JP3209740B2 - 骨形成因子 - Google Patents

骨形成因子

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Description

【発明の詳細な説明】 本願出願は、1988年10月11日に出願された特許出願番
号第256,034号の一部継続出願である。
発明の背景 本発明は、新規骨形成因子製剤、それらの単離法およ
び(骨欠損の修復のための)用途に関する。本発明に従
って分離した製剤は、その適用部位において骨の形成を
促進あるいは刺激する能力を示す。骨は、その広汎な基
質構造から導かれる独特の力学的特性を持った極めて特
殊な結合組織である。タンパク質、コラーゲンからなる
繊維束の網状組織が、骨の伸張・抵抗作用を与えると考
えられる。さらに、プロテオグリカン、非コラーゲン性
タンパク、脂質、および主として結晶性の乏しいハイド
ロキシアパタイトからなる無機質相に結合した酸性タン
パク質等の他の物質が、骨の広汎な基質構造内に沈着し
ている。骨組織は、哺乳類の生涯を通じて、改作と呼ば
れる工程により絶えず再生されている。この生理作用が
若い組織の特性を維持する働きをしていると考えられ
る。
骨の形成と再生の過程は特殊な細胞によって行なわれ
る。形態形成に関する骨形成および骨の成長は、おそら
く「骨芽細胞」(骨形成細胞)によって行なわれる。骨
の改作は、「破骨細胞」と呼ばれる骨吸収細胞と骨形成
の骨芽細胞との間の相互作用によって生じる。従って骨
格は機械的機能を備えた建築的構造であるだけではな
く、成長、造型、改作および修復の能力を持つ生きた組
織でもある。これらの過程は特殊な生細胞によって実施
されるので、化学的(薬学的/ホルモン性)、物理的お
よび物理化学的変化は骨組織の質、量および形態に影響
を及ぼしうる。
様々な病理学的障害ならびに物理的荷重(たとえば、
骨折)は、通常の身体環境時よりもかなり高い割合での
骨組織の活発な形成を必要とする。従って、たとえば移
植によって適用され、あらかじめ定められた身体部位の
骨の形成を誘導するところの生理的に許容されうる物質
(ホルモン/薬剤/成長因子)を同定することは価値が
ある。かような物質は、骨形成細胞の沈着が許容される
基質構造を提供するか、あるいは骨形成細胞を刺激する
か、あるいは骨形成細胞の適当な先祖の分化を誘導しう
るものである。
タンパク質様およびプロスタグランジン様の骨芽細胞
成長刺激物質の存在はこれまでに検討されているので、
次の文献を参照されたい:L.G.Raisz,et al.,The New En
gland Journal of Medicine,第309巻、第1号、第29〜3
5頁(1983)、およびL.G.Raisz,et al.,The New Englan
d Journal of Medicine,第309巻、第2号、第83〜89頁
(1983)。
同一個体あるいは適合性個体からの骨移植は移植部位
に新たな健全骨の形成を導くという観察から、骨が、局
所的骨形成を促進する活性タンパク質を含有していると
いう仮説に至った。ユリスト(Urist)らは、脱塩した
骨粉末の解離処理によって骨基質結合非コラーゲン性タ
ンパク質を単離することができ、またこの非コラーゲン
性タンパク質混合物は、ユリスト(たとえば、Science,
第150巻、第893頁(1965))が骨形態形成活性と称した
局所的骨誘導能力を有する証拠を開示した。
様々な骨形成、軟骨誘導、および骨誘導タンパク製剤
が当該先行技術において記述されている。ユリストら
は、骨誘導特性を有する各種部分画分タンパク質製剤に
ついて記している。これら製剤は、脱塩した骨粉末を異
なる解離処理を用いて非コラーゲン性タンパク質混合物
を抽出し、該抽出物は各種タンパク分別工程において分
別される。当該製剤のいくつかは、それらの生理学的活
性を測定する種々の分析法、ならびに種々の標準タンパ
ク質分析法を用いて同定されるタンパク成分によって特
徴づけられた。
ユリストらは、脱塩したウサギ骨基質からの骨形態形
成タンパク質(BMP)の単離を開示した(Proceedings o
f The Society for Experimental Biology and Medicin
e,162,第48〜53頁(1979))。この参考文献は、還元S
DSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)分析
に基づき、BMPが94,000ダルトン(94K)から14,000ダル
トン(14K)未満の範囲の分子量を持つ多数の主要タン
パク成分を含まれることを開示している。
ユリストらは、脱塩ウサギ骨基質から得た別のBMP製
剤を開示した(Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA、第76巻、第
4号、第1828〜1823頁(1979年4月))。これら製剤を
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけることによ
り、それぞれの主要成分の見かけの分子量が94K、68K、
43K、21Kおよび14.3Kである5つのタンパク画分を同定
した。5つのタンパク製剤全部をα−メチルマンノシド
によってゲルカラムから溶出した。5製剤のうち4つ、
すなわち68Kから14.3Kの主要成分分子量範囲のものをエ
チレングリコールで溶出し、2製剤、すなわち21Kと14.
3Kの主要成分分子量のものをリン酸カルシウムによって
沈澱させた。3群の溶出物すべてが同様のBMP活性を持
つことが認められた。この参考文献は、3番目の群(21
Kおよび14.3Kタンパク質主要成分を特徴とする製剤)に
おけるBMP活性が、糖タンパク質によって行なわれる低
分子量疎水性分子の解離によるものであろうことを示唆
している。同文献は、BMPが単一の糖タンパク分子であ
ること、生物学的活性がタンパク凝集作用によるもので
あること、あるいはBMP活性は全く骨糖タンパク質に関
連していないこと等の代替的可能性も示唆している(第
1831頁)。
ユリストの米国特許第4,294,753号は、BMPの分子量が
約20Kから63Kの間の範囲であろうことを開示した(第4
段、第45〜61行目)。該特許公報は、ウサギの象牙質基
質タンパク質混合物から単離したBMP製剤の主要成分分
子量が約23Kであろうことを開示した。骨肉腫細胞から
得られるタンパク画分は63Kの分子量を持つので、無基
質の63Kタンパク質はBMPの前駆物質であろう。
ハナムラ(Hanamura)とユリストらは、骨形態形成活
性を有する骨肉腫生成物質を、それぞれの主要成分分子
量が16K、12.5Kおよび7Kである3つの主要画分に精製す
ることを開示した(Clin.Ortho.and Rel.Res.,第153
号、第232〜240頁:1980年11〜12月)。22Kタンパク質を
含むより高分子量の主要成分を特徴とする画分は、初期
精製段階において認められた;当該試料から精製された
活性画分は22Kタンパク質を含まなかった。これらの結
果より、12.5Kおよび16Kのタンパク質を仮にBMPと同定
した。
コノバー(Conover)とユリストらは、脱塩したウサ
ギ象牙質からのBMP画分の単離を開示している(The Che
mistry and Biology of Mineralized Connective Tissu
es,Elsevier North Holland,Inc.,アーサー・ベイス(A
rthur Veis)編、第597〜606頁(1981))。30K、23K、
18K、15Kおよび12Kの平均分子量を持つタンパク質を含
有する試料を同定した。23Kタンパク質が活性BMP画分で
あろうとされたが、該活性画分は30Kおよび23K画分から
分離することのできない18K、15Kあるいは12Kタンパク
質であるとされている。
ファーレイ(Farley)らは、83Kの見かけ分子量を持
つ脱塩ヒト骨基質からの骨格成長因子の精製を開示して
いる(Biochemistry,第21巻、第14号、第3502〜3507頁
(1982))。該開示文献は、骨形態形成タンパク質が23
Kの分子量を持つと記述している、ユリスト、コノバー
らによる1981年の文献(Trans.Annu.Meet.−Orth−op.R
es.Soc.,6,136(1981))を参照している。
ユリストらは、ウシ骨基質から抽出し、イオン交換お
よびゲルクロマトグラフィーによって分別した低分子量
の骨形態形成タンパク画分を開示している(Clin.Orth
o.and Rel.Rel.,第162号,第219〜232頁)。該参考文献
は、ウシBMPが、23K、18Kおよび12Kの主要成分分子量に
対応する、12Kから30Kの範囲の分子量を持つ成分から構
成されているであろうことを開示している。該文献は、
18K成分が活性画分中に恒常的に存在するので、活性タ
ンパク質であるとしている。
ユリストらは、脱塩したヒト骨基質から抽出したヒト
骨形態形成タンパク質(hBMP)を、分子量18Kのタンパ
ク質と同定している(Proc.Soc.Exp.Biol.and Med.,17
3,第194〜199頁(1983))。該18Kタンパク質は、高hB
MP活性を有するクロマトグラフ画分中に不変的に存在す
ること、および該活性を持たない画分中には一般的に存
在しないという結果から、推定的hBMPとして同定され
た。脱塩した骨から単離される34K、24Kおよび14Kタン
パク質成分は、骨形成を誘導しないことが認められた。
セイエディン(Seyedin)らの米国特許第4,434,094号
および第4,627,982号は、ユリストの米国特許第4,294,7
53号における研究に言及し、ユリストの特許ではBMPが
充分に特性づけられていないと述べている。セイエディ
ンの特許は、骨形成因子を部分精製するための工程を記
述し、該因子は30Kまたはそれ以下の分子量を持つと記
している。
ユリストらは再び、脱塩した骨基質から精製したBMP
を分子量18Kのタンパク質と同定している(Science,22
0,第680〜686頁(1983))。様々な量の14K、24Kおよび
34Kタンパク質が18Kタンパク質と共に単離されたが、該
文献は前記最後の3つのタンパク質画分が各々BMP活性
を喪失することなく除去できることを開示している。該
文献は、18K画分がBMP活性の原因であると述べ、34K、2
4Kおよび14Kタンパク質は個々には不活性であるが、18K
タンパク質を伴ったより大きなBMP複合体のサブユニッ
トであると示唆している。
ユリストらは、ウシBMPが18.5Kダルトンの見かけ分子
量を持つことを確認している(Proc.Nat'l.Acad.Sci.US
A,81,371〜375(1984))。該文献はさらに、17.5Kおよ
び17Kの見かけ分子量を持つその他の骨由来タンパク
質、34K、24Kおよび22Kのより高い分子量を持つタンパ
ク質、ならびに14Kというより低分子量のタンパク質を
開示している。該文献は連続するアミノ末端を持った1
7.5Kタンパク質のN末端配列を示した。
ユリストの欧州特許願第212,474号は、少なくとも17.
5K BMP分子の骨誘導性および免疫反応性領域の活性部分
を含む、約4Kから7Kの間の分子量を有するペプチド断片
を開示している。
ウォン(Wang)らの、1986年7月1日付け出願の米国
特許出願第880,776号に基づく優先権主張によるPCT出願
第WO88/00205号は、多くのクロマトグラフィーおよび透
析工程を含む操作によって脱塩骨粉末から単離されるウ
シ骨誘導性因子を開示している。このようにして単離さ
れた骨誘導性因子は、非還元SDS−PAGE分析法によって
測定され、約28,000〜30,000ダルトンの分子量を持つ1
またはそれ以上のタンパク質を含むことが判明した。活
性タンパク質の還元SDS−PAGE分析法で、18,000ダルト
ンと20,000ダルトンそれぞれの分子量を持つタンパク質
の移動度を示す2つの主要な帯が生じた。ウォンらは、
BMPが骨形態形成タンパク質である、BMP−1、BMP−2
およびBMP−3と称される3つのウシタンパク質を開示
し、それらのタンパク質に関するペプチド配列を示して
いる。ウォンらはまた、BMP−1、BMP−2クラスI、BM
P−2クラスIIおよびBMP−3と称される4つのヒトタン
パク質のヌクレオチド配列ならびに該ヌクレオチド配列
から予測されるアミノ酸配列を開示している。
ウォズネイ(Wozney)らは、新たに骨形成を誘導する
能力を持つウシ骨抽出物中に存在する3つのポリペプチ
ドに対応する、3つのヒト相補DNAクローン(BMP−1、
BMP−2AおよびBMP−3と称される)のヌクレオチド配列
ならびに該ヌクレオチド配列から予測されるアミノ酸配
列を記述している(Science,242,第1528〜1533頁(198
8))。組換えヒトBNP−1、BMP−2AおよびBMP−3タン
パク質は、生体内で独立して軟骨形成を誘導することが
できると述べられた。第4の相補DNAクローン(BMP−2B
と称される)のヌクレオチド配列および誘導されたアミ
ノ酸配列も記載されている。この文献のBMP−1、BMP−
2A、BMP−2BおよびBMP−3タンパク質は、ウォンらのBM
P−1、NMP−2クラスI、BMP−2クラスIIおよびBMP−
3タンパク質に各々対応すると思われる。
1989年2月14日に発行されたセン(Sen)の米国特許
第4,804,744号は、P3族タンパク質の一つであり、還元S
DS−PAGE分析法のクーマシーブルー染色により見かけ分
子量22,000〜24,000ダルトンを示した骨形成タンパク質
製剤を開示している。
ライアン(Lyon)らは、BMP−2A、BMP−2BおよびBMP
−3の推定したアミノ酸配列の相同領域を含むマウスタ
ンパク質をコードする相補DNAクローン(Vgr−1と称さ
れる)のヌクレオチド配列および誘導されたアミノ酸配
列を記述している(Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA.86,第455
4〜4558頁(1989))。
ルーテン(Luyten)らは、新たな骨形成を誘導すると
言われているウシ骨抽出物中に存在するポリペプチドの
精製および部分的アミノ酸配列の解析を記述している
(J.Biol.Chem.264,第13377〜13380頁(1989))。オス
テオジェニン(osteogenin)と称されるこのタンパク質
は、還元SDS−PAGE透析法による測定では22,000ダルト
ンの見かけ分子質量、非還元SDS−PAGE分析法による測
定では30,000〜40,000ダルトンの見かけ分子質量を持
つ。オステオジェニンについて報告されているアミノ酸
配列は、ウォズネイらが記しているように、BMP−3と
かなりの相同性を示すとされている。
ベンツ(Bentz)らは、ラットにおいて骨誘導を促進
するとされる脱塩骨基質から単離したタンパク物質を記
述している(J.Bone and Mineral Res.,、補遺1、第
S280頁650号(1989)およびJ.Cell Biol.,107,162a918
号(1989))。該骨誘導因子(OIF)は糖タンパク質と
同定され、TGF−β1あるいはTGF−β2の存在下におい
てのみ骨誘導活性を示すとされている。OIFは、SDSゲル
電気泳動に基づき見かけ分子質量22,000〜28,000ダルト
ンを持ち、SDS−PAGEでの還元が移動度を変化させない
という事実から単量体分子と同定された。
発明の要約 本発明は、哺乳類での移植部位において局所骨形成を
促進あるいは刺激する能力を示す哺乳類骨基質由来タン
パク質に関する。特に、本発明は骨形成タンパク質の製
剤を提供し、また解離(変性)条件下での骨基質タンパ
ク質の抽出、そしてゲル濾過クロマトグラフィーカラ
ム、イオン変換クロマトグラフィーカラム、金属キレー
トアフィニティーカラム、疎水性吸着クロマトグラフィ
ーカラム、およびアセトニトリル勾配を用いて逆相HPLC
(高速液体クロマトグラフィー)カラムの1種またはそ
れ以上のカラムからのこれらタンパク質の特異的溶出方
法による精製を含んだ、かかる骨形成活性タンパク質製
剤の抽出および精製を含む。かかる精製工程を用いて得
られるこれら製剤は、該製剤のゲル濾過、イオン変換、
金属キレート、疎水性吸着および逆相HPLCカラムを使用
した各々のクロマトグラフィー反応によって、またその
製剤を単独あるいは該製剤と適当な薬学的に許容される
担体との混合物をあらかじめ定められた動物の部位へ適
用して局所骨形成を誘導する能力によって、明らかに特
性づけられる。本発明はさらに、哺乳類に有効量の骨形
成製剤を投与することからなる哺乳類の骨形成を誘導す
る方法を提供する。同様に、生理学的に許容される基質
物質と結合した1種またはそれ以上のタンパク質あるい
は活性ペプチドからなる薬学的に許容される組成物を提
供する。本発明はさらに、P3 OF 31−34のサブユニット
またはその一部をコードする骨ヌクレオチド配列のP3タ
ンパク質に関連することが認められているP3 OF 31−34
と称される31,000〜34,000ダルトンの骨形成が活性であ
るタンパク質分子のポリペプチドサブユニット、および
これらのサブユニットを含む新規の骨形成が活性である
ヘテロダイマータンパク質を提供する。
図面の簡単な説明 第1図は、4M塩酸グアニジン−0.01Mトリス・塩酸緩
衝液(pH7.0)で脱塩子ウシ骨粉末を8時間抽出して得
たタンパク質をセファロースCL−6Bカラムクロマトグラ
フィーによって得られた溶出プロフィールを示す。
第2図は、セファロースCL−6Bカラムクロマトグラフ
ィーから得た活性画分中に含まれるタンパク質の4M塩酸
グアニジン−0.01Mトリス・塩酸緩衝液(pH7.0)中での
セファクリルS−200カラムクロマトグラフィーによっ
て得られた溶出プロフィールを示す。
第3図は、タンパク質溶出用のアセトニトリル勾配を
用いた逆相プロテシール300オクチルカラムでのセファ
クリスS−200カラムクロマトグラフィーからの活性プ
ール中に存在するタンパク質の溶出プロフィールを示
す。
第4図は、還元剤存在下での不連続ドデシル硫酸ナト
リウム−ポリアクリルアミドゲルによる精製骨基質タン
パク質の電気泳動分析およびその後のタンパク物質検出
のためのクーマシーブルー染色の結果を示す。
第5A図は、逆相C8カラムを用いたブタP3タンパク質断
片の高速液体クロマトグラフィーによって得た溶出プロ
フィールである;該断片は黄色ブドウ球菌V8プロテアー
ゼを使用してブタP3タンパク質の酵素分解により生成し
た。
第5B図は、逆相C8カラムを用いたウシP3タンパク質断
片の高速液体クロマトグラフィーによって得た溶出プロ
フィールである;該断片は黄色ブドウ球菌V8プロテアー
ゼを使用してウシP3タンパク質の酵素分解により生成し
た。
第6A図は、逆相C18カラムを用いたブタP3タンパク質
断片の高速液体クロマトグラフィーによって得た溶出プ
ロフィールである;該断片は、黄色ブドウ球菌V8プロテ
アーゼを使用して、還元カルボキシメチル化ブタP3タン
パク質の酵素分解により生成した。
第6B図は、逆相C18カラムを用いたヒトP3タンパク質
断片の高速液体クロマトグラフィーによって得た溶出プ
ロフィールである;該断片は、黄色ブドウ球菌V8プロテ
アーゼを使用して、還元カルボキシメチル化ヒトP3タン
パク質の酵素分解により生成した。
第7図は、放射性標識した被検抗原が拮抗する非標識
抗原製剤の存在下で特異的抗体分子に結合する能力を測
定する、拮抗的放射性免疫測定法の結果を示す。
第8図は、活性5K−100K画分中に含まれるタンパク質
に関して4M塩酸グアニジン−0.01Mトリス・塩酸緩衝液
(pH7.0)中でのセファクリルS−200カラムクロマトグ
ラフィーによって得た溶出プロフィールを示す。
第9図は、子ウシ骨からのP3 OF 31−34(骨形成因
子)タンパク質の選択的精製方法を示す。
第10A図は、非還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳
動および銀染色によって測定した骨形成因子の見かけ分
子量を示す。
第10B図は、P3 OF 31−34タンパク質の還元SDSポリア
クリルアミドゲル電気泳動および銀染色を示す。
第11A図は、逆相HPLCによるP3 OF 31−34(骨形成因
子)タンパク質のサブユニットの単離を示す。
第11B図は、還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
分析の銀染色によって検出されるサブユニットの見かけ
分子量を示す。
第12図は、本発明に従って単離されるhODおよびhOEを
コードするcDNAクローンの推定アミノ酸配列からの相同
領域を持つP3 OF 31−34タンパク質のサブユニットA、
B、C、D、ならびに先行文献中でBMP−2A、BMP−2Bお
よびVgr−1と称されるポリペプチドのアミノ末端配列
および内部配列を表わす。
第13A図は、逆相C18カラムを用いたPSプールの高速液
体クロマトグラフィーによって得た溶出プロフィールで
ある。
第13B図は、PSプールの逆相HBLCから画分26、27およ
び28中に溶出するP3 OF 31−34タンパク質の非還元SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動を示す。
第14A図は、PSプールの逆相HPLCから画分26中に溶出
するP3 OF 31−34タンパク質のサブユニットの単離およ
び同定を示す。
第14B図は、PSプールの逆相HPLCから画分28中に溶出
するP3 OF 31−34タンパク質のサブユニットの単離およ
び同定を示す。
第15図は、サブユニットA(AbANt)およびサブユニ
ットD(AbDNt)のN末端配列の合成ペプチドに対して
生成した抗体を用いたウエスタンブロット分析と、クー
マシー染色あるいはオートラジオグラフィーにより単離
し、視覚化したP3およびP3 OF 31−34タンパク質の還元
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を示す。
第16図は、エンドHあるいはN−グリカナーゼのいず
れかにより処理前および処理後の還元したサブユニット
AおよびDの還元SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
を示す。
第17図は、hODと称される、U−2 OS mRANからのPCR
増幅したDNAのヌクレオチドおよび誘導したアミノ酸配
列を示す。
第18図は、hOEを称される、U−2 OS mRNAからのPCR
増幅したDNAのヌクレオチドおよび誘導したアミノ酸配
列を示す。
第19A図は、PCR増幅した配列の誘導アミノ酸配列hOD
およびhOEの相同性を示す。
第19B図は、PCR増幅した配列のヌクレオチド配列hOD
およびhOEの相同性を示す。
発明の詳細な説明 当該技術において既知のクロマトグラフィー方法によ
り、脱塩した骨粉末の粗タンパク質抽出物から出発物質
に対応した各タンパク質を精製した。基本的にレムリ
(Laemmli)が記した工程(イギリス、Nature、第227
巻、第680〜685頁(1970))を用いて、還元条件下での
ポリアクリルアミドゲルにおけるこれらタンパク質の移
動により判断して、見かけ分子量の低下順序に従って異
なるタンパク質種にP1、P2等のような番号を割り当て
た。異なる哺乳類の骨から当量のタンパク質を得た。本
発明の骨形成活性ポリペプチドは、ある精製工程下にお
いて、22,000〜24,000ダルトンの見かけ分子量を有する
免疫学的に類縁のP3タンパク質と同時精製されるという
特徴を持つ。同様に、ヒト骨から単離し、実質的に本明
細書中に記載の工程に従って精製したP3タンパク質は、
子ウシP3タンパク質と免疫学的に関連があり、還元SDS
−PAGE分析法のクーマシーブルー染色によって22,000〜
24,000ダルトンの見かけ分子量を持つことが示された。
本発明の方法を用いて得られる骨形成が活性な製剤
を、本明細書中で時としてP3タンパク質と称する。本発
明はさらに、本発明の方法を用いて様々な哺乳類の骨か
ら骨形成が活性なP3タンパク質を得る能力に関する。本
発明の方法を用いて様々な哺乳類骨から得た骨形成が活
性なタンパク質製剤は、P3タンパク質と免疫学的に関連
するタンパク質の一員を構成する。この集団を構成する
タンパク質は、次のような特性に関して互いに実質的当
量を示す:(i)骨形成活性、(ii)解離ゲル濾過カラ
ムにおけるクロマトグラフィー特性、(iii)アセトニ
トリル中での疎水性逆相HPLCカラムからの溶出、(iv)
還元SDS−PAGE分析法のクーマシーブルー染色によって
示される約22,000〜24,000ダルトン間の分子量に関する
実質的均一性、(v)タンパク質分解処理によって生成
される主要ペプチド断片の特性、および(vi)該製剤中
のある免疫原性決定基特性に関する免疫測定法での反応
性。
本発明はさらに、P3タンパク質の中で、非還元および
解離条件下で約25,000〜38,000ダルトンの範囲内の見か
け分子量を持つタンパク質として溶出し、より詳しく
は、非還元SDS−PAGE分析法と銀染色法によって分析し
た時、約31,000〜34,000ダルトンの範囲内の見かけ分子
量を持つタンパク質として泳動するタンパク質の同定に
関する。これらタンパク質をP3 OF 31−34と称し、該タ
ンパク質は、骨のP3タンパク質と関連し、また骨形成活
性のない同様の分子量の骨由来タンパク質分子とは異な
る、骨形成が活性な31,000〜34,000ダルトンのタンパク
質分子を意味する。
本発明はさらに、骨形成を促進することを特徴とす
る、P3タンパク質中に固有のこれら31,000〜34,000ダル
トン分子量のタンパク質成分を単離する選択的タンパク
質分別法を提供する。P3 OF 31−34骨形成性タンパク物
質は、還元後逆相HPLCによって分析する時、4つの顕著
なピークを生じる。還元SDS−PAGE法および銀染色によ
って分析する時、該ピークのうち3つは17,500〜19,000
ダルトンの範囲内の見かけ分子量で移動するタンパク質
サブユニットとして特性づけられ、第4のピークは16,0
00〜17,500ダルトンの範囲内の見かけ分子量で移動する
タンパク質サブユニットとして特性づけられる。
出願人は、P3 OF 31−34のタンパク質サブユニットを
特性づけ、それらをサブユニットA、B、C、およびD
と称した。該サブユニットは、種々の内部および推定ア
ミノ末端ポリペプチド断片の配列決定によって特徴づけ
た。出願人は、サブユニットDをコードするものと相同
なヒトcDNAの配列を増幅するためにポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)手法を使用し、ヒトのサブユニットD(hOD)
に関するアミノ酸およびヌクレオチド配列を提示した。
出願人はまた、新しい骨形成ポリペプチドあるいはウシ
サブユニットAポリペプチドに対応すると考えられるポ
リペプチドサブユニットE(hOE)として特徴づけられ
るものをコードするヒトcDNAの配列を同定した。出願人
はまた、P3 OF 31−34骨形成タンパク物質が、サブユニ
ットDとサブユニットBとのヘテロダイマーおよびサブ
ユニットA(および/あるいはサブユニットE)とサブ
ユニットBとのヘテロダイマーを含めたポリペプチドダ
イマーからなることをつきとめた。P3 OF 31−34骨形成
物質は、さらにサブユニットA(および/あるいはサブ
ユニットD)とサブユニットCのヘテロダイマーおよび
サブユニットDとサブユニットCのヘテロダイマーを含
み、サブユニットBとCの間に高度の相同性(80%)を
有するようになる。
本発明は、ウシ骨から単離されるようなP3 OF 31−34
のポリペプチドサブユニットD、ならびに下記のグルー
プから選択されるヌクレオチド配列を含むヒトDNAから
精製し、単離した核酸を提供する:P3 OF 31−34のサブ
ユニットDをコードするヌクレオチド配列;P3 OF 31−3
4のサブユニットDを構成するアミノ酸のヌクレオチド
配列をコードするヌクレオチド配列;P3 OF 31−34のサ
ブユニットDをコードするヌクレオチドの80%と相同な
ヌクレオチド配列;および遺伝暗号の重複がなければP3
OF 31−34のサブユニットDをコードするヌクレオチド
の80%と相同になるであろうヌクレオチド配列。本発明
はまた、P3 OF 31−34のサブユニットDをコードする核
酸配列を含むベクター、該ベクターによって形質転換さ
れる細胞、および該形質転換細胞のポリペプチド発現産
物を含むサブユニットDの組換え発現系を提供する。
本発明はさらに、P3 OF 31−34のポリペプチドサブユ
ニットE、及び下記のグループから選択されるヌクレオ
チド配列を含む精製単離した核酸を提供する:P3 OF 31
−34のサブユニットEをコードするヌクレオチド配列、
P3 OF 31−34のサブユニットEを構成するアミノ酸のヌ
クレオチド配列をコードするヌクレオチド配列;P3 OF 3
1−34のサブユニットEをコードするヌクレオチドの80
%と相同なヌクレオチド配列;および遺伝暗号の重複が
なけれはP3 OF 31−34のッサブユニットEをコードする
ヌクレオチドの80%と相同になるであろうヌクレオチド
配列。本発明はまた、P3 OF 31−34のサブユニットEを
コードする核酸配列を含むベクター、該ベクターによっ
て形質転換される細胞、および該形質転換細胞のポリペ
プチド発現産物を含むサブユニットEの組換え発現系を
提供する。
本発明はまた、P3 OF 31−34のサブユニットDを含む
ダイマーを含む骨形成製剤と、さらに、少なくとも1つ
のジスルフィド結合によって結合されたP3 OF 31−34の
サブユニットDおよびBを含むヘテロダイマーを含む骨
形成製剤を提供する。本発明はさらにまた、P3 OF 31−
34のサブユニットEを含むダイマーを含む骨形成製剤
と、さらに、少なくとも1つのジスルフィド結合によっ
て結合されたP3 OF 31−34のサブユニットEおよびBを
含むヘテロダイマーを含む骨形成製剤を提供する。本発
明はさらに、P3 OF 31−34のサブユニットAを含むダイ
マーを含む骨形成製剤と、さらに、少なくとも1つのジ
スルフィド結合によって結合されたP3 OF 31−34のサブ
ユニットAおよびBを含むヘテロダイマーを含む骨形成
製剤を包含する。
骨形成タンパク質製剤、すなわちP3タンパク質、P3 O
F 31−34タンパク質を含有する製剤、あるいはサブユニ
ットA、B、C、DまたはEを含有する製剤、あるいは
本明細書中に記載したそれらのホモダイマーまたはヘテ
ロダイマーは、該製剤と生理学的に許容される基質物質
との混合による哺乳類への移植のための組成物を形成す
るのに使用しうる。さらに、骨形成因子/基質組成物に
よって被覆された構造部材からなる、哺乳類への移植の
ための装置が本発明によって提供される。
当該技術において周知の方法、たとえば化学的、酵素
的あるいは組換えDNA手法を用いて、骨形成を促進ある
いは刺激する能力を示す、本明細書中に記した骨形成タ
ンパク質から誘導されるポリペプチドを得ることは可能
であろう。たとえば、ポリペプチドのサブユニットA、
B、C、DおよびE、あるいは該ポリペプチドをコード
する核酸、あるいは本明細書中では直接提供されない該
ポリペプチドの類似体は、当業者に周知の方法に従って
得られる。該方法は、ポリペプチドサブユニットのいず
れかの完全なアミノ酸配列を得、該アミノ酸配列に基づ
くポリヌクレオチドプローブを用いて1種またはそれ以
上の哺乳類種からのDNAライブラリーをスクリーニング
することを含み、また本発明に従って標識抗体あるいは
オリゴヌクレオチドを使用することによりP3 OF 31−34
中に存在するポリペプチドサブユニットのいずれかを発
現する細胞を同定し、それからmRNAを単離して、単離し
たmRNAからcDNAを作製することを含む。本発明はさら
に、P3 OF 31−34のサブユニットA、サブユニットB、
サブユニットC、サブユニットDおよびサブユニットE
からなるグループから選択されるポリペプチドモノマー
のダイマーからなる骨形成タンパク質の調製方法を提供
する。該方法は、P3 OF 31−34サブユニットA、サブユ
ニットB、サブユニットC、サブユニットDおよびサブ
ユニットEからなるグループから選択される1種または
それ以上のポリペプチドをコードする核酸配列によって
形質転換した1種またはそれ以上の細胞系を、適当な培
地中で培養する工程を含む。次に、前記ポリペプチドを
少なくとも1つのジスルフィド結合で結合することによ
りポリペプチドモノマーからダイマーを形成し、そして
該形成したダイマーを単離する。
P3 OF 31−34タンパク質、あるいはそのサブユニット
あるいは断片と免疫学的に関連を有する骨形成が活性な
種に転換される、あるいは、転換されうるタンパク質あ
るいはポリペプチドも、本発明の範囲内であると考えら
れる。本明細書中で「活性ポリペプチド」と称される活
性物質は、本発明の対象であるタンパク質あるいはポリ
ペプチド、ならびに化学的合成あるいは組換えDNA手法
のような従来の方法によって生成されうるそれらの機能
的誘導体のいかなる部分も含む。活性ポリペプチドはさ
らに、骨形成タンパク質およびサブユニットのアミノ酸
配列内の残基からの欠失、挿入および置換を含む。欠
失、挿入および置換それぞれの組合せも、骨形成活性を
有する最終構築物に到達する。該活性ポリペプチドの誘
導体は、たとえば、化学的あるいは酵素的に修飾された
ポリペプチド;融合タンパク質;あるいはポリマーのよ
うな適当な担体物質に結合したポリペプチドを含みう
る。
1種またはそれ以上の哺乳類種のP3 OF 31−34中に存
在する自然配列ポリペプチドサブユニットあるいはその
類似体および変異体は、ポリペプチドの直接化学合成、
あるいはサブユニットDNAの特定部位の突然変異誘発に
よって調製されるDNAの発現、あるいはオリゴヌクレオ
チドの化学的合成と宿主細胞における多くの手法のいず
れかによる発現前のオリゴヌクレオチドの構築によって
調製されうる。〔たとえば、カルサーズ(Caruther
s)、米国特許第4,500,707号;バランド(Balland)
ら、Biochemie,67,725〜736(1985);エッジ(Edge)
ら、Nature,292,756〜762(1981)参照〕。P3 OF 31−3
4あるいはその類似体をコードするメッセンジャーRNAも
生体外で発現されうる。活性レベルの変化は適当な検定
法によって測定される。酸化還元あるいは熱安定性、疎
水性、タンパク質分解に対する感受性、あるいは担体と
の凝集またはマルチマーへの凝集傾向のようなタンパク
質特性の変異は、当業者は周知の方法によって分析でき
る。
原核微生物(細菌など)および真核微生物(酵母な
ど)が、本発明の宿主細胞として使用しうる。数多くの
他の菌株が一般的に入手しうるが、ビール酵母菌(S.ce
revisiae)あるいは通常のパン酵母が、真核微生物の中
で最も一般的に使用される。細菌および酵母における発
現のためのクローニングおよび発現ベクターは、λファ
ージや大腸菌のpBR322およびビール酵母菌のYRp7のよう
に、当業者にとって周知のものである。
多細胞真核生物から誘導した細胞も宿主として使用し
うる。脊椎あるいは無脊椎真核生物からの細胞も使用で
き、その場合に用いる適当な発現ベクターは、哺乳類宿
主細胞についてはSV40レトロウィルスおよび乳頭腫ウィ
ルスベクター、無脊椎宿主細胞についてはNPVベクタ
ー、および植物細胞についてはTiベクターのような、当
業者には既知のものである。
本発明はさらに、1種またはそれ以上のタンパク質お
よび/または活性ポリペプチドおよび/または免疫学的
に関連性を有する物質を、哺乳類における骨成長の刺激
のための薬剤として使用する方法を開示する。薬学的に
許容される担体とタンパク質および/または活性ポリペ
プチドおよび/または免疫学的に関連性を有する物質の
内の1種またはそれ以上とを組み合わせた薬学的に許容
される組成物も、本明細書中に開示されている。該組成
物は、該組成物の投与に役立つ、あるいは該組成物の効
果を促進するその他の成分、あるいは他の生理活性物質
を選択的に含みうる。
本明細書中で使用する「免疫学的に関連する」という
語句は、該タンパク質に対して培養あるいは製造された
抗体中の抗原結合部位への結合および/あるいは該結合
部位を認識するいかなるポリペプチドも含むことを意味
する。「骨形成」の語は、局所投与(たとえば、薬学的
に許容される方法での活性製剤の移植)に反応して、特
異的部位における新しい骨の形成あるいは既存の骨の成
長の誘発を意味する。「骨形成量」は、所望する効果を
与えるのに十分な、骨形成タンパク質および/または活
性ポリペプチドおよび/または免疫学的に関連する物質
の量を指す。「骨形成活性」あるいは「骨形成性」の語
は、該製剤が骨形成を促進あるいは誘導する能力を持つ
ことを意味する。
さらに、本明細書中でP2およびP4と称する2つの関連
性のないタンパク質製剤も、数種の異なる哺乳類種の骨
から単離した。特定の哺乳類骨源から単離された各タン
パク質からなるP2タンパク質族を特性づけた。子ウシ骨
から単離した典型的なP2タンパク質は30,000〜33,000ダ
ルトンの見かけ分子量を持つが、P3タンパク質製剤と結
合する骨形成タンパク質の不在下では、骨形成を誘導す
ることができない。免疫学的に関連するP2タンパク質
も、実質的には本明細書中に記した方法に従ってヒト骨
から単離した。
同様にして、本明細書中に記した方法に従ってP4タン
パク質族を単離した。子ウシ骨の精製段階において、P4
製剤は、P3タンパク質製剤と結合した骨形成タンパク質
の不在下では骨形成を誘導することができない2つの主
要成分からなり、どちらも約16,000〜18,000ダルトンの
見かけ分子量を持ち、後述するようなアミノ末端アミノ
酸配列を特徴とする。骨形成タンパク質の不在下では骨
形成を誘導することができない、このP4タンパク質族の
免疫学的に関連性を有するタンパク質も、本明細書中に
記した方法に従ってヒト骨から単離した。
骨形成因子の適用は、所望する部位において骨形成を
促進するのに十分な量の1種またはそれ以上の骨形成タ
ンパク質および/または1種またはそれ以上の活性ポリ
ペプチドおよび/または1種またはそれ以上の免疫学的
に関連性を有する物質の凍結乾燥製剤あるいは懸濁液
を、移植などによって投与することにより簡便に達成し
うる。また、本明細書中に記した1種またはそれ以上の
骨形成タンパク質および/あるいは1種またはそれ以上
の活性ポリペプチドおよび/あるいは1種またはそれ以
上の免疫学的に関連性を有する物質、ならびにコラーゲ
ン性タンパク質、あるいは強力な変性剤で抽出した粉末
骨から誘導される基質物質のような薬学的に許容される
基質、あるいは他の薬学的に許容される担体からなる、
薬学的に許容される組成物をが使用できる。
以下の実施例は本発明をさらに詳しく説明するための
ものであり、本発明を限定して解釈されるべきものでは
ない。
実施例1:骨形成因子の単離 骨のプロセシング 典型的な調製法では、哺乳類からの長骨(長骨の先
端)(たとえば、子ウシの距骨、ヒト骨の脊柱の大腿骨
頭、ラットの全脛骨および腓骨)を、M.R.ユリスト、米
国特許第4,294,753号(1981)に述べられているような
周知の方法を用いて処理し、脱塩する。その他本明細書
中で引用するすべての参考文献は、参照することにより
本明細書中に包含される。
骨を処理し、脱塩する簡便な方法は次の通りである: 骨(好ましくは、該骨は若年哺乳類から入手し、調製
時まで冷凍保存する)を取り巻く骨膜層を機械的手段に
よって除去し、骨の中心腔から骨髄を冷水で洗浄して除
去する。骨を従来の手段によって、たとえばウィリーミ
ルを使用して、小さな粒子「一般に直径1〜2ミリ(m
m)〕に粉砕する。次に粒子を0.15M塩化ナトリウム−0.
1Mトリス・塩酸緩衝液(pH7.0)のような緩衝生理食塩
水で何度も洗浄し、脂質および残存血液の大部分を除去
する。次に該粒子を直径約500ミクロン(μ)またはそ
れ以下の粒子とするため、たとえばポリトロンホモジナ
イザー(Brinkman Instruments)を用いた剪断によっ
て、粒子をさらに細かくする。均質化した粒子を、上述
の緩衝生理食塩水と水、次にエタノール、そして最後に
エーテルで洗浄する。洗浄した均質な粒子を真空あるい
は空気乾燥する;この「骨粉末」は−80℃で長期間保存
することができる。
能率的な脱塩およびタンパク質抽出のために、骨粉末
をふるいにかけ、直径約75〜500μの大きさを持つ粒子
を得る。脱塩(すなわち、骨基質からのリン酸カルシウ
ムの除去)は、塩酸(HCl)溶液での反復洗浄によっ
て、たとえば、骨粉末を骨粉末の乾燥重量グラム(g)
あたり約10〜15mlの0.5規定(N)HClと共に1時間攪拌
し、液体を傾瀉し、さらにこの工程を3〜4回反復する
ことによって達成される。次に、脱塩した骨粉末をpHが
中性になるまで脱イオン蒸留水でくり返し洗浄する。エ
タノール洗浄、次にエーテル洗浄、そして乾燥すること
により脱塩骨粉末から水を除去する。脱塩した骨粉末は
超低温(たとえば−20〜−80℃)で保存することができ
る。骨粉末の脱塩は他の周知の方法、たとえばエチレン
ジアミン四酢酸のようなキレート剤を使用して実施する
こともできる。
処理した骨粉末が、塩酸処理後骨基質タンパク質の抽
出にただちに使用できるほど十分に脱塩されているかど
うかを測定するために、水で洗浄した粉末を用いて、た
とえばフォン・コッサ(von Kossa)の方法で無機質含
量に関して試験する〔J.フォン・コッサ、Ziegler's Be
itr.29,163(1901)参照〕。フォン・コッサ染色が陰性
であれば、処理した骨粉末はタンパク質抽出に使用する
のに十分なだけ脱塩されている。
脱塩した骨粉末からのタンパク質の抽出および単離 上述したように調製した脱塩骨粉末をpH7.0またはそ
の付近のpHの塩酸トリズマ(トリス・塩酸)のような緩
衝液中で約2〜8モル(M)塩酸グアニジウム(GuHC
l)の水溶液と共に、所望するタンパク質を抽出するの
に十分な時間、絶えず攪拌することによって抽出する。
好ましくは、抽出は、約4〜20℃の間で8〜12時間、フ
ェニルメチルスルホニルフルオライドのようなタンパク
質分解酵素阻害剤の存在下で4M GuHCl−0.01Mトリス・
塩酸緩衝液(pH7.0)と共に脱塩骨粉末を攪拌すること
によって実施する。脱塩骨粉末からのタンパク質は、脱
塩骨粉末をまとまった量の所望タンパク質を得るのに十
分な時間、適当なGuHCl−トリス・塩酸緩衝液に接触さ
せることによって抽出できる。脱塩した子ウシ骨粉末10
0gの典型的な抽出においては、4M GuHCl−0.01Mトリス
・塩酸緩衝液(pH7.0)による3日間の抽出で約1500mg
の総タンパク質が抽出された。本発明の方法において、
3日間の抽出で得られた総タンパク質の80%以上が、4M
GuHCl−0.01Mトリス・塩酸緩衝液(pH7.0)により最初
の8〜12時間で抽出できることを認めた。抽出の最初の
8〜12時間で、一般的には3日間の抽出で得られる低分
子量総タンパク質群の95%以上が回収される。骨形成活
性の大部分はこれらの低分子量タンパク質に結びついて
いる。脱塩骨粉末の乾燥重量(g)あたり約15mlの4M G
uHCl−0.01Mトリス・塩酸緩衝液(pH7.0)を使用する。
抽出期間が完了した後、抽出物をたとえばワットマン紙
で濾過し、従来の方法により濾液を濃縮する;一般的な
実験では、約5,000ダルトンの分子分離する膜濾過材を
備えたアミコン限外濾過装置(Amicon Corporation、マ
サチューセッシ州ダンバース)を濃縮工程に使用する
(すなわち、膜は約5,000ダルトン以上の分子量を持つ
分子を保持する、たとえばYM−5のようなDiaflo(登録
商標)限外濾過膜)。
本明細書中に記した種々の緩衝液、たとえば4M GuHCl
−0.01Mトリス・塩酸緩衝液、そして0.5N塩酸溶液のよ
うな溶液は、所望の物質が所望の濃度で水中に存在する
水性緩衝液あるいは水溶液である。濃縮タンパク質溶液
のタンパク質成分を、高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)を含めた従来の様々なクロマトグラフ手法を用い
て、次のようにして分別した: 最初のタンパク質画分は、セファロースCL−6B(Phar
macia Chemicals、ニュージャージー)カラムでのクロ
マトグラフィーによって都合よく実施された。一般的な
実験では、本明細書中に記したように抽出したタンパク
質を限外濾過によって、約25〜40mg/mlの濃度まで濃縮
する。種々の抽出物製剤およびカラム画分中のタンパク
質の濃度は、280ナノメーター(nm)での溶液の吸光度
を分光測光測定のような従来の方法によって評価する。
適量のタンパク質濃縮物(約500mgのタンパク質に相当
する量)を4M GuHCl−0.01Mトリス・塩酸緩衝液(pH7.
0)で平衡させた5cm×90cmのセファロースCL−6Bカラム
に適用する。約50〜100cmの静水圧で4M GuHCl−0.01Mト
リス・塩酸緩衝液(pH7.0)によりカラムを溶出し、15
〜20ml容量の各画分を収集する。280nmでの各画分の吸
光度を測定することにより、上記条件下での一般的溶出
プロフィールが得られ、第1図にそれを示した。
本明細書中に記した骨誘導分析法を用いて、セファロ
ースCL−6Bカラムから溶出した様々な画分の骨誘導活性
を測定し、第1図中の「C」と記した画分のプールが骨
形成活性の原因となる因子を含むことが明らかになっ
た。貯留画分V、VIおよびVIIからなるプールCを、従
来の方法を使用して濃縮した。標準的抽出において、セ
ファロースCL−6Bカラムでの総タンパク質の溶出から得
たプールCは、4M GuHCl−0.01Mトリス・塩酸緩衝液(p
H7.0)による脱塩子ウシ骨粉末の8〜12時間抽出で得ら
れる総タンパク質の約40%に相当する。セファクリルS
−200(Pharmacia Chemicals、ニュージャージー)での
クロマトグラフィーによってさらに分別を実施した。一
般的な実験では、プールCからのタンパク質75〜100mg
を約25mg/mlの濃度で2.2cm×115cmのセファクリルS−2
00カラムに適用し、約50〜75cmの静水圧下で4M GuHCl−
0.01Mトリス・塩酸緩衝液(pH7.0)によりカラムを溶出
して、約4ml容量の各画分を収集する。上記条件下で得
た典型的な溶出プロフィールを第2図に示す。
セファクリルS−200カラムからの画分をプールし
(第2図参照)、得られたプール物質を任意にα、β、
γ I、γ IIおよびδとした。
クーマシーブルー染色によりタンパク質帯を視覚化す
る、ドデシル硫酸ナトリウム存在下での従来の不連続ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を使用したタンパク質の
分析で、α〜δの各プール中に存在するいくつかのタン
パク質が同定された〔レムリ(Laemmli)、英国、Natur
e、第227巻、第680〜685頁(1970)〕。αプールは50,0
00ダルトン以上の分子量を持つ少数のタンパク質成分を
含むことが認められた;βプールは、38,000〜40,000ダ
ルトンの主要種、ある種少数の高分子量汚染物質、およ
び14,000〜30,000ダルトンの間で移動する少量の低分子
量タンパク質を含み;γ Iおよびγ IIプールは、31,00
0〜35,000ダルトン、22,000〜25,000ダルトン、16,000
〜18,000ダルトンおよび12,000〜14,000ダルトンで移動
する4つの主要サイズ分類種を含み;δプールは、主と
して12,000〜14,000ダルトンの範囲のタンパク質を含む
ことが認められた。
本明細書中に記されているような骨誘導分析での活性
測定は、γ Iおよびγ IIプールが骨形成を誘導する因
子を含むことを示唆した。
骨形成因子の最終精製に関する説明をわかりやすくす
るために、β、γおよびδプール中に認められるタンパ
ク質種のリストを第1表に示す。前述したように、各主
要タンパク質種に第1表に示すような認定コード(P1、
P2等)を割り当てた。
タンパク質種の分子量割当てはすべて、ドデシル硫酸
ナトリウムおよび還元剤の存在下での融解ゲル中のpH8.
8の13%アクリルアミドによる不連続ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動での移動度に基づく。少数タンパク質種
は、ゲルに関して分析した各サンプル中に総物質の10〜
15%未満であった。P5bは、非還元条件下で約10,000
ダルトンで移動し、これによってP5aとP5bを識別するこ
とができる。
骨形成製剤の逆相HPLC精製 セファクリルS−200カラムクロマトグラフィーから
得た部分精製タンパク質製剤を、421型マイクロプロセ
ッサーユニットによって制御されるベックマン・アルテ
ックスHPLCを使用した逆相HPLCにかけ、さらに精製工程
を実施した。2つの研究方法が採られた。
単離したタンパク質の一部、特に本明細書中に記した
P3タンパク質族およびそれと同時精製される骨形成活性
タンパク質製剤の特徴は、GuHClのような強力な解離剤
の不在下では溶解性がないことである。さらに、多数の
タンパク質種が1つのプール中に同時に存在する時、Gu
HClを除去すると、P3 OF 31−34を含んだP3タンパク質
と共に他のタンパク質の共同沈降が生じた。そのため、
1つまたは2つの主要タンパク質のみからなる限られた
プールをセファクリルS−200カラムから得、HPLCによ
るその後の精製のための出発物質として使用する方法を
開発した。さらに、溶液中のタンパク質の保持を最大に
するために、上述したようなプールをアセトニトリル
(ACN)を10〜15%容量の濃度で補った0.1%トリフルオ
ロ酢酸(TFA)を含む水性溶媒に対して直接透析した。
この方法では、3,500ダルトンまたはそれ以下の分子量
分別サイズを有する従来の透析膜管が都合よく使用され
る。その後TFA:ACN溶媒に可溶なタンパク質が、遠心分
離により各透析したプールから不溶性物質を除去するこ
とによって都合よく得られた。この時点での可溶性タン
パク質は、本明細書中に記したプロテシール300オクチ
ルカラムのような逆相HPLCカラムでのクロマトグラフィ
ーにかけることができた。一般的な実験では、このよう
にピーク画分から得たTFA:ACN可溶性タンパク質を、0.1
%TFA:10%ACNで平衡させた粒子サイズ10ミクロンの0.4
6cm×25.0cmプロテシール300オクチルカラム(Whatman
n)に適用した。このような条件下でカラムに結合した
タンパク質を、45分間展開させた10〜80%ACN直線勾配
を用いて60ml/hrの流速で溶出した。一般的な実験で
は、第3A図に示されているように、γ IピークからACN
濃度を(点線で示されているように)上昇させていくと
共にP2およびP1タンパク質が連続的に回収された。同様
に、P1タンパク質がβピークから得られ、P5aおよびP5b
がδピークから得られる。P3タンパク質およびそれに関
連する骨形成活性タンパク質は、セファクリルS−200
カラムのγ Iとγ II領域の間で溶出する。P3およびP3
OF 31−34タンパク質製剤は、TFA:ACNに対する適当な関
数の透析によって得られる可溶性および不溶性の両物質
中に認められる。P3およびP3 OF 31−34タンパク質に可
溶性が欠けていることから、不溶性物質中に実質的に精
製されたP3タンパク質の存在下で骨形成活性タンパク質
が生じる。TFA:ACN溶媒の溶液中に保持されるP3およびP
3 OF 31−34タンパク質は、上述したような逆相HPLCに
よってさらに精製することができる。
タンパク質を本質的に均質な状態に精製するための第
二の方法は、35,000〜14,000ダルトンの範囲にあるタン
パク質の高度の不溶性を、特にそれらが高濃度(たとえ
ば約10mg/ml)で混在する時に、利用するよう意図して
いる。この方法では、セファクリルS−200カラムクロ
マトグラフィーからγ Iおよびγ IIプール(すなわ
ち、骨誘導活性が認められるプール)に溶出するタンパ
ク質を約10mg/mlに濃縮した。該物質を15〜23℃の脱イ
オン蒸留水に対して速やかに透析した〔(2,000ダルト
ンの分子量分別サイズを有する透析管を用いて)、たと
えば、2〜3時間ごとに各々4リットルずつ6回交
換)〕。沈降したタンパク質を遠心単離によって収集
し、タンパク質の濃度を10mg/洗浄水ml以上に保ちなが
ら脱イオン蒸留水で数回洗浄した。この沈降物質の主な
成分はP2、P3、P4およびP5aであることが認められた;
ある時には少量のP1タンパク質を様々な量で認めた。最
終ペレットを、15%ACNを含む0.1%TFA中に溶解し、溶
解した物質をプロテシール300オクチルカラムに適用し
た。第3B図の典型的溶出プロフィールに示すように、AC
N濃度が上昇すると共にP2、P4、P5aおよびP3タンパク質
が溶出した。
第1表に記した各主要タンパク質種をプロテシール30
0オクチルカラムで再びクロマトグラフにかけることに
よってさらに精製した。第3図に示したようにして得た
画分のプールを凍結乾燥によって濃縮し、0.1%TFAおよ
び個々の凍結乾燥物質に応じて約10〜20%ACNの混合溶
液中に再溶解し、再びプロテシール300オクチルカラム
に適用した。タンパク質をより長時間溶出させることを
除いた本明細書中で前述したような条件下で、10〜80%
ACN直線勾配を用いて60ml/hrの流速でカラムからタンパ
ク質を溶出し、多くの個別画分が生じた。各タンパク質
画分の純度を、従来の不連続PAGEを使用して測定した。
1つの主要種のみを示した分画を、さらに化学的および
生物学的特性づけのために使用した。一般的には、これ
らの画分を凍結乾燥し、凍結乾燥粉末として使用した。
第4図は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルア
ミドゲルでの一般的な不連続ゲル電気泳動分析の結果を
示している。分析は、融解ゲルがpH8.8の時にアクリル
アミド中にて13%およびビス−アクリルアミド架橋剤中
にて0.35%である、還元剤及びドデシル硫酸ナトリウム
の存在下での不連続ポリアクリルアミドゲル方法で実施
した。ゲルに30分間50ボルト、次に100ボルトを7時間
通電した。クーマシーブリリアントブルーRで染色して
タンパク質帯を視覚化した。カラム1および8は、次の
標準分子量マーカーを持つゲルを表わす:95,000(ホス
ホリラーゼA)、68,000(ウシ血清アルブミン)、43,0
00(オボアルブミン)、31,000(炭酸脱水酵素)、21,0
00(大豆トリプシン阻害剤)および14,000(リボヌクレ
アーゼ);カラム2、3、4、5および6は、各々脱塩
した子ウシ骨粉末からのP1、P2、P3(P3 OF 31−34タン
パク質を含む)、P4およびP5タンパク質(CP1〜CP5)を
示す;そしてカラム7は脱塩したヒト骨粉末からのP3/
骨形成タンパク質(HP3)を示す。斜線で陰をつけた部
分は低濃度の帯である。
P3/骨形成タンパク質を含む子ウシおよびヒトタンパ
ク質製剤は、本明細書中に記した生物学的方法に従って
ラットに移植する時、約3週間で移植部位における骨の
形成を誘導する。異なる哺乳類から単離したP3タンパク
質族のタンパク質と共に同時精製される骨形成タンパク
質は、一般に哺乳類において骨形成活性を示すと思われ
る。従って、P3タンパク質は、上記の方法に従って一次
骨形成因子と同時精製されるタンパク質と免疫学的に関
連性を有するタンパク質族である。
骨誘導分析システム 検査タンパク質画分またはタンパク質の骨形成活性を
測定するには、下記のような方法がある。骨基質粉末
(75〜500μm粒径)を本明細書中に記したように脱塩
し、引き続き脱塩骨粉末1グラム当り4M GuHClを1回に
つき15〜20ml用いて3回抽出する。抽出した基質を水で
十分に洗浄し、エタノールとエーテルでさらに洗浄して
から乾燥させる。この粉末をラット等の実験動物に移植
しても、骨形成は誘導せず、不活性骨基質(IBM)と命
名された。タンパク質製剤の活性を測定するために、IB
M粉末をタンパク質水溶液あるいは懸濁液に混ぜ、水分
を凍結乾燥法により除去した。再組織された基質をゼラ
チンカプセルに詰め、若いラット(1〜2ヵ月齢)の大
腿筋付近に皮下移植する。各カプセルでは、定量のIBM
と様々な量のタンパク質製剤を各カプセルに入れ、異な
るタンパク質製剤量の有効性を判断する。各移植におけ
る骨形成活性は、次の2方法により評価する:(a)移
植後17〜20日後の移植組織中の酵素アルカリフォスファ
ターゼレベルの測定、および(b)移植部に生じた組織
の5〜7ミクロン厚切片をパラフィン固定して、トルイ
ジン・ブルー(軟骨基質と骨基質を染色)、ヘマトキシ
リン−エオシン(繊維状組織、軟骨性組織および骨組織
を解明する)およびフォン・コッサ銀染色(骨組織の石
灰化基質用)処理を行なった後、該切片の組織学的検査
を行なう。
骨の活発な形成には、アルカリフォスファターゼ酵素
の顕著な増加が先行するのが特徴であり、また移植部周
辺の非骨繊維性組織と比べて、アルカリフォスフォター
ゼ活性が安定して高レベルであると骨形成が持続的に行
なわれるので、この酵素レベルを測定する。タンパク質
製剤中の骨誘導活性レベルの概算定量は、移植組織の単
位重量当りのアルカリファスフォターゼレベルを定量し
て行う。実際には、移植組織をトリス−生理食塩水等の
適当な緩衝剤中で均質化し、非イオン性洗剤に溶解し、
遠心分離機を用いて細胞破片を除去した組織から放出さ
れた酵素を溶解する。アルカリフォスファターゼレベル
の定量は、検査抽出物の稀釈物の触媒作用によるパラニ
トロフェニルホスフェートからパラニトロフェノールへ
の転換を測定し、既知の酵素活性標準曲線から算出して
行う。
生物学的定量の研究において、セファクリルS−200
カラムからのタンパク質プールは、IBMで再組織され、
ラットの大腿に皮下移植された。移植後17〜20日後に採
出した組織培養片のアルカリファスファターゼ活性測定
と組織学的評価では、P1およびP5a〜P5bタンパク質には
骨誘導活性が無かった。生物学的定量の研究ではγ Iと
γ IIプールのタンパク質が最大の骨形成活性を有する
事が判明した。γ画分の3大成分、すなわちP2タンパク
質、P3およびP3 OF 31−34タンパク質、ならびにP4タン
パク質は、上述の逆相HPLC法により精製された。精製タ
ンパク質は、単独でも完全な混合物でも、不活性骨基質
で再組織され、骨誘導分析がなされた。その結果を第2
表に示す。
第2表のデータによると、P3タンパク質(P3 OF 31−
34タンパク質を含む)のみが骨形成を誘導した。P3とP3
OF 31−34製剤を含有する移植組織がアルカリフォスフ
ァターゼ酵素活性が高レベルである組織になった。これ
に対し、P2またはP4の製剤を用いて再構成した移植組織
では、検知可能な骨の生成ができなかった。3製剤全部
を組み合わせて使用すると、顕著な骨形成が認められ、
P3タンパク質製剤の1/3量ではあるが(P3タンパク質移
植のみと比べて)高レベルのアルカリフォスファターゼ
酵素が得られた。このようにP3 OF 31−34を含むP3タン
パク質製剤が低濃度だと、P2および/またはP4タンパク
質の存在がP3タンパク質製剤による骨形成の誘導を促進
するものと考えられる。
本明細書で述べた活性製剤を使用する際は、薬学的に
許容可能な担体の存在又は不存在下でタンパク質および
/または活性ポリペプチドおよび/または免疫学的に関
連する物質の骨形成量だけ骨誘導を所望する哺乳類の身
体部位あるいはその近辺に投与する。投与は、治療対象
の年齢、健康状態、性別およびその他の特徴により決ま
る。移植、局所注射またはマイクロカプセルや他の装置
の使用による時間制御徐放による投与が好ましい。投与
量は治癒すべき部位と治療箇所の形態、たとえば骨折域
等によって異なる。たとえば、約100〜200μgのP3タン
パク質の投与、あるいは約100mgのIBMを移植形式で局所
移植すると、5mm3の骨片が形成される。
活性製剤には、成長因子、走化剤、ステロイド、抗生
物質、抗炎症剤等のような、その他適当な生理活性物質
が含まれる。
本発明では、実施例1の方法で精製された製剤に存在
する非常に高純度で骨形成力の高いP3 OF 31−34タンパ
ク質を単離する骨形成タンパク質の処理に関する代替法
も提供する。
免疫学的に関連のあるタンパク質のP3族を製造する実
施例1の方法は、脱塩工程、グアニジン抽出工程、非還
元変性溶媒中でのサイズ分別工程、透析工程および逆相
HPLC工程を含む。サイズ分別工程の改良型は、多量の材
料を分別し、5,000または10,000ダルトンと100,000ダル
トン(5K−100Kまたは10K−100K)の間で分子量カット
のできる分子分粒フィルターの使用を含む。サイズ分別
工程の第二の改良法は、非還元変性溶媒中のゲル濾過ク
ロマトグラフィーカラム(セファクリルS−200)から
より狭い分子量域にあるタンパク質画分を溶出して、そ
の画分をプールすることである。S−200カラムを用い
ると骨形成活性は、25,000〜38,000ダルトン分子量域に
対応する範囲に溶出するが、これに反しP3タンパク質精
製に使用したγ Iとγ IIプールは、14,000〜25,000ダ
ルトンの分子量域を移動するP3タンパク質中の主要免疫
原決定因子に対抗すべき抗体と免疫反応性のある14,000
〜40,000ダルトンの分子量を持った物質に対応した。
(第8図) これらの改良を加えた方法により、骨形成活性は、P3
族の関連タンパク質の溶出に用いたアセトニトリルと同
濃度のアセトニトリルで、逆相HPLCカラムから溶出す
る。S−200活性プール(25,000〜38,000ダルトンの分
子量域で溶出する)の逆相HPLCでは、追加分別工程また
は異なる分別工程を用いて細分別できるP3タンパク質成
分をさらに分離できる。
DEAEイオン交換クロマトグラフィーカラム(ファーマ
シアケミカルス、ニュージャージー)を用いて25,000〜
38,000ダルトンタンパク質の、骨形成活性プールを分別
すると、pH6.5では骨形成活性はDEAEカラムに結合せ
ず、DEAEカラムに結合する物質から単離し得ることが判
明した。クロマトフォーカシングカラム(ファーマシア
ケミカルス、ニュージャージー)を使って、骨形成活性
タンパク質製剤をさらに分別すると、見かけのpH7.5あ
るいはそれ以上で活性が回復した。このP3タンパク質中
の骨形成活性分子の継続した精製処理もまた、骨形成活
性がTGF−βおよびTGF−β免疫反応性物質とは相違して
いることを示した。結合している骨形成活性はpH6.8で
平衡化しているモノ−S FPLC(高速タンパク質液体クロ
マトグラフィー)カラム(ファーマシアケミカルス、ニ
ュージャージー)に結合し、TGF−βまたはTGF−β免疫
反応性物質を溶出するのに用いたのより高濃度の塩化ナ
トリウムで溶出することができた。モノ−Sカラムから
再度溶離したS活性プール中の骨形成活性が、P3タンパ
ク質を溶出するのに要したアセトニトリルと同濃度のア
セトニトリルで、逆相HPLCカラムから溶出する特徴も判
明した。
実施例2:ウシの骨形成因子を精製する代替法 この実施例では、多量の骨粉末からP3タンパク質の骨
形成活性31,000〜34,000ダルトン成分を完全に精製する
代替法を例示し、22,000〜24,000ダルトンの主要タンパ
ク質成分が実質的に存在していなくともP3タンパク質の
少数成分であるタンパク質成分が骨形成活性を有するこ
とを示す。この実施例では、ウシの骨形成因子を第9図
に示す方法に従って脱塩子牛骨粉末から単離する。約20
0ポンドの子牛骨の骨幹部から結合組織を削り落とし、
骨髄を除去した。骨髄除去部を粉末にして、約2,100リ
ットルの冷脱イオン水で洗浄した。骨粉末は洗浄中に沈
澱させ、懸濁結合組織切片は、上澄み液で除去、廃棄し
た。
骨粉末を、0.5M冷塩酸の総量約570リットル中に約2
時間懸濁してから、沈澱させた。塩酸を上澄み液で除去
し、廃棄した。残留塩酸は、約700リットルの脱イオン
冷水で骨粉末を洗浄し、次に約350リットルの0.1M,pH7
の冷トリス溶液で骨粉末を洗浄し、除去した。脱塩骨粉
末(脱塩骨)沈澱させて、上澄み液を廃棄した。
脱塩骨粉末はpH7の0.01Mトリスおよび0.001M EDTAを
含有する約140リットルの4M冷塩酸グアニジン中に約20
時間懸濁した。抽出骨粉末を濾過して取り除き廃棄し
た。この上澄み液(グアニジン抽出物)を貯えておく。
グアニジン抽出物を100,000ダルトンの平均分子量分
離するアミコン螺旋形カートリッジに通して濾過した。
この100,000ダルトン濾液(100K濾液)を10,000ダルト
ンの分子量分離するアミコン螺旋形カートリッジを通し
て濃縮した。10,000ダルトン保持物(10K保持物)を採
り、pH値、導電率、BCA比色タンパク質分析法(ピアス
ケミカルス、ロックフォード、イリノイ)による総タン
パク質量、還元SDS−PAGEとそれに続く銀染色またはク
ーマシーブルー染色を用いた製剤中のタンパク質成分の
分析、および下記実施例3に記述するラット移植検定法
を用いた骨形成活性の測定等の分析を行なった。
10K保持物は、10,000ダルトンの分子量分離するアミ
コン螺旋形カートリッジによる直径濾過により、2−
(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(MES)、pH6.5
を50mM含有する尿素6Mにと変換された。
直径濾過した抽出物は5M水酸化ナトリウムを用いてpH
6.5、5M塩化ナトリウムを用いて導電率10mS/cmに調整さ
れて、pH6.5のMESを50mM含有し、導電率を19mS/cmに調
整した6M尿素で平衡化した0.4リットルS−セファロー
スカラム(ファーマシアケミカルス、ニュージャージ
ー)へ適用した。カラムをpH6.5のMES 50mMを含有する
導電率10mS/cmに調整した尿素6.5M,2.4リットルで洗浄
して、未結合タンパク質を溶出した。S−セファロース
活性プール(SSプール)は、pH6.5のMESを50mMと0.5の
塩化ナトリウムとを含有する6.0M尿素1.2リットルで溶
出した。S−セファロース活性プールを、10,000ダルト
ンの平均分子量分離する膜フィルターを用いて濃縮し
た。製剤のpH値と導電率を測定し、総タンパク質含有量
はBCAタンパク質分析法で測定したタンパク質組成はSDS
−PAGE法、そしてそれに続く銀染色法により分析し、骨
形成活性はラット移植検定法を用いて測定した。
S−セファロース活性プールは、pH9.5のエタノール
アミンを20mM含有する尿素6Mで均衡している3リットル
セファデックスG−15カラム(ファーマシアケミカル
ス、ニュージャージー)を用いてゲル濾過した。活性プ
ール(G−25プール)を含有する最初のタンパク質ピー
クは、pH9.5のエタノールアミン20mM含有の6M尿素3リ
ットルで溶出された。
G−25プールをpH9.5のエタノールアミン20mMを含有
する6M尿素で平衡化している0.7リットルQ−セファロ
ースカラム(ファーマシアケミカルス、ニュージャージ
ー)に適用した。カラムをpH9.5のエタノールアミン20m
Mを含有する6M尿素2.1リットルで洗浄して未結合タンパ
ク質を溶出した。骨形成活性タンパク質プール(QSプー
ル)をpH9.5のエタノールアミン20mMと0.2M塩化ナトリ
ウムとを含有する6M尿素1.4リットルを用いてQ−セフ
ァロースカラムから溶離した。QS−プールを氷酢酸でpH
6〜7に調整し、約10,000ダルトンの分子量分離する膜
フィルターを用いて濃縮した。QSプールのpH値と導電率
を分析し、BCAタンパク質分析法により総タンパク質含
有量を測定し、還元SDS−PAGE、それに続く銀染色法に
より、タンパク質組成を分析し、骨形成活性をラット移
植検定法により測定した。
QS−プールを次に、体積で70%の緩衝液A(緩衝液A:
トリフルオロ酢酸0.05%の水溶液)および30%の緩衝液
B(緩衝液B:トリフルオロ酢酸0.025%のアセトニトリ
ル溶液)とを含有する緩衝液で平衡化している製剤C−
18HPLCカラムに適用した。結合タンパク質は、30〜60%
のアセトニトリルの直線勾配を用いて、120分で溶出さ
れた。以前に実施例1のP3タンパク質を特徴づけたよう
に、骨形成活性(製剤HPLCプール)は、35〜45%の濃度
のアセトニトリルで溶出した。製剤HPLCプールを凍結乾
燥し、1mlの水に再懸濁した。この製剤HPLCプールのpH
値、導電率を分析し、BCAタンパク質検定法により総タ
ンパク質含有量を測定し、還元SDS−PAGE、それに続く
銀染色法により、タンパク質組成を分析し、骨形成活性
をラット移植検定法により測定した。
製剤HPLCプールは、pH7.5〜8.0のトリス50mM、エタノ
ールアミン20mMおよび塩化ナトリウム0.5Mを含有する尿
素6M中で、タンパク質濃度0.5mg/mlに調製されて、Cu2+
で帯電し、pH7.5〜8.0のトリス50mM、エタノールアミン
20mMおよび塩化ナトリウム0.5Mを含有する尿素6Mで均衡
している5〜10mlのキレートセファロース6Bカラム(フ
ァーマシアケミカルス、ニュージャージー)に適用され
た。カラムを、5カラム量の平衡緩衝液、次いでpH7.4
〜7.8のトリス50mMを含有する10カラム量の尿素6Mで洗
浄して、未結合タンパク質を溶出した。結合タンパク質
は、ph7.4〜7.8のトリス50mMとイミダゾール4mMとを含
有する10カラム量の尿素6Mで溶出された。骨形成活性
(CCプール)は、pH7.4〜7.8のトリス50mMとイミダゾー
ル15mMとを含有する10カラム量の尿素6Mにより、銅キレ
ートカラムから溶出された。CCプールの総タンパク質量
を、280nmでの吸光度で分析し、骨形成活性をラット移
植検定法により測定した。
CCプールを25%硫酸アンモニウムに調製し、25%硫酸
アンモニウムとpH7.4〜7.8のトリス50mMとを含有する尿
素6Mで平衡化した1〜3mlフェニルーセファロースカラ
ム(ファーマシアケミカルス、ニュージャージー)に適
用した。カラムを25%硫酸アンモニウムとpH7.4〜7.8の
トリス50mMとを含有する10カラム量の尿素6Mで洗浄し、
未結合タンパク質を溶出した。結合タンパク質は、15%
硫酸アンモニウムとpH7.4〜7.8のトリス50mMとを含有す
る10カラム量の尿素6Mで溶出された。骨形成活性(PSプ
ール)はpH7.4〜7.8のトリス50mMを含有する尿素6Mでフ
ェニルーセファロースカラムから溶出して、総タンパク
質量を280nmでの吸光度から算出して分析し、骨形成活
性をラット移植検定法により測定した。
PSプールを、上述の体積70%緩衝液Aと30%緩衝液B
(緩衝液Aは0.05%トリフルオロ酢酸の水溶液、緩衝液
Bは0.025トリフルオロ酢酸のアセトニトリル液)とを
含有する緩衝液で平衡化している準製剤用または分析用
C−18HPLCカラムに適用した。結合タンパク質は、30〜
60%アセトニトリルの直線勾配を用いて溶出した。前述
したのと同様、骨形成活性(HPLCプール)は、濃度35〜
45%のアセトニトリルで溶出した。HPLCプールの総タン
パク質量は、229nmでの吸光度から算出して分析し、骨
形成活性は、ラット移植検定法を用いて測定した。
ウシの骨形成因子の特徴 下記の実施例では、ウシの骨形成因子製剤の特徴を種
々の方法により明らかにする。
実施例3:生物学的活性 骨基質の誘導は、セン、ウォーカーおよびエイナーソ
ンが1986年に一般的に著したような、ラット移植検定法
により測定する。「軟骨と骨基質の発達と疾病」著者A.
センおよびT.ソーンヒル、pp.201〜220,Alan R.Liss,Ne
w York and Sampath and Reddi,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,80:6591−6595(1983)。約70〜100mgの不活性骨基質
(骨コラーゲン)を骨形成タンパク質製剤の水溶液と混
合し、凍結乾燥により水分を取り除く。乾燥被覆顆粒を
セラチンカプセル(Eli Lilly #5)に詰め、各カプセ
ルを雄ロング・エバンスラットの後脚部の大腿筋付近に
皮下移植した。移植ラットは、移植後21〜28日で解剖
し、移植組織を摘出してブイヨン液に入れた。次に試験
片を脱石灰してトルイジンブルー染色断面を作成した。
染色断面検査により組織形態学と骨化率を測定した。発
生能は、不活性骨基質に染色断面積の少なくとも10%に
類骨活性が発生するまでの移植に要したタンパク質量
(mg)により決定された。
上記第3表に、実施例2の精製工程を用いて得た各種
骨形成活性タンパク質の製剤の発生能向上の様子を示す
が、これによるとHPLC活性プールは、0.001mg/移植の発
生能を有し、これは実施例1の方法により製造したP3タ
ンパク質よりもかなり高い値である。
実施例4:骨形成活性の分子量算出 実施例2に記載した各種精製工程を用いて得た骨形成
活性タンパク質製剤を、SDS試料希釈緩衝液(還元剤不
在下で)に懸濁し、10%SDSポリアクリルアミドゲルに
適用し、電気泳動を行なった。初期染色分子量基準(ベ
セスダ研究所、ガイザースバーグ、メリーランド)ある
いは、非初期染色分子量基準(バイオ・ラッド、リッチ
モンド、カリフォルニア)と比較して、分子量を決定し
た。終了後、ゲルレーンを薄く切って細片した。各細片
を電気溶出してタンパク質を抽出した。溶出タンパク質
はアセトンで沈澱させ、塩酸グアニジン中に再懸濁し
て、水で透析し、次に不活性骨基質上で凍結乾燥して、
実施例3の骨形成活性分析をするためにラットに移植し
た。このゲル方法では、骨形成活性は見かけの分子量域
28,000〜34,000ダルトン相当のゲル細片から溶出した。
実施例5:精製骨形成因子の分子量 実施例2のHPLC活性プールで得た、精製骨形成活性タ
ンパク質を、還元剤不存在下(−DTT)でSDS希釈緩衝液
中に懸濁し、12.5%または15%SDSポリアクリルアミド
ゲルを用いて電気泳動して、タンパク質帯を銀染色によ
り視覚化した。分子量は非初期染色分子量基準(バイオ
−ラット)と比較して定めた。このゲル方法により、HP
LC活性プールは、分子量域31,000〜34,000ダルトン内で
移動するタンパク質帯を含むことが判明した(第10A図
参照)。
実施例6:還元条件下での精製骨形成因子の分子量測定、
および還元サブユニットの精製 HPLC活性プール中の精製骨形成活性タンパク質を別の
分析方法、すなわちジスルフィド結合で結合されたタン
パク質サブユニットを還元剤(ジチオスレイトールまた
はβ−メルカプトエタノール)存在下、SDS希釈緩衝液
中でこれら結合を還元して分解し、12.5%または15%SD
Sポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動する分析法
に適用した。分子量は非初期染色分子量基準(バイオ−
ラッド)と比較して定めた。このゲル方法により、HPLC
活性プールには分子量域16,000〜17,500および17,500〜
19,000ダルトンの2つの広域帯を移動するタンパク質が
あることが判明した(第10B図参照)。
HPLC活性プールは、ジスルフィド結合を還元するため
に塩酸グアニジン中に6M、エタノールアミン中に50mM、
そしてジチオスレイトール中に50mMの濃度で置かれた。
還元されたサンプルを、少なくとも2倍の水あるいは0.
05%トリフルオロ酢酸水溶液で希釈し、前述の体積比70
%緩衝液Aと30%緩衝液B(緩衝液Aは0.05%トリフル
オロ酢酸水溶液、緩衝液Bは0.025%トリフルオロ酢酸
のアセトニトリル液)からなる緩衝液で平衡化している
分析用C−18HPLCカラムに適用した。結合タンパク質は
30%〜60%アセトニトリル直線勾配を用いて、60分で溶
出された。A、B、CおよびDと称するタンパク質の4
つの顕著なピークが229nmでの紫外線吸光度を観察する
ことにより検出されたが、これらは、40〜47%アセトニ
トリル濃度で溶出された(第11A図参照)。還元SDSゲル
電気泳動、及び銀染色で分析した時、還元サブユニット
Aは、17,500〜19,000ダルトンの分子量域、還元サブユ
ニットBは、16,000〜17,500分子量域、還元サブユニッ
トCは、17,500〜19,000分子量域、そして還元サブユニ
ットDは、17,000〜19,000分子量域を移動していた(第
11B図参照)。
実施例7:ウシの骨形成活性タンパク質P3 OF 31−34のア
ミノ酸配列 実施例6に開示したHPLC活性プールから精製した、単
離還元サブユニットを、気相アミノ酸配列分析装置(ア
プライドバイオシステム、470A型)を用いて分析し、下
記の末端アミノ酸配列を有することが判明した。
ここでアミノ酸は、下記第4表に示す周知の1文字表
記および3文字表記で示される。
単離サブユニットBのアミノ端末配列は検出不能であ
った。サブユニットBをStaph V8プロテアーゼで分解
し、HPLCで再度クロマトグラフ処理をすると、下記のア
ミノ酸配列を有する2種の検出可能な内部断片が単離さ
れた。
ここでXは、不明のアミノ酸を表わす。
実施例8:移植用骨形成組成物 本発明の骨形成製剤は、哺乳類へ移植する骨形成組成
物を製造するのに用いる。実施例2の製剤HPLCプール
は、1種またはそれ以上の様々な生理学的に許容可能な
基質と混合してもよい。該基質は、吸収性、非吸収性ま
たは不完全吸収性でもよい。吸収性基質には、ポリ乳
酸、ポリカプロ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、
パリス軟膏および種々の熱可塑性重合体物質がある。非
吸収性材料としては、ハイドロキシアパタイトがあり、
不完全吸収性材料には、リン酸トリカルシウム等の基質
がある。製剤HPLC活性プールは、顆粒状または固形状の
基質に吸着する。骨形成組成物は次に凍結乾燥により、
乾燥される。
実施例9:骨形成製剤に被覆された装置 本実施例では、骨形成活性タンパク質を含む実施例2
の製剤HPLC活性プールを用いて、骨欠損の治癒に有効
な、骨形成活性装置を作製した。製剤HPLC活性プール
を、多孔性ハイドロキシアパタイト板(インターポア20
0、インターポアインターナショナル、アービン、カナ
ダ)あるいは多孔性ポリ乳酸板(ドリラック、OSMED、
コスタメサ、カナダ)を含む固形誘導基質に吸着させ
て、装置を作製した。直径8〜10mm、厚さ3mmの板の基
質上に凍結乾燥により乾燥させた製剤HPLC活性プール0.
2〜0.3mgを被覆した。次に装置を3.3〜3.5Mラッドのγ
線照射、あるいは他の適当な方法で滅菌した。骨形成製
剤と基質とを含む装置を、体重2.5〜3.0kgのニュージー
ランド・アルビノ雌ウサギの骨穿孔欠損部位に移植し
た。詳細に述べると、骨形成製剤被覆または非被覆試験
装置を、適当な無菌外科術により頭蓋冠に移植した。実
験動物に、ケタミンとキシラジンの筋肉注射をして麻酔
をかけた。中央切開部に沿って頭蓋冠を露出させ、2つ
の穿孔穴を(中心線の片側に各1個)、眼窩の5mm後
方、直径8〜10mm、硬膜までの深さで、頭蓋冠に開け
た。穿孔欠損は、スタイル頭蓋用ドリルを用い、硬膜を
損傷せぬよう十分に注意して作成した。一方の穿孔穴に
1つの試験装置を移植し、もう一方の穴は空のままにし
ておいた。外科的移植の次に、ペニシリンとストレプト
マイシンの抗生物質予防法が施された。実験動物は毎日
臨床観察を受けた。外移植の際、頭蓋冠は一括して切除
した。試験片を10%緩衝ホルマリンに浸し、石灰質を除
いた後ヘマトキシリンおよびエオジン染色断面を作製し
た。組織形態学および骨化率の定量は、染色断面を検査
して行なった(下記第5表参照)。活性の百分率面積
は、全断面中の骨基質不在の全視野と比較して新生骨基
質の視野または視野分画を肉眼で判断して算出する。
実施例10:P3 OF 31−34のCNBr断片のアミノ酸配列 HPLC活性プール(実施例6)から精製した単離還元サ
ブユニットを、二フッ化ポリビニール(PVDF)転移膜
(Millipore社、米国、マサチューセッツ州、ベッドフ
ォード)に吸着させ、70%蟻酸溶液中の80ml/CNBrの蒸
気に15〜20時間さらし、気相アミノ酸分析装置を用いて
配列を決定した。第4表に周知の1文字表記法によりそ
のアミノ酸配列を示す。
サブユニットA:CNBrで開裂した後、実施例7に記載の
末端アミノ配列に対応するいくつかの断片のアミノ酸配
列決定と同時に生じた配列。
および内部断片: サブユニットB:CNBrで開裂した後、2つの内部断片のア
ミノ酸配列決定と同時に生じた配列。
Staph V8プロテアーゼで切断したサブユニットBの断片
の配列(実施例7)と比較した時、B1とB2断片は重複領
域をもっており、サブユニットB内に伸長内部配列があ
る。
サブユニットD:CNBrで開裂した後、実施例7に記載し
たアミノ末端配列に対応するいくつかの断片のアミノ酸
配列決定と同時に生じた配列。
および内部配列: HPLC活性プール(実施例6)から精製した単離還元サブ
ユニットCをPVDF転移膜に吸着させて、気相アミノ酸配
分析装置を用いて末端アミノ配列の決定を20サイクル行
ない、CNBr蒸気で開裂し、次いで気相アミノ酸配分析装
置を用いて配列の決定をした。サブユニット C:CNBrで
切断した後下記内部配列を得た。
C1:LYLXEYDXVVLXNYQ ウシの骨由来のサブユニットA、B、CおよびDのア
ミノ末端配列と内部配列は、BMP−2A、BMP−2BおよびVg
r−1と称するポリペプチドをコードするcDNAクローン
の推定アミノ酸配列の相同配列と並べることができる
(第12図)。BMP−2A、BMP−2B(Wozneyら、Science、
第242巻、第1528〜1534頁、1988年)およびVgr−1(Ly
onsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、第86巻、第4554〜455
8頁、1989年)の推定配列の相同領域は箱わくで囲んで
ある。BMP−2A、BMP−2BおよびVgr−1の推定配列と比
較した、ウシのサブユニットA、B、CおよびDの配列
中の相同残基を肉太活字で示してある。サブユニットB
とCの配列と、BMP−2AとBMP−2Bの配列との類似性と差
異を比較した結果、ウシのサブユニットBはBMP−2Aと
同じ配列をもっており、一方ウシのサブユニットCはBM
P−2Bと同じ配列をもっていることが分かった。
実施例11:精製骨形成活性タンパク質P3 OF 31−34のサ
ブユニット組成物 HPLC活性プール(実施例5)内で溶出され、骨形成活
性タンパク質P3 OF 31−34(第13A図)を含有する、各
画分を、還元剤なしで、SDSポリアクリルアミドゲル電
気泳動法で分析した(第13B図)。第13A図は、PSプール
の逆相C18カラムを用いる高速液体クロマトグラフィー
で得た溶出プロフィルを示す。第13B図は、PSプールの
逆相HPLC由来の画分26、27および28中に溶出するP3 OF
31−34タンパク質の非還元SDSポリアクリルアミドゲル
電気泳動図を示す。これら各画分を、50mMエタノールア
ミンと6Mの塩酸グアニジン中の50mMジチオレイトールで
ジスルフィド結合を還元し、C18HPLCカラムを用いるク
ロマトグラフィー(実施例6に記載したように)で、さ
らに(第14図)分析した。第14A図は、PSPSプールの逆
相HPLCの画分26中に溶出するP3 OF 31−34タンパク質の
サブユニットを単離し同定した結果を示し、一方第14B
図は、画分28中に溶出するP3 OF 31−34タンパク質を単
離し同定した結果を示す。サブユニットA、B、Cおよ
びDは図中に実線で示してある。P3 OF 31−34領域の底
辺部のバンド(第13B図のバンドI)を含有する試料で
ある画分26は、主にサブユニットBとDを含有し、サブ
ユニットAとCを少量含んでいることが分かった。P3 O
F 31−34領域の最上部のバンド(第13B図のバンドII)
と少量のバンドIを含む試料である画分28は、サブユニ
ットBの相対量と比べて、サブユニットAとCの量が増
大し、サブユニットDの量が減少していることが分かっ
た。
HPLC活性プール内で溶出され、骨形成活性タンパク質
P3 OF 31−34を含有するこれら各画分は、還元剤なしで
(−DTT)12.5%SDSポリアクリルアミドゲルの電気泳動
法に適用し、次に10%メタノール、10mMシクロヘキシル
アミノ−1−プロパンスルホン酸(pH10−11)の存在
下、0.5ampで15〜30分間、電気泳動して、二フッ化ポリ
ビニール(PVDF)転移膜に転移させ、次いでクーマシー
ブリリアントブルーR250で染色して視覚可した。P3 OF
31−34領域中のバンドI(下方位置)およびバンドII
(上方位置)個々のタンパク質のバンドを前記の膜から
切取り、まずN末端配列の決定を行ない、次に実施例10
と同様にしてCNBr処理して内部配列を決定した。これら
の方法によってバンドIとIIの下記の配列が明らかにな
った。
上記の表中、アミノ酸は、第4表に示した周知の一文
字表記法で示す。
これらの結果から、バンドIすなわちP3 OF 31−34タ
ンパク質の底辺部のバンドが主にサブユニットDとBを
含み、バンドIIすなわちP3 OF 31−34タンパク質の最上
部のバンドは主にサブユニットAとBを含むことを示し
ている。これらの組成と、これらサブユニットが、精製
P3 OF 31−34タンパク質中にジスルフィドで結合したダ
イマーとして精製された(実施例5と6)という観察結
果から、サブユニットAとBはヘテロダイマーとしてジ
スルフィド結合したヘテロダイマーであり、サブユニッ
トDとBは別個のジスルフィド結合したヘテロダイマー
であることを示している。
実施例12:骨形成活性タンパク質P3 OF 31−34に対する
ポリクローナル抗血清 サブユニットAもしくはDを含むタンパク質に特異的
な抗血清を、米国、カリフォルニア州、ベルモントのPe
ninsula Laboratoriesから入手した下記の合成ペプチド
に対して生成させた。
抗血清は、ウサギ(3〜6月齢のニュージーランド白
ウサギの雄)にまず完全フロイントアジュバントを用い
て皮下注射し、その後(14日後と21日後)に不完全フロ
イントアジュバントを用いて皮下注射し、次いで採血す
る標準法によって調製した。
AbANtとAbDNtの抗血清は、ELISA法もしくはDotブロッ
ト法に適用した時、合成ペプチド抗原類と交差反応性で
あり、またウエスタンブロット法に適用した時は還元サ
ブユニットAとDと交差反応性であった。またAbANtとA
bDNtの抗血清は、ELISA法、ウエスタンブロット法もし
くはDotブロット法に適用した時、骨形成活性タンパク
質P3 OF 31−34と交差反応性であった。これらの抗血清
は、精製サブユニットBとサブユニットCに対してウエ
スタンブロット分析法とDotブロット分析法で決定した
いかなるサブユニットBもしくはサブユニットCとも非
交差反応性である。
実施例13:P3中におけるP3 OF 31−34タンパク質の存在 P3中に含まれるタンパク質を、実施例1、第2図及び
第3図に記載したようにして単離し、セファロースS−
200を用いるゲル濾過法と0.1%TFAと10%ACNで平衡化し
たProtesil 300オクチルカラムを用いる逆相HPLCを用い
て精製した。得られたタンパク質を、還元剤(+DTT)
の存在下SDS希釈緩衝液中に懸濁させ、12.5%もしくは1
5%のSDSポリアクリルアミドゲルの電気泳動(SDS−PAG
E)に適用した。ゲルに含まれているタンパク質を、ク
ーマシーブリリアントブルーを用いて視覚化するか、あ
るいは10%メタノール、10mMシクロヘキシルアミノ−1
−プロパンスルホン酸(CAPS)(pH10−11)の存在下、
0.5ampで15〜30分間電気泳動してニトロセルロースに転
移させた。ニトロセルロースフィルターを、サブユニッ
トA(AbANt)とサブユニットD(AbDNt)のN末端配列
の合成ペプチドに対して生成させた抗体を用いて、ウエ
スタンブロット分析に適用した。
タンパク質を含有するニトロセルロース紙を、(20mM
リン酸塩pH7.4;0.15M塩化ナトリウム;0.05%ツィーン2
0;0.25%ゼラチン;および0.02%アジ化ナトリウムを含
む)溶液指定緩衝液P中に、攪拌しながら22℃で最低1
時間置いておいた。
次いで緩衝液Pを(緩衝液Pと抗体AbANtとAbDNtを含
む)緩衝液Qに取り替えて、22℃で最低1時間(または
4℃で一夜)置いておいた。緩衝液Qを緩衝液Pで取り
替え、該緩衝液Pは、最低限1時間に4回新しいものと
取り替えた。緩衝液Pを緩衝液R(緩衝液Pと125Iプロ
テインA(2.5×105cpm/ml)、Amersham社)に取り替
え、攪拌しながら22℃で1時間培養した。緩衝液Rを緩
衝液Pに取り替え、この緩衝液を1時間の培養中少なく
とも4回取り替えた。
濡れたニトロセルロースフィルターをプラスチックラ
ップの間に遮光物とX線フィルム(Dupon Cronex、米
国、デラウェア州、ウィルミントン)と共にはさんで、
耐光ホルダーに封入し、−70℃で適当な時間静置した。
露光したフィルムを標準法と標準装置を用いて現像した
ところ、第15図に示したオートラジオグラフは、P3の画
分中にサブユニットAおよび/またはDが存在すること
を示した。
実施例14:ウシの骨形成活性タンパク質P3 OF 31−34の
グリコシル化 還元サブユニットAとDを実施例6に開示したHPLC活
性プールから精製し、これを、ペプチド−N4(N−アセ
チル−β−グルコサミニル)アルギニンアミダーゼ(N
−グリカナーゼ、Genzyme)とエンド−β−アセチルグ
ルコサミニダーゼH(エンドH、Genzyme)を該酵素の
使用方法に従って用いて分解した。これらエンドグリコ
シダーゼによる分解前後の還元サブユニットの相対分子
量を、15%SDSポリアクリルアミドゲルの電気泳動、次
にAbANtとAbDNtと称する抗体を用いたウエスタン分析に
より測定した。第16図は、エンドHもしくはN−グリカ
ナーゼで処理した前後の還元サブユニットAとDの還元
SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示す。グ
リコシダーゼで処理した前後の単離還元サブユニットA
のウエスタンブロット分析の結果を第16図のパネルAに
示す。グリコシダーゼで処理した前後の単離還元サブユ
ニットDのウエスタンブロット分析の結果を第16図のパ
ネルDに示す。分解されたサブユニットAとDが各々、
相対分子量が約17,500〜19,000ダルトンから14,000〜1
6,000ダルトンに低下しているのは、サブユニットAと
DがエンドHもしくはN−グリカナーゼの分解作用に対
して敏感な、アスパラギン結合した炭水化物を含むこと
を示している。
実施例15:ウシの骨形成活性タンパク質P3 OF 31−34の
サブユニットDに相同性のタンパク質をコードするヒト
cDNA配列の同定 特定の配列のタンパク質に相同性のタンパク質をコー
ドするヒトDNAの配列を同定するのに、各種の方法を用
いることができる。これらの方法には、ヒトDNA、ヒト
ゲノムライブラリーおよびヒトcDNAライブラリーのスク
リーニング法が含まれている。ヒトDNA配列に完全に相
補的なプローブ;特定のタンパク質配列をコードする可
能性のあるDNA配列のすべてもしくは一部に相補的なプ
ローブの混合物;特定のタンパク質配列をコードする可
能性のあるDNAのすべてに相補的な可能性のある配列す
べてを合成する変性プローブ;およびデオキシイノシン
三リン酸のようなヌクレオチド類似体を用いて合成した
変性プローブ等の各種オリゴヌクレオチドプローブを用
いることができる。この実施例において、ウシの骨形成
活性タンパク質P3 OF 31−34のサブユニットDに相同性
のタンパク質をコードするヒトcDNAの配列を増幅するの
に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いた。
U−2 OS細胞からのcDNAの調製 ヒトの骨形成肉腫細胞系U−2 OSをATCC(American T
ype Culture Collection、米国、メリーランド州、ロッ
クビル)から入手し、10%の子ウシ胎児血清と、1%の
グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシンとを補充
したMcCoyの5a培地内に置いた。特に注釈がなければ、D
NA操作法、用語の定義および緩衝液と溶液の組成は、Ma
niatis,T.ら、Molecular Clonin:A Laboratory Manual
(1982年)の記載に従った。ポリ(A)+RNAを、Invitr
ogen社(米国、カリフォルニア州、サンジエゴ)から入
手したFast Track−mRNA単離キットを用いて、U−2 OS
細胞から単離した。mRNAの最初の鎖状cDNAのコピーが、
Bethesda Research Laboratories社(BRL、米国、メリ
ーランド州、ガイサースバーグ)から入手したAMVリバ
ーストランスクリプターゼシステムIを用い、プライマ
ーとしてオリゴ(dT)を用いることによって生成させ
た。各反応には、8つのポリメラーゼの各連鎖反応(PC
R)DNA増幅反応における鋳型として用いた最初の鎖状cD
NAに逆転写されたポリ(A)+RNA1μgを用いた。cDNA
の合成に続いて、RNAを50mM水酸化ナトリウムで65℃に
て処理して加水分解し、次いで0.2N塩酸で中和した。
PCR増幅 R.K.Saikiら、Science、第239巻、第487〜4911頁、19
88年に記載されているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
を、上記のようにして調製したU−2 OS cDNAからDNAを
増幅するために用いた。PCR用のオリゴヌクレオチドプ
ライマーを、自動DNA合成装置で合成し、ウシサブユニ
ットDのアミノ末端配列と内部アミノ酸配列から誘導し
た。ODM−1と称される5′PCRプライマーは、ウシサブ
ユニットDのアミノ末端の最初の11個のアミノ酸の配
列、すなわちSTGGKQRSQNRに一致した。この32マーは、
この配列のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列の可
能性のあるすべての組合せを有し、400万倍の縮重より
大きい。OMD−1のヌクレオチド配列は、5′−〔T/A〕
〔C/G〕NACNGGNGGNAA〔G/A〕CA〔G/A〕〔C/A〕GN〔T/
A〕〔C/G〕NCA〔G/A〕AA〔C/T〕〔C/A〕G−3′であっ
た。括弧をつけたヌクレオチドは2者のいずれかである
ことを示し、“N"はA、C、TおよびGのいずれかであ
ることを示す。
3′PCRプライマーは、ウシサブユニットDの内部配
列、すなわちNHAIVQTLVHFINと一致し、逆の相補的配列
として合成した。このオリゴヌクレオチドプライマーは
ODB−1と称され、下記の配列5′−TTTTTTTTGGATCC〔G
/A〕TTXAT〔G/A〕AA〔G/A〕TGXACXA〔G/A〕XGT〔C/T〕T
GXACXATXGC〔G/A〕TG〔G/A〕TT−3′を持っていた。括
弧内のヌクレオチドは2者のいずれかであることを示
し、“X"は4つのヌクレオチド全部(A,C,Tもしくは
G)が用いることができる位置に置かれるヌクレオチド
類似体デオキシイノシン三リン酸(dITP)を示す。この
配列は、5′末端に8個のTからなる配列が先行し、こ
れにBamH I認識部位と称される配列GGATCCが続き、次い
で、ウシサブユニットDの内部アミノ酸配列に対応する
39のヌクレオチドからなる配列が続く。
これら2つのプライマーを用いて行なう、ウシサブユ
ニットDに相同性のタンパク質をコードするDNA配列の
増幅は、Prekin−Elmer Cetus Gene Amp DNA Amplifica
tion Reagent Kit(Perkin−Elmer Cetus、米国、コネ
チカット州、ノーウォーク;またはUnited States Bioc
hemical Corporation、米国、オハイオ州、クリーブラ
ンドから入手)を利用して行なった。PCR反応は、1μ
gの各プライマーODM−1とODB−1、合成されたU−2
OSの最初の鎖状cDNAの1/8(約25〜50ng)、200μMの各
dNTP、および50mM塩化カリウム、1.5mM塩化マグネシウ
ム、0.1%(w/v)ゼラチンからなる前記キットの反応緩
衝液中の2.5UのAmpli−Taq DNAポリメラーゼを含んでい
た。PCRとしては、94℃で1.5分間の変性、50℃で2分間
のアニーリングおよび72℃で3分間の伸長からなるサイ
クルを30サイクル行なった。30サイクル後、最後に72℃
で10分間の伸長を行なった。
PCR産物をアガロースゲル電気泳動法で分析したが、
約300bpの増幅DNAの主要バンドを示した。上記ゲル中の
DNAを、Nytranナイロン膜(Schleicher and Schuell、
米国、ニューハンプシャー州、キーン)に、LKB Vacuge
ne Vacuum Blotting Unitを用いて転移させてサザンブ
ロット法を行ない、次にDNAを、Stratalinker(Stratag
ene、米国、カリフォルニア州、ラ・ジョラ)を用いて
前記膜に紫外線で架橋結合させた。この膜を、アミノ酸
配列KTPKNQEALRに相当するプローブを用いて、ウシサブ
ユニットDに相同のタンパク質をコードする増幅配列に
ついて調べた。この配列は、5′PCRプライマーを構築
するのに用いた配列に続くウシサブユニットDのアミノ
末端近くに見出される。それ故このプローブは、増幅に
用いた2つのプライマーのいずれとも重複することな
く、ウシサブユニットDに相同のタンパク質をコードす
る増幅配列とハイブリダイズするであろう。この29マー
のプローブはODibbと称され、配列AAXACXCCXAA〔G/A〕A
A〔C/T〕CAXGA〔G/A〕GCX〔C/T〕TX〔C/A〕Gを持って
おり、配列中の括弧内のヌクレオチドは2者のいずれか
であることを示し、“X"はdITPを示し、これは4つのヌ
クレオチド(A、C、TもしくはG)全部が置かれる可
能性がある位置に用いた。サザンブロットは、ポリヌク
レオチドキナーゼとγ〔32P〕ATPを用いて放射能でラベ
ルしたODibbプローブと、5×SSPE、0.5%SDS、3メデ
ンハート氏液、100μg/mlサケ精子DNA中、42℃でプレハ
イブリダイズさせ、次いで6×SSPE、0.5%SDS中、42℃
でハイブリダイズさせた。ブロットは42℃で、2×SS
C、0.1%SDSで洗浄された。そのブロットのオートラジ
オグラフィは、ODibbが、300bpのPCRで増幅されたDNAと
特異的にハイブリダイズしたことを示した。
実施例16:ウシの骨形成活性タンパク質P3 OF 31−34の
サブユニットDに相同のタンパク質をコードするヒトcD
NAのクローン化と配列決定 5′リン酸を、キナーゼとATPを用いた実施例15のブ
ラント・エンドされたPCR産物に付加し、得られたDNA
を、ベクターpT7T318U(Pharmacia社、米国、ニュージ
ャージー州、ピスカタウエイ)のSma I切断(ブラント
・エンド)部位に連結した。Sma Iで分解し、再連結さ
れたベクターを直線化した後、その組換え体プラスミド
DNAを用いて大腸菌TG1細胞を形質転換した。いくつかの
形質転換体を採取し、ミニ・ライゼート法によってプラ
スミドDNAを精製するのに用いた。これらプラスミドに
含有されている挿入断片の大きさは、制限分析法によっ
て300bpであることが確認された。
7種の異なる形質転換体から得たDNAの配列を、ジデ
オキシ配列決定法(Sequenase,United States Biochemi
cal Corp)により決定した。これらクローンのうち3種
の配列は互いに同一であり、そしてアミノ酸配列に翻訳
した時、それらはウシサブユニットDの配列に相同であ
ることが確認された。PCRで増幅されたDNAの配列は“hO
D"と称され、既知の誘導アミノ酸配列と共に第17図に示
した。両プライマーが縮重して相同領域の正確な配列を
同定できないため、2つのプライマー間のDNA配列だけ
を示してある。ODM−1プライマーに続く最初の34個の
増幅されたヌクレオチドの配列は、ウシサブユニットD
内に先に同定されたアミノ酸配列をコードする。
他の4つの組換え体クローンの配列は、互いに同一で
あるが、hOD増幅配列とは異なり、異なるアミノ酸の配
列をコードしていた。このクローンの集団は“hOE"と称
され、その配列を第18図に示す。第19図は、hODで増幅
された配列とhOEで増幅された配列間の相同性を示し、
この領域におけるヌクレオチドとアミノ酸レベルの同一
性は、69−70%である。第19A図は、PCRで増幅されたhO
D配列とhOE配列の誘導アミノ酸配列間の相同性を示して
おり、図中相同残基は、肉太活字で示してある。最初の
システイン残基に続く領域では、これら2つの配列は、
39/44の同一のアミノ酸を有し、TGF−βファミリーのメ
ンバー間が高度に保たれた領域である。第19B図は、hOD
とhOEと称されたPCRで増幅された配列のヌクレオチド配
列間の相同性を示す。
実施例17:P3 OF 31−34サブユニットの組換え体の発現 完全および部分的P3 OF 31−34サブユニットポリペプ
チド産物とその類似体は、細菌、酵母もしくは哺乳類の
発現システム中の組換えDNA分子を利用して作成でき
る。本発明の単離されたP3 OF 31−34サブユニットから
誘導されたアミノ酸配列に基づく産物をコードするDNA
は、たとえばプラスミド、ファージもしくはウィルス発
現ベクターのような発現ベクターに挿入することができ
る(Vieiraら、Gene、第19巻、第259〜268頁、1982年;Y
oungら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、第80巻、第1194
〜1198頁、1983年;Bitterら、Gene、第32巻、第263〜27
4頁、1984年;Cepkoら、Cell,第37巻、第1053〜1062頁、
1984年;およびGormanら、Mol.Cell.Biol.、第2巻、第
1044〜1051頁、1982年)。
特に、P3 OF 31−34サブユニットDとEはそれぞれ、
第17図と第18図に示すヌクレオチド配列で特徴づけられ
るDNAの発現によって製造することができる。あるい
は、第17図と第18図に示したのと同じアミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列で特徴づけられるDNAを、同
じ目的のために発現ベクターに挿入することができる。
また、これらサブユニットの類似体は、第17図と第18図
に示すヌクレオチド配列の少なくとも80%と、ハイブリ
ダイズする(または遺伝コードの重複がなければハイブ
リダイズする)DNA配列によって調製することができ
る。
出願人らの発明の他の態様として、サブユニットDの
ダイマーと、サブユニットDとサブユニットBのヘテロ
ダイマーからなる骨形成物質の調製法が含まれる。骨形
成活性ダイマーは、生合成工程中においてジスルフィド
結合を形成する同じ細胞中でサブユニットDとサブユニ
ットBをコードする核酸配列を発現させるか、または異
なった細胞中で各サブユニットを別個に発現させ、次い
で発現された各サブユニットを、ジスルフィド結合して
ダイマーを形成させることによって製造することができ
る。サブユニットAのダイマーと、サブユニットAとサ
ブユニットBとのヘテロダイマーも同様に調製すること
ができる。出願人らの方法で単離されたP3 OF 31−34骨
形成製剤と同じ骨形成活性を有する、組換体で製造した
ダイマーとヘテロダイマーからなる骨形成製剤を調製す
ることができる。同様に、サブユニットBと高度に相同
性のポリペプチド、たとえばサブユニットCをサブユニ
ットBの代わりに用いたヘテロダイマーも製造すること
ができる。かような組換え体で製造したポリペプチドと
生理的に許容可能な基質物質とからなる薬学的にとして
許容可能な組成物を調製し、ヒトの骨から単離したポリ
ペプチドと同じ方法で使用することができる。
この発明の好ましい実施態様の前記説明を考慮するこ
とによって、当業者は、この発明する際に、多くの改良
と変更を思い付くことであろう。従って、この発明は、
下記請求の範囲に記載されている発明にのみ限定される
べきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 セン,アラップ アメリカ合衆国 91405 カリフォルニ ア ヴァン ヌイス ヴァノーウエン ストリート 14617 ナンバー 15 (72)発明者 グリンナ,リン アメリカ合衆国 90403 カリフォルニ ア サンタ モニカ ツェンティース ストリート 1044 (72)発明者 ハーシュ,キャロル アメリカ合衆国 11023 ニユー ヨー ク グリート ネック ベイカー ヒル ロード 26 (72)発明者 セオファン,ジョージア アメリカ合衆国 90024 カリフォルニ ア ロス アンジェルス オハイオ ア ベニュー 10905 ナンバー 101 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/51 A61K 35/32 ABJ A61K 38/00 ADT C12N 15/09 ZNA C12P 21/02 BIOSIS(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ(G ENETYX) MEDLINE(STN)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脱塩骨組織からの骨形成タンパク質の単離
    方法であって、以下の工程、すなわち; (a)水性条件下で、骨形成タンパク質を可溶化する可
    溶化剤で脱塩骨組織を処理して、骨形成因子を溶液に抽
    出し、 (b)前記溶液をサイズ分別して、10,000〜100,000ダ
    ルトンの分子量を有するタンパク質の濃縮プールを回収
    し、 (c)前記濃縮プールを、第一のクロマトグラフィーに
    適用し、すなわち、pH6.5、50mM MESを含む6.0M尿素で
    平衡化したS−セファロースカラムから、pH6.5、50mM
    MESと0.5M塩化ナトリウムを含む6.0M尿素で活性画分を
    溶出することによって、タンパク質の活性画分を回収す
    る第一のクロマトグラフィーに前記濃縮プールを適用
    し、 (d)前記工程(c)で回収した活性画分を、緩衝液交
    換工程に適用し、 (e)前記工程(d)で得た活性画分を、第二のクロマ
    トグラフィーに適用し、すなわち、pH9.5、20mMエタノ
    ールアミンを含む6.0M尿素で平衡化したQ−セファロー
    スカラムから、pH9.5、20mMエタノールアミンと0.2M塩
    化ナトリウムを含む6.0M尿素で活性画分を溶出すること
    によって、タンパク質の活性画分を回収する第二のクロ
    マトグラフィーに前記工程(d)で得た活性画分を適用
    し、および (f)前記工程(e)で得た活性画分を、第三のクロマ
    トグラフィーに適用し、すなわち、トリフルオロ酢酸と
    アセトニトリルを含む緩衝液で平衡化したC−18高速液
    体クロマトグラフィーのカラムから、濃度35〜45%のア
    セトニトリルで活性画分を溶出することによって、タン
    パク質の活性画分を回収する第三のクロマトグラフィー
    に前記工程(e)で得た活性画分を適用する、 工程を含む、ことを特徴とする脱塩骨組織からの骨形成
    タンパク質の単離方法。
  2. 【請求項2】前記単離方法が、以下の工程、すなわち; (g)前記工程(f)で得た活性画分を、第四のクロマ
    トグラフィーに適用し、すなわち、Cu2+で帯電させ、か
    つpH7.5〜8.0、50mMトリス、20mMエタノールアミンおよ
    び0.5M塩化ナトリウムを含む6M尿素で平衡化したキレー
    トセファロースカラムから、pH7.4〜7.8、50mMトリスと
    15mMイミダゾールを含む6M尿素で活性画分を溶出するこ
    とによって、タンパク質の活性画分を回収する第四のク
    ロマトグラフィーに前記工程(f)で得た活性画分を適
    用し、 (h)前記工程(g)で得た活性画分を、第五のクロマ
    トグラフィーに適用し、すなわち、pH7.4〜7.8、50mMト
    リスと25%硫酸アンモニウムを含む6M尿素で平衡化した
    フェニルセファロースカラムから、pH7.4〜7.8、50mMト
    リスを含む6M尿素で活性画分を溶出することによって、
    タンパク質の活性画分を回収する第五のクロマトグラフ
    ィーに前記工程(g)で得た活性画分を適用し、および (i)前記工程(h)で得た活性画分を、第六のクロマ
    トグラフィーに適用し、すなわち、トリフルオロ酢酸と
    アセトニトリルを含む緩衝液で平衡化したC−18高速液
    体クロマトグラフィーのカラムから、濃度35〜45%のア
    セトニトリルで活性画分を溶出することによって、タン
    パク質の活性画分を回収する第六のクロマトグラフィー
    に前記工程(h)で得た活性画分を適用する、 工程をさらに含む、請求項1に記載の単離方法。
  3. 【請求項3】骨形成促進剤、すなわち、非還元変性ゲル
    濾過法で31,000〜34,000ダルトンの分子量を示し、さら
    に、水、アセトニトリル、および0.025%〜0.05%のト
    リフルオロ酢酸を含む緩衝液で平衡化した逆相高速液体
    クロマトグラフィーのカラムから、濃度35%〜45%のア
    セトニトリルで溶出して得られることを特徴とする骨形
    成タンパク質を含む骨形成促進剤であって、 該骨形成タンパク質が、少なくとも1つのジスルフィド
    結合で互いに結合された互いに異なる2つのサブユニッ
    トからなるヘテロダイマーを含み、かつ、その還元状態
    で還元ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル
    上で、17,500〜19,000ダルトンまたは16,000〜17,500ダ
    ルトンの分子量のタンパク質と共泳動する少なくとも1
    つのタンパク質サブユニットを含み、 該ヘテロダイマーの一方のサブユニットが、STGGKQRSQN
    RSKTPKNQEAのアミノ末端アミノ酸配列、またはXATNHAIV
    QTLVHFIN(配列中、Xは未決定のアミノ酸を示す)の内
    部アミノ酸配列を含み、および、 該ヘテロダイマーの他方のサブユニットが、LYLDENEK、
    XVVLKNYQDMV、XEKVVLKNYQDMまたはVVEGXGXR(配列中、
    Xは未決定のアミノ酸を示す)の内部アミノ酸配列を含
    む、ことを特徴とする骨形成促進剤。
  4. 【請求項4】STGGKQRSQNRSKTPKNQEAのアミノ末端アミノ
    酸配列を有する前記サブユニットが、アスパラギンが結
    合した炭水化物を含む請求項3に記載の骨形成促進剤。
  5. 【請求項5】前記骨形成タンパク質が、ウシの骨から単
    離されたタンパク質である請求項3または4に記載の骨
    形成促進剤。
  6. 【請求項6】前記骨形成タンパク質が、ヒトの骨から単
    離されたタンパク質である請求項3または4に記載の骨
    形成促進剤。
  7. 【請求項7】前記骨形成促進剤が、哺乳類での骨形成を
    促進する能力を有し、かつ請求項1に記載の方法で調製
    できる請求項3乃至6のいずれかに記載の骨形成促進
    剤。
  8. 【請求項8】哺乳類用骨形成誘導組成物であって、該組
    成物が、請求項3乃至7のいずれかに記載の骨形成促進
    剤の有効量を含む、ことを特徴とする哺乳類用骨形成誘
    導組成物。
  9. 【請求項9】前記組成物が、生理学的に許容可能な基質
    物質と混合して投与される組成物である請求項8に記載
    の組成物。
  10. 【請求項10】前記組成物が、生理学的に許容可能な基
    質物質と混合してなる骨形成促進剤で被覆された構造物
    質を含む用具として投与される請求項9に記載の組成
    物。
  11. 【請求項11】哺乳類用移植組成物であって、該組成物
    が、請求項3乃至7のいずれかに記載の骨形成促進剤
    と、生理学的に許容可能な基質物質とを混合してなる製
    剤を含む、ことを特徴とする哺乳類用移植組成物。
  12. 【請求項12】前記生理学的に許容可能な基質物質が、
    リン酸三石灰、ハイドロキシアパタイト、コラーゲン、
    パリス熱可塑性樹脂の硬膏、ポリ乳酸、ポリグリコール
    酸およびポリカプロ乳酸からなるグループから選択され
    る請求項11に記載の組成物。
  13. 【請求項13】哺乳類用移植用具であって、請求項11ま
    たは12に記載の組成物で被覆された構造物を含む、こと
    を特徴とする哺乳類用移植用具。
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