JP3215353B2 - ケイ酸カルシウム板材及びその製造方法 - Google Patents
ケイ酸カルシウム板材及びその製造方法Info
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- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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- C04B28/18—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
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- C04B20/00—Use of materials as fillers for mortars, concrete or artificial stone according to more than one of groups C04B14/00 - C04B18/00 and characterised by shape or grain distribution; Treatment of materials according to more than one of the groups C04B14/00 - C04B18/00 specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone; Expanding or defibrillating materials
- C04B20/10—Coating or impregnating
- C04B20/1055—Coating or impregnating with inorganic materials
- C04B20/1074—Silicates, e.g. glass
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケイ酸カルシウム
板材及びその製造方法に関し、例えば建築分野において
利用できる。
板材及びその製造方法に関し、例えば建築分野において
利用できる。
【0002】
【背景技術】従来、建材として使用されていた木質板
は、燃える、腐る、変形するなどの欠点があるうえ、天
然資源の消費であるため、地球環境の保全や自然災害の
点からも好ましくなかった。このため、このような木質
板の替わりの建材として、セメント、シリカ質原料及び
繊維補強材を主原料とするケイ酸カルシウム板材が使用
されるようになってきている。このケイ酸カルシウム板
材は、不燃性を有し、しかも腐朽や虫害の虞れがなく、
耐久性に優れている。また、同一形状、同一品質のもの
を大量生産することができるため、生産管理上も好都合
である。
は、燃える、腐る、変形するなどの欠点があるうえ、天
然資源の消費であるため、地球環境の保全や自然災害の
点からも好ましくなかった。このため、このような木質
板の替わりの建材として、セメント、シリカ質原料及び
繊維補強材を主原料とするケイ酸カルシウム板材が使用
されるようになってきている。このケイ酸カルシウム板
材は、不燃性を有し、しかも腐朽や虫害の虞れがなく、
耐久性に優れている。また、同一形状、同一品質のもの
を大量生産することができるため、生産管理上も好都合
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のケイ酸カル
シウム板材は、比重が高く、材質が硬くて脆いため、加
工性や施工性が悪いという欠点があった。従来、このよ
うな欠点を解消するために種々の改善案が提案されてき
た。しかし、強度を重視して強度向上を図ろうとする
と、板材の比重や硬度が高くなり、この結果、加工性や
施工性が悪くなる。一方、比重や硬度を重視してこれら
を低くしようとすると、強度が低下するという相反する
関係があり、両者を同時に満足させることは困難であっ
た。
シウム板材は、比重が高く、材質が硬くて脆いため、加
工性や施工性が悪いという欠点があった。従来、このよ
うな欠点を解消するために種々の改善案が提案されてき
た。しかし、強度を重視して強度向上を図ろうとする
と、板材の比重や硬度が高くなり、この結果、加工性や
施工性が悪くなる。一方、比重や硬度を重視してこれら
を低くしようとすると、強度が低下するという相反する
関係があり、両者を同時に満足させることは困難であっ
た。
【0004】従来、軽量化を目的としてケイ酸カルシウ
ム板材中に軽量骨材を含有させることが行われている。
しかし、軽量骨材がパーライトの場合、超軽量ではある
が、中空構造であるため、点加重強度が小さく、原料配
合物を攪拌、混練した後の押出し成形又はプレス成形の
際にパーライトの一部が圧縮破壊されて軽量化効果が劣
るようになり、加えて板材の強度低下が著しくなる。
ム板材中に軽量骨材を含有させることが行われている。
しかし、軽量骨材がパーライトの場合、超軽量ではある
が、中空構造であるため、点加重強度が小さく、原料配
合物を攪拌、混練した後の押出し成形又はプレス成形の
際にパーライトの一部が圧縮破壊されて軽量化効果が劣
るようになり、加えて板材の強度低下が著しくなる。
【0005】また、軽量骨材がフライアッシュ焼成発泡
体の場合、板材の軽量性や衝撃強度の点で充分ではな
い。また、軽量骨材として有機系のスチレンビーズ等を
使用した場合には、不燃性能、強度、価格等で劣るう
え、オートクレーブ養生後にはビーズの焼失による残痕
が生じて美観性に問題があり、生産性にも劣っていた。
一方、成形圧に耐えられるような高圧圧縮可能な有機系
発泡体を使用した場合には、成形後に発泡体が弾性回復
するため、板材表面の平滑性が損なわれる。
体の場合、板材の軽量性や衝撃強度の点で充分ではな
い。また、軽量骨材として有機系のスチレンビーズ等を
使用した場合には、不燃性能、強度、価格等で劣るう
え、オートクレーブ養生後にはビーズの焼失による残痕
が生じて美観性に問題があり、生産性にも劣っていた。
一方、成形圧に耐えられるような高圧圧縮可能な有機系
発泡体を使用した場合には、成形後に発泡体が弾性回復
するため、板材表面の平滑性が損なわれる。
【0006】そこで、本発明は、軽量でありながら強度
に優れたケイ酸カルシウム板材及びその製造方法を提供
することを目的とする。
に優れたケイ酸カルシウム板材及びその製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
ケイ酸カルシウム板材は、セメント、シリカ質原料、繊
維補強材、及びガラス焼成発泡軽量骨材を含有し、前記
ガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこ
のガラス製発泡粒の膨張係数より小さい膨張係数を有す
るガラス製粉末が付着、焼成されたものであり、このガ
ラス焼成発泡軽量骨材の含有量が5〜20wt%であること
を特徴とする。
ケイ酸カルシウム板材は、セメント、シリカ質原料、繊
維補強材、及びガラス焼成発泡軽量骨材を含有し、前記
ガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこ
のガラス製発泡粒の膨張係数より小さい膨張係数を有す
るガラス製粉末が付着、焼成されたものであり、このガ
ラス焼成発泡軽量骨材の含有量が5〜20wt%であること
を特徴とする。
【0008】前記繊維補強材としては、有機系及び無機
系の繊維補強材を使用できる。有機系繊維補強材には、
セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、
等が含まれる。無機系繊維補強材には、ガラス繊維、炭
素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維、アルミニウ
ム繊維、等が含まれる。前記ガラス製発泡粒は、ガラス
粉にドロマイト等の発泡剤と、造粒のためのベントナイ
ト等の結合剤を添加したものを、CMC等のバインダー
を使用して造粒した後、焼成すれば製造できる。
系の繊維補強材を使用できる。有機系繊維補強材には、
セルロース繊維、ポリプロピレン繊維、アラミド繊維、
等が含まれる。無機系繊維補強材には、ガラス繊維、炭
素繊維、炭化ケイ素繊維、ステンレス繊維、アルミニウ
ム繊維、等が含まれる。前記ガラス製発泡粒は、ガラス
粉にドロマイト等の発泡剤と、造粒のためのベントナイ
ト等の結合剤を添加したものを、CMC等のバインダー
を使用して造粒した後、焼成すれば製造できる。
【0009】前記ガラス粉として、瓶ガラス、板ガラス
等の廃ガラスを使用すれば、産業廃棄物のリサイクルの
面から好ましい。前記ガラス製粉末の膨張係数は、ガラ
スに仮焼ワラストナイト、ベントナイト、等の粘度鉱物
を適当量添加して調整することができる。前記ガラス製
発泡粒とガラス製粉末の割合(体積cc/重量g)は、10
0:50〜100:20が好ましく、より好ましくは100:45〜100:
30である。
等の廃ガラスを使用すれば、産業廃棄物のリサイクルの
面から好ましい。前記ガラス製粉末の膨張係数は、ガラ
スに仮焼ワラストナイト、ベントナイト、等の粘度鉱物
を適当量添加して調整することができる。前記ガラス製
発泡粒とガラス製粉末の割合(体積cc/重量g)は、10
0:50〜100:20が好ましく、より好ましくは100:45〜100:
30である。
【0010】ガラス製発泡粒の表面に前記ガラス製粉末
を付着、焼成してコーティングしておくことにより、ガ
ラス製粉末がガラス製発泡粒の表面に三次元の網目構造
のように存在するため、板材製造の際の焼成工程におけ
る冷却歪みが少なくなり、また板材としての機械的強度
が増す。
を付着、焼成してコーティングしておくことにより、ガ
ラス製粉末がガラス製発泡粒の表面に三次元の網目構造
のように存在するため、板材製造の際の焼成工程におけ
る冷却歪みが少なくなり、また板材としての機械的強度
が増す。
【0011】前記ガラス焼成発泡軽量骨材が5wt%未満
の場合には、板材の軽量化、加工性、施工性に関する配
合効果が殆ど得られなくなり、20wt%を超えると板材の
強度が不充分になるうえ、板材表面に骨材が露出して板
材の美観を損なう。本ケイ酸カルシウム板材中には、必
要に応じて、セメント以外の石灰質原料、鉱物微粉末等
の混和材、ケイ酸カルシウム板材の粉砕物等の増量材、
等を添加してもよい。前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、
独立気泡を無数に内蔵するハニカム構造であるため、点
加重強度が大きい。
の場合には、板材の軽量化、加工性、施工性に関する配
合効果が殆ど得られなくなり、20wt%を超えると板材の
強度が不充分になるうえ、板材表面に骨材が露出して板
材の美観を損なう。本ケイ酸カルシウム板材中には、必
要に応じて、セメント以外の石灰質原料、鉱物微粉末等
の混和材、ケイ酸カルシウム板材の粉砕物等の増量材、
等を添加してもよい。前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、
独立気泡を無数に内蔵するハニカム構造であるため、点
加重強度が大きい。
【0012】本発明の第2発明に係るケイ酸カルシウム
板材は、第1発明において、前記ガラス製発泡粒は、そ
の膨張係数が2.5×10-5〜3.5×10-5/℃であり、前記ガ
ラス製粉末は、その膨張係数が5.0×10-6〜2.0×10-5/
℃であることを特徴とする。前記ガラス製発泡粒とガラ
ス製粉末の膨張係数は、具体的には上記範囲にあること
が前記冷却歪みや機械的強度の点から好ましい。より好
ましくは、前記ガラス製発泡粒の膨張係数を2.7×10-5
〜3.3×10-5/℃とし、前記ガラス製粉末の膨張係数を5.
0×10-6〜1.5×10-5/℃とする。
板材は、第1発明において、前記ガラス製発泡粒は、そ
の膨張係数が2.5×10-5〜3.5×10-5/℃であり、前記ガ
ラス製粉末は、その膨張係数が5.0×10-6〜2.0×10-5/
℃であることを特徴とする。前記ガラス製発泡粒とガラ
ス製粉末の膨張係数は、具体的には上記範囲にあること
が前記冷却歪みや機械的強度の点から好ましい。より好
ましくは、前記ガラス製発泡粒の膨張係数を2.7×10-5
〜3.3×10-5/℃とし、前記ガラス製粉末の膨張係数を5.
0×10-6〜1.5×10-5/℃とする。
【0013】本発明の第3発明に係るケイ酸カルシウム
板材は、第1又は第2発明において、前記ガラス焼成発
泡軽量骨材は、その平均粒径が0.3〜1.2mmであることを
特徴とする。0.3mmより小さいと、焼成発泡が不完全で
軽量化効果に劣るようになり、1.2mmより大きいと板材
表面に露出した骨材が板材の美観を損なうことになる。
板材は、第1又は第2発明において、前記ガラス焼成発
泡軽量骨材は、その平均粒径が0.3〜1.2mmであることを
特徴とする。0.3mmより小さいと、焼成発泡が不完全で
軽量化効果に劣るようになり、1.2mmより大きいと板材
表面に露出した骨材が板材の美観を損なうことになる。
【0014】本発明の第4発明に係るケイ酸カルシウム
板材は、第1〜第3発明のいずれかにおいて、前記ガラ
ス焼成発泡軽量骨材は、その含有量が8〜17wt%である
ことを特徴とする。前記含有量は、好ましい含有量であ
る。
板材は、第1〜第3発明のいずれかにおいて、前記ガラ
ス焼成発泡軽量骨材は、その含有量が8〜17wt%である
ことを特徴とする。前記含有量は、好ましい含有量であ
る。
【0015】本発明の第5発明は、セメント、シリカ質
原料、繊維補強材、及びガラス焼成発泡軽量骨材を含有
し、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラス製発泡粒の
表面にこのガラス製発泡粒の膨張係数より小さい膨張係
数を有するガラス製粉末が付着、焼成されたものであ
り、このガラス焼成発泡軽量骨材の含有量が5〜20wt%
である原料を使用したケイ酸カルシウム板材の製造方法
において、押出し成形においては、前記原料に押出し助
剤となるセルロース系誘導体を加えて押し出し成形する
ことを特徴とする。
原料、繊維補強材、及びガラス焼成発泡軽量骨材を含有
し、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラス製発泡粒の
表面にこのガラス製発泡粒の膨張係数より小さい膨張係
数を有するガラス製粉末が付着、焼成されたものであ
り、このガラス焼成発泡軽量骨材の含有量が5〜20wt%
である原料を使用したケイ酸カルシウム板材の製造方法
において、押出し成形においては、前記原料に押出し助
剤となるセルロース系誘導体を加えて押し出し成形する
ことを特徴とする。
【0016】前記ガラス焼成発泡軽量骨材の具体的内容
は、第1発明に記載した通りである。前記セルロース系
誘導体には、メチルセルロース等を使用できる。このセ
ルロース系誘導体がセメントケイ酸カルシウムマトリッ
クスと、ガラス焼成発泡軽量骨材との結合を強固にする
バインダとしての機能を有する。前記押出し成形は、表
面が平坦な板材、表面模様が比較的浅い板材、立体構造
部材、等の成形物の場合に使用することができる。前記
原料に適量の水を加えて板材形状に押し出した後、通常
通り高温高圧のオートクレーブ養生を施す。
は、第1発明に記載した通りである。前記セルロース系
誘導体には、メチルセルロース等を使用できる。このセ
ルロース系誘導体がセメントケイ酸カルシウムマトリッ
クスと、ガラス焼成発泡軽量骨材との結合を強固にする
バインダとしての機能を有する。前記押出し成形は、表
面が平坦な板材、表面模様が比較的浅い板材、立体構造
部材、等の成形物の場合に使用することができる。前記
原料に適量の水を加えて板材形状に押し出した後、通常
通り高温高圧のオートクレーブ養生を施す。
【0017】この押出し成形の際、前記ガラス焼成発泡
軽量骨材は、低吸水性であって、骨材の吸水による経時
変化が殆どないため、安定した押出し成形性、保形性が
得られるようになる。また、原料混練物の吸水率(水/
固形分比)を低くできるため、板材の強度が大きくな
る、含水率を小さくできる、等の相乗効果も得られる。
また、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、点加重強度が大
きいため、骨材を壊さないで原料を充分に混練でき、配
合材料の均一分散性を高めて、優れた美観、高強度の板
材を製造できる。更に、球形度が良いため、押出し性が
良く、低押出し圧で押出し速度を大きくでき、生産効率
が向上する。
軽量骨材は、低吸水性であって、骨材の吸水による経時
変化が殆どないため、安定した押出し成形性、保形性が
得られるようになる。また、原料混練物の吸水率(水/
固形分比)を低くできるため、板材の強度が大きくな
る、含水率を小さくできる、等の相乗効果も得られる。
また、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、点加重強度が大
きいため、骨材を壊さないで原料を充分に混練でき、配
合材料の均一分散性を高めて、優れた美観、高強度の板
材を製造できる。更に、球形度が良いため、押出し性が
良く、低押出し圧で押出し速度を大きくでき、生産効率
が向上する。
【0018】本発明の第6発明は、セメント、シリカ質
原料、繊維補強材、及びガラス焼成発泡軽量骨材を5〜
20wt%含有する原料を使用し、前記ガラス焼成発泡軽量
骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこのガラス製発泡粒の
膨張係数より小さい膨張係数を有するガラス製粉末が付
着、焼成されたものであるケイ酸カルシウム板材の製造
方法において、脱水プレス成形においては、前記ガラス
焼成発泡軽量骨材の表面をバインダで被覆しておくこと
を特徴とする。
原料、繊維補強材、及びガラス焼成発泡軽量骨材を5〜
20wt%含有する原料を使用し、前記ガラス焼成発泡軽量
骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこのガラス製発泡粒の
膨張係数より小さい膨張係数を有するガラス製粉末が付
着、焼成されたものであるケイ酸カルシウム板材の製造
方法において、脱水プレス成形においては、前記ガラス
焼成発泡軽量骨材の表面をバインダで被覆しておくこと
を特徴とする。
【0019】前記ガラス焼成発泡軽量骨材の具体的内容
は、第1発明に記載した通りである。前記バインダとし
ては、水ガラス等の無機系バインダ、SBRラテック
ス、PVA溶液等の有機系バインダを使用できる。前記
脱水プレス成形は、表面模様が比較的深い板材の場合に
使用することができる。前記原料に適量の水を加えて板
材形状に脱水プレス成形した後、通常通り高温高圧のオ
ートクレーブ養生を施す。
は、第1発明に記載した通りである。前記バインダとし
ては、水ガラス等の無機系バインダ、SBRラテック
ス、PVA溶液等の有機系バインダを使用できる。前記
脱水プレス成形は、表面模様が比較的深い板材の場合に
使用することができる。前記原料に適量の水を加えて板
材形状に脱水プレス成形した後、通常通り高温高圧のオ
ートクレーブ養生を施す。
【0020】この脱水プレス成形の際、前記ガラス焼成
発泡軽量骨材は、軽量骨材の中ではかさ比重が約0.4と
比較的大きく、低濃度のスラリーでも骨材の分離(浮
遊)が起こりにくく、幅広い濃度の選定が可能になる。
スラリーを低濃度にすると、特に繊維の分散がよくな
り、強度等の物性や美観が向上する。逆に、高濃度にす
ると、脱水時間を短縮できる。このガラス焼成発泡軽量
骨材は、点加重強度が大きく、高圧プレスが可能となっ
てプレス圧の範囲を広く設定でき、比重調整が容易にな
る。例えば高比重で、深い柄を板材に形成する場合には
高圧にし、低比重、浅い柄の条件で低圧でもよい場合に
おいて高圧にすれば脱水が促進されて所要時間が短縮
し、生産性が向上する。このように、原料配合、物性・
テクスチャー等の製品設計、設備などの条件に応じた対
応がしやすくなるため、スラリー濃度、プレス圧、所要
時間等の最適条件の選定幅が広がる。
発泡軽量骨材は、軽量骨材の中ではかさ比重が約0.4と
比較的大きく、低濃度のスラリーでも骨材の分離(浮
遊)が起こりにくく、幅広い濃度の選定が可能になる。
スラリーを低濃度にすると、特に繊維の分散がよくな
り、強度等の物性や美観が向上する。逆に、高濃度にす
ると、脱水時間を短縮できる。このガラス焼成発泡軽量
骨材は、点加重強度が大きく、高圧プレスが可能となっ
てプレス圧の範囲を広く設定でき、比重調整が容易にな
る。例えば高比重で、深い柄を板材に形成する場合には
高圧にし、低比重、浅い柄の条件で低圧でもよい場合に
おいて高圧にすれば脱水が促進されて所要時間が短縮
し、生産性が向上する。このように、原料配合、物性・
テクスチャー等の製品設計、設備などの条件に応じた対
応がしやすくなるため、スラリー濃度、プレス圧、所要
時間等の最適条件の選定幅が広がる。
【0021】本発明の第7発明に係るケイ酸カルシウム
板材の製造方法は、第5又は第6発明において、前記ガ
ラス製発泡粒は、その膨張係数が2.5×10-5〜3.5×10-5
/℃であり、前記ガラス製粉末は、その膨張係数が5.0×
10-6〜2.0×10-5/℃であることを特徴とする。前記膨張
係数の好ましい範囲等は、第2発明において記載した通
りである。
板材の製造方法は、第5又は第6発明において、前記ガ
ラス製発泡粒は、その膨張係数が2.5×10-5〜3.5×10-5
/℃であり、前記ガラス製粉末は、その膨張係数が5.0×
10-6〜2.0×10-5/℃であることを特徴とする。前記膨張
係数の好ましい範囲等は、第2発明において記載した通
りである。
【0022】本発明の第8発明に係るケイ酸カルシウム
板材の製造方法は、第5〜第7発明のいずれかにおい
て、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その平均粒径が0.
3〜1.2mmであることを特徴とする。本発明は、第3発明
に対応する。
板材の製造方法は、第5〜第7発明のいずれかにおい
て、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その平均粒径が0.
3〜1.2mmであることを特徴とする。本発明は、第3発明
に対応する。
【0023】本発明の第9発明に係るケイ酸カルシウム
板材の製造方法は、第5〜第8発明のいずれかにおい
て、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その含有量が8〜
17wt%であることを特徴とする。本発明は、第4発明に
対応する。
板材の製造方法は、第5〜第8発明のいずれかにおい
て、前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その含有量が8〜
17wt%であることを特徴とする。本発明は、第4発明に
対応する。
【0024】
[第1実施形態]セメント、シリカ質原料、繊維補強
材、及びガラス焼成発泡軽量骨材5〜20wt%含有する原
料に水を適量加え、セルロース系誘導体の押出し助剤と
一緒に混合攪拌して混練した後、この混合原料を押出し
成形機に投入して製板する。図1に示すように、前記ガ
ラス焼成発泡軽量骨材11は、ガラス製発泡粒12の表面に
このガラス製発泡粒12の膨張係数より小さい膨張係数を
有するガラス製粉末13が層状に付着、焼成されたもので
ある。また、ガラス製発泡粒13は、その膨張係数が2.5
×10-5〜3.5×10-5/℃であり、ガラス製粉末は、その膨
張係数が5.0×10-6〜2.0×10-5/℃である。次に、製板
された板状体に高温高圧のオートクレーブ養生を施して
反応硬化させ、本実施形態のケイ酸カルシウム板材を製
造する。
材、及びガラス焼成発泡軽量骨材5〜20wt%含有する原
料に水を適量加え、セルロース系誘導体の押出し助剤と
一緒に混合攪拌して混練した後、この混合原料を押出し
成形機に投入して製板する。図1に示すように、前記ガ
ラス焼成発泡軽量骨材11は、ガラス製発泡粒12の表面に
このガラス製発泡粒12の膨張係数より小さい膨張係数を
有するガラス製粉末13が層状に付着、焼成されたもので
ある。また、ガラス製発泡粒13は、その膨張係数が2.5
×10-5〜3.5×10-5/℃であり、ガラス製粉末は、その膨
張係数が5.0×10-6〜2.0×10-5/℃である。次に、製板
された板状体に高温高圧のオートクレーブ養生を施して
反応硬化させ、本実施形態のケイ酸カルシウム板材を製
造する。
【0025】[第2実施形態]先ず、ガラス焼成発泡軽
量骨材とバインダをミキサで混合攪拌して骨材の表面を
バインダで充分に被覆し、その後乾燥してバインダを骨
材に固着させる。この混合攪拌は、水による再溶解の度
合いを下げて被覆効果を維持し、かつ骨材同士の接合を
防ぐために必要な時間とする。前記ガラス焼成発泡軽量
骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこのガラス製発泡粒の
膨張係数より小さい膨張係数を有するガラス製粉末が付
着、焼成されたものである。また、ガラス製発泡粒は、
その膨張係数が2.5×10-5〜3.5×10-5/℃であり、ガラ
ス製粉末は、その膨張係数が5.0×10-6〜2.0×10-5/℃
である。
量骨材とバインダをミキサで混合攪拌して骨材の表面を
バインダで充分に被覆し、その後乾燥してバインダを骨
材に固着させる。この混合攪拌は、水による再溶解の度
合いを下げて被覆効果を維持し、かつ骨材同士の接合を
防ぐために必要な時間とする。前記ガラス焼成発泡軽量
骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこのガラス製発泡粒の
膨張係数より小さい膨張係数を有するガラス製粉末が付
着、焼成されたものである。また、ガラス製発泡粒は、
その膨張係数が2.5×10-5〜3.5×10-5/℃であり、ガラ
ス製粉末は、その膨張係数が5.0×10-6〜2.0×10-5/℃
である。
【0026】なお、バインダは、水ガラス系の場合、板
材原料の固形分に対して外割重量比で4〜6wt%が好ま
しい。4wt%未満ではバインダ効果に劣り、6wt%を超
えても格別の効果向上は見られない。また、バインダが
SBRラテックス系の場合、板材原料に対して外割重量
比で3〜4wt%(有姿)が好ましい。3wt%未満ではバ
インダ効果に劣り、4wt%を超えても効果の向上は僅か
であり、不燃性に劣るようになる。
材原料の固形分に対して外割重量比で4〜6wt%が好ま
しい。4wt%未満ではバインダ効果に劣り、6wt%を超
えても格別の効果向上は見られない。また、バインダが
SBRラテックス系の場合、板材原料に対して外割重量
比で3〜4wt%(有姿)が好ましい。3wt%未満ではバ
インダ効果に劣り、4wt%を超えても効果の向上は僅か
であり、不燃性に劣るようになる。
【0027】次に、このミキサ内に適当な量の水及び残
りの原料を全て投入して所定時間混合攪拌して、適度な
スラリー濃度となるように調整する。次に、スラリーを
型枠内に流し込んだ後、脱水プレスして板状体を成形す
る。次に、製造された板状体に高温高圧のオートクレー
ブ養生を施して反応硬化させ、本実施形態のケイ酸カル
シウム板材を製造する。
りの原料を全て投入して所定時間混合攪拌して、適度な
スラリー濃度となるように調整する。次に、スラリーを
型枠内に流し込んだ後、脱水プレスして板状体を成形す
る。次に、製造された板状体に高温高圧のオートクレー
ブ養生を施して反応硬化させ、本実施形態のケイ酸カル
シウム板材を製造する。
【0028】
[実施例1、2]第1実施形態において、前記原料中の
具体的材料及びそれらの配合割合を表1に示す通りとし
て各実施例のケイ酸カルシウム板材を製造した。また、
押出し成形時の押出し圧と押出し量を表1に併せて示
す。実施例のガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラス製発泡
粒の膨張係数が3.0×10-5/℃であり、ガラス製粉末の膨
張係数が1.2×10-5/℃である。
具体的材料及びそれらの配合割合を表1に示す通りとし
て各実施例のケイ酸カルシウム板材を製造した。また、
押出し成形時の押出し圧と押出し量を表1に併せて示
す。実施例のガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラス製発泡
粒の膨張係数が3.0×10-5/℃であり、ガラス製粉末の膨
張係数が1.2×10-5/℃である。
【0029】表1中、有機質繊維は、パルプとポリプロ
ピレン繊維、混和材は鉱物微粉末、増量材はケイ酸カル
シウム板材の粉砕物である。前記オートクレーブ養生
は、5MPa、10時間の条件で行った。得られたケイ酸カ
ルシウム板材は、厚さ12mm、幅180mm、長さ900mmであ
る。また、各板材の含水率(水/固形分)を表1に示
す。この含水率は、板材原料の乾品重量に対する成形直
後の水分量のwt%を表す。
ピレン繊維、混和材は鉱物微粉末、増量材はケイ酸カル
シウム板材の粉砕物である。前記オートクレーブ養生
は、5MPa、10時間の条件で行った。得られたケイ酸カ
ルシウム板材は、厚さ12mm、幅180mm、長さ900mmであ
る。また、各板材の含水率(水/固形分)を表1に示
す。この含水率は、板材原料の乾品重量に対する成形直
後の水分量のwt%を表す。
【0030】[比較例1〜5]原料中、骨材としてパー
ライト又はフライアッシュ発泡体を使用し、他の具体的
材料及びそれらの配合割合を表1に示す通りとして各比
較例のケイ酸カルシウム板材を製造した。製造条件等
は、実施例1、2と同様である。各比較例で使用した骨
材は次の通りである。比較例1の骨材はパーライト(真
珠岩JIS S(単位容積質量の標準値:kg/l)O.15-0.6)、
比較例2の骨材はパーライト(真珠岩JIS SO.3以
下)、比較例3の骨材はパーライト(真珠岩JIS SO.3-
1.2)、比較例4の骨材はパーライト(真珠岩JIS SO.1
5-0.6)、比較例5の骨材はフライアッシュ焼成発泡体
(粒径0.3〜1.2mm)である。
ライト又はフライアッシュ発泡体を使用し、他の具体的
材料及びそれらの配合割合を表1に示す通りとして各比
較例のケイ酸カルシウム板材を製造した。製造条件等
は、実施例1、2と同様である。各比較例で使用した骨
材は次の通りである。比較例1の骨材はパーライト(真
珠岩JIS S(単位容積質量の標準値:kg/l)O.15-0.6)、
比較例2の骨材はパーライト(真珠岩JIS SO.3以
下)、比較例3の骨材はパーライト(真珠岩JIS SO.3-
1.2)、比較例4の骨材はパーライト(真珠岩JIS SO.1
5-0.6)、比較例5の骨材はフライアッシュ焼成発泡体
(粒径0.3〜1.2mm)である。
【0031】
【表1】
【0032】[特性の測定]実施例1、2及び比較例1
〜5で得られたケイ酸カルシウム板材について、かさ比
重、曲げ強度、比強度、衝撃強度、吸水率、吸水による
長さ変化率、圧縮強度、剥離強度、釘逆引抜き抵抗及び
釘打ち性の測定を行った。それらの測定結果を表2に示
す。
〜5で得られたケイ酸カルシウム板材について、かさ比
重、曲げ強度、比強度、衝撃強度、吸水率、吸水による
長さ変化率、圧縮強度、剥離強度、釘逆引抜き抵抗及び
釘打ち性の測定を行った。それらの測定結果を表2に示
す。
【0033】前記かさ比重は、JIS A5430に準拠して測
定した。前記曲げ強度は、JIS A1408に準拠して測定し
た。前記比強度は、押出し成形で得られた板材の場合、
曲げ強度/比重が12.0以上、曲げ強度/比重2が12.5以
上であることが好ましい。前記衝撃強度の測定は、シャ
ルピー式によりJIS6号切り欠きなしの状態で行った。
定した。前記曲げ強度は、JIS A1408に準拠して測定し
た。前記比強度は、押出し成形で得られた板材の場合、
曲げ強度/比重が12.0以上、曲げ強度/比重2が12.5以
上であることが好ましい。前記衝撃強度の測定は、シャ
ルピー式によりJIS6号切り欠きなしの状態で行った。
【0034】前記吸水率の測定は、JIS A5430に準拠し
て、24時間吸水後105℃、24時間乾燥の条件で行った。
前記長さ変化率は、JIS A5430に準拠して測定した。前
記圧縮強度は、JIS A1108(コンクリートの圧縮強度試
験法)に準拠して測定し、1cm角サイズ、厚さは製品状
態(12mm)とした。前記剥離強度は、JIS A5905(繊維
板)に準拠して測定した。
て、24時間吸水後105℃、24時間乾燥の条件で行った。
前記長さ変化率は、JIS A5430に準拠して測定した。前
記圧縮強度は、JIS A1108(コンクリートの圧縮強度試
験法)に準拠して測定し、1cm角サイズ、厚さは製品状
態(12mm)とした。前記剥離強度は、JIS A5905(繊維
板)に準拠して測定した。
【0035】前記釘逆引抜き抵抗の測定は、JIS A5905
に準拠して、9cm角の板材の中央部に直径2mmの孔をド
リルで開け、この孔に胴径2.2mm、頭径4.5mmの釘を頭が
板材に当接するまで打ち込み、この板材の四方を支持し
た状態で釘頭が板材を貫通するように下方に引っ張り加
重を加えて行った。前記釘打ち性は、試験板のコーナ部
分(20×20mm)の位置に胴径2.2mmの釘を打ち込み、割
欠け発生の有無を見ることにより評価した。表の釘打ち
性の欄の数字は、合格率をパーセントで表示したもので
ある。クラックや割欠けの発生しなかったものを合格と
した。
に準拠して、9cm角の板材の中央部に直径2mmの孔をド
リルで開け、この孔に胴径2.2mm、頭径4.5mmの釘を頭が
板材に当接するまで打ち込み、この板材の四方を支持し
た状態で釘頭が板材を貫通するように下方に引っ張り加
重を加えて行った。前記釘打ち性は、試験板のコーナ部
分(20×20mm)の位置に胴径2.2mmの釘を打ち込み、割
欠け発生の有無を見ることにより評価した。表の釘打ち
性の欄の数字は、合格率をパーセントで表示したもので
ある。クラックや割欠けの発生しなかったものを合格と
した。
【0036】
【表2】
【0037】表2より、実施例1、2のケイ酸カルシウ
ム板材は、骨材として前記ガラス焼成発泡軽量骨材を使
用しているため、含有量は同じで骨材の異なる比較例1
〜5の板材と比べて、かさ比重は同等以下であるが、曲
げ強度が大きく、従って比強度が大きいことがわかる。
また、衝撃強度、圧縮強度、等の物性についても実施例
のケイ酸カルシウム板材の方が優れていることがわか
る。
ム板材は、骨材として前記ガラス焼成発泡軽量骨材を使
用しているため、含有量は同じで骨材の異なる比較例1
〜5の板材と比べて、かさ比重は同等以下であるが、曲
げ強度が大きく、従って比強度が大きいことがわかる。
また、衝撃強度、圧縮強度、等の物性についても実施例
のケイ酸カルシウム板材の方が優れていることがわか
る。
【0038】また、釘逆引抜き抵抗及び釘打ち性にも優
れており、実施例のケイ酸カルシウム板材は、建材とし
ての用途に好適である。更に、押出し圧が小さくても押
出し量を大きくできるため、生産性に優れている。一
方、比較例1〜5のケイ酸カルシウム板材は、骨材の含
有量は実施例と同じであっても骨材がガラス焼成発泡軽
量骨材ではないため、衝撃強度、圧縮強度、等の物性に
関して実施例ほど良好ではない。また、押出し圧は大き
いのに押出し量が小さいため、生産性に劣っている。
れており、実施例のケイ酸カルシウム板材は、建材とし
ての用途に好適である。更に、押出し圧が小さくても押
出し量を大きくできるため、生産性に優れている。一
方、比較例1〜5のケイ酸カルシウム板材は、骨材の含
有量は実施例と同じであっても骨材がガラス焼成発泡軽
量骨材ではないため、衝撃強度、圧縮強度、等の物性に
関して実施例ほど良好ではない。また、押出し圧は大き
いのに押出し量が小さいため、生産性に劣っている。
【0039】[実施例3〜8]第2実施形態において、
前記原料中の具体的材料及びそれらの配合割合を表3に
示す通りとして各実施例のケイ酸カルシウム板材を製造
した。無機繊維は、セピオライト(マグネシウムの含水
イノケイ酸塩鉱物)である。前記骨材とバインダの混合
攪拌の時間は4分間、適度なスラリー濃度とするための
混合攪拌の時間は5分間、前記スラリー濃度は固形分重
量/スラリー容量=300g/l、脱水プレス条件は3MPa、
10秒間とした。前記オートクレーブ養生は、7MPa、8
時間の条件で行った。得られたケイ酸カルシウム板材
は、厚さ12mm、幅300mm、長さ300mmである。
前記原料中の具体的材料及びそれらの配合割合を表3に
示す通りとして各実施例のケイ酸カルシウム板材を製造
した。無機繊維は、セピオライト(マグネシウムの含水
イノケイ酸塩鉱物)である。前記骨材とバインダの混合
攪拌の時間は4分間、適度なスラリー濃度とするための
混合攪拌の時間は5分間、前記スラリー濃度は固形分重
量/スラリー容量=300g/l、脱水プレス条件は3MPa、
10秒間とした。前記オートクレーブ養生は、7MPa、8
時間の条件で行った。得られたケイ酸カルシウム板材
は、厚さ12mm、幅300mm、長さ300mmである。
【0040】[比較例6〜13]原料中、骨材としてパー
ライト、フライアッシュ発泡体又はガラス焼成発泡軽量
骨材を使用し、他の具体的材料及びそれらの配合割合を
表4に示す通りとして各比較例のケイ酸カルシウム板材
を製造した。製造条件等は、実施例3〜8と同様であ
る。各比較例で使用した骨材は次の通りである。比較例
6、8、9の骨材はフライアッシュ焼成発泡体(粒径0.
3〜1.2mm)、比較例7、10、11の骨材はパーライト(真
珠岩JIS SO.15-0.6)、比較例12、13の骨材は実施例と
同じガラス焼成発泡軽量骨材である。
ライト、フライアッシュ発泡体又はガラス焼成発泡軽量
骨材を使用し、他の具体的材料及びそれらの配合割合を
表4に示す通りとして各比較例のケイ酸カルシウム板材
を製造した。製造条件等は、実施例3〜8と同様であ
る。各比較例で使用した骨材は次の通りである。比較例
6、8、9の骨材はフライアッシュ焼成発泡体(粒径0.
3〜1.2mm)、比較例7、10、11の骨材はパーライト(真
珠岩JIS SO.15-0.6)、比較例12、13の骨材は実施例と
同じガラス焼成発泡軽量骨材である。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】[特性の測定]実施例3〜8及び比較例6
〜13で得られたケイ酸カルシウム板材について、かさ比
重、曲げ強度、比強度、衝撃強度、圧縮強度及び釘逆引
抜き抵抗の測定を実施例1と同様に行った。それらの測
定結果を表5、6に示す。脱水プレス成形で得られた板
材の場合、比強度(曲げ強度/比重)、比強度(曲げ強
度/比重2)は、いずれも8.5以上であることが好まし
い。なお、前述の第1実施形態(押出し成形)と比較し
て比強度が小さいのは、成形方法の違いで繊維の配向性
に差があることによる。圧縮強度は、2500N/mm2以上で
あることが好ましい。釘逆引抜き抵抗は、2500N/本以上
であることが好ましい。
〜13で得られたケイ酸カルシウム板材について、かさ比
重、曲げ強度、比強度、衝撃強度、圧縮強度及び釘逆引
抜き抵抗の測定を実施例1と同様に行った。それらの測
定結果を表5、6に示す。脱水プレス成形で得られた板
材の場合、比強度(曲げ強度/比重)、比強度(曲げ強
度/比重2)は、いずれも8.5以上であることが好まし
い。なお、前述の第1実施形態(押出し成形)と比較し
て比強度が小さいのは、成形方法の違いで繊維の配向性
に差があることによる。圧縮強度は、2500N/mm2以上で
あることが好ましい。釘逆引抜き抵抗は、2500N/本以上
であることが好ましい。
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】表5より、実施例3〜8のケイ酸カルシウ
ム板材によれば、骨材として前記ガラス焼成発泡軽量骨
材を使用しているため、骨材の異なる比較例6〜11の板
材と比べて、かさ比重は同等以下であるが曲げ強度が大
きく、比強度が大きいことがわかる。また、衝撃強度、
圧縮強度、等の物性についても実施例のケイ酸カルシウ
ム板材の方が優れていることがわかる。更に、釘逆引抜
き抵抗にも優れており、実施例のケイ酸カルシウム板材
は、建材としての用途に好適である。
ム板材によれば、骨材として前記ガラス焼成発泡軽量骨
材を使用しているため、骨材の異なる比較例6〜11の板
材と比べて、かさ比重は同等以下であるが曲げ強度が大
きく、比強度が大きいことがわかる。また、衝撃強度、
圧縮強度、等の物性についても実施例のケイ酸カルシウ
ム板材の方が優れていることがわかる。更に、釘逆引抜
き抵抗にも優れており、実施例のケイ酸カルシウム板材
は、建材としての用途に好適である。
【0047】次に、実施例3で得られたケイ酸カルシウ
ム板材14に対して、所定の加重を加えて破断させた後の
破断面を調べたところ、図2の拡大図に示すように、ガ
ラス焼成発泡軽量骨材11は、マトリックス15と一体に分
断されており、軽量骨材11がマトリックス15から抜け出
していないことがわかる。これは、実施例のガラス焼成
発泡軽量骨材11がマトリックス15と強固に結合している
ことを示すものである。
ム板材14に対して、所定の加重を加えて破断させた後の
破断面を調べたところ、図2の拡大図に示すように、ガ
ラス焼成発泡軽量骨材11は、マトリックス15と一体に分
断されており、軽量骨材11がマトリックス15から抜け出
していないことがわかる。これは、実施例のガラス焼成
発泡軽量骨材11がマトリックス15と強固に結合している
ことを示すものである。
【0048】なお、実施例5のようにバインダを使用し
ないで製造すると、板材の曲げ強度は低くなるが、圧縮
強度は大きいため、床下建材用としては利用可能であ
る。また、実施例8のガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラ
ス焼成発泡軽量骨材の含有量が本発明の上限であるた
め、比較例に近い物性であるが、比重は最も軽いものと
なっている。
ないで製造すると、板材の曲げ強度は低くなるが、圧縮
強度は大きいため、床下建材用としては利用可能であ
る。また、実施例8のガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラ
ス焼成発泡軽量骨材の含有量が本発明の上限であるた
め、比較例に近い物性であるが、比重は最も軽いものと
なっている。
【0049】一方、比較例6〜11のケイ酸カルシウム板
材は、骨材の含有量は実施例と同じであっても骨材が前
記ガラス焼成発泡軽量骨材ではないため、衝撃強度、圧
縮強度、等の物性に関して実施例ほど良好ではない。比
較例12、13のケイ酸カルシウム板材は、骨材として前記
ガラス焼成発泡軽量骨材を使用しているが、含有量が本
発明の上限を超えているため、衝撃強度、圧縮強度、等
の物性が低下していることがわかる。
材は、骨材の含有量は実施例と同じであっても骨材が前
記ガラス焼成発泡軽量骨材ではないため、衝撃強度、圧
縮強度、等の物性に関して実施例ほど良好ではない。比
較例12、13のケイ酸カルシウム板材は、骨材として前記
ガラス焼成発泡軽量骨材を使用しているが、含有量が本
発明の上限を超えているため、衝撃強度、圧縮強度、等
の物性が低下していることがわかる。
【0050】次に、図3の拡大図に示すように、比較例
6で得られたケイ酸カルシウム板材21に対して、所定の
加重を加えて破断させた後の破断面を調べたところ、骨
材22は、マトリックス23から抜け出していることがわか
る。これは、比較例の骨材22がマトリックス23と弱く結
合していることを示すものである。
6で得られたケイ酸カルシウム板材21に対して、所定の
加重を加えて破断させた後の破断面を調べたところ、骨
材22は、マトリックス23から抜け出していることがわか
る。これは、比較例の骨材22がマトリックス23と弱く結
合していることを示すものである。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、特定のガラス焼成発泡
軽量骨材を含有するため、軽量でありながら強度に優れ
たケイ酸カルシウム板材が得られる。また、使用する前
記ガラス焼成発泡軽量骨材は、原料として廃ガラス瓶等
を利用できるため、廃棄物問題の解決にも寄与できる。
軽量骨材を含有するため、軽量でありながら強度に優れ
たケイ酸カルシウム板材が得られる。また、使用する前
記ガラス焼成発泡軽量骨材は、原料として廃ガラス瓶等
を利用できるため、廃棄物問題の解決にも寄与できる。
【図1】本実施形態に係るガラス焼成発泡軽量骨材の断
面図である。
面図である。
【図2】実施例に係るケイ酸カルシウム板材の破断状態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】比較例に係るケイ酸カルシウム板材の破断状態
を示す断面図である。
を示す断面図である。
11 ガラス焼成発泡軽量骨材 12 ガラス製発泡粒 13 ガラス製粉末 14 ケイ酸カルシウム板材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 18:08 C04B 18:08 B 16:06 16:06 Z 24:38) 24:38) A 103:60 103:60 111:40 111:40 (72)発明者 岸上 浩之 香川県三豊郡詫間町大字香田80番地 神 島化学工業株式会社詫間工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 7/00 - 32/02 C04B 103:60 C04B 111:40
Claims (9)
- 【請求項1】 セメント、シリカ質原料、繊維補強材、
及びガラス焼成発泡軽量骨材を含有し、 前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、ガラス製発泡粒の表面
にこのガラス製発泡粒の膨張係数より小さい膨張係数を
有するガラス製粉末が付着、焼成されたものであり、 このガラス焼成発泡軽量骨材の含有量が5〜20wt%であ
ることを特徴とするケイ酸カルシウム板材。 - 【請求項2】 請求項1に記載のケイ酸カルシウム板材
において、 前記ガラス製発泡粒は、その膨張係数が2.5×10-5〜3.5
×10-5/℃であり、前記ガラス製粉末は、その膨張係数
が5.0×10-6〜2.0×10-5/℃であることを特徴とするケ
イ酸カルシウム板材。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のケイ酸カルシウ
ム板材において、 前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その平均粒径が0.3〜
1.2mmであることを特徴とするケイ酸カルシウム板材。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のケイ酸
カルシウム板材において、 前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その含有量が8〜17wt
%であることを特徴とするケイ酸カルシウム板材。 - 【請求項5】 セメント、シリカ質原料、繊維補強材、
及びガラス焼成発泡軽量骨材を含有し、前記ガラス焼成
発泡軽量骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこのガラス製
発泡粒の膨張係数より小さい膨張係数を有するガラス製
粉末が付着、焼成されたものであり、このガラス焼成発
泡軽量骨材の含有量が5〜20wt%である原料を使用した
ケイ酸カルシウム板材の製造方法において、 押出し成形においては、前記原料に押出し助剤となるセ
ルロース系誘導体を加えて押し出し成形することを特徴
とするケイ酸カルシウム板材の製造方法。 - 【請求項6】 セメント、シリカ質原料、繊維補強材、
及びガラス焼成発泡軽量骨材を含有し、前記ガラス焼成
発泡軽量骨材は、ガラス製発泡粒の表面にこのガラス製
発泡粒の膨張係数より小さい膨張係数を有するガラス製
粉末が付着、焼成されたものであり、このガラス焼成発
泡軽量骨材の含有量が5〜20wt%である原料を使用した
ケイ酸カルシウム板材の製造方法において、 脱水プレス成形においては、前記ガラス焼成発泡軽量骨
材の表面をバインダで被覆しておくことを特徴とするケ
イ酸カルシウム板材の製造方法。 - 【請求項7】 請求項5又は6に記載のケイ酸カルシウ
ム板材の製造方法において、 前記ガラス製発泡粒は、その膨張係数が2.5×10-5〜3.5
×10-5/℃であり、前記ガラス製粉末は、その膨張係数
が5.0×10-6〜2.0×10-5/℃であることを特徴とするケ
イ酸カルシウム板材の製造方法。 - 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載のケイ酸
カルシウム板材の製造方法において、 前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その平均粒径が0.3〜
1.2mmであることを特徴とするケイ酸カルシウム板材の
製造方法。 - 【請求項9】 請求項5〜8のいずれかに記載のケイ酸
カルシウム板材の製造方法において、 前記ガラス焼成発泡軽量骨材は、その含有量が8〜17wt
%であることを特徴とするケイ酸カルシウム板材の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15677897A JP3215353B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | ケイ酸カルシウム板材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15677897A JP3215353B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | ケイ酸カルシウム板材及びその製造方法 |
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---|---|
JPH111359A JPH111359A (ja) | 1999-01-06 |
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ID=15635115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15677897A Expired - Fee Related JP3215353B2 (ja) | 1997-06-13 | 1997-06-13 | ケイ酸カルシウム板材及びその製造方法 |
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JP (1) | JP3215353B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-13 JP JP15677897A patent/JP3215353B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH111359A (ja) | 1999-01-06 |
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