JP3213964U - おろし板 - Google Patents

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山本 豊
豊 山本
大樹 稲村
大樹 稲村
始彦 野田
始彦 野田
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株式会社山本食品
有限会社小林金属製版所
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Abstract

【課題】 詰まりを抑制し、わさび等の食材をより細かくすり下ろすことができるおろし板を提供すること。【解決手段】 金属板本体3の表面に、複数の凸部2で構成されたおろし面4が形成され、凸部2が、開口部を有する円弧状,略円弧状又はコ字状に延在した突条部を少なくとも有し、おろし面4が、突条部の開口部の向きが異なる複数の凸部2で構成されている。特に、複数の凸部2が、ひらがなの「わ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「さ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「び」の文字形状を有したものとで構成され、「わ」「さ」「び」の順で並べて形成されていることが好ましい。【選択図】 図1

Description

本考案は、わさび等の食材をきめ細かくすり下ろすことが可能なおろし板に関する。
一般に、薬味としてわさび等の食材をすり下ろす調理器具として、おろし板が用いられている。特に、わさびをすり下ろすためのおろし板としては、大根おろし等に用いる粗い凹凸のおろし器ではなく、細かな凹凸のある鮫の皮を用いたものがよく用いられている。
例えば、特許文献1には、鮫の皮を適宜な形状に加工してなるおろし板と、おろし板が嵌合した陶磁製の基台とからなるおろし器が記載されている。
特開平8−52082号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
従来、鮫の皮を用いたおろし板では、自然物である鮫の皮を用いるため、鮫の皮の表面粗さにばらつきがあると共に、一定以上の細かな凹凸が得られず、わさびを更にきめ細かにすり下ろすことに限界があった。また、単に細かな凹凸を表面に形成したおろし板を用いた場合でも、すり下ろしたわさびが細かな凹凸の隙間に詰まってしまい、効率良くすり下ろすことが困難であった。
本考案は、前述の課題に鑑みてなされたもので、詰まりを抑制し、わさび等の食材をより細かくすり下ろすことができるおろし板を提供することを目的とする。
本考案は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の考案に係るおろし板は、金属板本体の表面に、複数の凸部で構成されたおろし面が形成され、前記凸部が、開口部を有する円弧状,略円弧状又はコ字状に延在した突条部を少なくとも有し、前記おろし面が、前記開口部の向きが異なる複数の前記凸部で構成されていることを特徴とする。
このおろし板では、凸部が、開口部を有する円弧状,略円弧状又はコ字状に延在した突条部を少なくとも有し、おろし面が、開口部の向きが異なる複数の凸部で構成されているので、わさび等の食材をすり下ろす際に、突条部内に入った食材が突条部の開口部から自然と掃き出されることで詰まりが抑制され、より細かくすり下ろすことができると共に、食材内に細かな空気を含有させることができる。特に、突条部の開口部の向きが異なる複数の凸部でおろし面が構成されていることで、わさび等の食材を押し付けて擦る際に、一方向だけでなく様々な方向に向けて擦っても上記掃き出し効果を得ることができる。
したがって、どの方向に擦っても、空気を多く含有させることができると共に細かくすり下ろすことができ、すり下ろした後にわさび等の風味をより強く得ることができる。また、突条部の両端部が擦る方向(面方向)に沿って突出した開放端となっていることで、突条部の突出した両端部が食材に引っ掛かり易く、食材の繊維や細胞を細かく壊すことができ、内部の辛み成分等を効果的に取り出すことができる。
第2の考案に係るおろし板は、第1の考案において、前記凸部の断面形状が、台形状又は略台形状とされていることを特徴とする。
すなわち、このおろし板では、凸部の断面形状が、台形状又は略台形状とされているので、断面形状が直角な矩形状である場合に比べて、すり下ろしたわさび等が凸部の基端隅部に詰まってしまうことを抑制でき、わさび等が浮き易くなることで、より細かくすり下ろせると共に、より多くの空気を含ませることができる。
第3の考案に係るおろし板は、第1又は第2の考案において、複数の前記凸部が、ひらがなの「わ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「さ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「び」の文字形状を有したものとで構成され、「わ」「さ」「び」の順で並べて形成されていることを特徴とする。
すなわち、このおろし板では、「わ」「さ」「び」の文字形状を有した複数の凸部が、「わ」「さ」「び」の順で並べて形成されているので、それぞれ異なる方向に開口した円弧状又は略円弧状の突条部を凸部中に有しており、掃き出し効果を得られると共にわさび用を強調したデザインによる特徴的な美観も得ることができる。
第4の考案に係るおろし板は、第1から第3の考案のいずれかにおいて、ステンレスで形成され、前記凸部の高さが、0.2〜0.3mmであり、前記突条部の線幅が、0.5〜0.8mmであることを特徴とする。
すなわち、このおろし板では、ステンレスで形成されているので、高硬度で錆び難い。また、凸部の高さが、0.2〜0.3mmであり、突条部の線幅が、0.5〜0.8mmであるので、わさび用として非常にきめの細かいすり下ろしが可能になる。
なお、凸部の高さが、0.2mm未満であると、わさび用として突出高さが不十分で十分なすり下ろしができないと共に、0.3mmを超えると、すり下ろしの際に受ける抵抗が強くなり過ぎてしまうと共に凸部間で食材が詰まり易くなる。また、突条部の線幅が、0.5mm未満であると、突条部の上部先端が細くなり過ぎてしまい、他の調理器具等の硬度の高い物にぶつけてしまった場合など突条部の破損のおそれが高くなってしまうと共に、0.8mmを超えると、平坦部の割合が多くなって、わさび用としてのすり下ろし効果が大きく低減してしまう。
本考案によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本考案に係るおろし板によれば、凸部が、開口部を有する円弧状,略円弧状又はコ字状に延在した突条部を少なくとも有し、おろし面が、開口部の向きが異なる複数の凸部で構成されているので、わさび等の食材をより細かくすり下ろすことができると共に、食材内に細かな空気を含有させることができる。
特に、わさびをすり下ろすことで、辛み成分と多くの空気とを含有してわさびの風味をより強く得ることができる。
本考案に係るおろし板の第1実施形態を示す平面図である。 第1実施形態において、3つの凸部を示す拡大平面図である。 第1実施形態において、断面矩形状(a)及び断面略台形状(b)の凸部を示す拡大断面図である。 本考案に係るおろし板の第2実施形態において、3つの凸部を示す拡大平面図である。 本考案に係るおろし板の第3実施形態において、3つの凸部を示す拡大平面図である。
以下、本考案に係るおろし板の第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。
本実施形態のおろし板1は、図1に示すように、金属板本体3の表面に、複数の凸部2で構成されたおろし面4が形成されている。
上記凸部2は、図1及び図2に示すように、開口部2bを有する円弧状又は略円弧状に延在した突条部2aを少なくとも有し、おろし面4が、開口部2bの向きが異なる複数の凸部2で構成されている。
なお、図1では、おろし面4において凸部2以外を黒塗りして図示している。
上記凸部2の断面形状は、図3の(b)に示すように、台形状又は略台形状とされている。
また、本実施形態のおろし板1には、おろし面4の一端側に延在した把手部3aが設けられている。この把手部3aは、おろし面4よりも狭い幅で延在し、掴み易くなっている。
また、上記把手部3aの端部には、引っ掛け用孔3bが形成されている。
本実施形態では、図2に示すように、複数の凸部2が、ひらがなの「わ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「さ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「び」の文字形状を有したものとで構成され、「わ」「さ」「び」の順で並べて形成されている。
なお、上下に隣接する行で凸部2を互いにずらして千鳥配置としている。
上記「わ」の凸部2は、左側が直線状の複数の突条部で構成されているが、右側が下方に開口部2bを向けた略円弧状の突条部2aとなっている。
上記「さ」の凸部2は、上側が直線状の複数の突条部で構成されているが、下側に右方向に開口部2bを向けた略円弧状の突条部2aを有している。
上記「び」の凸部2は、上端部が直線状の複数の突条部で構成されているが、上端部より下の部分が上方に開口部2bを向けた略円弧状の突条部2aとなっている。
このように本実施形態では、「わ」の凸部2では、突条部2aの開口部2bが下方に向いており、また「さ」の凸部2では、突条部2aの開口部2bが右側方向に向いており、さらに「び」の凸部2では、突条部2aの開口部2bが上方に向いている。すなわち、3つ並んだ凸部2は、それぞれ突条部2aの開口部2bが異なる方向となっている。また、各凸部2は、いずれも環状に閉じた突条部を有しておらず、複数の開放端を有しており、これらの突条部の開放端が、様々な方向に向いている。
なお、図中の矢印方向が突条部2aの開口方向を示している。
本実施形態のおろし板1は、例えば厚さ1mm〜1.2mmのステンレス板で形成され、凸部2の高さhが、0.2〜0.3mmであり、突条部2aの線幅Wが、0.5〜0.8mmとされている。
なお、一つの凸部2の縦横の寸法は、例えば3mm×3mmに設定されている。
上記おろし面4の縦横の寸法は、例えば78mm×77mmに設定されている。
本実施形態のおろし板1の全長は、例えば171mmに設定され、先端側の幅が、例えば83mmとされ、基端側(把手部3aの端部)の幅が、例えば30mmとされている。
おろし面4の凸部2は、ステンレスのエッチャントによるエッチング処理により凸部2以外の部分を除去することで形成されている。
なお、エッチングの際のサイドエッチによって凸部2の断面形状が上記台形状又は略台形状となっている。
このように本実施形態のおろし板1では、凸部2が、開口部2bを有する円弧状又は略円弧状に延在した突条部2aを少なくとも有し、おろし面4が、開口部2bの向きが異なる複数の凸部2で構成されているので、わさび等の食材をすり下ろす際に、突条部2a内に入った食材が突条部2aの開口部2bから自然と掃き出されることで詰まりが抑制され、より細かくすり下ろすことができると共に、食材内に細かな空気を含有させることができる。
特に、突条部2aの開口部2bの向きが異なる複数の凸部2でおろし面4が構成されていることで、わさび等の食材を押し付けて擦る際に、一方向だけでなく様々な方向に向けて擦っても上記掃き出し効果を得ることができる。
したがって、どの方向に擦っても、空気を多く含有させることができると共に細かくすり下ろすことができ、すり下ろした後にわさび等の風味をより強く得ることができる。また、突条部2aの両端部2cが擦る方向(面方向)に沿って突出した開放端となっていることで、突条部2aの突出した両端部2cが食材に引っ掛かり易く、食材の繊維や細胞を細かく壊すことができ、内部の辛み成分等を効果的に取り出すことができる。
特に、「わ」「さ」「び」の文字形状を有した複数の凸部2が、「わ」「さ」「び」の順で並べて形成されているので、それぞれ異なる方向に開口した円弧状又は略円弧状の突条部2aを凸部2中に有しており、掃き出し効果を得られると共に、わさび用を強調したデザインによる特徴的な美観も得ることができる。
また、凸部2の断面形状が、台形状又は略台形状とされているので、図3の(a)(b)に示すように、断面形状が直角な矩形状である場合に比べて、すり下ろしたわさび等の食材Fが凸部2の基端隅部に詰まってしまうことを抑制でき、わさび等の食材Fが浮き易くなることで、より細かくすり下ろせると共に、より多くの空気を含ませることができる。
次に、本考案に係るおろし板の第2及び第3実施形態について、図4及び図5を参照して以下に説明する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、複数の凸部2が、ひらがなの「わ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「さ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「び」の文字形状を有したものとで構成され、「わ」「さ」「び」の順で並べて形成されているのに対し、第2実施形態のおろし板は、図4に示すように、開口部22bの向く方向の異なる3つの円弧状の凸部22を並べ、おろし面を構成している点である。
すなわち、第1実施形態では、「わ」「さ」「び」の凸部2の一部分に円弧状又は略円弧状の突条部2aがあるのに対し、第2実施形態では、円の一部を切り欠いて開口させた円弧状の凸部22の全体が円弧状の突条部22aとなっている。そして、複数の円弧状の凸部22を、その開口部22bの向きを変えて並べている。また、並んだ3つの突条部22aの両端部22cも、互いに別々の方向に向いている。本実施形態では、少なくとも異なる3方向に開口部22bを向けて凸部22aを並べている。
このように第2実施形態のおろし板でも、第1実施形態と同様に、凸部22が、円弧状に延在した突条部22aを有し、おろし面が、突条部22aの開口部22bの向きが異なる複数の凸部22で構成されているので、わさび等の食材をすり下ろす際に、より細かくすり下ろすことができると共に、食材内に細かな空気を含有させることができる。
次に、第3実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、円弧状の凸部22を採用しているが、第3実施形態のおろし板は、図5に示すように、開口方向の異なる3つのコ字状の凸部32を並べ、おろし面を構成している点である。
すなわち、第3実施形態では、一方向に開口したコ字状の凸部32の全体がコ字状の突条部32aである。そして、複数のコ字状の凸部32を、その開口部32bの向きを変えて並べている。また、並んだ3つの突条部32aの両端部32cも、互いに別々の方向に向いている。本実施形態では、少なくとも異なる3方向に開口部32bを向けて凸部32aを並べている。
このように第3実施形態のおろし板でも、第2実施形態と同様に、凸部32が、コ字状に延在した突条部32aを有し、おろし面が、突条部32aの開口部32bの向きが異なる複数の凸部32で構成されているので、わさび等の食材をすり下ろす際に、より細かくすり下ろすことができると共に、食材内に細かな空気を含有させることができる。
なお、本考案の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
1…おろし板、2,22,32…凸部、2a,22a,32a…突条部、2b,22b,32b…突条部の開口部、3…金属板本体、4…おろし面、h…凸部の高さ、W…突条部の線幅

Claims (4)

  1. 金属板本体の表面に、複数の凸部で構成されたおろし面が形成され、
    前記凸部が、開口部を有する円弧状,略円弧状又はコ字状に延在した突条部を少なくとも有し、
    前記おろし面が、前記開口部の向きが異なる複数の前記凸部で構成されていることを特徴とするおろし板。
  2. 請求項1に記載のおろし板において、
    前記凸部の断面形状が、台形状又は略台形状とされていることを特徴とするおろし板。
  3. 請求項1又は2に記載のおろし板において、
    複数の前記凸部が、ひらがなの「わ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「さ」の文字形状を有したものと、ひらがなの「び」の文字形状を有したものとで構成され、「わ」「さ」「び」の順で並べて形成されていることを特徴とするおろし板。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載のおろし板において、
    ステンレスで形成され、
    前記凸部の高さが、0.2〜0.3mmであり、
    前記突条部の線幅が、0.5〜0.8mmであることを特徴とするおろし板。
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