JP3216185B2 - 効果付加装置 - Google Patents

効果付加装置

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JP3216185B2
JP3216185B2 JP34562191A JP34562191A JP3216185B2 JP 3216185 B2 JP3216185 B2 JP 3216185B2 JP 34562191 A JP34562191 A JP 34562191A JP 34562191 A JP34562191 A JP 34562191A JP 3216185 B2 JP3216185 B2 JP 3216185B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弦のピッキング状態な
どに基づいて弦振動波形信号などに音響効果を付加する
効果付加装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からいわゆるオートワウ効果を付加
するエフェクタが電子弦楽器などに適用されている。こ
のエフェクタは、演奏者が弦をピッキングすることによ
りピックアップから検出される弦振動波形信号などの音
響信号に対して、そのピッキング後のエンベロープの変
化に応答してカットオフ周波数又は中心周波数(バンド
パスフィルタリングの場合)が時間的に変化するフィル
タリング処理を実行する。この結果、音響信号における
音色が時間的に変化することになり、音響信号による楽
音に「ワウッ」という感じの音響効果が付加される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年では、上述のよう
なフィルタリング処理を、デジタルシグナルプロセッサ
などの専用のデジタル信号処理回路によって簡単に実行
することが可能となっている。
【0004】ここで、楽器は演奏者の感情変化を音楽と
して表現するに足る機能を有するべきであり、ギターな
どの弦楽器の場合、演奏者の感情の変化は指先に伝わっ
て弦のピッキングの強弱として表われ、これが楽音の音
量や音色を変化させることにより、音楽表現が実現され
る。
【0005】しかし、従来の効果付加装置は、このよう
な演奏者による音楽表現が十分には反映されていなかっ
た。具体的には、従来のオートワウエフェクタでは、入
力する音響信号の音色が演奏者の意図とは関係なく単に
連続的に変化してゆくだけであって、単調な感じしかう
けないという問題点を有していた。
【0006】本発明の課題は、演奏者による音楽表現を
音響効果の付加処理に十分に反映させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、まず、演奏操
作の操作量を検出する演奏操作量検出手段を有する。
の場合、演奏操作に基づいて生成される音響信号は、例
えば弦楽器又は電子弦楽器における弦に対するピッキン
グ動作に応じてピックアップ手段から検出される弦振動
波形信号であり、演奏操作量検出手段は、例えば弦振動
波形信号から弦のピッキング時点を検出し、そのピッキ
ング時点以後の最初のピークレベルを演奏操作量として
検出する。そのほか、音響信号は、例えば電子鍵盤楽器
などからのノートオンやノートオフなどのイベントに基
づいて、変調方式又はPCM方式などに基づいて電子的
に生成される楽音信号であってもよく、その場合には、
演奏操作量検出手段はノートオン時のベロシティデータ
に基づいて演奏操作量を検出するように構成できる。
【0008】次に、演奏操作に基づいて生成される音響
信号に対して周波数特性の異なる複数のフィルタリング
処理を並列に実行し各処理出力を混合するフィルタリン
グ処理手段を有する。フィルタリング処理は、例えばバ
ンドパスフィルタリング処理である。
【0009】さらに、フィルタリング処理手段における
音響信号に対する各フィルタリング処理の各周波数特性
をそれぞれ時間的に変化させると共に変化開始時期にそ
れぞれ異なるタイムラグを付加し、それぞれの変化速度
及びタイムラグを演奏操作量検出手段で検出された演奏
操作の操作量に応じて制御する周波数特性制御手段を有
する。
【0010】
【0011】
【作用】周波数特性制御手段は、フィルタリング処理手
段における音響信号に対するフィルタリング処理の周波
数特性を時間的に変化させることにより、いわゆるオー
トワウのエフェクトを音響信号に付加させることができ
る。
【0012】この場合特に、周波数特性の変化速度が演
奏操作量検出手段で検出された演奏操作の操作量に応じ
て制御されることにより、例えば演奏者による弦のピッ
キングの強弱を音響信号による楽音の音色の変化速度に
反映させることができる。
【0013】また、フィルタリング処理手段は、音響信
号に周波数特性の異なる複数のフィルタリング処理を並
列に実行し各処理出力を混合するように動作し、各周波
数特性の変化速度が演奏操作量に応じて制御され、さら
に周波数特性制御手段は、その変化開始時期に夫々異な
るタイムラグを付加し、このタイムラグも演奏操作量に
応じて制御される。この結果、更に複雑なオートワウの
エフェクトを付加することができる。
【0014】
【0015】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
つき詳細に説明する。全体構成 図1は、本発明による効果付加装置が電子弦楽器に適用
される場合の回路部分の実施例の構成図である。
【0016】まず、演奏者が電子弦楽器の弦を弾弦する
ことにより発生する弦振動は、ピックアップ101で電
気信号の弦振動波形として検出された後、アンプ102
を介して電子部103に入力される。
【0017】電子部103は、入力した弦振動波形信号
に対しバンドパスフィルタリング処理を実行することに
より、オートワウのエフェクトを付加する。このときの
エフェクトの特性は演奏者がスイッチ部108を操作す
ることにより調整できる。
【0018】このようにしてエフェクトが付加された弦
振動波形信号は、容量104と可変抵抗105からなる
音質調整回路によって音質が制御されると共に、可変抵
抗106によって音量が制御された後に、出力ジャック
107から出力され、特には図示しないギターアンプな
どを介してスピーカなどから放音される。演奏者は、可
変抵抗105及び106の各つまみを調整することによ
り音質と音量を制御することができる。電子部の構成 図2は、図1の電子部103の構成を示すブロック図で
ある。
【0019】A/D変換器204の入力は図1のアンプ
102の出力に接続される。CPU(中央演算制御装
置)201、プログラムROM202、ワークRAM2
03、A/D変換器204、DSP205は、バス10
7により相互接続されている。また、DSP205には
D/A変換器206が接続され、D/A変換器206の
出力は図1の容量104に接続される。
【0020】A/D変換器204は、図1のアンプ10
2からから入力されるアナログ弦信号波形信号をデジタ
ル弦振動波形信号(以後、音響信号と呼ぶ)に変換す
る。プログラムROM202には、後述する動作フロー
チャートで示される各種制御プログラムや、DSP20
5で使用されるフィルタ係数等の各種データが格納され
ている。また、ワークRAM203は、CPU201の
ワークメモリとして機能する。
【0021】CPU201は、プログラムROM202
内の制御プログラムに従って、他の各部分を制御し、特
に、A/D変換器204の出力を監視しながら、その出
力をDSP205に転送する処理、DSP205で実行
されるオートワウエフェクトのためのバンドパスフィル
タリング処理で使用される時間的に変化し得るフィルタ
係数を生成しDSP205に転送する処理等を実行す
る。
【0022】DSP116は、上記音響信号に対して、
後述するオートワウエフェクトのためのバンドパスフィ
ルタリング処理を実行する。このフィルタリング処理後
のデジタル音響信号はD/A変換器206でアナログ音
響信号に変換され、図1の容量104に出力される。DSPの構成 次に、図3は、図2のDSP205の全体構成図であ
る。
【0023】インタフェース301は、CPU201に
接続されるバス107を収容しバス107とDSP内部
の回路とを接続すると共に、DSP205の信号出力を
D/A変換器206に接続する。
【0024】オペレーションROM303は、DSP2
05の全体の動作を規定するマイクロプログラムを格納
したROMであり、アドレスカウンタ302からの指定
アドレスに基づいて対応するプログラム命令が読み出さ
れる。図2のCPU201は、アドレスカウンタ302
にデータをセットすることによって、オペレーションR
OM303から如何なるプログラムを読み出して後述す
る各処理を実行するかを、アドレスカウンタ302に指
示する。
【0025】オペレーションROM303の出力は、デ
コーダ304にも与えられ、DSP205内の各回路に
各種の制御信号を出力し、所望の動作を行わせる。一
方、DSP205の内部バスには、ワークRAM309
が接続される。そして、オペレーションROM303か
らのプログラム命令に従って、フィルタ係数や音響信号
x(n) 等が、CPU201からバス107、インタフェ
ース301を介してワークRAM309に供給される。
【0026】レジスタ群308は、演算中のデータを一
時記憶する複数のレジスタからなり、乗算器305又は
加減算器307の各入出力端子に、内部バスを介して接
続されている。そして、加減算器307からの演算結果
(比較結果等)に基づいたジャッジ処理を実現するた
め、フラグレジスタ306を介してアドレスカウンタ3
02へ、ジャッジ結果を示すフラグ信号が送出される。
【0027】このフラグレジスタ306の出力に応じて
アドレスカウンタ302のアドレスが変更され、そのア
ドレスに応じてオペレーションROM303からプログ
ラム命令が読み出される。このようにして、ジャッジ処
理が実現される。
【0028】上述の図1、図2及び図3の構成を有する
本実施例の動作について、以下に順次説明する。本実施例の概略動作 まず、本実施例の概略動作について説明する。
【0029】図1のピックアップ101で検出されアン
プ102を介して電子部103に入力した音響信号(弦
振動波形信号)は、図2のA/D変換器204でデジタ
ル音響信号に変換された後、CPU201によってDS
P205に転送され、ここでオートワウエフェクトのた
めのバンドパスフィルタリング処理が実行される。
【0030】この場合に、CPU201は、A/D変換
器204からのデジタル音響信号から、弦のピッキング
時のピーク値を検出する。そして、そのピーク値に応じ
た速度で時間的に変化し得るフィルタ係数セットを順次
生成して、DSP205に転送する。DSP205は、
これらの時間的に変化し得るフィルタ係数セットに基づ
いてバンドパスフィルタリング処理を実行することによ
り、入力されるデジタル音響信号にオートワウエフェク
トを付加することができる。このようにエフェクトが付
加されたデジタル音響信号は、D/A変換器206でア
ナログ音響信号に変換された後、図1の出力ジャック1
07から出力され放音される。
【0031】ここで特に、弦のピッキング時のピーク値
に応じてDSP205でのバンドパスフィルタリング処
理のフィルタ特性が変化する速度が変更されるため、出
力される音響信号による楽音の音色の変化速度が演奏者
による弦のピッキングの強弱によって変更され、演奏者
による音楽表現を出力される楽音に十分に反映させるこ
とができることになる。
【0032】また、DSP205は、入力されるデジタ
ル音響信号に対して、それぞれCPU201から順次転
送される時間的に変化し得るフィルタ係数セットに基づ
いて3種のバンドパスフィルタリング処理を並列に実行
し、その処理結果を混合して出力することにより、複雑
なオートワウエフェクトの付加された音響信号を得るこ
とができる。DSPによるバンドパスフィルタリング処理 次に、図2のDSP205で実行されるオートワウエフ
ェクトのためのバンドパスフィルタリング処理について
説明する。 <動作原理>まず、DSP205で実行されるバンドパ
スフィルタリング処理の動作原理について説明する。
【0033】図4は、バンドパスフィルタリング処理の
機能ブロック図である。入力音響信号x(n) は、各サン
プルタイミング毎に図2のA/D変換器204からDS
P205に入力されてくる1サンプル分の音響信号であ
る。なお、nは離散的なサンプリング時刻を示す。この
入力音響信号x(n) に対し、DSP205における時分
割処理により、3種のバンドパスフィルタリング処理が
並列に実行される。
【0034】本実施例では、上記3種のバンドパスフィ
ルタリング処理は、伝達関数H1(z)を有する共通のハイ
パスフィルタリング処理と、伝達関数H2t(z) (0≦t
≦3)を有する3種のローパスフィルタリング処理との
カスケード処理によって実現される。
【0035】この場合に、3種のバンドパスフィルタリ
ング処理の伝達関数をHt(z)(0≦t≦3)とすれば、
これらの伝達関数は、例えば図5のような周波数特性で
示される。そして、伝達関数Ht(z)は、図4のように、
ハイパスフィルタの伝達関数H1(z)とローパスフィルタ
の伝達関数H2t(z) の積で表される。
【0036】ここで、ハイパスフィルタの伝達関数H1
(z)は、後に詳述するが、周波数0で0、周波数fs /
2[Hz]で出力が最大となる特性を有する。また、ロ
ーパスフィルタの伝達関数H2t(z) は、これも後に詳述
するが、各カットオフ周波数で出力が極大となるレゾナ
ンスタイプの特性を有する。従って、上述のハイパスフ
ィルタH1(z)とローパスフィルタH2t(z) とがカスケー
ド接続されることによって得られるフィルタの伝達関数
Ht(z)は、図5の如く疑似的なバンドパスフィルタの特
性となっている。
【0037】特に本実施例では、図5の各中心周波数f
1 〜f3 が、それぞれ図2のCPU201から順次転送
される時間的に変化し得るフィルタ係数セットによって
時間的にシフトされ、かつその変化速度が演奏者による
弦のピッキングの強弱によって変更されることが特徴で
ある。
【0038】このようなフィルタリング処理によってロ
ーパスフィルタ部の各出力として得られる各出力信号W
t(n)(0≦t≦3)が、混合部によって混合されること
によって、出力V(n) が得られる。
【0039】つぎに、伝達関数H1(z)を有するハイパス
フィルタ部及び伝達関数H2t(z) を有するローパスフィ
ルタ部の各フィルタ特性につき、以下に詳細に説明す
る。図6は、図4のハイパスフィルタ部をハードウエア
のイメージで示した構成図である。これは、2次のFI
R(有限インパルス応答)デジタルフィルタであって、
その伝達関数H1(z)は、
【0040】
【数1】
【0041】で示される。図6において、601、60
2のz-1はサンプリング・クロック1周期分の遅延を与
える遅延素子を表し、606、607は加算器である。
また603、604、605は乗算器であり、−2、
1、1/4 の各係数は、上記各乗算器における乗算係数で
ある。
【0042】DSP205においては、図6のハイパス
フィルタ部と等価なハイパスフィルタリング処理が、
【0043】
【数2】
【0044】なる離散演算処理により実現される。な
お、この場合、フィルタ係数は2の倍数であるので、係
数と信号の乗算は、単なるビットシフト処理で実現され
る。
【0045】このハイパスフィルタ部の周波数特性は、
【0046】
【数3】
【0047】となり、Ω=0(0[Hz])でゲインが
最小、Ω=π(fs /2[Hz])でゲインが最大にな
る特性を有する。ここでfs は図2のA/D変換器20
4における音響信号x(n) のサンプリング周波数であ
る。図7にこのハイパスフィルタ部の周波数特性を示
す。サンプリング定理により、fs /2〜fs [Hz]
までの周波数特性は、0〜fs /2[Hz]までの周波
数特性がfs /2[Hz]を境に折返った特性となって
いる。
【0048】続いて、図8は、図4のローパスフィルタ
部(3種とも共通の構成を有する)をハードウエアのイ
メージで示した構成図である。これは、2次のIIR
(無限インパルス応答)デジタルフィルタであって、そ
の伝達関数H2t(z) (0≦t≦3)は、
【0049】
【数4】
【0050】で示される。そして、この式のθt 、rt
(0≦t≦3)は、後述するように、CPU201から
のフィルタ係数セットとして順次与えられる。また、r
t は、レゾナンスの強さすなわち出力ピークの大きさを
示すパラメータである。
【0051】図8において、801、802は、サンプ
リング・クロック1周期分の遅延を与える遅延素子を表
し、803、804、805は乗算器で、それぞれに図
8に示されるフィルタ係数−2rt cosθt 、rt2
CYが乗算される。また、806及び807は加算器で
ある。
【0052】DSP205においては、図8に示す構成
のローパスフィルタと等価なフィルタ演算処理が、
【0053】
【数5】
【0054】なる離散演算処理により実現される。ま
た、このローパスフィルタ部の周波数特性は、
【0055】
【数6】
【0056】で表される。今、伝達関数の極は、“**”
をべき乗演算とし、Z1 =rt ・e**(jθt )、Z2
rt ・e**(-jθt )に存在し、z=0に二重の零点が
ある。この極と零点の配置と、0<θt <π/2とした
ときの極ベクトルと零点ベクトルとの関係を図9に示
す。
【0057】図9から理解されるとおり、単位円に沿っ
て移動する点Pと零点0を結ぶ線分が実軸となす角度を
Ωとすると、Ω=0〜πにおいて、極ベクトルZ1 と零
点ベクトルV1 との差であるベクトルV2 の長さは、初
めは減少し、その後に増加する。ベクトルV2 の最小の
長さは、P点が極Z1 に最接近したとき、すなわち、θ
=Ωのときである。
【0058】ここで、このローパスフィルタの周波数Ω
における周波数応答の大きさ(振幅特性)は、零点ベク
トルV1 とベクトルV2 のそれぞれの長さの比で定ま
る。そして、この零点ベクトルV1 の値は常に1である
から、周波数応答の大きさは、ベクトルV2 の大きさの
逆数に比例し、上述のようにθt =Ωで最大となる。ま
た周波数応答の大きさのピークは、rt の値により定ま
り、rt の値が1に近づくほど大きくなる。図10は、
Ω=−π〜πにおけるこの周波数応答の大きさを表して
いる。
【0059】一方、周波数応答の位相は、実軸と零点ベ
クトルV1 とのなす角Ωから、実軸とベクトルV2 との
なす角を引いた値になる。上述の説明から明らかなよう
に、各中心周波数ft (0≦t≦3)とサンプリング周
波数fs を用いて、θt =2π・fs /ft で求まるθ
t の値を決めれば、図11に示されるように、各帯域の
中心周波数ft でピークを有するローパスフィルタが実
現される。
【0060】以上のような伝達関数H1(z)を有するハイ
パスフィルタ部と伝達関数H2t(z)を有するローパスフ
ィルタ部が、図4に示されるようにカスケードに接続さ
れることにより、各伝達関数の積として表される全体の
伝達関数Ht(z)によって、図5で前述したように、疑似
的なバンドパスフィルタの特性が実現される。 <具体的動作>次に、上述の動作原理に基づいてDSP
205で実行されるバンドパスフィルタリング処理の具
体的動作について、図12の動作フローチャートを用い
て説明する。この動作フローチャートは、DSP205
が、オペレーションROM303内に記憶されているマ
イクロプログラムを実行する動作として実現される。
【0061】図12の動作フローチャートに関連し、図
3のワークRAM309には、図2のA/D変換器20
4から入力される現在、1サンプル前及び2サンプル前
の各音響信号を保持する各変数x(n) 、x(n-1) 及びx
(n-2) 、図4のハイパスフィルタ部の機能に対応するハ
イパスフィルタリング処理(図6又は数2式参照)にお
ける現在、1サンプル前及び2サンプル前の各出力を保
持する各変数s(n) 、s(n-1) 及びs(n-2) 、図4の3
種のローパスフィルタ部に対応する3種のローパスフィ
ルタリング処理(図8又は数5式参照)における現在、
1サンプル前及び2サンプル前の各出力を保持する各変
数Wt(n)、Wt(n-1)及びWt(n-2)(0≦t≦3)、図4
の混合部に対応する混合処理の出力を保持する変数V
(n) 、並びに3種のローパスフィルタリング処理でそれ
ぞれ使用される各フィルタ係数を保持する各変数−2r
t cosθt 、rt2(0≦t≦3)が、それぞれ格納さ
れる。
【0062】また、ハイパスフィルタリング処理におい
て使用される定数である各フィルタ係数−2、1、1/4
(図6又は数2式参照)と、3種のローパスフィルタリ
ング処理で使用される定数であるフィルタ係数CY(図
8又は数5式参照)は、オペレーションROM303に
記憶されている。
【0063】図12において、まず、ステップS120
1で、図2のCPU201からフィルタ係数セットθt
、rt (0≦t≦3)が転送されたかが判定される。
この判定がYESなら、ステップS1202で、これら
フィルタ係数セットθt 、rt(0≦t≦3)に基づい
て各フィルタ係数−2rt cosθt 、rt2(0≦t≦
3)が演算され、各演算結果がワークRAM309内の
同じ名前を有する各変数−2rt cosθt 、rt2(0
≦t≦3)に格納される。
【0064】上記ステップS1202の後、又はステッ
プS1201の判定がNOの場合、ステップS1203
で、CPU201から音響信号が転送されたか否かが判
定される。この判定がNOなら再びステップS1201
に戻り、上述したステップS1201〜S1203の各
処理が繰り返される。
【0065】音響信号が転送されステップS1203の
判定がYESとなると、ステップS1204で、1サン
プル分の音響信号がワークRAM309内の変数x(n)
に格納される。
【0066】このように、音響信号の各サンプルx(n)
が得られる毎に、ステップS1205以降の処理とし
て、図4のハイパスフィルタ部に相当する1回のハイパ
スフィルタリング処理、3種のローパスフィルタ部に相
当する3種のローパスフィルタリング処理、及び混合部
に相当する混合処理が時分割処理で実行され、サンプリ
ング周期毎に出力音響信号V(n) が得られ、それが図2
のD/A変換器206に転送される。
【0067】即ち、まず、ステップS1205で、ワー
クRAM309内の各変数x(n) 、x(n-1) 及びx(n-
2) からレジスタ群308内の各レジスタに、現在のサ
ンプルと過去2サンプル分の音響信号が読み出され、図
4の伝達関数H1(z)で示されるハイパスフィルタ部に対
応するFIRハイパスフィルタリング処理が実行され
る。この処理は、前述した数2式で表される演算処理で
あって、乗算器305及び加減算器307を使って実行
される。このとき数2式の演算に用いられる各フィルタ
係数−2、1、1/4 は、オペレーションROM303か
らレジスタ群308内の各レジスタに読み出され使用さ
れる。そして、上記演算の結果得られた出力は、ワーク
RAM309内の変数s(n) に格納される。
【0068】このハイパスフィルタリング処理は、前述
したように共通な処理であるため、1回のみ実行され
る。次に、図4の伝達関数H2t(z) (0≦t≦3)を有
する3種のローパスフィルタ部に対応する3種のローパ
スフィルタリング処理が続けて実行される。これらの処
理は、ステップS1206〜S1208で示されるよう
に、3種の時分割処理として実行される。
【0069】ステップS1206では、ワークRAM3
09からレジスタ群308内の各レジスタに、時間的に
更新され得る各フィルタ係数を格納した変数−2r1
osθ1 、r1 2が読み出され、また、オペレーションR
OM303からレジスタ群308内の各レジスタに、定
数であるフィルタ係数CYが読み出される。そして、ワ
ークRAM309の各変数s(n) 、s(n-1) 及びs(n-
2) からレジスタ群308内の各レジスタに、現在のサ
ンプルと過去2サンプル分のステップS1205におけ
るハイパスフィルタリング処理の出力信号が読み出さ
れ、これらの信号に対して上述のフィルタ係数を用いて
伝達関数H21(z) で示される第1番目のローパスフィル
タリング部に対応する第1回目のIIRローパスフィル
タリング処理が実行される。この処理は、前述の数5式
で表される演算処理であり、乗算器305および加減算
器307を使って実行される。この結果得られた出力
は、ワークRAM309内の変数W1(n)に格納される。
【0070】次に、ステップS1207では、ワークR
AM309からレジスタ群308内の各レジスタに、時
間的に更新され得る各フィルタ係数を格納した変数−2
2cosθ2 、r2 2が読み出され、また、オペレーシ
ョンROM303からレジスタ群308内の各レジスタ
に、定数であるフィルタ係数CYが読み出される。そし
て、ワークRAM309の各変数s(n) 、s(n-1) 及び
s(n-2) からレジスタ群308内の各レジスタに、現在
のサンプルと過去2サンプル分のステップS1205に
おけるハイパスフィルタリング処理の出力信号が読み出
され、これらの信号に対して上述のフィルタ係数を用い
て伝達関数H22(z) で示される第2番目のローパスフィ
ルタリング部に対応する第2回目のIIRローパスフィ
ルタリング処理が実行される。この処理も、ステップS
1206での第1回目の場合と同様、前述の数5式で表
される演算処理であり、この結果得られた出力は、ワー
クRAM309内の変数W2(n)に格納される。
【0071】更に、ステップS1208では、ワークR
AM309からレジスタ群308内の各レジスタに、時
間的に更新され得る各フィルタ係数を格納した変数−2
3cosθ3 、r3 2が読み出され、また、オペレーシ
ョンROM303からレジスタ群308内の各レジスタ
に、定数であるフィルタ係数CYが読み出される。そし
て、ワークRAM309の各変数s(n) 、s(n-1) 及び
s(n-2) からレジスタ群308内の各レジスタに、現在
のサンプルと過去2サンプル分のステップS1205に
おけるハイパスフィルタリング処理の出力信号が読み出
され、これらの信号に対して上述のフィルタ係数を用い
て伝達関数H23(z) で示される第3番目のローパスフィ
ルタリング部に対応する第3種目のIIRローパスフィ
ルタリング処理が実行される。この処理も、ステップS
1206での第1回目の場合と同様、前述の数5式で表
される演算処理であり、この結果得られた出力は、ワー
クRAM309内の変数W3(n)に格納される。
【0072】最後に、ステップS1209では、上述の
ステップS1206〜S1208の3種のローパスフィ
ルタリング処理によって得られた3種の出力が格納され
ている各変数Wt(n)(0≦t≦3)がワークRAM30
9から読み出され、これらの内容が加算され、その加算
結果がワークRAM309内の変数V(n) に格納され
る。
【0073】以上のようにしてワークRAM309に得
られた変数V(n) の内容は、インタフェース301を介
してD/A変換器206に出力される。CPUによる処理 次に、図2のCPU201で実行されるオートワウエフ
ェクトのための制御処理について説明する。 <制御動作原理>まず、図17及び図18は、時間t
(横軸)の経過と共に変化するDSP205での前述し
た3種のバンドパスフィルタリング処理における各中心
周波数f1、f2 及びf3 (縦軸)の変化を示す。前述
したように、これらは、CPU201からDSP205
に順次転送されるフィルタ係数セットによって決定され
る。そして、図17は演奏者により弦が弱くピッキング
された場合であり、図18は演奏者により弦が強くピッ
キングされた場合である。
【0074】本実施例では、CPU201によるDSP
205でのバンドパスフィルタリング処理における各中
心周波数f1 、f2 及びf3 の変化回数は例えば9回に
設定される。そして、この回数だけ各中心周波数を順次
増加させるようなそれぞれ9組のフィルタ係数セットが
CPU201からDSP205に転送されると、転送さ
れるべき各フィルタ係数セットは1組目に戻され、各中
心周波数は元の初期値に戻される。
【0075】ここで、既に前述したように、DSP20
5は音響信号に対して3種のバンドパスフィルタリング
処理を並列に実行するように構成されており、第1番目
のバンドパスフィルタリング処理における中心周波数の
シフト制御は、弦がピッキングされ音響信号が入力され
るとすぐに実行され、第2番目のバンドパスフィルタリ
ング処理における中心周波数のシフト制御は、第1番目
のバンドパスフィルタリング処理において中心周波数が
初期値から5回目に変化させられる時点から開始され、
第3番目のバンドパスフィルタリング処理における中心
周波数のシフト制御は、第1番目のバンドパスフィルタ
リング処理において中心周波数が初期値から9回目に変
化させられる時点から開始される。
【0076】そして、図17と図18を比較するとわか
るように、図18のように演奏者による弦のピッキング
が強い場合の方が、図17のように演奏者による弦のピ
ッキングが弱い方より各中心周波数のシフト速度が速く
なるように制御されることがわかる。
【0077】その制御のために、CPU201は、ワー
クRAM203にスピードデータSPという変数を設け
る。そして、まず、CPU201は、後述するようにA
/D変換器204からの音響信号からピッキングのタイ
ミングを検出し、更にピッキング時のピーク値からピッ
キングの強さを検出する。次に、CPU201は、その
ピーク値が小さければスピードデータSPとして大きな
値を設定し、ピーク値が大きければスピードデータSP
として小さな値を設定する。そして、CPU201は、
このスピードデータSPの値に応じた時間間隔で各フィ
ルタ係数セットの更新を行なう。 <メインフロー処理>上述の機能を実現するためのCP
U201による具体的な制御動作について以下に説明す
る。
【0078】CPU201による制御動作は、メインフ
ロー処理と、このメインフロー処理に対するCPU20
1内の特には図示しないタイマからの一定時間毎の割込
みによって実行される割込み処理とによって実現され
る。
【0079】まず、CPU201によるメインフロー処
理について、図13の動作フローチャートに基づいて説
明する。この動作フローチャートは、CPU201がプ
ログラムROM202に記憶されている制御プログラム
を実行する動作として実現される。
【0080】メインフロー処理では、A/D変換器20
4からのA/D変換処理の終了を待って音響信号を取り
込み、その音響信号からピッキングのタイミングとその
ときのピーク値を検出してスピードデータSPを算出
し、更に、ピッキング開始以後の音響信号をDSP20
5に転送する処理が実行される。
【0081】電源が投入されると、まず、ステップS1
301で、ワークRAM203の内容などが初期化され
る。また、DSP205に対しても初期化と動作開始の
命令が実行される。これにより、DSP205では、ワ
ークRAM309などの初期化を行なった後、図12の
動作フローチャートに対応するプログラムの実行を開始
する。
【0082】ステップS1302では、CPU201内
の特には図示しないタイマがスタートされる。ステップ
S1303とステップS1304では、振幅の絶対値が
一定の閾値以上である音響信号がA/D変換器204か
ら入力されるのが待たれる。そのような信号が入力する
と、ステップS1305で、ピッキングの開始時点が検
出される。ここでは、無音状態から音響信号が検出され
た場合にピッキングが開始されたと判定される。
【0083】ステップS1305の判定がYESとなる
と、ステップS1306で、ピーク値が検出されたこと
を示すピークフラグPKFと、後述する割込み処理で使
用されるフラグD1F、D2Fが“0”にクリアされ
る。フラグD1F及びD2Fは、割込み処理において、
それぞれ第2番目及び第3番目のバンドパスフィルタリ
ング処理のためのフィルタ係数セットの更新処理が開始
されると“1”にセットされる。また、割込み処理で使
用される各ポインタM、N、P、K、J、Iの値が
“0”にクリアされる。なお、これらフラグ及びポイン
タは、ワークRAM203上に確保されている。
【0084】更に、ステップS1307では、DSP2
05に対して、フィルタ係数セットθ1 〜θ3 、r1
3 の初期値が転送される。DSP205は、前述した
図12のステップS1201とS1202の処理によっ
てこの初期値を取り込む。この結果、DSP205で実
行される3種のバンドパスフィルタリング処理の各中心
周波数f1 、f2 及びf3 は、図17又は図18で示さ
れる初期値に設定される。
【0085】ステップS1308では、A/D変換器2
04からの音響信号がDSP205に転送される。DS
P205では、前述した図12のステップS1203と
S1204の処理によって、この音響信号が内部に取り
込まれる。
【0086】ステップS1309では、ピークフラグP
KFが“1”であるか否か、即ち、ピーク値が既に検出
されているか否かが判定される。ピーク値は、音響信号
の振幅の絶対値が局所的に極大となるタイミングとして
検出される。
【0087】ピーク値が検出されずステップS1310
の判定がNOとなれば、ステップS1303とS130
4で新たに有効な音響信号が入力されるのが待たれ、ス
テップS1305→S1308→S1309→S131
0→S1303の処理の繰返しにより、ピーク値の入力
が待たれる。
【0088】ピーク値が検出されステップS1310の
判定がYESとなると、ステップS1311で、ピーク
フラグPKFに“1”がセットされる。更に、ステップ
S1311で、ピーク値の検出タイミングの1サンプル
前の振幅の絶対値(これが真のピーク値となる)である
ピークレベルに基づいて、スピードデータSPが算出さ
れる。このスピードデータSPは、例えばプログラムR
OM202内に設けられた特には図示しない変換テーブ
ルを参照することによって算出され、前述したように、
ピークレベルが小さければ大きな値が設定され、ピーク
レベルが大きければ小さな値が設定される。
【0089】それ以後、ステップS1303に戻り、S
1303→S1304→S1305→S1308が順次
実行された後、ステップS1309の判定はYESとな
る。この結果、ステップS1303〜S1309の処理
が繰返されることにより、A/D変換器204からサン
プリングタイミング毎に順次入力されるピッキング後の
音響信号が、DSP205に転送される。 <割込み処理>次に、CPU201による割込み処理に
ついて、図14の動作フローチャートに基づいて説明す
る。この動作フローチャートは、CPU201が、図1
3のメインフロー処理のステップS1302で動作を開
始させたタイマからの一定時間毎の割込みに基づいて、
図13のメインフロー処理を一時中断させ、プログラム
ROM202に記憶されている割込みプログラムを実行
する動作として実現される。なお、割込み処理の後は、
再び中断したメインフロー処理に復帰する。
【0090】この割込み処理では、スピードデータSP
の値に応じた時間間隔で前述した3種のバンドパスフィ
ルタリング処理のための各フィルタ係数セットを更新
し、DSP205に転送する処理が実行される。
【0091】まず、図14の動作フローチャートで使用
される各ポインタの機能について説明する。ポインタM
は、第1番目のバンドパスフィルタリング処理のための
フィルタ係数セットの更新処理が開始された後、変数M
1の値によって示される第2番目のバンドパスフィルタ
リング処理のためのフィルタ係数セットの更新処理が開
始される時刻(図17又は図18参照)までの時間経過
をカウントするための変数である。
【0092】ポインタNは、割込み処理による前回のフ
ィルタ係数セットの更新処理からの割込み回数がスピー
ドデータSPの値に等しくなるまでの時刻をカウントす
るための変数である。
【0093】ポインタPは、第1番目のバンドパスフィ
ルタリング処理のためのフィルタ係数セットの更新処理
が開始された後、変数M2の値によって示される第3番
目のバンドパスフィルタリング処理のためのフィルタ係
数セットの更新処理が開始される時刻(図17又は図1
8参照)までの時間経過をカウントするための変数であ
る。
【0094】ポインタKは、第1番目のバンドパスフィ
ルタリング処理のためのフィルタ係数セットの更新処理
における更新回数をカウントするための変数である。ポ
インタJは、第2番目のバンドパスフィルタリング処理
のためのフィルタ係数セットの更新処理における更新回
数をカウントするための変数である。
【0095】ポインタIは、第3番目のバンドパスフィ
ルタリング処理のためのフィルタ係数セットの更新処理
における更新回数をカウントするための変数である。以
上の各ポインタを使用した図14の動作フローチャート
について具体的に説明する。
【0096】ステップS1401〜S1404は、フィ
ルタ係数セットを更新するタイミングを計測するための
処理である。即ちまず、ステップS1401では、ピー
クフラグPKFが“1”でなければ即座に割込み処理が
終了され、ステップS1402以下の処理は実行されな
い。即ち、ピッキング開始後にピーク値が検出されてい
なければこの割込み処理は実質的には実行されないこと
になる(図13のステップS1306、S1310、S
1311等参照)。
【0097】ステップS1401の判定がYESとなる
と、ステップS1402で、ポインタNの値が+1さ
れ、ステップS1403でポインタNの値がスピードデ
ータSPの値に等しくなったか否かが判定される。ポイ
ンタNの値は、ピッキング開始時には、前述した図13
のステップS1306によって“0”にクリアされてい
る。
【0098】ステップS1403の判定がNOなら、割
込み処理が終了される。ステップS1403の判定がY
ESとなると、ステップS1404でポインタNの値が
“0”にクリアされた後、ステップS1404以降で各
フィルタ係数セットの更新が行なわれる。更新後は、再
びステップS1401〜S1403によって、ポインタ
Nの値がスピードデータSPの値に等しくなるまでタイ
ミングがとられることになる。
【0099】ステップS1405〜S1409では、第
1番目のバンドパスフィルタリング処理のためのフィル
タ係数セットを初期値から9回更新し、10回目の更新
で再び初期値に戻す処理が実行される。
【0100】即ちまず、ステップS1405では、ポイ
ンタKの値が+1される。ポインタKの値は、ピッキン
グ開始時には、前述した図13のステップS1306に
よって“0”にクリアされている。
【0101】ステップS1406では、ポインタKの値
が変数K1の値に+1した値に等しくなったか否かが判
定される。今、変数K1には“9”が格納されている。
この判定がNOなら、ステップS1409で、フィルタ
係数セットθ1 、r1が更新される。この更新されたフ
ィルタ係数セットは、ステップS1410以降の処理の
後、ステップS1430でDSP205に転送される。
これにより、DSP205において、第1番目のバンド
パスフィルタリング処理における中心周波数f1 がシフ
トされる。
【0102】その後、再び図14の割込み処理の実行が
繰り返され、ポインタNの値がスピードデータSPの値
に等しくなってステップS1403の判定がYESとな
る毎にステップS1406の判定が繰り返される。そし
て、この判定がNOならステップS1409のフィルタ
係数セットの更新処理が繰り返され、その後のステップ
S1430で更新されたフィルタ係数セットがDSP2
05に転送される。
【0103】上述の動作が繰り返される結果、ポインタ
Kの値が変数K1の値に+1した値“10”に等しくな
るとステップS1406の判定がYESとなる。この結
果、ステップS1407で、ポインタKの値が“0”に
クリアされた後、ステップS1408でフィルタ係数セ
ットθ1 、r1 が初期値に戻される。
【0104】次のステップS1410〜S1414で
は、第1番目のバンドパスフィルタリング処理において
フィルタ係数セットの更新が開始されてから第2番目の
バンドパスフィルタリング処理においてフィルタ係数セ
ットの更新が開始されるまでの時間経過をカウントする
処理が実行される。
【0105】即ちまず、ステップS1410で、フラグ
D1Fの値が“0”であるか否かが判定される。今、フ
ラグD1Fは、ピッキング開始時には、前述した図13
のステップS1306によって“0”にクリアされてい
る。
【0106】従って、始めはステップS1410の判定
はYESとなり、ステップS1411でポインタMの値
が+1される。今、ポインタMの値も、ピッキング開始
時には、前述した図13のステップS1306により
“0”にクリアされている。
【0107】ステップS1412では、ポインタMの値
が変数M1の値に等しくなったか否かが判定される。そ
して、この判定がNOなら、ステップS1413以降の
処理は実行されず、ステップS1430にジャンプす
る。この結果、第1番目のバンドパスフィルタリング処
理のためのフィルタ係数セットの更新が開始されて以
後、図17又は図18のM1に相当する時間が経過する
までは、第2番目と第3番目の各バンドパスフィルタリ
ング処理のための各フィルタ係数セットθ2 、r2 及び
θ3 、r3は、初期値がそのままDSP205に転送さ
れることになり、DSP205では、第2番目と第3番
目の各バンドパスフィルタリング処理における各中心周
波数f2 とf3 のシフトは開始されない。
【0108】その後、再び図14の割込み処理の実行が
繰り返され、ポインタNの値がスピードデータSPの値
に等しくなってステップS1403の判定がYESとな
る毎に、ステップS1404〜S1411の各処理を介
して、ステップS1412の判定が繰り返される。
【0109】そして、ポインタMの値が変数M1の値に
等しくなってステップS1412の判定がYESとなる
と、ステップS1413でポインタMの値が“0”に戻
された後、ステップS1414でフラグD1Fに“1”
がセットされる。
【0110】この結果、ステップS1415〜S141
9では、前述したステップS1405〜S1409と同
様、第2番目のバンドパスフィルタリング処理のための
フィルタ係数セットを初期値から9回更新し、10回目
の更新で再び初期値に戻す処理が実行される。
【0111】即ちまず、ステップS1415では、ポイ
ンタJの値が+1される。ポインタJの値は、ピッキン
グ開始時には、前述した図13のステップS1306に
よって“0”にクリアされている。
【0112】ステップS1416では、ポインタJの値
が変数K1の値に+1した値“10”に等しくなったか
否かが判定される。この判定がNOなら、ステップS1
419で、フィルタ係数セットθ2 、r2が更新され
る。この更新されたフィルタ係数セットは、ステップS
1420以降の処理の後、ステップS1430でDSP
205に転送される。これにより、DSP205におい
て、第2番目のバンドパスフィルタリング処理における
中心周波数f2 がシフトされる。
【0113】その後、再び図14の割込み処理の実行が
繰り返され、ポインタNの値がスピードデータSPの値
に等しくなってステップS1403の判定がYESとな
る毎に、ステップS1404〜S1409の各処理の
後、ステップS1410の判定がNOとなってステップ
S1411〜S1414の各処理がスキップされ、ステ
ップS1415の処理の後にステップS1416の判定
が繰り返される。そして、この判定がNOならステップ
S1419のフィルタ係数セットの更新処理が繰り返さ
れ、その後のステップS1430で更新されたフィルタ
係数セットがDSP205に転送される。
【0114】上述の動作が繰り返される結果、ポインタ
Jの値が変数K1の値に+1した値“10”に等しくな
るとステップS1416の判定がYESとなる。この結
果、ステップS1417で、ポインタJの値が“0”に
クリアされた後、ステップS1418でフィルタ係数セ
ットθ2 、r2 が初期値に戻される。
【0115】次のステップS1420〜S1424の処
理は、前述したステップS1410〜S1414の処理
と同様であり、第1番目のバンドパスフィルタリング処
理においてフィルタ係数セットの更新が開始されてから
第3番目のバンドパスフィルタリング処理においてフィ
ルタ係数セットの更新が開始されるまでの時間経過をカ
ウントする処理が実行される。
【0116】即ちまず、ステップS1420で、フラグ
D2Fの値が“0”であるか否かが判定される。今、フ
ラグD2Fは、ピッキング開始時には、前述した図13
のステップS1306によって“0”にクリアされてい
る。
【0117】従って、始めはステップS1420の判定
はYESとなり、ステップS1421でポインタPの値
が+1される。今、ポインタPの値も、ピッキング開始
時には、前述した図13のステップS1306により
“0”にクリアされている。
【0118】ステップS1422では、ポインタPの値
が変数M2の値に等しくなったか否かが判定される。そ
して、この判定がNOなら、ステップS1423以降の
処理は実行されず、ステップS1430にジャンプす
る。この結果、第1番目のバンドパスフィルタリング処
理のためのフィルタ係数セットの更新が開始されて以
後、図17又は図18のM2に相当する時間が経過する
までは、第3番目のバンドパスフィルタリング処理のた
めのフィルタ係数セットθ3 、r3 は、初期値がそのま
まDSP205に転送されることになり、DSP205
では、第3番目のバンドパスフィルタリング処理におけ
る各中心周波数f3 のシフトは開始されない。
【0119】その後、再び図14の割込み処理の実行が
繰り返され、ポインタNの値がスピードデータSPの値
に等しくなってステップS1403の判定がYESとな
る毎に、ステップS1404〜S1421の各処理を介
して、ステップS1422の判定が繰り返される。
【0120】そして、ポインタPの値が変数M2の値に
等しくなってステップS1422の判定がYESとなる
と、ステップS1423でポインタPの値が“0”に戻
された後、ステップS1424でフラグD2Fに“1”
がセットされる。
【0121】この結果、ステップS1425〜S142
9では、前述したステップS1405〜S1409など
と同様、第3番目のバンドパスフィルタリング処理のた
めのフィルタ係数セットを初期値から9回更新し、10
回目の更新で再び初期値に戻す処理が実行される。
【0122】即ちまず、ステップS1425では、ポイ
ンタIの値が+1される。ポインタIの値は、ピッキン
グ開始時には、前述した図13のステップS1306に
よって“0”にクリアされている。
【0123】ステップS1426では、ポインタIの値
が変数K1の値に+1した値“10”に等しくなったか
否かが判定される。この判定がNOなら、ステップS1
429で、フィルタ係数セットθ3 、r3が更新され
る。この更新されたフィルタ係数セットは、次のステッ
プS1430でDSP205に転送される。これによ
り、DSP205において、第3番目のバンドパスフィ
ルタリング処理における中心周波数f3 がシフトされ
る。
【0124】その後、再び図14の割込み処理の実行が
繰り返され、ポインタNの値がスピードデータSPの値
に等しくなってステップS1403の判定がYESとな
る毎に、ステップS1404〜S1419の各処理の
後、ステップS1420の判定がNOとなってステップ
S1421〜S1424の各処理がスキップされ、ステ
ップS1425の処理の後にステップS1426の判定
が繰り返される。そして、この判定がNOならステップ
S1429のフィルタ係数セットの更新処理が繰り返さ
れ、次のステップS1430で更新されたフィルタ係数
セットがDSP205に転送される。
【0125】上述の動作が繰り返される結果、ポインタ
Iの値が変数K1の値に+1した値“10”に等しくな
るとステップS1426の判定がYESとなる。この結
果、ステップS1427で、ポインタIの値が“0”に
クリアされた後、ステップS1428でフィルタ係数セ
ットθ3 、r3 が初期値に戻される。
【0126】以上に示した図14の割込み処理が繰り返
されることにより、図17又は図18に示されるよう
に、DSP205での前述した3種のバンドパスフィル
タリング処理における各中心周波数f1 、f2 及びf3
が時間経過と共にシフトされる処理が実現される。
【0127】そして、割込み処理による各フィルタ係数
セットの更新タイミングがスピードデータSPの値によ
って制御されることにより、図17又は図18のよう
に、演奏者による弦のピッキングの強弱によって、各中
心周波数のシフト速度を変化させることができ、弦振動
波形による楽音の音色の変化速度を変化させることがで
きる。他の実施例 以上の実施例では、本発明を電子弦楽器に適用した例に
ついて示したが、本発明はこれに限られるものではな
く、他の電子楽器に適用されても、また、効果付加装置
単体として実現されてもよい。この場合例えば、フィル
タリング処理における周波数特性の変化速度が、演奏情
報の1つであるベロシティの値に応じて制御されるよう
に構成してもよい。
【0128】
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、周波数特性制御手段
が、音響信号に周波数特性の異なる複数のフィルタリン
グ処理を並列に実行し各処理出力を混合するように動作
する際、各フィルタリング処理の周波数特性を時間的に
変化させると共に変化開始時期にそれぞれ異なるタイム
ラグを付加し、それぞれの変化速度及びタイムラグを演
奏操作の操作量に応じて制御させる。この結果、オート
ワウのエフェクトを音響信号に付加する場合に、周波数
特性の変化速度及び変化開始時期が演奏操作の操作量に
応じて制御されることになり、例えば演奏者による弦の
ピッキングの強弱を音響信号による楽音の音色の変化速
度及び変化開始時期に反映させることが可能となり、さ
らに複雑なオートワウのエフェクトを付加することが可
能となる。
【0130】
【0131】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成図である。
【図2】電子部のブロック図である。
【図3】DSPの回路構成図である。
【図4】DSPによるバンドパスフィルタ処理の原理ブ
ロック図である。
【図5】バンドパスフィルタ部の周波数特性図である。
【図6】ハイパスフィルタ部の構成図である。
【図7】ハイパスフィルタ部の周波数特性図である。
【図8】ローパスフィルタ部の構成図である。
【図9】ローパスフィルタ部の極と零点および極ベクト
ルと零ベクトルの関係図である。
【図10】ローパスフィルタ部の周波数特性図(その
1)である。
【図11】ローパスフィルタ部の周波数特性図(その
2)である。
【図12】DSPによるバンドパスフィルタリング処理
の動作フローチャートである。
【図13】CPUによるメインフロー処理の動作フロー
チャートである。
【図14】CPUによる割込み処理の動作フローチャー
ト(その1)である。
【図15】CPUによる割込み処理の動作フローチャー
ト(その2)である。
【図16】CPUによる割込み処理の動作フローチャー
ト(その3)である。
【図17】本実施例の動作説明図(その1)である。
【図18】本実施例の動作説明図(その2)である。
【符号の説明】
101 ピックアップ 102 アンプ 103 電子部 104 容量 105、106 可変抵抗 107 出力ジャック 108 スイッチ部 201 CPU 202 プログラムROM 203 ワークRAM 204 A/D変換器 205 DSP 206 D/A変換器 207 バス 301 インタフェース 302 アドレスカウンタ 303 オペレーションROM 304 デコーダ 305 乗算器 306 フラグレジスタ 307 加減算器 308 レジスタ群 309 ワークRAM
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−250999(JP,A) 特開 平5−35277(JP,A) 特開 昭58−65496(JP,A) 特開 昭62−66296(JP,A) 特開 平3−121493(JP,A) 特開 昭63−269199(JP,A) 特開 平4−274493(JP,A) 特開 平3−269581(JP,A) 特開 平1−269995(JP,A) 特開 平5−6173(JP,A) 特開 昭63−138397(JP,A) 特開 平4−97295(JP,A) 特開 平3−126094(JP,A) 実開 昭59−109400(JP,U) 実開 昭54−7637(JP,U) 実開 昭54−7636(JP,U) 実開 昭55−103698(JP,U) 特公 昭46−35590(JP,B1) 実公 昭59−1280(JP,Y2) 実公 平1−42160(JP,Y2) 実公 昭63−33274(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/00 - 7/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 演奏操作の操作量を検出する演奏操作量
    検出手段と、前記演奏操作に基づいて生成される音響信号に対して周
    波数特性の異なる複数のフィルタリング処理を並列に実
    行し各処理出力を混合するフィルタリング処理手段と、 該フィルタリング処理手段における前記音響信号に対す
    る各フィルタリング処理の各周波数特性をそれぞれ時間
    的に変化させると共に変化開始時期にそれぞれ異なるタ
    イムラグを付加し、それぞれの変化速度及びタイムラグ
    を前記演奏操作量検出手段で検出された前記演奏操作の
    操作量に応じて制御する周波数特性制御手段と、 を有することを特徴とする効果付加装置。
  2. 【請求項2】 前記フィルタリング処理は、バンドパス
    フィルタリング処理である、 ことを特徴とする請求項1に記載の 効果付加装置。
  3. 【請求項3】 前記音響信号は、弦に対するピッキング
    操作に応じてピックアップ手段から検出される弦振動波
    形信号であり、 前記演奏操作量検出手段は、前記弦振動波形信号から弦
    のピッキング時点を検出し、該ピッキング時点以後の最
    初のピークレベルを操作量として検出する、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の 効果付加装
    置。
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