JP3211931U - シャーベットアイス製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率良く高品質のシャーベットアイスを製造可能であり、しかも小型で簡易かつ安価なシャーベットアイス製造装置を提供する。【解決手段】塊状の氷が投入されるとともに水が注入されるホッパー2と、ホッパー2の下部に、シャーベットアイスが形成される切削・混合ドラム3と、シャーベットアイスが排出される排出口4と、が備えられ、切削・混合ドラム3は、塊状の氷を切削して微細氷に加工する刃体5を備え、スリット6b、6cが設けられる貯留部7と、塊状の氷を回転させて刃体5に接触させる回転体8と、シャーベットアイスを混合・搬送する羽根9と、が設けられ、回転体8及び羽根9は、二重軸体を構成して同一の回転軸Bを中心に回転する2種類の軸体10,11に対し、それぞれ取り付けられ、2種類の軸体10,11は、モーター12の駆動軸体13と、それぞれ伝達部14,15を介して連結される。【選択図】図1

Description

本考案は、塊状の氷を微細氷に加工し水を混合するシャーベットアイス製造装置に係り、特に、小型漁船等に設置するために、小型で簡易かつ安価なシャーベットアイス製造装置に関する。
従来、漁獲後における魚の処理如何で魚体の鮮度が大きく変化するため、鮮度保持のためには、魚を「〆る」ことや「血抜き」といわれる直接処理の他、その後の冷蔵条件が重要とされている。
このうち、冷蔵による鮮度保持方法として、例えば、海水と氷がそれぞれ70%、30%の割合で混合された「シャーベット冷海水」を使用した保冷技術が開発され、既にこの技術を利用したシャーベット冷海水製造装置が販売等されている。
しかし、このような装置は、大型のため漁船に設置することが不可能であることから、通常陸上の施設に設置される。そのため、漁を終えた漁船が入港後でなければ魚体を十分に冷却することができず、ある程度の鮮度低下を回避できないという課題があった。また、この装置は、すでに形成された氷を使用するのではなく、冷凍機によって水から氷を製造しながらシャーベット冷海水を製造することから、冷凍機等の付属機器をも適切に管理しなければならない。そのため、維持管理に手間がかかるという課題があった。
さらに、このような大型の装置を購入及び維持するには、多額の費用が必要であるから、小規模漁業者が購入設置することが極めて困難であるという課題があった。
そこで、このような課題を解決する目的で、近年、小型で簡易かつ安価なシャーベットアイス製造装置が開発されており、それに関して既にいくつかの発明が開示されている。
特許文献1には「シャーベットアイス製造装置」という名称で、氷を雪状に粉砕後水を混入してシャーベットアイスを得るシャーベットアイス製造装置に関する考案が開示されている。
以下、特許文献1に開示された考案について説明する。特許文献1に開示された考案は、固形の氷及び/又はフレーク氷が投入されるホッパと、このホッパに投入された氷を搬送するコンベアと、この搬送された氷を雪状に粉砕するアイスジェットガン装置と、この装置の出口付近の水供給手段とからなることを特徴とする。
このような特徴を備えたシャーベットアイス製造装置においては、ホッパ内に固形の氷及び/又はフレーク氷を投入すると、氷はコンベアによりアイスジェットガン装置の回転砕氷ケーシングに搬送され、ここで高速回転されている羽根車により雪状に粉砕される。そして、アイスジェットガン装置の出口付近で、雪状に粉砕された氷は水供給手段よる水と混入されてシャ−ベットアイスが形成されるという作用を有する。したがって、極めて簡略な構造によりシャーベットアイスを製造することが可能である。
次に、特許文献2には「塩水氷製造装置および塩水氷製造方法」という名称で、市販の砕氷を用いてシャーベット状の塩水氷を製造可能な塩水氷製造装置に関する発明が開示されている。
特許文献2に開示された発明は、砕氷と塩水を用いてシャーベット状の塩水氷を製造する装置であって、砕氷供給部と、塩水供給部と、砕氷供給部から供給される砕氷を微粉砕するクラッシャーと、砕氷がクラッシャーにより微粉砕されてなる微粉砕氷ならびに塩水供給部により供給される塩水とを受けてこれらを混合撹拌する撹拌タンクと、からなることを特徴とする。
このような特徴を有する塩水氷製造装置においては、砕氷が砕氷供給部に準備され、塩水は塩水供給部に準備される。また、砕氷供給部からはクラッシャーに対して砕氷が供給され、クラッシャーにおいて砕氷は微粉砕されて微粉砕氷が得られる。そして、微粉砕氷と塩水とが撹拌タンクに供給され、撹拌タンクにおいてこれらが撹拌され混合されてシャーベット状の塩水氷が得られる。したがって、冷凍機等の特殊・高価な設備を要せず市販の砕氷を用いて、簡易かつ低コストにてシャーベット状の塩水氷を簡易かつ安価に製造できる。よって、設備導入コストを抑制することができる。
さらに、特許文献3には「フローズンドリンク製造装置」という名称で、構造及び製造操作が簡単で、製造コストの低廉なフローズンドリンク製造装置に関する発明が開示されている。
特許文献3に開示された発明は、塊状氷を貯留するための貯留部と、貯留部に貯留された塊状氷を回転させるための回転羽根と、回転羽根を回転させるためのモータと、回転羽根によって回転する塊状氷を切削して細粒状氷とするための固定刃と、細粒状氷を排出するためのフィーダーと、フィーダーから排出された細粒状氷及び外部から供給される水やシロップ等の飲料原料を収容するための受容器とを備え、受容器には細粒状氷と該飲料原料とを攪拌混合してシャーベット状とするためのミックス刃が設けられているフローズンドリンク製造装置において、回転羽根とミックス刃とは、共通する駆動スイッチにより連動して回転するようにされていることを特徴とする。
このような特徴を有するフローズンドリンク製造装置においては、製氷装置から供給されたキュービック状の氷が貯留部に蓄えられ、さらに貯留部に貯留された氷は回転羽根によって回転され固定刃に押し当てられて細かくされる。こうして細かくなった氷がフィーダーを介して受容器に移される。さらに受容器に水やシロップ等の飲料原料が加えられた後、受容器に設けられたミックス刃が回転されて細粒状の氷と飲料原料とが激しく攪拌混合され、空気を含んだソフトな舌触りのフローズンドリンクが完成する。したがって、氷と水やシロップ等の飲料原料とを用意するだけで、自動的にフローズンドリンクを製造することができる。
登録実用新案第3161921号公報 特開2010−101563号公報 特開2005−245231号公報
しかしながら、特許文献1に開示された考案においては、雪状に粉砕された氷はアイスジェットガン装置の出口付近で、水供給手段による水と初めて混入されそのまま排出されることから、氷と水が十分に攪拌されていない可能性があり、その場合には魚体等の冷却が不均一となる。また、コンベアやアイスジェットガン装置等は、水平方向に沿って直列に配列されているので、ある程度広めの設置スペースが必要であるものと思われる。したがって、小型漁船に設置するには不向きの可能性がある。
次に、特許文献2に開示された発明においては、撹拌タンクと、塩水製造タンクと、タンク付きスクリューコンベア等が平面的に分布して配列されていることから、特許文献1に開示された考案以上に、小型漁船に設置するには不向きの可能性がある。また、クラッシャーには、比較的精密な構成要素である回転ドラムが備えられるので、使用時における調整が煩雑になるおそれや高価になるおそれがある。
さらに、特許文献3に開示された発明においては、元々飲料の製造装置であるため、飲料よりも遙かに大量のシャーベットアイスが必要とされる漁業に適用することは困難である。これは、貯留部の一箇所に固定刃が固定されるのみであるためにモータ軸の1回転当たりの塊状氷の切削効率が良好とは言えないことや、受容器には内容物の排出口が備えられていないことから、自動的に内容物を取り出すことができないと考えられることからも明らかである。
本考案は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、効率良く高品質のシャーベットアイスを製造可能であり、しかも小型漁船等に設置可能に、小型で簡易かつ安価なシャーベットアイス製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の考案に係るシャーベットアイス製造装置は、塊状の氷が投入されるとともに水が注入されるための投入口と、この投入口の周辺に設けられる周辺部と、を備えるホッパーと、このホッパーの下部に、塊状の氷を切削しながら水を混合することで、シャーベットアイスが形成される円筒形状の切削・混合ドラムと、この切削・混合ドラムの側面に開口してシャーベットアイスが排出される排出口と、が備えられ、切削・混合ドラムは、投入口から投入された塊状の氷が貯留されるとともに、塊状の氷を切削して微細氷に加工する刃体を備え、微細氷と水を下方へ排出する複数のスリットが設けられる貯留部と、貯留部の上方に配置されて貯留された塊状の氷を回転させて刃体に接触させる回転体と、貯留部の下方に配置されてシャーベットアイスを混合・搬送する羽根と、が設けられ、回転体及び羽根は、二重軸体を構成して同一の回転軸を中心に回転する2種類の軸体に対し、それぞれ取り付けられ、2種類の軸体は、切削・混合ドラムの下方に配置されるモーターの駆動軸体と、それぞれ第1及び第2の伝達部を介して連結されることを特徴とする。
このような構成のシャーベットアイス製造装置においては、最上部にホッパー、その下方に切削・混合ドラム、そのさらに下方に回転体及び羽根を駆動するモーターが配置される。このうち、切削・混合ドラムは、円筒形状の箱体であって、その内部においては上方から下方にかけて、回転体、貯留部、羽根の順でこれらが配置される。すなわち、回転体は切削・混合ドラムの天井部寄りに配置され、羽根は切削・混合ドラムの底部に配置される。また、切削・混合ドラムの側面に開口する排出口は、詳細には羽根と同程度の高さ位置に配置される。
そして、回転体及び羽根が取り付けられる二重軸体を構成する2種類の軸体は、モーターの駆動軸体と平行に設置され、第1及び第2の伝達部を介して連結される。なお、貯留部は、2種類の軸体が貫通し、これらの軸体の回転力が伝達されないので、貯留部すなわち複数のスリットは回転しない構造である。
また、上記構成のシャーベットアイス製造装置においては、ホッパーの投入口から投入された塊状の氷は、貯留部に設けられる複数のスリットを通過しない程度の大きさに成型されたものである。そのため、投入された塊状の氷は、貯留部に一旦貯留される。
また、複数のスリットには、塊状を切削して微細氷に加工する刃体が設けられる。そのため、この貯留された塊状の氷は、貯留部の上方に配置される回転体が回転することで、この刃体に接触して微細氷に加工される。この微細氷は、複数のスリットを通過し、貯留部の下方に配置される羽根の周囲へ落下する。
一方、ホッパーの投入口から注入された水も、回転体の回転に伴って複数のスリットを通過して羽根の周囲へ落下する。なお、この水は、微細氷と同時に複数のスリットを通過しても良いし、微細氷とは異なるタイミングでこれらを通過しても良い。前者の場合では、貯留部の内部においてシャーベットアイスがすでに形成され、後者の場合では、切削・混合ドラムの底部において羽根によって微細氷と水が混合され、シャーベットアイスが形成される。なお、両者いずれの場合であっても、シャーベットアイスは、貯留部の底部に貯留され羽根の周囲に存在することとなる。
次に、この羽根の周囲に存在するシャーベットアイスは、羽根の回転によって混合されると同時に遠心力を受けることから、羽根の外側方向、すなわち切削・混合ドラムの側面方向へと回転しながら徐々に移動し、搬送される。切削・混合ドラムの側面には排出口が開口しているため、搬送されたシャーベットアイスはこの排出口より自動的に排出される。
次に、請求項2記載の考案に係るシャーベットアイス製造装置は、請求項1記載のシャーベットアイス製造装置において、2種類の軸体は、同一の回転軸を含む内軸体と、この内軸体の外周に設けられる外軸体と、から構成され、複数のスリットは、同一の回転軸を中心として一定角度を空けて配置され、羽根は、中心孔を備えてドーナツ状に形成される上板と、この上板と対向する下板と、上板及び下板と外軸体をそれぞれ連結する複数の枠体と、同一の回転軸を中心として一定角度を空けて配置され、上板及び下板の間に設けられる複数の板体と、から構成され、切削・混合ドラムは、側面であって、複数のスリットの外方に対応する位置にそれぞれ送風部が設けられ、この送風部は、上板の中心孔に向かって送風することを特徴とする。
このような構成のシャーベットアイス製造装置においては、請求項1記載の考案の作用に加え、羽根を構成する複数の枠体が2種類の軸体のうちの外軸体と連結されることから、羽根は外軸体の回転に伴って回転する。また、この羽根には中心孔を備えてドーナツ状に形成される上板と、この上板と対向する下板と、が設けられるため、複数のスリットを通過したシャーベットアイス、あるいは微細氷や水(以下、シャーベットアイス等という)は、中心孔を通過して上板と下板の間に落下する。
このとき、切削・混合ドラムの側面には、上板の中心孔に向かって送風する送風部が設けられることから、シャーベットアイス等は、この送風を受けて中心孔の方向へ誘導されるため、上記のように中心孔を通過することが可能な構造となっている。なお、当然のことながら、送風部によって送られた風も中心孔を通過する。
さらに、複数のスリットは同一の回転軸を中心として一定角度を空けて配置され、送風部は複数のスリットの外方に対応する位置にそれぞれ設けられるので、いずれのスリットを通過したシャーベットアイス等であっても、中心孔を通過することとなる。
また、上板及び下板の間には複数の板体が設けられるため、中心孔を通過して上板と下板の間に落下したシャーベットアイス等は、外軸体の回転に伴って複数の板体によって押され、排出口へと搬送される。このとき、中心孔を通過してきた風もまた同様に、外軸体の回転に伴って排出口へ送られ排出される。
さらに、請求項3記載の考案に係るシャーベットアイス製造装置は、請求項1又は請求項2記載のシャーベットアイス製造装置において、第1の伝達部は、駆動軸体及び2種類の軸体のうちの一方にそれぞれ取り付けられる第1及び第2のプーリーと、この第1及び第2のプーリーに懸架される第1の無端ベルトと、から構成され、第2の伝達部は、駆動軸体及び2種類の軸体のうちの他方にそれぞれ取り付けられる第3及び第4のプーリーと、この第3及び第4のプーリーに懸架される第2の無端ベルトと、から構成されることを特徴とする。
このような構成のシャーベットアイス製造装置において、第1及び第2の伝達部は、互いに独立してモーターの駆動軸体の回転をそれぞれ2種類の軸体に伝達可能な構成である。
上記構成のシャーベットアイス製造装置においては、請求項1又は請求項2記載の考案の作用に加え、駆動軸体の回転が第1のプーリーと第1の無端ベルトと第2のプーリーを介して2種類の軸体のうちの一方に伝達される。これと同時に、駆動軸体の回転は、第3のプーリーと第2の無端ベルトと第4のプーリーを介して2種類の軸体のうちの他方に伝達される。すなわち、例えば、2種類の軸体のうちの一方に回転体が連結され、他方に羽根が連結される場合には、駆動軸体の回転に伴って回転体及び羽根が回転軸を中心として回転する。なお、第1及び第2のプーリーの直径を調整することで、駆動軸体の回転数に対する2種類の軸体のうちの一方の回転数を変化させることが可能である。これは、第3及び第4のプーリーにおいても同様である。
続いて、請求項4記載の考案に係るシャーベットアイス製造装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシャーベットアイス製造装置において、水は、ホッパーの周辺部に取り付けられるヘッダーを介して投入口に注入されることを特徴とする。
このような構成のシャーベットアイス製造装置においては、例えば、ヘッダーの内部空間へ水を供給するための供給口が設けられ、この供給口には送水ポンプと接続された送水管が接続される。さらに、ヘッダーには供給された水を送出するための複数の送出孔が、その長手方向に沿って一定間隔を空けて設けられる。
上記構成のシャーベットアイス製造装置においては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の考案の作用に加え、ヘッダーに供給された水は、例えば、複数の送出孔から均等に分配されてホッパーに沿ってその投入口へ注入される。そのため、例えば、送水ポンプの出力変動によってヘッダーに送水される水量が変化した場合であっても、ヘッダーの送出孔から送出される水量が一定に維持される。
そして、請求項5記載の考案に係るシャーベットアイス製造装置は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシャーベットアイス製造装置において、排出口は、その長軸方向が、切削・混合ドラムにおける側面の接線方向に沿って配設されることを特徴とする。
このような構成のシャーベットアイス製造装置においては、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の考案の作用に加え、シャーベットアイスは、羽根の回転によって切削・混合ドラムの側面方向へ搬送されるため、排出口の長軸方向がこの側面の接線方向に沿って配設されることで、自動的に排出されるという作用を有する。
また、請求項6記載の考案に係るシャーベットアイス製造装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシャーベットアイス製造装置において、塊状の氷は、真水が凍結されてなる氷であり、水は、塩水であることを特徴とする。
このような構成のシャーベットアイス製造装置においては、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の考案の作用に加え、海水等の塩水を原料として凍結された氷と比較して、冷凍時間が短縮される。また、水は塩水であることにより、真水に比較して魚体の鮮度低下が抑制される。なお、塩水とは、水道水に塩分が添加されたものでも良いし、海水であっても良い。
本考案の請求項1記載のシャーベットアイス製造装置によれば、最上部にホッパー、その下方に切削・混合ドラム、そのさらに下方にモーター、また切削・混合ドラムの側面には排出口が配置されることから、全体として、これらは縦方向に沿ってコンパクトに配列されている。そのため、広い設置面積の確保が困難な小規模の漁船に対しても搭載が可能である。さらに、2種類の軸体は、切削・混合ドラムの下方に配置されるモーターの駆動軸体と、それぞれ第1及び第2の伝達部を介して連結されることから、縦方向における高さも制限される。そのため、ホッパーからの氷の投入が困難となるものではない。
また、これらホッパーや切削・混合ドラム等は、特殊な部材から構成されるのではないため、簡易かつ安価に製造することができる。さらに、回転体及び羽根は、それぞれ2種類の軸体に取り付けられ、第1及び第2の伝達部を介してモーターの駆動軸体と連結されることから、1つのモーターによって回転体及び羽根を駆動することが可能である。この点からも、本請求項記載のシャーベットアイス製造装置の構成は、簡易であると言える。
さらに、塊状を切削して微細氷に加工する刃体が複数のスリットに設けられるため、2種類の軸体の1回転当たりにおける氷の切削効率が良好である。そして、この切削によって形成された微細氷は、貯留部の下方に配置される羽根の周囲へ落下し、シャーベットアイスとして貯留部の底部に貯留され、羽根の回転によって排出口より自動的に排出されるので、塊状の氷をホッパーへ投入した後は特に人手を必要とすることもなく、容易にシャーベットアイスを製造することができる。
しかも、排出されたシャーベットアイスは、羽根により十分に攪拌されたものであるから微細氷が水の中に均一に分布している。したがって、シャーベットアイスを例えば魚体の保冷材として使用した場合では、魚体を均一に保冷することができる。また、このシャーベットアイスは柔軟性も有しているため、魚体に接触した場合の魚体の損傷を回避することが可能である。
本考案の請求項2記載のシャーベットアイス製造装置によれば、請求項1記載の考案の効果に加えて、複数のスリットを通過したシャーベットアイス等は、送風部からの送風を受けてすべて中心孔の方向へ誘導され、羽根を構成する複数の板体によって押され、排出口へと搬送されることから、シャーベットアイスが製造される途中のロスが殆んどない。すなわち、高効率でシャーベットアイスを製造可能である。
本考案の請求項3記載のシャーベットアイス製造装置によれば、請求項1又は請求項2記載の考案の効果に加えて、第1及び第2の伝達部は、互いに独立してモーターの駆動軸体の回転をそれぞれ2種類の軸体に伝達し、第1及び第2のプーリーの直径及び第3及び第4のプーリーの直径を調整することで、駆動軸体の回転数に対する2種類の軸体の回転数をそれぞれ変化させることが可能である。そのため、駆動軸体の回転数を調整することにより、回転体の回転数及び羽根の回転数をそれぞれ独立して変化させることができる。
本考案の請求項4記載のシャーベットアイス製造装置によれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の考案の効果に加えて、ヘッダーの送出孔から送出される水量が一定に維持される等によって、シャーベットアイスの温度や柔軟性を一定の範囲内に維持することができる。したがって、高品質のシャーベットアイスを安定的に製造可能である。
本考案の請求項5記載のシャーベットアイス製造装置によれば、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の考案の効果に加えて、シャーベットアイスは、羽根の回転によって排出口から自動的に排出されるため、別途に取り出し手段を設ける必要がない。したがって、取り出し手段が必要な場合と比較すれば、簡易な構成が実現可能であるとともにエネルギー効率も良好である。
本考案の請求項6記載のシャーベットアイス製造装置によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の考案の効果に加えて、塊状の氷の冷凍時間が短縮されることに加えて塩水により魚体の鮮度低下が抑制されるため、高品質のシャーベットアイスをより速やかかつ安価に製造することができる。また、塊状の氷と塩水の投入割合を調整することで、凍結直前温度である−1.5℃程度の最適冷蔵温度を実現することが可能である。さらに、真水によって形成された氷は、通常、小型漁船であっても大量に積載されていることから、塩水として例えば海水を利用することによれば、海上において材料不足に陥ることなく大量のシャーベットアイスを随時製造することができる。
実施例に係るシャーベットアイス製造装置の側面透視図である。 図1におけるシャーベットアイス製造装置のA線矢視図である。 (a)は実施例に係る刃体の横断面図であり、(b)は実施例に係る送風部の斜視透視図、(c)は(b)におけるD−D線矢視断面図である。 実施例に係る回転体と羽根等の側面図である。 実施例に係るホッパーの平面図である。 実施例に係る切削・混合ドラムを上方から視た場合の矢視図である。
本考案の実施の形態に係るシャーベットアイス製造装置の実施例について、図1乃至図6を参照しながら説明する。図1は、実施例に係るシャーベットアイス製造装置の側面透視図である。図2は、図1におけるシャーベットアイス製造装置のA線矢視図である。
図1及び図2に示すように、本実施例に係るシャーベットアイス製造装置1は、塊状の氷が投入されるとともに水が注入されるための投入口2aと、この投入口2aの周辺に設けられる周辺部2bと、を備えるホッパー2と、このホッパー2の下部に、塊状の氷を切削しながら水を混合することで、シャーベットアイスが形成される円筒形状の切削・混合ドラム3と、この切削・混合ドラム3の側面3bに開口してシャーベットアイスが排出される排出口4と、が備えられる。
ホッパー2は、その周辺部2bの上端が筐体50の上面に一致して取り付けられ、筐体50の内部に収容される。また、切削・混合ドラム3は、その天井部に、ホッパー2の投入口2aに接続されるとともにこれと連通する連通口3aが開口する。さらに、切削・混合ドラム3は、筐体50の内部に設けられた支持体50aによって底面3cが支持され、筐体50の内部に収容される。そして、排出口4は筐体50の側面を貫通して設けられる。
なお、塊状の氷は、真水が凍結されてなる氷であり、水は、海水である。この氷と海水の割合は、具体的には、重量比で氷30〜40%、海水70〜60%であって、この場合の塩分濃度は、2.5重量%(97.5gの水に2.5gの塩分が溶解している状態)程度である。また、筐体50のサイズは、高さ1000(mm)、横幅600(mm)、奥行き600(mm)程度である。
これらのうち、切削・混合ドラム3は、投入口2aから投入された塊状の氷が貯留されるとともに、塊状の氷を切削して微細氷に加工する刃体5(図1及び図2中の斜線部)を備える。この刃体5は、スリット6a〜6cを貫通するように貯留部7に固定されるが、この構成については図3で説明する。
さらに、切削・混合ドラム3は、微細氷と水を下方へ排出する3つのスリット6a〜6cが設けられる貯留部7と、貯留部7の上方に配置されて貯留された塊状の氷を回転させて刃体5に接触させる回転体8と、貯留部7の下方に配置されてシャーベットアイスを混合・搬送する羽根9と、が設けられる。
より詳細には、貯留部7は、塊状の氷を貯留するため、底面7aと傾斜した周面7bとからなる略円錐台形状の下方へ凹んだ空間(すり鉢状の空間)を有している。また、スリット6a〜6cは周面7bに設けられる。そして、回転体8は、底面7aに接する水平部8aと、周面7bに接する傾斜部8bと、からなる。そのため、回転体8が回転軸Bを中心として回転するとき、傾斜部8bがスリット6a〜6cを通過する度に塊状の氷が刃体5によって切削され微細氷に加工される構造となっている。
また、回転体8及び羽根9は、二重軸体を構成して同一の回転軸Bを中心に回転する2種類の軸体10,11に対し、それぞれ取り付けられる。この2種類の軸体10,11は、上端がいずれも貯留部7に固定されたベアリング31によって軸支され、その下端が切削・混合ドラム3の底面3cに固定されたベアリング32によって軸支される。
さらに、2種類の軸体10,11は、切削・混合ドラム3の下方に配置されるモーター12の駆動軸体13と、それぞれ伝達部14,15を介して連結される。このモーター12は、筐体50の内部に設けられた支持体50bによって支持され、筐体50の内部に収容される。また、モーター12は、例えば漁船に搭載されている発電機によって電力供給を受ける。
さらに詳しく述べると、2種類の軸体10,11は、回転軸Bを含む内軸体10と、内軸体10の外周に設けられる外軸体11と、から構成される。
また、スリット6a〜6cは、回転軸Bを中心として120度の一定角度を空けて配置される(図6参照)。
また、羽根9は、中心孔16aを備えてドーナツ状に形成される上板16と、この上板16と対向する下板17と、この上板16及び下板17と外軸体11をそれぞれ連結する複数の枠体18a,18bと、回転軸Bを中心として30度の一定角度を空けて配置され、上板16及び下板17の間に設けられる複数の板体19と、から構成される(図6参照)。
そして、切削・混合ドラム3は、その側面3bであって、スリット6a〜6cの外方に対応する位置にそれぞれ送風部20a〜20cが設けられる(ただし、図1においては送風部20aの図示が省略され、図2においては送風部20b,20cの図示が省略されている)。この送風部20a〜20cの構成については、後に図3を用いながら説明する。なお、送風部20a〜20cは、いずれも上板16の中心孔16aに向かって風Cを送風する。そして、風Cは、羽根9の内部で進行方向がCのように変化するが、このときの作用については後に図6を用いながら詳細に説明する。
本考案の実施の形態に係るシャーベットアイス製造装置を構成する刃体及び送風部について、図3を参照しながら説明する。図3(a)は実施例に係る刃体の横断面図であり、図3(b)は実施例に係る送風部の斜視透視図、図3(c)は図3(b)におけるD−D線矢視断面図である。なお、図1及び図2で説明した構成要素と同一の構成要素は、図3においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図3(a)に示すように、刃体5は、貯留部7の周面7bに設けられたスリット6aの内部に斜入された位置で周面7bの外周面7cに固定部5aを介して固定される。この刃体5の先端は、周面7bの内周面7dとほぼ同一面を形成するように調整されて配置されている。これは、スリット6b,6cにおいても同様である。
図3(b)及び図3(c)に示すように、送風部20aは、横断面が高さの異なる略U字状をなして筐体50を貫通して切削・混合ドラム3の側面3bに取り付けられ、その先端には吹出口21aが備えられている。なお、送風部20aの横断面が高さの異なる略U字状となっているのは、一方の高さを低くすることで刃体5の固定部5aとの干渉を回避するためである。また、送風部20aに含まれる側面3bに相当する部分は、メッシュ部21bとなり通風可能となっている。さらに、メッシュ部21bの下方には、送水管30aを接続可能なソケット30bが設置され、吹出口21aから水を切削・混合ドラム3へ導入可能となっている。なお、送水管30aは、後述する送水管30(図5参照)から分岐したものである。
また、図3(c)に示すように、送風部20aは、切削・混合ドラム3の側面3bに対し、中心軸Eが水平軸Hから約30度の角度θで下方に傾斜するように固定される。さらに、送風部20aは、筐体50の外側から外気を供給するための吸気口22が設けられる。以上の構成は、送風部20b,20cにおいても同様である。
続いて、図4を用いて、実施例に係るシャーベットアイス製造装置を構成する回転体と羽根等について、詳細に説明する。図4は、実施例に係る回転体と羽根等の側面図である。なお、図1乃至図3で説明した構成要素と同一の構成要素は、図4においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように、伝達部14は、モーター12(図1参照)の駆動軸体13及び内軸体10にそれぞれ取り付けられるプーリー23,24と、このプーリー23,24に懸架される無端ベルト25と、から構成される。また、伝達部15は、駆動軸体13及び外軸体11にそれぞれ取り付けられるプーリー26,27と、このプーリー26,27に懸架される無端ベルト28と、から構成される。なお、内軸体10及び外軸体11は、駆動軸体13と平行に設置されるため、伝達部14,15同士も互いに平行となる。
これら伝達部14,15は、互いに独立して駆動軸体13の回転をそれぞれ内軸体10及び外軸体11に伝達可能な構成となっている。
次に、図5を用いて、実施例に係るシャーベットアイス製造装置を構成するホッパーについて、詳細に説明する。図5は、実施例に係るホッパーの平面図である。なお、図1乃至図4で説明した構成要素と同一の構成要素は、図5においても同一の符号を付してその説明を省略する。
図5に示すように、水F〜Fは、ホッパー2の周辺部2bに取り付けられるヘッダー29を介して投入口2aに注入される。
このヘッダー29には、その内部空間へ水を供給するための供給口29aが設けられ、さらに供給口29aには送水ポンプ(図示せず)と接続された送水管30が接続される。さらに、ヘッダー29には供給された水を送出するための送出29b〜29d孔が、ヘッダー29の長手方向に沿って一定間隔を空けて設けられる。
なお、送水ポンプは、モーター12とは別のモーター(図示せず)によって駆動され、タイマー等からなる制御部(図示せず)によってその送水・停止が制御される。
次に、図6を用いて、実施例に係るシャーベットアイス製造装置を構成する切削・混合ドラムについて、詳細に説明する。図6は、実施例に係る切削・混合ドラムを上方から視た場合の矢視図である。なお、図1乃至図5で説明した構成要素と同一の構成要素は、図6においても同一の符号を付してその説明を省略するとともに、ホッパー2の投入口2a、刃体5及び貯留部7の天井面の図示も省略する。
図6に示すように、貯留部7には、内軸体10を中心として120度毎に回転体8の水平部8a及び傾斜部8bが設けられる。さらに、貯留部7には、内軸体10を中心として120度を空けて長方形状のスリット6a〜6cが配置され、スリット6a〜6cの外方に対応する位置にそれぞれ送風部20a〜20cがそれ設けられる。これらの送風部20a〜20cでは、後述するように、羽根9が回転することによって外気が吸気口22の中に吸引され、さらに吹出口21a(図3(b),図3(c)参照)から吹き出し可能な構造となっている。
さらに、排出口4は、その長軸方向が、切削・混合ドラム3における側面3bの接線方向に沿って配設される。
本実施例に係るシャーベットアイス製造装置1においては、ホッパー2の投入口2aから、スリット6a〜6cを通過しない程度の大きさに成型された塊状の氷が投入されると、塊状の氷は貯留部7に一旦貯留される。そして、モーター12に電力を供給すると、その駆動軸体13の回転力が、プーリー23、無端ベルト25、プーリー24の順に、内軸体10へ伝達され、回転体8が回転軸Bを中心として回転する。これと同時に駆動軸体13の回転力は、プーリー26、無端ベルト28、プーリー27の順に、外軸体11へ伝達され、羽根9が回転軸Bを中心として回転する。なお、回転体8及び羽根9の回転方向は、駆動軸体13の回転方向と同一である。
また、プーリー23,24の直径を調整することで、駆動軸体13の回転数に対する内軸体10の回転数を変化させることが可能である。同様に、プーリー26,27の直径を調整することで、駆動軸体13の回転数に対する外軸体11の回転数を変化させることが可能である。
貯留部7に一旦貯留された塊状の氷は、回転体8が回転することで、スリット6a〜6cに設けられた刃体5によって切削され微細氷に加工される。この微細氷は、スリット6a〜6cを通過した後、送風部20a〜20cから送り出された風Cによって羽根9の上板16の中心孔16aに向かって飛ばされ、中心孔16aを通過し外軸体11と枠体18a,18bで囲まれる空間に落下する。
また、回転体8が回転するとき、ヘッダー29にも送水管30を介して水が供給され、送出口29b〜29dよりこの水がホッパー2の周辺部2bに沿って流れ、投入口2aへ注入される。そのため、水が周囲へ飛び散り難いとともに、送水ポンプの出力変動によってヘッダー29に送水される水量が変化した場合であっても、送出口29b〜29dから送出される水量が一定に維持される。加えて、送風部20a〜20cに設置された送水管30aにも水が供給され、切削・混合ドラム3の内部へ注入される。送水管30,30aからの注水により、送風部20a〜20cの内周面や切削・混合ドラム3の内部の着氷が防止される。なお、ヘッダー29への水の供給は、回転体8の回転の前、中、後のいずれのタイミングであっても良い。そして、微細氷に水が混入された状態であっても、風Cによってこれらが外軸体11と枠体18a,18bで囲まれる空間に落下するように羽根9の回転数が適宜調整される。
次に、外軸体11と枠体18a,18bで囲まれる空間に落下したシャーベットアイス等では、微細氷と水がまだ十分攪拌されていない状態にある。このようなシャーベットアイス等は、羽根9が回転することで、複数の板体19によって押され、円軌道を描きながら遠心力によって徐々に切削・混合ドラム3の側面3b方向へ搬送される。この間に、微細氷と水は互いに十分攪拌され、柔軟性を有するシャーベットアイスが形成される。形成されたシャーベットアイスは、排出口4へと搬送されるが、排出口4の長軸方向が側面3bの接線方向に沿って配設されることで、自動的に筐体50の外部へ排出される。
さらに、図6を用いて、風C(図1参照)の流れについて説明する。羽根9が外軸体11を中心として回転すると、羽根9の内部に存在している空気は遠心力を受けて羽根9の外周部へと押し付けられながら外軸体11を中心として回転し、排出口4から排出される。したがって、羽根9の中心部付近では、羽根9の外周部に比較して負圧となる。そのため、この負圧となった部分を補うべく外気が送風部20a〜20cの吸気口22を介して吸引され、切削・混合ドラム3の内部へと導入される。導入された外気は、中心孔16aを通過し外軸体11と枠体18a,18b(図1参照)で囲まれる空間に送り込まれる(風C)。風Cは、回転する板体19と板体19の間に入り込み、その進行方向が変化する(風C)。この風Cは、羽根9の回転に伴い板体19によって押され、シャーベットアイスと同様に円軌道を描きながら排出口4へと搬送され、筐体50の外部へ排出される。
以上説明したように、本実施例に係るシャーベットアイス製造装置1によれば、ホッパー2、切削・混合ドラム3、排出口4等が、縦方向に沿ってコンパクトに配列されることから、わずかな空間が確保できれば十分設置可能である。そのため、広い設置面積の確保が困難な小規模の漁船(具体的には総トン数が10〜30トン程度)に対しても搭載が可能である。また、2種類の軸体10,11は、モーター12の駆動軸体13とそれぞれ伝達部14,15を介して連結され、同軸的に連結されていないことから、高さ1000(mm)程度の筐体50の内部に収容することができるとともに、1つのモーター12によって回転体8及び羽根9を駆動することが可能である。加えて、羽根9の回転によって、外気を切削・混合ドラム3の内部へ取り込み可能であることから、別途に送風ポンプ等を設ける必要性がない。したがって、シャーベットアイス製造装置1によれば、小型かつ簡易な構成である上に、エネルギー的にも高い効率を発揮することができる。なお、本実施例のシャーベットアイス製造装置1は、1時間当たり少なくとも1.5トンのシャーベットアイスを製造可能である。
さらに、シャーベットアイス製造装置1には、貯留部7の3箇所に刃体5が設けられるため、内軸体10の1回転当たりにおける氷の切削効率が良好である。そして、シャーベットアイス等は、送風部20a〜20cからの送風を受けてすべて中心孔16aの方向へ誘導されることから、羽根9を構成する上板16の上にシャーベットアイス等が蓄積されることが防止される。また、送水管30,30aからの注水によって、切削・混合ドラム3の内部の着氷が防止されるため、回転体8や羽根9の回転不良といった不具合の発生を防止することができる。
次いで、中心孔16aの方向へ誘導されたシャーベットアイス等は、羽根9を構成する板体19によって押され、排出口へと搬送されることから、シャーベットアイスが製造される途中のロスが殆んどない。すなわち、高効率でシャーベットアイスを製造可能である。
また、ヘッダー29の送出口29b〜29dから送出される水量が一定に維持される等によって、シャーベットアイスの温度や柔軟性を一定の範囲内に維持することができる。したがって、高品質のシャーベットアイスを安定的に製造可能である。
加えて、シャーベットアイスは、羽根9の回転によって排出口より自動的に排出されるので、取り出しに必要な手間を削減することができる。
そして、伝達部14,15は、互いに独立してモーター12の駆動軸体13の回転をそれぞれ内軸体10と外軸体11に伝達することが可能であることから、プーリー23,24,26,27の直径を調整することによって、回転体8の回転数及び羽根9の回転数をそれぞれ独立して変化させることができる。したがって、例えば、塊状の氷と水の投入割合が一定の場合に、回転体8の回転数は変化させずに羽根9の回転数を減少させると、微細氷同士が衝突し合う際の衝撃が弱められ、微細氷の溶解を抑制することができる。そのため、形成されたシャーベットアイスの冷却効果の継続時間を長くすることが可能となる。逆に、回転体8の回転数は変化させずに羽根9の回転数を増加させると、微細氷同士が衝突し合う際の衝撃が強められ、微細氷の溶解を促進することができる。そのため、形成されたシャーベットアイスの冷却効果の継続時間は短めとなるが、その代りに柔軟性を向上させることが可能となる。
このように、回転体8の回転数及び羽根9の回転数をそれぞれ独立して変化させることや、さらに塊状の氷と水の投入割合を調整することによって、冷却の継続時間や柔軟性を様々に調整することが可能である。したがって、使用する水の温度が季節によって大きく異なる場合であっても、例えば、凍結直前温度である−1.5℃という魚体に対する最適の冷蔵状態等を安定的に実現可能である。
また、塊状の氷として真水が凍結されてなる氷が使用され、水として海水が利用される場合では、塊状の氷の冷凍時間が短縮されることに加えて海水により魚体の鮮度低下が抑制されるため、冷却効果の高いシャーベットアイスをより速やかかつ安価に製造することができる。さらに、真水によって形成された氷は、通常、小型漁船であっても大量に積載されていることから、海上において材料不足に陥ることなく大量のシャーベットアイスを随時製造することができる。
なお、真水による氷と海水を混合利用する場合には、シャーベットアイスの塩分濃度は実際の海水よりも低くなるが、シャーベットアイスの塩分濃度を海水と同程度に上げる場合には、塊状の氷に濃度を補う適量の塩をかけるようにしてもよい。その場合、塊状の氷に塩分が溶解する際に溶解熱が奪われ氷の温度が低下することから、シャーベットアイスの温度上昇を抑制する効果も発揮され、より大きな効果が発揮される。従って、海水を冷凍した氷を用いてシャーベットアイスを製造するよりも低温のシャーベットアイスが得られる可能性もある。
シャーベットアイスを製造するために微細氷と混合される水としては、真水でもよいが、前述のとおり魚体の鮮度低下を抑制するためには海水を用いることが望ましく、さらに、真水からなる氷から製造されたシャーベットアイスの塩分濃度を海水の塩分濃度を同等するためにはさらに塩分を加えることも考えられる。すなわち、本願では、水の概念には真水と塩水が含まれ、塩水の概念には海水も含まれる。
以上のように、本考案の実施例に係るシャーベットアイス製造装置1によれば、漁獲直後から船上において魚体を適切な温度や塩分濃度で冷却することが可能となるため、従来と比較して鮮度の低下を抑制することができる。加えて、シャーベットアイスの持つ柔軟性によって魚体を損傷するおそれがないことから、魚価を向上させることが可能であり、ひいては魚のブランド化といった他地域との差別化が期待できる。
なお、本考案のシャーベットアイス製造装置は本実施例に示すものに限定されない。例えば、送風部20a〜20cは、刃体5の固定部5aとの位置関係を調整することで横断面が高さの等しい略U字状であっても良い。さらに、スリット6a〜6cや送風部20a〜20cの個数や配置は、図6に示した以外であっても良い。また、用意できる場合には、塊状の氷として塩水が凍結されてなる氷が使用されても良い。
本考案は、小型漁船等に搭載されるシャーベットアイス製造装置として利用可能である。
1…シャーベットアイス製造装置 2…ホッパー 2a…投入口 2b…周辺部 3…切削・混合ドラム 3a…連通口 3b…側面 3c…底面 4…排出口 5…刃体 5a…固定部 6a〜6c…スリット 7…貯留部 7a…底面 7b…周面 7c…外周面 7d…内周面 8…回転体 8a…水平部 8b…傾斜部 9…羽根 10…内軸体 11…外軸体 12…モーター 13…駆動軸体 14,15…伝達部 16…上板 16a…中心孔 17…下板 18a,18b…枠体 19…板体 20a〜20c…送風部 21a…吹出口 21b…メッシュ部 22…吸気口 23,24,26,27…プーリー 25,28…無端ベルト 29…ヘッダー 29a…供給口 29b〜29d…送出口 30,30a…送水管 30b…ソケット 31,32…ベアリング 50…筐体 50a,50b…支持体

Claims (6)

  1. 塊状の氷が投入されるとともに水が注入されるための投入口と、この投入口の周辺に設けられる周辺部と、を備えるホッパーと、
    このホッパーの下部に、前記塊状の氷を切削しながら前記水を混合することで、シャーベットアイスが形成される円筒形状の切削・混合ドラムと、
    この切削・混合ドラムの側面に開口して前記シャーベットアイスが排出される排出口と、が備えられ、
    前記切削・混合ドラムは、前記投入口から投入された前記塊状の氷が貯留されるとともに、前記塊状の氷を切削して微細氷に加工する刃体を備え、前記微細氷と前記水を下方へ排出する複数のスリットが設けられる貯留部と、前記貯留部の上方に配置されて貯留された前記塊状の氷を回転させて前記刃体に接触させる回転体と、前記貯留部の下方に配置されて前記シャーベットアイスを混合・搬送する羽根と、が設けられ、
    前記回転体及び前記羽根は、二重軸体を構成して同一の回転軸を中心に回転する2種類の軸体に対し、それぞれ取り付けられ、
    前記2種類の軸体は、前記切削・混合ドラムの下方に配置されるモーターの駆動軸体と、それぞれ第1及び第2の伝達部を介して連結されることを特徴とするシャーベットアイス製造装置。
  2. 前記2種類の軸体は、前記同一の回転軸を含む内軸体と、この内軸体の外周に設けられる外軸体と、から構成され、
    前記複数のスリットは、前記同一の回転軸を中心として一定角度を空けて配置され、
    前記羽根は、中心孔を備えてドーナツ状に形成される上板と、この上板と対向する下板と、前記上板及び前記下板と前記外軸体をそれぞれ連結する複数の枠体と、前記同一の回転軸を中心として一定角度を空けて配置され、前記上板及び前記下板の間に設けられる複数の板体と、から構成され、
    前記切削・混合ドラムは、前記側面であって、前記複数のスリットの外方に対応する位置にそれぞれ送風部が設けられ、
    この送風部は、前記上板の前記中心孔に向かって送風することを特徴とする請求項1記載のシャーベットアイス製造装置。
  3. 前記第1の伝達部は、前記駆動軸体及び前記2種類の軸体のうちの一方にそれぞれ取り付けられる第1及び第2のプーリーと、この第1及び第2のプーリーに懸架される第1の無端ベルトと、から構成され、
    前記第2の伝達部は、前記駆動軸体及び前記2種類の軸体のうちの他方にそれぞれ取り付けられる第3及び第4のプーリーと、この第3及び第4のプーリーに懸架される第2の無端ベルトと、から構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシャーベットアイス製造装置。
  4. 前記水は、前記ホッパーの前記周辺部に取り付けられるヘッダーを介して前記投入口に注入されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシャーベットアイス製造装置。
  5. 前記排出口は、その長軸方向が、前記切削・混合ドラムにおける前記側面の接線方向に沿って配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシャーベットアイス製造装置。
  6. 前記塊状の氷は、真水が凍結されてなる氷であり、
    前記水は、塩水であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のシャーベットアイス製造装置。
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