JP3213270B2 - 熱可塑性ポリエステル樹脂製のフラットな発泡シート及びその製造方法 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル樹脂製のフラットな発泡シート及びその製造方法Info
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Description
ステル樹脂製のフラットな発泡シートに関するものであ
り、またそのような発泡シートの製造方法に関するもの
である。
をPETという)製の発泡シートは、シートパレット、
自動車の天井材、内装材、畳、襖、雨戸、壁材などとし
て使用されており、建材及び構造材として色々な用途に
使用できるものと期待されている。建材及び構造材とし
ては、表面が僅かでも湾曲していると不適品とされるの
で、表面が真の平面となっていることが要求される。
が真の平面となったフラットなものとして提供すること
が困難である。なぜならば、PET製の発泡シートは押
出発泡により連続して作られるので、得られた発泡シー
トは冷却してロールに巻き取られ、ロール状で一旦保管
されることになるため、巻き癖がついて真の平面になり
難いからである。また、押出発泡に際しては、フラット
な口金を用いるよりもサーキュラー口金を用いた方が押
出操作が容易であるから、サーキュラー口金が多く用い
られるが、サーキュラー口金を用いると、得られた発泡
シートがさらに円筒状になろうとする復元性を持つの
で、真の表面を持った発泡シートを得ることが一層困難
となる。
歪みとは、他の樹脂で作られた発泡シートでは見られな
い使用上の欠点となる。しかもこれを矯正することが容
易でない。例えばポリエチレンやポリスチレン製の発泡
シートでは、発泡シート自体が柔軟であるため、復元性
や巻き癖を持っていても他物の平面に無理に押し付ける
ことにより、容易に他物の平面に密着させることができ
る。従って、他の樹脂では巻き癖などは余り問題になら
ない。ところが、PET製の発泡シートは、厚みが0.
3mm以上になると、常温では簡単に変形できないほど
に堅いものとなるため、シートを無理に屈曲して他の平
面に密着させようとしても密着させることができない。
これを無理に密着させようとして変形させると、シート
に亀裂が入る。従って、PET発泡シートでは復元性と
巻き癖による歪みは、他の樹脂製の発泡シートと全く違
って、これを矯正することが容易でない。
PET発泡シートを加熱して適度に軟化させ、軟化した
PET発泡シートを真の平面状態に維持してそのまま冷
却すればよいことは、当業者の容易に気付くことであ
る。ところが、これを実施することは容易でない。なぜ
ならば、PETは225℃に結晶融点を持った結晶性の
樹脂であり、結晶融点で急激に溶融するから、加熱し過
ぎると気泡を潰すことになり、気泡を潰さないで樹脂を
軟化させた状態に維持するための温度幅が狭く、従っ
て、適度に軟化した状態に維持して真っ直ぐな平面にす
ることが実際上困難だからである。
シートでは、巻き癖を矯正することがまだ可能である。
例えば、一辺が50mm程度の正方形のPET発泡体
は、これを平滑な金属板の間に挟んで約180℃に一様
に加熱し、僅かに加圧してのち冷却することにより、歪
みのないフラットなPET発泡シートとすることができ
る。ところが、表面積の大きいPET発泡シートとなる
と、上述のような方法によって歪みを矯正して真っ直ぐ
な平面にすることが容易でない。例えば、一辺が500
mmの正方形又はこれ以上の大形のPET発泡シート
は、これを一様に加熱して気泡が潰れない程度に軟化し
た状態に維持することが困難である。従って、大形のP
ET発泡シートは歪みを矯正することが容易でない。
巻き癖をなくすには、巻き癖の矯正を連続して行わなけ
ればならない。連続的に行うにはPET発泡シートを軟
化した状態で移動させなければならない。ところが、軟
化した状態で移動させると、移動中に軟化したPET発
泡シートが自重で垂れ下がり、これによって変形すると
いう新たな問題も生じる。そのために、長尺のPET発
泡体の歪みを矯正することは一層容易でない。とくに巻
き取りロールとしては直径が500mm程度のものが使
用されたから、これによる歪みは傾斜の大きなものとな
り、全くフラットなPET発泡シートは提供できない、
という問題があった。
題を解決しようとするものである。すなわち、巻き癖な
どによる凹凸の歪みが矯正されたPET発泡シートであ
って、この発泡シートを標準平面上に置いたとき、PE
T発泡シートの表面が標準平面に殆ど密接することとな
っているようなフラットなPET発泡シートを提供しよ
うとするものである。また、そのようなフラットなPE
T発泡シートを作る方法を提供しようとするものであ
る。
泡シートがフラットであるという特徴を数値的に説明す
ると次のとおりである。前述のように、PET発泡シー
トは直径が500mm程度のロールに巻いて貯蔵された
ので、PET発泡シートは曲率が350〜500mm程
度の巻き癖を持っており、従ってこれから切り取った一
辺が500mm以上のPET発泡シートを標準平面上に
置くと、PET発泡シートは標準平面から63〜85m
m程も離れたものとなった。これに対し、この発明に係
るPET発泡シートは、一辺が500mm以上の広い表
面を持ったものであっても、これを標準平面上に置いた
とき、上記の広い表面が標準平面から離れている最大距
離が発泡シートの最大直線長の2%以下となる程、フラ
ット化されている。
ートを作るには、PETとして特殊の分子量を持ったも
のを選択し、これを押出発泡により特定の平均気泡径、
密度及び厚みを持った発泡シートに成形し、これを巻き
取ったものを材料として用いる必要があり、また装置と
しては、特定の温度に加熱され、特定の状態に配置され
た加熱ロールと、それより低い特定の温度に維持され、
特定の状態に配置された冷却ロールと、引取ロールとを
用いる必要があり、しかも加熱ロールと引取ロールとの
間で発泡シートを特定割合に延伸するのが、有効である
ことを見出した。この発明は、このような知見に基づい
て完成されたものである。
という物に関する発明と、そのようなフラットなPET
発泡シートを製造する方法とを含んでいる。そのうち、
物の発明は、押出発泡法によって作られたPET製の発
泡シートであって、平均気泡径が0.05〜2mm、密
度が0.04〜0.9g/ccに発泡しており、厚みが
0.3〜15mmで表面が5000cm2 以上の広い面
積を持ったシートであって、これを標準平面上に置いた
とき、上記の広い表面が標準平面から離れている最大距
離が、発泡シートの最大直線長の2%以下となっている
ことを特徴とするものである。
が80,000〜200,000で、重量平均分子量と
数平均分子量との比が4.0〜10.0の範囲内にある
PETを、押出発泡により平均気泡径0.05〜2m
m、密度0.04〜0.9g/cc、厚み0.4〜20
mmの発泡シートに成形し、この発泡シートをロール状
に巻回して常温にまで冷却したのち、この発泡シートを
巻き戻して発泡シートに両側から表面温度が120〜2
20℃の加熱ロールを順次10〜100秒間接触させて
発泡シートを加熱し、次いで水平に並べられた表面温度
70℃以下の冷却ロールで支えながらその先で引取ロー
ルにより発泡シートを引き取り、その間に発泡シートを
冷却し、加熱ロールと引取ロールとの間で発泡シートを
1.03〜1.9倍に延伸することを特徴とするもので
ある。
方法を説明する。この発明では原料として特定の分子量
を持ったPETを選んで用いる。特定の分子量とは、重
量平均分子量が80,000〜200,000の範囲内
にあって、重量平均分子量と数平均分子量との比が4.
0〜10.0の範囲内にあるものを指している。
アルコールとが縮合した形の高分子量の直鎖状ポリエス
テルである。芳香族二塩基酸としてはテレフタル酸が代
表的なものであるが、そのほかイソフタル酸、ナフタレ
ンジカルボン酸なども用いることができる。また、脂肪
族の2価アルコールとしてはエチレングリコールが代表
的なものであるが、そのほかプロピレングリコール、ジ
エチレングリコールなども用いることができる。PET
としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレートが代表的なものであって、これらのものは市
販されている。この発明では、これら市販されているも
のを用いることができる。そのほか、ペットボトルとし
て使用されたものを回収し、粉砕して作られた再生PE
Tも、この発明ではのちに述べるように適当な改質剤に
よって改質して、使用することができる。
量が80,000〜200,000の範囲内にあって、
且つ重量平均分子量と数平均分子量との比が4.0〜1
0.0の範囲内にあるものを選んで用いる。重量平均分
子量とは、単位体積中に分子量がMiの分子がNi個存
在するとき、重量平均分子量Mwは、 Mw=ΣMi2 Ni/ΣMiNi で表される値である。重量平均分子量Mwは、光散乱
法、拡散法、超遠心機による沈降速度法などによって定
められる。
上昇法、浸透圧法などによって求められる値である。重
量平均分子量と数平均分子量との比は、一般に分子量分
布と云われ、分子量の広がり具合を示している。分子量
分布の大きいものは、大小様々な分子量を持った分子が
集まっていることを示し、逆に分子量分布の小さいもの
は比較的揃った分子量の集まりであることを示してい
る。
均分子量と分子量分布とが上述の範囲より小さいものが
多い。このときは、これに改質剤を加えて加熱溶融する
ことにより、これらの値を上昇させて上述の範囲内のも
のとして使用する。改質剤としては、無水ピロメリット
酸、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラ
カルボン酸二無水物、トリメリット酸、ナフタレンテト
ラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、シク
ロペンタンテトラカルボン酸、ジグリシジルテレフタレ
ート等を用いることができる。また、これらのものに周
期律表の第1族、第2族及び第3族の金属の化合物を加
えて用いることができる。これらのうちでは、酸二無水
物を用いるのが好ましい。
る。押出機としては二軸押出機を単独で用いることもで
きるが、また二軸押出機とギアポンプとの組み合わせ、
二軸押出機とギアポンプと単軸押出機との組み合わせ、
二軸押出機と単軸押出機との組み合わせなどを用いるこ
とができる。樹脂として再生PETを用いる場合には、
樹脂の押出機への食い込みと押出安定性の点から、二軸
押出機と単軸押出機との組み合わせを用いることが好ま
しい。このとき、二軸押出機のバレルにはベント口を設
けて、ベント口から水分と揮発分とを吸引除去すること
が好ましい。このときの吸引の程度は20torr以下
とすることが好ましく、とくに10torr以下とする
ことが好ましい。
剤を圧入する。発泡剤の圧入場所は、発泡剤と溶融され
たPETとが均一に混合されるところであれば、どこで
もよい。一段目の押出機が二軸押出機であり、二段目の
押出機が単軸押出機である場合には、一段目の二軸押出
機のスクリュ先端からスクリュの全長の約1/3のとこ
ろにあるバレル部分、又は一段目押出機と二段目押出機
とを接続している接続管、又は二段目押出機の接続管寄
りのバレル部分のうち、どこに発泡剤圧入場所があって
もよい。発泡剤圧入場所には、発泡剤を圧入するための
孔を設けて、ここから発泡剤を圧入する。
ものを用いることができる。具体的には、窒素、二酸化
炭素、ヘリウム等の不活性ガス、プロパン、ブタン、ペ
ンタン、ヘキサン等の炭化水素、塩化メチル、テトラフ
ルオロエタン等のハロゲン化炭化水素、メチルターシヤ
リブチルエーテル、ジメチルエーテル等のエーテル等で
ある。また、これらの物理的発泡剤以外に、炭酸ナトリ
ウム、重炭酸ナトリウム等の化学発泡剤も使用すること
ができる。
PETと改質剤と、発泡剤以外に、色々な補助剤を用い
ることができる。例えば、気泡の大きさを調整するため
に気泡調整剤としてタルクの微粉末を加えることができ
る。そのほか、PET中にポリ四弗化エチレンの粉末を
加えることにより、得られたPET発泡シートの脆性を
改良することができる。ポリ四弗化エチレン粉末は、P
ET100重量部に対し0.001〜3重量部、好まし
くは0.002〜2重量部、さらに好ましくは0.00
3〜1重量部とする。
気泡径が0.05〜2mm、密度0.04〜0.9g/
cc、厚み0.4〜20mmの発泡シートを作る。この
発泡シートは、重量平均分子量が80,000〜20
0,000で重量平均分子量と数平均分子量との比が
4.0〜10.0の範囲内にあるPETを用いて、これ
を押出発泡させることによりこのような発泡シートとす
ることができる。
は扇形口金を用いることもできるが、好ましいのはサー
キュラー口金である。なぜならば、T形口金又は扇形口
金では、PETを広幅の平面状にして押し出すので、幅
方向の中央部と両端部とでPETを同じ様に一様に流動
させることが困難であるが、サーキュラー口金ではPE
Tを円筒状にして押し出すので、PETを一様に流動さ
せることが容易だからである。
は、その状態で発泡して発泡シートとなる。平面状で押
し出された発泡シートは、冷却されてのち、そのまま一
旦ロールに巻き取られる。また、円筒状で押し出された
発泡シートは冷却されたのち、円筒軸の方向に沿って切
断され、これを開いて平面状のシートとされてのち、ロ
ールに巻き取られる。
れたPETの発泡シートを巻き戻して、巻き癖による歪
みを矯正する。そのために、この発明は、加熱ロール
と、冷却ロールと、引取ロールとを用い、それらのロー
ルを特定の温度に維持するとともに、特定の関係に配置
したものを用いることを特徴としている。
熱ロールは軸を水平に向けて互いに平行に位置し、互い
に離れて存在している。発泡シートは、2個以上の加熱
ロールの間を屈曲して通り、第1の加熱ロールに接触し
て一面が加熱され、次いで第2の加熱ロールに接触して
他面が加熱されるようにする。第3及び第4の加熱ロー
ルを用いる場合には、同様に第3の加熱ロールによりシ
ートの一面が加熱され、第4の加熱ロールによりシート
の他面が加熱されるようにする。この場合、第1の加熱
ロールの下方に第2の加熱ロールが位置していて、第1
の加熱ロールから第2の加熱ロールへ発泡シートが移動
する際に、発泡シートが撓んで垂れ下がるのを防止する
ことが好ましい。
れていて、その表面は120〜220℃に維持されてい
る。この温度はPETの軟化温度を基準にして定められ
る。すなわち、PETの軟化温度は大体225℃である
から、加熱ロールは、その表面温度がPETの軟化温度
より5℃〜145℃だけ低い温度とされる。そのうちで
も好ましいのはPETの軟化温度よりも25〜125℃
だけ低い温度である。
が一面から他面へ伝わるに相応する時間だけ、加熱ロー
ルに接触せしめられる。云いかえると、上記の時間だけ
接触するように加熱ロールを回転させる。その時間は1
0〜100秒である。PET発泡シートは、第1の加熱
ロールにより一面側から加熱され、次いで第2の加熱ロ
ールにより他面側から加熱される。その結果、シート全
体がほぼ一様な温度に加熱されることとなる。
ロールは軸を水平に向けて互いに離れて平行に位置し、
各冷却ロールの上端部分が1つの水平面上に並ぶように
配置されている。また、冷却ロールは上記加熱ロールの
下方に位置し、加熱ロールに対しても平行となってい
る。また、冷却ロールのうちの端に位置するものは、加
熱ロールのうちの最後のものに近接している。
れていて、その表面は70℃以下に維持されている。そ
の温度はPETのガラス転移点以下である。PET発泡
シートは、冷却ロールの上を冷却ロールに支えられなが
ら移動して行き、その間に平面状に維持され空気により
冷却される。冷却ロールは、発泡シートが冷却されて変
形しなくなる位置にまで、広がっていることが望まし
い。
なくなったところに、引取ロールが設けられている。引
取ロールは対をなすロールから成る。引取ロールはその
間にPET発泡シートを挟んで強制的に移動させる。こ
の引取ロールにより、上記加熱ロール又は巻き戻しロー
ルとの間でPET発泡シートは延伸される。その延伸の
割合は1.03〜1.9倍とする。そのうちでも好まし
いのは、1.05〜1.80倍である。
が80,000〜200,000で重量平均分子量と数
平均分子量との比が4.0〜10.0の範囲内にあるP
ETを用いるので、これを押出発泡させてPETの発泡
シートとすることが容易である。しかも、発泡条件の調
節により、平均気泡径が0.05〜2mmで、密度が
0.04〜0.9g/ccで、厚み0.4〜20mm
の、良質で建材及び構造材としての用途に適したPET
発泡体を容易に得ることができる。また、このPET発
泡シートを冷却してロールに巻き取ることとしたから、
PET発泡シートは長尺のものとして得られ、従って用
途により望みの長さのものを切り取って使用することが
できる。
たPET発泡シートを巻き戻し、発泡シートの両側から
表面温度が120〜220℃の加熱ロールを順次10〜
100秒間接触させて、発泡シートを加熱することとし
たから、ロールの温度と接触時間との調整により、発泡
シートの気泡を潰さないで発泡シートを変形させるに適
した温度に容易に一様に加熱することができる。次い
で、水平に並べられた表面温度70℃以下の冷却ロール
で発泡シートを支えながら、その先で引取ロールにより
発泡シートを引き取ることとし、その間に発泡シートを
冷却し、加熱ロールと引取ロールとの間で発泡シートを
1.03〜1.9倍に延伸することとしたから、発泡シ
ートは撓むことなく冷却ロール上で冷却されて、表面が
真っ直ぐなフラットのPET発泡シートとなる。こうし
てフラットなPET発泡シートを容易に得ることができ
る。
ートは、平均気泡径が0.05〜2mmで、密度が0.
04〜0.9g/ccに発泡しており、厚みが0.3〜
15mmで大きく、また表面が5000cm2 以上の広
い面積を持ったものであり、しかも押出発泡法によって
作られたものであるに拘わらず、フラットで真っ直ぐな
表面を持ったものである。そのフラットな程度は、この
PET発泡シートを標準平面上に置いたとき、広い表面
が標準平面から離れている最大距離が、発泡シートの最
大直線長の2%以下となっている。従って、このPET
発泡シートは真っ直ぐな表面を持ったものとして、構造
材や建材として使用できるものとなる。このPET発泡
シートは、PETで作られているから耐候性、耐熱性に
富み、機械的強度が大きく、しかも発泡体であるために
軽量であって色々な方面に使用することができる。この
発明は、このような利益をもたらすものである。
を具体的に説明し、すぐれている点を明らかにする。以
下で、単に%と云うのは重量%の意味である。
のにタンデム押出機を用いた。このタンデム押出機は、
一段目の押出機が二軸押出機であって、二軸が咬み合い
ながら同方向に回転するものであり、二段目の押出機が
単軸押出機から成るものであった。
トルの回収品とを混合して用いた。市販のPETは、重
量平均分子量が88500で、重量平均分子量と数平均
分子量との比が3.44であるものを用いた。また、ペ
ットボトルの回収品としては、重量平均分子量が578
00で重量平均分子量と数平均分子量との比が3.7で
あるものを用いた。ペットボトルの回収品は80%の割
合で一段目の押出機の原料投入口から連続的に供給し、
市販のPETは、その19.565%に改質剤として無
水ピロメリット酸0.40%と、発泡剤として炭酸ソー
ダ0.03%との割合で混合し、この混合物を20kg
/Hrの割合で別の原料定量供給装置から連続的に供給
した。
さが200mmのものを12個連結した構造のものであ
る。一段目の押出機のスクリュ回転数を150rpmと
し、シリンダー温度を240〜285℃とし、バレルの
途中に2個のベント口を設け、このベント口から3.2
torrの減圧度で水分を吸引除去した。
作用によりPETを増粘して重量平均分子量を1170
00とし、重量平均分子量と数平均分子量との比を7.
8に調整し、この溶融物を275℃に維持された接続管
に通し、さらに二段目の押出機に供給した。二段目の押
出機は、スクリュ回転数を60rpmとし、シリンダー
温度を265℃〜285℃に維持した。また二段目の押
出機のシリンダーの途中に発泡剤圧入口を設けて、ここ
からブタンを0.6%の割合で注入した。
5mmのサーキュラー口金から大気中へ円筒状に押し出
した。押し出されたPET溶融物は、発泡して直径が4
00mmで長さが900mmのマンドレル上を移動し
た。その後円筒状発泡体を冷却し、切り開いてシートと
し、これをロールに巻き取った。
き戻して、シートの歪みを矯正した。矯正は、図1に示
したような装置を用いて行った。
り、その直径は何れも300mmであって、その表面は
何れも180℃に加熱されていて、周速1.1m/分で
回転した。PET発泡シートXは、ロール1とロール2
とに何れもほぼ120度の中心角にわたって接触し、時
間にして約52秒間にわたって加熱された。
であって、その直径は250mmであって、その表面は
40℃に維持された。またロール11ないし14は、そ
の上端が水平な一平面を構成するように設けられた。
る。
れたPET発泡シートは、冷却ロール11ないし14に
よって支えられて水平にしかも真っ直ぐな面状に維持さ
れ、加熱ロール1と引取ロール21、22との間で1.
2倍に延伸され、その間に空気に触れて冷却された。そ
の後この発泡シートは1000mm幅×2000mm長
さに切断してフラットなシートとされた。
取られた状態では、坪量505g/m2 であったが、上
述のようにして歪みを矯正したあとでは厚みが1.4m
m、坪量454g/m2 となり、密度が0.32g/c
c、平均気泡径が0.42mmであった。またその結晶
化度は26.2%で、5000以下の分子量のものの割
合が5.3%、表面のRmaxが0.10mm、裏面の
Rmaxが0.18mmであった。このフラットシート
を標準平面上に置いたときの隙間が最高で20mmであ
り、これを最大直線長に対する割合で云うと、0.89
%であって、正にフラットと云えるものであった。
直径100mmの円板状に切り取り、この円板を外径1
00mm、内径76mm、厚さ20mmのドーナツ状の
円筒上に置き、その上方30cmの高さから直径が27
mmの鋼球を自然落下させて、PET発泡シートの耐衝
撃性を調べたが、PET発泡シートは割れなかった。
き戻してフラット化するときに用いる装置の側面図であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 押出発泡法によって作られた熱可塑性ポ
リエステル樹脂製の発泡シートであって、平均気泡径が
0.05〜2mm、密度が0.04〜0.9g/ccに
発泡しており、厚みが0.3〜15mmで表面が500
0cm2 以上の広い面積を持ったシートであって、これ
を標準平面上に置いたとき、上記の広い表面が標準平面
から離れている最大距離が、発泡シートの最大直線長の
2%以下となっていることを特徴とする、熱可塑性ポリ
エステル樹脂製のフラットな発泡シート。 - 【請求項2】 重量平均分子量が80,000〜20
0,000で、重量平均分子量と数平均分子量との比が
4.0〜10.0の範囲内にある熱可塑性ポリエステル
樹脂を、押出発泡により平均気泡径0.05〜2mm、
密度0.04〜0.9g/cc、厚み0.4〜20mm
の発泡シートに成形し、この発泡シートを冷却してロー
ルに巻き取り、その後、この発泡シートを巻き戻して発
泡シートの両側から表面温度が120〜220℃の加熱
ロールを順次10〜100秒間接触させて発泡シートを
加熱し、次いで水平に並べられた表面温度70℃以下の
冷却ロールで支えながらその先で引取ロールにより発泡
シートを引き取り、その間に発泡シートを冷却し、加熱
ロールと引取ロールとの間で発泡シートを1.03〜
1.9倍に延伸することを特徴とする、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂製のフラットな発泡シートの製造方法。
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