JP3211920U - 耐火二層形排水縦管用伸縮継手 - Google Patents

耐火二層形排水縦管用伸縮継手 Download PDF

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信裕 田中
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厚 荻野
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【課題】既設の耐火二層管から成る排水縦管の更新を切断作業を伴うことなく簡単かつ迅速に行える排水縦管更新用耐火二層形伸縮継手を提供する。【解決手段】配管接続口2を有する合成樹脂製筒形本体3と、一端側に配管接続口2を有し他端側が筒形本体3の内部へ出没する合成樹脂製摺動筒5と、筒形本体3の外周に設けられて摺動筒5を不動に固定するための圧縮弾性体を押圧する合成樹脂製締付けナット8とを備えた排水用伸縮継手1であって、筒形本体3及び締付けナット8の外周面をモルタルで被覆し、摺動筒の外周面は筒形本体の内部へ出没する部分を除いてモルタルで被覆し、各被覆層9、10、12の端面にリング状熱膨張性耐火材13を取付け、摺動筒5の出没する部分をモルタル製の割型14により円筒状に囲むとともに割型14の外周に解除可能な不燃性の緊縛部材15を設けて割型14を円筒形に保持した。【選択図】図1

Description

本考案は多層住宅等の建造物に施工された耐火二層形の排水縦管を、併設された器物を損壊することなく簡単迅速に更新するために使用される排水縦管更新用耐火二層形伸縮継手に関する。
近時、環境負荷が低減され長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅いわゆる長期優良住宅の普及が要望されており、その要望の一つに古くなった排水管を簡単に更新できるように予め準備しておくことが挙げられている。共同住宅などの排水設備には、特許文献1に見られるような耐火二層管すなわち合成樹脂製の内管と繊維混入モルタル製の外管とで構成され耐火性と円滑な排水性能を兼備したものが多く使用されている。しかし、排水縦管として使用されている耐火二層管を更新するにはこれの内管及び外管をカッターなどの切断機を使用する切断工事が必要になり、その更新は容易でない。
また、合成樹脂製の排水管同士を接続するための伸縮継手として、配管接続口を有する合成樹脂製の筒形本体と、一端側に配管接続口を有し他端側が該筒形本体の内部へ出没する合成樹脂製の摺動筒と、該筒形本体の外周に設けられて該摺動筒を不動に固定するための圧縮弾性体を押圧する合成樹脂製の締付けナットとを備えた形式のものが知られているが、耐火性が全くないので耐火二層管の配管系に使用するには不適当である。
特許第4174704号公報
上記更新の工事は、管継手に接続された耐火二層管を2か所において切断し、その中間部を除去したのち残りの上下の耐火二層管部分を取り外す作業を行う必要がある。この耐火二層管の切断作業には騒音や振動が発生し、さらにはモルタル製の外管から粉塵も発生するので居住者に迷惑をかける不都合があり、また狭いダクトスペース内へ切断機を持ち込んで切断し解体する作業は作業員にとっても容易な作業ではない。
本考案は、上記した伸縮継手を使用して既設の耐火二層管から成る排水縦管の更新を上記のような切断作業による不都合を生じることなく簡単かつ迅速に行える耐火二層形の排水縦管用伸縮継手を提供することを課題とするものである。
本考案では上記課題を解決するために、配管接続口を有する合成樹脂製の筒形本体と、一端側に配管接続口を有し他端側が該筒形本体の内部へ出没する合成樹脂製の摺動筒と、該筒形本体の外周に設けられてこれへ該摺動筒を不動に固定するための圧縮弾性体を押圧する合成樹脂製の締付けナットとを備えた排水用伸縮継手であって、該筒形本体及び締付けナットの外周面を繊維混入モルタルの被覆層で被覆し、該摺動筒の外周面は筒形本体の内部へ出没する部分を除いて繊維混入モルタルの被覆層で被覆し、これら被覆層の端面にリング状熱膨張性耐火材を取付け、該摺動筒の出没する部分を繊維混入モルタル製の該割型により円筒状に囲むとともに割型の外周に解除可能な不燃性の緊縛部材を設けて該割型を円筒形に保持した。該筒形本体の配管接続口を受け口形の配管接続口に構成し、該摺動筒の一端側の配管接続口をシールリングを備えた受け口形の接続口に構成し、更に該緊縛部材を不燃性テープまたは金属バンドで構成することが好ましく、該筒形本体の受け口形の配管接続口に、耐火二層管から成る排水管の合成樹脂製の内管を挿入して接着剤により耐火二層管の排水縦管と一体に接合した構成としても良い。
本考案に係る排水管更新用耐火二層形伸縮継手は、その筒形本体の配管接続口を、耐火二層管から成る排水縦管の上端部へ接続し、摺動筒の配管接続口には集合管などの上流側の配管部材を接続して使用される。そして排水縦管の更新時期が来ると、不燃性の緊縛部材の緊縛を解除して割型を取り外し、締付けナットを緩めると摺動筒が筒形本体内へ没入可能になる。摺動筒を没入させるとその配管接続口に接続されていた上流側の配管部材から摺動筒が抜けるので、該伸縮継手及びこれに接続された古い排水縦管を配管系から取り除き、新しい耐火二層管から成る排水縦管及び排水管更新用耐火二層形伸縮継手が配設される。
該耐火二層形伸縮継手は筒形本体、締付けナット及び摺動筒の出没部分以外の部分が繊維混入モルタルの被覆層で覆われ、被覆層の端面にはリング状の熱膨張性耐火材が設けられており、摺動筒の出没部分は繊維混入モルタル製の割型で覆われているから、耐火二層管の排水縦管と同等の耐火性を有して安全であり、緊縛部材を解いて割型を取り除くだけで継手の長さを縮小でき、切断作業のような振動や騒音、粉塵を発生させずに継手と排水縦管を配管系から簡単に取り外せる。
本考案の実施例の切断側面図 図1の側面図 割型の斜視図 緊縛部材の斜視図 本考案の伸縮継手と排水縦管の接続状態の説明図 本考案の伸縮継手と集合管の接続状態の説明図 本考案の伸縮継手の配管完了状態の説明図 割型の解除状態の説明図 本考案の伸縮継手の縮小状態の説明図 本考案の伸縮継手及び排水縦管の取り外し状態の説明図
本考案の実施の形態を図面に基づき説明すると、図1及び図2において符号1は排水用伸縮継手を示し、該排水用伸縮継手は、一端側に配管接続口2有する合成樹脂製の筒形本体3と、一端側に配管接続口4を有し他端側が該筒形本体3の内部へ出没する合成樹脂製の摺動筒5と、該筒形本体3の外周に形成された螺子部7を螺進して摺動筒5の周囲に設けた環状ゴムからなる圧縮弾性体6を押圧することで該筒形本体3に摺動筒5を固定する合成樹脂製の締付けナット8を備える。こうした構成の排水用伸縮継手は公知であるが、合成樹脂製であるため耐火性が全く無く、多層住宅の階層を貫通して配管される排水縦管に使用することは防災上の危険がある。
本考案に係る排水管更新用耐火二層形伸縮継手21は、上記構成の排水用伸縮継手1を耐火性を有する排水縦管の更新に適合すべく改良したもので、該筒形本体3及び締付けナット8の外周面を繊維混入モルタルの被覆層9、10で夫々被覆し、該摺動筒5の外周面には筒形本体3の内部へ出没する部分11を除いて繊維混入モルタルの被覆層12で被覆し、さらにこれら被覆層9、10、12の端面にリング状の熱膨張性耐火材13を取り付けることにより継手1に耐火性を具備させ火炎の侵入を阻止できるようにした。これら熱膨張性耐火材13は被覆層の被覆成形と同時に取り付けることが好ましい。
この被覆層の繊維混入モルタルには、例えば、普通ポルトランドセメント45±10%、無機質細骨材・無機質混和剤50±10%、有機質繊維5±1%の組成のものが使用され、射出成形により被覆層に形成される。また、熱膨張性耐火材13には、例えば熱膨張性黒鉛(グラファイト系)6±3%、エポキシ樹脂35±5%、無機充填材59±5%のものが使用され、この場合火災の熱で約6倍に熱膨張して隙間からの火炎の侵入が阻止される。
該摺動筒5の筒形本体3の内部へ出没する部分11の外周面には、図3に示したような繊維混入モルタル製の割型14により円筒状に囲み、その外周に市販の不燃性テープ或いは図4に示したような金属バンドなどの緊縛部材15を設けて該割型14を円筒形に保持して耐火性を持つようにした。該摺動筒5の配管接続口4は受け口形に形成され、その内部にはゴムパッキン16を設けておくと、接続すべき集合管などの配管部材19をこの配管接続口2に挿入するだけで水密な配管接続作業を完了できる。該筒形本体3の配管接続口2も受け口形に形成して排水縦管17を挿入するだけで接続されるようにし、図5及び図6の例では耐火二層管からなる排水縦管17の合成樹脂製の内管18を挿入して接着剤により一体に接合した。20は耐火二層管からなる排水縦管17の繊維混入モルタル製の外管を示す。
共同住宅における排水縦管の配管工事は、下層階から上層階へと順次に配管施工するのが一般的であり、下層階の床スラブにゴムパッキンを備えた集合管を埋設固定し、集合管の上方続口にゴムパッキンが装備されている上方に排水縦管を差し込み、排水縦管に上層階の床スラブの貫通孔から次の集合管を差し込んで接続される。排水縦管には延焼防止のために耐火性が必要であるから、通常は耐火二層管や鋼管が使用される。しかし、こうした配管構成では、集合管は埋設されて更新困難であり耐久性も十分にあるから、排水縦管が更新されることになるが、その更新には、前記したように切断して更新作業することの不都合を伴う。
本考案の耐火二層形伸縮継手1は、図7に示すように排水縦管17に接続して設けられるもので、排水縦管17を更新するときは、まず緊縛部材15を取り外し、次いで割型14を図8に見られるように取り外す。そして締付けナット8を緩めると摺動筒5が摺動可能になる。上方の配管部材19はゴムパッキン16を介して摺動筒5に接続されているから、図9のように筒形本体3内へ没入させると上方の配管部材19とから分離され、切断作業を伴わずに排水縦管17及び伸縮継手21を下方の配管部材22から取り外すことができる(図10)。
取り外した後に新しい排水縦管17を配管する場合は、本考案の伸縮継手21も新品に交換され、新しい伸縮継手21の割型14を取り外して筒形本体3の内部へ摺動筒5を没入させた縮小状態とし、排水縦管17の上端に本考案の伸縮継手21の配管接続口2をつなぐ。そして排水縦管17の下端を既存の配管部材19に差し込み、次いで摺動筒5を筒形本体3から引き出しながらその配管接続口4を上方の既存の配管部材19に接続したのち締付けナット8を回して摺動筒5を筒形本体3に不動に固定する。さらに摺動筒5の出没する部分11の外周を割型14で円筒形に囲んだのち緊縛部材15により縛ることで摺動筒5の外周面を繊維混入モルタルで覆われ、しかも各被覆層9、10、12の端面に熱膨張性耐火材13を取り付けたので充分な耐火性が付与される。
以上のように、本考案の耐火二層形伸縮継手21を使用することにより耐火性を必要とする排水縦管17の更新を切断工事を伴わずに行え、騒音や粉塵の発生がなく、緊縛部材15と割型14の解体と組立を作業するだけであるから更新作業も簡単容易で短時間に工事完了できる利点がある。
1 排水用伸縮継手、2 配管接続口、3 筒形本体、5 摺動筒、6 圧縮弾性体、8 締付けナット、9・10・12 被覆層、11 出没する部分、13 熱膨張性耐火材、14 割型、15 緊縛部材、17 排水縦管、18 内管、21 配管更新用耐火二層形伸縮継手、

Claims (3)

  1. 配管接続口を有する合成樹脂製の筒形本体と、一端側に配管接続口を有し他端側が該筒形本体の内部へ出没する合成樹脂製の摺動筒と、該筒形本体の外周に設けられてこれへ該摺動筒を不動に固定するための圧縮弾性体を押圧する合成樹脂製の締付けナットとを備えた排水用伸縮継手であって、該筒形本体及び締付けナットの外周面を繊維混入モルタルの被覆層で被覆し、該摺動筒の外周面は筒形本体の内部へ出没する部分を除いて繊維混入モルタルの被覆層で被覆し、これら被覆層の端面にリング状熱膨張性耐火材を取付け、該摺動筒の出没する部分を繊維混入モルタル製の割型により円筒状に囲むとともに該割型の外周に解除可能な不燃性の緊縛部材を設けて該割型を円筒形に保持したことを特徴とする排水縦管更新用耐火二層形伸縮継手。
  2. 上記筒形本体の配管接続口を受け口形の配管接続口に構成し、上記摺動筒の一端側の配管接続口をシールリングを備えた受け口形の接続口に構成し、更に上記緊縛部材を不燃性テープまたは金属バンドで構成したことを特徴とする請求項1に記載の排水縦管更新用耐火二層形伸縮継手。
  3. 上記筒形本体の受け口形の配管接続口に、耐火二層管から成る排水管の合成樹脂製の内管を挿入して接着剤により耐火二層管の排水縦管と一体に接合したことを特徴とする請求項1に記載の排水縦管更新用耐火二層形伸縮継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019060200A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 フネンアクロス株式会社 耐火性熱膨張材を内蔵した受け口形耐火二層管
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