JP3211989U - 包装体用広告表示シート - Google Patents

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Abstract

【課題】略全面に金属光沢を有し、かつ表面が美麗な包装体用広告表示シートを、箔押しに比べて低コストで製造することができる包装体用広告表示シートを提供する。【解決手段】透明な合成樹脂からなり、かつ表面に所定の広告が印刷された印刷層11aを有する基材シート11と、透明な合成樹脂フィルム13aからなり、印刷面にブロッキング防止のためのスプレーパウダーが付与されてなる基材シート11の裏面に、水性接着剤組成物からなる接着剤層13bを介して、表面全体または裏面全体に金属蒸着膜12が形成された金属蒸着フィルム13、もしくは、金属蒸着フィルムの金属蒸着膜12がパスター加工されたパスターフィルム13A、または金属蒸着膜12が形成されたホログラムフィルム13Aを積層した。【選択図】図1

Description

本考案は、包装体用広告表示シート、詳しくは商品を梱包するための包装体用広告表示シートに関する。
例えば、ヘアシャンプーやヘアコンディショナーを1枚の透明な合成樹脂シートからなる包装体用広告表示シートを折り曲げて形成した包装体により包装し、店舗の陳列棚などに陳列している。その際、商品のデザイン性を高めて高級感を与えるため、包装体に金や銀の箔押しを行い、顧客の購買意欲をそそる手法が知られている。例えば、広告表示シートに金色の部分を強調するためには、包装袋の金色部分の箇所のみに裏面側よりアルミニウムの箔押しをし、この部分を表から黄色に印刷すると、この箇所が金色に輝く。また、アルミニウムの箔押し部分に何も印刷しない場合は、鮮やかな銀色に輝くというものである。しかしながら、このように、金色や銀色を強調すするために、アルミニウムなどでその箇所のみに箔押しせねばならず、コストがかかる。すなわち、ここでの箔押しは、包装体用広告表示シートの裏面側に、裏面に接着剤を塗布した真空蒸着箔を配置し、その上から加熱した金属からなる版を押し付けることで、接着剤を版からの熱で活性化し、材料に真空蒸着箔を転写するものである。そのため、押型となる版の製作コストなどが嵩み、コスト高となっていた。
そこで、本考案者は、さきに「商品を包装する包装体用広告表示シートにおいて、透明な合成樹脂からなり、表面または裏面に広告が印刷された基材シートの裏面に、透明な合成樹脂フィルムの表面全体または裏面全体に金属蒸着膜が形成された金属蒸着フィルム、または、該金属蒸着フィルムの金属蒸着膜がパスター加工されたパスターフィルムが積層されたことを特徴とする包装体用広告表示シート」を提案した(特許文献1)。
ここでの印刷は、例えば紫外線硬化型インクによる印刷であり、この印刷にさきだち、あらかじめブロッキングや裏移りを防止するために、フィルムに「スプレーパウダー」と呼ばれる微細な粉を散布することで、フィルムとフィルムの間に隙間を作り、フィルムどうしがくっついてしまうのを防ぐ操作が行われている。この際、ラミネート加工においては、パウダーの多い印刷フィルムにラミネートした場合、仕上がりが白っぽくなることがある。すなわち、まず、フィルムに接着剤を塗布し他のフィルムと貼り合わせる方式の場合、接着剤が硬化する過程でパウダーの影響を受け易くなる。特に、油性の接着剤での貼り合わせは、印刷フィルムへの吸い込みの影響も含めて膜厚が薄く(塗布量:5g/m前後)、パウダーを覆いきれずに仕上がりが悪くなる傾向があることが判明した。この現象は「デンプン粉」などの植物性有機物を主原料としたパウダーが油性接着剤となじまず、ラミネートされるフィルムどうしの間に分散した状態で残り、パウダーに起因する凹凸を生起してフィルム表面を通してブツブツがみられるためと考えられる。
実用新案登録第3169720号
本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので、少なくとも一部、例えば略全面に金属光沢を有した包装体用広告表示シートを、箔押しに比べて低コストで製造することができ、なおかつフィルムどうしをラミネートする際のスプレーパウダーと接着剤層とに起因するブツブツの発生がなく、美麗な表面外観を有する包装体用広告表示シートを提供することを目的としている。
本考案は、次の請求項1〜請求項7から構成されている。
<請求項1>
商品を包装する包装体用広告表示シートにおいて、
(1)透明な合成樹脂からなり、表面または裏面に広告が印刷され、かつブロッキング防止のためのスプレーパウダーが付与されてなる基材シートの裏面に、(2)ブロッキング防止のためのスプレーパウダーが付与されてなる透明な合成樹脂フィルムであって、当該合成樹脂フィルムの表面または裏面の少なくとも一部に、(2−1)金属蒸着膜が形成された金属蒸着フィルム、もしくは(2−2)該金属蒸着フィルムの金属蒸着膜がパスター加工されたパスターフィルム、または(2−3)金属蒸着膜が形成されたホログラムフィルムが、当該基材シートに対して、全面あるいは帯状に部分的に、水性接着剤組成物からなる接着剤層を介して積層されたことを特徴とする包装体用広告表示シート。
<請求項2>
前記金属蒸着膜は、アルミニウム蒸着膜である請求項1に記載の包装体用広告表示シート。
<請求項3>
前記基材シートの前記金属蒸着膜との対峙部分に黄色の印刷を施した請求項2に記載の包装体用広告表示シート。
<請求項4>
接着剤層を構成する水性接着剤組成物が、水性アクリル樹脂とエポキシ化合物を必須成分とするバインダー樹脂組成物と、必要に応じて紫外線吸収剤を含有する水性接着剤組成物である、請求項1〜3いずれかに記載の包装体用広告表示シート。
<請求項5>
水性アクリル樹脂(固形分)100重量部に対し、エポキシ化合物の添加量が1〜8重量部である、請求項4記載の包装体用広告表示シート。
<請求項6>
水性接着剤組成物において、バインダー樹脂組成物の固形分100重量部に対する紫外線吸収剤の含有量が6〜20重量部である、請求項4または5に記載の包装体用広告表示シート。
<請求項7>
紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン化合物である、請求項4〜6いずれかに記載の包装体用広告表示シート。
ここで、商品としては、例えばヘアシャンプーやヘアリンス、酒類、飲料水、薬剤(例えば輸液)、菓子(例えばスナック)、雑貨類、釣具、備品などを採用することができる。包装される商品は、例えばボトル容器に収納(充填)されても、袋詰めされたものでも、形態は特に規定はない。また包装される商品の総個数は任意である。
ここでいう包装体用広告表示シートとは、販売する商品を梱包し、商品の情報、期間限定のキャンペーン、イベント企画、企業イメージなどを表示したシートである。包装体用広告表示シートの大きさは任意である。
包装体用広告表示シートの梱包形状は特に限定されない。例えば、矩形箱形状、円筒形状、楕円筒形状などを採用することができる。
基材シートの素材としては、例えばポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ゴム強化スチレン系樹脂(ABS)、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイドなどの熱可塑性合成樹脂を採用することができる。熱可塑性合成樹脂は、基材シートが湾曲可能なように軟質のものである。
基材シートは、その表面または裏面に印刷された広告と、金属蒸着膜とが見えるように、透明でなければならない。
基材シートには、太陽光線や紫外線の透過による印刷インクの褪色および印刷面の光沢低下を防止するため、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系などの各種の紫外線吸収剤を添加してもよい。また、ヒンダートアミン系などの光安定剤を配合することで耐光性を高めてもよい。
また、静電気による塵埃付着を防止するため、基材シートの原料中に帯電防止剤を練り込むか、基材シートの表面に帯電防止剤をコーティングしてもよい。帯電防止剤としては、カチオン系帯電防止剤、アニオン系帯電防止剤、ポリエーテル系帯電防止剤などが挙げられる。
基材シートの表面または裏面への広告の印刷方法としては、例えばオフセット印刷、凹版印刷、スクリーン印刷、凸版印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷などを採用することができる。なお、印刷に際しては、紫外線硬化型インクが好ましい。
基材シートの厚さは150〜1,000μm、好ましくは200〜400μmである。150μm未満では、薄すぎて強度が出ず、梱包材として使用し難い。一方、1,000μmを超えると、得られるシートの重量が重過ぎて実用的でなく、また経済的でもない。
金属蒸着フィルムの素材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルを採用することができる。そのほか、延伸ポリプロピレンなど、透明な合成樹脂フィルムであれば特に限定されない。
合成樹脂フィルムの厚さは、通常、12〜100μm、好ましくは12〜50μm、さらに好ましくは12μm前後である。
金属蒸着膜の素材としては、例えばアルミニウムなどが採用されるが、そのほかクロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケルなどが挙げられ、これらの金属に限定されるものではない。金属蒸着膜の素材として、アルミニウムを採用すると、得られるシートにおける図柄中に、この部分が鮮やかな銀色として再現されて箔押しと同等の効果が得られる。金属蒸着膜の厚さは、通常、0.01〜5μm程度であるが、この厚みに限定されるものではない。
金属蒸着膜の蒸着方法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、高周波誘導加熱蒸着法、レーザ加熱蒸着法などを採用することができる。蒸着材料としては、上記したようにアルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケルなどを採用することができる。
パスター加工方法とは、金属蒸着膜の上から必要パターン領域のみを、ニスなどの耐アルカリ性塗膜により覆い、蒸着金属膜をカセイソーダなどのアルカリエッチング液により腐食溶解させることで、パターン化された金属蒸着膜を得る方法である。その他のパスター加工方法としては、蒸着前に金属蒸着フィルムの必要パターン領域以外のみに水溶性の被膜を形成し、蒸着後に不要領域の水溶性の被膜とともに不要領域の金属蒸着膜を水洗除去することでパターン化された金属蒸着膜を得る方法が知られている。いずれも周知の技術である。
所定パターンの二ス層を形成する方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷などを用いることができる。
パスター加工による金属蒸着膜のパターンの形状、形成数、形成範囲は任意である。
本考案に用いられる「スプレーパウダー」とは、ブロッキングや裏移りを防止するために、製膜後、印刷に先立ち、微細な粉を散布することで、フィルムとフィルムとの間に隙間を作り、フィルムどうしがくっついてしまうのを防ぐものである。本考案に用いられる「スプレーパウダー」としては、デンプン粉、トウモロコシ粉などの植物性有機物を主原料としたパウダーが挙げられ、その塗布量は、通常、5〜7g/m程度である。
本考案に用いられるホログラムフィルムとは、金属蒸着膜層に数マイクロメートルの微細な凹凸パターンを表面に設けることにより反射光を見る者に特定の像(模様)を視認させるものである。微細な凹凸パターンを部分ごとに異ならせる(予め定められたパターンに基づき異ならせる)ことにより、所定の柄を表現することができる。例えば、反射の様子が異なる正方形や円を多数配置したような繰り返しパターンを表現することができるものであり、このホログラム模様は、当該フィルムの少なくとも一部に形成されていても、全体に形成されていてもよい。
本考案の接着剤層を構成する「水性接着剤組成物」とは、水溶液、あるいはエマルジョン系の水系接着剤である。
本考案に用いられる水性接着剤組成物としては、例えば「水性アクリル樹脂とエポキシ化合物を必須成分とするバインダー樹脂組成物と、必要に応じて紫外線吸収剤を含有する水性接着剤組成物であって、前記紫外線吸収剤が、波長320〜400nmの範囲における最大吸収波長が350〜390nmの範囲にある紫外線吸収剤を含有する水性接着剤組成物」などが挙げられる。
ここで、水性接着剤組成物のバインダー樹脂として必須成分である水性アクリル樹脂としては、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、アクリル酸−メタクリル酸共重合体から選ばれる少なくとも1種以上の水分散可能な共重合組成物が挙げられる。
本考案では、水性接着剤組成物に硬化剤を配合することにより、二液硬化型接着剤組成物として使用することができる。硬化剤としては酸基および又は水酸基と反応可能な官能基を分子中に2個以上含有する化合物が好適に用いられ、例として、イソシアネート化合物、メラミン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物等の硬化剤や各種金属キレート型硬化剤をあげることができるが、中でもエポキシ化合物が好ましく、親水性のセグメントにより変性された水性エポキシ化合物が特に好ましい。
硬化剤である前記エポキシ化合物(有効成分)の添加量は構造によっても異なるが、前記水性アクリル樹脂(固形分)100重量%に対して1〜8重量%の範囲にあることが好ましい。1重量%未満では十分な凝集力や接着強度が得られず接着不良やラミネーション外観不良等の問題が発生しやすくなり、8重量%を超えると接着直後の凝集力が硬化剤に起因する可塑化効果によって低下する。
また、水性接着剤組成物において、必要に応じて使用する紫外線吸収剤は、波長領域320nm〜400nmの範囲における最大吸収波長が350nm〜390nmの範囲にあることを特徴としており、印刷物に耐光性を付与し、退色、変色を防止する上で好ましい。波長領域320nm〜400nmの範囲における最大吸収波長が350nm未満の場合は十分な耐光性が得られず、390nmを超える場合は水性接着剤組成物の黄変が顕著となり外観不良をもたらす。
好ましい波長吸収特性を有する紫外線吸収剤の種別としては、ベンゾトリアゾール化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン化合物等を挙げることができるが、中でもヒドロキシフェニルトリアジン化合物が特に好ましい。
また、前記紫外線吸収剤は、水や水溶性有機溶媒への分散性を向上させる目的で予めアクリルポリマー等に包含分散させて使用してもよい。紫外線吸収剤を包含分散させるアクリルポリマーとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸ステアリル等の単量体成分から構成されるアクリル樹脂共重合体等を挙げることができ、製品として例えばベンゾトリアゾール化合物であるTINUVIN 99(紫外線最大吸収波長350nm)BASF社製をアクリルポリマーに包含し水分散させたTINUVIN 99−DW(水分散タイプ)BASF社製や、前記TINUVIN 477をアクリルポリマーに包含し水分散させたTINUVIN 477−DW(水分散タイプ)BASF社製等をあげることができ、本発明において好適に使用することができる。これらの予め水分散させた形態の紫外線吸収剤は溶液状態であることから、プリントラミネーション用水性接着剤組成物(水溶液)に添加し混合するだけで、簡便に分散させ耐光性を付与できる点でより好ましい。
水性接着剤組成物中の水性アクリル樹脂組成物の固形分100重量%に対する前記紫外線吸収剤(有効成分)の含有量は6重量%〜20重量%の範囲にあることが好ましい。6重量%未満であると紫外線吸収特性が不足して耐光性が得られず、一方20重量%を超えると耐光性は得られるが、接着強度が低下する傾向にある。
本考案の包装体用広告表示シートによれば、広告を表面または裏面に印刷した透明な合成樹脂からなる基材シートの裏面に、表面全体または裏面全体、あるいはこれらの少なくとも一部に、金属蒸着膜を有した透明な金属蒸着フィルムを積層するか、もしくはこの金属蒸着膜をパスター加工したパスターフィルムを積層するか、またはホログラムフィルムを積層することにより、包装体用広告表示シートを設けた。これにより、少なくとも一部、ここでは、略全面に金属光沢を有した包装体用広告表示シートを、箔押しに比べて低コストで製造することができる。
また、本考案では、スプレーパウダーが付着している、基材シートと金属蒸着フィルムもしくはバスターフィルム、またはホログラムフィルムとを積層する際に、水性接着剤組成物からなる接着剤層を介して接着させているので、当該パウダーのブツブツが製品表面に発現せずに、外観が美麗であり、このため、本考案の包装体用広告表示シートは、広告媒体として特に有用である。
特に、金属蒸着膜をアルミニウム蒸着膜とした場合、簡単かつ低コストで金属蒸着膜を合成樹脂フィルムに形成することができる。
また、基材シートの金属蒸着膜との対峙部分に黄色の印刷を行うと、簡単かつ低コストで金属光沢のある金色の印刷を施すことができる。
本考案の実施例1に係る包装体用広告表示シートの要部拡大断面図である。 本考案の実施例1に係る包装体用広告表示シートにより作製したボトル容器の包装体の使用状態を示す斜視図である。 本考案の実施例1に係る包装体用広告表示シートにより作製したボトル容器の包装体の展開図である。 本考案の実施例1に係る包装体用広告表示シートの要部拡大正面図である。
以下、図1〜図4を参照して、本考案の実施例の包装体用広告表示シートを説明する。ここでは、シャンプーのボトル容器を包装する包装体用の包装体用広告表示シートを例にとる。
実施例1
図1および図2において、10は本考案の実施例1に係る包装体用広告表示シート(以下[広告表示シート]という)である。この広告表示シート10は、シャンプー入りのボトル容器(商品)Bを収納する包装体用のものである。
広告表示シート10は、透明な合成樹脂からなり、かつ表面に所定の広告が印刷された印刷層11aを有する基材シート11と、透明な合成樹脂フィルム13aからなり、基材シート11の裏面に表面を、水性接着剤組成物からなる接着剤層13bを介して、重ね合わせて積層され、かつ裏面にアルミニウム蒸着膜(金属蒸着膜)12が形成された金属蒸着フィルム13とを備えている。
以下、図1を参照して、これらの構成部品を具体的に説明する。
基材シート11は、PP(ポリプロピレン)〔もしくはPET(ポリエチレンテレフタレート)〕からなる厚さ約200μmの透明シートである。基材シート11の表面には、シャンプーの広告がフルカラーでオフセット印刷された印刷層11aが形成されている。
なお、基材シート11には、製膜後、あらかじめシートのブロッキングや裏写りを防止するために、デンプン粉からなるスプレーパウダーが5g/m程度付与されている(図示せず)。
印刷層11aには、その一部に黄色にベタ塗りした黄色印刷部分16aを有する。
金属蒸着フィルム13は、ポリエチレンテレフタレートからなる厚さ約12μmの透明な合成樹脂フィルム13aをベースとしている。
なお、合成樹脂フィルム13aも、製膜後、あらかじめフィルムのブロッキングを防止するために、デンプン粉からなるスプレーパウダーが5g/m程度付与されている(図示せず)。
アルミニウム蒸着膜12は、合成樹脂フィルム13aの少なくとも一部、ここでは裏面全体に厚さ0.05μmでアルミニウムを蒸着したものである。
なお、本考案の広告表示シート10を製造するには、まず表面に印刷が施され、かつあらかじめスプレーパウダーが付与された枚葉の基材シート11と、裏面にアルミニウム蒸着膜12が形成され、かつ表面側に水性接着剤組成物からなる接着剤層13bが形成されている金属蒸着フィルム13(なお、このフィルム13も、あらかじめスプレーパウダーが付与されている)とを準備する。
次いで、基材シート11の印刷面とは反対側(裏面)と、金属蒸着フィルム13のアルミニウム蒸着膜12とは反対側(表面)とを、図1に示すように圧着あるいは周知の接着手段(本実施例では、水性接着剤組成物)を用いて積層する。得られた広告表示シート10は、図3に示すように使用状態にあわせて、抜き型により打ち抜き加工される。
この場合、基材シート11と金属蒸着フィルム13との積層の具体例を示すと、まず巻き取り状態にある金属蒸着フィルム13をガイドローラー(図示せず)を経由して送り出し、ニス舟(図示せず)に溜められた水性接着剤組成物をコーター(図示せず)によって供給されフィルム13の表面側上に塗布する。続いてフィルムは、オーブン(図示せず)を通過する際に、塗布された水性接着剤組成物中の水分が蒸発気化し、固形分が、接着剤層13bとしてフィルム上に残存する。その後、枚葉の印刷フィルム11が搬送され、金属蒸着フィルム13と共に加圧ロールと圧胴(図示せず)の間を通過することで、フィルム13が印刷シート11に貼り合わされる(ラミネーション)。最後にラミネーションされた印刷物は、カッター(図示せず)により、枚葉に断裁され、広告表示シート10が完成する。
なお、ここでは、金属蒸着フィルム13は、印刷シート11の全面にラミネートされているが、当該金属蒸着フィルム13を印刷シート11の帯状(ラミネートのロール状)にラミネートすることにより、印刷シート11に部分的にラミネートしてもよい。
なお、水性接着剤組成物組成物を塗布するコーターとしてはナイフコーターやスプレーコーター、フローコーター、各種ロールコーターが一般的に用いられ、特にロールコーターが広範に使用される。また、接着剤の塗布厚みは、未乾燥の状態で10〜100マイクロメートルの範囲にあることが好ましい。塗布厚みが10マイクロメートル未満では印刷物の表面凹凸を均一に埋めることが出来ず十分な接着強度が得られない。一方、塗布厚みが100マイクロメートルを超えると、乾燥所要時間が著しく長くなり生産性が低下する。
また、オーブン通過時における水性接着剤組成物の乾燥条件としては、20〜100℃、5秒〜1分間の範囲にあることが好ましいが、使用する基材シートの耐熱性に応じて適宜乾燥条件を設定する必要がある。熱可塑性の基材シートを用いる場合、乾燥温度が著しく高くなるとシートが熱変形し外観不良が発生する。一方乾燥温度が低過ぎる場合、もしくは乾燥時間が短過ぎる場合には、接着剤中の水分が残留し、十分な接着強度を得ることができない。
また、基材シート11と金属蒸着フィルム13が加圧ロールと圧胴を通過する際に受ける圧力は概ね1〜10MPa程度であり、フィルム材質やフィルム送り出し速度等に応じて、加圧ロールの表面温度を適宜室温〜80℃程度の範囲で調整してもよい。
本実施例に用いられる水性接着剤組成物としては、例えば(A)主剤として、DICグラフィックス株式会社製の「ハイドリューション L−5614」(合成樹脂類45〜55重量%、水45〜55重量%、助剤1〜5重量%を主成分とする)と、(B)硬化剤として、同社製の「PLWハードナー 54B」(エポキシ系モノマー45〜55重量%および2−ブトキシエタノール45〜55重量%を主成分とする)を用いているが、これに限定されるものではない。
次に、広告表示シート10を打ち抜き加工することで、図3に示すように、シャンプーが充填されたボトル容器Bを収納する包装体14を組み立てる略蝶形状の筒部組立用シート部15が形成される。
筒部組立用シート部15は、主に、上下方向に長い略矩形状の2枚の羽根状シート片16と、両羽根状シート片16の対峙する辺の上部間を一体的に連結する一対の第1連結片17とから構成されている。2枚の羽根状シート片16は、それぞれシャンプー用のボトル容器Bの外周面を略半分割した面積を有したもので、それぞれの上辺が第1連結片17側へ向かって徐々に下方傾斜している。そのうち、左側の羽根状シート片16の左辺の長さ方向の中間部と、右側の羽根状シート片16の右辺の長さ方向の中間部とには、互いに接着される第2の連結片18が、折り目aを介して一体的に連結されている。また、右側の羽根状シート片16の上辺左部には、円板の略下3分の1が欠けた形状の耳片19が一体形成されている。一対の第1連結片17は上下方向に細長い短冊形状のシート片で、両第1連結片17間には上下方向に長い1本の折り目aが形成されている。2枚の羽根状シート片16は、耳片19を除いて、両第1連結片17の折り目aを中心にして線対象となっている。
図3に示すように、包装体14の組み立て時には、両第1連結片17の折り目aを中心にして、左側の羽根状シート片16を右側の羽根状シート片16に重なるように折り曲げ、両第2の連結片18を重ね合わせて接着する。
図2に示すように、包装体14の使用時には、包装体14にシャンプー用のボトル容器Bを差し込む。なお、両耳片19にはシャンプーであることを表示するシールなどを貼着してもよい。
このように、広告を表面に印刷した透明な合成樹脂からなる基材シート11の裏面に、裏面全体にアルミニウム蒸着膜12が形成された金属蒸着フィルム13を積層して広告表示シート10を設けたので、印刷されていない透明な部分は銀色に見え、かつ黄色印刷部分16aは金色に輝く広告表示シート10を、箔押しに比べて低コストで製造することができる。
また、金属蒸着膜としてアルミニウム蒸着膜12を採用したので、簡単かつ低コストでアルミニウム蒸着膜12を合成樹脂フィルム13aに形成することができる。
さらに、上述したように印刷層11aのうち、基材シート11のアルミニウム蒸着膜12との対峙部分の一部に、黄色印刷部分16aを形成したので、基材シート11の表面の黄色の背後に、それぞれ透明な基材シート11および合成樹脂フィルム13aを通して銀色のアルミニウム蒸着膜12が見え、あたかも金箔を箔押ししたようになる。これにより、簡単かつ低コストで金属光沢を有した金色の印刷を広告表示シート10、ひいては梱包体14に施すことができる。なお、従来の箔押しの場合には、基材シートに印刷されていない透明部分からボトル容器Bを視認することができるが、実施例のものの場合には、それを視認することができない。
なお、図1および図4に示すように、金属蒸着フィルム13に代えて、金属蒸着フィルム13のアルミニウム蒸着膜12に、アルファベットの「B」(この文字部分は繰返しであってもよい)を装飾した透明抜き部12aを形成するパスター加工を施したパスターフィルム13Aを採用してもよい。
具体的には、まず金属蒸着フィルム13のアルミニウム蒸着膜12の表面に二ス層をシルクスクリーン印刷法により印刷し、その後、金属蒸着フィルム13をカセイソーダの水溶液に浸漬する。これにより、ニス層が印刷されていない部分のアルミニウム蒸着膜12が溶解し、金属蒸着フィルム13の一部に、アルファベットの「B」を装飾した透明抜き部12aが現出する。その後、これを水洗、乾燥することでパスターフィルム13Aが形成される。この例では、あらかじめパスター加工された金属蒸着フィルム13Aを金属蒸着フィルム13に代えて使用するものである。
このパスター加工を施すことで、広告表示シート10に窓枠やワンポイントなど、いろいろな透明デザインを表現することができ、さらに印刷層11aとの組合せにより高級感のあるデザイン表現が可能となる。
さらに、本実施例では、金属蒸着フィルム13に代えて、金属蒸着フィルム13のアルミニウム蒸着膜12部分を、ホログラム加工を施したホログラムフィルム13Aを採用してもよい。
ホログラムフィルム13Aでは、反射層に数マイクロメートルの微細な凹凸パターンを表面に設けることにより反射光を見る者に特定の像(模様)を視認させるものである。微細な凹凸パターンを部分ごとに異ならせる(予め定められたパターンに基づき異ならせる)ことにより、所定の柄を表現することができ、例えば、反射の様子が異なる正方形や円を多数配置したような繰り返しパターンを表現することができ、表面の印刷物の背景がキラキラ光って一目を引くことができる。
以上の実施例1によれば、水性接着剤組成物からなる接着剤層13bを介して、基材シート11と金属蒸着フィルム13とが積層されているので、基材シート11に付与されているデンプン粉などのスプレーパウダー(図示せず)が当該接着剤層13b中に吸収されて、パウダー自体のブツブツが包装体用広告表示シート10の表面側に現れることがない。このため、得られる包装体用広告表示シート10は、その表面が滑らかで美麗である。
すなわち、本考案の包装体用広告表示シート10では、印刷層11aや金属蒸着膜12(ここではアルミニウム蒸着膜の銀色)が、接着剤層13bを通してそのまま現出される。しかし、接着剤層13bでは、スプレーパウダーが接着剤層になじんで、当該スプレーパウダーに起因する凹凸、すなわちブツブツがほとんどないために、シート10の表面側からみた場合に、表面が滑らかで美麗なものとなる。
比較例1
実施例1では、接着剤層13bとして、水性接着剤組成物(DICグラフィックス株式会社製の「ハイドリューション L−5614」(合成樹脂、水、助剤を主成分とする)と、硬化剤として、同社製の「PLWハードナー 54B」(エポキシ系モノマーおよび2−ブトキシエタノールを主成分とする)からなる2成分系の接着剤を用いたが、この水性接着剤組成物の代わりに、DICグラフィックス株式会社製の油性接着剤である「Dタイト 6920(トルエン40〜50重量%、合成樹脂類35〜45重量%、酢酸エチル10〜20重量%からなる、油性接着剤)を用いる以外は、実施例1と同様にして、図1〜4のような包装体用広告表示シートを作成した。しかしながら、比較例1の包装体用広告表示シートでは、油性接着剤からなる接着剤層14を介して、基材シート11と金属蒸着フィルム13とが積層されているので、基材シート11に付与されているデンプン粉などのスプレーパウダー(図示せず)が当該油性の接着剤層13b中となじまずに、接着剤層中にほぼ独立して存在するため、パウダー自体のブツブツが包装体用広告表示シート10の表面側に現れてしまった。このため、得られる包装体用広告表示シート10は、その表面に微細な凹凸模様が出現してしまい、決して美麗とはいえないものであった。
本考案は、例えばヘアシャンプーやヘアリンス、酒類、飲料水、薬剤(例えば輸液)、菓子(例えばスナック)、雑貨類、釣具、備品などを、袋詰め、ボトル容器詰め、あるいは単にこれらの品を収納する際の包装体の広告表示シートとして有用である。
10 包装体用広告表示シート
11 基材シート
11a 印刷層
12 金属蒸着膜
13 金属蒸着フィルム
13A パスターフィルム(ホログラムフィルム)
13a 合成樹脂フィルム
13b 接着剤層
15 包装体
16a 黄色印刷部分
B シャンプー入りのボトル容器(商品)

Claims (7)

  1. 商品を包装する包装体用広告表示シートにおいて、
    (1)透明な合成樹脂からなり、表面または裏面に広告が印刷され、かつブロッキング防止のためのスプレーパウダーが付与されてなる基材シートの裏面に、(2)ブロッキング防止のためのスプレーパウダーが付与されてなる透明な合成樹脂フィルムであって、当該合成樹脂フィルムの表面または裏面の少なくとも一部に、(2−1)金属蒸着膜が形成された金属蒸着フィルム、もしくは(2−2)該金属蒸着フィルムの金属蒸着膜がパスター加工されたパスターフィルム、または(2−3)金属蒸着膜が形成されたホログラムフィルムが、当該基材シートに対して、全面あるいは帯状に部分的に、水性接着剤組成物からなる接着剤層を介して積層されたことを特徴とする包装体用広告表示シート。
  2. 前記金属蒸着膜は、アルミニウム蒸着膜である請求項1に記載の包装体用広告表示シート。
  3. 前記基材シートの前記金属蒸着膜との対峙部分に黄色の印刷を施した請求項2に記載の包装体用広告表示シート。
  4. 接着剤層を構成する水性接着剤組成物は、水性アクリル樹脂とエポキシ化合物を必須成分とするバインダー樹脂組成物と、必要に応じて紫外線吸収剤を含有する水性接着剤組成物である、請求項1〜3いずれかに記載の包装体用広告表示シート。
  5. 水性アクリル樹脂(固形分)100重量部に対し、エポキシ化合物の添加量が1〜8重量部である、請求項4記載の包装体用広告表示シート。
  6. 水性接着剤組成物において、バインダー樹脂組成物の固形分100重量部に対する紫外線吸収剤の含有量が6〜20重量部である、請求項4または5に記載の包装体用広告表示シート。
  7. 紫外線吸収剤がヒドロキシフェニルトリアジン化合物である、請求項4〜6いずれかに記載の包装体用広告表示シート。
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