JP3215899U - 積重する箱の運搬具 - Google Patents
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Abstract
【課題】積重する箱を安全に、効率良く、また選択した段数の箱を速やかに、正確に拘持して運搬することができ、しかも作業者の身体への負担も小さい積重する箱の運搬具を提供する。【解決手段】枠体2は運搬対象である育苗箱の長さ方向幅に対応する長さを有し、枠体2の長さ方向に離間して内側に左右一対の持ち手3が立設してある。枠体2の両端に左右一対の可動係合体4が回動可能に枢着してある。各可動係合体4は、略中間の屈曲部5Aが枠体2の端部に枢支され、屈曲部5Aから枠体2に沿って伸張する作動杆部5C及び屈曲部5Aから下方に伸張する連動杆部5Dとから略く字状の前後一対の可動アーム5が形成してある。持ち手3より内側に位置して可動アーム5の作動杆部先端間に指掛け部6が連結してあり、一対の連動杆部5Dの下端間に箱支え部7が連結してある。【選択図】図1
Description
本考案は、例えば育苗箱、麺箱のように積重した状態で保管し、運搬時には複数段に積重する箱を効率的、かつ安全に運搬するのに好適な積重する箱の運搬具に関する。
例えば、苗を生育する育苗箱は苗床に苗を移植する際、作業効率の面から複数段に重ねて運搬することが行われている。育苗箱には上端側にフランジが形成してあり、積重した育苗箱を運搬する方法として、一対の掛具を左右のフランジの夫々に係止して持ち上げて運搬しているが、各掛具をフランジに取付け、逆に取り外す場合には手首を返さなければならないことから作業性が悪い、手首に負担が掛る、安定性に欠けるといった問題がある。
また、育苗箱は土を充填して水分を蓄えてあるので重量があること、育苗箱の横幅は作業者の肩幅より広いために作業者は両腕を広げて重量のある育苗箱を持たなければならず、極めて身体への負担が大きいこと、手首を痛める場合があること、運搬する育苗箱の箱数を決める際に左右側の確認が必要で、作業性が極めて悪いといった幾多の問題点がある。そして、これらの問題点は農家の高齢化に伴って深刻な問題になっている。
そこで、育苗箱を積重した状態で運搬する用具が提案されている。この運搬用具は、取手部14を上部に有する本体11の下端部に育苗箱1のフランジ部に係止する一対の保持爪15を形成し、本体11の中間部に積層体の最上段の育苗箱1の上面に当接する水平なガイド体16を取付けた構成からなるものである(特許文献1)。
しかし、上述した特許文献1の運搬用具は、育苗箱1の左右両端に本体11、11を係合するもので、作業者は両腕を横方向に広げなければならず、腕に掛る負担が大きいという問題、育苗箱1の上面に当接し、運搬する育苗箱1の段数に対応するガイド体16は本体11に対してねじ21を着脱して高さ調整を行う構成であり、調整作業が面倒で効率が悪いという問題、更に、左右一対の本体11、11は連結していない単体であるため、左右の段数の確認が必要であるという問題、本体11の片方が散逸する恐れがあるので一体に保管しなければならないといった面倒がある。
本考案は、上述した諸問題点に鑑みなされたもので、積重する箱を安全に、効率良く、また選択した段数の箱を速やかに、正確に拘持して運搬することができ、しかも作業者の身体への負担も小さい積重する箱の運搬具を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために構成した本考案の手段は、運搬対象である箱の長さ方向幅に対応する長さを有する枠体と、該枠体の長さ方向に離間して枠体の内側に立設した左右一対の持ち手と、前記枠体の長さ方向両端に回動可能に枢着した左右一対の可動係合体とからなり、該各可動係合体は、略中間の屈曲部が前記枠体の端部に枢支され、該屈曲部から該枠体に沿って伸張する作動杆部及び該屈曲部から下方に伸張する連動杆部とからなる略く字状の前後一対の可動アームと、前記持ち手より内側に位置して該一対の可動アームの作動杆部先端間に連結された指掛け部と、前記一対の連動杆部の下端間に連結され、運搬する箱に係脱可能な箱支え部とからなる。
前記一対の連動杆部に昇降可能に支持され、前記箱支え部との間で前記運搬する箱を挟持する上箱押え部と、前記枠体の長手方向に沿って枢支され、該上箱押え部を駆動する操作軸と、該操作軸に設けられ、回動操作することにより前記上箱押え部を昇降動させる操作レバーと、前記枠体に設けられ、拘持する箱数に応じた該操作レバーの操作量を表示する箱数表示板とから構成してなる箱数選択機構を設けるとよい。
そして、前記一対の持ち手は、作業者の平均的肩幅に見合う幅に設定してあるとよい。
本考案は上述の如く構成したから、下記の諸効果を奏する。
(1)枠体の長さ方向両端に可動係合体を設け、持ち手と指掛け部を一体に握ることにより可動アームを回動して運搬する箱の両側面側に箱支え部を確実に係止する構成にしたから、積重する箱の運搬作業を安全、かつ効率的に行うことができる。
(2)箱数選択機構は、操作レバーを操作するだけで運搬する数の箱を拘持することができるから、積重して運搬する箱の下段の箱に箱支え部を確実に係合できるし、箱支え部を係合する段数を左右側で間違える等の問題を確実に解消できるので運搬作業を円滑に効率良く行うことができる。
(3)一対の持ち手は作業者の平均的肩幅に見合う幅に設定してあるから、両腕を無理に広げて積重する箱を持ち上げる必要がないので身体への負担が小さいし、安全性に優れている。
(1)枠体の長さ方向両端に可動係合体を設け、持ち手と指掛け部を一体に握ることにより可動アームを回動して運搬する箱の両側面側に箱支え部を確実に係止する構成にしたから、積重する箱の運搬作業を安全、かつ効率的に行うことができる。
(2)箱数選択機構は、操作レバーを操作するだけで運搬する数の箱を拘持することができるから、積重して運搬する箱の下段の箱に箱支え部を確実に係合できるし、箱支え部を係合する段数を左右側で間違える等の問題を確実に解消できるので運搬作業を円滑に効率良く行うことができる。
(3)一対の持ち手は作業者の平均的肩幅に見合う幅に設定してあるから、両腕を無理に広げて積重する箱を持ち上げる必要がないので身体への負担が小さいし、安全性に優れている。
以下、本考案の実施の形態を図面に基き詳述する。図5において、51は例えば合成樹脂製の育苗箱で、該育苗箱51は横長四角形の有底箱からなり、上端外側には運搬用フランジ51Aが枠状に一体に成形してある。そして、上述の構成からなる育苗箱51は、複数段に積重して保管し、運搬することが行われるものである。
1は該育苗箱51を積重した状態で運搬するための積重する育苗箱の運搬具(以下、運搬具1と称する。)、2は該運搬具1を構成する鋼材製の枠体で、該枠体2は運搬対象である育苗箱51の長手方向の横幅と略同じ横方向長さからなる横枠材2A、2Aと、中空管からなり、該横枠材2A、2Aの両端に連結した縦枠材2B、2Bとからなり、枠体2は前後幅を育苗箱51の前後幅より若干狭い間隔の横長四角形に形成してある。
3、3は前記枠体2の長さ方向に離間して枠体2に立設した左右一対の持ち手を示す。該各持ち手3は前後の各横枠材2Aに立設した支持板3A,3Aと、該支持板3A、3A間に架設した円筒状の持ち手本体3Bとから略冂字状に構成してある。そして、一対の持ち手3、3は作業者の平均的肩幅に見合った間隔に設定することにより、腕に掛る負担が最小になるようにしてある。
4、4は枠体2の長さ方向両端に設けた左右一対の可動係合体を示す。5、5は該各可動係合体4を構成する前記一対の可動アームで、該各可動アーム5は屈曲部5Aと、該屈曲部5Aに設けた軸孔部5Bと、屈曲部5Aから枠体2に沿って中央に伸張する作動杆部5Cと、屈曲部5Aから下方に伸張する連動杆部5Dとから略く字状に形成してある。
6は持ち手3より内側に位置して前記一対の作動杆部5C、5Cの先端間に横架した指掛け部6を示す。該指掛け部6は断面略円弧状に形成し、かつ持ち手3に対して上縁6Aより下縁6Bを接近させて設けてある。これにより、持ち手3に4本の指を掛けた状態で指掛け部6に親指を容易に、また確実に掛けることができるので、持ち手3と一体に可動アーム5を円滑に引き上げることが出来るようにしてある。
また、指掛け部6を上げきった状態では上縁6Aと持ち手3との間に空隙が形成されるので、親指で可動アーム5を押し下げる操作を容易に行うことができる。
また、指掛け部6を上げきった状態では上縁6Aと持ち手3との間に空隙が形成されるので、親指で可動アーム5を押し下げる操作を容易に行うことができる。
7は一対の連動杆部5D、5Dの下端間に横架した横長板状の箱支え部で、該箱支え部7は連動杆部5Dから内向きに突出して設けてあり、育苗箱51のフランジ51Aに下側から係合して確実に持ち上げることが出来るようにしてある。
そして、軸孔部5B、5Bと枠体2の縦枠材2Bにかけて連結軸8を挿通することにより、枠体2の左右両端に可動係合体4、4を矢示イ、ロ方向に回動可能に組み付けた運搬具1が構成してある。
そして、軸孔部5B、5Bと枠体2の縦枠材2Bにかけて連結軸8を挿通することにより、枠体2の左右両端に可動係合体4、4を矢示イ、ロ方向に回動可能に組み付けた運搬具1が構成してある。
9は積重した育苗箱51を所望の段数だけ拘持する作業を容易に、かつ確実に行うための箱数選択機構を示す。10は該箱数選択機構9を構成する上箱押え部で、該上箱押え部10は倒置L字状の金属板からなり、両端には連動杆部5Dに挿嵌して上下方向に摺動可能なスリーブ10A、10Aが設けてあり、中間には後述する連動片11Eが連結する係着ピン10Bが突設してある。
11は前記上箱押え部10を昇降操作するための押え部可動機構部を示す。12は該押え部可動機構部11を構成し、枠体2の略中心に位置して横枠材2A、2A間に架設した支持材、13は中間が該支持材12に回動可能に枢支され、両端側が縦枠材2B、2Bに固着した軸支持管14、14に支持されて回動可能な操作軸を示し、該操作軸13の両端には上箱押え部10を駆動するためのリンク機構15が設けてある。
該リンク機構15は一端側が前記操作軸13に固着された駆動片15Aと、上端側が該駆動片15Aの他端側に遊嵌し、下端側が前記上箱押え部10の係着ピン10Bにピン結合した連動片15Bとから構成してある。16は前記支持材12に立設した箱数表示板で、該箱数表示板16は円弧状の周面16Aに育苗箱51の段数に対応して凹部からなる箱数表示部16B、16C、16D、・・が形成してある。17は該箱数表示板16に近接して前記操作軸13に突設した操作レバーで、該操作レバー17の上端には矢示ホ、ヘ方向に回動することにより前記箱数表示部16B、・・・に摺接する弾性材からなる当接片17Aが横向きに突設してある。
本実施の形態は上述の構成からなるもので、次にその作用について説明する。図5、図6に示すように、運搬具1は左右の持ち手3、3を持ち、積重してある育苗箱51の上に枠体2を移動させる。この時、可動アーム5の作動杆部5Cは自重により枠体2上にあり、連動杆部5Dは矢示ロ方向に開いた状態になっている。この状態で枠体2を積重してある最上段の育苗箱51に上方から重ね、指掛け部6、6を指で引き上げて左右の可動アーム5、5を矢示イ方向に回動することにより、連動杆部5Dが矢示イ方向に回動し、箱支え部7が育苗箱51のフランジ51Aの下側に入り込む。そこで、持ち手3と指掛け部6を一体に握って持ち上げることにより、複数段の育苗箱51を挟持した状態で持ち上げ、所望の場所に運搬することができる。
また、本実施の形態では、上述の構成からなる箱数選択機構9を設けることにより、可動係合体4を操作する際に、積重して運搬する育苗箱51の段数を先ず決めたら操作レバー17を回動して箱数表示板16の対応する箱数表示部16B〜16Dを選定する。これにより、操作軸13が回転し、リンク機構15が連動して選択した段数に対応する位置に上箱押え部10が昇降動する。
そして、このようにして所定の高さに決めた上箱押え部10を上段の育苗箱51のフランジ51Aに上側から当接したら、指掛け部6を引き上げる。これにより連動杆部5Dが矢示イ方向に進出して選択した育苗箱51のフランジ51A下に箱支え部7が進出し、選択した段数に積重している育苗箱51を上箱押え部10と箱支え部7とにより、段数を数える作業を行わずに速やかに、かつ確実に挟持して持ち上げることができる(図7参照)。
なお、上記操作において、図3に示すように、リンク機構15を構成する連動片15Bの上端側はテーパー孔に形成して駆動片15Aと遊嵌させてあり、連動片15Bは矢示ハ、ニ方向に遊動可能にしてあるから可動アーム4の動きに追随することができる。
なお、上記操作において、図3に示すように、リンク機構15を構成する連動片15Bの上端側はテーパー孔に形成して駆動片15Aと遊嵌させてあり、連動片15Bは矢示ハ、ニ方向に遊動可能にしてあるから可動アーム4の動きに追随することができる。
上述の如く、本実施の形態では育苗箱51を対象に説明したが、本考案は育苗箱に限らず蕎麦、中華麺を収容する麺箱、その他積重して保管し、運搬する種々の箱の運搬に用いてもよいものである。
なお、本実施の形態では育苗箱51のフランジ51Aに箱支え部7を係止するものと説明したが、本考案の運搬具はフランジの無い箱にあっては底面の縁側に係止するようにして用いることができるものである。
1 積重する箱の運搬具
2 枠体
3 持ち手
4 可動係合体
5 可動アーム
5C 作動杆部
5D 連動杆部
6 指掛け部
7 箱支え部
9 箱数選択機構
10 上箱押え部
13 操作軸
16 箱数表示板
17 操作レバー
51 育苗箱
2 枠体
3 持ち手
4 可動係合体
5 可動アーム
5C 作動杆部
5D 連動杆部
6 指掛け部
7 箱支え部
9 箱数選択機構
10 上箱押え部
13 操作軸
16 箱数表示板
17 操作レバー
51 育苗箱
Claims (3)
- 運搬対象である箱の長さ方向幅に対応する長さを有する枠体と、該枠体の長さ方向に離間して枠体の内側に立設した左右一対の持ち手と、前記枠体の長さ方向両端に回動可能に枢着した左右一対の可動係合体とからなり、該各可動係合体は、略中間の屈曲部が前記枠体の端部に枢支され、該屈曲部から該枠体に沿って伸張する作動杆部及び該屈曲部から下方に伸張する連動杆部とからなる略く字状の前後一対の可動アームと、前記持ち手より内側に位置して該一対の可動アームの作動杆部先端間に連結された指掛け部と、前記一対の連動杆部の下端間に連結され、運搬する箱に係脱可能な箱支え部とから構成してなる積重する箱の運搬具。
- 前記一対の連動杆部に昇降可能に支持され、前記箱支え部との間で前記運搬する箱を挟持する上箱押え部と、前記枠体の長手方向に沿って枢支され、該上箱押え部を駆動する操作軸と、該操作軸に設けられ、回動操作することにより前記上箱押え部を昇降動させる操作レバーと、前記枠体に設けられ、拘持する箱数に応じた該操作レバーの操作量を表示する箱数表示板とから構成してなる箱数選択機構を設けてあることを特徴とする請求項1記載の積重する箱の運搬具。
- 前記一対の持ち手は、作業者の平均的肩幅に見合う幅に設定してあることを特徴とする請求項1記載の積重する箱の運搬具。
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---|---|---|---|
JP2018000488U JP3215899U (ja) | 2018-02-09 | 2018-02-09 | 積重する箱の運搬具 |
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Cited By (2)
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CN114208546A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-03-22 | 奉节县绿特农业发展有限公司 | 一种用于培育优良药材的育苗盘 |
JP7387169B2 (ja) | 2020-07-01 | 2023-11-28 | 聡 黒壁 | 積重する箱の運搬具 |
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2018
- 2018-02-09 JP JP2018000488U patent/JP3215899U/ja active Active
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CN114208546A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-03-22 | 奉节县绿特农业发展有限公司 | 一种用于培育优良药材的育苗盘 |
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