JP3209131B2 - 高珪素鋼帯の連続製造方法および設備 - Google Patents

高珪素鋼帯の連続製造方法および設備

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JP3209131B2 JP04152197A JP4152197A JP3209131B2 JP 3209131 B2 JP3209131 B2 JP 3209131B2 JP 04152197 A JP04152197 A JP 04152197A JP 4152197 A JP4152197 A JP 4152197A JP 3209131 B2 JP3209131 B2 JP 3209131B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、気体浸珪法による
高珪素鋼帯の連続製造方法およびその実施に好適な設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】高珪素鋼板を工業的に製造する方法とし
て、所謂気体浸珪法による連続製造法が知られている。
この製造法は、連続ラインにおいてSi含有量が比較的
低い鋼帯を加熱した後、鋼帯両側に配されたガスノズル
から鋼帯の両面に塩化珪素ガス(原料ガス)を含む無酸
化性ガスを吹き付けること等により、鋼帯を塩化珪素ガ
スと接触させて鋼帯表面にSiを浸透させ、次いでSi
を板厚方向に拡散させる拡散熱処理を施し、冷却後コイ
ル状に巻取る一連のプロセスを連続ライン化し、高珪素
鋼帯を効率よく製造することができる。
【0003】ところで、従来の珪素鋼板は板厚が0.2
〜0.5mm程度のものが主体であったが、近年、電気
機器の高性能化に伴う高周波数化により、鉄心材料とし
て使用される珪素鋼板にもより高性能が期待されるよう
になり、このため板厚0.1mm以下の極薄高珪素鋼帯
が求められるようになってきた。しかし、このような極
薄の高珪素鋼帯を上述した連続浸珪処理法により製造す
る場合、極薄であるが故に板形状や通板性に問題を生
じ、このため高品質な製品を安定して製造することが難
しかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、高珪素鋼帯
を製造するための連続浸珪処理設備は水平型の連続炉で
あり、鋼帯を1000℃以上の高温で処理する必要があ
るため、鋼帯の蛇行が発生しやすいという問題がある。
特に、浸珪帯では浸珪反応により鋼帯にSiが添加され
るのに伴って鋼帯の格子定数が徐々に変化していき、鋼
帯が収縮する。このためSi添加量に鋼帯幅方向で分布
等があると、鋼帯幅方向での上記収縮の程度(収縮量)
に差が生じるため鋼帯幅方向において鋼帯の長さが異な
るという現象が起こる。この結果、鋼帯に部分的にキャ
ンバーが発生し、同じ温度で低珪素鋼帯を通板させる場
合に比べ蛇行量が大きくなってしまう。
【0005】このような蛇行を防止する方法としては、
炉内張力を高める方法や炉の入側および出側でピンチロ
ール等の手段により蛇行を強制的に修正する方法が考え
られるが、蛇行を防止するために炉内張力を高めると、
高温で通板している鋼帯が熱によって絞りや板伸びを生
じ、製品の形状を著しく悪化させる。一方、炉の入側お
よび出側でピンチロール等の手段により蛇行を強制的に
修正する方法は、処理の対象が板厚が薄い鋼帯(特に、
板厚0.1mm以下の極薄鋼帯)の場合には鋼帯に絞り
が発生したり、捻りが加えられた際に破断する等の問題
があり、このため通板自体が困難となる。
【0006】このように従来の方法では、連続浸珪処理
により板厚の小さい高珪素鋼帯、とりわけ板厚0.1m
m以下の極薄高珪素鋼帯を安定して製造することは困難
であった。したがって、本発明の目的は、連続浸珪処理
により板の絞りや破断等を生じることなく板厚の小さい
高珪素鋼帯、特に板厚0.1mm以下の極薄高珪素鋼帯
を安定して製造することができる高珪素鋼帯の連続製造
方法およびその実施に好適な設備を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の特徴は以下の通りである。 (1) 水平型の連続炉内で鋼帯を連続的に通板させ、炉内
で鋼帯を塩化珪素ガスを含む処理ガスと接触させること
により鋼帯の浸珪処理を行う高珪素鋼帯の連続製造方法
において、連続炉の出側において鋼帯を搬送するととも
にステアリング機構により蛇行修正を行い、連続炉の入
側においては、センタリング手段により鋼帯をパスライ
ン中心にセンタリングするとともに、該センタリング手
段による鋼帯のセンタリング位置の直後また直前におい
て、張力付与手段により、鋼帯をピンチすることなく連
続炉側の鋼帯に0.08〜0.23kg/mm2の張力
を付与することを特徴とする高珪素鋼帯の連続製造方
法。
【0008】(2) 上記(1)の製造方法において、張力付
与手段として、鋼帯が面接触して摺動すべき被摺動面を
備えた張力付与手段を用い、該張力付与手段の被摺動面
と鋼帯との摩擦力により鋼帯を拘束することで連続炉側
の鋼帯に張力を付与することを特徴とする高珪素鋼帯の
連続製造方法。 (3) 上記(1)の製造方法において、張力付与手段として
ダンサーロール用いることを特徴とする高珪素鋼帯の連
続製造方法。
【0009】(4) 上記(1)の製造方法を実施するための
連続製造設備において、連続炉の出側に、鋼帯の蛇行修
正を行うためのステアリング機構を備え、且つ回転する
上下の無端ベルトまたはキャタピラの水平移動部により
鋼帯をピンチしつつ搬送するブライドル装置を設け、連
続炉の入側には鋼帯をセンタリングするためのサイドガ
イドを設けるとともに、該サイドガイドの直後または直
前に鋼帯をピンチすることなく鋼帯に0.08〜0.2
3kg/mm2の張力を付与することができる張力付与
装置を設けたことを特徴とする高珪素鋼帯の連続製造設
備。 (5) 上記(1)の製造設備において、ブライドル装置が回
転移動可能な上下の無端ベルトまたはキャタピラを有
し、これら上下の無端ベルトまたはキャタピラの水平移
動部間で鋼帯をピンチするよう構成するとともに、鋼帯
パスライン幅方向に移動または揺動可能に構成したこと
を特徴とする高珪素鋼帯の連続製造設備。
【0010】
【発明の実施の形態】浸珪処理による高珪素鋼帯の連続
製造設備の概要を図1に示す。この連続製造設備は水平
型の連続炉Aで構成されており、通常、炉内は入側から
順に加熱帯、浸珪帯、拡散均熱帯、冷却帯により構成さ
れている。このような連続炉Aでは、炉内に導入された
鋼帯を加熱帯で浸珪処理温度(1023〜1200℃)
またはその近傍まで加熱した後、浸珪帯においてSiC
4等の塩化珪素ガスを含む処理ガスと接触させる(通
常、ガスノズルから鋼帯の両面に処理ガスを吹き付け
る)ことにより鋼帯表面にSiを浸透させ、次いで拡散
均熱帯においてSiを板厚方向に拡散させる拡散熱処理
を施した後、冷却帯で冷却して浸珪処理を終了し、炉出
側から導出させる。
【0011】このような高珪素鋼帯の連続製造設備で板
厚の小さい高珪素鋼帯、特に板厚0.1mm以下の極薄
材を製造する場合、炉内での鋼帯の蛇行が大きな問題と
なる。従来一般的に用いられている蛇行修正装置は、ロ
ール軸を鋼帯進行方向に傾けたステアリング機構やクラ
ウンを付したピンチロール等により鋼帯にパスライン中
心への求心力を持たせるような機能を有するものが殆ど
である。しかし、鋼帯は板厚が小さいほど蛇行を生じや
すく、しかも浸珪帯では鋼帯に付与する張力を極めて小
さくする必要があるため、上記のような従来の蛇行修正
装置ではステアリングが十分に効かなかったり、或いは
鋼帯に捻りが加えられて破断してしまうことがある。ま
た、鋼帯をピンチロールで拘束すると、その部分で絞り
が発生して鋼帯が折れ込むという問題を生じ、一方、こ
れを避けるためにピンチロールの圧下量を下げると、逆
に鋼帯の求心力が無くなるため却って蛇行が発生しやす
くなる。また、鋼帯の張力を上げると蛇行の発生は軽減
されるが、浸珪処理は1000℃以上の高温で行われる
ため、板が伸びたり、絞り変形が発生するという問題が
ある。
【0012】このような問題に対して本発明者らは、図
1に示すような連続製造設備を用いて鋼帯の蛇行を防止
できる通板条件を見い出すべく実験を重ねた結果、図2
に示すように連続炉Aの出側においてステアリング機構
を有するブライドル装置1(このブライドル装置1の詳
細は後述する)により鋼帯Sの搬送と蛇行修正を行いつ
つ、炉入側において鋼帯Sにループ2を形成させること
で炉出側のブライドル装置1との間を無張力の状態とす
るとともに、鋼帯Sをセンタリング手段であるサイドガ
イド3で両サイドにずれないように拘束し、パスライン
中心に位置させつつ通板させた場合には、炉入側での鋼
帯Sの蛇行がほとんど発生しないことが判った。なお、
図2において6は炉入側のブライドルロール、7はテン
ションメータである。また、図2で用いたサイドガイド
3の詳細を図4に示す。このサイドガイド3は、ロール
状の本体30の両端に鋼帯両エッジ部を拘束するための
鍔状のガイド部31を有しており、非回転の状態でパス
ライン上に配置される。
【0013】図2のように鋼帯Sが無張力の状態では、
鋼帯が蛇行しようとしてもサイドガイド3により鋼帯の
横方向への動きを簡単に抑えることができるため、炉入
側での鋼帯の蛇行は容易に防止することができる。した
がって、鋼帯Sはパスラインの中心位置に保持された状
態で連続炉Aに導入されるため、炉出側では炉内での蛇
行量分をステアリング機構付きのブライドル装置1で修
正すればよく、このため鋼帯Sに絞りや極度な捻り等を
生じさせることなく、蛇行防止を図ることができる。し
かしながら、上記のように鋼帯を無張力の状態で炉内通
板させた場合、炉内の張力制御が行えないため鋼帯が炉
内のハースロール間で大きな弛みを生じ、実質的な浸珪
処理を行えなくなる。また、炉内張力が低いと浸珪帯の
鋼帯の蛇行量が大きくなり、炉出側のステアリングだけ
では蛇行の修正が不可能となる。
【0014】そこで本発明者らは、図3に示すように炉
入口とセンタリング手段であるサイドガイド3間に、鋼
帯Sをピンチすることなく鋼帯に張力付加を行える張力
付与手段として非回転の固定ロール4を配置し、炉入側
において無張力状態でサイドガイド3を通過した直後で
あって炉に導入される前の鋼帯Sを前記固定ロール4に
適当な巻付角度(数十度程度)で面接触させ、この面接
触による摩擦力で微量の張力付加を行いつつ鋼帯Sを炉
内通板させることを試みた。この結果、図3のように鋼
帯Sを固定ロール4に面接触させることにより拘束して
も、サイドガイド3によるセンタリングの直後であるた
め、固定ロール4に拘束されることによる鋼帯の蛇行は
全く起こらず、図2に示すように無張力で通板した場合
と同様に、鋼帯Sをパスラインの中心に保持しつつ炉内
通板させ得ることが判った。また、図3とは逆にサイド
ガイド3の直前に固定ロール4を設けた場合について
も、同様の結果が得られた。
【0015】さらに、図3に示す方法において、鋼帯S
の固定ロール4への巻き付け(面接触)によって得られ
る摩擦力を変えることにより鋼帯への付加張力を種々変
化させて浸珪処理を行い、炉内張力と鋼帯の蛇行量およ
び絞り量との関係を調査した。その結果を図9に示す。
なお、図9に示す蛇行量は出側のステアリング装置(ス
テアリング機構付きのブライドル装置1)の実際の移動
量をステアリング装置の最大移動量(移動可能な最大
値)に対する比率(%)で表した。移動率が100%を
超えるとステアリング装置はそれ以上に動くことができ
ず、蛇行修正ができないため鋼帯がロールアウトするこ
とを意味しており、通常、連続的に安定通板可能な移動
率の領域は50%以内である。また、鋼帯の絞りは図1
0に示すような状態に生成するため、絞り量は絞り幅と
高さと絞りの本数を掛け合わせた指数(絞り度評価指
数)で評価した。
【0016】図9によれば、炉内張力が0.08kg/
mm2未満ではステアリングの移動率が50%を超えて
おり、炉内で著しい蛇行を生じていることが判る。一
方、炉内張力が0.23kg/mm2を超えると鋼帯の
絞り量が急増している。これに対して、炉内張力が0.
08〜0.23kg/mm2の範囲であれば絞り量が小
さく且つ蛇行も適切に抑えられている。以上の結果に基
づき本発明では、連続炉の出側において鋼帯を搬送する
とともにステアリング機構により蛇行修正を行い、連続
炉の入側においては、センタリング手段により鋼帯をパ
スライン中心にセンタリングするとともに、このセンタ
リング手段による鋼帯のセンタリング位置の直後また直
前で、張力付与手段により、鋼帯をピンチすることなく
連続炉側の鋼帯に0.08〜0.23kg/mm2の張
力を付与することをその条件とする。
【0017】本発明法において、炉入側で用いられるセ
ンタリング手段は、通板する鋼帯が両サイドにずれない
ように鋼帯両エッジ部を拘束できるものであればよい。
したがって、センタリング手段は図3に示すような構造
のサイドガイドに限定されるものではなく、例えば、板
状の部材等をパスラインの両側に配置しただけのもので
もよい。また、サイドガイドの両ガイド部(例えば、図
3のサイドガイド3のガイド部31)の間隔は、通板す
る鋼帯の幅と略同じか若しくは若干大き目とすればよ
い。また、図3の実施形態ではサイドガイド3をライン
方向で2箇所に配置しているが、これは鋼帯を複数箇所
でガイドすることにより、センタリング時の鋼帯への衝
撃力の集中を緩和するためである。
【0018】また、同じく炉入側で用いられる張力付与
手段としては、鋼帯をピンチすることなく鋼帯に0.0
8〜0.23kg/mm2の張力を付与できるものであ
ればその種類を問わない。図3で用いられている固定ロ
ール4に代表される張力付与手段は、鋼帯が適当な巻付
角度(通常、数十度程度)で面接触して摺動すべき被摺
動面を有する張力付与手段であり、この張力付与手段は
被摺動面と鋼帯との摩擦力で鋼帯を拘束することで炉側
の鋼帯に張力を付与する。したがって、この張力付与手
段は図3に示されるような固定ロール4に限定されるも
のではなく、鋼帯が適当な巻付角度で面接触して円滑に
通板することができる弧状面等の被摺動面を有するもの
であればその構成を問わない。また、上記張力付与手段
による鋼帯への張力付与は、上記サイドガイド等による
センタリング位置の直前または直後のいずれで行うこと
もできる。
【0019】通常、張力付与手段が有する被摺動面は、
鋼帯に擦り疵を生じさせないようにするため柔軟な部材
(例えば、フェルト等)により構成され、この柔軟な部
材の材質や厚さ、或いは鋼帯の被摺動面に対する巻付角
度を適宜選択することにより、鋼帯と被摺動面との摩擦
力を調整し、これにより所望の炉内張力を得ることがで
きる。したがって、張力付与手段が図3のような固定ロ
ール4の場合にも、被摺動面であるロール表面にフェル
ト等の柔軟な部材を巻き付け、この柔軟な部材の材質や
巻付厚さ、鋼帯の固定ロール4に対する巻付角度を適宜
選択することにより、鋼帯Sとロール表面との摩擦力を
調整する。なお、張力付与手段として上記のような被摺
動面を有する手段を用いる場合には、図3に示すように
張力付与手段の直前に無張力部であるループ2を設ける
必要がある。
【0020】また、本発明法では張力付与手段として、
従来から鋼帯の張力付与装置として広く用いられてるダ
ンサーロールを用いることもできる。図5はこのダンサ
ーロールを用いた実施形態を示しており、センタリング
手段であるサイドガイド3の直前にダンサーロール5を
設け、このダンサーロール5により炉内側の鋼帯Sに張
力を付与する。このダンサーロールは、上下動可能なロ
ールを備え、このロールに下方向への荷重をかけること
で、ロールに巻き付いた鋼帯に上記荷重分の張力を付与
する装置である。したがって、鋼帯の張力はロールにか
ける荷重を調整することにより簡単に変更できる。この
装置を用いることにより鋼帯をピンチすることなく鋼帯
に所定量の微張力を付与することが可能となる。なお、
張力付与手段として図5に示すようなダンサーロール5
を用いる場合には、図3で用いているようなループ2は
設ける必要はない。
【0021】炉出側において鋼帯を搬送しつつステアリ
ング機構により蛇行修正を行うための手段(なお、この
手段は炉側と鋼帯巻取り側の張力分離機能を有する必要
がある)としては、図3および図5に示すようなステア
リング機構を備えたブライドル装置1を用いることが好
ましい。このブライドル装置1は、回転移動可能な上下
の無端ベルトまたはキャタピラを備え、これら上下の無
端ベルトまたキャタピラの水平移動部間で鋼帯をピンチ
しつつ搬送することができ、且つ鋼帯の蛇行修正を行う
ためのステアリング機構を備えたブライドル装置であ
り、所謂水平パスブライドル装置というべきものであ
る。このブライドル装置1は回転する上下の無端ベルト
またはキャタピラの一部が鋼帯パスライン上で水平移動
するようガイドされ、この水平移動部を鋼帯両面に面接
触させつつ鋼帯Sをピンチする。また、このブライドル
装置1は、その全体が鋼帯パスライン幅方向に対して水
平に移動または揺動可能であり、これが鋼帯のステアリ
ング機構を構成している。
【0022】図7および図8は、このようなブライドル
装置のうち鋼帯のピンチ手段としてキャタピラを備えた
装置の一例を示している。このブライドル装置1は鋼帯
Sをピンチする上下1対のキャタピラ体8a、8bと、
上部キャタピラ体8aを保持し且つ鋼帯Sを圧下するた
めの保持機構9(シリンダ装置等)と、上下のキャタピ
ラ体8a、8bを回転駆動させる駆動装置(図示せず)
とを備えている。上下の各キャタピラ体8a、8bは、
多数の矩形状のセグメント15を連結したチェーンベル
ト16により構成され、その各内側にはチェーンベルト
16を保持するための環状のガイド機構10(図7で
は、下部キャタピラについてのみガイド機構10を示し
た)が設けられ、また、各キャタピラ体8a、8b内側
の一方の端にはチェーンベルト16を駆動するスプロケ
ットホイール11が設けられている。したがって、各キ
ャタピラ体8a、8bは、このスプロケットホイール1
1により駆動され、環状のガイド機構10に沿って循環
移動する。また、各セグメント15の上面にはゴム被覆
層が形成されている。
【0023】前記環状のガイド機構10は、キャタピラ
周方向のうち鋼帯ピンチ部を直線状に、またそれ以外の
部分を弧状等の適宜な形状に保持するように構成され、
これにより上下のキャタピラ体8a、8bの鋼帯ピンチ
部は、複数のセグメント15が端部どうしを接触させて
水平状に移動し、この水平移動部12で鋼帯Sをピンチ
できるようにしてある。したがって、このブライドル装
置1は上下のキャタピラ体8a、8bの水平移動部12
で鋼帯Sを面接触により確実にピンチし、これによって
鋼帯Sを曲げることなく鋼帯の搬送および張力分離機能
を果すことができる。
【0024】また、ブライドル装置1の全体は鋼帯パス
ライン幅方向で水平方向に移動可能に構成され、これが
鋼帯のステアリング機構を構成している。このためブラ
イドル装置1は、図8に示すように鋼帯パスライン幅方
向に設けられたガイド13(ガイドレール等)に移動可
能に保持されている。このガイド13は炉側の仮想点p
を中心とした円弧に沿って形成されており、したがっ
て、このガイド13に沿って移動可能に保持されたブラ
イドル装置1は、パスライン幅方向において上記仮想点
pを中心として円弧状に移動する。また、このブライド
ル装置1の移動は図示しない駆動装置(例えば、シリン
ダ装置等)の駆動力によりなされる。
【0025】ブライドル装置1の直後には鋼帯の蛇行検
出装置14(例えば、投受光器を備えた位置検出器)が
設けられており、この蛇行検出装置14により鋼帯Sの
蛇行を検出した際に、これを修正するようブライドル装
置1をパスライン幅方向で移動させるステアリングを行
い、蛇行を修正する。すなわち、ブライドル装置1は上
下のキャタピラ体8a、8bで鋼帯Sをピンチしたまま
パスライン幅方向において鋼帯蛇行方向と反対方向に移
動することにより、鋼帯の蛇行を修正する。なお、ブラ
イドル装置1のパスライン幅方向での移動軌道は、図8
ような円弧状ではなくパスラインと直交するような直線
状或いは図8と逆向きの円弧状であってもよく、これら
の場合にはそれぞれの移動軌道に応じてガイド13の構
成が選択される。また、図7及び図8では鋼帯のピンチ
手段が上下のキャタピラ体である装置を示したが、この
ような上下のキャタピラ体に代えて上下の無端ベルトを
用いてもよい。
【0026】また、高珪素鋼帯であっても鋼帯へのSi
添加量が比較的少ない鋼帯を製造する場合には、炉出側
で鋼帯を搬送しつつステアリングを行う手段として、従
来一般に用いられているブライドルロールと鋼帯をピン
チしない方式の蛇行修正装置を組み合せて用いることが
できる。すなわち、製造される高珪素鋼帯が6.5%S
i鋼帯に代表されるようなSi含有量が高い鋼帯の場合
には、鋼帯が連続炉の出側でブライドルロールにより曲
げられると簡単に破断してしまうが、Si含有量が比較
的低い高珪素鋼帯(例えば、Si含有量が4%以下の高
珪素鋼帯)の場合には、鋼帯の曲げを伴うブライドルロ
ールであっても破断を生じさせることなく通板させるこ
とが可能である。また、蛇行修正装置としては、ピンチ
ロールのような鋼帯をロールでピンチする方式以外のも
のを用いれば、鋼帯に絞りを生じさせることなく蛇行修
正を行うことができる。
【0027】図6は、このようなSi含有量が比較的低
い高珪素鋼帯の製造方法および設備の一例を示すもの
で、連続炉Aの出側には、2本のロールからなる蛇行修
正装置17と、鋼帯を搬送し且つ張力を分離するための
ブライドルロール18が設けられている。蛇行修正装置
17は、これを構成するロールのロール軸を鋼帯幅方向
に傾けることにより鋼帯の蛇行修正を行うもので、その
装置自体は従来公知のものである。また、蛇行修正装置
としては、鋼帯をロールでピンチしない方式であれば任
意の方式のものを用いることができる。なお、図6の炉
入側の構成については図3と同様であるので、同一の符
号を付し、詳細な説明は省略する。また、炉入側の構成
については図5の構成を採ることもできる。なお、連続
炉内の浸珪帯ではSiCl4等の塩化珪素ガス濃度が約
5〜35mol%程度に調整された処理ガスがガスノズ
ルを通じて鋼帯面に吹き付けられ、1023〜1200
℃程度の温度で浸珪処理が行われる。また、製造される
高珪素鋼帯のSi含有量は任意であるが、一般にはS
i:5〜10wt%程度の高珪素鋼帯が製造される。
【0028】
【実施例】
[実施例1]図3に示す高珪素鋼帯の連続製造方法およ
び設備により、板厚0.05mm、板幅640mmの3
%Si鋼帯を浸珪処理し、6.5%Si鋼帯を製造し
た。この実施例では、張力付与手段である固定ロール4
の表面にフェルトを巻き付け、このフェルトの厚みを変
えることで鋼帯と固定ロール表面との摩擦抵抗を変化さ
せ、鋼帯の炉内張力を0.04〜0.28kg/mm2
の範囲で変化させた。表1に、鋼帯を各炉内張力で通板
させた際の鋼帯の蛇行状況と板形状を示す。これによれ
ば、図3に示す実施形態において炉内張力を本発明条件
である0.08〜0.23kg/mm2の範囲とすれ
ば、鋼帯の絞りを抑えて良好な板形状を確保できるとと
もに、鋼帯の蛇行も効果的に防止できることが判る。
【0029】
【表1】
【0030】[実施例2]図5に示す高珪素鋼帯の連続
製造方法および設備により、板厚0.05mm、板幅6
40mmの3%Si鋼帯を浸珪処理し、6.5%Si鋼
帯を製造した。この実施例では、張力付与手段であるダ
ンサーロール5により鋼帯の炉内張力を0.05〜0.
32kg/mm2の範囲で変化させた。表2に、鋼帯を
各炉内張力で通板させた際の鋼帯の蛇行状況と板形状を
示す。これによれば、図5に示す実施形態においても炉
内張力を本発明条件である0.08〜0.23kg/m
2の範囲とすれば、鋼帯の絞りを抑えて良好な板形状
を確保できるとともに、鋼帯の蛇行も効果的に防止でき
ることが判る。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、気体浸珪法
により高珪素鋼帯を連続的に製造するに際し、浸珪処理
の対象が板厚0.1mm以下の極薄鋼帯であっても、絞
り等の板形状不良を起こすことなく、しかも通板時に過
度の蛇行を生じさせることなく高珪素鋼帯を安定的に製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】浸珪処理による高珪素鋼帯の連続製造設備の概
要を示す説明図
【図2】本発明の研究過程で実施した高珪素鋼帯の連続
製造方法および設備を示す説明図
【図3】本発明による高珪素鋼帯の連続製造方法および
設備の一実施形態を示す説明図
【図4】図2および図3の設備で用いたサイドガイドを
部分的に示す斜視図
【図5】本発明による高珪素鋼帯の連続製造方法および
設備の他の実施形態を示す説明図
【図6】本発明による高珪素鋼帯の連続製造方法および
設備の他の実施形態を示す説明図
【図7】図3および図5で用いたブライドル装置の詳細
を示す側面図
【図8】図7に示すブライドル装置の平面図
【図9】図3に示す高珪素鋼帯の連続製造方法におい
て、炉内張力と鋼帯の蛇行量および絞り量との関係を示
すグラフ
【図10】高珪素鋼帯製造時の絞り生成状況を示す説明
【符号の説明】
1…ブライドル装置、2…ループ、3…サイドガイド、
4…固定ロール、5…ダンサーロール、6…ブライドル
ロール、7…テンションメータ、8a、8b…キャタピ
ラ体、9…保持機構、10…ガイド機構、11…スプロ
ケットホイール、12…水平移動部、13…ガイド、1
4…蛇行検出装置、15…セグメント、16…チェーン
ベルト、17…蛇行修正装置、18…ブライドルロー
ル、30…本体、31…ガイド部、A…連続炉、S…鋼
フロントページの続き (72)発明者 笠井 勝司 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 山岸 新一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−188831(JP,A) 特開 平8−3724(JP,A) 特開 平5−247623(JP,A) 特開 平7−90544(JP,A) 特開 昭62−227078(JP,A) 実開 昭64−51658(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/52 101 - 105 C21D 9/46 501 C23C 10/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平型の連続炉内で鋼帯を連続的に通板
    させ、炉内で鋼帯を塩化珪素ガスを含む処理ガスと接触
    させることにより鋼帯の浸珪処理を行う高珪素鋼帯の連
    続製造方法において、連続炉の出側において鋼帯を搬送
    するとともにステアリング機構により蛇行修正を行い、
    連続炉の入側においては、センタリング手段により鋼帯
    をパスライン中心にセンタリングするとともに、該セン
    タリング手段による鋼帯のセンタリング位置の直後また
    直前において、張力付与手段により、鋼帯をピンチする
    ことなく連続炉側の鋼帯に0.08〜0.23kg/m
    2の張力を付与することを特徴とする高珪素鋼帯の連
    続製造方法。
  2. 【請求項2】 張力付与手段として、鋼帯が面接触して
    摺動すべき被摺動面を備えた張力付与手段を用い、該張
    力付与手段の被摺動面と鋼帯との摩擦力により鋼帯を拘
    束することで連続炉側の鋼帯に張力を付与することを特
    徴とする請求項1に記載の高珪素鋼帯の連続製造方法。
  3. 【請求項3】 張力付与手段としてダンサーロール用い
    ることを特徴とする請求項1に記載の高珪素鋼帯の連続
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の製造方法を実施するた
    めの連続製造設備において、連続炉の出側に、鋼帯の蛇
    行修正を行うためのステアリング機構を備えたブライド
    ル装置を設け、連続炉の入側には鋼帯をセンタリングす
    るためのサイドガイドを設けるとともに、該サイドガイ
    ドの直後または直前に鋼帯をピンチすることなく鋼帯に
    0.08〜0.23kg/mm2の張力を付与すること
    ができる張力付与装置を設けたことを特徴とする高珪素
    鋼帯の連続製造設備。
  5. 【請求項5】 ブライドル装置が回転移動可能な上下の
    無端ベルトまたはキャタピラを有し、これら上下の無端
    ベルトまたはキャタピラの水平移動部間で鋼帯をピンチ
    するよう構成するとともに、鋼帯パスライン幅方向に移
    動または揺動可能に構成したことを特徴とする請求項4
    に記載の高珪素鋼帯の連続製造設備。
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