JP3209850B2 - 方向性電磁鋼板の絶縁被覆剤、絶縁被膜形成方法及び方向性電磁鋼板 - Google Patents
方向性電磁鋼板の絶縁被覆剤、絶縁被膜形成方法及び方向性電磁鋼板Info
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Description
覆剤、絶縁被膜の形成方法及び方向性電磁鋼板に関す
る。
ス等の鉄芯材料として使用されるもので、磁気特性が優
れていることが望まれる。特に省エネルギー化や騒音問
題が顕在化しつつある現代社会において、それは強く要
望されている。一般に方向性電磁鋼板は、Siを例えば
2%〜4%含有する珪素鋼スラブを熱間圧延し、焼鈍し
た後1回、或いは中間焼鈍を挟む2回以上の冷延をして
最終板厚とし、ついで脱炭焼鈍をし、鋼板表面にSiO
2 主体の酸化膜部分を形成後、MgOを主成分とする焼
鈍分離剤を塗布し、仕上げ焼鈍を施して、圧延面に(1
10)面、圧延方向に〔001〕磁区を持ったゴス組織
と称される二次再結晶粒を発達させ、表面に絶縁被膜を
形成させて製品となる。
離剤と鋼板表面のSiO2 を含む酸化膜との反応により
形成されるフォルステライト質主体のグラス被膜と、さ
らにその上に張力付与型の絶縁被膜が施されているもの
が多い。またこのグラス被膜を除去して、鏡面仕上げを
施す電解処理等の方法を種々検討し、その上に張力付与
型の絶縁被膜を形成させることにより、磁気特性の向上
を図る技術も研究されている。これらの絶縁被膜が張力
付与型と称される理由は、酸化物と鋼板との熱膨張差を
主に利用して鋼板に張力を与えることができるからであ
る。張力を付与することにより、鉄損や磁歪を低減する
ことができることは、例えば特公昭31−8242号公
報で開示されている。
は、被膜張力、絶縁性、耐食性等の問題から、コロイド
状シリカ−燐酸塩−クロム酸塩系の絶縁被覆剤が主とし
て使用されている。具体的には、特公昭53−2837
5号公報記載の方法で、コロイド状シリカを主成分と
し、燐酸アルミニウムと無水クロム酸及びクロム酸塩の
うちの1種または2種以上をバインダーとしたコーティ
ング液を塗布焼き付けることによって形成した絶縁被膜
が、方向性電磁鋼板の鉄損及び磁歪特性の改善に大きな
効果を持つことが開示されている。
開昭59−104431号公報では、燐酸塩コーティン
グを焼き付ける工程で、炉内に外部から持ち込まれる酸
素の悪影響に関する研究を行い、鋼板表面が変質したり
良質の絶縁被膜の形成が困難となり易い課題を克服する
ために、中性雰囲気での焼鈍の必要性や、弱還元性の雰
囲気での焼鈍の必要性に関する技術が開示されている。
また特開平3−130376号公報では、0.1〜0.
5μmの薄いゲル薄膜とさらにこの薄膜上に絶縁被膜を
形成させて、ガラス化したゲル薄膜をバインダーとした
2重層構造の被膜を形成する技術が開示されている。
法として、特開昭61−201732号公報、特公平4
−61482号公報、特開平3−294469号公報等
には、CVD、イオンプレーティング、低圧プラズマ溶
射等による被膜形成方法が開示されている。上述の開示
例を始めとして、絶縁被覆剤の成分や被膜の安定な形成
方法に関する多くの研究がこれまで行われてきている。
また絶縁被膜による低鉄損化だけでなく、レーザー光束
照射により鋼板表面の磁区制御技術が特公昭57−53
419号公報で開示され、より低鉄損化が検討されてい
る。
かかわらず、低鉄損化を始めとする磁気特性に対するよ
り一層の特性要求は依然として強い。本発明の解決しよ
うとする課題は、レーザー光照射技術等を使わず、かつ
2重層構造を作るような複雑な工程を必要としない張力
付与型の絶縁被膜技術により、一層の低鉄損化を達成す
ることであり、このための方向性電磁鋼板用の新しい被
覆剤の提供、及びその形成方法、さらにはその絶縁被膜
を有した方向性電磁鋼板を提供することである。
背景の中で、本発明者らは燐酸塩を主成分としない新し
い絶縁被膜を鋭意研究した結果、本発明を完成させるに
至った。以下に要点を記載する。 (1)コロイド状アルミナ、微粒子アルミナ、及びアル
ミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩及び酢酸
塩より1種、または2種以上を酸化物Al2 O3 換算で
100重量部に対して、ほう酸及びほう酸塩より1種ま
たは2種以上を酸化物B2 O3 換算で20〜80重量部
からなり、これらの主成分に対して添加物として、クロ
ム酸、重クロム酸、及びクロム酸塩より1種または2種
以上を酸化物CrO3 換算で0.1〜20重量部、及び
/或いはコロイド状シリカ、及び微粒子シリカより1種
または2種以上を酸化物SiO2 換算で1.0〜10重
量部、但し両添加物を併用する場合は1.0〜20重量
部、を含有することを特徴とする方向性電磁鋼板の絶縁
被覆剤。
ナ、及びアルミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩、硝
酸塩及び酢酸塩より1種、または2種以上を酸化物Al
2 O3 換算で100重量部に対して、ほう酸及びほう酸
塩より1種または2種以上を酸化物B2 O3 換算で20
〜80重量部からなり、これらの主成分に対して添加物
として、クロム酸、重クロム酸、及びクロム酸塩より1
種または2種以上を酸化物CrO3 換算で0.1〜20
重量部、及び/或いはコロイド状シリカ、及び微粒子シ
リカより1種または2種以上を酸化物SiO2 換算で
1.0〜10重量部、但し両添加物を併用する場合は
1.0〜20重量部、を含有し、さらなる添加物とし
て、Fe,Ni,Co,Ti,Zr,Mnの金属塩を
3.0〜15重量部含有することを特徴とする方向性電
磁鋼板の絶縁被覆剤。
方向性電磁鋼板の表面に塗布して、600℃〜1100
℃の温度範囲で30秒以上の時間焼き付けることを特徴
とする方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。 (4)(1)或いは(2)記載の被覆剤を塗布した電磁
鋼板で、Al,Bを含む化合物を主成分とし、Cr或い
はSiの1種或いは2種をさらに含む化合物からなる絶
縁被膜を表面に有することを特徴とする方向性電磁鋼
板。
に被膜を形成させた場合、下地の鋼板との大きな熱膨張
差を有する絶縁被膜として、本発明者らは低熱膨張係数
を有し、かつ反応性の高い結晶系を鋭意検討し、Al2
O3 −B2 O3 系の酸化物に注目した。反応性の高い系
を検討したのは、実用的な方向性電磁鋼板の絶縁被膜の
形成工程を考えた場合、通板しながらの塗布焼き付けが
効率的であり、その場合には急速加熱条件になり易いか
らである。本発明者らはAl2 O3 −B2 O3 系は加熱
により容易に反応して融体化し、比較的均一に鋼板表面
に塗布されることを見いだした。
O 33 及びAl4 B2 O9 の結晶相が存在することが知ら
れている。実際に鋼板上に塗布して焼き付けてみると、
必ずしも両相で同定できるものが被膜として形成される
わけではなく、ガラス状の部分が多かったり、また結晶
質相の構造が、上述の両相の中間的な構造となる場合が
あり、それに応じて被膜張力や磁気特性が異なることが
分かった。これらの結果はまた、絶縁被膜が非平衡な状
態で鋼板上に形成されていることを示し、密着性の良い
被膜を形成させ、かつ十分な張力を鋼板に付与させるた
めには、この被覆剤の反応過程を十分に調べ、非平衡と
はいえ最適な条件を見いださなければならないとも言え
る。
ることは重要ではあるが非常に困難な道であり、本発明
者らは、あまり焼き付け時の雰囲気等の影響も受けにく
く、焼き付け温度と時間を制約すれば、およそ良好な被
膜を形成させることができるような被覆剤成分を同時に
検討した。特に優れた添加物を見いだすことを検討した
が、その結果、本発明の絶縁被覆剤とそれを有した電磁
鋼板の発明に至ったわけである。
ほう酸系を主体として、さらに添加物を種々検討し、鋼
板上で形成した絶縁被膜が結晶質を多く含むような成分
範囲を規定した。本発明においては必ずしも結晶質相の
同定は十分ではなく、結果として高い張力を与えるもの
として、ガラス質よりも結晶質が多い方が鋼板へ与える
張力が大きくなることを見いだしたのである。
ロイド状アルミナ、微結晶アルミナ、及びアルミニウム
化合物の1種或いは2種以上を用いて、酸化物Al2 O
3 換算で100重量部とした場合に、ほう酸、或いはほ
う酸塩の1種或いは2種以上を酸化物B2 O3 換算で2
0〜80重量部含有することを見いだした。ここで微粒
子アルミナのサイズは50μm以下と小さい方が好まし
いが、特に制限する必要はない。またアルミニウム化合
物としては、酸化物、水酸化物以外にも、硫酸塩、硝酸
塩、酢酸塩等の形でもよい。
O3 換算で20重量部以下では、被膜中に結晶質を形成
させることはできるが十分な密着性が得られず、また8
0重量部より多いと十分な結晶質相の生成が得られず、
べたつきのない良質な被膜を形成させることができな
い。またより好ましい組成領域は酸化物B2 O3 換算で
40〜70重量部である。ここでほう酸の形態として
は、オルトほう酸、メタほう酸、四ほう酸のいずれを用
いても良いが、ほう酸塩の形態としては、ほう酸カリウ
ムに代表されるアルカリ土類、及びアルカリ金属の塩で
あることが望ましい。
シリカ微粒子を含んだ被覆剤の場合に、より自由度の大
きな焼き付け条件で、密着性が良好な絶縁被膜を形成さ
せ、かつ低鉄損な方向性電磁鋼板が提供できることを見
いだした。この被覆剤におけるクロム化合物は酸化物C
rO3 換算で0.1〜20重量部、そしてコロイド状シ
リカ、或いは微粒子シリカの1種または2種以上より酸
化物SiO2 換算で1〜10重量部の場合に効果があ
る。それぞれ酸化物換算で20重量部、或いは10重量
部より多くなると、被膜は形成されるがガラス成分の多
い絶縁被膜となり、本発明で記述するところの大きな被
膜張力を発揮させることができなくなる。またそれぞれ
の下限値より少ない添加量では、その効果が現れない。
さらに、クロム酸化合物とコロイド状シリカ、微粒子シ
リカは同時に添加することも可能であるが、その場合
は、良好な密着性被膜を得るために、合計で20重量部
よりも多くならないことが必要である。
形態であるが、クロム化合物については、クロム酸、ク
ロム酸塩さらに重クロム酸塩のいかなる形でも良い。ク
ロム酸塩を用いた場合には、アルカリ金属塩、マグネシ
ウム金属塩等がその代表例である。微粒子シリカについ
ては、被覆剤においては、一般にサブミクロンサイズの
微粒子からなるコロイド状シリカ、さらにはより大きな
ミクロンサイズの微粒子シリカのいずれでも良い。微粒
子サイズの大きなものを含有させるときは、その含有量
を多くすると十分な密着性が得られなくなる傾向にある
が、本発明において、そのサイズを制約する必要は特に
ない。
れたフォルステライト質被膜(グラス被膜)を有する方
向性電磁鋼板上へ塗布、焼き付けた場合に効果的である
ばかりでなく、フォルステライト質酸化物が形成されな
い条件、或いはそれを除去するための条件で製造された
鏡面化処理を施した電磁鋼板に対しても、非常に良好な
密着性を有することを確認した。
活性なアルミナ粉末等を塗布して、フォルステライト質
等の酸化被膜を生成させない条件で仕上げ焼鈍を行って
製造したグラスレス方向性電磁鋼板、及びグラス被膜を
有する電磁鋼板に対する平坦化処理として、電解研磨、
化学研磨、さらには電解処理等を施して鏡面化した電磁
鋼板に対しても、従来の絶縁被膜よりも一層の低鉄損化
を実現させることが可能である。
分となっていることに起因していると考えているが、種
々の酸化物や金属との密着性が非常に優れている。同時
に、被膜形成時には結晶質成分が含まれるため、あらゆ
る場合に、鋼板に大きな張力を付与することができる。
例えば、従来技術で説明したが、最近はCVD、イオン
プレーティング、プラズマ溶射等の気相法により絶縁被
膜を形成する技術が開示されているが、これらの技術に
より製造した電磁鋼板に対するさらなる絶縁被膜として
使うことが可能である。
加物として、被覆剤にFe,Co,Ni,Ti,Zr,
Mnの金属塩を3〜15重量部の範囲で含有させると、
より密着性の向上と反応性促進の点において優れた効果
を発揮する。金属塩の形は硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩等の
いずれの形でも良く、またその金属元素の種類も、1
価、2価或いは3価金属元素であれば、いずれでも効果
は認められる。例えば、Na,Li,K,Ca,Sr,
Ba,La,Mg等の金属塩も使用することができる。
また、レーザー処理した電磁鋼板や無方向性電磁鋼板に
も、さらなる絶縁被覆剤として適用することは可能であ
る。
性電磁鋼板の製造工程について説明する。既に述べたよ
うに、製造工程に関する自由度を高めるアプローチで本
絶縁被膜は発明されているので、ここで述べる製造工
程、或いは製造条件に必ずしも縛られる必要性はない。
本絶縁被膜を形成させるために電磁鋼板へ塗布する被覆
剤であるが、コロイド状アルミナ、微粒子アルミナ、及
びアルミニウム化合物、さらにほう酸、ほう酸塩、そし
てクロム酸、クロム酸塩、重クロム酸塩、コロイド状シ
リカ、微粒子シリカ等を所望の量用意し、それぞれ水溶
液に溶解させる。各々の出発原料の形態は必ずしも制約
されるものではないが、一様な絶縁被膜を得るために
は、溶液、或いは微粒子からなる原料を利用した方が好
ましい。また溶解時に沈澱等が生じる場合には、必要に
応じて温度を上げて溶解すれば良い。
ーティング法、スプレー法等の従来既知の方法を採用す
れば良く、特に制限はない。その後の絶縁被膜を形成さ
せるためには、塗布液を乾燥させ、そして焼き付けなけ
ればならないが、製造コストを考慮すると、連続的な通
板ラインを用いてそれらの工程を実施することが望まし
い。処理温度条件であるが、水分の乾燥は100℃〜4
00℃程度で行えば良い。そして引き続き焼き付けとな
るが、その温度範囲は600℃以上である必要がある。
これより低温であると、十分な反応が進行せず、密着性
の良い被膜が形成されない。また1100℃以上である
と、被膜表面に割れが発生し良好な被膜を得ることがで
きない。より短時間で良好な被膜を得るためには、70
0℃〜1000℃の温度範囲がより好ましい。
た場合は特に、乾燥工程と焼き付け工程を明確に区別す
ることが難しいが、焼き付けのために上記の温度範囲に
存在する時間として、本発明の絶縁被膜を得るためには
30秒以上が必要である。また現実の工程を考えた場
合、その処理時間は30秒〜30分程度が適当である。
を維持して優れた低鉄損特性を実現するためには、最終
的な電磁鋼板の占積率を考慮しながら決められるべきで
ある。この厚みは、電磁鋼板への塗布量制御や通板速度
で制御することができるが、従来より知られた制御法で
十分である。本発明の絶縁被膜は、その対象とする電磁
鋼板の種類に応じて、0.1〜5μmの厚みまでとるこ
とが可能である。0.1μmより薄いと必要な絶縁性が
得られず、一方、5μmより厚いと占積率が低下するの
で好ましくない。さらにフォルステライト質が既に下地
被膜として形成されている場合には、0.5〜3μmの
本発明の絶縁被膜が好ましく、鏡面化処理を施された鋼
板の場合には、板厚にも依存するが、0.5〜5μmの
本発明の絶縁被膜が好ましい。さらに、既に気相法等に
より張力付与型の絶縁被膜が形成されている電磁鋼板に
は、0.1〜2μmの本発明の絶縁被膜が好ましい。
表面に有する、厚さ0.23mmの方向性電磁鋼板の相隣
接する位置から、60mm×300mmの試験片を10枚切
断した。これらに表1に示す10種類の被覆剤をロール
コーティング法により塗布して、300℃で5分乾燥
後、900℃で窒素雰囲気中、5分間で焼き付けた。A
l成分としては、固形分10%のコロイド状アルミナ水
和物を用い、B成分としては3%メタほう酸、Cr成分
としては酸化クロム、そしてSi成分としては20%コ
ロイド状シリカを用いた。また金属塩としては硝酸マン
ガンを用いた。形成後の絶縁被膜の構成成分について
は、20%水酸化ナトリウム水溶液を用いて絶縁被膜を
鋼板から溶解後、元素分析を行って、目的とする被膜が
形成されていることを確認した。比較例として、従来の
燐酸塩系の被覆剤を挙げる。
磁鋼板の密着性と表面性状に関する結果、及び被膜張力
と鉄損値に代表される磁気特性を示す。密着力は、20
mmφのロール棒を用いての剥離の状態から判断し、50
%以上剥離した場合は×、20%〜50%の剥離状態の
場合に△、そして剥離量が20%以下の場合を○として
評価した。被膜性状は表面性状から目視にて判断した。
被膜張力の測定は、片面の絶縁被膜を80℃の20%水
酸化ナトリウム水溶液中で溶解後、その電磁鋼板の曲が
り量から算出した。また磁気特性として、飽和磁束密度
と鉄損の測定を実施した。試料No.1と10は本発明の
範囲外である。
もさらに低鉄損特性を実現した方向性電磁鋼板が提供さ
れる。またその絶縁被膜を有する方向性電磁鋼板は、新
たにレーザー照射等の磁区制御技術を用いなくても、優
れた低鉄損な磁気特性を有することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 コロイド状アルミナ、微粒子アルミナ、
及びアルミニウムの酸化物、水酸化物、硫酸塩、硝酸塩
及び酢酸塩より1種、または2種以上を酸化物Al2 O
3 換算で100重量部に対して、ほう酸及びほう酸塩よ
り1種または2種以上を酸化物B2 O3 換算で20〜8
0重量部からなり、これらの主成分に対して添加物とし
て、クロム酸、重クロム酸、及びクロム酸塩より1種ま
たは2種以上を酸化物CrO3 換算で0.1〜20重量
部、及び/或いはコロイド状シリカ、及び微粒子シリカ
より1種または2種以上を酸化物SiO2 換算で1.0
〜10重量部、但し両添加物を併用する場合は1.0〜
20重量部、を含有することを特徴とする方向性電磁鋼
板の絶縁被覆剤。 - 【請求項2】 添加物としてさらに、Fe,Ni,C
o,Ti,Zr,Mnの金属塩を3.0〜15重量部含
有することを特徴とする請求項1記載の方向性電磁鋼板
の絶縁被覆剤。 - 【請求項3】 請求項1或いは2記載の被覆剤を方向性
電磁鋼板の表面に塗布して、600℃〜1100℃の温
度範囲で30秒以上の時間焼き付けることを特徴とする
方向性電磁鋼板の絶縁被膜形成方法。 - 【請求項4】 請求項1或いは2記載の被覆剤を塗布し
た電磁鋼板で、Al,Bを含む化合物を主成分とし、C
r或いはSiの1種或いは2種をさらに含む化合物から
なる絶縁被膜を表面に有することを特徴とする方向性電
磁鋼板。
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