JP3212317B2 - 体外循環治療用の補体の活性化抑制材 - Google Patents

体外循環治療用の補体の活性化抑制材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長期透析患者にみられ
る手根管症候群の病因物質と考えられているβ2−ミク
ログロブリンを吸着し、かつ補体の活性化を抑制する体
外循環治療用の補体の活性化抑制材に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、長期にわたって人工透析をうけた患者に手根管症候
群と呼ばれる疾患が多発している。手根管症候群とは、
正中神経が手根管部で圧迫され、正中神経の麻痺症状を
呈する疾患である。かかる患者の患部にはアミロイド物
質と呼ばれるβ- フィブリル状の蛋白が沈着し、かかる
アミロイド物質に対応する前駆蛋白が、患者の血液中に
存在するアミノ酸からなる低分子量蛋白質であるβ2 -
ミクログロブリンであることが明らかにされている。
【0003】そこでこれまでに、血液または血漿中の成
分をそのサイズに応じてある程度選択的に分離する膜を
用いることによってかかるβ2 - ミクログロブリンを分
離する試みがなされているが、β2 - ミクログロブリン
と同時に他の有用な蛋白質が除去されたり、β2 - ミク
ログロブリンの除去量が少ないなどの欠点があるため、
より選択的かつ効率よく大量にβ2 - ミクログロブリン
を除去しうる方法が望まれている。
【0004】またβ2 - ミクログロブリンを除去する他
の方法としては、現在のところあまり試みられていない
が、たとえば抗β2 - ミクログロブリン抗体を担体に固
定した免疫吸着体を用いてβ2 - ミクログロブリンを吸
着除去する方法が考えられている。これらの吸着体はβ
2 - ミクログロブリンに対して高い選択性を示すが、抗
β2 - ミクログロブリン抗体などのリガンドは高価であ
り、また吸着体の保存安定性が悪く滅菌が困難であるな
どの欠点を有しており、治療用の吸着体としては実用的
ではない。
【0005】さらにこれらの吸着体は血液あるいは血漿
成分と直接接触してβ2 - ミクログロブリンを血液ある
いは血漿中から吸着除去し、その後再び血液を患者体内
に戻すものであることから、他の有用な血中成分の吸着
以外に、白血球、血小板、補体などの活性化についても
考慮しなくてはならない。血中の成分は親水性の表面を
持つものには吸着しにくいといわれており、したがって
親水性の表面が有利である。また、白血球や血小板の活
性化についても親水性の表面が有利である。しかしなが
ら、親水性の硬質担体として血液あるいは血漿の体外循
環療法に最適なセルロース系の担体は補体系の活性化を
起こすことが知られている(ピー・ビー・シン(P. B.
Sin )ら、バイオケミカル・ジャーナル(Biochem. J.
)、193巻、115 頁(1981年)参照)。
【0006】補体は新鮮血清中に存在し、免疫複合体に
非特異的に反応する易熱性の因子で、第1成分、第2成
分…第9成分の9個の成分タンパク質からなる。各成分
は順に活性化されるが、第1成分から第5成分までの反
応ではポリペプチド鎖の切断が起こり、前駆体から活性
型へと変化する。このようにして生じたフラグメントの
中には、アナフィラトキシンといわれるC3aやC5aのよ
うに強い生物活性を持ったものがあるほか、補体の活性
化が手根管症候群の一因であるとの説もあることから、
補体の活性化はできるだけ避けなければならない。
【0007】そこで本発明者らは、β2−ミクログロブ
リンの吸着速度および吸着量が大きく、しかも吸着選択
性にすぐれ、血中成分、とくに補体の活性化を抑えなが
らβ2−ミクログロブリンを大量に吸着除去する材料
うるべく鋭意研究を重ねた結果、疎水性リガンドの量を
一定範囲にしてセルロース系担体に固定した材料を血液
と接触させることにより、血中成分、とくに補体の活性
化を抑えつつ、β2−ミクログロブリンの吸着量および
吸着速度、さらに吸着選択性を高く保って該β2−ミク
ログロブリンを除去することができることを見出だし、
本発明を完成するにいたった。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はセル
ロースまたはセルロース誘導体からなる多孔質水不溶性
担体に炭素数4以上のアルキル基を有するリガンドを固
定してなり、該担体に対するリガンド賦与量が担体1m
lあたり8〜60μmolである血液と接触により
血中成分である補体の活性化抑制能と血中成分であるβ
2 −ミクログロブリンの吸着能とを併有した、体外循環
治療用の補体の活性化抑制材に関する。
【0009】
【実施例】本発明体外循環治療用の補体の活性化抑制
は、セルロースまたはセルロース誘導体からなる多孔
質水不溶性担体に炭素数4以上のアルキル基を有するリ
ガンドを固定したものである。
【0010】本発明に用いられる多孔質水不溶性担
は、非特異吸着が比較的少なくβ2−ミクログロブリン
の吸着選択性が良好な親水性担体であるセルロースまた
はセルロース誘導体からなるものである。ここで親水性
担体とは、担体を構成する化合物を平板状にしたときの
水との接触角が60度以下の担体をいう。前記セルロー
スおよびセルロース誘導体は、 機械的強度が比較的大きく強靭であるため、撹拌など
の操作により破壊されたり微粉を生じたりすることが少
なく、カラムに充填したばあいに体液を高流速で流して
も圧密化や、目詰まりしないので高流速で流すことが可
能となり、また細孔構造が高圧蒸気滅菌などによって変
化を受けにくい 親水性であり、リガンドの結合に利用しうる水酸基が
多数存在し、非特異吸着も少ない 空孔容積を大きくしても比較的強度が大きいため軟質
ゲルに劣らない吸着容量がえられる 血液適合性が合成高分子に比べて高い などのすぐれた点を有している
【0011】前記セルロースとは、いわゆる天然セルロ
ースまたは再生セルロースのことであり、たとえば天然
セルロースには木綿繊維を脱脂したもの、麻類の繊維、
木材からリグニンやヘミセルロースなどを除去してえら
れるパルプ、該パルプをさらに精製してえられる精製セ
ルロースなどがその代表例としてあげられるが、これら
に限定されるものではない。なお前記再生セルロースと
は、セルロースをいったん成形しやすいセルロース誘導
体にして成形したのち、加水分解などによりセルロース
を再生させたセルロースのことである。
【0012】また前記セルロース誘導体とは、たとえば
セルロースの水酸基の一部または全部がエステル化やエ
ーテル化などされたもの、セルロースの水酸基の一部が
エステル化され、一部がエーテル化されたものなど、セ
ルロースから誘導されたもののことである。
【0013】前記セルロースの水酸基の一部または全部
がエステル化されたものの具体例としてはたとえば、酢
酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロー
ス、ニトロセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロ
ース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、セルロー
スのジチオカルボン酸エステル(ビスコースレーヨン)
などがあげられるが、これらに限定されるものではな
い。
【0014】前記セルロースの一部または全部がエーテ
ル化されたものの具体例としてはたとえば、メチルセル
ロース、エチルセルロース、ベンジルセルロース、トリ
エチルセルロース、シアンエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、オ
キシエチルセルロースなどがあげられるが、これらに限
定されるものではない。
【0015】前記セルロース系粒子を構成するセルロー
ス系材料の中では、精製セルロースが不純物が少なく、
溶解したときに未溶解物が少ないなどの点から好まし
く、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースなどのセ
ルロースエステルが、多種の溶剤に溶解するため、粒子
製造時の種々の製造条件の選択範囲も広くなり、粒子の
分配係数やスキン層の厚さ、内部の網目状組織における
孔の大きさなどの調整が容易となり、所望のセルロース
系粒子を製造することができ、さらに加水分解すること
によって容易に再生セルロース粒子にすることもできる
などの点から一層好ましい。
【0016】ところで、本発明に用いられるセルロース
またはセルロース誘導体からなる多孔質水不溶性担体
、カラムに充填し、通液する際などに目詰まりを生じ
ないようにするためには充分な機械的強度が要求される
ので、硬質担体である。ここでいう硬質担体とは、たと
えば粒状ゲルのばあい、ゲルを円筒状カラムに均一に充
填し、水性流体を流した際の圧力損失ΔPと流量の関係
が0.3kg/cm2まで直線関係にあるものをいう。
【0017】なお、補体の活性化抑制材の表面には、リ
ガンドの固定化反応に用いうる官能基が存在していると
好都合である。これらの官能基の代表例としてはたとえ
ば、水酸基、アミノ基、アルデヒド基、カルボキシル
基、チオール基、シラノール基、アミド基、エポキシ
基、ハロゲン基、サクシニルイミド基、酸無水物基など
があげられる。
【0018】本発明に用いられる多孔質水不溶性担体に
は、炭素数4以上のアルキル基を有するリガンドが固定
されるが、その固定化の方法としては公知の種々の方法
を特別な制限なしに用いることができる。しかしなが
ら、本発明の補体の活性化抑制材は体外循環治療に供せ
られるため、滅菌時または治療時においてのリガンドの
脱離溶出を極力抑えることが安全上重要であり、そのた
めには共有結合法により固定化することが最も好まし
い。
【0019】固定化の方法としてはたとえばつぎのよう
なものがあげられる。 1) 長鎖脂肪酸をエステル結合で導入する方法。 2) セルロースのアルコキシドにハロゲン化長鎖アルキ
ルを反応させエーテル結合で導入する方法。 3) エピクロロヒドリンで活性化したセルロースに長鎖
アルキルアミンを反応させ、アミノ結合で導入する方
法。
【0020】本発明において炭素数4個以上のアルキル
基を有するリガンドが用いられるのは、かかるリガンド
を用いたばあいにはβ2 - ミクログロブリンに対する吸
着能が大幅に向上するからである。炭素数4個未満のア
ルキル基を有するリガンドでは疎水性が小さくなり、満
足しうるβ2 - ミクログロブリンの吸着能が呈されなく
なる。
【0021】前記アルキル基としては直鎖状、分岐鎖状
もしくは環状の脂肪族炭化水素のいずれであってもよ
く、これらは飽和炭化水素であっても1個以上の不飽和
結合を有するものであってもよい。
【0022】該アルキル基の具体例としてはたとえば、
n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル
基、n-デシル基、n-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-
ヘキサデシル基、n-オクタデシル基、i-ブチル基、シク
ロヘキシル基、オレイル基などがあげられ、これらの中
ではn-ドデシル基、n-テトラデシル基、n-ヘキサデシル
基、n-オクタデシル基が好ましく、さらにn-ヘキサデシ
ル基、n-オクタデシル基が最も好ましい。
【0023】前記炭素数4個以上のアルキル基を有する
リガンドの具体例としてはたとえば、前記のアルキル基
を有する飽和または不飽和炭化水素、アルコール、アミ
ン、チオール、カルボン酸およびその誘導体、ハロゲン
化物、アルデヒド、ヒドラジド、イソシアネート、グリ
シジルエーテルなどのオキシラン環含有化合物、ハロゲ
ン化シランなどがあげられるが、これら以外にもグリコ
ール類のモノアルキルエーテル、ジカルボン酸のモノア
ルキルエステルのごとき、化合物中のヘテロ原子に結合
したアルキル基を有する化合物を用いることができる。
なお、これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよく、
また任意の2種類以上を混合して用いてもよい。
【0024】前記リガンドの多孔質水不溶性担体に対す
る賦与量は、多孔質水不溶性担体1mlあたり8〜60
μmol、好ましくは15〜35μmolである。かか
る賦与量が8μmol未満であるばあい、β2−ミクロ
グロブリンの吸着量が不充分であるばかりでなく、血液
との接触により補体の活性化が起こりC3a、C5aが
多量に発生する。そのため、かかる補体の活性化抑制材
を利用して体外循環を行なうばあい、治療効果を向上せ
しめるためには多量の補体の活性化抑制材を使用しなけ
ればならず、体外循環血液量または血漿量も増えるうえ
に補体の活性化によるアナフィラキシーショックの可能
性も高くなる。また、60μmolをこえるばあい、血
小板の粘着および活性化が起こりやすくなりカラム内で
の血液凝固の可能性が高くなる。
【0025】本発明の補体の活性化抑制材を治療に用い
るには種々の方法がある。最も簡便な方法としてはたと
えば、患者の血液を体外に導出して血液バッグに貯め、
これに前記補体の活性化抑制材を混合してβ2−ミクロ
グロブリンを除去したのちフィルターを通して補体の活
性化抑制材を除去し、血液を患者に戻す方法などがあ
る。この方法は複雑な装置を必要としないので好まし
い。他の方法は補体の活性化抑制材をカラムに充填し、
体外循環回路に組込み、オンラインで吸着除去を行なう
ものである。処理方法には、全血を直接灌流する方法と
血液から血漿を分離したのち、血漿をカラムに通す方法
とがあり、前記補体の活性化抑制材はいずれの方法にも
用いることができるが、前記のごとくオンライン処理に
最も適している。
【0026】つぎに本発明の体外循環治療用の補体の活
性化抑制材を具体的な実施例によりさらに詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0027】実施例1 セルロース系多孔質硬質ゲル(数平均粒径 540μm で、
±5%以内にすべての粒子径が入っており、表面の孔に
入らない最小の大きさの分子量が16000) 170mlに水を加
えて全量を340ml としたのち、2M水酸化ナトリウム90
mlを加えて40℃とした。これにエピクロルヒドリン31ml
を加え、40℃で撹拌下に2時間反応させた。反応終了
後、充分に水洗し、エポキシ化ゲルをえた。
【0028】このエポキシ化ゲル10mlにリガンドとして
n-デシルアミン10mgを加え、エタノール中で室温で静置
下8時間反応させた。反応終了後、エタノールおよび水
で充分に洗浄し、n-デシルアミン固定化ゲルをえた。
【0029】えられたゲルのリガンド賦与量を下記の方
法で測定したところ、ゲル1mlに対して8.4 μmol であ
った。
【0030】(リガンド賦与量)結合したアミンを塩酸
でイオン交換し、水酸化ナトリウム水溶液で逆滴定する
ことにより求める。
【0031】 (β2−ミクログロブリンおよびアルブミンの吸着量) このゲル0.4mlにβ2−ミクログロブリン濃度65
μg/mlの透析患者血清2.4mlを加え、37℃で
2時間インキュベートした。上澄み液中のβ2−ミクロ
グロブリンおよびアルブミンの濃度を測定し、補体の活
性化抑制材1mlあたりのβ2−ミクログロブリンの吸
着量を求めたところ、158μg/mlゲルであった。
【0032】つぎにこの補体の活性化抑制材の血液適合
性試験の方法および結果について述べる。
【0033】(補体の活性化)まずこのゲルの補体の活
性化の測定方法および結果について述べる。なお、ここ
ではアナフィラキシーショックの原因であるC3a、C5a
に着目して補体の活性化について評価を行なった。
【0034】オートクレーブで滅菌後(121 ℃、20
分)、0.4ml のゲルをポリスチレン製の遠沈管中で5U/
mlのヘパリンを加えた生理食塩水で3回洗浄したのち、
新鮮な人血4mlを加え、37℃で30分間、36回/minの速度
で振盪し、その後活性化された補体のフラグメントであ
るC3a、C5aの血漿中の濃度を測定したところ、それぞ
れ2083ng/ml 、17.8ng/ml であった。
【0035】ブランクとしてゲルを入れずに新鮮な人血
4mlだけを加えたばあい、C3a、C5aはそれぞれ727ng/
ml、11.3ng/ml であり、またリガンドをつけていない担
体で補体の活性化を調べたところ、C3a、C5aはそれぞ
れ5905ng/ml 、63.1ng/mlであった。このように、リガ
ンド量が8〜15μmol/mlゲルの吸着体ではC3 は多少活
性化されたが、C5 はあまり活性化されていない。
【0036】(血小板透過率) つぎに血小板透過率の測定方法と結果を示す。補体の活
性化抑制材1mlを内径8mmのカラムに詰め、7U/
mlのへパリンを加えた生理食塩水を100ml流した
のち、血液を流速0.5ml/minで30分間流し、
血小板の透過率を測定したところ、80〜93%であっ
た。
【0037】またリガンドを導入していないゲルについ
ては、90〜98%であった。
【0038】実施例2 実施例1の反応時間を4時間とした以外は同じ方法で
体の活性化抑制材の合成を行なった。えられた補体の活
性化抑制材について、実施例1と同様の実験を行なった
結果を以下に示す。
【0039】 リガンド賦与量:3.1μmol/mlゲル 補体の活性化:C3a濃度 3570ng/ml C5a濃度 34.2ng/ml このように、リガンド賦与量が8μmol/mlゲル以
下の補体の活性化抑制材ではC3、C5ともかなり活性
化されている。
【0040】また、血小板透過率については、82〜9
5%と実施例1の補体の活性化抑制材よりはよくなって
いる。
【0041】実施例3 実施例1の反応時間を36時間とし、加えたn−デシル
アミンの量を40mgとした以外は同じ方法で補体の活
性化抑制材の合成を行なった。えられた補体の活性化抑
制材について、実施例1と同様の実験を行なった結果を
以下に示す。
【0042】リガンド賦与量:56.3μmol/mlゲル 補体の活性化:C3a濃度 758 ng/ml C5a濃度 10.9ng/ml このように補体の活性化はほとんど起こっていないが、
血小板透過率は48〜63%とかなり落ちていることがわか
る。
【0043】実施例4 実施例1の反応時間を24時間とし、加えたn−デシル
アミンの量を20mgとした以外は同じ方法で補体の活
性化抑制材の合成を行なった。えられた補体の活性化抑
制材について、実施例1と同様の実験を行なった結果を
以下に示す。
【0044】 リガンド賦与量:23.3μmol/mlゲル β2−ミクログロブリン吸着量:360μg/mlゲル アルブミン吸着量:4mg/mlゲル 補体の活性化:C3a濃度 1102ng/ml C5a濃度 12.9ng/ml 血小板透過率:65〜80% 実施例5 実施例1の反応時間を24時間とし、加えたn−デシル
アミンの量を30mgとした以外は同じ方法で補体の活
性化抑制材の合成を行なった。えられた補体の活性化抑
制材について、実施例1と同様の実験を行なった結果を
以下に示す。
【0045】リガンド賦与量:34.8μmol/mlゲル 補体の活性化:C3a濃度 830 ng/ml C5a濃度 11.5ng/ml 血小板透過率:58〜76% このように、リガンド量が担体1mlあたり15〜35μmol
の範囲にあるとβ2 -ミクログロブリン吸着量、吸着選
択性、血液適合性のいずれもよいレベルにはいった。
【0046】以上の結果を表1、表2にまとめる。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】以上のようにリガンド賦与量が8μmol/ml
以下のばあいは補体の活性化が無視できず、56μmol/ml
以上になると血小板の透過率が悪くなっていることか
ら、リガンド賦与量の範囲が決定した。
【0050】参考例1 実施例4のデシルアミンをエチルアミンにした以外は同
様の方法で合成した。えられた補体の活性化抑制材につ
いて、実施例1と同様の実験を行なった結果を以下に示
す。
【0051】リガンド賦与量:33.4μmol/mlゲル β2 - ミクログロブリン吸着量:25μg/mlゲル このように、リガンドのアルキル鎖長が4以下であると
β2 - ミクログロブリンの吸着量が極端に少なくなって
しまう。
【0052】実施例6 実施例4のデシルアミンをヘキシルアミンにした以外は
同様の方法で合成を行なった。えられた補体の活性化抑
制材について、実施例1と同様の実験を行なった結果を
以下に示す。
【0053】 リガンド賦与量:30.8μmol/mlゲル β2−ミクログロブリン吸着量:138μg/mlゲル 補体の活性化:C3a濃度 1350ng/ml C5a濃度 13.1ng/ml 血小板透過率:67〜82% 実施例7 実施例4のデシルアミンをヘキサデシルアミンにした以
外は同様の方法で合成を行なった。えられた補体の活性
化抑制材について、実施例1と同様の実験を行なった結
果を以下に示す。
【0054】リガンド賦与量:21.5μmol/mlゲル β2 - ミクログロブリン吸着量:380 μg/mlゲル 補体の活性化:C3a濃度 1078ng/ml C5a濃度 12.6ng/ml 血小板透過率:66〜80%
【0055】
【発明の効果】本発明の補体の活性化抑制材は、特定量
の疎水性リガンドを有するので、血液と接触させること
により、高い選択性と吸着量を維持したうえで、補体の
活性化をほとんど起こすことなく血液中からβ2−ミク
ログリブリンを吸着除去して体外循環治療を行なうこと
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−277570(JP,A) 特開 昭59−44266(JP,A) 特開 昭63−99875(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/00 - 20/34 A61M 1/36

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースまたはセルロース誘導体から
    なる多孔質水不溶性担体に炭素数4以上のアルキル基を
    有するリガンドを固定してなり、該担体に対するリガン
    ド賦与量が担体1mlあたり8〜60μmolである
    血液と接触により血中成分である補体の活性化抑制能
    と血中成分であるβ 2 −ミクログロブリンの吸着能とを
    併有した、体外循環治療用の補体の活性化抑制材
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