JP3217652U - 手動回転工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置の大型化を抑えて、バランスを崩さずに容易に出力する回転数(倍速)を変更可能な手動回転工具を提供する。
【解決手段】手動回転工具は、固定手段を有する土台と、土台に取り付けられる基部と、出力軸13と第二回転体22を有し基部の一側方に回転可能に取り付けられる工具取付部と、支持軸11と第一回転体21を有し基部の他側方に回転可能に取り付けられる回転盤3と、基部と回転盤との間に配置され、回転盤の回転を工具取付部に伝達する伝達部6(ベルト体23)と、回転盤に着脱自在で取り付けられるハンドル41とからなり、回転盤は、ハンドルを取り付ける固定部31、32を回転半径が異なる位置に複数有する。ハンドルを取り付ける固定部を選択的に切り替えることで、回転半径を変更して、装置の大型化を抑えてバランスを崩さずに容易に出力する回転数を変更することができる。
【選択図】図3
【解決手段】手動回転工具は、固定手段を有する土台と、土台に取り付けられる基部と、出力軸13と第二回転体22を有し基部の一側方に回転可能に取り付けられる工具取付部と、支持軸11と第一回転体21を有し基部の他側方に回転可能に取り付けられる回転盤3と、基部と回転盤との間に配置され、回転盤の回転を工具取付部に伝達する伝達部6(ベルト体23)と、回転盤に着脱自在で取り付けられるハンドル41とからなり、回転盤は、ハンドルを取り付ける固定部31、32を回転半径が異なる位置に複数有する。ハンドルを取り付ける固定部を選択的に切り替えることで、回転半径を変更して、装置の大型化を抑えてバランスを崩さずに容易に出力する回転数を変更することができる。
【選択図】図3
Description
本考案は、ドリルやコレットなどの先端工具を取り付けるチャックを有し、ドリルやドライバー、その他の工具を手動で回転させる手動工具に関する。
従来、ガンタイプの電動ドリル等、工具を回転させて使用する場合には、電動により行われることが多い。この場合においては、電動でモータを回転させ、そのモータの回転によりドリルなどの先端工具を回転させていた。ガンタイプの電動ドリルは、一度トリガーを引くとすぐに先端工具が数回、回転するため、その回転回数を決めて作業するような緻密な作業には適していない。このような緻密な作業を行う回転工具として、特許文献1に示すような手動回転工具が提案されている。特許文献1には、固定手段を有する土台と、土台に取り付けられる基部と、基部の一方に回転可能に取り付けられる回転盤と、回転盤の回転を受けて回転する歯車群と、この歯車群の回転を基部の表側に伝える出力軸と、基部の表側で出力軸の回転動力を受ける工具取付部とからなる構造が開示されている。
特許文献1に記載の手動回転工具は、作業効率を向上させるために回転の出力倍率(倍速)を上げる場合、回転盤を外した後、適宜歯数が異なる歯車に交換して、外した回転盤を付け直すものであった。そして、倍速を上げるために歯数差の大きい歯車群に交換すると、回転盤などの装置の大型化を生じたり、装置のバランスを崩すことがある。また、回転盤の回転速度を上げることでも倍速を上げることができるが、上げる前と同じ距離(円周)で回転盤を回す速度を上げることは作業者の負荷が大きく、効率的ではない。
そこで、装置の大型化を抑えて、バランスを崩さずに容易に出力する倍速を変更可能な手動回転工具が望まれていた。
本考案の手動回転工具は、上記課題に鑑み、固定手段を有する土台と、前記土台に取り付けられる基部と、前記基部の一側方に回転可能に取り付けられる工具取付部と、前記基部の他側方に回転可能に取り付けられる回転盤と、前記回転盤の回転を前記工具取付部に伝達する伝達部と、前記回転盤に形成された固定部に着脱自在で取り付けられるハンドルとからなるものであって、前記回転盤は、回転半径が異なる位置に、前記固定部を複数有することを特徴とする。
また、複数の固定部は、回転盤の中心位置から直線状に等間隔に配置されることが好ましい。
また、伝達部は、回転盤の回転を受けて該回転盤と同一方向に回転する第一回転体と、前記回転盤と同一方向に回転する第二回転体と、該第二回転体の回転を受けて工具取付部に回転を伝える出力軸と、前記第一回転体と前記第二回転体との間に張架され前記第一回転体の回転を前記第二回転体に伝える無端状のベルト体とからなることが好ましい。
また、第一回転体及び第二回転体は歯付きのタイミングプーリであり、ベルト体が前記タイミングプーリに噛み合うタイミングベルトであることが好ましい。
請求項1記載の考案は、ハンドルの固定位置を切り替えることで、ハンドルを回転させる距離(円周)を変更して、回転盤の回転速度を容易に変化させることができる。よって、装置の大型化を抑えて、バランスを崩さずに容易に出力する倍速を変更することができる。
また、請求項2に記載の考案により、ハンドルの固定部を回転盤の回転中心から等間隔に配置することによって、ハンドルの回転倍率を等倍にすることができる。切削加工等においては決まった回転数をもって切削しなければならない場合があり、このような緻密な加工を簡単にすることが可能になる。
請求項3記載の考案は、伝達部に回転方向の異なる中間歯車を必要とせず、歯車群からなる伝達部よりも装置の大型化を抑えることができる。
請求項4記載の考案は、タイミングプーリとタイミングベルトとの噛み合いによって回転盤の回転速度を変更しても回転盤から出力軸に回転を安定して伝えることができる。
本考案の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。図2は回転盤の内側の伝達部6及び固定部31、32を点線で表し、図3は回転盤の背面側に位置する伝達部6を点線で表している。
本実施形態の手動回転工具1の基本的な構成は、図1に示すように、基部2、回転盤3、土台4、工具取付部5、伝達部6とからなるもので、土台4に設置した基部2に備えられた回転盤3と工具取付部5からなり、回転盤3の回転動力を伝達部6を介して工具取付部5に伝えて、この工具取付部5を回転させるものである。以下、詳細に説明する。
図1、2に示すように、基部2は土台4に直立する直方体状のものであり、一方の側方面である回転盤側面(図1の右奥側、図2の右側)に回転盤3及び伝達部6が配置され、もう一方の側方面である工具側面(図1の左手前側、図2の左側)に工具取付部5が配置されている。
回転盤3は、基部2の回転盤側面において、回転可能に取り付けられている円盤状のもので、内部が空洞になって伝達部6が配置されている。図2に示すように、回転盤3の直径は基部2の長手方向の長さの4分の3程度であり、回転盤3の中心部分で第一支持軸11により基部2に軸着されている。
図2、3に示すように、回転盤3は、その正面に2つの固定部31、32を有している。本実施形態における固定部31、32は、例えば外周の基本位置(外周位置)となる第1の固定部31と、基本位置よりも内周の倍速位置(内周位置)となる第2の固定部32との、2箇所に形成されている。第1の固定部31は、回転盤3の回転中心から外周縁に向かって100mmの位置であって、外周縁の近辺に形成されている。一方、第2の固定部32は、第1の固定部31よりも回転中心に近い位置に形成されており、回転中心から外周縁に向かって50mmの位置に形成されている。このように複数の固定部31、32は、回転中心から等間隔に配置されている。
第1の固定部31、第2の固定部32は、いずれか選択的にハンドル41を着脱自在に取り付けることができ、ハンドル41を使用者が把持して回転させることにより、回転盤3を回転させることができる。第1の固定部31と第2の固定部32は、回転盤3の回転中心を通る一直線上(同一径方向)に並ぶように配置される。また、第1の固定部31と第2の固定部32は、回転盤3の正面から垂直に開口されたねじ孔であり、このねじ孔にねじ切りされたハンドル41の端部を螺入することによりハンドルを固定することができる。固定部31、32のねじ孔は、第一支持軸11と平行する方向に開孔されており、固定したハンドル41も第一支持軸11と平行することになる。
上述のとおり、第1の固定部31が回転中心から100mm、第2の固定部32が回転中心から50mmの位置に配置されるため、ハンドル41を第1の固定部31から第2の固定部32に切り替えることで、ハンドル41が描く円周(回転盤3を回転させる距離)が基本位置の円周の2分の1となる。ハンドル41を第2の固定部32(倍速位置・内周位置)に取り付けて、使用者が第1の固定部31と同じ感覚で回転盤3を回転させると、第1の固定部31(基本位置・外周位置)にハンドル41を取り付けた状態41で回した速度よりも2倍の回転速度で回転盤3を回すことができる。
このように、ハンドル41を取り付ける固定位置を変更するだけで、ハンドル41を回転させる距離(円周)を変更して、装置の大型化を抑えて、バランスを崩さずに適宜出力する速度の比率(倍速)を容易に変更することができ、使用者は効率的に緻密な部分の作業が可能になる。
伝達部6は、図4に示すように、回転盤3の内方に配置されている。伝達部6は、第一回転体21、第二回転体22、無端状のベルト体23からなる。ベルト体23は、第一回転体21及び第二回転体22の間に架張され、第一回転体21に第二回転体22を接続している。よって、第二回転体22及びベルト体23は第一回転体21に連動する。
第一回転体21は、第一支持軸11に軸着されている。この第一支持軸11の基部2側の端部が基部2に回転可能に取り付けられ、回転盤3側の端部が回転盤3に固定して取り付けられている。これにより、回転盤3を回転させることで、回転盤3に取り付けられた第一の支持軸11の回転動力を受けて、第一回転体21が回転する。
第二回転体22は、出力軸13が軸着されている。第二回転体22及び出力軸13は、ベルト体23を介して第一回転体21の回転を受けて回転する。
出力軸13は、基部2に回転可能に取り付けられている。出力軸13の長さは、第一支持軸11よりも長く、基部2に取り付けたときに、基部2の内部を貫通してその表側にまで達する。
基部2の内部を貫通して表側に達した出力軸13に工具取付部5を取り付ける。ここでは、この工具取付部5を、ドリルを保持するためのドリルチャックとした場合を例示するが、コレットチャックやその他の先端工具を保持するものであってもよい。この工具取付部5がドリルチャックの場合には、この工具取付部5に所定のドリルを取り付けて、使用する。
第一回転体21は第一支持軸11に取り付けられているので、使用者が回転盤3を一回転させると、第一回転体21も同じように一回転する。そして、第1の固定部31(基本位置・外周位置)でハンドル41を回転させた状態の手動回転工具1の出力を2倍速としており、第一回転体21が一回転すると、第二回転体22及び出力軸13が二回転する。
また、使用者が回転盤3を回転させた回転方向と、出力軸13の回転方向は同一となる。すなわち、第一回転体21は第一支持軸11により回転盤3に取り付けられているので、回転盤3を回転させると第一回転体21が回転盤3と同一方向に回転する。第二回転体22はベルト体23を介して第一回転体21と係合しているので、第一回転体21と同一方向に回転し、この第二回転体22が軸着されている出力軸13は、第二回転体22と同一方向に回転する。よって、かかる構造により、回転盤3の回転方向と出力軸13の回転方向が同じになる。
本実施形態の手動回転工具1は、第1の固定部31(基本位置・外周位置)にハンドル41を取り付け、使用者がハンドル41を把持して回転盤3を回転させると、出力軸13を通して工具取付部5に取り付けられた先端工具であるドリルが回転する。このとき、本実施形態では第一回転体21と第二回転体22の回転比率が2倍となっているので、回転盤3の回転の2倍の回転をする。さらに、ハンドル41を第2の固定部32(倍速位置・内周位置)に取り付けた場合、同じ力・速度で使用者がハンドル41を回転させると、固定部31にハンドル41を取り付けて回転させた場合と比べて、単位時間あたりの回転盤3の回転数は2倍であり、2倍速となる。これに加えて歯車比率が2倍となっているので、使用者がハンドル41を移動させた距離に対する出力軸13の回転数は4倍速相当となる。しかも、先端工具のドリルの回転方向は回転盤3の回転方向と同一方向となっており、使用者の手動回転と同じ方向の回転となり、使用者による手動で緻密な部分の作業が可能になる。つまり、本実施形態における手動回転工具1は、使用者がより緻密な切削等を行うにあたり、回転数を適宜調整しながら用いることに適したものとなる。
また、第一回転体21及び第二回転体22を歯付きのタイミングプーリとし、ベルト体23をタイミングベルトとすることで、安定して回転を伝えることができる。Vプーリ・Vベルト、ギア・チェーンなどであってもよい。第一回転体21及び第二回転体22を歯車とし、ベルト体23に代えて中間歯車によって第一回転体21と第二回転体22とを接続してもよい。
他の実施形態として、第1の固定部31(基本位置・外周位置)と、第2の固定部32(倍速位置・内周位置)の他にも固定部を形成することもできる。この場合、第1の固定部31が回転中心から100mm、第2の固定部32が回転中心から50mmの位置に配置され、その他の第3の固定部を回転中心から25mmとし、第4の固定部を回転中心から75mmの位置に配置することもできる。その他、3つの固定部を一周の距離が異なる位置に配置するなど適宜変更が可能である。回転中心を通る一直線上に複数の固定部31、32を配置しているが、必ずしもこれのみに限定されない。また、第二回転体22の外径を第一歯車21の外径よりも大きくするなどで減速して出力するものとしてもよい。
図1に示すように、土台4の平板状の台座には、固定するためのボルトを通すためのボルト孔52、52が形成され、ボルト孔52、52を固定手段としている。ボルト孔52、52は、前記台座の表側と裏側の縁から前記ボルトが通る幅を保ちつつ、外側から基部2の方向へ向けて切込むことによって形成されている。
使用時には、手動回転工具1を置く設置台にもボルト孔を開け、手動回転工具1を配置し、その台座のボルト孔52、52と前記設置台のボルト孔にボルトを通して固定する。
手動回転工具1の用途として、ドリルやドライバーを用いたネジ締めの他に、タップ加工後に再度タップを通して仕上げるタップさらえやタップ立て、リーマ加工、リーマさらえ、面取り加工、コイル巻き、バリ取り、磨き加工、ネジの検査等にも用いることが可能である。
1…手動回転工具、2…基部、3…回転盤、4…土台、5…工具取付部、6…伝達部、11…第一支持軸、13…出力軸、21…第一回転体、22…第二回転体、23…ベルト体、31…第1の固定部、32…第2の固定部、41…ハンドル。
Claims (4)
- 固定手段を有する土台と、前記土台に取り付けられる基部と、前記基部の一側方に回転可能に取り付けられる工具取付部と、前記基部の他側方に回転可能に取り付けられる回転盤と、前記回転盤の回転を前記工具取付部に伝達する伝達部と、前記回転盤に形成された固定部に着脱自在で取り付けられるハンドルとからなるものであって、
前記回転盤は、回転半径が異なる位置に、前記固定部を複数有することを特徴とする手動回転工具。 - 複数の固定部は、回転盤の中心位置から直線状に等間隔に配置されることを特徴とする請求項1に記載の手動回転工具。
- 伝達部は、回転盤の回転を受けて該回転盤と同一方向に回転する第一回転体と、前記回転盤と同一方向に回転する第二回転体と、該第二回転体の回転を受けて工具取付部に回転を伝える出力軸と、前記第一回転体と前記第二回転体との間に張架され前記第一回転体の回転を前記第二回転体に伝える無端状のベルト体とからなることを特徴とする請求項1または2に記載の手動回転工具。
- 第一回転体及び第二回転体は歯付きのタイミングプーリであり、ベルト体は前記タイミングプーリに噛み合うタイミングベルトであることを特徴とする請求項3に記載の手動回転工具。
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