JP3209408U - 作務衣用袖無し半襦袢 - Google Patents

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【課題】冬の日でも着用される作務衣用半襦袢の襟元部分や背中部分で暖かさを感じる保温性と雑事中の発汗作用で籠もる熱を程好く放出しながら軽快な運動や作業が可能な通気性を有する作務衣用半襦袢を提供する。【解決手段】ガーゼ布2を重ねて周囲を縫製した前身頃部材1Aと1Bとガーゼ布を重ねかつその間の間隙内に綿を平面状に敷き詰めて周囲を縫製した後身頃部材および襟部4を一体的に繋ぎ合わせて袖無し半襦袢に縫い合わせ、さらに後身頃部材に背縫いをして縫製した作務衣用袖無し半襦袢。【選択図】図1

Description

本考案は、寒い冬の日でも暖かく作務衣が着用できる作務衣用の袖無し半襦袢に関するものである。
作務衣とは禅宗の僧侶が日々の掃除や畑仕事などの雑事を行う時の作業着として着用されるものであったが、近年、機能性や和服の略衣的感覚から僧侶の作業着ばかりでなく、観光業や飲食業などでは機敏な活動が求められる女性には和服と異なり身体を締め付けず着用し易く活動し易い作務衣に改善されている。特に作務衣の上衣は、身体に合わせ易く着心地が良く美的感覚が良くしかも機能性が豊かであるなどの要求から、多くの種類のデザインがある。例えば特開2002−194607号公報の「上着とズボンからなる作務衣において、上着の前身頃裏面から襟辺縁に掛けて懐紙用ポケットを設け、袖の直下脇にベルトの抜差孔を設けさらに前身頃に表釦と裏釦などを取り付けたもので、主に茶道時に着用される作務衣」、特開2003−166101号公報の「上衣の前身頃部双方に係脱自在な係合具を取付けた作務衣」など、上着の一部に係合具やポケットなどを取付けた多くの種類の作務衣が開発されている。また作務衣の袖口と足首を、塵やゴミなどが入らぬ様に、ゴムや紐などで絞った作務衣もある。この様な作務衣は、通気性が良く水分の吸湿性と発散性に優れた麻や吸水性と肌触りの良い木綿や皺になり難く型崩れもしない強さもあるポリエステルなどの素材を使用して縫製されているため着用し易い利点を有し、また着用者が活動し易い様に着用者の身体よりも大き目に縫製されている。
また近年では、作業中に体内から出る汗や垢が作務衣に浸み込んで悪臭や汗による不快感を防止するため、前身頃に袖と襟を付けた半襦袢が、作務衣の下着として着用されている。例えば実開平6−37311号公報の「先端部に係止具を設けた伸縮ベルトの他側を補強布を介して半襦袢背面の衿付け線から15〜25cm以下の位置に縫着した半襦袢」、実用新案登録第3057856号公報の「後身頃と前身頃間に第1の紐手段を設けまた前身頃と該前身頃の各襟下部側に第2の紐手段を設け、さらに上前身頃の各下縁を傾斜カットに形成してなる半襦袢」、特開2007−308850号公報の「襟に芯を縫い込み、袖口をレースにして脇の下への通気性を改善したレース袖の半襦袢」など多くの種類の半襦袢がある。また半襦袢は、上記した特開2007−308850号公報で「綿と麻の混紡できた半襦袢」と説明する様に、着用者から出る汗や垢が作務衣に付着するのを防止し通気性や肌触りなど着心地も良い生地で縫製される。しかしながら、寒風吹き晒す冬の屋外作業や寒い部屋での作業では、半襦袢が持つ過剰な通気性によって着用者の体温を著しく下げ作業に支障を来たす問題があった。
また近年では、寒い冬でも毎日普段着として和服を着用する場合は、胴部がネル生地でまた袖部がモスリン生地で暖かく縫製した和装用の下着半襦袢が開発されている。この様な和装用下着半襦袢は、和服を淑やかに着用する場合は体温や汗による直接の影響が少ないため快く着用できるが、激しく作業をした場合に体温が暖められて汗を掻きさらに汗を吸着した場合に保温性や肌触り性が失われる問題があった。
【0001】 特開2002−194607号公報
【0002】 特開2003−166101号公報
【0003】 実開平6−37311号公報
【0004】 実用新案登録第3057856号公報
【0005】 特開2007−308850号公報
本考案は、上記した様に従来から冬の日に着用される作務衣半襦袢の諸々の問題に鑑み、冬の日でも着用される作務衣用半襦袢の襟元部分や背中部分で暖かさを感じる保温性と雑事中の発汗作用で籠もる熱気を程好く放出しながら軽快に運動や作業が可能な通気性を有し、しかも袖無しで雑事中の腕の動きにも支障を来たす事の無い作務衣用半襦袢を縫製する事を目的に種々検討して得られたものである。
本考案の要旨は、ガーゼ布を重ねて周囲を縫製した前身頃部材と該ガーゼ布を重ねかつその間の空隙内に綿を平面状に敷き詰めて周囲を縫製した後身頃部材および襟部材を一体的に繋ぎ合わせて袖無し半襦袢に縫い合わせ、さらに該身頃部材に少なくとも一本の背縫いを施して縫製した作務衣用袖無し半襦袢である。
上記した本考案の作務衣用袖無し半襦袢は、作務衣の下着として着用しても袖無しのため腕の動きを妨げる事がなくまた襟元部分および背中部分が綿をガーゼ布で包む暖かさを感じる程度の保温性を確保しながら吸収した汗を生地の通気性によって直ちに放出する構造に縫製されているため、冬の寒い日の作業着で着用される特長がある。また必要があれば普段の部屋着や茶道着や着物用下着としても着用できる。
本考案の一実施例で正面図を示す。 図1の背面図を示す。 本考案における後身頃部背丈方向の拡大断面図を示す。
以下、本考案について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1において1Aと1Bは左右の前身頃部で、ガーゼ布2を重ね合せその周囲を縫製したものである。前身頃部1Aと1B(上前と下前)は、腹部側の前面に紐や面ファスナーや鍵ホックなどの係合具3を設けて縁部を重ね合せかつ開閉自在に設けられる。また前身頃部1Aと1Bの重ね合わせ面は、図示する様にダブル合せでもよくまたシングル合せでもよく、特に限定するものでない。4は襟部で、前身頃部1Aと1Bの合せ縁部および図2で示す後身頃部5の頂部に沿って首の廻りを取り巻く様に縫い付けたもので、保温効果を促し虫の侵入を防止するものである。さらに襟部4と後身頃部5とは、通気性と保温性を保持するため、図3に後身頃背丈方向の拡大断面図で示す様に、ガーゼ布2を重ね合せかつその間の空隙内に綿(わた)6を平面状に敷き詰めた後その周囲を縫製すると共に、前記した前身頃部1Aと1Bと襟部3と後身頃部4を一体的に繋ぎ合せて袖無し半襦袢に縫製する。また後身頃部4は、半襦袢の着用中に綿6のズレ落ちを防止するため、図2で示す様に背丈方向(縦方向)に少なくとも一本の背縫い7を施し、必要によってはさらに該後身頃部5の大きさに応じて数本の背縫いや格子縫いを施してもよい。さらには後身頃部5の背丈長さは、着用する人の身長や好みに応じて腰部または臀部までの長さを任意に選べばよい。また後身頃部5の裾の形状についても特に限定するものでない。本考案において半襦袢の生地に使用するガーゼ布2とは、軽い繊維のため着用中に水分を吸っても重みを感じる事がなく、通気性と吸湿性も優れている事から蒸し暑さの感受性を弱め、肌がデリケートな人でも安心して着用できる特長がある。また綿(わた)6は、軽くて保温性や耐久性に富み洗濯も可能な木綿綿・絹綿・真綿・羊毛綿や合繊綿など維など詰め物に使用される綿毛状の繊維をガーゼ布2に併せて使用する事によって、上記した本考案が目的の保温性などを保持した半襦袢に縫製する事ができる。
さらに本考案においては上記の様に袖無しの半襦袢に縫製する事によって、激しく体を動かす過酷な雑事において汗や過剰な熱を半襦袢内に留める事なく速やかに放散し、軽快に腕を動かし易くする効果を奏する。また風の強い寒い日の雑事においては、冷たい風の侵入を防止し半襦袢内の保温性を確保するため、前身頃部1Aと1Bの袖付け位置にゴム紐などで絞る様に逢着してもよい。
上記の様に縫製された本考案の作務衣用袖無し半襦袢は、着物の下にまたアンダーシャツの上着衣で着用してもよく、さらにズボンと組み合わせて上着として着用してもよい。
軽装でかつ保温性に優れた本考案の作務衣袖無し半襦袢は、発汗が激しい過酷な雑事においても爽やかな気持ちで作業できる防寒着として広い部屋を掃除する、広い畑で仕事をする場合の仕事衣として今後益々着用する機会が増えてくるものと判断される。
1 前身頃部
2 ガーゼ布
3 係合具
4 襟部
5 後身頃部
6 綿
7 背縫い

Claims (1)

  1. ガーゼ布を重ねて周囲を縫製した前身頃部と該ガーゼ布を重ねかつその間の空隙内に綿を平面状に敷き詰めて周囲を縫製した後身頃部および襟部を一体的に繋ぎ合わせて袖無し半襦袢に縫い合わせ、さらに該身頃部材に少なくとも一本の背縫いを施して縫製した事を特徴とする作務衣用袖無し半襦袢。
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