JP3214940U - 高さ無段階変更型枕 - Google Patents

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良平 吉原
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【課題】就寝の途中で寝返りの序等に横臥の姿勢を崩さず、頭部支持高さを所定の範囲内にて無段階に変えることができる枕を構造が簡単で安価な枕として提供する。【解決手段】平面図で見れば実質的に長方形であり、正面図で見れば実質的に前記長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向けて横方向に高さが漸増する台形である袋の中に押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片が装填されており、前記一方の短辺部と前記他方の短辺部の間に前記クッション材の細片の横方向の移動を制限する仕切りが設けられている枕10である。クッション材の細片は、一つの実施例として、スポンジチップと羽毛を30%対70%の比率で混合したものであってよい。【選択図】図1

Description

本考案は、人が就寝時に頭部の下に敷く枕に係り、特に頭部を支持する高さを無段階に変えることができる枕に係る。
頭部を支持する高さを変えることができる枕としては、以下のようなものが提案されている。
特開2016-202429号公報には、頭部を或る比較的低い高さに支持する長方形状クッション体の2枚がそれらの一辺に沿って繋ぎ合わされ、2枚の互に繋ぎ合わされたクッション体が扁平に開かれ、厚みがクッション体1枚分で広さがクッション体2枚分である枕として使用される状態と、2枚のクッション体が繋ぎ目に沿って互に折り返されて重ね合わされ、厚みがクッション体2枚分で広さがクッション体1枚分である枕として使用される状態との間で、使用状態を変更できるようになっている枕が提案されている。
特開2016-140738号公報には、頭部が載置されるクッション部がX型リンクにより支持基板上に支持され、X型リンクの伸縮調整により支持基板に対するクッション部の隔置距離を変えることにより、クッション部による頭部の支持高さが変えられるようになっている枕が提案されている。
特開2014-200440号公報には、頭部が載置される長方形状のクッション部がその一辺部にて柔軟に湾曲するU字状部を経てクッション部の下方に延在する長方形状の支持基板部に繋がっており、クッション部の前記一辺部とは反対の他辺部の下面に枢着されて支持基板部へ向けて下方へ延在する支持棒の下端が支持基板部に沿って設けられた歯状溝の歯のいずれかに選択的に係止されることにより支持基板に対するクッション部の傾斜角が変えられ、クッション部による頭部の支持高さが変えられるようになっている枕が提案されている。
特開2012-170811号公報には、その一つの実施例として、クッション体が左半部(または右半部)で比較的小さい厚みを呈し、右半部(または左半部)で比較的大きい厚みを呈し、比較的小さい厚みを呈する部分に頭部を載せるか、比較的大きい厚みを呈する部分に頭部を載せるかによって、頭部の支持高さが変えられるようになっている枕が提案されている。
特開2011-251094号公報には、細粒状のクッション材を装填される長方形状の袋の両側縁部が中央の主部よりクリップによって細長いクッション材貯蔵部として仕切られるようになっており、クリップを弛め、細粒状クッション材の一部を主部とクッション材貯蔵部の間に選択的に移動させることにより、主部が呈する枕による頭部の支持高さが変えられるようになっている枕が提案されている。
特開2011-104319号公報には、上記の特開2016−202429号公報におけると同様に、長方形状のクッション体の2枚がそれらの一辺に沿って互に連結され、2枚のクッション体が広げて使用されるか、折り重ねて使用されるかによって、頭部の支持高さが変えられるようになっている枕であるが、2枚のクッション体の厚みが互に異なっており、2枚のクッション体を広げ、その一方に頭部を載置するか、他方に頭部を載置するか、2枚のクッション体を重ねて使用するかによって、頭部の支持高さが3通りに変えられるようになっている枕が提案されている。
特開2016−202429号公報 特開2016-140738号公報 特開2014-200440号公報 特開2012-170811号公報 特開2011-251094号公報 特開2011-104319号公報
上記の特許文献1、4、6による枕は、構造が簡単であり、頭部支持高さの変更も簡単であるが、高さの変更は当初より定まっている2種類または3種類のうちのいずれかを選択する変更である。上記の特許文献2、3による枕は、頭部支持高さを所定の範囲内にてほぼ無段階に変更できるものであるが、構造が複雑であり、それなりに高価につくものである。上記の特許文献5による枕は、頭部支持高さを所定の範囲内にて無段階に変更でき、構造的にも左程複雑ではなく、価格的にも比較的安価に収まるものと思われるが、頭部支持高さの変更には、クリップの解除、主部とクッション材貯蔵部の間での細粒状クッション材の移動、主部とクッション材貯蔵部の境のクリップ装着部には細粒状クッション材が残留しないように注意してのクリップの再締結という、かなり厄介な操作を要するものである。
また上記の特許文献1、2,3,5による枕では、頭部支持高さを変えるには、枕の使用を一旦止めなければならず、従って就寝の途中で寝返りの序等に横臥の姿勢を崩さず、頭部支持高さを変えるようなことはできない。この点に関し、上記の特許文献4、6による枕では、就寝の途中で寝返りの序等に横臥の姿勢を崩さず、頭部支持高さを変えることはできるが、それは頭部支持高さを2種類の間で一挙に変えるものであり、無段階に変えるものではない。
本考案は、上記の事情に着目し、就寝の途中で寝返りの序等に横臥の姿勢を崩さず、頭部支持高さを所定の範囲内にて無段階に変えることができる枕を構造が簡単で安価な枕として提供することを課題としている。
上記の課題を解決すべく、本考案は、平面図で見れば実質的に長方形であり、正面図で見れば実質的に前記長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向けて横方向に高さが漸増する台形である袋の中に押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片が装填されており、前記一方の短辺部と前記他方の短辺部の間に前記クッション材の細片の横方向の移動を制限する仕切りが設けられていることを特徴とする枕を提供するものである。
上記のクッション材の細片は、一つの実施例として、スポンジチップと羽毛を30%対70%の比率で混合したものであってよい。
上記の如く、平面図で見れば実質的に長方形であり、正面図で見れば実質的に前記長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向けて横方向に高さが漸増する台形である袋の中に押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片が装填されており、前記一方の短辺部と前記他方の短辺部の間に前記クッション材の細片の横方向の移動を制限する仕切りが設けられている枕であれば、頭部が前記の実質的に長方形の一方の短辺部の近傍より他方の短辺部の近傍に至るどの位置に載置されても、袋は頭部が載置された部分にて押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片より弾性的反発力を受けつつ頭部に沿って局部的に陥没し、袋の陥没変形とクッション材の細片の押圧による局部的縮小変形による反発力が頭部より枕に及ぼされる重力と釣り合うところで、頭部は枕により支持され、クッション材の細片の袋内における横方向の移動は仕切りにより制限されているので、頭部の支持高さは、頭部が前記の実質的に長方形の一方の短辺部の近傍より他方の短辺部の近傍に近づくに連れて無段階に増大する。この場合、押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片の弾性度が適宜に調節されれば、頭部の載置による袋の陥没変形は陥没の上縁部にて適度の滑らかさの凸形状を呈し、この凸形状にて袋は頭部より適度の漸遠度にて離れ、頭部に十分な広がりの支持面を呈しつつ、頭部の左右での袋の当接具合の差は僅少となるので、袋の上面が頭部の支持高さを適度に増減する程度に横方向に傾斜していても、頭部が左右方向に違和感を感じるような力を枕より受けることはない。
尚、ここで枕の外形が平面図で見れば実質的に長方形であり、正面図で見れば実質的に前記長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向けて横方向に高さが漸増する台形をなすとの記載における「実質的に」とは、特徴とする形状をその機能に照らした実質において定義すればということであり、平面図や正面図で見た枕の形状が幾何学的に正確な長方形や台形ではなく、縁や角は枕としての実用的見地から滑らかな凸形状に丸められていてよく、また枕の上面、底面、側面は幾何学的に正確な平面ではなく、枕が袋の中に押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片が装填されているものであることから明らかな如く、枕としての好ましい柔軟性の範囲内で、幾何学的に正確な平面から多少凸面状に膨出した曲面を呈していてもよいということである。
また、頭部の載置による袋の陥没変形が陥没の上縁部にて適度の滑らかさの凸形状を呈し、この凸形状にて袋が頭部より適度の漸遠度にて離れ、頭部に十分な広がりの支持面を呈しつつ、頭部の左右での袋の当接具合の差が僅少となり、袋の上面が頭部の支持高さを適度に増減する程度に横方向に傾斜していても、頭部が左右方向に違和感を感じるような力を枕より受けることがないようにするクッション材細片の弾性度の調整は、クッション材細片が、一つの実施例として、スポンジチップと羽毛を30%対70%の比率で混合したものとされれば、容易に達成される。
本考案による高さ無段階変更型枕を、一つの実施例について、平面図、正面図、左側面図、右側面図の対比において示す図である。 図1に示す高さ無段階変更型枕の使用状態の例を示す断面図(平面図で見て実質的に長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向かう横方向の断面図)であり、図Aは頭部が枕の前記一方の短辺部の近傍に載置された使用状態を示し、図Bは頭部が枕の前記一方の短辺部と前記他方の端部の中間の位置に載置された使用状態を示し、図Cは頭部が枕の前記他方の短辺部の近傍に載置された使用状態を示している。
上記の通り、本考案による枕は、袋の中に押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片が装填されているものであり、添付の図1に例示する如く、枕10の外形は、平面図で見れば実質的に長方形であり、正面図で見れば実質的に前記長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向けて横方向に高さが漸増する台形をなすものである。
枕10は、図2において断面にて示されている如く、平面図で見れば実質的に長方形であり、正面図で見れば実質的に前記長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向けて横方向に高さが漸増する台形であるその外形に沿った袋12の中に押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片14が装填された構造に作られている。クッション材の細片14は、一つの実施例として、スポンジチップと羽毛を30%対70%の比率で混合したものとされてよい。袋12内には、平面図で見た実質的長方形の一方の短辺部12aと他方の短辺部12bの間でクッション材の細片14が横方向に移動することを制限する仕切り16a,16b,16cが設けられている。かかる仕切りは、袋12内におけるクッション材の細片14の横方向移動を実質的に制限する適宜の数だけ設けられてよい。
枕10上に頭部18が載置されると、その位置が図2に図A、B、Cとして例示するように一方の短辺部12aの近傍より他方の短辺部12bの近傍に至るどの位置であっても、袋12は頭部18が載置された部分12c,12d,12eにて押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片14より弾性的反発力を受けつつ頭部18に沿って局部的に陥没し、袋12の陥没変形とクッション材の細片14の押圧による局部的縮小変形による反発力が頭部18より及ぼされる重力と釣り合うところで、頭部18は枕10により支持され、その支持高さは、頭部18が一方の短辺部12aの近傍より他方の短辺部12bの近傍に近づくに連れて無段階に増大する。
この場合、クッション材の細片14が、一つの実施例として、スポンジチップと羽毛を30%対70%の比率で混合したものとされること等により、クッション材の細片14の弾性度が適宜に調節されれば、頭部18の載置による袋12の陥没変形は、その上縁部12f,12g,12hにて適度の滑らかさの凸形状を呈し、袋12は頭部18より適度の漸遠度にて離れ、頭部18に十分な広がり面積による支持を与えつつ、頭部18の左右での袋12の当接具合の差は僅少となるので、袋12の上面12iが頭部18の支持高さを適度に増減する程度に左右に傾斜していても、頭部18が左右方向に違和感を感じるような力を枕10より受けることはない。
以上に説明した本考案の実施例について、本考案の範囲内にて種々の修正が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
10…枕、12…袋、12a…袋の一方の短辺部、12b…袋の他方の短辺部、12c,12d,12e…袋の頭部が載置された部分、12f,12g,12h…袋の陥没変形の上縁部、12i…袋の上面、14…クッション材の細片、16a,16b,16c…仕切り、18…頭部

Claims (2)

  1. 平面図で見れば実質的に長方形であり、正面図で見れば実質的に前記長方形の一方の短辺部より他方の短辺部へ向けて横方向に高さが漸増する台形である袋の中に押圧により弾性的に縮小するクッション材の細片が装填されており、前記一方の短辺部と前記他方の短辺部の間に前記クッション材の細片の横方向の移動を制限する仕切りが設けられていることを特徴とする枕。
  2. 上記のクッション材の細片はスポンジチップと羽毛を30%対70%の比率で混合したものであることを特徴とする請求項1に記載の枕。
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