JP2000063958A - 金属帯の連続焼鈍方法 - Google Patents
金属帯の連続焼鈍方法Info
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- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
させることにより、金属帯のC反り量を問題がない程度
に抑制することができる金属帯の連続焼鈍方法を提供す
ること。 【解決手段】 比重の小さい還元性ガス(水素ガス)と
比重の大きい不活性ガス(窒素ガス)とを含む雰囲気ガ
スを炉内に供給しながら、金属帯1を炉内へ連続的に通
板させて焼鈍処理を行う竪型連続焼鈍炉2の徐冷帯22
において、前記金属帯1の両面のそれぞれ異なるレベル
位置へ不活性ガスからなる雰囲気ガス又は不活性ガス濃
度の高い雰囲気ガスを噴射することにより、前記金属帯
1を蛇行させる工程を含むことを特徴とする。
Description
を使用して金属帯を連続焼鈍する場合において、金属帯
の幅方向の反りであるC反りをより小さく制御すること
ができる連続焼鈍方法に関するものである。
焼鈍炉の内部は、下方より順に、加熱帯,均熱帯,徐冷
帯及び冷却帯が配置されており、金属帯を加熱帯,均熱
帯,徐冷帯及び冷却帯へ順次通板させる過程において、
金属帯の両面に水素ガス(還元性ガス)75vol%以
上で残部が窒素ガス(不活性ガス)からなる雰囲気ガス
を噴射しながら、金属帯へ所定の熱履歴を付与するよう
になっている。
帯及び均熱帯では圧延工程や矯正加工工程中の残留応力
が加熱により開放される。加熱状態の金属帯が均熱帯か
ら徐冷帯に達して冷却されるときに金属帯表面の幅方向
の温度分布の差が大きいと、金属帯には図5の(a)図
や(b)図のように、幅方向に対して凸状又は凹状に変
形するいわゆるC反りが形成される。このようなC反り
を有する金属帯1が、連続焼鈍炉の徐冷帯及び冷却帯を
通過して図示しないターンロールで方向変換される際、
例えば図5の(a)(b)各図において、金属帯1の下
面にターンロールが接触する場合には、金属帯1は当該
ターンロールへ密着するように幅方向の両側部が伸びる
ため、金属帯1に発生したC反りは解消される。他方、
例えば図5の(a)(b)各図において、C反りを有す
る金属帯1の上面にターンロールが接触する場合には、
C反り量が例えば1mm(幅500mmに対して)以上であ
ると、金属帯1はターンロールとの接触によりその幅方
向の両側部が固定されため、幅方向の中央部分が屈曲し
て疵を生ずることが少なくなかった。金属帯1にこのよ
うな疵が発生するとその歩留りが著しく低下するので、
C反りの発生を防止するための工夫が種々試みられてい
る。
前述のとうりであるので、従来は専ら、連続的に焼鈍処
理される金属帯の温度が最初に低下する連続焼鈍炉内の
徐冷帯において、金属帯表面の幅方向の温度分布をより
均一にする方向で改善がなされていた。
鈍炉内の徐冷帯において、金属帯表面の幅方向の温度分
布を均一化する技術には限界があるので、金属帯の連続
焼鈍中に発生するC反り量を幅方向500mmに対して1
mm以下に抑制することは困難であった。
理中の金属帯の温度が最初に低下する徐冷帯において、
金属帯の走行形状を非接触的に所定形状に変化させるこ
とにより、金属帯のC反りを防止し、あるいは、金属帯
のC反り量を問題がない程度に抑制することができる金
属帯の連続焼鈍方法を提供することにある。
連続焼鈍方法は、前述の課題を解決するため以下のよう
に構成したものである。すなわち、請求項1に記載の金
属帯の連続焼鈍方法は、比重の小さい還元性ガスと比重
の大きい不活性ガスとを含む雰囲気ガスを炉内に供給し
ながら、金属帯を炉内へ連続的に通板させて焼鈍処理を
行う竪型連続焼鈍炉の徐冷帯において、前記金属帯の両
面のそれぞれ異なるレベル位置へ不活性ガスからなる雰
囲気ガス又は不活性ガス濃度の高い雰囲気ガスを噴射す
ることにより、前記金属帯を蛇行させる工程を含むこと
を特徴としている。
は、請求項1に記載の連続焼鈍方法において、前記徐冷
帯は前記金属帯の移動方向下流側の第1徐冷帯と上流側
の第2徐冷帯とに区分されており、第2徐冷帯の雰囲気
温度は第1徐冷帯の雰囲気温度よりも低温に保たれてい
ることを特徴とする、請求項1に記載の金属帯の連続焼
鈍方法。
は、請求項1又は2に記載の連続焼鈍方法において、前
記還元性ガスは水素ガス,前記不活性ガスは窒素ガスで
あり、前記徐冷帯において金属帯に噴射される雰囲気ガ
ス中の不活性ガスの濃度は70vol%以上であること
を特徴としている。なお、前記雰囲気ガス中の不活性ガ
スの濃度は、75vol%以上であるのがより好まし
い。
は、請求項3に記載の連続焼鈍方法において、前記竪型
連続焼鈍炉内全体の平均雰囲気は、還元性ガスの濃度が
70vol%以上に保たれていることを特徴とする、請
求項3に記載の金属帯の連続焼鈍方法。なお、前記炉内
の平均雰囲気は還元性ガス濃度が75vol%以上に保
たれていることがより好ましい。
明の好ましい実施形態を詳細に説明する。 (第1実施形態)図1は対流式の竪型連続焼鈍炉の全体
を示す縦断面図、図2は図1の竪型連続焼鈍炉2の徐冷
帯を示す拡大縦断面図、図3は図2の徐冷帯の中央部縦
断側面図である。
枠構造を形成するリードフレーム用材料の母材であり、
厚み0.05〜1.6mm程度の銅合金ストリップであ
る。コイルから巻き戻された金属帯1は、第1ターンロ
ール10を介して、上方に設置された対流式竪型連続焼
鈍炉2の入口の入側シールロール11により、前記連続
焼鈍炉2内部へ導かれる。連続焼鈍炉2内に導かれた金
属帯1は、連続焼鈍炉2へ下部から順に配置されている
加熱帯20,均熱帯21,徐冷帯22及び冷却帯23を
通過する。
12,第3ターンロール13が順次配置されており、金
属帯1はこれらに導かれた後、出側シールロール14を
介して対流式竪型連続焼鈍炉2から繰り出され、下方に
設置されている第4ターンロール15により図1の右方
向に搬送され、図示しない巻取り機によりコイルに巻き
取られるように構成されている。
るヒータ200、このヒータ200により加熱昇温され
たガスを循環させる循環ファン201、この循環ファン
201により、炉内を通過する金属帯1の両面に雰囲気
ガスを噴射する多数の噴射ノズル202、及び、各噴射
ノズル202へ連通された各ヘッダ203が設置されて
いる。
に、ヒータ210、循環ファン211、噴射ノズル21
2及び噴射ノズル212へ連通された各ヘッダ213が
設置されている。
クーラ230、炉内のガスを循環させる循環ファン23
1、この循環ファン231により、炉内を通過する金属
帯1の両面に雰囲気ガスを噴射する多数の噴射ノズル2
32、及び、各噴射ノズル232へ連通された各ヘッダ
233が設置されている。
循環ファン220と、この循環ファン220により、炉
内を通過する金属帯1の両面へ雰囲気ガスを噴射する複
数の噴射ノズル221がそれぞれ設置され、各噴射ノズ
ル221はそれぞれ図示しないヘッダへ連通している。
図2及び図3で示されているように、この実施形態の徐
冷帯22における各噴射ノズル221は、図示しないヘ
ッダへそれぞれ連通された水平な分配配管222へ、金
属帯1の幅全体に雰囲気ガスを噴射することができるよ
うに一定の間隔に取り付けられている。また、金属帯1
の一方の面に相対する各分配配管222と、金属帯1の
他方の面に相対する各分配配管222は、それぞれレベ
ル位置を異にして互いに千鳥状を呈するように配置され
ており、それぞれ水平方向へ所定量往復可動になってい
る。
発明の連続焼鈍方法の実施形態とともに説明する。加熱
帯20の内部は、ヒータ200により600〜900℃
に保たれるように制御されており、循環ファン201に
より、金属帯1に対して還元性ガスと不活性ガスを含む
雰囲気ガスが噴射ノズル202から連続的に噴射され
る。この実施形態において、還元性ガスは水素ガス,不
活性ガスは窒素ガスであり、加熱帯20内へ供給される
雰囲気ガスは、加熱帯20内を還元性雰囲気にするた
め、水素ガス75〜100vol%,残部が窒素ガスで
あるように調整されている。均熱帯21内の保持温度
や、雰囲気ガスを構成する水素ガスと窒素ガスの構成比
率も、加熱帯20内のそれらとほぼ同じである。
て300〜500℃の範囲に保たれるように制御されて
いる。徐冷帯22内では、循環ファン220の作動によ
り、各噴射ノズル221から雰囲気ガスが金属帯1の両
面へ噴射される。徐冷帯22内で金属帯1に噴射される
雰囲気ガスは、水素ガス0〜30vol%(好ましくは
0〜25vol%),残部が窒素ガスであるように調整
されており、したがって徐冷帯22内は不活性雰囲気に
なっている。上下方向に沿って千鳥状に配置された左右
の噴射ノズル221からは、前述のように比重の小さい
還元性ガス(水素ガス)よりも比重の大きい不活性ガス
(窒素ガス)濃度の高い雰囲気ガスが噴射される。この
ように、比重の大きい雰囲気ガスが各ノズル221から
噴射されると、金属帯1は、噴射ノズル221が向く部
分がノズル221の向きにしたがって幅方向に沿って凸
状に湾曲するため、徐冷帯22内では蛇行する。
100℃以下に保たれており、冷却帯23に達した金属
帯1は蛇行状態から直進走行状態に改められる。循環フ
ァン231の作動により、金属帯1の両面には、水素ガ
ス75〜100vol%,残部が窒素ガスであるように
調整された雰囲気ガスが各噴射ノズル232から噴射さ
れ、金属帯1は酸化が防止された状態で冷却される。
冷却帯23等の各処理帯への雰囲気ガスの投入量(m3/
h)は、各処理帯20〜23の容積に応じて所定の幅で
設定される。加熱帯20及び均熱帯21では金属帯1の
還元度を低下させないようにするため、これらの処理帯
内の雰囲気は、水素ガス75vol%以上の還元性雰囲
気に保たれている必要がある。他方、前述のように徐冷
帯22内で金属帯1に噴射される雰囲気ガスは、窒素ガ
ス濃度が高いため連続焼鈍炉2内全体としては還元性ガ
ス(水素ガス)濃度が低下する。したがって、冷却帯2
3では徐冷帯22における窒素ガスの供給量に応じて水
素ガスの供給量を加減し、炉内全体の平均雰囲気の水素
ガス濃度が70vol%以上(好ましくは75vol%
以上)になるように調整している。
帯,徐冷帯及び冷却帯の雰囲気ガスは、還元性ガスであ
る低比重の水素ガス濃度の高い(75vol%以上)ガ
スであったのに対し、この実施形態では、徐冷帯22に
おいて、比重が大きい窒素ガス濃度の高い雰囲気ガスで
あることに一つの特徴がある。すなわち、従来方法のよ
うに、連続焼鈍炉の徐冷帯で軽い水素ガス濃度の高い雰
囲気ガスを金属帯1に吹き付けても、金属帯1は変形し
ないか、又は変形させるためには膨大な容量の循環ファ
ンが必要になり極めて不経済である。これに対し、前記
実施形態のように、徐冷帯22において、金属帯1の両
面へ重い雰囲気ガスを交互にレベル位置を変えて吹き付
けることにより、金属帯1を容易に蛇行させることがで
きる。
させることによって、均熱帯21から徐冷帯22に移行
して金属帯1の温度が下がったときに、金属帯1の表面
の幅方向の温度分布が不均一であっても、金属帯1のC
反りが防止され、あるいはC反り量が幅500mm当り1
mm以内になるように抑制される。また、金属帯1の蛇行
変形は、徐冷帯22の温度下でその変形量が弾性限界内
にあるように付与されるので、金属帯1の蛇行変形は問
題がないレベルに復元する。さらに、前述のように、冷
却帯23では徐冷帯22における窒素ガスの供給量に応
じて水素ガスの供給量を加減し、炉内全体の平均的雰囲
気の水素ガス濃度が70vol%以上(好ましくは75
vol%以上)になるように調整しているので、金属帯
1の還元度は適正レベルに維持される。
第2実施形態を説明するための連続焼鈍炉における徐冷
帯概略縦断面図である。金属帯1には、材質(合金組
成)により弾性限界内で蛇行変形する温度がかなり異な
るのがある。このような場合には、図4で示すように、
徐冷帯22を金属帯1の移動方向下流側の第1徐冷帯2
2aと上流側の第2徐冷帯22bとに区分し、第2徐冷
帯22bの雰囲気温度が第1徐冷帯22aの雰囲気温度
よりも低温に保たれるように制御する。第2実施形態の
連続焼鈍方法の他の構成や作用,効果は、第1実施形態
の連続焼鈍方法と同じであるのでそれらの説明は省略す
る。
方法によれば、第1に、徐冷帯22で金属帯1を蛇行さ
せることによって、金属帯1のC反りが防止されるよう
に、あるいはC反り量が幅500mm当り1mm以内になる
ように、金属帯1の形状が抑制される。第2に、徐冷帯
22では、比重の大きい不活性ガスからなる雰囲気ガ
ス、又は、比重の小さい還元性ガスよりも比重の大きい
不活性ガスの濃度が高い雰囲気ガスを、金属帯1の両面
に対してそれぞれ交互にレベル位置が異なるように噴射
するので、循環ファン220の容量が大きくなくても金
属帯1は蛇行するように円滑に変形する。
法によれば、徐冷帯22を金属帯1の移動方向下流側の
第1徐冷帯22aと上流側の第2徐冷帯22bとに区分
し、第2徐冷帯22bの雰囲気温度が第1徐冷帯22a
の雰囲気温度よりも低温に保たれるように制御するの
で、材質(合金組成)により弾性限界内で蛇行変形する
温度が異なる数種の金属帯を焼鈍することができる。
法によれば、徐冷帯22において金属帯1に噴射される
雰囲気ガス中の不活性ガス(窒素ガス)の濃度が70v
ol%以上であるので、金属帯1がより確実かつ円滑に
蛇行する。
法によれば、竪型連続焼鈍炉内全体の平均雰囲気は、還
元性ガスの濃度が70vol%以上に保たれるので、金
属帯1の還元度は適正レベルに維持される。
竪型連続焼鈍炉の全体を示す縦断面図である。
面図である。
竪型連続焼鈍炉の徐冷帯の縦断面図である。
視図、(b)は金属帯の他のC反りの状態を示す部分斜
視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 比重の小さい還元性ガスと比重の大きい
不活性ガスとを含む雰囲気ガスを炉内に供給しながら、
金属帯を炉内へ連続的に通板させて焼鈍処理を行う竪型
連続焼鈍炉の徐冷帯において、前記金属帯の両面のそれ
ぞれ異なるレベル位置へ不活性ガスからなる雰囲気ガス
又は不活性ガス濃度の高い雰囲気ガスを噴射することに
より、前記金属帯を蛇行させる工程を含むことを特徴と
する、金属帯の連続焼鈍方法。 - 【請求項2】 前記徐冷帯は前記金属帯の移動方向下流
側の第1徐冷帯と上流側の第2徐冷帯とに区分されてお
り、第2徐冷帯の雰囲気温度は第1徐冷帯の雰囲気温度
よりも低温に保たれていることを特徴とする、請求項1
に記載の金属帯の連続焼鈍方法。 - 【請求項3】 前記還元性ガスは水素ガス,前記不活性
ガスは窒素ガスであり、前記徐冷帯において金属帯に噴
射される雰囲気ガス中の不活性ガスの濃度は70vol
%以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載
の金属帯の連続焼鈍方法。 - 【請求項4】 前記竪型連続焼鈍炉内全体の平均雰囲気
は、還元性ガスの濃度が70vol%以上に保たれてい
ることを特徴とする、請求項3に記載の金属帯の連続焼
鈍方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228793A JP2000063958A (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | 金属帯の連続焼鈍方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228793A JP2000063958A (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | 金属帯の連続焼鈍方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000063958A true JP2000063958A (ja) | 2000-02-29 |
Family
ID=16881950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10228793A Pending JP2000063958A (ja) | 1998-08-13 | 1998-08-13 | 金属帯の連続焼鈍方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000063958A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102758070A (zh) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | 宝山钢铁股份有限公司 | 板带钢在退火过程中改善板形的生产方法 |
-
1998
- 1998-08-13 JP JP10228793A patent/JP2000063958A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102758070A (zh) * | 2011-04-28 | 2012-10-31 | 宝山钢铁股份有限公司 | 板带钢在退火过程中改善板形的生产方法 |
CN102758070B (zh) * | 2011-04-28 | 2014-01-22 | 宝山钢铁股份有限公司 | 板带钢在退火过程中改善板形的生产方法 |
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