029】実施例3 (1)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(ヘプタ−O−ア
セチル−β−D−マルトシロキシ)エトキシ〕ベンゾフ
ェノンの合成:オクタ−O−アセチル−D−マルトース
(3.09g,5mmol)を実施例2(1)と同様に処理
し、ヘプタ−O−アセチル−α−D−マンノシルブロミ
ドの無色のシロップを得た。このものを1,2−ジクロ
ロエタン(20ml)に溶解し、実施例1(1)で得た2
−ヒドロキシ−4−(2′−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゾフェノン(1.29g,5mmol)と酸化銀(1.22
g)を加え、室温にて一夜攪拌した。実施例2(1)と
同様な精製を行い、目的物を淡黄色のフイルムとして得
た。 収量;2.04g (オクタ−O−アセチル−α−マルトース
より50%)
【0030】(2)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(β
−D−マルトシロキシ)エトキシ〕ベンゾフェノンの合
成:(1)で得られた2−ヒドロキシ−4−〔2′−
(テトラ−O−アセチル−β−D−マルトシロキシ)エ
トキシ〕ベンゾフェノン(1.82g,2.2mmol)を
メタノール(20ml)に懸濁し、2規定水酸化ナトリウ
ム(12ml)を加え、実施例1(3)と同様の操作によ
り、目的物をアモルファスソリッドとして得た。10pp
m 水溶液の分光特性を図4に示す。 収量;0.87g (68%) 融点;74−73℃ λmax;287,318nm logε;4.21, 4.06 元素分析値; 計算値 C,55.66; H,5.88 測定値 C,55.56; H,5.93
【0031】実施例4 (1)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(ヘプタ−O−ア
セチル−β−D−ラクトシロキシ)エトキシ〕ベンゾフ
ェノンの合成:オクタ−O−アセチル−D−ラクトース
(3.09g,5mmol)を実施例2(1)と同様に処理
し、ヘプタ−O−アセチル−α−D−ラクトシルブロミ
ドの無色のシロップを得た。このものを1,2−ジクロ
ロエタン(20ml)に溶解し、実施例1(1)で得た2
−ヒドロキシ−4−(2′−ヒドロキシエトキシ)ベン
ゾフェノン(1.29g,5mmol)と酸化銀(1.22
g)を加え、室温にて一夜攪拌した。実施例2(1)と
同様な精製を行い、目的物を淡黄色のフイルムとして得
た。 収量;2.07g (オクタ−O−アセチル−D−ラクトース
より51%)
【0032】(2)2−ヒドロキシ−4−〔2′−(β
−D−ラクトシロキシ)エトキシ〕ベンゾフェノンの合
成:(1)で得られた2−ヒドロキシ−4−〔2′−
(テトラ−O−アセチル−β−D−ラクトシロキシ)エ
トキシ〕ベンゾフェノン(1.93g,2.4mmol)を
メタノール(20ml)に懸濁し、2規定水酸化ナトリウ
ム(12ml)を加え、実施例1(3)と同様の操作によ
り、目的物をアモルファスソリッドとして得た。10pp
m 水溶液の分光特性を図5に示す。 収量;0.84g (60%) 融点;216−220℃ λmax;289,318nm logε;4.10, 3.94 元素分析値; 計算値 C,55.66; H,5.88 測定値 C,55.61; H,5.91
【0033】実施例5 4−(D−グルコシロキシ)−2−ヒドロキシベンゾフ
ェノンの合成:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
(1.47g,6.8mmol)をメタノール(20ml)に
溶解し、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液
(1.31g)を徐々に滴下した。無水炭酸ナトリウム
(1.80g,17mmol)を加えた後、実施例1(2)
と同様にして調製したテトラ−O−アセチル−α−D−
グルコピラノシルブロミド(2.35g,5.7mmol)
を加え、80℃で一夜攪拌した。反応液を放冷し、不溶
物を濾去後減圧濃縮した。残渣に水を加え、次いで4規
定塩酸でpH4に調節した。酢酸エチルで二度抽出し、酢
酸エチル層を併せて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥させた。減圧濃縮後、ヘキサンより目的
物を結晶化させた。10ppm 水溶液の分光特性を図6に
示す。 収量;0.53g (25%) 融点;166−168℃ λmax;282,327nm logε;4.20, 3.91 元素分析値; 計算値 C,60.63; H,5.36 測定値 C,60.56; H,5.39
【0034】実施例6 4−(D−セロビオシロキシ)−2−ヒドロキシベンゾ
フェノンの合成:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
(4.28g,20mmol)をメタノール(50ml)に溶
解し、28%ナトリウムメチラートのメタノール溶液
(2.90g)を滴下した。無水炭酸ナトリウム(5.
62g)を加えた後、実施例2(1)と同様に調製した
ヘプタ−O−アセチル−α−D−セロビオシルブロミド
(5.52g,7.9mmol)を加え、80℃にて一夜攪
拌した。不溶物を濾去後、濃塩酸を加えてpHを4に調節
し、減圧濃縮した。残渣に再び少量のメタノールを加
え、不溶物を濾去し、濾液を再び減圧濃縮した。残渣を
ごく少量のメタノールに溶解した後、シリカゲルカラム
にアプライし、クロロホルム−メタノール(5:1v/
v)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーを行
った。目的物を含むフラクションを集め、減圧濃縮し、
目的物をアモルファスソリッドとして得た。10ppm 水
溶液の分光特性を図7に示す。 収量;1.18g (28%) 融点;184−189℃(分解) λmax;281,324nm logε;4.10, 3.81 元素分析値; 計算値 C,55.76; H,5.62 測定値 C,55.67; H,5.67
【0035】実施例7 4−(D−マルトシロキシ)−2−ヒドロキシベンゾフ
ェノンの合成:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
(2.14g,10mmol)、28%ナトリウムメチラー
トのメタノール溶液(1.95g)、無水炭酸ナトリウ
ム(2.81g)、実施例3(1)と同様に調製したヘ
プタ−O−アセチル−α−D−マルトシルブロミド
(2.45g,3.5mmol)を実施例6と同様の方法で
処理し、目的物を吸湿性のアモルファスソリッドとして
得た。10ppm 水溶液の分光特性を図8に示す。 収量;0.24g (13%) λmax;280,326nm logε;4.06, 3.78 元素分析値; 計算値 C,55.76; H,5.62 測定値 C,55.64; H,5.69
【0036】実施例8 4−(D−ラクトシロキシ)−2−ヒドロキシベンゾフ
ェノンの合成:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
(2.14g,10mmol)、28%ナトリウムメチラー
トのメタノール溶液(1.95g)、無水炭酸ナトリウ
ム(2.81g)、実施例4(1)と同様に調製したヘ
プタ−O−アセチル−α−D−ラクトシルブロミド
(2.45g,3.5mmol)を実施例6と同様の方法で
処理し、目的物を結晶として得た。10ppm 水溶液の分
光特性を図9に示す。 収量;0.40g (21%) 融点;171−175℃ λmax;282,324nm logε;4.11, 3.83 元素分析値; 計算値 C,55.76; H,5.62 測定値 C,55.71; H,5.62
【0037】試験例1 実施例で製造した以下の化合物1〜6、及び従来紫外線
吸収剤として使用されている化合物7〜8について、そ
れぞれの親水性を調べた。すなわち、各化合物につい
て、10重量%水溶液ができるものを○、できないもの
を×、加熱すればできるものを△として評価した。この
結果を表1に示す。
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【表1】
【0041】参考例1 2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)5g
に対し、重合開始剤アゾビスイソブチロニトリル(AI
BN)を0.1重量%、及び実施例1で得た2−ヒドロ
キシ−4−(2′−(β−D−グルコピラノシロキシ)
エトキシ)ベンゾフェノンメタクリレートを0〜5重量
%添加したものを、厚さ0.5mmのスペーサーの入った
スライドグラスの間に入れ、これを更に試験管に入れ、
窒素置換・脱気後、50℃72時間、70℃48時間重
合した。得られた試料の分光特性を図10に示す。この
試料は、紫外線を有効に除去するため、眼内レンズ材料
として使用することができる。
【0042】参考例2 HEMA1当量に対し、2−グルコシルエチルメタクリ
レート(GEMA)の50%水溶液を0.5当量混合し
た混合モノマー5gに、AIBN0.1重量%、及び実
施例1で得た2−ヒドロキシ−4−(2′−(β−D−
グルコピラノシロキシ)エトキシ)ベンゾフェノンメタ
クリレートを0〜5重量%添加し、参考例1と同様にし
て重合した。得られた試料の分光特性を図11に示す。
この試料は、紫外線を有効に除去するため、眼内レンズ
材料として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(3)で得られた2−ヒドロキシ−4
−〔2′−(β−D−グルコピラノシロキシ)エトキ
シ〕ベンゾフェノンの分光特性を示す図である。
【図2】実施例1(4)で得られた2−ヒドロキシ−4
−〔2′−(β−D−グルコピラノシロキシ)エトキ
シ〕ベンゾフェノンメタクリレートの分光特性を示す図
である。
【図3】実施例2で得られた2−ヒドロキシ−4−
〔2′−(β−D−セロビオシロキシ)エトキシ〕ベン
ゾフェノンの分光特性を示す図である。
【図4】実施例3で得られた2−ヒドロキシ−4−
〔2′−(β−D−マルトシロキシ)エトキシ〕ベンゾ
フェノンの分光特性を示す図である。
【図5】実施例4で得られた2−ヒドロキシ−4−
〔2′−(β−D−ラクトシロキシ)エトキシ〕ベンゾ
フェノンの分光特性を示す図である。
【図6】実施例5で得られた4−(D−グルコシロキ
シ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの分光特性を示す
図である。
【図7】実施例6で得られた4−(D−セロビオシロキ
シ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの分光特性を示す
図である。
【図8】実施例7で得られた4−(D−マルトシロキ
シ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの分光特性を示す
図である。
【図9】実施例8で得られた4−(D−ラクトシロキ
シ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの分光特性を示す
図である。
【図10】参考例1で得た試料の分光特性を示す図であ
る。
【図11】参考例2で得た試料の分光特性を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/04 C09K 3/00 A61F 2/16 A61K 7/00 A61K 7/42 CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Aは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示
    し、Gは保護基を有さない糖残基を示し、R1は水素原
    子又はメチル基を示し、R2は水素原子、メチル基又は
    炭素数1〜8のアルコキシ基を示す)で表わされるベン
    ゾフェノン誘導体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベンゾフェノン誘導体を
    含有する紫外線吸収剤。
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