JP3215537B2 - 遠隔監視制御システムの調光操作用端末器 - Google Patents

遠隔監視制御システムの調光操作用端末器

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JP3215537B2
JP3215537B2 JP08835093A JP8835093A JP3215537B2 JP 3215537 B2 JP3215537 B2 JP 3215537B2 JP 08835093 A JP08835093 A JP 08835093A JP 8835093 A JP8835093 A JP 8835093A JP 3215537 B2 JP3215537 B2 JP 3215537B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、照明負荷を監視制御す
る遠隔監視制御システムに用いられ、照明負荷の点灯・
消灯および調光レベルの設定を行うスイッチを備えた遠
隔監視制御システムの調光操作用端末器に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数個ずつの操作用端末器お
よび制御用端末器を時分割多重接続方式で2線式の信号
線を介して伝送処理装置に接続した遠隔監視制御システ
ムが考えられている。操作用端末器および制御用端末器
には各別にアドレスが設定されており、伝送処理装置は
アドレスによって各操作用端末器および各制御用端末器
を個別に認識する。操作用端末器はスイッチを備え、こ
のスイッチの操作により発生した割り込み信号を伝送処
理装置に伝送する。伝送処理装置は割り込み信号を受信
すると割り込みを要求している操作用端末器を検索し、
さらに検索した操作用端末器とアドレスによって対応関
係があらかじめ設定されている制御用端末器に対して制
御データを伝送する。制御データを受け取った制御用端
末器では、接続されている負荷をスイッチの操作に対応
させて制御する。
【0003】さらに詳しく説明すると、遠隔監視制御シ
ステムは、たとえば図8に示す構成を有する。伝送処理
装置51には、スイッチSWの操作状態を監視する複数
個の操作用端末器52、負荷Lを制御する複数個の制御
用端末器53が2線式の信号線Lsを介して接続され
る。操作用端末器52、制御用端末器53には、それぞ
れ個別のアドレスが設定され、このアドレスを用いて伝
送処理装置51が操作用端末器52、制御用端末器53
を個別に認識する。
【0004】伝送処理装置51は信号線Lsに対して、
図9(a)(b)のようなフォーマットの伝送信号Vs
を送出する。すなわち、伝送信号Vsは、信号送出開始
を示すスタートパルスST、信号モードを示すモードデ
ータ信号MD、操作用端末器52や制御用端末器53を
各別に呼び出すためのアドレスデータを伝送するアドレ
スデータ信号AD、負荷Lを制御する制御データを伝送
する制御データ信号CD、伝送エラーを検出するための
チェックサムデータ信号CS、操作用端末器52や制御
用端末器53からの返送データ信号を受信するタイムス
ロットである信号返送期間WTよりなる複極(±24
V)の時分割多重信号であり、パルス幅変調によってデ
ータが伝送されるようになっている。
【0005】各操作用端末器52および各制御用端末器
53では、信号線Lsを介して受信した伝送信号Vsに
より伝送されたアドレスデータがあらかじめ設定されて
いるアドレスデータに一致すると、伝送信号Vsから制
御データを取り込むとともに、伝送信号Vsの信号返送
期間WTに同期して返信データを電流モード信号(信号
線Lsの線間を適当な低インピーダンスを介して短絡す
ることにより送出される信号)として返送する。
【0006】また、伝送処理装置51には、ダミー信号
送信手段および割り込み信号処理手段が設けられる。ダ
ミー信号送信手段は、モードデータ信号MDをダミーモ
ードとしたダミー伝送信号を常時送出する。また、割り
込み信号処理手段は、いずれかの操作用端末器52でス
イッチSの操作に伴って発生した図9(c)のような割
り込み信号Viを受信したときに、割り込み信号Viを
発生した操作用端末器52を検索し、その操作用端末器
52に設定されているアドレスデータを返信データとし
て返送させる。すなわち、常時はダミー信号送信手段に
よってダミー伝送信号を信号線Lsに送出し、スイッチ
SWの操作に伴って操作用端末器52から発生した割り
込み信号Viをダミー伝送信号のスタートパルス信号S
Tに同期して検出すると、伝送処理装置51からは割り
込み処理手段によってモードデータ信号MDをアドレス
確認モードとした伝送信号Vsを信号線Lsに送出す
る。各操作用端末器52では、割り込み信号Viを発生
すると割り込みの要求を行う割り込みフラグを設定し、
割り込みフラグが設定されている操作用端末器52では
モードデータ信号MDがアドレス確認モードの伝送信号
Vsを受信すると、この伝送信号Vsの信号返送期間W
Tに同期して操作用端末器52に設定されているアドレ
スデータを返信データとして返送する。このようにして
伝送処理装置51では割り込み信号Viを発生した操作
用端末器52のアドレスを獲得することができる。
【0007】伝送処理装置51では、割り込み信号Vi
を発生した操作用端末器52のアドレスを獲得すると、
スイッチSWに対する対応関係があらかじめ設定されて
いる負荷Lを接続した制御用端末器53に伝送する制御
データを生成するとともに、その制御データを含む伝送
信号Vsを信号線Lsに送出し、対応する制御用端末器
53に制御データを伝送して負荷Lを制御する。
【0008】操作用端末器52や制御用端末器53で
は、それぞれ信号線Lsを伝送されている伝送信号Vs
を全波整流し安定化することによって内部回路の動作用
の電源を得るようになっている。制御用端末器53に接
続される負荷Lについては別途に電源を設けている。
【0009】ところで、上述した遠隔監視制御システム
において、負荷Lを照明負荷とし、伝送処理装置51か
ら伝送される伝送信号Vsによって照明負荷Lを調光制
御したい場合がある。このような要求を満たすために、
操作用端末器52として照明負荷Lの点灯・消灯のみの
指定ではなく調光レベルの設定も行えるようにした調光
操作用端末器を設け、制御用端末器53として制御デー
タに基づいて照明負荷Lへの供給電力を制御することが
できるようにした調光制御用端末器を設けることが考え
られている。
【0010】このような調光を可能とする調光操作用端
末器のケース1′は、図10、図11に示すように、J
IS規格等において規格化されている埋込型の配線器具
と同様に施工できるように、埋込型の配線器具用に規格
化されている大角形3個用の取付枠60′に取着可能な
外形形状および寸法に設定されている。すなわち、ケー
ス1′の後部は取付枠60′の後方に突出し、造営面の
中にケース1′の後部が挿入された形で造営面に取着さ
れるようになっている。また、内部回路はケース1′に
収納された印刷配線基板よりなる回路基板に実装されて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来構成では、コ
ンクリート壁のように充実した壁の表面を造営面とする
ときには、造営面に埋込ボックスを埋め込み、この埋込
ボックスに螺合するボックスねじを用いて取付枠60′
を取着するのであって、この取付枠60′に後方からケ
ース1′を取着している。したがって、造営面には少な
くとも埋込ボックスの大きさの穴を形成することが必要
であって、比較的大きな穴を形成することになるから、
施工が面倒であるという問題を有している。
【0012】この問題を解決するには、造営面に後部を
埋め込まずにケース1′の後面を造営面に対向させた形
で取着することが考えられるが、上述したように内部回
路がケース1′に収納された回路基板に実装されている
ものであるから、薄形化が困難であって造営面からケー
ス1′の前面までの寸法が大きくなるという問題が生じ
る。
【0013】本発明は上記問題点の解決を目的とするも
のであり、造営面に当接する形で配設される取付枠を用
いているにもかかわらず埋込ボックスを用いることなく
容易に施工することができ、しかも造営面からケースの
前面までの寸法を小さくすることができる遠隔監視制御
システムの調光操作用端末器を提供しようとするもので
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、各別にアドレスを有する複数個
の端末器を2線式の信号線を介して伝送処理装置に時分
割多重接続方式で接続し、伝送処理装置は、アドレスデ
ータを含む伝送信号を信号線に送出することによって端
末器を個別にアクセスし、伝送信号に同期して設定した
信号返送期間に端末器からの操作データを受信すると操
作データに基づいて制御データを生成し、操作データを
発生した端末器とアドレスによる対応関係があらかじめ
設定されている他の端末器に対して制御データを伝送し
てその端末器に接続された照明負荷を点灯・消灯させる
とともに点灯時には制御データに対応する調光レベルに
調光制御する遠隔監視制御システムに用いられ、スイッ
チの操作に基づく操作データを発生する調光操作用端末
器であって、造営面の表面に沿って取着される金属製の
取付枠の取付窓に後部が挿入された形で取付枠に取着さ
れ後面が取付枠の後面に対して同一面ないし前方に位置
するケースを備え、ケースは、後面が造営面に対向し内
部回路を実装する導電路を一体に備えたボディと、ボデ
ィの前面側を覆う形でボディに結合されたカバーとによ
り構成され、ケースの周部が取付枠に設けた取付窓の周
部の前面に当接し、ケースの後部の一方の側面に突設さ
れた取付爪が取付窓の周部に形成された第1受け部の後
面側に当接するとともに、ケースの後部の他方の側面に
突設された係合爪が取付窓の周部に形成された第2受け
部の後面側に当接することによって、ケースの周部と取
付爪および係合爪とにより取付窓の周部を挟持してケー
スが取付枠に取着され、係合爪はケースから離れる向き
の弾性を有する取付舌片を介してケースに連結され、係
合爪の後面はケースに対して取付枠に近づく向きの押力
を作用させたときに第2受け部に当接して係合爪をケー
スに近付ける向きに押すように傾斜し、第1受け部およ
び第2受け部は取付爪および係合爪との当接面が取付枠
の後面よりも前方に位置するように取付枠に対して前方
に突出した形状に形成されて成ることを特徴とする。
【0015】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、造営面からケースの前面までの寸法が通常の配線器
具と同程度に設定されて成ることを特徴とする。
【0016】請求項3の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、スイッチとして、操作毎に照明負荷
の点灯・消灯を切り換えるオン/オフスイッチと、操作
毎に調光レベルを段階的に増加方向に設定するアップス
イッチと、操作毎に調光レベルを段階的に減少方向に設
定するダウンスイッチとを設け、オン/オフスイッチの
操作に対応する照明負荷の動作状態を表示する動作表示
灯と、アップスイッチおよびダウンスイッチの操作に対
応する照明負荷の調光レベルを表示するレベル表示灯と
を付加したことを特徴とする。
【0017】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、動作表示灯およびレベル表示灯はそれぞれ発光ダイ
オードよりなり、ボディの前面に突設された取付台の先
端部にそれぞれ取り付けられて成ることを特徴とする。
【0018】請求項5の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、造営面の中に配設されて信号線の端
部に接続されるコネクタを着脱自在に結合する接続部が
ケースの後面に設けられて成ることを特徴とする。
【0019】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、接続部を介して信号線に電気的に接続されるリード
板がケースの各側面に各一対ずつ露出し、取付枠には複
数個の取付窓が形成されていて各取付窓に装着されるケ
ースから露出するリード板は隣接する取付窓の間に配設
された導電片に接触可能となるように配置されて成るこ
とを特徴とする。
【0020】請求項7の発明は、請求項1または請求項
2の発明において、ケースの前面を通して授受される光
によるワイヤレス信号を送受するワイヤレス送受信部
と、ワイヤレス信号により設定されるデータを保持する
不揮発性のメモリよりなる記憶部と、記憶部に格納され
たデータにより伝送処理装置とのデータ伝送に用いるア
ドレスが決定されるとともに動作機能が決定される信号
処理部とをケースの中に備えて成ることを特徴とする。
【0021】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、信号処理部はパッケージを持たない集積回路である
ことを特徴とする
【0022】
【作用】請求項1の発明によれば、造営面に当接するよ
うに取着される金属製の取付枠の取付窓にケースの後部
を挿入した形でケースを取付枠に取着し、かつケースの
後面を取付枠の後面に対して同一面ないし前方に位置さ
せていることによって、ケースの後部を埋め込むような
穴を造営面に形成する必要がなく、取付枠を造営面に直
接取着すれば埋込ボックスを用いることなく施工するこ
とが可能になるのである。しかも、後面が造営面に対向
し内部回路を実装する導電路を一体に備えたボディと、
ボディの前面側を覆う形でボディに結合されたカバーと
によりケースを構成したことによって、内部回路がボデ
ィに実装されて回路基板が不要になり、ケースの薄形化
が可能になるのである。
【0023】その上、ケースの周部が取付枠に設けた取
付窓の周部の前面に当接し、ケースの後部の一方の側面
に突設された取付爪が取付窓の周部に形成された第1受
け部の後面側に当接するとともに、ケースの後部の他方
の側面に突設された係合爪が取付窓の周部に形成された
第2受け部の後面側に当接することによって、ケースの
周部と取付爪および係合爪とにより取付窓の周部を挟持
してケースが取付枠に取着され、係合爪はケースから離
れる向きの弾性を有する取付舌片を介してケースに連結
され、係合爪の後面はケースに対して取付枠に近づく向
きの押力を作用させたときに第2受け部に当接して係合
爪をケースに近付ける向きに押すように傾斜しているか
ら、ケースに設けた取付爪を取付枠の第1受け部の後面
に当接させた状態でケースを取付枠に向かって押し付け
るだけで、係合爪の後面が第2受け部から受ける力によ
って取付舌片がケースに近付く向きに撓み、係合爪が第
2受け部を乗り越えると係合爪が第2受け部の後面に当
接し、ケースを取付枠に取着することができるのであ
る。すなわち、取付枠の前面側からケースを容易に取り
付けることができるのである。しかも、第1受け部およ
び第2受け部は取付爪および係合爪との当接面が取付枠
の後面よりも前方に位置するように取付枠に対して前方
に突出した形状に形成されているから、ケースの側面に
設けた取付爪および係合爪を取付枠に係合させた状態
で、ケースの後面を取付枠の後面に対して同一面ないし
前方に位置させることが可能になるのである。
【0024】請求項2の発明は、請求項1の発明の望ま
しい実施態様であって、造営面からケースの前面までの
寸法を通常の配線器具と同程度に設定しているので、造
営面にケースの後面を対向させて配置しているにもかか
わず、造営面からの突出寸法を他の一般のスイッチなど
と同程度になり違和感が生じないのである。
【0025】請求項3の発明は、オン/オフスイッチと
アップスイッチとダウンスイッチとの3個のスイッチを
設け、照明負荷の動作状態を表示する動作表示灯と、照
明負荷の調光レベルを表示するレベル表示灯とを付加し
ているので、少数のスイッチおよび動作表示灯とレベル
表示灯とを用いるだけで、調光状態を含む照明負荷の状
態を制御かつ監視することができるのである。
【0026】請求項4の発明は、動作表示灯およびレベ
ル表示灯となる発光ダイオードを、ボディの前面に突設
された取付台の先端部にそれぞれ取り付けられているの
で、動作表示灯およびレベル表示灯を構成する発光ダイ
オードをケースの前面側に近い位置に配置することがで
き、結果的に発光ダイオードの点灯・消灯の状態が視認
しやすくなるのである。
【0027】請求項5の発明は、造営面の中に配設され
て信号線の端部に接続されるコネクタを着脱自在に結合
する接続部をケースの後面に設けているので、ケースに
は信号線を直接接続するような端子部を設ける必要がな
くケースを薄型に形成することが可能となり、しかもコ
ネクタに信号線を接続することによって信号線との電気
的接続は確実なものとすることができる。すなわち、コ
ネクタを用いる場合には造営面にコネクタを埋め込むた
めの穴を形成する必要があるが、埋込ボックスを用いる
場合に比較すれば造営面に形成する穴は小さく、容易に
施工することができる。しかも、造営面を形成する際に
造営面の中に信号線をあらかじめ配線しておくことが可
能になって、信号線が外部に露出することがなく外観を
美麗にして施工することができるのである。
【0028】請求項6の発明は、コネクタをケースに着
脱する構成について、ケースの各側面に接続部を介して
信号線に電気的に接続されるリード板を設け、それぞれ
ケースを取り付ける取付窓を複数個備えた取付枠につい
て隣接する取付窓の間に設けた導電片に、各取付窓に取
り付けたケースのリード板を接触させるので、取付枠の
各取付窓にケースを取り付けるだけでケース間での信号
線の送り配線を行うことができ、複数個のケースのうち
の1個にのみコネクタを接続すればすべてのケースに対
して信号線を接続することができることになる。すなわ
ち、複数個のケースを設ける場合であっても、造営面に
はコネクタを埋め込むための穴を1個だけ形成すればよ
く施工作業が容易になるのである。
【0029】請求項7の発明は、ケースの前面を通して
光によるワイヤレス信号を送受するワイヤレス送受信部
と、ワイヤレス信号により設定されるデータを保持する
不揮発性のメモリよりなる記憶部と、記憶部に格納され
たデータにより伝送処理装置とのデータ伝送に用いるア
ドレスが決定されるとともに動作機能が決定される信号
処理部とを備え、ワイヤレス信号を発生する設定器を用
いて記憶部にデータを書き込むことによってアドレスお
よび動作機能を外部から設定するから、アドレスや動作
機能の設定・変更が容易になるのである。しかも、ケー
スの前面を通してワイヤレス信号によってアドレスや動
作機能を設定するから、ケースを取付枠から外す必要が
ないのである。
【0030】請求項8の発明では、パッケージを持たな
い集積回路によって信号処理部を構成しているので、パ
ッケージを有する集積回路に比較すれば占有スペースを
小さくすることができ、結果的にケースの前後方向の寸
法を小さくすることが可能になって、ケースの薄形化が
可能になるのである
【0031】
【実施例】図4に調光操作用端末器のブロック図を示
す。すなわち、マイクロプロセッサを主構成とする専用
の集積回路よりなる信号処理部81を備え、信号処理部
81は送受信回路部82を通して信号線Lsに接続され
る。信号処理部81にはスイッチ入力回路部80が接続
され、スイッチ入力回路部80には3個のスイッチSW
1 〜SW3 (図1参照)が設けられる。すなわち、スイ
ッチSW1 は押操作毎に照明負荷Lを点灯・消灯させる
オン/オフスイッチであって、スイッチSW2は押操作
毎に照明負荷Lの調光レベルを段階的に増加方向に設定
するアップスイッチ、スイッチSW3 は押操作毎に照明
負荷Lの調光レベルを段階的に減少方向に設定するダウ
ンスイッチになっている。信号処理部81は不揮発性の
メモリよりなる記憶部83に格納された機能データおよ
びアドレスデータに基づいて動作する。アドレスデータ
は、調光操作用端末器に固有なアドレスを定める。機能
データは、端末器の種別が調光操作用であることを示す
データや、オン/オフスイッチSW1 の操作に各照明負
荷Lを一対一に対応付けるか、オン/オフスイッチSW
1 に複数個の照明負荷Lを対応付けるかという対応関係
のデータなどを含む。記憶部83に格納される機能デー
タおよびアドレスデータは、受光素子および発光素子を
備えるワイヤレス送受信部84により授受されるアドレ
ス設定器55(図8参照)からの赤外線等によるワイヤ
レス信号により書換可能になっている。調光操作用端末
器の内部回路の電源は信号線Ls上の伝送信号Vsを送
受信回路部82に設けた電源回路部(図示せず)によっ
て全波整流し安定化することによって得られる。
【0032】アドレス設定器55は、赤外線によるワイ
ヤレス信号を送出するのであって、記憶部83に格納す
る機能データおよびアドレスデータの設定、確認、修正
を行う。すなわち、ワイヤレス送受信部84でアドレス
設定器55からのワイヤレス信号を受信すると、ワイヤ
レス信号の要求する動作に従って信号処理部81では記
憶部83のデータを操作する。データの設定が要求され
たときには、ワイヤレス信号の内容に従って記憶部83
のデータを書換え、また、ワイヤレス信号を正常に受信
したことを示す受信確認信号をワイヤレス送受信部84
を通してアドレス設定器55に返す。データの確認が要
求されると、記憶部83のデータを読み出してアドレス
設定器55に伝送し、データの修正が要求されると、設
定の場合と同様に所要のデータを書き込み、書き込んだ
データをアドレス設定器55に返送する。
【0033】調光操作用端末器には、オン/オフスイッ
チSW1 の操作に伴う照明負荷Lの点灯・消灯の動作状
態に対応して点灯・消灯する発光ダイオードよりなる動
作表示灯85a(図1参照)と、アップスイッチSW2
およびダウンスイッチSW3の操作時に照明負荷Lの調
光レベルを示す6個の発光ダイオードよりなるレベル表
示灯85bとが設けられ、動作表示灯85aおよびレベ
ル表示灯85bは表示回路部86を介して信号処理部8
1に接続されている。さらに、信号処理部81にはクロ
ック信号を発生させるための発振回路部87や、始動時
に信号処理部81をリセットするリセット回路部88が
接続される。
【0034】図1に示すように、ケース1は、上記回路
を実装する導電路を一体に備えた矩形状のボディ10
と、後面開口する前後の厚みが小さい直方体状に形成さ
れボディ10の前面の開口を覆うカバー20と、カバー
20の前面を覆う化粧カバー30とにより形成される。
ボディ10とカバー20とは、カバー20の後面側に突
設された組立爪(図示せず)をボディ10の一方の側縁
部に形成した組立孔(図示せず)の周部に係合させると
ともに、ボディ10に穿孔した透孔12(図5参照)を
通して挿入された組立ねじ(図示せず)をカバー20の
裏面に突設されているボス22(図5参照)に螺合させ
ることによって結合される。ここに、カバー20はボデ
ィ10よりも上下寸法が大きく、また、ボディ10の後
部はカバー20の後面よりも後方に突出する。化粧カバ
ー30の裏面には係着爪(図示せず)が突設され、カバ
ー20に形成された係着孔23の周部に係着爪を係合さ
せることによってカバー20に対して化粧カバー30が
着脱自在に結合される。化粧カバー30の前面には合成
樹脂シートよりなる銘板40が貼着される。
【0035】ボディ10の右側面には一対の取付爪13
が突設され、ボディ10の左側面の一部にはカバー20
に連続一体に形成された取付舌片24が対向する。取付
舌片24の先端部には、ケース1の前後方向における取
付爪13と同じ位置でボディ10の左側方に突出する係
合爪25が形成されている。カバー20において取付舌
片24の基部には、図5に示すように、カバー20を前
後に貫通する外し孔35が形成され、外し孔35にドラ
イバの先端部などを挿入すれば係合爪25をケース1に
近づけるように取付舌片24を撓ませることができるよ
うになっている。
【0036】カバー20には、回路基板2に実装された
押釦スイッチであるオン/オフスイッチSW1 、アップ
スイッチSW2 、ダウンスイッチSW3 にそれぞれ対応
する位置で、操作部としての操作片26が設けられる。
操作片26はカバー20に形成した操作孔27の中に挿
入されていて、前後に弾性的に移動できるように操作片
26の周部の要所が操作孔27の周縁に連続一体に結合
されている。すなわち、操作片26に前方(図1の上
方)から押力を作用させると各スイッチSW1 〜SW3
をそれぞれ操作することができ、操作片26に作用させ
る押力を解除すると操作孔27の周縁と操作片26とを
連結する部位の弾性によって操作片26が元の位置に復
帰するようにしてある。操作片26の前部はカバー20
よりも前方に突出する。カバー20には、動作表示灯8
5aおよびレベル表示灯85bがそれぞれ露出する表示
孔28a,28bが形成され、さらにワイヤレス信号を
授受する受光素子LRおよび発光素子LEを露出させる
信号孔29も形成されている。
【0037】化粧カバー30には、操作片26の前部が
挿通される挿通孔31が各操作片26に対応して穿孔さ
れ、さらにカバー20の表示孔28a,28bおよび信
号孔29に対応する部位に、表示孔32a,32bおよ
び信号孔33が穿孔されている。ここに、操作片26の
前部は化粧カバー30の前面からわずかに突出するよう
に寸法が設定されている。また、化粧カバー30をカバ
ー20に取り付けた状態では外し穴35は化粧カバー3
0によって覆われる。
【0038】銘板40には、操作片26に対応する部位
にやや前方に突出するように周部に段差を有する操作部
41が形成され、操作部41は操作片26を操作できる
ように厚み方向に可撓性を有している。銘板40は大部
分が透明であって操作部41と操作片26との間に挟ま
れるネームカード(図示せず)に表記された文字などを
読むことができるようになっている。銘板40において
表示孔32a,32bや信号孔33が並ぶ部位には帯状
に非透光部42が形成され、非透光部42において表示
孔32a,32bに対応する部位には可視光線を透過さ
せる透光部43a,43bが形成され、非透光部42に
おいて信号孔33に対応する部位には赤外線を透過させ
る赤外線透過部44が形成される。
【0039】ところで、ボディ10には上述のように導
電路が一体に形成されている。この導電路としては、ボ
ディ10をMCB(molded circuit board)として形成す
ることによってインジェクションモールドした導電板を
用いたり、ボディ10の成形後にボディ10の前面側の
表面に形成した導電路を用いたり、両者を併用したりす
ることができる。ボディの前面側に導電路を形成する方
法としては、導電板を前面に貼着する方法、導電ペース
トを印刷する方法、導電薄膜を形成する方法などがあ
る。すなわち、回路基板を用いることなくボディ10に
内部回路を実装することができるのであって、回路基板
を用いる場合に比較して薄形化が可能になるのである。
ボディ10に形成された導電路にはボディ10の周壁を
貫通する導電性を有する板ばねよりなるリード板3の一
端部が半田により接続される。リード板3の他端部には
ケース1の後面側に略J形に折曲された接触部3aが形
成される。リード板3はケース1の左右の各側面につい
て各一対ずつ設けられる。ボディ10の後面にはコネク
タ4(図2参照)が機械的に結合される結合孔16およ
びコネクタ4の導電部をケース1の中に導入する接続孔
(図示せず)がコネクタ4との接続部として開口し、結
合孔16および接続孔は各一対設けられ弧状に形成され
る。また、接続孔に対応する部位ではボディ10の中に
接続台17が形成され、接続孔に臨む接続台17の後面
にはコネクタ4の接触子に接触する導電パターンが形成
される。コネクタ4は、結合孔16の周縁に係合する略
L形の引掛部を有し、引掛部を結合孔16に挿入してコ
ネクタ4を回転させると、コネクタ4がケース1に結合
され、かつ接触子が導電パターンに圧接するようになっ
ている。コネクタ4は信号線Lsをケース1の内部回路
に接続するために用いられ、ケース1の左右の各側面に
露出した各一対のリード板3は回路基板2の導電パター
ンを介して信号線Lsに電気的に接続される。
【0040】ボディ10の前面には信号処理部81など
を構成する集積回路を実装する取付凹所19が形成され
ている。これらの集積回路はパッケージを有していな
い、いわゆるベアチップであって、パッケージを持つ場
合に比較すれば占有空間が削減されることになる。
【0041】また、ボディ10の前面には、動作表示灯
85aおよびレベル表示灯85bを構成する各発光ダイ
オードをそれぞれ取り付ける複数の取付台18が突設さ
れている。各取付台18の先端面は発光ダイオードを取
着するためにやや凹んだ形になっている。また、取付台
18の先端部はカバー20の表示孔28a,28bに挿
入される。このように取付台18の先端部に動作表示灯
85aやレベル表示灯85bを取り付けていることによ
って、各発光ダイオードはケース1の前面側に位置する
ことになり、点灯・消灯の状態が視認しやすくなるので
ある。すなわち、取付台18を設けていない場合には、
発光ダイオードからの光出力の一部がケース1の内部に
放射されるから、光出力の一部がケース1の外に取り出
されることなく損失することになるが、取付台18を設
けたことによって光出力の損失が少なくなるのである。
また、ケース1の内方に発光ダイオードを配置する場合
に比較して発光ダイオードを見込む範囲が広くなり、発
光ダイオードの点灯・消灯の状態を視認可能とする範囲
が広がるのである。
【0042】上述のように形成されたケース1は、図3
に示すような金属製の取付枠60に取着される。図3に
示す取付枠60は2個の取付窓61を有し、各取付窓6
1にそれぞれケース1を取着できるようになっている。
各取付窓61の右側部にはケース1に設けた取付爪13
が係合可能な第1受け部62が形成され、各取付窓61
の左側部には係合爪25が係合可能な第2受け部63が
形成される。第1受け部62および第2受け部63は、
取付枠60の一部を厚み方向の前方に打ち出して形成さ
れており、第1受け部62に取付爪13を挿入し、かつ
第2受け部63に係合爪25を挿入したときに、カバー
20の後面が取付枠60の前面に当接することによって
ケース1が取付枠60に固定されるようになっている。
またケース1を取付枠60に取着した状態では、ケース
1の後面は取付枠60の後面とほぼ面一ないし取付枠6
0の後面よりもやや前方に位置するように寸法関係が設
定してある。
【0043】図5(a)のように取付枠60から外れて
いるケース1を取付枠60に取着するには、図5(b)
のようにケース1の左端部に形成された取付爪13を取
付枠60の第1受け部62に係合させた状態でケース1
の右端部を取付枠60に向かって押し付けるようにす
る。ここで、取付舌片24の先端部に設けた係合爪25
の後面(図5の下面)は係合爪25の先端に向かって前
方に傾斜しているから、ケース1を取付枠60に押し付
けると係合爪25の後面が第2受け部63の前面に当接
することによって、取付舌片24が係合爪25を取付爪
13に近づける向きに撓み、その後、図5(c)のよう
に係合爪25が第2受け部63に導入されて、ケース1
が取付枠60に固定されるのである。
【0044】一方、図6(a)のように取付枠60に取
着されているケース1を取付枠60から外すには、図6
(b)のように化粧カバー30をカバー20から外し、
カバー20に設けた外し孔35を露出させる。ここで、
外し孔35にドライバの先端部などの工具36を挿入す
れば、取付舌片24が撓んで係合爪25と第2受け部6
3との係合状態が解除されるから、図6(c)のように
ケース1を取付枠60に対して傾けることができるよう
になり、図6(d)のように取付枠60からケース1を
取り外すことができるのである。
【0045】以上説明したように、ケース1を取付枠6
0に取着する際には、工具36を用いることなくケース
1を取付枠60に前方から押し付けるだけでよいのであ
る。また、ケース1を外す際にはドライバのような簡単
な工具36を用いるだけであるから、取付枠60に対す
るケース1の着脱作業は容易である。ここで、ケース1
を取付枠60から外すときには、化粧カバー30を外す
作業を必要としていることによって、施工方法を知る業
者以外の者がいたずらなどでケース1を外す頻度が少な
くなるのである。また、従来構成では取付枠60に対し
て後方からケースを取着するようになっていたことに比
較すれば、取付枠60を造営面に固定した状態でケース
1を着脱することができ、保守などの際のケース1の着
脱が容易になる。
【0046】取付枠60の各取付窓61の上下には、そ
れぞれボックスねじが挿通される各一対の左右に長い長
孔状の取付孔64が形成される。上下の取付孔64の距
離は、JIS規格等によって規格化されている埋込型配
線器具の施工時に用いる埋込ボックスの舌片に螺合する
ボックスねじを挿通することができるように設定されて
いる。すなわち、上下の取付孔64の間隔は、規格化さ
れた単位寸法の埋込型配線器具を3個まで取り付けるこ
とができる大角形3個用の取付枠と等しく設定されてい
るのである。その結果、配線器具用の既製の埋込ボック
スに取付枠61を取着することができるのである。
【0047】また、取付枠60の各取付窓61の上下に
は、それぞれプレートねじが螺合するプレート用ねじ孔
65が形成され、規格化された埋込型配線器具の施工時
に用いる化粧プレート5(図2参照)を取付枠60に取
着できるようになっている。化粧プレート5は取付枠6
0に固定される下プレート5aと、下プレート5aに結
合される外プレート5bとからなる。このように、埋込
型の配線器具に用いられている既製の化粧プレートを取
付枠60に取着できるようにしているから、埋込ボック
スだけではなく化粧プレートについても既製のものを流
用することができ、施工に要する部材の製造コストの増
加を抑制することができるのである。
【0048】取付枠60における各取付窓61の上下に
は、各一対の引掛孔66も形成されており、壁パネルな
どに形成した取付用孔の周部を取付枠60との間で挟持
する挟み金具の一端部を引掛孔66に挿入した状態で、
取付孔64を通して挟み金具に螺合させた引き付けねじ
を締め付けることによって、挟み金具の端部を取付枠6
0に近づけることができるようになっている。
【0049】ところで、取付枠60の中央片69には第
1受け部62および第2受け部63とは異なる位置で、
他の部位よりも幅が狭くなるように両側部を切欠した形
状のブリッジ71が2箇所に形成されている。ブリッジ
71には、絶縁性材料よりなる基台70が嵌着される。
基台70の前面には両取付窓61に跨がる方向に走る保
持溝73が形成され、保持溝73の中には導電性材料よ
りなる導電片74が固着される。基台70の後面には、
ブリッジ71の両側の切欠部分にそれぞれ嵌着される一
対の脚片75が突設されている。基台70をブリッジ7
1に嵌着した状態では、基台70の左右両側面と取付枠
60の中央片の左右両側面とはほぼ面一になる。
【0050】上述したブリッジ71は、取付枠60にケ
ース1を取着した状態でケース1から露出しているリー
ド板3の接触部3aに対応するように設けられ、図7に
示すように、接触部3aの一部は基台70の保持溝73
に導入されて導電片74に当接するようになっている。
ここに、リード板3は板ばねによって形成され、前後方
向(図7の上下方向)に弾性を有しているから、接触部
3aと導電片74とは確実に接触する。したがって、取
付枠60の2個の取付窓61の中にケース1を取り付け
るときに、取付枠60に2個の基台70を取り付けてお
けば、両ケース1の間でリード板3が電気的に接続され
ることになる。上述したようにリード板3はコネクタ4
を介して信号線Lsに接続されるので、両ケース1の間
で信号線が送り配線されることになる。すなわち、2個
のケース1のうちの一方に対してコネクタ4を接続して
信号線Lsを一方のケース1に接続すれば、他方のケー
ス1に対してはリード板3および導電片74を介して信
号線Lsが接続されることになるから、2個のケース1
を設けていてもコネクタ4は1個だけ設ければよいこと
になる。
【0051】上述した構成によれば、ケース1の後面は
取付枠60の後面よりも前方に位置しているから、取付
枠60を造営面に当接させて取り付ける際に、ケース1
の後部を挿入する穴を造営面に形成する必要がなく施工
作業が容易になるのである。しかも、1個のケース1に
コネクタ4を接続すれば、取付枠60に取着した導電片
74を介して各ケース1の間で信号線Lsを送り配線す
ることができるから、埋込ボックス4を1個だけ用いれ
ば複数個のケース1を造営面に取り付けることが可能に
なるのである。また、造営面に対して埋込ボックス4を
用いずに取付枠60を直接取り付けるようにしてもよ
く、その場合にはコネクタ4を収納できる大きさの穴を
造営面に形成するだけでよいから、埋込ボックスを用い
る場合に比較して施工が一層容易になるのである。
【0052】上記構成では、ボディ10は、規格化され
た配線器具の単位寸法の3個分程度の上下寸法および左
右寸法を有しているのであって、薄型ながらも比較的大
きな収納空間をケース1の中に形成することができるか
ら、比較的多数の部品をケース1に収納することが可能
である。また、上記実施例では取付枠60に対して2個
のケース1を取り付けるようにしているが、1個のケー
ス1のみを取着するように取付枠60を形成したり、3
個以上のケース1を取着することができるように取付枠
60を形成してもよい。
【0053】
【発明の効果】請求項1の発明は上述のように、造営面
に当接するように取着される金属製の取付枠の取付窓に
ケースの後部を挿入した形でケースを取付枠に取着し、
かつケースの後面を取付枠の後面と同じか前方に位置さ
せていることによって、ケースの後部を埋め込むような
穴を造営面に形成する必要がなく、取付枠を造営面に直
接取着すれば埋込ボックスを用いることなく施工するこ
とが可能になるという利点がある。また、後面が造営面
に対向し内部回路を実装する導電路を一体に備えたボデ
ィと、ボディの前面側を覆う形でボディに結合されたカ
バーとによりケースを構成しているので、内部回路がボ
ディに実装されて回路基板が不要になり、ケースの薄形
化が可能になるという利点がある。
【0054】その上、ケースの周部が取付枠に設けた取
付窓の周部の前面に当接し、ケースの後部の一方の側面
に突設された取付爪が取付窓の周部に形成された第1受
け部の後面側に当接するとともに、ケースの後部の他方
の側面に突設された係合爪が取付窓の周部に形成された
第2受け部の後面側に当接することによって、ケースの
周部と取付爪および係合爪とにより取付窓の周部を挟持
してケースが取付枠に取着され、係合爪はケースから離
れる向きの弾性を有する取付舌片を介してケースに連結
され、係合爪の後面はケースに対して取付枠に近づく向
きの押力を作用させたときに第2受け部に当接して係合
爪をケースに近付ける向きに押すように傾斜しているか
ら、ケースに設けた取付爪を取付枠の第1受け部の後面
に当接さ せた状態でケースを取付枠に向かって押し付け
るだけで、係合爪の後面が第2受け部から受ける力によ
って取付舌片がケースに近付く向きに撓み、係合爪が第
2受け部を乗り越えると係合爪が第2受け部の後面に当
接し、ケースを取付枠に取着することができるのであ
る。すなわち、取付枠の前面側からケースを容易に取り
付けることができるという効果を奏するのである。しか
も、第1受け部および第2受け部は取付爪および係合爪
との当接面が取付枠の後面よりも前方に位置するように
取付枠に対して前方に突出した形状に形成されているか
ら、ケースの側面に設けた取付爪および係合爪を取付枠
に係合させた状態で、ケースの後面を取付枠の後面に対
して同一面ないし前方に位置させることが可能になると
いう利点を有するのである。
【0055】請求項2の発明では、造営面からケースの
前面までの寸法を通常の配線器具と同程度に設定してい
るので、造営面にケースの後面を対向させて配置してい
るにもかかわらず、造営面からの突出寸法を他の一般の
スイッチなどと同程度になり違和感が生じないという利
点がある。
【0056】請求項3の発明は、オン/オフスイッチと
アップスイッチとダウンスイッチとの3個のスイッチを
設け、照明負荷の動作状態を表示する動作表示灯と、照
明負荷の調光レベルを表示するレベル表示灯とを付加し
ているので、少数のスイッチおよび動作表示灯とレベル
表示灯とを用いるだけで、調光状態を含む照明負荷の状
態を制御かつ監視することができるという利点を有す
る。
【0057】請求項4の発明は、動作表示灯およびレベ
ル表示灯となる発光ダイオードを、ボディの前面に突設
された取付台の先端部にそれぞれ取り付けられているの
で、動作表示灯およびレベル表示灯を構成する発光ダイ
オードをケースの前面側に近い位置に配置することがで
き、結果的に発光ダイオードの点灯・消灯の状態が視認
しやすくなるという効果を奏する。
【0058】請求項5の発明は、造営面の中に配設され
て信号線の端部に接続されるコネクタを着脱自在に結合
する接続部をケースの後面に設けているので、ケースに
は信号線を直接接続するような端子部を設ける必要がな
くケースを薄型に形成することが可能となり、しかもコ
ネクタに信号線を接続することによって信号線との電気
的接続は確実なものとすることができるという効果があ
る。すなわち、コネクタを用いる場合には造営面にコネ
クタを埋め込むための穴を形成する必要があるが、埋込
ボックスを用いる場合に比較すれば造営面に形成する穴
は小さく、容易に施工することができる。しかも、造営
面を形成する際に造営面の中に信号線をあらかじめ配線
しておくことが可能になって、信号線が外部に露出する
ことがなく外観を美麗にして施工することができるとい
う利点を有するのである。
【0059】請求項6の発明は、コネクタをケースに着
脱する構成について、ケースの各側面に接続部を介して
信号線に電気的に接続されるリード板を設け、それぞれ
ケースを取り付ける取付窓を複数個備えた取付枠につい
て隣接する取付窓の間に設けた導電片に、各取付窓に取
り付けたケースのリード板を接触させるので、取付枠の
各取付窓にケースを取り付けるだけでケース間での信号
線の送り配線を行うことができ、複数個のケースのうち
の1個にのみコネクタを接続すればすべてのケースに対
して信号線を接続することができることになる。すなわ
ち、複数個のケースを設ける場合であっても、造営面に
はコネクタを埋め込むための穴を1個だけ形成すればよ
く施工作業が容易になるという効果がある。
【0060】請求項7の発明は、ケースの前面を通して
光によるワイヤレス信号を送受するワイヤレス送受信部
と、ワイヤレス信号により設定されるデータを保持する
不揮発性のメモリよりなる記憶部と、記憶部に格納され
たデータにより伝送処理装置とのデータ伝送に用いるア
ドレスが決定されるとともに動作機能が決定される信号
処理部とを備え、ワイヤレス信号を発生する設定器を用
いて記憶部にデータを書き込むことによってアドレスお
よび動作機能を外部から設定するから、アドレスや動作
機能の設定・変更が容易になるのである。しかも、ケー
スの前面を通してワイヤレス信号によってアドレスや動
作機能を設定するから、ケースを取付枠から外す必要が
ないという利点がある。
【0061】請求項8の発明は、パッケージを持たない
集積回路によって信号処理部を構成しているので、パッ
ケージを有する集積回路に比較すれば占有スペースを小
さくすることができ、結果的にケースの前後方向の寸法
を小さくすることが可能になって、ケースの薄形化が可
能になるという効果がある
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】実施例にコネクタを取着した状態の側面図であ
る。
【図3】実施例に用いる取付枠の斜視図である。
【図4】実施例のブロック図である。
【図5】実施例においてケースを取付枠に取着する手順
を示す断面図である。
【図6】実施例においてケースを取付枠から外す手順を
示す断面図である。
【図7】実施例におけるリード板と導電片との接続状態
を示す断面図である。
【図8】遠隔監視制御システムの概略構成図である。
【図9】遠隔監視制御システムに用いる伝送信号を説明
する動作説明図である。
【図10】従来例を示し、(a)は正面図、(b)は側
面図である。
【図11】他の従来例を示し、(a)は正面図、(b)
は側面図である。
【符号の説明】
1 ケース 3 リード板 4 コネクタ 10 ボディ 13 取付爪 16 結合孔 17 接続台 18 取付台 19 取付凹所 20 カバー 24 取付舌片 25 係合爪 51 伝送処理装置 52 操作用端末器 53 制御用端末器 60 取付枠 61 取付窓 62 第1受け部 63 第2受け部 74 導電片 81 信号処理部 83 記憶部 84 ワイヤレス送受信部 85a 動作表示灯 85b レベル表示灯 L 負荷 Ls 信号線 SW1 オン/オフスイッチ SW2 アップスイッチ SW3 ダウンスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠原 健 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−299109(JP,A) 特開 平3−124414(JP,A) 特開 平3−107298(JP,A) 実開 昭62−157139(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04Q 9/00 - 9/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各別にアドレスを有する複数個の端末器
    を2線式の信号線を介して伝送処理装置に時分割多重接
    続方式で接続し、伝送処理装置は、アドレスデータを含
    む伝送信号を信号線に送出することによって端末器を個
    別にアクセスし、伝送信号に同期して設定した信号返送
    期間に端末器からの操作データを受信すると操作データ
    に基づいて制御データを生成し、操作データを発生した
    端末器とアドレスによる対応関係があらかじめ設定され
    ている他の端末器に対して制御データを伝送してその端
    末器に接続された照明負荷を点灯・消灯させるとともに
    点灯時には制御データに対応する調光レベルに調光制御
    する遠隔監視制御システムに用いられ、スイッチの操作
    に基づく操作データを発生する調光操作用端末器であっ
    て、造営面の表面に沿って取着される金属製の取付枠の
    取付窓に後部が挿入された形で取付枠に取着され後面が
    取付枠の後面に対して同一面ないし前方に位置するケー
    スを備え、ケースは、後面が造営面に対向し内部回路を
    実装する導電路を一体に備えたボディと、ボディの前面
    側を覆う形でボディに結合されたカバーとにより構成さ
    れ、ケースの周部が取付枠に設けた取付窓の周部の前面
    に当接し、ケースの後部の一方の側面に突設された取付
    爪が取付窓の周部に形成された第1受け部の後面側に当
    接するとともに、ケースの後部の他方の側面に突設され
    た係合爪が取付窓の周部に形成された第2受け部の後面
    側に当接することによって、ケースの周部と取付爪およ
    び係合爪とにより取付窓の周部を挟持してケースが取付
    枠に取着され、係合爪はケースから離れる向きの弾性を
    有する取付舌片を介してケースに連結され、係合爪の後
    面はケースに対して取付枠に近づく向きの押力を作用さ
    せたときに第2受け部に当接して係合爪をケースに近付
    ける向きに押すように傾斜し、第1受け部および第2受
    け部は取付爪および係合爪との当接面が取付枠の後面よ
    りも前方に位置するように取付枠に対して前方に突出し
    た形状に形成されて成ることを特徴とする遠隔監視制御
    システムの調光操作用端末器。
  2. 【請求項2】 造営面からケースの前面までの寸法が通
    常の配線器具と同程度に設定されて成ることを特徴とす
    る請求項1記載の遠隔監視制御システムの調光操作用端
    末器。
  3. 【請求項3】 スイッチとして、操作毎に照明負荷の点
    灯・消灯を切り換えるオン/オフスイッチと、操作毎に
    調光レベルを段階的に増加方向に設定するアップスイッ
    チと、操作毎に調光レベルを段階的に減少方向に設定す
    るダウンスイッチとを設け、オン/オフスイッチの操作
    に対応する照明負荷の動作状態を表示する動作表示灯
    と、アップスイッチおよびダウンスイッチの操作に対応
    する照明負荷の調光レベルを表示するレベル表示灯とを
    付加したことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の遠隔監視制御システムの調光操作用端末器。
  4. 【請求項4】 動作表示灯およびレベル表示灯はそれぞ
    れ発光ダイオードよりなり、ボディの前面に突設された
    取付台の先端部にそれぞれ取り付けられて成ることを特
    徴とする請求項3記載の遠隔監視制御システムの調光操
    作用端末器。
  5. 【請求項5】 造営面の中に配設されて信号線の端部に
    接続されるコネクタを着脱自在に結合する接続部がケー
    スの後面に設けられて成ることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の遠隔監視制御システムの調光操作用
    端末器。
  6. 【請求項6】 接続部を介して信号線に電気的に接続さ
    れるリード板がケースの各側面に各一対ずつ露出し、取
    付枠には複数個の取付窓が形成されていて各取付窓に装
    着されるケースから露出するリード板は隣接する取付窓
    の間に配設された導電片に接触可能となるように配置さ
    れて成ることを特徴とする請求項5記載の遠隔監視制御
    システムの調光操作用端末器。
  7. 【請求項7】 ケースの前面を通して授受される光によ
    るワイヤレス信号を送受するワイヤレス送受信部と、ワ
    イヤレス信号により設定されるデータを保持する不揮発
    性のメモリよりなる記憶部と、記憶部に格納されたデー
    タにより伝送処理装置とのデータ伝送に用いるアドレス
    が決定されるとともに動作機能が決定される信号処理部
    とをケースの中に備えて成ることを特徴とする請求項1
    または請求項2記載の遠隔監視制御システムの調光操作
    用端末器。
  8. 【請求項8】 信号処理部はパッケージを持たない集積
    回路であることを特徴とする請求項7記載の遠隔監視制
    御システムの調光操作用端末器。
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