JP3209973B2 - 建築壁構造及び建築壁構造の施工方法 - Google Patents

建築壁構造及び建築壁構造の施工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築壁構造及び建
築壁構造の施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら、例えば木造建築家屋の壁構造として、板材1と、こ
の板材1に連設される柱,間柱,梁,土台などの枠材2
と、この枠材2間に配設される発泡ウレタン樹脂などの
発泡材(断熱材3)とから成る建築壁構造5が提案され
ている(本実施例と同一構成部分には同一符号を付し
た。)。
【0003】この建築壁構造5は、図4に図示したよう
に板材1を枠材2の表側に釘打ちし、この枠材2間に前
記板材1との間に間隙Sを介して断熱材3を配設し、更
に、枠材2の裏側に裏板材7を釘打ちしてその施工が行
われている。この板材1と断熱材3との間の間隙Sは、
主に断熱効果を得る目的及び建築壁構造5内の通気を良
好にして湿気がこもるのを防止することなどを目的とし
たもので、極めて重要である。
【0004】しかしながら、従来において、枠材2間へ
の断熱材3の配設作業は、予め板状の断熱材3を枠材2
よりも若干大きめの寸法に切断し、この切断した断熱材
3を枠材2間に強く押し込む要領で作業を行っている
が、この枠材2間への断熱材3の配設作業は、断熱材3
を必要以上に押し込み過ぎたりすると、図5に図示した
ように断熱材3を上手に押し込まないと反って(変形し
て)板材1に当接してしまう場合があり、よって、熟練
者でないと枠材2間に断熱材3を良好に配設するのは極
めて困難で、しかも、断熱材3が板材1に当接したまま
放置すると、断熱効果が低下し、更に、板材1と断熱材
3との間の間隙Sの空気層の通気性が悪くなり湿気がこ
もり、そして、この断熱材3と板材1との当接部分Pか
ら結露が生じ易く、建築壁構造5の損傷を促進する原因
ともなる。
【0005】とは言うものの、慎重に枠材2間への断熱
材3の配設作業を行っていたのでは作業能率が極めて悪
くなる為、往々にして作業が煩雑になりがちであり、し
かも、断熱材3の配設作業が失敗する度に、その都度断
熱材3を壊して取り返えていたのではコスト高となる
為、そのまま放置されてしまうケースも多い。
【0006】本発明は、上述の問題点を解決し、たとえ
熟練者でなくても断熱材を板材に当接させることなく迅
速且つ正確に配設することができる画期的な建築壁構造
及び建築壁構造の施工方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】添付図面を参照して本発
明の要旨を説明する。
【0008】板材1と、この板材1に連設される枠材2
と、この枠材2間に配設される断熱材3とから成る建築
壁構造5であって、前記板材1と断熱材3との間に配設
される介在部材4を設け、この介在部材4は、中央部4
aの一端側に前記板材1に当接する当接部4bを備え且
つ他端側に前記断熱材3に当接する当接部4bを備え
断面視H字状の長尺体であり、この介在部材4によって
断熱材3が板材1に当接することを防止し、板材1と断
熱材3との間に所定の間隙による空気層を確保せしめる
断熱材当接防止構造として構成され、更に、介在部材4
の少なくとも一方の当接部4bには該在部材4を板材
1若しくは枠材2間に配設する断熱材3に付設し得る両
面テープ6が付設され、且つ、前記板材1と断熱材3と
の間隙による空気層が前記介在部材4によって遮断され
ないようにこの介在部材4には通気孔4a’が設けられ
ていることを特徴とする建築壁構造に係るものである。
【0009】また、建築壁構造5の板材1と、この板材
1に連設される枠材2間に配設する断熱材3との間に、
請求項1記載の介在部材4を配設し、枠材2間に前記板
材1との間に間隙を介して断熱材3を配設する際、この
介在部材4によって断熱材3が板材1に当接することを
防止し、板材1と断熱材3との間に所定の間隙による空
気層を確保することを特徴とする建築壁構造の施工方法
に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】好適と考える本発明の実施の形態
(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてそ
の作用効果を示して簡単に説明する。
【0011】本発明は、例えば従来通りに枠材2間へ断
熱材3を押し込む要領で配設すると、板材1と断熱材3
との間に設けた当接防止構造により断熱材3を押し込み
過ぎることが可及的に防止され、しかも、断熱材3が反
って(変形して)しまうのが阻止され、よって、断熱材
3が板材1に当接するのは可及的に防止されることにな
る。
【0012】従って、従来においては、熟練者でないと
良好に配設作業が行えない故に種々の問題が生じていた
が、本発明によればそれら問題点は確実に解消され、断
熱材3が板材1に当接することがないから、従来と異な
り板材1と断熱材3との間の間隙を極めて断熱効果に秀
れ且つ結露が生じにくい空間にすることができ、しか
も、この配設作業が、断熱材3の反りを気にせず強く押
し込むことができることになる為、作業能率が飛躍的に
向上し、且つ、煩雑な作業を防止して作業の質も飛躍的
に向上し得ることになる。
【0013】また、本発明は、断熱材当接防止構造とし
て、何ら特別な構造を必要とせず、単に板材1と断熱材
3との間に介在部材4を配設するだけの簡易構造である
から、断熱材3が板材1に当接するのを可及的に防止す
ることができ、しかも、より一層作業能率を向上でき、
そして更に、量産性に秀れ且つコスト面にも秀れること
になる。
【0014】また、本発明は、介在部材4は、その一端
側に設けた当接部4bで板材1に当接し、他端側に設け
た当接部4bで断熱材3に当接する構造の為、この介在
部材4が確実に所謂つっかえ棒のような役割を果たし、
断熱材3が板材1に当接してしまうのを可及的に防止
し、板材1と断熱材3との間に所定の間隙による空気層
が確保されることになる。
【0015】また、本発明は、介在部材4の少なくとも
一方の当接部4bに両面テープ6を付設したから、簡易
に且つ確実に介在部材4を板材1若しくは枠材2間に配
設する断熱材3に付設することができ、そして、例えば
作業現場にて枠材2間に断熱材3を配設する直前に板材
1若しくは断熱材3に介在部材4を付設するなど、板材
1若しくは断熱材3への介在部材4の付設が簡易に行え
る為、作業者は所望の実施スタイルを適宜選択でき、よ
って、より一層作業能率を向上し得ることになる。
【0016】また、本発明は、前記板材1と断熱材3と
の間隙による空気層が介在部材4によって遮断されない
ようにこの介在部材4に通気孔4aを設けたから、介在
部材4があっても板材1と断熱材3との間隙内の通気が
阻害されることなく良好な状態を維持することができる
ことになる。
【0017】また、請求項2記載の発明のように構成し
た場合には、従来から困難な作業とされてきた建築壁構
造5における枠材2間への断熱材3の配設作業が迅速且
つ良好に行えることになる為、作業能率が飛躍的に向上
し、且つ、煩雑な作業を防止して作業の質を向上し得る
ことになる。
【0018】
【実施例】図面は本発明の一実施例を図示したものであ
り、以下に説明する。
【0019】本実施例は、板材1と、この板材1に連設
される柱,間柱,梁,土台などの枠材2と、この枠材2
間に配設される発泡ウレタン樹脂などの発泡材(断熱材
3)とから成る建築壁構造5に、枠材2間に前記板材1
との間に間隙を介して断熱材3を配設する際、この断熱
材3が板材1に当接するのを防止する断熱材当接防止構
造を具備せしめている。
【0020】具体的には、前記板材1と断熱材3との間
に介在部材4を配設し、この介在部材4を、枠材2間に
前記板材1との間に間隙を介して断熱材3を配設する
際、断熱材3が板材1に当接するのを防止する前記断熱
材当接防止構造としている。
【0021】介在部材4は、図1に図示したように適宜
な合成樹脂製の部材を断面視H字状に形成したもので、
所定の長さに設定されている。尚、介在部材4は合成樹
脂製に限らず断熱材3の押し込み過ぎや変形を阻止し得
る強度を備えたものであれば良い。
【0022】また、介在部材4は、中央部4aの一端側
に前記板材1に当接する当接部4bを備え且つ他端側に
前記断熱材3に当接する当接部4bを備えており、この
中央部4aの高さは、この介在部材4を介して枠材2間
に断熱材3を配設した際、介在部材4によって断熱材3
が板材1に当接することを防止し、板材1と断熱材3と
の間に所定の間隙Sによる空気層を確保し得る高さに設
定されている。
【0023】また、介在部材4は、その中央部4aに複
数の貫通孔を介在部材4の長さ方向に並設されており、
この貫通孔は、板材1と断熱材3との間隙Sによる空気
層が介在部材4によって遮断するのを防止する請求項で
言う通気孔4a’である。
【0024】また、本実施例では、介在部材4の一方の
当接部4bに両面テープ6が付設され、この両面テープ
6により介在部材4は予め板材1に付設されている。
尚、介在部材4は断熱材3に付設するようにしても良
い。
【0025】以下、本実施例に係る介在部材4を使用し
て建築壁構造を施工した場合を説明する。
【0026】図2に図示したように予め裏面に一本の介
在部材4を貼着した板材1を枠材(柱)2の表側に釘打
ちし、続いて、この枠材2間に前記板材1との間に間隙
Sを介するようにして所定の寸法に切断された断熱材3
を押し込み配設し、続いて、枠材2の裏側に裏板材7を
釘打ちしてその施工が完了することになる(図3参
照)。尚、介在部材4は板材1と断熱材3との間に複数
本配設するようにしても良い。
【0027】本実施例は上述のように構成したから、板
材1と断熱材3との間に設けた当接防止構造により断熱
材3を押し込み過ぎることが可及的に防止され、しか
も、断熱材3が反って(変形して)しまうのが阻止さ
れ、よって、断熱材3が板材1に当接するのは可及的に
防止されることになる。
【0028】よって、本実施例によれば、従来において
は、熟練者でないと良好に配設作業が行えない故に種々
の問題が生じていたが、本実施例によればそれら問題点
は確実に解消され、断熱材3が板材1に当接することが
ないから、従来と異なり板材1と断熱材3との間の間隙
Sを極めて断熱効果に秀れ且つ結露が生じにくい空間に
することができ、しかも、この配設作業が、断熱材3が
反るのを気にせず強く押し込むことができることになる
為、作業能率が飛躍的に向上し、且つ、煩雑な作業を防
止して作業の質も飛躍的に向上し得ることになる。
【0029】また、本実施例は、断熱材当接防止構造と
して、何ら特別な構造を必要とせず、単に板材1と断熱
材3との間に介在部材4を配設するだけの簡易構造であ
るから、断熱材3が板材1に当接するのを可及的に防止
することができ、しかも、より一層作業能率を向上で
き、そして更に、量産性に秀れ且つコスト面にも秀れる
ことになる。
【0030】また、本実施例は、介在部材4は、その一
端側に設けた当接部4bで板材1に当接し、他端側に設
けた当接部4bで断熱材3に当接する構造の為、この介
在部材4が確実に所謂つっかえ棒のような役割を果た
し、断熱材3が板材1に当接してしまうのを可及的に防
止し、板材1と断熱材3との間に所定の間隙Sによる空
気層が確保されることになる。
【0031】また、本実施例は、介在部材4を予め板材
1に付設したから、単に板材1と枠材2との間に介在部
材4を何ら固定せずに配設した場合に比し、介在部材4
が擦れたり傾いたりせず常に最適な位置に配設されるこ
とになる為、枠材2間への断熱材3の配設が迅速且つ良
好に行え、よって、より一層作業能率を向上し得ること
になる。
【0032】また、本実施例は、介在部材4の少なくと
も一方(板材1に当接させる側)の当接部4bに両面テ
ープ6を付設したから、簡易に且つ確実に介在部材4を
固定することができ、そして、例えば作業現場にて枠材
2間に断熱材3を配設する直前に板材1に介在部材4を
付設するなど、板材1への介在部材4の付設が簡易に行
える為、作業者は所望の実施スタイルを適宜選択でき、
よって、より一層作業能率を向上し得ることになる。
【0033】また、本実施例は、前記板材1と断熱材3
との間隙による空気層が介在部材4によって遮断されな
いようにこの介在部材4に通気孔4aを設けたから、介
在部材4があっても板材1と断熱材3との間隙S内の通
気が阻害されることなく常に良好な状態を維持すること
ができることになる。
【0034】また、本実施例は、介在部材4として長尺
の介在部材4を採用したから、小さなものを多く配設せ
ずとも介在部材4を配設するだけで簡易に且つ迅速に断
熱材3を支持するだけの面積を備えた介在部材4が得ら
れることになる。
【0035】
【発明の効果】本発明は上述のように構成したから、従
来においては、熟練者でないと良好に配設作業が行えな
い故に種々の問題が生じていたが、本発明によればそれ
ら問題点は確実に解消され、断熱材が板材に当接するこ
とがないから、従来と異なり板材と断熱材との間の間隙
を極めて断熱効果に秀れ且つ結露が生じにくい空間にす
ることができ、しかも、この配設作業が、断熱材が反る
のを気にせず強く押し込むことができることになる為、
作業能率が飛躍的に向上し、且つ、煩雑な作業を防止し
て作業の質も飛躍的に向上し得ることになるなど従来に
ない画期的な建築壁構造となる。
【0036】また、本発明は、断熱材当接防止構造とし
て、何ら特別な構造を必要とせず、単に板材と断熱材と
の間に介在部材を配設するだけの簡易構造であるから、
断熱材が板材に当接するのを可及的に防止することがで
き、しかも、より一層作業能率を向上でき、そして更
に、量産性に秀れ且つコスト面にも秀れることになるな
ど従来にない画期的な建築壁構造となる。
【0037】また、本発明は、介在部材は、その一端側
に設けた当接部で板材に当接し、他端側に設けた当接部
で断熱材に当接する構造の為、この介在部材が確実に所
謂つっかえ棒のような役割を果たし、断熱材が板材に当
接してしまうのを可及的に防止し、板材と断熱材との間
に所定の間隙による空気層が確保されることになるなど
従来にない画期的な建築壁構造となる。
【0038】また、本発明は、介在部材の少なくとも一
方の当接部に両面テープを付設したから、簡易に且つ確
実に介在部材を板材若しくは枠材間に配設する断熱材に
付設することができ、そして、例えば作業現場にて枠材
間に断熱材を配設する直前に板材若しくは断熱材に介在
部材を付設するなど、板材若しくは断熱材への介在部材
の付設が簡易に行える為、作業者は所望の実施スタイル
を適宜選択でき、よって、より一層作業能率を向上し得
ることになるなど従来にない画期的な建築壁構造とな
る。
【0039】また、本発明は、前記板材と断熱材との間
隙による空気層が介在部材によって遮断されないように
この介在部材に通気孔を設けたから、介在部材があって
も板材と断熱材との間隙内の通気が阻害されることなく
良好な状態を維持することができることになるなど従来
にない画期的な建築壁構造となる。
【0040】また、請求項2記載の発明においては、従
来から困難な作業とされてきた建築壁構造における枠材
間への断熱材の配設作業が迅速且つ良好に行えることに
なる為、作業能率が飛躍的に向上し、且つ、煩雑な作業
を防止して作業の質を向上し得ることになるなど従来に
ない画期的な建築壁構造の施工方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る板材に介在部材を付設する状態
を説明する概略説明図である。
【図2】本実施例に係る建築壁構造の施工方法を説明す
る概略説明図である。
【図3】本実施例に係る建築壁構造の一部を示す斜視図
である。
【図4】従来から提案される建築壁構造の施工方法を説
明する概略説明図である。
【図5】従来から提案される建築壁構造を説明する平面
図である。
【符号の説明】
1 板材 2 枠材 3 断熱材 4 介在部材4a 中央部 4a' 通気孔 4b 当接部 5 建築壁構造 6 両面テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−153430(JP,A) 特開 昭62−129437(JP,A) 特開 昭56−41942(JP,A) 特開 昭58−164850(JP,A) 特開 平9−151568(JP,A) 特開 平3−187440(JP,A) 実開 昭57−204316(JP,U) 実開 昭63−174215(JP,U) 実開 昭51−13109(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 1/76 - 1/80 E04B 7/70

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板材と、この板材に連設される枠材と、
    この枠材間に配設される断熱材とから成る建築壁構造で
    あって、前記板材と断熱材との間に配設される介在部材
    を設け、この介在部材は、中央部の一端側に前記板材に
    当接する当接部を備え且つ他端側に前記断熱材に当接す
    る当接部を備えた断面視H字状の長尺体であり、この介
    在部材によって断熱材が板材に当接することを防止し、
    板材と断熱材との間に所定の間隙による空気層を確保せ
    しめる断熱材当接防止構造として構成され、更に、介在
    部材の少なくとも一方の当接部には該在部材を板材若
    しくは枠材間に配設する断熱材に付設し得る両面テープ
    が付設され、且つ、前記板材と断熱材との間隙による空
    気層が前記介在部材によって遮断されないようにこの介
    在部材には通気孔が設けられていることを特徴とする建
    築壁構造。
  2. 【請求項2】 建築壁構造の板材と、この板材に連設さ
    れる枠材間に配設する断熱材との間に、請求項1記載の
    介在部材を配設し、枠材間に前記板材との間に間隙を介
    して断熱材を配設する際、この介在部材によって断熱材
    が板材に当接することを防止し、板材と断熱材との間に
    所定の間隙による空気層を確保することを特徴とする建
    築壁構造の施工方法。
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