JP3210768B2 - 写真フィルム巻込み装置 - Google Patents

写真フィルム巻込み装置

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JP3210768B2
JP3210768B2 JP10012093A JP10012093A JP3210768B2 JP 3210768 B2 JP3210768 B2 JP 3210768B2 JP 10012093 A JP10012093 A JP 10012093A JP 10012093 A JP10012093 A JP 10012093A JP 3210768 B2 JP3210768 B2 JP 3210768B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真フィルムパトロー
ネの組み立て時にパトローネ本体内に写真フィルムを巻
き込むための写真フィルムの巻込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最も普及している135タイプの写真フ
ィルムパトローネは、金属性薄板を円筒状に形成したパ
トローネ胴体と2つのキャップとによりパトローネ本体
を構成し、その中に写真フィルムを巻き付けたスプール
を収納した構造になっている。この写真フィルムパトロ
ーネを組み立てる方法としては、特公平2−691号公
報に開示されているように、写真フィルムをスプールに
巻き付けた状態で用意しておき、これを暗室内作業によ
ってパトローネ本体で包み込むように組み立てる方法、
更に特公昭60−48748号公報に記載されているよ
うに、一旦組み立てたパトローネ本体を暗室内の写真フ
ィルムの組み込み部で部分的に分解し、その中に写真フ
ィルムを巻き付けたスプールを入れてパトローネ本体を
再組付けする方法がある。
【0003】また、特開昭49−107732号公報や
特開昭52−77723号公報記載のものでは、空のス
プールを組み込んだパトローネ本体を明室で作ってお
き、パトローネ本体に形成されたフィルム通路に舌片状
のガイド板を挿入し、これをガイドにして写真フィルム
を後端部側からパトローネ本体内に挿入してゆき、写真
フィルムの後端部をスプールに係止させた後にスプール
を回転して写真フィルムをパトローネ本体に巻き込むよ
うにしている。
【0004】ところで、米国特許第4,834,306
号明細書、同第4,846,418号明細書、更に本出
願人による特開平3−37645号公報によれば、パト
ローネ本体を樹脂成型品で組み立てるとともに、スプー
ルの回転によって写真フィルムをパトローネ本体外に送
り出す機能をもった写真フィルムパトローネが公知であ
る。この写真フィルムパトローネはこれまでのものと異
なり、未使用状態そして使用済状態のいずれでも写真フ
ィルムのリーダー部がパトローネ本体から突出しておら
ず、写真フィルムをより光密に収納できるだけでなく、
使用前後の取扱いが容易になるという利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、スプール回
転による写真フィルムの送り出し機能をもった写真フィ
ルムパトローネの場合、例えばパトローネ本体に形成し
たフィルム通路を遮光蓋で開閉できる構造にしたり、あ
るいはパトローネ本体に使用前後の表示部材を組み込ん
だりする他、特開平1−306845号公報や米国特許
第5,049,912号明細書に開示された構造を用い
ることを考慮すると、パトローネ本体の構成部品が増え
てしまう。したがって、写真フィルムの組み込みのため
にパトローネ本体を暗室内で分解したり組み立てたりす
る方法では、生産効率を向上させることが困難である。
そして、こうした組み立て作業を自動化したとしても、
故障時の対応を考慮すると作業性の点で問題が多い。ま
た、上記パトローネを用いた方法では現像後のネガフィ
ルムをもパトローネに収納して顧客に返却することが提
案されており、この場合、現像所にて巻き込みを行うこ
とになる。その場合、パトローネを分解するのは非常に
困難であり、生産性が低下する。更に、装置も複雑にな
りフィルム及びパトローネが損傷しやすくなる。
【0006】また、上記したようにフィルム通路に舌片
状のガイド板を挿入して写真フィルム後端をスプールに
係止するものでは、パトローネ本体の組み立ては明室で
行うことができるが、ガイド板は単にフィルム通路の入
口部分で写真フィルム後端部の挿入ガイドを行うだけで
あるため、写真フィルムをパトローネ本体に挿入する過
程で、その後端部がスプールの係止部に達する前に別の
方向に屈曲したり、折れてしまう恐れが大きく、やはり
作業性の点で問題がある。特に、現像後のネガフィルム
は、カメラ使用時の状況などにより色々なカールや傷み
を持っているため、この方法では信頼性が低い。本発明
は、写真フィルムをパトローネ本体内のスプール直前ま
でその端部をガイドして挿入し、スプールへ係止させる
ことにより、写真フィルムのスプールへの装着時におけ
るフィルムの屈曲の矯正や作業性や信頼性を向上し得る
写真フィルムの巻込み方法及び装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る前記目的
は、下記構成により達成される。 (1)写真フィルムの後端係止手段が設けられたスプー
ルを回転自在に収納するとともに内部を遮光状態に保つ
ことが可能なパトローネ本体を位置決めするパトローネ
保持手段と、前記スプールを位置決めするスプール位置
決め手段と、前記写真フィルムを幅方向にわたって波形
に変形させる変形手段と、前記スプールに前記写真フィ
ルムを搬送するフィルム搬送手段と、前記スプールを前
記写真フィルムの巻き込み方向に回転させるスプール駆
動手段とを備えたことを特徴とする写真フィルム巻込み
装置。
【0008】
【0009】
【0010】(2)前記変形手段が、前記写真フィルム
の長手方向に延びるスリットを有する板状案内部材と、
前記スリットに沿って延び一部がわずかに前記スリット
内に侵入した棒状案内部材とからなり、前記棒状案内部
材により前記スリット内に前記写真フィルムを押圧して
波形に変形させることを特徴とする前記(1)に記載の
写真フィルム巻込み装置。
【0011】(3)前記変形手段が、前記パトローネ本
体に設けられたフィルム通路と前記写真フィルムを搬送
する搬送路との間で前記写真フィルムの幅方向両端部を
支持する一対のガイドローラと、前記一対のガイドロー
ラの間において前記一対のガイドローラによる支持方向
とは逆方向から前記写真フィルムの中央を支持し、前記
一対のガイドローラとわずかに回転半径が重なる他のガ
イドローラとからなり、前記一対のガイドローラにより
両端部を支持した前記写真フィルムの中央を前記他のガ
イドローラにより押圧して前記写真フィルムを波形に変
形させることを特徴とする前記(1)に記載の写真フィ
ルム巻込み装置。
【0012】
【作用】上下一対の案内部材又はガイドローラにより写
真フィルムを幅方向にわたって波形に変形させる装置に
あっては、写真フィルムの長手方向に延びる雨どい状の
湾曲列が複数形成され、湾曲列の突出した曲面が交互に
位置するので、写真フィルムの長手方向の剛性が高ま
る。この結果、写真フィルムの搬送が容易になり、しか
も雨どい状のカールが矯正されるので、パトローネ内に
写真フィルムを確実に挿入できるようになる。これによ
り、上記挿入部材や案内部材がなくても写真フィルムを
確実に搬送及び挿入することができ、写真フィルムをパ
トローネ内に設けたスプールに確実に係合させることが
できる。
【0013】
【0014】写真フィルムの剛性を高めるために、写真
フィルムを波形に変形させるには、例えば上記(2)
示すように、板状案内部材の写真フィルム長手方向に延
びるスリット内に、棒状案内部材により写真フィルムを
わずかに押し込むことにより可能である。このとき、写
真フィルムに長手方向に延びる雨どい状の湾曲が生じて
いる場合には、湾曲の凹面側に板状案内部材が接し、凸
面側に棒状案内部材が接するようにして、湾曲の凸面を
矯正するとともに波形を形成することが好ましい。この
構成では、パトローネの外に板状案内部材と棒状案内部
材を固設しても、パトローネ内に写真フィルムを案内す
ることが可能であるが、これらの案内部材をパトローネ
内にまで入り込むように移動可能に構成することによ
り、写真フィルムを確実にスプールまで案内することが
できる。
【0015】また写真フィルムを波形に変形させるに
は、例えば上記(3)に示すように、写真フィルムの一
方の面の幅方向両端部を一対のガイドローラで支持案内
し、他方の面の中央を他のガイドローラで支持案内する
ことにより可能である。写真フィルムに長手方向に延び
る雨どい状の湾曲が生じている場合には、湾曲の凹面側
に一対のガイドローラが接し、凸面側に他のガイドロー
ラが接するようにして、湾曲の凸面を矯正するとともに
波形を形成することが好ましい。複数のガイドローラを
用いて写真フィルムを波形に変形させる構成では、写真
フィルム案内面が回転するので写真フィルムの案内も円
滑になるので好ましいが、波形を形成するだけであれ
ば、回転等の機能を備えない単なる案内面を有する案内
部材を前記ガイドローラと同様な位置関係で配置しても
よい。
【0016】本発明によれば、上記(1)〜(3)のい
ずれか一つの構成により、容易かつ確実な写真フィルム
の巻き込みが可能であるが、(1)〜(3)の構成を複
数組み合わせることによっても、同じ効果を奏する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、実施例
の説明の前に、図1〜図4を参照して本発明の参考例を
説明する。図1はフィルム巻込み動作を示す説明図、図
2はフィルム巻込み装置の構成を示す平面図、図3は側
面図、図4はパトローネの分解斜視図である。なお、
考例の説明にあたっては、理解を容易になすため、先ず
パトローネの構造等について説明し、次いでフィルム巻
込み装置の構造とフィルム巻き込み動作を説明する。
【0018】パトローネ本体1は、樹脂の一体成型品か
らなる上ケース2と下ケース3、更にスプール4及び蓋
部材5等により構成されている。上下ケース2、3の内
壁には一対のリブ6が形成され、写真フィルムFをロー
ル状に巻き付けたスプール4をこれらの上下ケース2、
3の中に収納したとき、リブ6は写真フィルムFの最外
周に接してスプール4からの巻き緩みを防ぐ。したがっ
て、スプール4をフィルム送り出し方向(図1で反時計
回転方向)に回転した時には、写真フィルムFもスプー
ル4と一体に同方向に回転するようになる。なお、符号
7は先端分離爪を示し、スプール4とともにフィルムロ
ールを回転させたときに、この先端分離爪7が写真フィ
ルムFの先端をすくい上げる作用を行う。
【0019】上下ケース2、3にはポート部2a、2a
が設けられ、上下ケース2、3を組み合わせて一体に連
結したときに各ポート部2a、3aの合わせ目にフィル
ム通路8が形成される。ポート部2a、3aの間には、
蓋部材5が組み込まれる。蓋部材5の両端部にはそれぞ
れ回転支持部5aが設けられ、蓋部材5はスプール4の
回転軸と平行な軸を中心に回転自在になっている。回転
支持部5aの一方の端部にはキー9が設けられ、パトロ
ーネ本体1の側面に露呈する。そして、外部からキー9
に蓋開閉部材11を嵌めて回転させることにより、蓋部
材5をフィルム通路8を開放する位置と閉じる位置との
間で回転させることができる。
【0020】スプール4には一対のフランジ4aが一体
に設けられ、写真フィルムFはこれらのフランジ4aの
間の軸部4bに巻き付けられる。スプール4の両端はパ
トローネ本体1の側面に露呈し、この露呈した部分には
キー12が設けられている。キー12はスプール4を回
転させるときにスプール駆動用の部材を係合させるのに
用いられる。図示したように、キー12の一端部には切
欠12aが設けられている。
【0021】スプール4の軸部4bにはスリット13が
形成されている。スリット13の内部には、図1にも断
面構造で図示したように爪14と押さえリブ15とが設
けられている。なお、爪14は所定間隔で一対に設けら
れたものであり、押さえリブ15は一対の爪14間に上
方から下向きに突出した形状になっている。スリット1
3は図1で左側が挿入口となっており、この挿入口から
写真フィルムFの後端部が挿入される。
【0022】写真フィルムFの後端側には一対の係止孔
16が形成されており、前記爪14がこの係止孔16に
係合する。そして押さえリブ5は写真フィルムFの後端
が浮き上がらないように押さえるから、爪14と係止孔
16との係止は維持され、スリット13から写真フィル
ムFを引き抜く方向に力が加わっても抜けることはな
い。なお、前記係止孔16の形状等は、前記に限定され
るものではなく、爪14の形状や間隔等により自在に変
形される。
【0023】次に、図3及び図4を参照して写真フィル
ムFをパトローネ1内に巻込むためのフィルム巻込み装
置について説明する。フィルム巻込み装置21の構成を
大別すると、パトローネ1のセット部Aとパトローネ1
内に写真フィルムFを巻き込む巻込み部Bとに分けられ
る。セット部Aは、パトローネ1を位置決めする台座2
2、更に支軸25を中心に回動してパトローネ1を位置
決めする際に開き、閉じ状態でパトローネ1の押さえを
行う押さえ部26等より構成されている。なお、押さえ
部26内には、パトローネ1を弾性的に支持する支持機
構27が適宜間隔で埋設されている。
【0024】一方、フィルム巻込み部Bは、フィルム巻
き込み時に写真フィルムFの下側をガイドする挿入下プ
レート31及び写真フィルムFの上側をガイドする挿入
上プレート32、写真フィルムFを搬送するための上下
一対のパスローラ33、搬送路34等により構成されて
いる。各パスローラ33はフィルムFの幅方向の両側端
部近傍に接するローラであり、2つのパスローラ33が
同軸に設けられている。なお、モータ35、タイミング
ベルト36、カム37、カム37の回転により往復動す
るレバー38、ガイド溝39は、挿入下プレート31を
矢印M、N方向に往復動させるためのものである。挿入
下プレート31は板状であり、その幅はパトローネ1に
形成したフィルム通路8を挿通し得る寸法に設定されて
いる。
【0025】挿入上プレート32は、撓み変形可能な弾
性材により構成されたものであり、その一端は支軸41
を中心に矢印R、S方向に往復回動する一対の回動部材
42に固定されている。挿入上プレート32の幅は、パ
スローラ33間に入り込むとともにフィルム通路8を挿
通し得る寸法に設定され、他端には写真フィルムFを係
止するための爪等は形成されていない。パスローラ33
は写真フィルムFの両側端部を挟み付けた状態で回転
し、写真フィルムFをパトローネ1方向に搬送する。
【0026】次に、写真フィルムFの巻き込み動作を説
明する。パトローネ1を台座22上にセットし、ドアド
ライバー43により蓋開閉部材11を駆動し蓋部材5を
開く。次いでモータ35を駆動するとタイミングベルト
36によりカム37が回転し、レバー38がガイド溝3
9に沿って位置MからN方向に移動する。レバー38の
上端には挿入下プレート31が固定されているので、挿
入下プレート31が搬送路34上をN方向、すなわち図
1で示すパトローネ1方向に移動し、先端部がフィルム
通路8からパトローネ1内に入り込む。
【0027】一方、回動部材42は図3に実線で示す位
置に待機状態になっていて、この状態では挿入上プレー
ト32の先端は図1に示す位置Pの近傍にある。そして
挿入下プレート31をパトローネ1内に挿入した後に、
又は同時に、回動部材42をS方向に回動させると、挿
入上プレート32が図1に示すように挿入下プレート3
1に沿うように弾性的に接触しながらパトローネ1内に
入り込む。この結果、挿入下プレート31と挿入上プレ
ート32とを合わせたフィルム通路が形成されることに
なり、しかもこのフィルム通路は搬送路34に続いてス
プール4の近傍まで形成される。
【0028】この状態で写真フィルムFを搬送させる
と、写真フィルムFは挿入下プレート31と挿入上プレ
ート32との間を移動する。この間、フィルムFは挿入
上プレート32により挿入下プレート31に弾性的に押
圧されるので、写真フィルムFが撓んだり、折れ曲がっ
たりする事がない。そして、挿入下プレート31と挿入
上プレート32とで形成されるフィルム通路は、スリッ
ト13の近傍まで延長しているので、写真フィルムFの
後端はカール状に変形することもなくフィルム通路から
スリット13内に挿入され、係止孔16が爪14に確実
に係合する。
【0029】次に、回動部材42をR方向に回動させて
挿入上プレート32をパトローネ1内から退避させ、更
に挿入下プレート31をパトローネ1内から退避させ
る。挿入下プレート31の退避は、モータ35を回転し
続けることにより自動的に行われる。次いで、スプール
ドライバー44をモータ45により駆動してスプール4
を図1で時計回転方向に回転させ、写真フィルムFをス
プール4に層状に巻き取って収納を完了する。
【0030】このように、写真フィルムFの巻き込みを
行う際、挿入上プレート32の先端はスプール4等に一
切接触しないので、先端部の変形や破損がない。また、
挿入下プレート31と挿入上プレート32とで形成され
るフィルム搬送路はスプール近傍まで延長するので、写
真フィルムFのスプール4近傍までの搬送と爪14への
係止が確実になり、作業の信頼性が大幅に向上する。更
に、写真フィルムFを挿入下プレート31と挿入上プレ
ート32とで弾性的に挟むようにして搬送するので、写
真フィルムFのカールや折れ等の変形を矯正することが
でき、爪14への係止を確実に行うことができる。な
お、写真フィルムFをスプール4から外すには、写真フ
ィルムFをすべて引き出した状態で挿入上プレートと同
様な構造のリリースプレートを写真フィルムFの下面側
からパトローネ内のスプール4のスリット13の中まで
挿入する。それによって、爪14と係止孔16との係合
が解除される。その状態のままフィルムFをパトローネ
1外に向かって搬送するとフィルムFはスプール4と分
離される。
【0031】次に、図5(A)、(B)を参照して本発
明の第1実施例を説明する。図5(A)は挿入部材の形
状を示す説明図、図5(B)は写真フィルムのガイド動
作を示す説明図である。本実施例における硬質挿入部材
51は前記挿入下プレートに相当し、弾性挿入部材52
は前記挿入上プレートに相当する。硬質挿入部材51は
金属板或いは樹脂を用いて湾曲した板状に構成したもの
であり、回動部材53の矢印m、n方向への回動に対応
してパトローネ1内に挿入されたり、引き出されたりす
るようになっている。そして、硬質挿入部材51の先端
部の中央には、写真フィルムFの長手方向に延びるスリ
ット54が形成されている。
【0032】一方、弾性挿入部材52は金属又は樹脂製
のワイヤ(小径の丸棒)により構成され、r、s方向に
直線状に往復動するようになっている。したがって、s
方向に駆動した場合は、弾性挿入部材52はパトローネ
1のフィルム通路8からパトローネ1内をスプール4の
スリット13に向けて直線状に移動し、r方向に駆動し
た場合は直線状に抜き出されることになる。弾性挿入部
材52の挿入と抜き出しは、スリット54内を通過して
行われるようになっている。
【0033】写真フィルムFを巻き込む場合は、回動部
材53を矢印m方向に回動させ、硬質挿入部材51をフ
ィルム通路8からパトローネ1内に挿入し、先端部がス
リット13の近傍に臨む位置で停止する。次に、弾性挿
入部材52を矢印s方向に駆動し、図5(A)及び図5
(B)に示すように硬質挿入部材51の先端からやや手
前位置に位置決めする。この状態で搬送路34から写真
フィルムFを搬送させると、搬送路34の先端から硬質
挿入部材51上に乗り出すようになる。この時点では、
写真フィルムF自身がもとから有する雨どい状の幅方向
のカール(トイカール)が現れることがあるが、本実施
例によればこのようなカールの有無に関わりなく、確実
に巻き込みを行うことができる。
【0034】すなわち、写真フィルムFを図5(B)に
実線で示す状態から更に搬送させると、写真フィルムF
は硬質挿入部材51に沿ってパトローネ1内に挿入さ
れ、次いで硬質挿入部材51と弾性挿入部材52との重
ね合わせ部分に搬送される。ここで注目すべきは、硬質
挿入部材51が湾曲し弾性挿入部材52が直線状である
ため、重ね合わせ部分の頂部において弾性挿入部材52
がスリット54内に沈み込むことである。この結果、写
真フィルムFが頂部分にかかると、図5(A)の右方に
示すように写真フィルムFの中央部がスリット54に沿
って波型に湾曲し、カールが矯正されるようになる。し
かし、弾性挿入部材52の弾性を適度に設定しているの
で、写真フィルムFは緩く押さえ付けられ、極端な曲が
りが生じることはない。
【0035】写真フィルムFの搬送を続けると、写真フ
ィルムFは垂れ下がり等の変形をせずにほぼ板状になっ
てスリット13内に挿入され、係止孔16を爪14に係
合させる。この際、写真フィルムFの変形がないので、
スリット13内への挿入と爪14への係合を確実に行う
ことができる。写真フィルムFの係合を行った後、弾性
挿入部材52を矢印r方向に駆動してパトローネ1内か
ら抜き取り、硬質挿入部材51を矢印n方向に回動させ
てパトローネ1内から抜き取る。この後、スプール4を
反時計方向に回転させて写真フィルムFの巻き込みを行
う。
【0036】次に、図6を参照して第2実施例を説明す
る。なお、本実施例と前記第1実施例との相違点は、弾
性挿入部材の数を増したことにある。すなわち、硬質挿
入部材51の形状は前記第1実施例と同様であるが、3
本の弾性挿入部材52が設けられている。ここで硬質挿
入部材52と3本の弾性挿入部材52とをパトローネ1
内に挿入した状態を想定すると、中央の弾性挿入部材5
2は前記同様にスリット54内に嵌まり込むが、両側の
弾性挿入部材52は硬質挿入部材51の上側面に弾性的
に接触する。したがって、前記同様に写真フィルムFを
巻き込む場合は、図6の右方に示すように写真フィルム
Fの両側が硬質挿入部材51の上面に弾性的に押圧さ
れ、両側がほぼ平板状になる。
【0037】写真フィルムFの中央部は前記同様にスリ
ット54内に押圧されるので、スリット54に沿って緩
く変形することに変わりはない。しかし、写真フィルム
Fの両側が硬質挿入部材51に押圧されているために、
仮にトイカールがついていない、あるいは逆トイカール
(乳剤面側が外向きに凸のカール)状になっている写真
フィルムFが挿入されても、フィルム両端が図中点線の
直線で示した形状に持ち上がることなく、図5に示した
実施例と同等なフィルム断面形状を形成することがで
き、したがってスリット13内への挿入と、爪14への
係合を確実に行うことができる。
【0038】次に、図7及び図8を参照して第3実施例
を説明する。なお、本実施例と前記各実施例との相違点
は、前記挿入部材に変えてローラを用いたことにある。
すなわち、図7に示すようにフィルム通路8の近傍に、
写真フィルムFを下支えする2個のガイドローラ61を
設けるとともに、写真フィルムFを上側から押圧する1
個のガイドローラ62を設けた。ガイドローラ61、6
2は適切な搬送位置で固定してもよい。また、2個のガ
イドローラ61は写真フィルムFの巻き込みを行う際に
搬送位置まで上昇するように構成してもよく、また1個
のガイドローラ62は搬送位置まで降下するように構成
してもよい。
【0039】写真フィルムFの巻き込みを行う場合は、
搬送されてくる写真フィルムFをガイドするため、2個
のガイドローラ61を所定位置まで持ち上げ、1個のガ
イドローラ62を所定位置まで下げて、図8に示すよう
に写真フィルムFを挟持し、各ガイドローラ61、62
を矢印方向に回転駆動する。この結果、写真フィルムF
は図8に示すように中央部が撓んだ形状でフィルム通路
8からパトローネ1内に挿入される。本実施例において
も、写真フィルムFがカール状に変形することがなく、
前記各実施例と同様に爪14と係止孔16との係合を確
実に行うことができる。本実施例によれば、挿入部材が
不要であるから写真フィルムの損傷が無く、しかも装置
を簡略化することができる。
【0040】以上に本発明の実施例を説明したが、本発
明は前記に限定されるものではなく種々変形することが
できる。例えば、第1実施例に示した硬質挿入部材は、
棒状のものに代えてもよい。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明に係る写
真フィルムの巻込み装置は、写真フィルムを幅方向にわ
たって波形に変形させてパトローネ本体内に挿入し、パ
トローネ本体内に設けたスプールに係止させた後、スプ
ールを回転して写真フィルムを巻き取るものである。
たがって、写真フィルムは損傷することなく確実にスプ
ールに係合し、巻き取りを効率よく行うことができる。
そして、空のスプールを組み込んだパトローネを何等分
解せずに、写真フィルムをスプールに係止した上でパト
ローネ本体内に巻き込むことができるので、パトローネ
本体をすべて明室で組み立てることができ、暗室でのパ
トローネ本体の組み立てと比較して製造効率を向上さ
せ、しかも故障が発生しても写真フィルムを全く無駄に
せずに迅速に対処することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例である写真フィルムの巻込み動
作を示す説明図である。
【図2】巻込み装置の平面図である。
【図3】巻込み装置の側面図である。
【図4】パトローネの分解斜視図である。
【図5】(A)は本発明の第1実施例を示す挿入部材の
平面図及び断面図、(B)はパトローネ本体への挿入状
態を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施例を示す挿入部材の平面図で
ある。
【図7】本発明の第3実施例を示すガイドローラの斜視
図である。
【図8】写真フィルムの撓みを示す断面図である。
【符号の説明】
1 パトローネ 4 スプール 8 フィルム通路 13 スリット 16 係止孔 21 フィルム巻込み装置 22 台座 31 挿入下プレート 32 挿入上プレート 33 パスローラ 34 搬送路 51 硬質挿入部材 52 弾性挿入部材 54 スリット 61、62 ガイドローラ F 写真フィルム A セット部 B 巻込み部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢後 淳 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富士写真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭52−77723(JP,A) 特開 平4−256950(JP,A) 特開 平4−122925(JP,A) 特開 平4−124653(JP,A) 特開 平2−181141(JP,A) 特開 平2−248940(JP,A) 特開 平3−116136(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 写真フィルムの後端係止手段が設けられ
    たスプールを回転自在に収納するとともに内部を遮光状
    態に保つことが可能なパトローネ本体を位置決めするパ
    トローネ保持手段と、前記スプールを位置決めするスプ
    ール位置決め手段と、前記写真フィルムを幅方向にわた
    って波形に変形させる変形手段と、前記スプールに前記
    写真フィルムを搬送するフィルム搬送手段と、前記スプ
    ールを前記写真フィルムの巻き込み方向に回転させるス
    プール駆動手段とを備えたことを特徴とする写真フィル
    ム巻込み装置。
  2. 【請求項2】 前記変形手段が、前記写真フィルムの長
    手方向に延びるスリットを有する板状案内部材と、前記
    スリットに沿って延び一部がわずかに前記スリット内に
    侵入した棒状案内部材とからなり、前記棒状案内部材に
    より前記スリット内に前記写真フィルムを押圧して波形
    に変形させることを特徴とする請求項1に記載の写真フ
    ィルム巻込み装置。
  3. 【請求項3】 前記変形手段が、前記パトローネ本体に
    設けられたフィルム通路と前記写真フィルムを搬送する
    搬送路との間で前記写真フィルムの幅方向両端部を支持
    する一対のガイドローラと、前記一対のガイドローラの
    間において前記一対のガイドローラによる支持方向とは
    逆方向から前記写真フィルムの中央を支持し、前記一対
    のガイドローラとわずかに回転半径が重なる他のガイド
    ローラとからなり、前記一対のガイドローラにより両端
    部を支持した前記写真フィルムの中央を前記他のガイド
    ローラにより押圧して前記写真フィルムを波形に変形さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の写真フィルム巻
    込み装置。
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