JP3215496B2 - 油中水型乳化組成物 - Google Patents

油中水型乳化組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧品、医薬品、医薬
部外品、トイレタリー用品等の各種産業分野において利
用される油中水型乳化組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、油中水型(W/O型)エマルジョ
ンのクリーム、乳液等を調製する場合の乳化剤として
は、HLBの低い非イオン界面活性剤系、金属石鹸系
(ステアリン酸アルミニウム、ステアルン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸亜鉛等)、並びにHLBの低い非イオ
ン界面活性剤と、金属石鹸系、デキストリン脂肪酸エス
テル及びショ糖脂肪酸エステルの1以上との併用系、な
どから適宜選択して調製していた。
【0003】しかしながら、これらの乳化剤系の場合に
は無極性の流動パラフィン、スクワランなどの油類に対
する乳化性は良いが、極性のある油脂類、トリグリセラ
イド類、エステル類などの油に対してW/Oエマルジョ
ンを作り、安定化させることは困難であり、又、限られ
た油類に対するものでしか調製できなかった。また、金
属石鹸を用いる乳化では、製造工程において金属石鹸を
一度高温(100℃以上)に上げて乳化しようとする油類に
溶解しなければならないというような作業が必要であ
り、工程上手間がかかるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】このように従来広く
使用されていた界面活性剤では、ごく限られた油類でし
か乳化がうまくゆかず、目的とする油中水型(W/O)
の乳化組成物の範囲が限定されていた。したがって、フ
ィーリング等の使用感においても限られた感触になり、
ベタツキや伸びが悪いというような問題点があった。ま
た、極性のある油類に対して安定なエマルジョンを作る
のが困難であるというような問題点があった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記の問題を解決する
ために、本発明は乳化剤として、原料脂肪酸類のうち少
なくとも一部がOH基を有する脂肪酸類同士またはOH
基を有する脂肪酸類とOH基を有しない脂肪酸類とが縮
合した2量体以上のオリゴ脂肪酸類であるアミドベタイ
ン型両性界面活性剤を用いるという手段を採用したもの
であり、以下その詳細を述べる。
【0006】この問題を解決するために用いられている
アミドベタイン型両性界面活性剤の製造原料の1つであ
る脂肪酸類(A)としては、OH基を有するもの及びO
H基を有しないものがあるが、これらの具体例について
は後述する。本発明においては、脂肪酸類(A)のうち
少なくとも一部は、ヒマシ油脂肪酸(主成分リシノール
酸)、その低級アルキルエステル、水添ヒマシ油脂肪酸
(12−ヒドロキシステアリン酸)、その低級アルキルエ
ステルなどのOH基を有する脂肪酸類同士またはOH基
を有する脂肪酸類とOH基と有しない脂肪酸類との縮合
反応物である2量体以上のオリゴ脂肪酸類であることが
必要である。なお、単量体が混在していても差し支えな
いが、この場合でも全体を平均した場合には 1.3量体以
上、特に1.5量体以上、さらには 1.8量体以上、特に好
ましくは 2.0量体以上となるように留意する。2量体以
上のオリゴ脂肪酸類の割合が余りに少ないときは、油性
物質との相溶性が悪くなる。オリゴ脂肪酸の縮合度は、
縮合反応の困難さや、でき上り品の溶解性等を考慮し
て、2量体から7又は8量体程度までが適当であるが、
より多量体とすることが好ましい場合もある。
【0007】一方、もう1つの原料である分子内に一級
または二級のアミノ基と三級窒素とを有するジアミン
(B)としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアミ
ン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−
ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノ
エチルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、
N,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミン、N−
アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリ
ン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピル
ピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−
アミノプロピル−4−ピペコリン、N−メチルピペラジ
ン、N−ヒドロキシエトキシピペラジン、2−メチルア
ミノエチルピリジンなどが例示されるが、一級または二
級のアミノ基と三級窒素とを有する限りにおいてはこれ
らに限定されるものではない。
【0008】最後の原料である四級化剤(C)として
は、四級化するものであればよいが、モノクロル酢酸ま
たはそのナトリウム塩が実用上最も適している。
【0009】本発明のアミドベタイン型両性界面活性剤
は、新規物質であり、脂肪酸類(A)とジアミン(B)
とを反応させてアミド化を行い、つづいて得られたアミ
ドの三級窒素を四級化剤(C)により四級化することに
より得られうるものであるが、その詳細は後に説明す
る。
【0010】本発明において乳化活性剤として使用する
オリゴ脂肪酸の縮合体としては、前述のように2量体以
上であり、縮合度に関しても脂肪酸に関しても単一系で
も復合系でも適宜選択しうるものである。オリゴ脂肪酸
の縮合度は、前述のように、2量体から7又は8量体程
度までが適当であるが、特にはその上限はない。又、現
在一般にW/O型エマルジョンを作るのに使用されてい
る界面活性剤(乳化剤)と併用しても何ら問題をおこさ
ない。
【0011】本発明において使用する油相成分として
は、例えば、流動パラフィン、スクワラン、イソパラフ
ィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、パラ
フィンワックス等の液状、半固体状(グリース状)もし
くは固体の炭化水素類;オクチルドデシルミリステー
ト、イソプロピルパルミテート、セチル−2−エチルヘ
キサノエート、オレイルオレエート、ブチルイソステア
レート、セチルラクテート、ジイソプロピルアジペー
ト、ジイソステアリルマレート、ビタミンEアセテー
ト、ビタミンAパルミテート、ビタミンCステアレート
等のエステル油類;ミツロウ、鯨ロウ、キャンデリラロ
ウ、モクロウ、カルナバロウ等のワックス類;オリーブ
油、大豆油、サフラワー油、アーモンド油、椿油、ホホ
バ油、ヒマシ油、ゴマ油、ヤシ油、サザンカ油等の植物
性油脂類;牛脂、豚脂、ミンク油、タートル油、卵黄油
等の動物性油脂類;キミルアルコール、ベヘニルアルコ
ール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコー
ル、セタノール、ミリスチルアルコール、オレイルアル
コール、オクチルドデカノール等の高級アルコール類;
2−エチルヘキシルトリグリセライド、カプリルトリグ
リセライド、カプリルカプロントリグリセライド、オレ
イルトリグリセライド等のトリグルセライド類:ラウリ
ン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イ
ソステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、リノール
酸、リノレイン酸等の高級脂肪酸類;ジメチルシリコー
ン、メチルフェニルシリコーン、環状シリコーン、変性
シリコーン、高分子シリコーン等のシリコーン油類など
の従来から化粧品および医薬部外品、医薬品、トイレタ
リー製品、洗浄剤、食品等の分野で使用されている油相
成分があり、これらの一種以上のものが使用できる。
【0012】一方、本発明において使用する水相成分と
しては、水;水とエタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール及びンジルアルコールなどの一価
アルコール、エチレングリコール、ブロピレングリコー
ル、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレング
リコール、ヘキシレングリコール及びジプロピレングリ
コールなどのグリコール、グリセリン、ジグリセリン、
トリグリセリン及びそれ以上のポリグリセリンなどのグ
リセリン、並びに/又はグルコース、マルトース、マル
チトール、ショ糖及びソルビトールなどの分子内に2個
以上の水酸基を有する多価アルコールとの混合物;その
他従来から化粧品、医薬部外品、医薬品、トイレタリー
製品、洗浄剤、食品等にすでに利用されている水相成分
があり、これらは一種以上のものが使用できる。
【0013】本発明の乳化組成物は、これらの必須成分
により形成されるW/O型エマルジョンが破壊されない
限りは、それ以外の成分を含んでいてもよく、例えば薬
効物質、紫外線吸収剤、防腐殺菌剤、酸化防止剤、着香
料、着色料、増粘剤、安定剤等の各種添加剤を配合して
もよい。また、通常使用する必要はないが、乳化組成物
の使用目的によっては、従来使用されている界面活性剤
(乳化剤)を併用しても何等問題はない。
【0014】本発明において、アミドベタイン型両性界
面活性剤(乳化剤)の配合量は 0.5〜30重量%、好まし
くは1〜10重量%である。というのは、 0.5重量%以下
では乳化力が弱く、安定度も悪くなる。また、30重量%
以上では油相での溶解性が低下し、粘度が高くなるので
好ましくない。
【0015】油相成分は2〜95重量%、好ましくは20〜
80重量%である。2重量%以下では油相での本発明の界
面活性剤の溶解性が悪く、乳化しずらくなるからであ
る。
【0016】また、水相成分は5〜90重量%、好ましく
は20〜70重量%であり、90重量%以上では安定度が悪く
なる。
【0017】また、本発明における脂肪酸類(A)とし
ては、OH基を有する脂肪酸類がヒマシ油脂肪酸類また
は/および水添ヒマシ油脂肪酸であるアミドベタイン型
両性界面活性剤であり、具体的に化学式で示すとつぎの
ようになる。
【0018】脂肪酸類(A)がヒマシ油脂肪酸の主成分
であるリシノール酸の2量体以上のn量体である場合を
下記化学式(1)に示す。
【0019】
【化1】
【0020】また、脂肪酸類(A)が水添ヒマシ油脂肪
酸の主成分である12−ヒドロキシステアリン酸の2量体
以上のn量体である場合は、式(1) の二重結合の個所が
いずれも−CH2 −CH2 −となる。そして、脂肪酸類
(A)がリシノール酸とオレイン酸との2量体以上のn
量体である場合は、下記化学式(2) で示される。
【0021】
【化2】
【0022】先に述べたように、本発明のアミドベタイ
ン型両性界面活性剤は新規物質であるが、その製造法
は、例えば、次の通りである。
【0023】本発明のオリゴ脂肪酸アミドベタイン型両
性界面活性剤は、OH基を有する脂肪酸類同士またはO
H基を有する脂肪酸類とOH基を有しない脂肪酸類とが
縮合した2量体以上のオリゴ脂肪酸類(A)、分子内に
一級または二級のアミノ基と三級窒素とを有するジアミ
ン(B)および四級化剤(C)の反応により取得するこ
とができる。
【0024】オリゴ脂肪酸類(A)は、OH基を有する
脂肪酸類を単独であるいは実質的にOH基を有しない脂
肪酸類と共に加熱下に縮合反応されることにより得られ
る。このオリゴ化は次に述べるアミド化反応と同時に行
うこともできるが、アミド化反応に先立ち予めオリゴ脂
肪酸類を合成しておく方が有利である。
【0025】ここでOH基を有する脂肪酸類としては、
ヒマシ油脂肪酸(主成分はリシノール酸)またはその低
級アルキルエステル、水添ヒマシ油脂肪酸(主成分は12
−ヒドロキシステアリン酸)またはその低級アルキルエ
ステルなどがあげられ、OH基を有しない脂肪酸類とし
ては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、モンタン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム
油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、水添牛脂脂
肪酸などの高級脂肪酸、あるいはこれらの脂肪酸の炭素
数1〜4程度の低級アルキルエステルが用いられる。
【0026】上記のアミド化反応は、通常、不活性ガス
雰囲気下に 140〜230 ℃程度の温度に加熱することによ
り行われる。
【0027】四級化反応は、通常、無溶媒であるいは溶
媒の存在下に60〜100 ℃程度の温度に加熱することによ
り行われる。四級化反応は、イソプロピルアルコールや
エタノールなどの溶媒の存在下に行うことが好ましく、
このことは水を含まない系では円滑な反応のために重要
である。
【0028】なお、上記の製造法に関しては、特願平3-
17102 号及び特願平3-122555号明細書も参照。
【0029】
【実施例】以下に本発明の油中水型乳化組成物の実施例
を示す。これらの実施例は、本発明をより詳しく説明す
るためのものであり、本発明の範囲を限定するものでは
なく、種々の変更が可能である。なお、実施例に謂う%
はいずれも重量%を示す。また、実施例にある水添ヒマ
シ油脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸)の2量体、
3量体及び5量体のアミドプロピルベタインは以下それ
ぞれ2HR、3HR及び5HRと略し、ヒマシ油脂肪酸
(リシノール酸)の2量体、4量体及び5量体のアミド
プロピルベタインは以下それぞれ2R、4R及び5Rと
略すことがある。
【0030】実施例1(オリゴ脂肪酸アミドベタイン型
両性界面活性剤の合成) 合成例1 ヒマシ油脂肪酸 641.4g(2.1モル)を検水管と還流冷却
器を備えた反応容器に仕込み、窒素気流下 170〜200 ℃
で系外に水を除去しながら中和価が90になるまで反応さ
せた。これにより、ヒマシ油脂肪酸2量体に相当するオ
リゴ脂肪酸(オリゴ脂肪酸残基の炭素数は約36)が得ら
れた。
【0031】この反応物を80℃にまで冷却し、ついで
N,N−ジメチルアミノプロピルアミン 122.4g(1.2モ
ル)を加えて、窒素気流下 150〜160 ℃で系外に水を除
去しながら6時間反応させた。その後、 120〜140 ℃で
減圧下に脱水および過剰のアミンの除去回収を行った。
このものの全アミン価は85.0であった。
【0032】この反応物 198.0g(0.3モル)を冷却管付
き反応容器に入れ、さらにモノクロル酢酸ナトリウム3
8.3g(0.33モル)、エタノール55.0gおよび精製水496
gを加えて、80℃で6時間攪拌反応させて目的物(2
R)を得た。収量 748g。
【0033】合成例2 水添ヒマシ油脂肪酸 388.5g(1.26モル)を中和価が60
になるまで合成例1と同様に反応させた。これにより、
水添ヒマシ油脂肪酸3量体に相当するオリゴ脂肪酸(オ
リゴ脂肪酸残基の炭素数は約54)が得られた。
【0034】この反応物を80℃にまで冷却し、ついで
N,N−ジメチルアミノプロピルアミン79.6g(0.78モ
ル)を加え、合成例1と同条件で反応させた。このもの
の全アミン価は79.3であった。
【0035】この反応物 212.2g(0.3モル)を冷却管付
き反応容器に入れ、ここへイソプロピルアルコール 16
5.0gにモノクロル酢酸28.4g(0.3モル)を溶かしたも
のと炭酸水素ナトリウム30.2g(0.36モル)を入れて合
成例1と同様に反応させ、濾過後、精製水 658gを加え
て目的物(3HR)を得た。収量1038g。
【0036】合成例3 ヒマシ油脂肪酸 390.3g(1.27モル)を中和価が45にな
るまで合成例1と同様に反応させた。これにより、ヒマ
シ油脂肪酸4量体(オリゴ脂肪酸残基の炭素数は約72)
に相当するオリゴ脂肪酸が得られた。
【0037】この反応物を80℃まで冷却し、ついでN,
N−ジメチルアミノプロピルアミン36.3g(0.36モル)
を加え、合成例1と同条件で反応させた。このものの全
アミン価は46.8であった。
【0038】この反応物 119.9g(0.1モル)を冷却管付
き反応容器に入れ、ここへイソプロピルアルコール92.0
gにモノクロル酢酸 9.5g(0.1モル)を溶かしたものと
炭酸水素ナトリウム10.1g(0.12モル)を入れて合成例
1と同様に反応させ、濾過後精製水215gを加えて目的物
(4R)を得た。収量 424g。
【0039】合成例4 ヒマシ油脂肪酸 204.0g(0.66モル)とオレイン酸95.2
g(0.48モル)とを中和価が90になるまで合成例1と同
様に反応させた。これにより、ヒマシ油脂肪酸のOH基
にオレイン酸のCOOH基が縮合した2量体を主とする
オリゴ脂肪酸(オリゴ脂肪酸残基の炭素数は約36)が得
られた。
【0040】この反応物を80℃にまで冷却し、ついで
N,N−ジメチルアミノプロピルアミン61.2g(0.6モ
ル)を加え、合成例1と同条件で反応させた。このもの
の全アミン価は96.3であった。
【0041】この反応物 175.0g(0.3モル)を冷却管付
き反応容器に入れ、ここへイソプロピルアルコール 14
0.0gにモノクロル酢酸28.2g(0.3モル)を溶かしたも
のと炭酸水素ナトリウム25.2g(0.3モル)を入れて合成
例1と同様に反応させ、濾過後精製水 350gを加えて目
的物を得た。収量 682g。
【0042】実施例2(油類に対する乳化性の評価) (処方)下記第1表に示す。
【0043】
【表1】
【0044】(調整方法)油類と乳化剤を混合し70〜75
℃に加温する。そしてその中へ攪拌下70〜75℃の水を入
れ乳化する。その後40℃まで冷却する。
【0045】(評価方法)上記方法により出来たエマル
ジョンを目盛り付きネスラー管に50ml入れ、42.5℃に2
日間放置して分離度及び乳化状態を観察した。
【0046】分離度=[透明相(ml) /50ml]×100 (a) 無極性の油(スクワラン)に対する乳化性 結果を下記第2表に示す。
【0047】
【表2】
【0048】3HR、5HR、4R及びRともに乳化状
態は良好で、特に5HRは安定度においてもセスキオレ
イン酸ソルビタンと同等の乳化力を有しており有効であ
った。
【0049】(b) エステル類の油(オクタン酸セチル)
に対する乳化性 結果を下記第3表に示す。
【0050】
【表3】
【0051】3HR、5HR、4R及び5Rは乳化状態
も良好で全く分離がなく、安定なエマルジョンが調製で
きることが判明した。そして従来より使われているセス
キオレイン酸ソルビタンでは乳化状態も悪く、エマルジ
ョンの安定性が悪く分離した。
【0052】(c) トルグリセライド類の油(トリオクタ
ングリセル)に対する乳化性 結果を第4表に示す。
【0053】
【表4】
【0054】3HR、5HR、4R及び5Rは乳化状態
も良好で全く分離がなく、安定なエマルジョンが調製で
きることが判明した。そして従来より使われているセス
キオレイン酸ソルビタンでは乳化状態も悪く、エマルジ
ョンの安定度も良くなかった。
【0055】上記の実施例2により、化粧品等で従来よ
り用いられてきた界面活性剤では無極性の油類に対して
は良好なエマルジョンを得ることが出来たが、極性のあ
る油類に対しては安定なエマルジョンを調製できなかっ
たところ、本発明による界面活性剤(乳化剤)を用いる
ことにより、特に12−ヒドロキシステアリン酸の3量
体、5量体及びヒマシ油脂肪酸の4量体、5量体のアミ
ドプロピルベタインを乳化剤として使用すると、極性の
ある油類に対しても良好で安定なエマルジョンをえるこ
とができた。
【0056】実施例3(エマルジョンの安定性) 処方を下記第5表に示すものに変えた以外は、前記実施
例2におけると同様の操作にてエマルジョンを調製し、
このものを42.5℃に7日間保管し安定度を比較した。
【0057】
【表5】
【0058】結果を第5表に併記した。
【0059】上記結果より、本発明の界面活性剤を使用
するときは、0.5 重量%以上の配合が好ましいことが判
明した。
【0060】実施例4(サンスクリーンクリーム) (配合成分及び合割合)下記第6表に示す。
【0061】
【表6】
【0062】(調製方法)上記(1) 〜(12)の成分を加熱
溶解して75℃の混合物を調製し、これをホモミクサーで
攪拌しながら、75℃に加熱した(13)の成分を加えて乳化
を行い、その後攪拌しながら35℃まで冷却して油中水型
のエマルジョン(サンスクリーンクリーム)を得た。
【0063】得られたエマルジョンを一部取り出し、4
2.5℃の恒温水槽中に放置してエマルジョンの耐熱安定
性を調べたところ、30日間経過してもエマルジョンは破
壊されず、また顔料の分散性も良く、このことから安定
なエマルジョンが得られたことがわかる。
【0064】実施例5(サンスクリーン乳液) (配合成分及び配合割合)下記第7表に示す。
【0065】
【表7】
【0066】(調製方法)上記(1) 〜(11)の成分を加熱
溶解して75℃の混合物を調製し、これをホモミクサーで
攪拌しながら75℃に加熱した(12)及び(13)の成分を加え
て乳化を行い、その後攪拌しながら40℃まで冷却して油
中水型のエマルジョン(サンスクリーン乳液)を得た。
【0067】このようにして得られたエマルジョンは、
実施例4と同様に充分に乳化され、同様の安定性を有し
ていた。また、このものは伸びがよく使用感が良かっ
た。
【0068】実施例6(ハンドクリーム) (a) ハンドクリーム(その1) (配合成分及び配合割合)下記第8表に示す。
【0069】
【表8】
【0070】(調製方法)上記(1) 〜(12)の成分を加熱
溶解して75℃の混合物を調製し、これをホモミクサーで
攪拌しながら75℃に加熱した(12)及び(13)の成分を加え
て乳化を行い、その後攪拌しながら35℃まで冷却して油
中水型エマルジョン(ハンドクリーム(その1))を得
た。
【0071】このようにして得られたエマルジョンは、
実施例4と同様に充分に乳化され、同様の安定性を有
し、またこのものも伸びがよく、ベタつく感触もなくサ
ッパリとして使用感が良かった。
【0072】(b) ハンドクリーム(その2) (配合成分及び配合割合)下記第9表に示す。
【0073】
【表9】
【0074】(調製方法)上記(1) 〜(10)の成分を加熱
溶解して80℃の混合物を調製し、これをホモミクサーで
攪拌しながら80℃に加熱した(11)〜(14)の成分を加えて
乳化を行い、その後攪拌しながら40℃まで冷却して油中
水型のエマルジョン(ハンドクリーム(その2))を得
た。
【0075】このようにして得られたエマルジョンは、
実施例4と同様に充分に乳化され、同様の安定性を有し
ていた。
【0076】実施例7(吸水軟膏) (配合成分及び配合割合)下記第10表に示す。
【0077】
【表10】
【0078】(調製方法)第12改正日本薬局方(第二
部)「吸水軟膏」の製法に準じた。すなわち、 (1)〜
(5) の成分を加熱溶解して75℃の混合物を調製し、これ
をホモミクサーで攪拌しながら80℃に加熱溶解した (5)
〜(8) の成分を加えて乳化を行なった。その後固まるま
で攪拌冷却を行い、油中水型の安定なエマルジョン(吸
水軟膏)を得た。
【0079】
【発明の効果】本発明の乳化組成物は、従来汎用されて
いる界面活性剤を使用した乳化物に劣らない安定性の良
いW/O型乳化物を得ることができ、しかもいままで
は、乳化しずらく安定化することが困難であった極性の
ある油類に対しても安定なW/O型乳化物が得られ、使
用感においても伸びやベタツキ等の改善がみられ、種々
の感触のものが適宜調製できるようになったのでこの発
明の意義はきわめて大きいということができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 235/10 C07C 235/10 (72)発明者 川浦 清治 大阪府大阪市中央区道修町1丁目7番11 号 岩瀬コスフア株式会社内 (72)発明者 松田 憲雄 大阪府大阪市中央区道修町1丁目7番11 号 岩瀬コスフア株式会社内 (72)発明者 藤谷 直樹 大阪府大阪市中央区道修町1丁目7番11 号 岩瀬コスフア株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−327522(JP,A) 特開 平4−235730(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 B01J 13/00 C11D 1/90

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸類(A)、分子内に一級又は二級
    のアミノ基と三級窒素とを有するジアミン(B)および
    四級化剤(C)の反応により得られるアミドベタイン型
    両性界面活性剤であって、上記の脂肪酸類(A)のうち
    少なくとも一部がOH基を有する脂肪酸類同士またはO
    H基を有する脂肪酸類とOH基を有しない脂肪酸類とが
    縮合した2量体以上のオリゴ脂肪酸類であるアミドベタ
    イン型両性界面活性剤の乳化剤成分と、油相成分と水相
    成分とからなる油中水型エマルジョンを特徴とする乳化
    組成物。
  2. 【請求項2】 該乳化剤成分が 0.5〜30重量%、油相成
    分が2〜95重量%、水相成分が5〜90重量%である請求
    項1に記載の油中水型乳化組成物。
  3. 【請求項3】 原料のOH基を有する脂肪酸類が、ヒマ
    シ油脂肪酸類または水添ヒマシ油脂肪酸であるアミドベ
    タイン型両性界面活性剤を乳化剤成分とする請求項1に
    記載の乳化組成物。
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