JP3209283B2 - 抜蝕捺染加工布の製造法 - Google Patents

抜蝕捺染加工布の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機能性と美的感覚にす
ぐれた抜蝕捺染加工布を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】
〈スパッタリング加工布〉スパッタリング法によりガラ
スやフィルムに金属または金属酸化物の層を形成させる
方法は、液晶表示パネルの分野では汎用技術となってい
るが、最近ではスパッタリング法により織布、編布、不
織布等の布に金属または金属酸化物の層を形成させるこ
とも行われるようになってきている。
【0003】たとえば、特開昭60−75669号公報
には、原繊維、糸、布、最終繊維製品等の繊維物に対し
てスパッタリング法により金属を50〜10000オン
グストロームの厚みで付着させた金属付着繊維物が示さ
れており、この金属付着繊維物は、導電性、帯電防止、
耐熱性、耐蝕性、光や熱の遮断、耐候性、新規な繊維
感、耐久性、耐洗濯性、撥水性、電磁波シールドなどの
機能が期待できるとしている。
【0004】特開昭60−110972号公報には、繊
維物の表面に金属よりなる第1層をスパッタリングによ
り設け、この第1層の表面に透明な金属酸化物よりなる
第2層をスパッタリングにより設けた顕色繊維物が示さ
れている。
【0005】特開昭60−134067号公報には、原
繊維、糸、布、最終繊維製品等の繊維基材に合成樹脂製
のベースコートを塗着するとともに、そのベースコート
に対してスパッタリング法により金属を50〜1000
0オングストロームの厚みで付着した繊維物が示されて
いる。
【0006】特開昭60−134068号公報には、ス
パッタリング法により透明な無機酸化物を付着させた繊
維物(原料繊維、糸、布等)が示されいる。
【0007】特開昭61−179377号公報には、最
終繊維製品に、その表面固有抵抗が10-2〜1012オー
ム/cm2となるようにスパッタリングにより金属または金
属化合物を付着させた導電性最終繊維製品が示されてい
る。
【0008】特開昭61−177239号公報には、ス
パッタリングにより金属または金属化合物が付着された
繊維製面状体からなる面状発熱体が示されている。
【0009】〈抜蝕捺染法〉織物や編物の分野において
は、オパール加工(Opal PrintあるいはBurn out Prin
t)と通称される抜蝕捺染法が知られている。オパール
加工法とは、本来は絹と人絹との交織織物から主として
酸を利用して植物系繊維を炭化除去することにより特殊
な透かし織りを得る加工法を言うが、より広義には、数
種の耐薬品性の異なる繊維で交織・混紡・混織した織布
(場合により編布)に抜蝕剤を印捺した後、乾熱または
湿熱処理して、1種またはそれ以上の繊維を溶出または
炭化除去することにより透かし模様を形成させる捺染法
である。
【0010】オパール加工法を実施するにあたっては、
典型的には、これらの編織物に硫酸または硫酸アルミナ
を含有させた糊(たとえばトラガントゴム糊)を印捺
し、常温で乾燥させてから高温(100〜200℃)で
熱処理して炭化反応を促進させ、ついでその編織物をも
み洗いすることにより印捺部の一部の繊維(たとえば植
物系繊維)を除去する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スパッ
タリング法により金属または金属化合物の層からなるス
パッタリング層を形成させたスパッタリング加工布は、
スパッタリング層による機能は付加されていても、風
合、深み感、感触、装飾性等の美的感覚の点では不充分
であるという限界があった。このことは、対象布として
染色布を用いても同様であった。
【0012】オパール加工と通称される抜蝕捺染法は、
上に述べたように交編織などされている一部の繊維を除
去することにより特殊な透かし織りを得る方法である
が、透かし部の強度が低下することを免かれない。
【0013】本発明は、抜蝕捺染法を交編織などされて
いる繊維の除去の目的ではなく、スパッタリング層を形
成させたスパッタリング加工布のスパッタリング層の除
去のために応用したものであって、スパッタリング層に
より機能性を付与すると共に、風合、深み感、感触、装
飾性等の美的感覚においてもすぐれている捺染加工布を
製造する方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の抜蝕捺染加工布
の製造法は、染色布または非染色布にスパッタリング法
により金属または金属化合物からなる厚さ100〜30
00オングストロームのスパッタリング層を形成させた
スパッタリング加工布を原反として用い、該スパッタリ
ング加工布にそのスパッタリング層を抜蝕しうる抜蝕剤
を含む抜蝕糊を用いて部分的に印捺を行った後、印捺部
のスパッタリング層を除去することを特徴とするもので
ある。
【0015】この場合、抜蝕剤と共に染料を含む抜蝕糊
を用いて印捺を行った後、印捺部のスパッタリング層の
除去および印捺部の染色を行うことが好ましく、また、
抜蝕剤と共に抜染剤を含む抜蝕糊を用いて印捺を行った
後、印捺部のスパッタリング層の除去および印捺部の抜
染を行うことも好ましい。
【0016】以下本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明においては、染色布または非染色布
に、スパッタリング法により厚さ100〜3000オン
グストロームの金属または金属化合物の層を形成させ
る。
【0018】スパッタ加工を施す対象物である布として
は、織布、編布、不織布などがあげられ、特に織布また
は編布が重要である。この布は染色布であっても非染色
布であってもよい。
【0019】布を構成する繊維の材質としては、合成繊
維(ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリウレタ
ン等)のほか、半合成繊維、無機繊維、炭素繊維などが
あげられる。
【0020】スパッタリングに際してのターゲットとし
ては、ステンレンス鋼、銅、銀、金、チタン、アルミニ
ウム、ビスマス、スズ、亜鉛、ニッケル、コバルト、ク
ロム、アンチモン、ニオブ、インジウム、白金、タング
ステン、モリブデン、酸化アルミニウム、チタン酸バリ
ウム、酸化チタン、酸化インジウム、ITO、酸化ケイ
素、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化チタン、窒化
アルミニウムなど、各種の金属、合金、酸化物、窒化
物、炭化物が用いられる。銅系アモルファス合金、タン
タル系アモルファス合金、タングステン系アモルファス
合金等のアモルファス金属も有用である。
【0021】スパッタリング雰囲気としては、アルゴ
ン、ネオン、キセノン、窒素などの不活性ガスが主とし
て用いられる。ガスの圧力は、3×10-4〜9×10-2
程度とすることが多い。引加電圧は500〜1000V
程度とすることが多い。
【0022】スパッタリング法により形成させる金属ま
たは金属化合物の厚さは、100〜3000オングスト
ローム、好ましくは200〜2000オングストローム
に設定する。金属または金属化合物の層は、多層に形成
させることもできる。
【0023】そして本発明においては、上述のスパッタ
リング加工布にそのスパッタリング層を抜蝕しうる抜蝕
剤を含む抜蝕糊を用いて部分的に印捺を行った後、熱処
理等の手段により印捺部のスパッタリング層を除去す
る。(抜蝕)
【0024】抜蝕剤と共に染料を含む抜蝕糊を用いるこ
ともできる。この場合は、印捺部におけるスパッタリン
グ層の除去と同時に印捺部の染色も達成できる。(抜蝕
染色)
【0025】抜蝕剤と共に抜染剤を含む抜蝕糊を用いる
こともできる。この場合は、印捺部におけるスパッタリ
ング層の除去と同時に印捺部の抜染も達成できる。(抜
蝕抜染)
【0026】印捺パターンとしては、動植物の模様、幾
何学模様、アルファベット、抽象模様、自然物の図柄、
小紋の模様をはじめ、多種多様の模様があげられる。
【0027】抜蝕処理のための抜蝕糊としては、糊剤、
抜蝕剤および水に、適宜抜蝕助剤、浸透剤、湿潤剤、溶
解剤などを配合したものが用いられる。抜蝕染色処理の
ための抜蝕糊としては、上記に加えて染料を配合すると
共に、適宜染料溶解剤、染着促進剤、スペック防止剤な
どを配合したものが用いられる。抜蝕抜染処理のための
抜蝕糊としては、上記に加えて抜染剤を配合すると共
に、適宜助剤を配合したものが用いられる。
【0028】上記中、糊剤としては、加工天然ガム、加
工澱粉、ヒドロキシエチルセルロース、ブリティッシュ
ガムなどが用いられる。抜蝕剤としては、硫酸、硫酸ア
ルミニウム、塩化アルミニウム、酸性硫酸ソーダ、過安
息香酸、炭酸カリ、その他が1種でまたは2種以上を混
合して用いられる。染料としては、分散染料、酸性染
料、金属錯塩型染料をはじめとする各種の染料が用いら
れる。抜染剤としては漂白ないし染料を脱色する作用の
ある薬剤が用いられる。
【0029】抜蝕処理、抜蝕染色処理、抜蝕抜染処理
は、上記の抜蝕糊をスパッタリング加工布に所定のパタ
ーンに印捺し、乾燥してから、乾熱または湿熱で所定時
間処理し、さらに水洗、湯洗、ソーピングまたは還元洗
浄、湯洗、水洗、乾燥等の後処理を行うことにより達成
される。抜蝕糊による印捺に先立ち、フィックス処理し
たり、絵際のブリードを防止するために印捺部外周に樹
脂類を印捺しておくこともできる。
【0030】スパッタリング加工布に対する抜蝕処理、
抜蝕染色処理、抜蝕抜染処理は、これらのうちのある処
理を繰り返したり、これらのうちの2以上の処理を併用
したりすることができる。たとえば、スパッタリング加
工布に対し、1回目の処理では抜蝕染色処理により赤の
抜蝕染色を行い、2回目は抜蝕染色処理により青の抜蝕
染色を行い、3回目は抜蝕染色処理により黄の抜蝕染色
を行うというようにすることができる。また、染色され
たスパッタリング加工布に対し、1回目は抜蝕抜染処理
により地色の抜蝕抜染を行い、2回目は抜蝕処理により
抜蝕のみを行うようにすることができる。
【0031】抜蝕処理、抜蝕染色処理または抜蝕抜染処
理後、さらに後染色(浸染または捺染)、撥水加工、透
湿防水加工などの二次加工を施すこともできる。
【0032】
【作用】本発明においては、染色布または非染色布にス
パッタリング層を形成させ、そのスパッタリング加工布
を捺染法により抜蝕処理、抜蝕染色処理または抜蝕抜染
処理している。
【0033】抜蝕処理によりスパッタリング層は印捺パ
ターンに合った形状に除去され、抜蝕染色処理の場合に
はその抜蝕部が染色され、抜蝕抜染処理の場合にはその
抜蝕部が抜染される。
【0034】また抜蝕処理、抜蝕染色処理または抜蝕抜
染処理に伴なう後処理(水洗、湯洗、ソーピング、還元
洗浄等の処理)により、印捺部以外の部分においても、
スパッタ加工時の余分な金属または金属化合物粒子が脱
落するため、付着粒子の数が減少して粗になる結果、全
体の風合、色調が一段と好ましくなり、摩擦堅牢度が増
し、ドレープ性(しなやかさ)が良好となり、さらには
組織によっては裏の色目が表に出て玉虫効果も発現する
ようになる。
【0035】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0036】実施例1 ポリエステル繊維製の平織り織布(非染色品)の片面に
スパッタリング加工を行って、厚さ400オングストロ
ームのステンレンス鋼のスパッタリング層を形成させ
た。スパッタリング条件は、アルゴン圧7×10-4、ス
パッタリング時間6.5分とした。
【0037】抜蝕剤(酸性硫酸ソーダ)、糊剤(加工ガ
ム)、抜蝕助剤、浸透剤(プリンティングオイル)、湿
潤剤(グリセリン)、染料(分散性染料)、染着促進
剤、スペック防止剤(タモール系分散剤)を含む抜蝕染
色用の抜蝕糊を水で濃度調整してから、上記のスパッタ
リング加工布染色品のスパッタリング層側の面に所定の
パターンに印捺し、70℃で熱風乾燥した。同様の操作
を、他の色の染料を配合した抜蝕染色用の抜蝕糊を用い
てさらに数回繰り返し、最終的に蝶の図柄が形成される
ようにした。
【0038】上記の操作終了後、スチームを用いて温度
130℃で20分間湿熱処理を行い、ついで水洗、湯
洗、還元洗浄(リダクションクリーニング)、湯洗、水
洗、乾燥等の後処理を行った。
【0039】上記の抜蝕染色処理により、スパッタリン
グ層は印捺パターンに合った形状に溶出され、さらにそ
の抜蝕部が染色された。
【0040】学振型染色物摩擦堅牢度試験機を用いての
堅牢度試験では、上記の抜蝕染色加工布の堅牢度は、抜
蝕染色処理に供する前のスパッタリング加工布の堅牢度
に比し顕著にすぐれていた。
【0041】ドレープ性(しなやかさ)についても、上
記の抜蝕染色加工布は、抜蝕染色処理に供する前のスパ
ッタリング加工布に比し明らかにすぐれていた。
【0042】灯に向けて布をかざしたときの観察では、
抜蝕染色処理に供する前のスパッタリング加工布では透
けがほとんど認められなかったのに対し、上記の抜蝕染
色加工布にあっては印捺部以外の部分も明らかに透けが
認められた。
【0043】また総合的に見て、上記の抜蝕染色加工布
は、抜蝕染色処理に供する前のスパッタリング加工布に
比し、風合、深み感、感触、装飾性等の美的感覚の点で
格段にすぐれており、現出した蝶の図柄は今にも布から
蝶が飛び出すのではないかと思えるほど美しいものであ
った。
【0044】実施例2 染色後のポリエステル繊維製の平織り織布の片面にスパ
ッタリング加工を行って、厚さ350オングストローム
のアモルファス銅のスパッタリング層を形成させた。
【0045】抜蝕剤(酸性硫酸ソーダ)、糊剤(加工ガ
ム)、抜染剤(塩化第一スズ)、抜蝕助剤、浸透剤(プ
リンティングオイル)、湿潤剤(グリセリン)、溶解剤
(「グリソルブBT」)を含む抜蝕抜染用の抜蝕糊を水
で濃度調整してから、上記のスパッタリング加工布染色
品のスパッタリング層側の面に所定のパターンに印捺
し、70℃で熱風乾燥した。
【0046】上記の操作終了後、スチームを用いて温度
130℃で20分間湿熱処理を行い、ついで水洗、湯
洗、還元洗浄(リダクションクリーニング)、湯洗、水
洗、乾燥等の後処理を行った。
【0047】上記の抜蝕染色処理により、スパッタリン
グ層は印捺パターンに合った形状に溶出され、さらにそ
の抜蝕部が抜染された。
【0048】上記の抜蝕抜染加工布と染色後のスパッタ
リング加工布とを比較すると、堅牢度、ドレープ性、透
け性、風合、深み感、感触、装飾性において、上記抜蝕
抜染加工布の方が明らかにすぐれていた。
【0049】実施例3 ポリエステル繊維製の平織り織布の片面にスパッタリン
グ加工を行って、厚さ420オングストロームのステン
レス鋼のスパッタリング層を形成させた。
【0050】上記で得たスパッタリング加工布を、加圧
型密閉染色機を用いて高温にて染色した。すなわち、分
散性染料を約2倍量の微温湯で軟泥状とした後、撹拌し
ながら微温湯を追加して均一な分散液となしてから、p
H 4.5〜5に調整し、ついでこの染浴に上記で得たスパ
ッタ加工布を浸漬し、60℃まで昇温してからは30〜
60分かけて徐々に昇温し、130℃で60分間染色を
行った。
【0051】染色終了後、50〜80℃で10〜20分
間還元洗浄(リダクションクリーニング)を行い、水洗
して仕上げた。
【0052】抜蝕剤(酸性硫酸ソーダ)、糊剤(加工ガ
ム)、抜蝕助剤、浸透剤(プリンティングオイル)、湿
潤剤(グリセリン)、溶解剤(「グリソルブBT」)を
含む抜蝕用の抜蝕糊を水で濃度調整してから、上記の染
色されたスパッタリング加工布のスパッタリング層側の
面に所定のパターンに印捺し、70℃で熱風乾燥した。
これをスチームを用いて温度130℃で20分間湿熱処
理を行い、ついで水洗、湯洗、還元洗浄(リダクション
クリーニング)、湯洗、水洗、乾燥等の後処理を行っ
た。
【0053】上記の抜蝕処理により、スパッタリング層
は印捺パターンに合った形状に溶出された。
【0054】上記の抜蝕加工布と抜蝕前のスパッタリン
グ加工布とを比較すると、堅牢度、ドレープ性、透け
性、風合、深み感、感触、装飾性において、上記抜蝕加
工布の方が明らかにすぐれていた。
【0055】
【発明の効果】本発明の方法により得られる抜蝕捺染加
工布は、スパッタリング層を有するため、帯電防止性、
耐熱性、耐蝕性、熱の遮断性、紫外線カット作用、耐候
性を有し、機能的にすぐれている。スパッタリング層の
種類によっては、抗菌性も発揮する。スパッタリング層
は真空蒸着層とは異なり堅牢度が高いという利点もあ
る。
【0056】また、抜蝕処理によりスパッタリング層は
印捺パターンに合った形状に溶出され、抜蝕染色処理の
場合にはさらにその溶出部が染色されているので、美的
感覚の点でも極めてすぐれたものとなっている。
【0057】そして抜蝕処理、抜蝕染色処理または抜蝕
抜染処理に伴なう後処理(水洗、湯洗、ソーピング、還
元洗浄等の処理)により、印捺部以外の部分において
も、スパッタリング加工時の余分な金属または金属化合
物粒子が脱落するため、付着粒子の数が減少して粗にな
る結果、全体の風合、色調が一段と好ましくなり、摩擦
堅牢度が増し、ドレープ性(しなやかさ)が良好とな
り、さらには組織によっては裏の色目が表に出て玉虫効
果も発現するようになる。
【0058】このように本発明の方法により得られる抜
蝕加工布、抜蝕捺染加工布、抜蝕抜染加工布は、機能性
のみならず独特のファッション性、新規な材質感を有
し、風合、深み感、感触、装飾性も良好で、美的感覚に
おいても極めて好ましいものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】染色布または非染色布にスパッタリング法
    により金属または金属化合物からなる厚さ100〜30
    00オングストロームのスパッタリング層を形成させた
    スパッタリング加工布を原反として用い、該スパッタリ
    ング加工布にそのスパッタリング層を抜蝕しうる抜蝕剤
    を含む抜蝕糊を用いて部分的に印捺を行った後、印捺部
    のスパッタリング層を除去することを特徴とする抜蝕捺
    染加工布の製造法。
  2. 【請求項2】抜蝕剤と共に染料を含む抜蝕糊を用いて印
    捺を行った後、印捺部のスパッタリング層の除去および
    印捺部の染色を行うことを特徴とする請求項1記載の製
    造法。
  3. 【請求項3】抜蝕剤と共に抜染剤を含む抜蝕糊を用いて
    印捺を行った後、印捺部のスパッタリング層の除去およ
    び印捺部の抜染を行うことを特徴とする請求項1記載の
    製造法。
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