JP3217854B2 - 有機金属の精製方法 - Google Patents

有機金属の精製方法

Info

Publication number
JP3217854B2
JP3217854B2 JP17692292A JP17692292A JP3217854B2 JP 3217854 B2 JP3217854 B2 JP 3217854B2 JP 17692292 A JP17692292 A JP 17692292A JP 17692292 A JP17692292 A JP 17692292A JP 3217854 B2 JP3217854 B2 JP 3217854B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
purification
catalyst
organic metal
ppm
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17692292A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05202067A (ja
Inventor
孝 島田
恵一 岩田
雅子 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Pionics Ltd
Original Assignee
Japan Pionics Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Pionics Ltd filed Critical Japan Pionics Ltd
Priority to JP17692292A priority Critical patent/JP3217854B2/ja
Publication of JPH05202067A publication Critical patent/JPH05202067A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3217854B2 publication Critical patent/JP3217854B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機金属の精製方法に関
し、さらに詳細には有機金属中に不純物として含まれる
酸素を極低濃度まで除去しうる有機金属の精製方法に関
する。ジエチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリメ
チルガリウム、トリメチルインジウム、ジメチル金アセ
チルアセトナートなどに代表される周期律表Ib、II
b、IIIb族元素の有機金属化合物は、セレン化亜鉛
(ZnSe)、ガリウム−砒素(GaAs)、インジウ
ム−燐(InP)などの化合物半導体を製造するための
原料あるいは配線形成材料なとどとして重要なものであ
る。また、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム、テ
トラメチル錫、ジメチルテルルなどは、ドーピングの原
料としてその使用量が年々増加しつつある。これらの原
料は、最近の半導体の高性能化などに伴い、不純物の含
有量の極めて少ないものが要求されている。
【0002】
【従来の技術】半導体製造時に使用される有機金属の供
給法としては、例えばジエチル亜鉛の場合は水素などで
1%以下程度に希釈したガスを充填したボンベを用いる
こともあるが、通常は有機金属を一端の開いたボトルな
どの容器に入れ、恒温槽に浸して適当な温度に制御する
ことにより発生させた有機金属蒸気を、マスフローコン
トローラーなどで流量を制御しながらリアクターに供給
する方法、有機金属をバブラーに入れてH2 、N2 、H
eなどによりバブリングしてリアクターに供給する方法
などが用いられる。有機金属中には、不純物として酸素
および水分などが含まれており、このうち水分は合成ゼ
オライトなどの脱湿剤により除去可能である。有機金属
中の酸素含有量は、通常は10ppm以下であるが、最
近では0.1〜0.5ppmと比較的低いものも市販さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、化合物半導体製
造時に有機金属と同時に使用されるアルシン、ホスフィ
ン、セレン化水素は高純度に精製することが可能とな
り、例えば不純物として含有される酸素が0.01pp
m以下のものが得られるようになった(特開平3−12
303号公報など)。このため有機金属についても、酸
素含有量が0.01ppm以下のものが強く望まれてい
る。また、これらの有機金属はボトルの接続時や配管の
切替時など半導体装置への供給過程において空気など不
純物の混入による汚染もあるため、装置の直前で不純物
を最終的に除去することが望ましい。このように高純度
有機金属に対する需要は年々増加しているが、有機金属
中に含有される酸素を効率よく除去する方法についての
公知技術はほとんど見当たらない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、有機金属
中に含有される酸素を極低濃度まで効率よく除去するべ
く鋭意研究を重ねた結果、有機金属を銅またはニッケル
を主成分とする触媒と接触させることにより、酸素濃度
を0.1ppm以下、さらには0.01ppm以下まで
除去しうることを見い出し、本発明を完成した。すなわ
ち本発明は、粗有機金属を銅を主成分とする触媒と接触
させて、該有機金属中に不純物として含有される酸素を
除去することを特徴とする有機金属の精製方法、およ
び、粗有機金属をニッケルを主成分とする触媒と接触さ
せて、該有機金属中に不純物として含有される酸素を除
去することを特徴とする有機金属の精製方法である。本
発明は有機金属単独、水素(水素ガスベース)および窒
素、アルゴンなどの不活性ガス(不活性ガスベース)で
希釈された有機金属(以下総称して粗有機金属と記す)
中に含有される酸素の除去に適用される。
【0005】本発明の対象となる有機金属は、常温で気
体または希釈用ガスによるバブリングあるいは加熱など
によって気化させうるものである。その代表例としては
ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジメチルカドミウム、ジ
エチルカドミウム、ジメチル水銀、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニ
ウムハイドライド、ジメチルアルミニウムハイドライ
ド、トリメトキシアルミニウム〔Al(OC
3 3 〕、 ジメチルアルミニウムクロライド、トリメ
チルガリウム、トリエチルガリウム、トリエトキシガリ
ウム〔Ga(OC2 5 3 〕、トリメチルインジウ
ム、トリエチルインジウム、ジメチル金アセチルアセト
ナート〔Au(CH3 2 (C5 7 2 )〕、酢酸金
(III)〔AuCH3 2 〕、メチル金イソシアノメ
チル、メチル金トリメチルホスフィン、ビスヘキサフロ
ロアセチルアセトナート銅〔Cu(HFA)2 〕(ここ
でHFAは、ヘキサフロロアセチルアセトナート基を示
す)など周期律表Ib族、IIb族、IIIb族元素と
飽和、不飽和炭化水素との化合物またはその一部が水
素、ハロゲンあるいはアルコキイ基、アセチル基などて
置換されたものである。この他、例えばビスシクロペン
タジエニルマグネシウム〔Mg(C5 4 2 〕、テト
ラメチル錫、トリメチル砒素、トリメチル燐、ジメチル
セレン、ジエチルセレン、ジメチルテルル、ペンタカル
ボニル鉄〔Fe(CO)5 〕など周期律表IIa族、I
Vb族、Vb族、VIb族、VIII族元素の有機金属
化合物が挙げられる。
【0006】本発明において使用される触媒は、銅また
はニッケルを主成分とするものであるが、具体的には金
属銅または銅の酸化物など還元され易い銅化合物あるい
は金属ニッケルまたはニッケルの酸化物なと還元され易
いニッケル化合物を主成分とするものである。また、銅
やニッケル以外の金属成分として、クロム、鉄、コバル
トなどが少量含有されているものであってもよい。これ
らの触媒は単独で用いてもよく、また、触媒担体などに
担持させた形で用いてもよいが、銅またはニッケルの表
面とガスの接触効率を高める目的などから、通常は触媒
坦体などに担持させた形態で使用される。銅の酸化物を
得るには種々の方法があるが、例えば銅の硝酸塩、硫酸
塩、塩化物、有機酸塩などに苛性ソーダ、苛性カリ、炭
酸ナトリウム、アンモニアなどのアルカリを加えて酸化
物の中間体を沈澱させ、得られた沈澱物を焼成するなど
の方法がある。これらは通常は、押出成型、打錠成型な
どで成型体とされ、そのまま、あるいは必要に応じて適
当な大きさに破砕して使用される。成型方法としては乾
式法あるいは湿式法を用いることができ、その際、少量
の水、滑剤などを使用してもよい。さらに、市販の酸化
銅触媒など種々なものがあるのでそれらから選択したも
のを使用してもよい。要は、還元銅、酸化銅などが微細
に分散されて、その表面積が大きく、ガスとの接触効率
の高い形態のものであればよい。
【0007】一方、ニッケルを担体に担持させる方法と
しては、例えば、ニッケル塩の水溶液中に珪藻土、アル
ミナ、シリカアルミナ、アルミノシリケートおよびカル
シウムシリケートなどの担体粉末を分散させ、さらにア
ルカリを添加して担体の粉末上にニッケル成分を沈澱さ
せて濾過し、必要に応じて水洗して得たケーキを、12
0〜150℃で乾燥後、300℃以上で焼成し、この焼
成物を粉砕する方法、あるいはNiCO3 、Ni(O
H)2 、Ni(NO3 2 などの無機塩、NiC
2 4 、Ni(CH3 COO)2 などの有機塩を焼成
し、粉砕した後、これに耐熱性セメントを混合し、焼成
する方法などが挙げられる。これらは通常は、押出成
型、打錠成型などで成型体とされ、そのまま、あるいは
必要に応じて適当な大きさに破砕して使用される。成型
方法としては乾式法あるいは湿式法を用いることがで
き、その際、少量の水、滑剤などを使用してもよい。ま
た、ニッケル系触媒として、例えば水蒸気変成触媒C1
1−2−03(NiO−セメント)、C11−2−06
(NiO−耐火物)、C11−2(Ni−カルシウムア
ルミネート)、C11−9(Ni−アルミナ);水素化
触媒、C46−7(Ni−珪藻土)、C46−8(Ni
−シリカ)、C36(Ni−Co−Cr−アルミナ);
ガス化触媒、XC99(NiO);水素化変成触媒、C
20−7(Ni−Mo−アルミナ)〔以上、東洋CCI
(株)製〕および水素化触媒、N−111(Ni−珪藻
土);ガス化変成触媒、N−174(NiO);ガス化
触媒、N−185(NiO)〔以上、日揮(株)製〕な
ど種々なものがあるのでそれらから選択したものを用い
てもよい。要は、還元ニッケル、酸化ニッケルなどが微
細に分散されて、その表面積が大きく、ガスとの接触効
率の高い形態のものであればよい。
【0008】本発明で使用する上記の銅またはニッケル
を主成分とする触媒において、その比表面積としては通
常は、BET法で10〜300m2 /g、好ましくは3
0〜250m2 /g程度の範囲のものである。また、銅
またはニッケルの含有量は金属換算で通常は、5〜95
wt%、好ましくは20〜95wt%である。銅または
ニッケルの含有量が5wt%よりも少なくなると脱酸素
能力が低くなり、また、95wt%よりも高くなると水
素による還元の際にシンタリングが生じて活性が低下す
る恐れがある。
【0009】これらの触媒を活性化するためには、通常
は、水素還元をおこなう。水素還元に際しては、例えば
350℃以下で水素−窒素の混合ガスを空筒線速度(L
V)5cm/sec程度でとおすことによっておこなえ
るが、発熱反応であるため温度が急上昇しないように注
意が必要である。
【0010】有機金属の精製は、通常は還元処理した銅
またはニッケルを主成分とする触媒が充填された精製筒
に原料である不純物含有の粗有機金属を通すことによっ
ておこなわれ、この粗有機金属が触媒と接触することに
よって有機金属中に不純物として含有される酸素が除去
される。本発明において精製の対象となる粗有機金属中
の酸素濃度には特に制限はないが、通常は100ppm
以下である。酸素濃度がこれよりも高くなると発熱量が
増加するため、条件によっては除熱手段が必要となる。
【0011】精製筒に充填される触媒の充填長は、実用
上通常は50〜1500mmとされる。充填長が50m
mよりも短くなると酸素除去率が低下するおそれがあ
り、また、1500mmよりも長くなると圧力損失が大
きくなり過ぎる恐れが生ずる。精製時の粗有機金属の空
筒線速度(LV)は、供給される有機金属中の酸素濃度
および操作条件などによって異なり一概に特定はできな
いが、通常は100cm/sec以下、好ましくは30
cm/sec以下である。粗有機金属と触媒との接触温
度は、精製筒の入口に供給されるガスの温度で200℃
以下であり、通常は0〜60℃程度の常温でよく、特に
加熱や冷却を必要としない。精製時のガスの圧力にも特
に制限はなく常圧、減圧、加圧のいずれでも処理が可能
であるが、通常は20Kg/cm2 abs以下、好まし
くは0.1〜10Kg/cm2 absである。
【0012】本発明において、粗有機金属中に少量の水
分が含有されていても脱酸素能力には特に悪影響を及ぼ
すことはなく、さらに触媒担体などを用いている場合に
は、その種類によっては水分も同時に除去することがで
きる。また、本発明における触媒による酸素除去工程
に、必要に応じて合成ゼオライトなどの脱湿剤による水
分除去工程を適宜組み合わせることも可能であり、これ
によって水分も確実に除去され、極めて高純度に精製さ
れた有機金属を得ることができる。
【0013】
【実施例】
実施例1 (酸化銅触媒の調製)硫酸銅の20wt%水溶液に炭酸
ソーダの20wt%水溶液をpH9〜10になるまで加
え、塩基性炭酸銅の結晶を析出させた。この結晶を、繰
り返し濾過、洗浄し、空気気流中130℃で乾燥させた
後、300℃で焼成して酸化銅を生成させた。この酸化
銅にアルミナゾル(触媒化成工業(株)製Catalo
id−AS−2)を混合し、ニーダーで混煉した。続い
て空気中130℃で乾燥させた後、さらに350℃で焼
成し、焼成物を破砕して顆粒状とた。このものを打錠成
型にて6mmφ×4mmHのペレットに成型した。これ
を破砕してふるいにかけ6〜12meshのものを集め
た。この触媒を内径16.4mm、長さ400mmのス
テンレス鋼製の精製筒に63ml(101g、充填密度
1.6g/ml、充填長300mm)充填した。 (銅触媒の活性化処理)この精製筒に、10vol%水
素(窒素ベース)を常圧で温度180℃、流量0.63
3L/min(LV=5cm/sec)で6時間流して
還元処理をおこなった後、常温まで冷却した。
【0014】(ジエチル亜鉛の精製)引き続いて、ジエ
チル亜鉛の精製をおこなった。約50mlのジエチル亜
鉛の入った内径50mm、高さ175mmのステンレス
製バブラーを10℃に設定した恒温槽に浸してジエチル
亜鉛の蒸気圧をコントロールし、窒素でジエチル亜鉛を
バブリングすることによって窒素ベースで1.2vol
%のジエチル亜鉛蒸気を含むガスを発生させた。このガ
ス中の酸素濃度を黄燐発光式酸素分析計(測定下限濃度
0.01ppm)を用いて測定したところ、約0.3p
pmであった。このガスを精製筒に0.633L/mi
n(LV=5cm/sec)で流し、精製筒出口ガス中
の酸素を測定したところ、0.01ppm以下であっ
た。精製を始めてから100分後においても出口ガスの
酸素濃度は0.01ppm以下であった。
【0015】実施例2 (トリメチルガリウムの精製)実施例1で用いたと同じ
精製筒を使い、トリメチルガリウムの精製をおこなっ
た。約50mlのトリメチルガリウムの入った内径50
mm、高さ175mmのステンレス製バブラーを−10
℃に設定した恒温槽に浸してトリメチルガリウムの蒸気
圧をコントロールし、窒素でトリメチルガリウムをバブ
リングすることによって窒素ベースで5vol%のトリ
メチルガリウムを含むガスを発生させた。このガス中の
酸素濃度を、黄燐発光式酸素分析計を用いて測定したと
ころ、約0.15ppmの酸素が検出された。このガス
を精製筒に0.633L/min(LV=5cm/se
c)で流して出口ガス中の酸素濃度を測定したところ、
0.01ppm以下であった。精製を始めてから100
分後においても出口ガス中の酸素濃度は0.01ppm
以下であった。
【0016】実施例3 (トリメチルアルミニウムの精製)実施例1で用いたと
同じ精製筒を使い、トリメチルアルミニウムの精製をお
こなった。約75mlのトリメチルアルミニウムの入っ
た内径50mm、高さ175mmのステンレス製バブラ
ーを20℃に設定した恒温槽に浸してトリメチルアルミ
ニウムの蒸気圧をコントロールし、窒素でトリメチルア
ルミニウムをバブリングすることによって窒素ベースで
1.2vol%のトリメチルアルミニウムを含むガスを
発生させた。このガス中の酸素濃度を、黄燐発光式酸素
分析計を用いて測定したところ、約0.35ppmの酸
素が検出された。このガスを精製筒に0.633L/m
in(LV=5cm/sec)で流して出口ガス中の酸
素濃度を測定したところ、0.01ppm以下であっ
た。精製を始めてから100分後においても出口ガス中
の酸素濃度は0.01ppm以下であった。
【0017】実施例4 (酸化銅触媒)市販の酸化銅触媒(日産ガードラー
(株)製、G108)を用いた。このものは担体として
SiO2 を使用し、Cuとして30wt%、比表面積が
120m2 /gであり、直径5mm、高さ4.5mmの
成型体である。この酸化銅触媒を8〜10meshに破
砕したもの63mlを内径14.4mmで長さが400
mmのステンレス製の精製筒に、充填長300mm(充
填密度:1.0g/ml)に充填した。 (触媒の還元処理)この精製筒に、10vol%水素
(窒素ベース)を常圧で温度180℃、流量0.633
L/min(LV=5cm/sec)で6時間流して還
元処理をおこなった後、常温に冷却した。 (ジエチル亜鉛の精製)引き続いて、ジエチル亜鉛の精
製をおこなった。実施例1で使用した約0.3ppmの
酸素を含む1.2vol%のジエチル亜鉛(窒素ベー
ス)を精製筒に0.633L/min(LV=5cm/
sec)で流して出口ガス中の酸素を測定したところ、
0.01ppm以下であった。精製を始めてから100
分後においても出口ガスの酸素濃度は0.01ppm以
下であった。
【0018】実施例5 (トリメチルガリウムの精製)実施例4で用いたと同じ
精製筒を用いてトリメチルガリウムの精製をおこなっ
た。実施例2で使用した約0.15ppmの酸素を含む
5vol%のトリメチルガリウム(窒素ベース)を精製
筒に0.633L/min(LV=5cm/sec)で
流して出口ガス中の酸素濃度を測定したところ、0.0
1ppm以下であった。精製を始めてから100分後に
おいても出口ガス中の酸素濃度は0.01ppm以下で
あった。
【0019】実施例6 (トリメチルアルミニウムの精製)実施例4で用いたと
同じ精製筒を用いてトリメチルアルミニウムの精製をお
こなった。実施例3で使用した約0.35ppmの酸素
を含む1.2vol%のトリメチルアルミニウム(窒素
ベース)を精製筒に0.633L/min(LV=5c
m/sec)で流して出口ガス中の酸素濃度を測定した
ところ、0.01ppm以下であった。精製を始めてか
ら100分後においても出口ガス中の酸素濃度は0.0
1ppm以下であった。
【0020】実施例7 (ニッケル触媒の調整)市販のニッケル触媒(日揮
(株)製、N−111)を用いた。このものの組成は、
Ni+NiOの形であり、Niとして45〜47wt
%、Cr2〜3wt%、Cu2〜3wt%、珪藻土27
〜29wt%、黒鉛4〜5wt%、比表面積が150m
2 /gであり、直径5mm、高さ4.5mmの成型体で
ある。このニッケル触媒を8〜10meshに破砕した
もの63mlを内径16.4mmのステンレス鋼製の精
製筒に充填長300mm(充填密度:1.0g/ml)
に充填した。 (触媒の活性化処理)この精製筒に、水素を常圧で温度
150℃、流量0.456L/min(LV=3.6c
m/sec)で3時間流して還元処理をおこなった後、
常温まで冷却した。
【0021】(ジエチル亜鉛の精製)引き続いて、ジエ
チル亜鉛の精製をおこなった。約50mlのジエチル亜
鉛の入った内径50mm、高さ175mmのステンレス
製バブラーを10℃に設定した恒温槽に浸してジエチル
亜鉛の蒸気圧をコントロールし、窒素でジエチル亜鉛を
バブリングすることによって窒素ベースで1.2vol
%のジエチル亜鉛蒸気を含むガスを発生させた。このガ
ス中の酸素濃度を黄燐発光式酸素分析計(測定下限0.
01ppm)を用いて測定したところ、約0.3ppm
であった。このガスを精製筒に0.633L/min
(LV=5cm/sec)で流して出口ガス中の酸素を
測定したところ、0.01ppm以下であった。精製を
始めてから100分後においても出口ガスの酸素濃度は
0.01ppm以下であった。
【0022】実施例8 (トリメチルガリウムの精製)実施例7で用いたと同じ
精製筒を使い、トリメチルガリウムの精製をおこなっ
た。約50mlのトリメチルガリウムの入った内径50
mm、高さ175mmのステンレス製バブラーを−10
℃に設定した恒温槽に浸してトリメチルガリウムの蒸気
圧をコントロールし、窒素でジエチル亜鉛をバブリング
することによって窒素ベースで5vol%のジエチル亜
鉛蒸気を含むガスを発生させた。このガス中の酸素濃度
を、黄燐発光式酸素分析計を用いて測定したところ、約
0.15ppmであった。このガスを精製筒に0.63
3L/min(LV=5cm/sec)で流して出口ガ
ス中の酸素濃度を測定したところ、0.01ppm以下
であった。精製を始めてから100分後においても出口
ガス中の酸素濃度は0.01ppm以下であった。
【0023】実施例9 (トリメチルアルミニウムの精製)実施例7で用いたと
同じ精製筒を使い、トリメチルアルミニウムの精製をお
こなった。約75mlのトリメチルアルミニウムの入っ
た内径50mm、高さ175mmのステンレス製バブラ
ーを20℃に設定した恒温槽に浸してトリメチルアルミ
ニウムの蒸気圧をコントロールし、窒素でトリメチルア
ルミニウムをバブリングすることによって窒素ベースで
1.2vol%のトリメチルアルミニウムを含むガスを
発生させた。このトリメチルアルミニウムを含むガス中
の酸素濃度を、黄燐発光式酸素分析計を用いて測定した
ところ、約0.35ppmの酸素が検出された。このガ
スを精製筒に0.633L/min(LV=5cm/s
ec)で流して出口ガス中の酸素濃度を測定したとこ
ろ、0.01ppm以下であった。精製を始めてから1
00分後においても出口ガス中の酸素濃度は0.01p
pm以下であった。
【0024】実施例10 (ニッケル触媒の調整)3Lの水にAl(NO3 3
2 Oを454g溶解し、氷浴で5〜10℃に冷却し
た。激しくかき混ぜながら、これに200gのNaOH
を1Lの水に溶解して5〜10℃に冷却した溶液を2時
間かけて滴下し、アルミン酸ナトリウムとした。次に、
Ni(NO3 2 ・6H2 O、101gを600mlの
水に溶解し、これに45mlの濃硝酸を加えて5〜10
℃に冷却したものを、アルミン酸ナトリウム溶液に激し
くかき混ぜながら1時間かけて加えた。生じた沈澱を濾
過し、得られた沈澱を2Lの水中で15分間かき混ぜて
洗う操作を6回繰り返して中性とした。この沈澱物を細
分して空気浴中で105℃で16時間乾燥してから粉砕
してふるい分け、12〜24meshのものを集めた。
このものは29.5wt%の酸化ニッケル(NiO)を
含有していた。 (触媒の活性化処理)この触媒を実施例7で使用したと
同じ精製筒に、63ml充填(充填密度:0.77g/
ml)した後、水素を常圧で温度350℃、流量0.1
27L/min(LV=1cm/sec)で16時間流
して還元処理をおこなった後、常温まで冷却した。
【0025】(ジエチル亜鉛の精製)引き続いて、ジエ
チル亜鉛の精製をおこなった。実施例7で使用した約
0.3ppmの酸素を含む1.2vol%のジエチル亜
鉛蒸気(窒素ベース)精製筒に0.633L/min
(LV=5cm/sec)で流して出口ガス中の酸素を
測定したところ、0.01ppm以下であった。精製を
始めてから100分後においても出口ガスの酸素濃度は
0.01ppm以下であった。
【0026】実施例11 (トリメチルガリウムの精製)実施例10で用いたと同
じ精製筒を使い、トリメチルガリウムの精製をおこなっ
た。実施例8で使用した約0.15ppmの酸素を含む
5vol%トリメチルガリウム蒸気(窒素ベース)を精
製筒に0.633L/min(LV=5cm/sec)
で流して出口ガス中の酸素濃度を測定したところ、0.
01ppm以下であった。精製を始めてから100分後
においても出口ガス中の酸素濃度は0.01ppm以下
であった。
【0027】実施例12 (トリメチルアルミニウムの精製)実施例10で用いた
と同じ精製筒を使い、トリメチルアルミニウムの精製を
おこなった。実施例9で使用した約0.35ppmの酸
素を含む1.2vol%のトリメチルアルミニウム(窒
素ベース)を精製筒に0.633L/min(LV=5
cm/sec)で流して出口ガス中の酸素濃度を測定し
たところ、0.01ppm以下であった。精製を始めて
から100分後においても出口ガス中の酸素濃度は0.
01ppm以下であった。
【0028】比較例1 活性炭(椰子殻炭)を8〜24meshに破砕したもの
48gを実施例1におけると同じ精製筒に300mm
(充填密度0.57g/ml)充填し、ヘリウム気流中
270〜290℃で3時間加熱した後、室温に冷却し
た。この精製筒に実施例1で用いたと同じ約0.3pp
mの酸素を含む1.2vol%のジエチル亜鉛(窒素ベ
ース)を精製筒に0.633L/min(LV=5cm
/sec)で流して出口ガス中の酸素濃度を測定したと
ころ、0.3ppmであり、この状態で2時間流し続け
たが酸素濃度の変化は見られなかった。
【0029】
【発明の効果】本発明によって、従来、除去が困難であ
った有機金属蒸気中に不純物として含まれる酸素を0.
1ppm以下、さらには0.01ppm以下のような極
低濃度まで確実に除去することができるので、超高純度
の精製有機金属ガスを得ることが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07F 5/06 B01J 23/74 321 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 3/06 C07B 63/02 C07F 5/00 C07F 5/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粗有機金属を銅を主成分とする触媒と接触
    させて、該有機金属中に不純物として含有される酸素を
    除去することを特徴とする有機金属の精製方法。
  2. 【請求項2】粗有機金属をニッケルを主成分とする触媒
    と接触させて、該有機金属中に不純物として含有される
    酸素を除去することを特徴とする有機金属の精製方法。
  3. 【請求項3】粗有機金属の金属が、周期律表Ib族、I
    Ia族、IIb族、IIIb族、IVb族、Vb族、V
    Ib族またはVIII族元素である請求項1または2に
    記載の精製方法。
  4. 【請求項4】粗有機金属の金属が、亜鉛、アルミニウ
    ム、ガリウム、金、銅またはインジウムである請求項3
    に記載の精製方法。
  5. 【請求項5】触媒中の銅の含有量が、金属換算で、5〜
    95wt%である請求項1に記載の精製方法。
  6. 【請求項6】触媒中のニッケルの含有量が、金属換算
    で、5〜95wt%である請求項2に記載の精製方法。
JP17692292A 1991-07-17 1992-07-03 有機金属の精製方法 Expired - Fee Related JP3217854B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17692292A JP3217854B2 (ja) 1991-07-17 1992-07-03 有機金属の精製方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26812291 1991-07-17
JP3-268122 1991-07-17
JP26812191 1991-07-17
JP3-268121 1991-07-17
JP17692292A JP3217854B2 (ja) 1991-07-17 1992-07-03 有機金属の精製方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05202067A JPH05202067A (ja) 1993-08-10
JP3217854B2 true JP3217854B2 (ja) 2001-10-15

Family

ID=27324332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17692292A Expired - Fee Related JP3217854B2 (ja) 1991-07-17 1992-07-03 有機金属の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3217854B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6911065B2 (en) * 2002-12-26 2005-06-28 Matheson Tri-Gas, Inc. Method and system for supplying high purity fluid
WO2011107966A1 (en) * 2010-03-05 2011-09-09 L'air Liquide, Societe Anonyme Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude Adsorbent for removing metal compounds and method for same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05202067A (ja) 1993-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0150470B1 (ko) 기체상 유기금속 화합물의 정제방법
US4976942A (en) Method for purifying gaseous hydrides
JP2732262B2 (ja) アルシンの精製方法
JP3217854B2 (ja) 有機金属の精製方法
JP3410121B2 (ja) アンモニアの精製方法
JP3359928B2 (ja) アンモニアの精製方法
JP2640521B2 (ja) 硫化水素の精製方法
JP3522785B2 (ja) 二酸化炭素の精製方法
JP2640517B2 (ja) セレン化水素の精製方法
JP2700412B2 (ja) 水素化物ガスの精製方法
JP3154340B2 (ja) 水素化ゲルマニウムの精製方法
JP3292251B2 (ja) 水蒸気の精製方法
JP2700396B2 (ja) ジボランの精製方法
JP3279608B2 (ja) 水蒸気の精製方法
JP3260786B2 (ja) 水蒸気の精製方法
JP2592312B2 (ja) ホスフィンの精製方法
JP2627324B2 (ja) シランの精製方法
JP2700399B2 (ja) 水素化物ガスの精製方法
JP3154339B2 (ja) 水素化ゲルマニウムの精製方法
JP2700402B2 (ja) 水素化物ガスの精製方法
JP2700401B2 (ja) 水素化物ガスの精製方法
JP2700400B2 (ja) 水素化物ガスの精製方法
JP2700398B2 (ja) 水素化物ガスの精製方法
JP2732277B2 (ja) 水素化物ガスの精製方法
JPH04144910A (ja) ジシランの精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees