JP3209672B2 - 液体容器の栓装置 - Google Patents

液体容器の栓装置

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JP3209672B2
JP3209672B2 JP31443295A JP31443295A JP3209672B2 JP 3209672 B2 JP3209672 B2 JP 3209672B2 JP 31443295 A JP31443295 A JP 31443295A JP 31443295 A JP31443295 A JP 31443295A JP 3209672 B2 JP3209672 B2 JP 3209672B2
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    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D47/00Closures with filling and discharging, or with discharging, devices
    • B65D47/04Closures with discharging devices other than pumps
    • B65D47/20Closures with discharging devices other than pumps comprising hand-operated members for controlling discharge
    • B65D47/24Closures with discharging devices other than pumps comprising hand-operated members for controlling discharge with poppet valves or lift valves, i.e. valves opening or closing a passageway by a relative motion substantially perpendicular to the plane of the seat
    • B65D47/248Closures with discharging devices other than pumps comprising hand-operated members for controlling discharge with poppet valves or lift valves, i.e. valves opening or closing a passageway by a relative motion substantially perpendicular to the plane of the seat the valve being opened or closed by imparting a motion to the valve stem

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水筒、魔法瓶等の
液体容器の栓装置、特に、コップ等を使用することな
く、直接口を付けて大量に液体容器内の飲料水を飲むこ
とのできる構造を備えた点に特徴を有する液体容器の栓
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液体容器から蓋を取り外すことな
く直接大量の飲料水を飲むことができるようにした構造
を備えた栓装置は提供されていない。
【0003】参考になる構造としては、例えば、魔法瓶
の栓装置では、図14に示すように、液体容器1の上方
開口部に栓体2を螺合し、該栓体2の内部に弁体3を設
けることにより、液体容器1の内外を連通及び遮断可能
としたものがある(実公昭47ー27233号公報参
照)。前記栓体2には液体容器1の内外を連通する注出
口4が形成され、この注出口4を前記弁体3で開閉する
ようになっている。弁体3はスプリング5を介してその
一部が栓体2の上面中央部から突出している。そして、
液体容器1に蓋体6を螺合し、栓体2に対してこの突出
部分を押し込むことにより、外側から弁体3を押し下げ
て注出口4を閉塞できるようになっている。また逆に、
蓋体6を外すことにより、スプリング5の付勢力で弁体
3を上動させることにより注出口4を開放して注水可能
となっている。
【0004】また、他の参考になる構造としては、例え
ば、水筒の栓装置では、図15及び図16に示すよう
に、液体容器11の上方開口部に螺合した栓体12に開
閉自在に取り付けた蓋体13に、液体容器11の内部に
連通する筒状部14に連通させた軟質材料のストロー1
5を取り付けた構成のものがある(実公平1ー2769
7号参照)。この栓装置では、蓋体13を閉塞した状態
では、ストロー15が筒状部14の上端部で折り曲げら
れて通路を遮断し、開放すれば、ストローが延びて前方
に突出し、内部の飲料水を吸い出すことができるように
なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
栓装置では、開栓時、液体容器1から蓋体6を取り外さ
なければならないので、取扱いに不便である。また、こ
の栓装置では、飲料水を飲むためには、蓋体6を置く
か、両手を使用する必要があるので、できれば片手で操
作できる構造が望まれている。さらに、弁体3をスプリ
ング5の付勢力に抗して下方に押し込むことにより、注
出口4を閉塞する構成となっているので、液体容器1の
内圧が高くなれば、弁体3が押し返されることになり、
注出口4と弁体3との間に隙間が生じ、収容した飲料水
が漏れ出る恐れがある。
【0006】一方、後者の栓装置では、蓋体を取り外さ
ずに栓体を開閉できる利点がある反面、開栓時、くわえ
ることができるように、開栓時、折り曲げて収納されて
いたストロー15を伸ばすことで、その先端を前方に突
出させる必要があり、構造が複雑化する。また、ストロ
ー15は固定されていないので、開栓時の先端位置が安
定しない。この構造は、ストロー式に吸い込むには支障
はないものの、製品を傾けて多量の飲料水を飲むには不
便である。さらに、多量の飲料水を注出可能とするため
には、ストロー15の内径を大きくする必要があるが、
収納スペースの関係で栓装置が大型化するし、筒状部の
存在が流出を妨げると共に、仮に取り外しても、その位
置が後方であるため、多量の液が注出されずに残ってし
まう。
【0007】そこで、本発明は、収容した飲料水の漏れ
防止性に優れ、蓋を外すことなくワンタッチで開栓し
て、しかも直接口を付けて多量の飲料水を飲むことので
きる液体容器の栓装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明では、液体容器の栓装置を、液体容器の上部
に設けられ、注出口を有すると共に、該注出口を前記液
体容器の内側から閉栓する弁体を有する栓体と、弁体を
常時閉栓状態に付勢する閉栓手段と、前記注出口用の開
放窓を有する蓋体と、開放窓を開閉するカバーと、該カ
バーを開放すると同時に、前記弁体を閉栓手段に抗して
開栓位置に移動させる開栓手段を有し、前記カバーの閉
栓時、前記弁体が閉栓手段により自動的に閉栓位置に移
動するものとした。これによれば、カバーを移動させて
蓋体の開放窓を開放すれば、開栓手段が閉栓手段の付勢
力に抗して弁体を開栓位置に移動させる。また、カバー
を移動させて蓋体の開放窓を閉塞すれば、開栓手段が弁
体から退避し、弁体は閉栓手段の付勢力により自動的に
閉栓位置に復帰する。
【0009】前記蓋体は、上方から弁体を押込可能に前
記開栓手段であるプッシュボタンを有すると共に、開放
窓を開放する方向に前記カバーを付勢する開放用付勢手
段を有し、前記プッシュボタンに形成した係止片が、前
記カバーに形成した係止受部と係脱し、前記プッシュボ
タンの押込操作で、弁体を開栓位置に位置決めすると同
時に、前記係止片が係止受部から脱落することによりカ
バーが自動的に開放するものとすればよい。プッシュボ
タンを押圧すれば、弁体が開栓位置に移動すると共に、
係止片が係止受部から脱落してカバーが開放用付勢手段
により自動的に開放窓を開放する。
【0010】前記蓋体は、側方から弁体を略直角の下方
に向かって押し込む前記開栓手段であるプッシュボタン
を有すると共に、開放窓を開放する方向に前記カバーを
付勢する開放用付勢手段を有し、前記プッシュボタンに
形成したストッパーが、前記カバーに形成した当接部に
係脱し、前記プッシュボタンの押込操作で、前記ストッ
パーが当接部から脱落することによりカバーが自動的に
開放するものとしてもよい。このように、プッシュボタ
ンを蓋体の側面に設けるようにすれば、液体容器を握っ
た方の手でプッシュボタンを押込可能となり、開放用付
勢手段によりカバーが自動的に開放窓を開放するので、
操作性がさらに高まる。
【0011】前記プッシュボタンは、カバーの側面に所
定位置まで突出するように付勢された状態で押込可能に
配設された第1押込部材と、前記栓体にスライド自在に
設けられ、前記第1押込部材の押込位置で、前記弁体を
閉栓手段に抗して開栓位置に押し込む第2押込部材とか
ら構成するのが好ましい。
【0012】そして、蓋体と栓体とにそれぞれ分解可能
となるように構成すれば、注出口等の使用後の洗浄が必
要な箇所での洗浄を容易とすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0014】(第1の実施の形態)図1は第1の実施の
形態に係る栓装置の断面図、図2はその分解断面図であ
る。この栓装置は、大略、液体容器21の上方に設けら
れる栓体22と、この栓体22の注出口23を開閉する
弁体24と、栓体22に螺合等で取り付けられ、注出口
23を覆う蓋体25と、この蓋体25の開放窓26を開
閉するように設けたカバー27とから構成されている。
【0015】栓体22は、液体容器21の上方外周部に
螺合する外筒部28と、液体容器21の上方開口部に胴
パッキン29を介して配設される内筒部30と、前記上
面中央部の若干偏心した位置に形成された筒状部31
と、この筒状部31の下方に形成された注出口23から
延び液体容器21の内外を連通する注出部32とからな
る。外筒部28の上方外周には雄ネジ部33が形成さ
れ、蓋体25を螺合可能となっている。また、筒状部3
1の底面には貫通孔34が穿設されている。なお、注出
部32は、直接口を付けて飲みやすい形状とされている
(液体容器21を傾けた場合に、適量の飲料水が注出部
32を介して注出されるようにされている。)。
【0016】弁体24は、下端部に鍔状の弁部35を有
している。この弁部35は、前記栓体22の注出口23
に位置する小径部36と、注出口23を形成する内縁部
の下縁に対向する大径部37と、両者の間に形成される
円周溝38とで形成されている。円周溝38には弁パッ
キン39が配設され、注出口23の下縁部と大径部37
との間に介在し、注出口23を内側から閉塞するように
なっている。また、弁体24は、上方部にスプリング受
部40を有している。このスプリング受部40は、弁体
24を前記筒状部31の底面中央に穿設した貫通孔34
にパッキン41及び弁座金42を介して上下動可能に挿
通し、スプリング43を外装した後、弁体24の上方に
一体的に設けられる。弁体24はスプリング43の付勢
力により上動し、弁パッキン39が注出口23を形成す
る内縁部の下縁に当接して注出口23を封止するように
なっている。
【0017】蓋体25は、有底筒状体を開口縁部を残し
て約半分切り欠くことにより開放窓26を形成してなる
形状である。蓋体25の天井部は、外周部が上方に膨出
することにより前記注出部32の先端の収納が可能とな
っており、中央に凹所44が形成されている。また、蓋
体25の天井面中央部には、下方に向かって軸部45が
設けられ、下記するカバー27が回動自在に装着されて
いる。
【0018】カバー27は、前記蓋体25と略同一断面
形状を有し、その開放窓26を開閉するようになってい
る。カバー27には貫通孔46が設けられ、前記蓋体2
5の軸部45が貫通するようになっている。また、貫通
孔46の近傍には押込部47が前記弁体24の偏心に対
応するように突設され、前記カバー27で蓋体25の開
放窓26を開放した際、この押込部47が弁体24の上
端部を圧接して押し下げるようになっている。なお、4
8は操作片で、カバー27を回転移動させる際に利用さ
れる。
【0019】前記構成の栓装置では、カバー27で蓋体
25の開放窓26を閉塞した状態では、弁体24は、前
述のように、スプリング43の付勢力で上動しており、
弁パッキン39により注出口23を閉塞している。この
閉塞方向は、液体容器21の内圧が高くなれば、密封性
を高める方向である。したがって、収容した飲料水が外
部に漏れ出る心配はない。
【0020】ここで、操作片48を押してカバー27を
回転移動させることにより、蓋体25の開放窓26を開
放すると、カバー27に形成した押込部47が弁体24
の上端部に当接し、この弁体24をスプリング43の付
勢力に抗して押し下げる。これにより、注出口23が開
栓するので、注出部32に直接口を付け、液体容器21
を傾けることにより、収容した飲料水を飲むことができ
る。飲料水は、注出口23を介して大量に注出され、ス
トロー等とは異なり、満足の行く量を十分にとることが
できる。
【0021】また逆に、カバー27を移動させて蓋体2
5の開放窓26を閉塞すると、弁体24の上端部から押
込部47が退避することになるので、弁体24はスプリ
ング43の付勢力により上動し、注出口23が閉栓され
る。
【0022】(第2の実施の形態)図3は第2の実施の
形態に係る栓装置の閉栓状態の断面図、図4はその分解
断面図で、図5は下記する蓋体54とカバー55とのセ
ット状態での下視図である。この栓装置は、液体容器5
1の上方に設けられ、栓体52、弁体53、蓋体54、
カバー55及び蓋体54の上面中央部に設けたプッシュ
ボタン56から構成されている。
【0023】栓体52、弁体53は、弁体位置が栓体の
中央にあることを除き、前記第1の実施の形態と同様な
構成である。すなわち、栓体52は、外筒部57、内筒
部58、筒状部59及び注出部60を備えている。ま
た、弁体53は、上端部が球状に形成されており、栓体
52の筒状部59と弁体53のスプリング受部61との
間に配設されたスプリング62によって上方に付勢さ
れ、前記注出部60の注出口63を閉栓するようになっ
ている。
【0024】蓋体54は、栓体52と螺合等により着脱
自在になっており、その側方には開放窓64を有し、カ
バー55によりこの開放窓64を開閉できるようになっ
ている。また、蓋体54には第1スプリング係止部65
が設けられ、前記軸部45に代えて筒状軸部66が形成
され、その下部には対称位置に切欠き部71が形成され
ている。さらに、筒状軸部66の中間の内面には後述す
るプッシュボタン56の下方への脱落を防ぐ凸部66’
が形成されている。
【0025】カバー55は、前記筒状軸部66が貫通す
る回転筒部67を有し、そこには開放用スプリング68
が外装されている。開放用スプリング68の一端は前記
蓋体54に形成した第1スプリング係止部65に係止さ
れ、他端はカバー55に形成した第2スプリング係止部
69に係止されるようになっている。これにより、カバ
ー55は蓋体54に装着した状態では、開放窓64を開
口する方向に付勢されるようになっている。また、前記
回転筒部67の下部には対称位置に係止用切欠き部70
が形成されている。この係止用切欠き部70は、カバー
55を回転移動させて蓋体54の開放窓64を開放した
際、前記蓋体54の切欠き部71と一致する位置に設け
られている。なお、72は操作片で、カバー55を回転
移動させる際に利用される。
【0026】プッシュボタン56は、前記蓋体54の筒
状軸部66の内周に上下に摺動可能に設けられるもの
で、下端外周には前記各切欠き部70,71内に嵌入可
能な係止片73が対称位置に突設されている。プッシュ
ボタン56は、弁体53によって蓋体54から突出する
ように付勢され、カバー55で蓋体54の開放窓64を
覆った状態では、スプリング62の付勢力により、係止
片73が蓋体54の切欠き部71及びカバー55の係止
用切欠き部70内に位置し、カバー55が開放位置に移
動することを阻止している(図5(a))。
【0027】プッシュボタン56の側面上方には突部5
6’が形成されており、前記蓋体54にカバー55を装
着した後、蓋体54の筒状軸部66の下方からプッシュ
ボタン56を押し込むと、筒状軸部66の突部66’を
プッシュボタン56の突部56’が乗り越え、プッシュ
ボタン56の脱落を防止する。これにより、蓋体54、
カバー55、プッシュボタン56がセット状態となる。
【0028】前記構成の栓装置では、カバー55で蓋体
54の開放窓64を閉塞した状態では、弁体53は、前
述のように、スプリング62の付勢力で上動して注出口
63を閉栓している。この閉栓方向は、前記第1の実施
の形態同様、液体容器51の内圧が高くなれば、密封性
を高める方向であり、収容した飲料水が外部に漏れ出る
心配はない。
【0029】ここで、蓋体54に設けたプッシュボタン
56を押し込むと、スプリング62の付勢力に抗して弁
体53が下動して注出口63が開口する。このとき、プ
ッシュボタン56の係止片73がカバー55の係止用切
欠き部70から退避するので、カバー55は開放用スプ
リング68の付勢力により回動し、蓋体54の開放窓6
4を開放する。また、プッシュボタンの係止片73は前
記筒状軸部63及び回転筒部67の下端に係止すること
となるので、開栓状態を維持する(図5(b))。これ
により、開放窓64から露出した注出部60の先端に直
接口を付けて収容した飲料水を飲むことができる。この
場合、蓋体54には凹所75が形成されているので、蓋
体54に鼻が当たることがなく、飲みやすい。
【0030】そして、操作片72を押して回転移動させ
ることによりカバー55が蓋体54の開放窓64を閉塞
する。カバー55が閉塞位置まで移動すれば、カバー5
5の係止用切欠き部70が蓋体54の切欠き部71と一
致するので、プッシュボタン56の係止片73が嵌入可
能な状態となり、弁体53はスプリング62の付勢力に
より上動し、注出口63を閉塞すると共に、プッシュボ
タン56が上動して、その係止片73が前記両切欠き部
70,71内に位置してカバー55を開放不能なロック
状態とすると共に、上端が凹所75から突出する。
【0031】このように、前記第2の実施の形態に係る
栓装置によれば、プッシュボタン56を押し込むだけで
簡単に注出口63を開放して、液体容器51内の飲料水
を摂取することが可能である。また、カバー55で蓋体
54の開放窓64を閉塞する1動作によって注出口63
を閉栓することが可能である。注出部60はカバー55
によって保護され、衛生的でもある。
【0032】(第3の実施の形態)図6及び図8は第3
の実施の形態に係る栓装置の断面図、図7及び図9はそ
の平面図で、図6及び図7が閉栓状態、図8及び図9が
開栓状態をそれぞれ示している。また、図10は分解断
面図である。この栓装置は、液体容器91の上方に設け
られ、前記第2の実施の形態同様、大略、栓体92、弁
体93、蓋体94、カバー95及び蓋体94の側面に設
けたプッシュボタン96から構成されている。そして、
栓体92と弁体93は一体化され、カバー95、プッシ
ュボタン96が一体化されており、栓体92と蓋体94
は螺合等により着脱自在に係合されている。
【0033】栓体92は、外筒部97、内筒部98、筒
状部99及び注出部100を備え、上面には水平方向に
移動するプッシュボタン96をガイドする第1ガイド片
101が所定間隔で並設されている。弁体93は、上端
部が球状に形成されており、栓体92の筒状部99と弁
体93のスプリング受部102との間に配設されたスプ
リング103によって上方に付勢され、注出口100a
を閉塞している。
【0034】蓋体94は、側面に挿通孔104が穿設さ
れ、その上下2箇所には外方に向かって突出するガイド
壁105が並設されている。このガイド壁105は、少
なくとも下記するプッシュボタン96の最大突出位置よ
りも突出するように形成されている。これにより、鞄に
収容した場合等、他の部材がプッシュボタン96を押し
込むことを防止している。また、蓋体94の天井面から
は所定間隔で第2ガイド片106が突設され、両ガイド
片106の中間位置には第1スプリング係止部107が
形成されている。なお、蓋体94の中央部には、第1の
実施の形態と同様な軸部108が形成されている。
【0035】カバー95は、筒部109に前記蓋体94
の軸部108が挿通することにより、この軸部108を
中心として蓋体94の側面内周に沿って回動可能に設け
られ、蓋体94の開放窓110を開閉するようになって
いる。筒部109の近傍には、第2スプリング係止部1
11及び押出部112が設けられている。第2スプリン
グ係止部111と前記蓋体94に設けた第1スプリング
係止部107とには前記筒部109に外装した開放用ス
プリング113の両端部がそれぞれ係止されている。押
出部112は、カバー95で前記開放窓110を閉塞し
た際、下記するプッシュボタン96に当接して押込位置
から外方に移動させるきっかけ、詳しくは、弁体93の
上端部をプッシュボタン96の位置決め凹部119から
離脱させる役割を果たすようになっている。また、前記
カバー95の側縁部には操作片114が突設され、カバ
ー95を開放操作する際に利用されるようになってい
る。また、前記カバー95の下縁部には内径側に延設部
115が形成されている(図7及び図9参照)。延設部
115の内縁は同一円周上に位置し、設けられる範囲
は、カバー95を開放する長さよりやや長めに形成され
る。
【0036】プッシュボタン96は、第1押込部116
と第2押込部117からなる。第1押込部116は前記
挿通孔104に押込可能に配設される。第2押込部11
7は、傾斜面118と位置決め凹部119と、ガイドピ
ン120とを有している。傾斜面118は、前記弁体9
3の上端部に当接して弁体93を徐々に下動させるため
のものであり、位置決め凹部119は、弁体93が最下
点まで移動した際、その位置に位置決めするためのもの
である。また、ガイドピン120は、カバー95に設け
た第2ガイド片106に形成したガイド用長穴106a
内をスライドするようになっている。第1押込部116
と第2押込部117の接続部分には円周方向に沿って下
方に板状の係止片121が延設されており、係止片12
1の中程にはストッパー116’が形成される。ストッ
パー116’は、カバー95で蓋体94の開放窓110
を開放している間、カバー95に形成した延設部115
の当接部115’に当接する。これにより、プッシュボ
タン96の押込状態が維持され、弁体93は開栓位置に
位置決めされる。
【0037】前記構成の栓装置では、プッシュボタン9
6は蓋体94の側面に設けられているため、片手で液体
容器91を保持すると共にプッシュボタン96を押し込
むことができる。プッシュボタン96が押し込まれれ
ば、第2押込部117に形成した傾斜面118が弁体9
3の上端部を摺接し、スプリング103の付勢力に抗し
て徐々にこの弁体93を押し下げる。プッシュボタン9
6は所定位置まで押し込まれれば、前記弁体93の上端
部は位置決め凹部119に係合することによりクリック
感が得られると共に、上動することを阻止される。この
とき、プッシュボタン96のストッパー116’がカバ
ー95に形成した延設部115の当接部115’との係
合を解除すると共に退避する。これにより、カバー95
は開放用スプリング113の付勢力により回動して開放
窓110を全開とする。そして、押し込まれたプッシュ
ボタン96は、その押込凹所119が弁体93の上端部
に係合することにより移動を阻止されることになるの
で、スプリング103の付勢力に拘わらず、弁体93は
開栓位置から移動不能となり、注出口100aは開放状
態を維持する。
【0038】また、操作片114をスプリング103の
付勢力に抗して回転方向に押圧し、カバー95で蓋体9
4の開放窓110を閉塞すれば、所定位置でプッシュボ
タン96のストッパー116’からカバー95の延設部
115の当接部115’が行きすぎると共に、操作片1
14が開放窓110の側面に当接して回転が停止する。
それとほぼ同調して、押出部112がプッシュボタン9
6の第2押込部117に当接して強制的に後方へ移動さ
せ、弁体93の上端部が位置決め凹部119から離脱す
る。これにより、スプリング103の付勢力で弁体93
が上動し、傾斜面118を摺動して閉栓状態を形成す
る。また、プッシュボタン96が外方に押し出されてい
るので、操作片114の押圧を解除すると、カバー95
は開放用スプリング113により開放方向に戻るが、延
設部115の当接部115’がプッシュボタン96のス
トッパー116’によって回動を阻止され、閉塞状態を
維持する。
【0039】このように、前記第3の実施の形態によれ
ば、プッシュボタン96を液体容器91を保持した方の
手で押し込むことができ、片手で開栓状態を得ることが
可能である。
【0040】(第4の実施の形態)図11は第4の実施
の形態に係る栓装置の断面図である。この栓装置は、前
記第3の実施の形態同様、液体容器131の上方に設け
られ、大略、栓体132、弁体133、蓋体134、カ
バー135及び蓋体134の側面に設けたプッシュボタ
ン136から構成されているが、前記第3の実施の形態
とは、プッシュボタン136が2部材から構成されてい
る点及びカバー135の閉塞作用の点で大きく相違す
る。
【0041】すなわち、プッシュボタン136は、第1
押込部材137と第2押込部材138とで構成されてい
る。
【0042】第1押込部材137は蓋体134の挿通孔
139に設けられ、第2押込部材138は栓体132に
着脱しにくく、かつ、スライド自在に載置されている。
第1押込部材137は底面及び一端部が開口する箱形状
で、他端部の内面には第1スプリング受部140が突設
されている。一方、蓋体134の挿通孔139には、上
下2箇所にガイド壁141が並設されると共に、下縁か
ら第2スプリング受部142が立設されている。第2ス
プリング受部142と前記第1押込部材137の第1ス
プリング受部140との間にはプッシュスプリング14
3が配設され、第1押込部材137は外方に付勢されて
いる。したがって、第1押込部材137への押圧力を解
除すれば、この第1押込部材137は自然に元の突出位
置に復帰するようになっている。なお、第1押込部材1
37の内方側端部には図示しない係止片が延設され、蓋
体134の内面側に係止されることにより抜け止めされ
ており、最大突出位置で前記ガイド壁141よりも突出
寸法は小さくなるように設計されている。
【0043】また、第2押込部材138は、一端側が断
面略L字形に形成されており、その垂直部144には第
1押込部材137の端面が小隙間を有して対向し、下端
水平部145の端部がカバー135の周縁部に小隙間を
有して対向するようになっている。一方、第2押込部材
138の他端側は前記垂直部144の上端から水平に延
設され、その下面には傾斜面146及び位置決め凹部1
47が形成されている。なお、一端側の先端は後述する
カバー135の押出部160に係合する端部161であ
る。
【0044】ところで、前記カバー135には、前記第
3の実施の形態同様、延設部148が形成されている
が、この延設部148と第2押込部材138の下端水平
部145との位置関係は次のようになっている。すなわ
ち、カバー135は、スプリング151の付勢力により
常時開放位置にあるが、図13(a)に示すように、栓
体132に蓋体134を螺合する場合、栓体132が閉
栓位置にあるにも拘わらず、カバー135の装着時、開
放位置とならないように、栓体132に対して蓋体13
4を回転して装着する前に、延設部148の円周端部に
第2押込部材137の下端水平部145の一部が当接す
るように位置決めしている。これにより、栓体132に
対して蓋体134を回転させれば、前記下端水平部14
5の一部がカバー135の延設部148の円周端部を押
圧してカバー135を回転させ、図13(b)に示すよ
うに、蓋体134の開放窓150が自動的に閉塞できる
ようになっている。
【0045】前記構成の栓装置では、前記第2の実施の
形態同様、プッシュボタン136を押し込めば、第2押
込部材138が前方に移動することで、前記延設部14
8の係合が解除され、スプリング151の付勢力でカバ
ー135が蓋体134の開放窓150を開放すると共
に、弁体133がスプリング153の付勢力に抗して押
し下げられ、開栓位置を維持することにより、液体容器
131内の飲料水を注出可能である。また、カバー13
5の操作片154を回動することにより、蓋体134の
開放窓150を閉塞すれば、カバー135に設けた押出
部116が第2押込部材138の端部161を後方に移
動させるので、弁体133がスプリング151の付勢力
で自動的に閉栓位置に復帰させることが可能である。つ
まり、1つの動作で開放窓150の開閉及び弁体133
による注出口152の開閉が可能である。特に、蓋体1
34を取り付ける際、カバー135は開放状態にあるに
も拘わらず、取付完了時には自動的にカバー135が閉
栓状態になるので、誤使用の恐れがなく便利である。
【0046】また、プッシュボタン136の構成が、前
記第2の実施の形態のものに比べて簡素化し、成形が容
易となると共に、液体容器131から栓装置を取り外
し、さらに栓装置を栓体132と蓋体134とに分解す
ることができるので、洗浄作業が容易となり清潔であ
る。
【0047】なお、前記第3及び第4の実施の形態で
は、プッシュボタン96,136に形成した傾斜面11
8,116により弁体93,103を押し下げる構成と
したが、弁体93,103の上端部に傾斜面を形成し
て、この傾斜面をプッシュボタン96,136の先端で
押し下げるようにしても構わない。
【0048】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る液体容器の栓装置によれば、弁体で液体容器の内
側から注出口を閉栓するようにしたので、液体容器内の
内圧が上昇しても、封止性が向上する方向に内圧が作用
することになり、飲料水が漏れる心配はない。また、弁
体とカバーとを連携させるようにしたので、1動作でカ
バーの開閉と弁体の開閉とを同時に行うことができ、操
作性がよい。
【0049】また、プッシュボタン及びカバー開閉用の
スプリングを使用した場合には操作性が良好である。特
に、プッシュボタンを蓋体の側面に設けた場合、液体容
器を保持しながら、保持した方の手のみで操作すること
ができ、操作性はさらに高まる。
【0050】また、プッシュボタンに弁体の上端部が係
脱する位置決め凹部を形成するようにしたので、カバー
による閉塞時にクリック感を得ることができる上、第
3、第4の実施の形態で押出部を設けてプッシュボタン
を強制的に元の位置に復帰させるきっかけを作るように
したので、動作が確実である。
【0051】しかも、栓体側と蓋体側に分解できるので
洗浄が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る栓装置の断面図であ
る。
【図2】 図1の分解断面図である。
【図3】 第2の実施の形態に係る栓装置の断面図であ
る。
【図4】 図3の分解断面図である。
【図5】 図3のカバーで閉塞した状態を示す底面図
(a)及びカバーを開放した状態を示す底面図(b)で
ある。
【図6】 第3の実施の形態に係る栓装置の断面図であ
る。
【図7】 図6の蓋体の一部を残して除去した状態を示
す平面図である。
【図8】 第3の実施の形態に係る栓装置のプッシュボ
タンの押込状態を示す断面図である。
【図9】 図8の蓋体の一部を残して除去した状態を示
す平面図である。
【図10】 図6の分解断面図である。
【図11】 第4の実施の形態に係る栓装置の分解断面
図である。
【図12】 図11の分解断面図である。
【図13】 第4の実施の形態に係る栓装置の液体容器
への取付状態を示す底面図である。
【図14】 従来例に係る栓装置の断面図である。
【図15】 他の従来例に係る栓装置の開栓状態を示す
断面図である。
【図16】 図15の閉栓状態を示す断面図である。
【符号の説明】
21,51,91,131 液体容器 22,52,92,132 栓体 23,63,100a,152 注出口 24,53,93,133 弁体 25,54,94,134 蓋体 26,64,110,150 開放窓 27,55,95,135 カバー 56,96,136 プッシュボタン 43,62,103,151 スプリング(閉栓用付勢
手段) 70 係止用切欠き部 71 切欠き部 73 係止片 112 押出部 119,147 位置決め凹部(位置決め部) 137 第1押込部材 138 第2押込部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北山 景 大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号 象印マホービン株式会社内 (56)参考文献 実開 平2−18351(JP,U) 実開 昭61−160831(JP,U) 実開 昭49−85661(JP,U) 実開 昭62−64429(JP,U) 実開 昭61−177563(JP,U) 実公 昭47−27233(JP,Y1) 実公 平1−27697(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 47/20 B65D 39/04 B65D 43/26

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体容器の上部に設けられ、注出口を有
    すると共に、該注出口を前記液体容器の内側から閉栓す
    る弁体を有する栓体と、弁体を常時閉栓状態に付勢する
    閉栓手段と、前記注出口用の開放窓を有する蓋体と、開
    放窓を開閉するカバーと、該カバーを開放すると同時
    に、前記弁体を閉栓手段に抗して開栓位置に移動させる
    開栓手段を有し、前記カバーの閉栓時、前記弁体が閉栓
    手段により自動的に閉栓位置に移動することを特徴とす
    る液体容器の栓装置。
  2. 【請求項2】 前記蓋体は、上方から弁体を押込可能に
    前記開栓手段であるプッシュボタンを有すると共に、開
    放窓を開放する方向に前記カバーを付勢する開放用付勢
    手段を有し、前記プッシュボタンに形成した係止片が、
    前記カバーに形成した係止受部と係脱し、前記プッシュ
    ボタンの押込操作で、弁体を開栓位置に位置決めすると
    同時に、前記係止片が係止受部から脱落することにより
    カバーが自動的に開放することを特徴とする請求項1に
    記載の液体容器の栓装置。
  3. 【請求項3】 前記蓋体は、側方から弁体を略直角の下
    方に向かって押し込む前記開栓手段であるプッシュボタ
    ンを有すると共に、開放窓を開放する方向に前記カバー
    を付勢する開放用付勢手段を有し、前記プッシュボタン
    に形成したストッパーが、前記カバーに形成した当接部
    に係脱し、前記プッシュボタンの押込操作で、前記スト
    ッパーが当接部から脱落することによりカバーが自動的
    に開放することを特徴とする請求項1に記載の液体容器
    の栓装置。
  4. 【請求項4】 前記プッシュボタンは、側方から所定位
    置まで突出するように付勢された状態で押込可能に配設
    された第1押込部材と、前記栓体にスライド自在に設け
    られ、前記第1押込部材の押込位置で、前記弁体を閉栓
    手段に抗して開栓位置に押し込み該開栓位置を維持する
    第2押込部材とからなることを特徴とする請求項3に記
    載の液体容器の栓装置。
  5. 【請求項5】 前記蓋体と前記栓体とにそれぞれ分解可
    能となっていることを特徴とする請求項1ないし4のい
    ずれか1項に記載の液体容器の栓装置。
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