JP3217593U - ペインベルト - Google Patents

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Abstract

【課題】脊髄に対して効果的に刺激を与えることで腰部の痛みを軽減させることが可能なペインベルトを提供する。【解決手段】ペインベルト1は、人体の鳩尾から大転子の間の適所高さ位置に細幅に巻き付け可能な細幅帯状に構成され、背中側に配置する中央部分は、長さ方向に伸縮性を有する伸縮部2により構成され、伸縮部2の両端に延設されて側腹部から前腹部に配置する両側部分は、伸縮性を有しない非伸縮部3a,3bにより構成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、人体の胴体に巻き付けて腰痛を軽減するためのペインベルトに関する。
従来、腰痛の痛みを軽減するためのベルトとして、ゴムベルトを痛む所に巻き付けるものが多い。例えば、弾性伸縮性を有する帯状体により形成し、腰に巻きつけて骨盤を安定させるための腰固定バンドが知られている(特許文献1)。
実用新案登録第3015837号公報
しかしながら、このような全体的に均一に収縮するベルトでは、側腹部や腹部を比較的に強く押さえ付けることとなり、腰の痛みの軽減にあまり寄与しない場合があった。また、ベルトを腰の痛む所に装着しても、腰の痛みが軽減しない場合があった。このことは、例えば、脊髄や脊髄神経などの影響による腰痛について効果的に作用しないものと考えられる。
本考案は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、脊髄に対して効果的に刺激を与えることで腰部の痛みを軽減させることが可能なペインベルトを提供することを目的とする。
本考案に係るペインベルトは、
腰痛を軽減するためのペインベルトであって、
人体の鳩尾から大転子の間の適所高さ位置に細幅に巻き付け可能な細幅帯状に構成され、
背中側に配置する中央部分は、長さ方向に伸縮性を有する伸縮部により構成され、
伸縮部の両端に延設されて側腹部から前腹部に配置する両側部分は、伸縮性を有しない非伸縮部により構成されているものである。
本考案に係るベルトによれば、人体の胴部に装着すると伸縮部に左右外側から内側に向かって収縮する力が働き、この伸縮部を当てがった背中部分に対して効果的に押圧力を加えることができる。これにより、広背筋及び背柱起立筋といった背中の筋肉にペインベルトによる押圧力が作用し、この背中の筋肉の働きを補うことができる。これに伴って脊髄に刺激が加わり、また、脊髄神経の圧迫が緩和され、その結果、腰の痛みを軽減、消失させることができる。この場合、痛む所から少し離れたところに本ペインベルトを装着することにより、痛みの原因の根本となる箇所の筋肉の働きを補うことができ、疼痛の軽減、消失を見ることができる。
実施形態によるペインベルトを示す平面図(図1(a))及び側面図(図1(b))である。 ベルト装着位置を説明するための模式図である。
以下に、本考案の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、実施形態のペインベルト1は、全体が細幅帯状に構成されており、中央部分には長さ方向に伸縮性を有する伸縮部2が設けられ、伸縮部2の両端には伸縮性を有しない非伸縮部3a,3bが設けられている。伸縮部2と非伸縮部3a,3bとは、縫合等により接合されている。また、ペインベルト1の一端側の表面1Aには長方形の環状体より形成する固定器4が設けられ、他端側の表面1Aには面ファスナー5が縫合等により貼り付けられている。このペインベルト1を胴体回りに巻き付け、腹部側で面ファスナー5の他端部を一端側の固定器4に挿通して折り返して面ファスナー5を係止させるようにして体に装着される。すなわち、体への装着時では、伸縮部2が背中側に配置され、非伸縮部3a,3bが側腹部から前腹部に配置される。また、面ファスナー5により任意の位置で巻き付け固定できるので、本ペインベルト1を人の胴体回りの太さに対して適切な長さ位置で装着することができる。
固定器4は、プラスチック製、金属製により形成されるが、例えば、ポリアセタール製とすれば、軽量で十分な強度を有するものとすることができる。この固定器4は、例えば、一端側の非伸縮部3aの先端部を表面1A側に折り返して形成するループ内に配置させ、この固定器4を配置した折り返し部分を表面1A側へもう一回折り返して縫い合わせることにより、ベルト表面1A側に配置されている。これにより、固定器4を取り付けたベルト端部(非伸縮部3aの端部)では、固定器4が表面1A側に配置され、裏面1B側はベルト生地の平坦面となっているから、腹部に固定器4が当たって違和感を与えることもない。面ファスナー5は、他端側の非伸縮部3bにおける先端部側の一定範囲に形成されている。この面ファスナー5は、ベルト先端側からオス型係止爪5aとメス型係止ループ5bとが順に並べて設けられているが、この逆に並べて設けられていてもよい。これにより、この面ファスナー5部分を固定器4に通して折り返すことで面ファスナー5のオス型係止爪5aとメス型係止ループ5bとを対面させて簡単に係止させることができ、また、係止解除も容易に行なえる。
このペインベルト1の全長は、体形、大人、子どもなどに応じて胴体回りに巻き付けできる長さの範囲で必要に応じて設定される。ベルト幅は、30mm〜50mmの範囲に形成されるが、40mm位とするのが好ましい。このベルト幅よりも太くなったり細くなると、体に圧迫感等の負担をかけるおそれがある。
中央部分の伸縮部2は、例えば、ナイロン、ポリウレタンなどの硬質ゴム成形体から構成することができ、長さ方向の伸び率が1.1倍〜1.3倍となる素材から選択して使用することができ、好ましくは1.2倍程度の伸び率のものが使用される。この伸縮部2の長さは、広背筋及び背柱起立筋といった背中の筋肉にあてがわれる長さに設定され、例えば、200mm〜250mmの範囲で必要に応じて設定される。
両端部分の非伸縮部3a,3bは、例えば、ポリプロピレンなどの織布生地から構成することができ、長さ方向に伸びないかほとんど伸びない素材から選択して使用することができる。この非伸縮部3a,3bは、固定器4を設けた側3aを面ファスナー5を設けた側3bよりも短く形成される。例えば、固定器4を設けた非伸縮部3aの長さは、250mm〜300mmの範囲で適宜に設定することができ、面ファスナー5を設けた非伸縮部3bの長さは、350mm〜600mmの範囲で適宜に設定することができる。
次に、ペインベルト1の使用例を説明する。
このペインベルト1は、固定器4、面ファスナー5を設けた表面1A側を外向きにして胴体回りに巻き付け、中央部の伸縮部2を背中に配置させ、前身頃側で面ファスナー5を設けた非伸縮部3bを、もう一方の非伸縮部3aの固定器4に挿通して引っ張り、伸縮部2からの背中への押圧力が加わった状態でこの面ファスナー5を設けた非伸縮部3bを折り返して面ファスナー5を係止させ、所定の固定力にて体に装着させる。人体の胴部に装着すると伸縮部2に左右外側から内側に向かって収縮する力が働き、この伸縮部2を当てがった背中部分に対して効果的に押圧力を加えることができる。これにより、広背筋及び背柱起立筋といった背中の筋肉にペインベルト1による押圧力が作用し、この背中の筋肉の働きを補うことができる。これに伴って脊髄に刺激が加わり、また、脊髄神経の圧迫が緩和され、その結果、腰の痛みを軽減、消失させることができる。
本ペインベルト1は、痛む所から少し離れたところに装着することにより、痛みの原因の根本となる箇所の筋肉の働きを補うことができ、痛む所の疼痛の軽減、消失を見ることができる。概ね、ベルト装着位置として、人体の鳩尾から大転子の間の適所高さ位置に配置させる。例えば、腰下部(概ね腰骨から大転子の辺り)の辺りの高さで痛みがある場合は、鳩尾の高さから10肋骨下の辺りの範囲で適所高さ位置に本ペインベルト1を装着する。また、腰上部(概ね胸骨の辺り)の辺りの高さで痛みがある場合は、腰骨の上(ヤコビー線上)の高さから大転子の高さの辺りの範囲で適所高さ位置に本ペインベルト1を装着する。
具体的には、図2を参照して、腰下部の辺りの痛みとして、臀部、臀部から下、下股の辺りでの腰下部の痛みは、老化や急激な衝撃(おしりをつく、尾骨を打つなど)により第11、12胸椎、第1腰椎の辺りの部分が損傷して出現することがある。この場合、鳩尾の高さ位置Aで本ペインベルト1を装着してみて痛みが軽減、消失すればペインベルト1を固定する。すなわち、本ペインベルト1の伸縮部2により、第11、12胸椎、第1腰椎の辺りの背中の筋肉に押圧力が作用し、この高さの背中の筋肉の働きを補う。また、後湾している胸椎の保持力を高めることもできる。これにより、腰髄、仙髄に適度に刺激が加わり、また、脊髄神経の圧迫が緩和され、その結果、上記腰下部の疼痛の軽減や消失をみることができる。
また、腰下部の痛みとして、腰骨の辺りでの腰下部の痛みは、腎機能の衰えによって出現することがある。この場合、10肋骨下の高さ位置Bで本ペインベルト1を装着してみて痛みが軽減、消失すればペインベルト1を固定する。すなわち、本ペインベルト1の伸縮部2により、10肋骨の辺りの背中の筋肉に押圧力が作用し、この高さの背中の筋肉の働きが補われ、脊髄神経に適度に刺激が加わり、また、脊髄神経の圧迫が緩和され、その結果、上記腰下部の疼痛の軽減や消失をみることができる。加えて、10肋骨下の高さは、第2腰椎の左右にある腎愈穴、志室穴と言った経穴(いわゆるツボ)を本ペインベルト1の装着により押圧することもでき、東洋医学では腰痛の軽減に効果があるとされるツボであり、この効果によっても上記腰下部の痛みを軽減、消失させることができる。
一方、腰上部の辺りの痛みとして、胸骨の辺りでの腰上部の痛みは、歩行時に一番よく動く骨とされる第4腰椎が正常な範囲で動かなかいために出現することがある。この場合、腰骨の上に位置するヤコビー線上の高さ位置Cで本ペインベルト1を装着してみて痛みが軽減、消失すればペインベルト1を固定する。すなわち、本ペインベルト1の伸縮部2により、第4腰椎の辺りの背中の筋肉に押圧力が作用し、この高さの背中の筋肉の働きを補う。また、この高さ位置では腹圧も加わり前湾している腰椎の保持力を高めることができる。これにより、歩行時に第4腰椎を正常な範囲で動くように制御することができる。また、胸髄に適度に刺激が加わり、また、脊髄神経の圧迫も緩和され、その結果、腰上部の疼痛の軽減や消失をみることができる。
また、腰上部の痛みとして、第1腰椎、第7〜第12胸椎の辺りでの腰上部の痛みは、骨盤のゆがみによって出現することがある。この場合、大転子の辺りの高さ位置Dで本ペインベルト1を装着してみて痛みが軽減、消失すればペインベルト1を固定する。すなわち、本ペインベルト1の伸縮部2により、大転子の辺りの背柱起立筋等の背中の筋肉に押圧力が作用し、この高さの背中の筋肉の働きを補う。また、この高さ位置では腹圧も加わり骨盤の保持力を高めることができる。これにより、胸髄に適度に刺激が加わり、また、脊髄神経の圧迫が緩和され、その結果、上記腰上部の疼痛の軽減や消失をみることができる。
なお、本考案は、上記の実施形態に限定されず、実用新案登録請求の範囲内で様々な変更を行うことができる。
例えば、両端部の非伸縮部3a,3bの幅は、中央部の伸縮部2の幅よりも狭幅に形成してもよい。
1 ペインベルト
2 伸縮部
3a,3b 非伸縮部
4 固定器
5 面ファスナー

Claims (3)

  1. 腰痛を軽減するためのペインベルトであって、
    人体の鳩尾から大転子の間の適所高さ位置に細幅に巻き付け可能な細幅帯状に構成され、
    背中側に配置する中央部分は、長さ方向に伸縮性を有する伸縮部により構成され、
    伸縮部の両端に延設されて側腹部から前腹部に配置する両側部分は、伸縮性を有しない非伸縮部により構成されているペインベルト。
  2. 請求項1に記載のペインベルトにおいて、
    一端側の表面に環状体より形成する固定器が設けられ、他端側の表面に面ファスナーが設けられ、
    腹部側で面ファスナーの他端部を、一端側の固定器に挿通して折り返して面ファスナーを係止させるように構成されているペインベルト。
  3. 請求項1又は2に記載のペインベルトにおいて、
    伸縮部は、長さが広背筋及び背柱起立筋の範囲に配置される長さを有し、ベルト幅が30mm〜50mmの範囲に形成され、長さ方向の伸び率が1.1倍〜1.3倍とするペインベルト。


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