JP3208945B2 - トラッキングサーボ装置 - Google Patents

トラッキングサーボ装置

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JP3208945B2 JP21675693A JP21675693A JP3208945B2 JP 3208945 B2 JP3208945 B2 JP 3208945B2 JP 21675693 A JP21675693 A JP 21675693A JP 21675693 A JP21675693 A JP 21675693A JP 3208945 B2 JP3208945 B2 JP 3208945B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転記録媒体に対して
ピックアップを追従制御させるトラッキングサーボ装置
に関するもので、特に、ディスクからの情報の読み出し
あるいはディスクへの情報の書き込みにおける制御に用
いて好適である。
【0002】
【従来の技術】情報信号を記録する回転記録媒体として
は、磁気ディスク、光ディスク等が実用化されている。
特に、光ディスクは、記録面密度が極めて高いことか
ら、このような記録された情報信号を読み出す光学ピッ
クアップには高い応答性と残留偏差の小さいサーボ系が
必要である。このため、従来、このようなサーボ系は、
高いループゲインと安定性を得ることを第一の目的とし
て構成されている。この目的に合致したサーボ系の回路
構成には、レーザ光を出射する2軸機構からなるアクチ
ュエータを用いてアクチュエータの応答性を改善すると
共に、アクチュエータの2次特性による位相廻りを補償
するため、複雑な位相補償回路を用いてなるべく高帯域
で高利得のサーボ特性になるように構成されている。
【0003】ところで、一般的に、サーボ回路は、理論
的にサーボ帯域を広くし、かつ全体のループゲインを高
めることにより、回路動作の安定性を損なうだけでな
く、無駄な発熱による損失により、アクチュエータの温
度上昇や消費電力の増大を招いてしまう。このような問
題点を改善するため、本件出願人は、特開昭63−19
8104号の公報において、回転記録媒体に対するサー
ボ回路を提案している。このサーボ回路は、ディスクの
偏心、アクチュエータの機械的な伝達特性といった予め
知られている周期的な目標値にする補償を考慮した構成
にして応答性を高めている。
【0004】具体的な回路の構成の一例としてブロック
回路を図5に示す。この回路は、特に記録媒体の回転角
度がディスクの偏心によって傾いているとき、回転角度
制御部17はディスクの傾斜角に対応した制御信号を切
換スイッチSW1、SW2にそれぞれ供給する。
【0005】ここで、切換スイッチSW2からの出力が
乗算器M0でK1 倍されて加算器11の一端側に供給さ
れている。この加算器11は、現在のトラッキング信号
を他端側に入力して前の信号との加算結果を切換スイッ
チSW1に出力する。この切換スイッチSW1を介して
供給された信号が切換制御に応じてメモリ18a、・・
・、メモリ18nに格納される。このように切換スイッ
チSW2から前の周期での各メモリの値の出力を切換ス
イッチSW1に連動して同時に動作してK1 倍した値を
加算器11に帰還させることにより、回転記録媒体の回
転動作時に現れるディスクの偏心等による回転周期成分
と高調波成分を抑圧している。
【0006】また、入力端子10を介して供給される現
在のトラッキングエラー信号に位相補償回路14で周波
数的に低域を持ち上げ、高域を位相補償し加算器13の
一端側に出力する。加算器13は、この現在のトラッキ
ングエラー信号とメモリ18bからの出力を係数乗算器
19でK2 倍した信号を他端側に入力加算している。加
算器13の出力がアンプ15で増幅されてトラッキング
アクチュエータ16に供給されている。
【0007】トラッキングアクチュエータ16は、この
回路動作によりトラッキングアクチュエータの共振周波
数で安定にサーボをかけることができるようになる。ま
た、上述した回路と同じ機能動作を得るために、例えば
N段の遅延素子であるシフトレジスタを設け、回転角度
を制御する信号ΔQに応じて入力データをシフトさせ、
最終段からの出力をK倍させて現在のトラッキングエラ
ー信号に帰還入力させてもよい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、いずれの例
の場合も例えばディスクの回転に応じて生じる偏心成分
に対する柔軟な位相廻りの対応が取れず、このため良好
な回路動作をする場合と良好な動作をしない場合が生じ
てしまう。良好な回路動作をする場合のトラッキングア
クチュエータの周波数特性は、図6に示すように、トラ
ッキングアクチュエータの共振周波数f0 の例えば上側
にしか偏心成分の周波数f1 、f2 、f3がない場合の
各周波数成分が模式的に表されている。すなわち、位相
φは位相廻りが急激に変化する共振周波数f0 に対して
一方の高周波域側に集まっている。このため、急激に変
化した後の位相φに対して図6から明らかなように略々
一定の位相ずれを補償してやることによってトラッキン
グサーボ系を安定に動作させることができる。
【0009】ところが、図7の周波数特性が示すよう
に、偏心成分の周波数f1 、f2 、f 3 、f4 がトラッ
キングアクチュエータの共振周波数f0 を挟んで周波数
の低域側の周波数f1 、f2 と高域側の周波数f3 、f
4 との領域に分かれて、位相廻りが急激に変化する領域
を跨ぐように分かれる場合がある。上述したような回路
構成において例えば図7の位相廻りの大きい側、すなわ
ち低域の周波数f1 、f 2 の位相補償するように設定し
て行っても、図7の位相廻りの小さい側、すなわち高域
の周波数f3 、f4 に対する位相ずれの量が異なるため
この回路による位相補償効果を発揮させることができ
ず、最悪の場合例えば発振させる要因となり、トラッキ
ングサーボ系を不安定にさせてしまう可能性があった。
不安定要因を有する上述した回路構成では、発振等を回
避するためトラッキングサーボ系のループゲインを上げ
ることができなかった。これは、制御理論からも明かで
あり、このような状況を無視してループゲインを上げる
と、サーボ系は安定性に関する余裕度がなくなり、最終
的に回路が発振してしまう。また、各高調波成分におけ
る位相ずれ量は、成分毎に異なるから、正確にディスク
の回転に応じた偏心成分を抑圧しなければならない。
【0010】そこで、本発明は、上述したような実情に
鑑みてなされたものであり、回転記録媒体の偏心などに
よる周期的なエラー成分を抑圧し、安定に動作させるこ
とができるトラッキングサーボ装置の提供を目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトラッキン
グサーボ装置は、トラッキングアクチュエータを回転記
録媒体に対して追従させるトラッキングサーボ装置にお
いて、上記回転記録媒体から得られるトラッキングエラ
ー信号に含まれる上記回転記録媒体の回転に応じて生じ
る偏心エラー成分の基本波及びこの基本波の各高調波に
対応した成分を取り出す信号抽出手段と、上記信号抽出
手段からの各出力信号を加算する加算手段とを有し、上
記信号抽出手段は、複数の段数の記憶素子と、上記高調
波の周波数と上記トラッキングアクチュエータの応答特
性との関係により、上記複数の段数の記憶素子の内から
予め選択された特定の記憶素子からの出力をバンドパス
フィルターを介して取り出す信号取り出し手段とを備
え、上記信号取り出し手段からの各出力信号を上記加算
手段により加算して上記トラッキングアクチュエータに
印加することにより、上述の課題を解決する。
【0012】ここで、上記信号抽出手段は、上記偏心エ
ラー成分の上記基本波及び上記各高調波成分毎に生じる
位相ずれをそれぞれ補償する位相遅延量でこれらの基本
波及び上記各高調波成分をそれぞれ取り出している。ま
た、基本波や各高調波成分は、例えばディスクの偏心等
で生じる成分で回転に応じて繰り返し発生するディスク
固有の成分を繰り返し加算させることによって上記基本
波及び上記各高調波成分を強調される。このような処理
により、この偏心エラー成分の各周波数成分は予測可能
である。
【0013】
【作用】本発明に係るトラッキングサーボ装置では、信
号抽出手段で情報を記録する回転記録媒体の回転に応じ
て得られるトラッキングエラー信号に含まれる所定の基
本周期の基本波及び各高調波に対応した成分を任意の位
相遅延量で信号を取り出し加算手段で加算することによ
り、例えば回転記録媒体の偏心等の高調波のエラー成分
に対する逆位相の信号を生成して加算して発生する上記
高調波のエラー成分をキャンセルすることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係るトラッキングサーボ装置
の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0015】本発明を適用したトラッキングサーボ装置
は、例えば入力信号の高域側の位相進みと低域側の位相
遅れをそれぞれ補償してトラッキング制御する装置であ
る。第1の実施例の回路構成について図1のブロック回
路を参照しながら説明する。トラッキングサーボ装置
は、回転記録媒体のトラックに情報検出部を追従させる
際に用いられるトラッキングエラー信号に含まれる上記
回転記録媒体の回転に応じて生じる偏心成分の基本波及
びこの基本波の各高調波に対応した成分を任意の位相遅
延量で取り出す信号抽出手段としての信号抽出部12
と、該信号抽出部12からの出力信号を加算する加算手
段としての加算器13とを有している。
【0016】ここで、偏心エラーとは、回転記録媒体と
して使用するディスクを例えば製造する際に偏心した状
態でディスクに情報が記録されてしまうことが生じてし
まう。このディスクの偏心は、例えば内周から外周方向
へのディスク径方向に各トラックの周回で同じように現
れて記録される。このため、このディスクを再生したと
き、ディスク回転に応じて繰り返しディスクの偏心の影
響が現れることになる。この影響を受けたトラッキング
エラー信号を周波数分析すると、図6や図7に示したよ
うに、ディスクの偏心のエラー成分がディスクの回転周
期に応じて基本波に対する整数倍の複数の高調波として
周期的に現れることが知られている。
【0017】これらのディスクを回転させた際に得られ
るトラッキングエラー信号に含まれる周期的な高調波成
分を抑圧するため、信号抽出部12内の加算器11に
は、後述するシフトレジスタ群12Aからの出力信号を
入力加算してこの偏心エラーの基本波及びこの基本波の
各整数倍の高調波成分を繰り返し加算することによって
偏心エラー成分だけを強調させている。また、入力端子
10を介して供給されるトラッキングエラー信号は予め
サンプリングされ、ディジタル信号に変換されているも
のである。このトラッキングエラー信号が加算器11に
供給されている。
【0018】信号抽出部12は、信号抽出部12内の加
算器11からの出力信号を入力して各シフトレジスタ毎
に位相遅延させるシフトレジスタ群12Aと、トラッキ
ングエラー信号に含まれる既知の例えばディスクの偏心
エラー成分を抽出するため偏心成分の各高調波だけを取
り出すバンドパスフィルタ(以下、BPFという)部1
2Bと、該バンドパスフィルタ部12Bからの出力信号
に係数を作用させる係数乗算部12Cとで構成される。
【0019】上記シフトレジスタ群12Aの最終段のシ
フトレジスタ12aからの出力信号を乗算器M0でK0
倍して加算器11に帰還して、入力されたトラッキング
エラー信号と加算している。上記シフトレジスタ群12
Aでは、基本位相に対する各高調波毎の位相ずれ量(位
相差)を補償するようなタップ位置からそれぞれ対応す
る高調波がBPF部12Bによりそれぞれ取り出され
る。
【0020】シフトレジスタ群12Aは、予め知られて
いる偏心のエラー成分の高調波に対応する出力タップ位
置からの信号をバンドパスフィルタ部12Bに供給す
る。このバンドパスフィルタ部12Bは、例えば各BP
F121、122、・・・、n次の高調波用のBPF1
2nでトラッキングアクチュエータ16の共振周波数に
対して上側及び/又は下側の周波数領域にわたって広が
るディスクの偏心エラーが有する基本波及びこの高調波
成分を取り出して係数乗算部12Cに出力する。
【0021】係数乗算部12Cでは、取り出した各信号
成分に対してそれぞれ係数を乗算して回転周期成分と高
周波成分を減衰させる信号にして加算器13に供給す
る。加算器13は、位相補償回路14からのトラッキン
グエラー信号を一端側に入力している。ここで、上記位
相補償回路14は、供給された信号の低域側成分を持ち
上げ、信号の高域成分に対して位相補償された信号にし
て出力させる回路であり、ディスクの偏心エラーの成分
に対して何等位相補償処理を行う回路ではない。
【0022】加算器13は、この偏心エラー成分を含む
トラッキングエラー信号と偏心エラー成分の高調波成分
を減衰させる信号をすべて加算して、トラッキングアク
チュエータ16に偏心エラーの高調波成分を含まないト
ラッキングエラー信号をアンプ15に出力する。アンプ
15を介して供給されるトラッキングアクチュエータ1
6は、トラッキングアクチュエータの共振周波数に関係
なく、全周波数帯域にわたって安定に動作させるように
ループゲインを高めることができ、安定した高精度なト
ラッキングサーボをかけることができる。
【0023】このようにバンドパスフィルタの設定が可
能になるのは、ディスクの偏心で生じる偏心エラーの成
分が上述したように既知であり、周期性を有して繰り返
される信号のためである。また、このバンドパスフィル
タ部12BのBPF121、122、・・・、12n
は、それぞれの出力信号に対してクリティカルな位相廻
りが生じないように構成されている。
【0024】実際に、バンドパスフィルタ部12Bの各
フィルタの信号特性は、図2に示すようになる。すなわ
ち、所定の周波数を中心にブロードな増幅を行い、この
増幅特性にすることにより、所定の周波数付近で位相φ
=0゜として位相廻りがほとんどないようにしている。
【0025】このように動作させることを可能にする理
由について以下に述べる。シフトレジスタをn段分直列
に配した場合、ある基本波に対する第N高調波は、(3
60/n・N)゜の位相遅れを生じる。このようなシフ
トレジスタ直列接続した回路構成では、位相遅れしか生
じないが、上述したディスクの偏心等で生じる始めも終
わりもない繰り返し波形では位相の遅れと位相の進みに
区別はないものと考えることができる。この位相関係
は、 (360/n・N)゜の遅れ={360−(360/n
・N)}゜の進み と表される。図5に示した回路は、タップ位置に相当す
るメモリ18bからの出力が一つしかとれなかった。こ
のため、全高調波に対して適切な位相にできないため、
ゲインを上げることができなかった。すなわち、図5の
係数K2 の値が大きくできなかった。
【0026】ところで、上述した繰り返し波形は、偏心
エラー成分を含みながらもこれによって生じる高調波成
分は既知の成分である。したがって、図1におけるこの
成分に対応する位置のタップを適当に選ぶことができ
る。また、実際の動作は、各シフトレジスタからの位相
遅延量が一定量で生じるので、供給される信号の高域成
分程一度当りの位相ずれ量が大きくなることも知られて
いる。これらを考慮して信号の各成分毎にタップ位置を
選択することにより、任意の位相進みを補償することが
できる。この補償により、位相設定を最適なものにし、
位相廻りをなくすことができ、ゲインも個々に最適値に
設定して上げることができる。
【0027】つぎに、本発明に係るトラッキングサーボ
装置の第2の実施例について図3の回路構成を参照しな
がら説明する。ここで、図1と共通する部分に同じ参照
番号を付して説明を省略する。このトラッキングサーボ
装置は、シフトレジスタをn段設ける構成にする代わり
に、切換スイッチSW1〜SW5と、複数のn個のメモ
リからなるメモリ部20とが設けられ、ディスクの回転
角度に対応させて切換スイッチSW1を切り換えてメモ
リ部20に供給する。ディスクの1回転で発生するトラ
ッキングエラー信号を一定間隔でデータとして供給する
ため、切換スイッチSW1は、n個の端子を切り換えて
いる。n個のメモリは、偏心のエラーの高調波成分に対
応する位相差のデータを出力するように切換スイッチS
W2〜SW5をそれぞれ切り換えている。切換スイッチ
SW2〜SW5も、発生する偏心エラー成分を任意にサ
ンプリングすることができるようにするため、n個の端
子を有する構成のスイッチを採用している。
【0028】また、メモリ部20のメモリaの動作は、
一つ前のディスク回転周期で記憶していた値を切換スイ
ッチSW2を介して乗算器M0に送る。乗算器M0は、
供給された信号に係数K0 を乗算して加算器11に帰還
させて偏心エラー成分の強調を行っている。また、メモ
リ部20は、予め知られている偏心エラー成分の基本波
及び各高周波成分に対応するメモリの出力をBPF部1
2Bに供給する。BPF部12Bは、上述した所定の高
周波成分だけを位相廻りを起こさないようにして取り出
して係数乗算部12Cに供給する。係数乗算部12C
は、供給されたトラッキングエラー信号に含まれる個々
の高周波成分に係数をかけて所定の高周波成分をキャン
セル可能な信号にして加算器13に出力する。加算器1
3は、入力端子10から位相補償回路14を介して供給
されたトラッキングエラー信号に含まれる偏心エラーの
高周波成分を抑圧して出力することになる。これによ
り、供給されるトラッキングエラー信号で安定にトラッ
キングサーボをかけることができる。
【0029】実際に、このメモリを使用する場合、ディ
スク1回転中にサンプリングするn個分のデータに対応
するデータ格納用のレジスタを設けておき、レジスタか
らデータを読み出した後、CPUのアドレス制御により
各レジスタにサンプリングしたデータが書き込まれる。
各レジスタの中からのデータの読み出しは、偏心エラー
成分に対応する基本波のデータを格納するアドレスとこ
の高調波成分のデータが格納されているアドレスデータ
の差が位相差に相当し、対応するアドレスのレジスタに
書き込まれているデータをそれぞれ読み出してBPF部
に送っている。以下の動作は上述したと全く同様に行っ
て連続的に各高調波を抑圧する成分の供給により偏心エ
ラー成分をキャンセルさせている。
【0030】なお、切換スイッチSW1〜SW5の切換
制御は、図示しないが回転角度制御部から供給される制
御信号に応じて行われている。
【0031】つぎに、本発明に係るトラッキングサーボ
装置の第3の実施例について図4に示す回路構成を参照
しながら説明する。ここで、図1と共通する部分に同じ
参照番号を付して説明を省略する。第2高調波以上の高
周波について同位相のポイントが第N高調波の場合、N
個存在することになるので、トラッキングアクチュエー
タの共振周波数に対する高調波成分除去回路としては、
例えば図4に示す回路構成が採られる。
【0032】トラッキングサーボ装置に適用される高調
波成分除去回路は、偏心エラー成分の基本波及び各高調
波成分を強調する加算器11と、n段のシフトレジスタ
群12Aと、トラッキングエラー信号に含まれる各高周
波成分に対応したシフトレジストの対応する出力タップ
位置からの信号をBPF31aでフィルタ処理し、この
信号に乗算器M1で係数乗算K1 をかける高調波除去部
31と、加算器32aを介してシフトレジストの対応す
る2出力のタップ位置からの信号をBPF32bでフィ
ルタ処理し、この信号に乗算器32cで係数乗算K2
かける第2番目の高調波除去部32と、シフトレジスタ
の対応するn=3出力のタップ位置からの3信号及び最
終出力段からの信号を加算器33aで加算し、出力信号
をBPF33bでフィルタ処理し、この信号を乗算器3
3cで係数乗算Kn を行う高調波除去部33と、各高周
波除去部31〜33からの出力をそれぞれ入力加算する
加算器13とで構成される。
【0033】ディスクの1回転に応じて現れる偏心によ
るエラー成分が、このエラー成分の基本周波数に対して
整数倍の高調波部分に現れることは、すでに説明した通
りである。実際、位相遅延して現れる高調波成分は、1
回転に付き第1高調波で1回、第2高調波で2回、第3
高調波で3回、・・・と整数n倍の高調波に応じてn回
現れる。このn回に対応するタップ位置からのトラッキ
ングエラー信号を加算しても同じ高調波の関係は崩れな
い。この関係を用いて、各高調波除去部は、各高調波成
分に対応するタップからの出力を加算してBPFで所定
の高調波成分だけを抽出し、この抽出した信号に係数乗
算して高調波成分の位相に対して逆位相となる信号を生
成する。各高調波除去部で生成した高調波キャンセル用
信号を加算器13で加算することにより、偏心エラー成
分の除去を行っている。
【0034】このように構成することにより、高調波成
分除去回路は、入力端子10から供給される例えば予め
所在の既知信号としてのトラッキングエラー信号に含ま
れる偏心エラーの高周波成分だけを取り出してキャンセ
ルさせる信号を生成し、供給されるトラッキングエラー
信号に加算して偏心成分を除去している。このとき、ト
ラッキングアクチュエータの共振周波数に依存すること
なく、偏心成分を除去できる。
【0035】以上のように構成することにより、回転記
録媒体の回転数に対応する各高周波成分がアクチュエー
タの共振周波数を境に大きく変化する領域に分かれた
り、さらに厳密に言えば、各高調波の位相ずれ量が個々
に異なっても、回転に応じて生じる既知の高調波の周波
数成分をキャンセルし、安定したサーボをかけることが
できる。これにより、例えば、ディスクが偏心している
記録媒体でもトラッキングアクチュエータの共振周波数
に関係なく、このトラッキングエラー信号を用いて高精
度なトラッキングサーボを行わせることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明に係るトラッキングサーボ装置で
は、信号抽出手段で情報を記録する回転記録媒体の回転
に応じて得られるトラッキングエラー信号に含まれる所
定の基本周期の基本波及び各高調波に対応した成分を任
意の位相遅延量で信号を取り出し加算手段で加算するこ
とにより、回転記録媒体の回転数に対応する各高周波成
分がアクチュエータの共振周波数を境に大きく変化する
領域に分かれたり、さらに厳密に言えば、各高調波の位
相ずれ量が個々に異なっても、回転に応じて生じる既知
の高調波の周波数成分をキャンセルし、安定したサーボ
をかけることができ、例えば、ディスクが偏心している
記録媒体でもトラッキングアクチュエータの共振周波数
に関係なく、このトラッキングエラー信号を用いて高精
度なトラッキングサーボを行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトラッキングサーボ装置の第1の
実施例の回路構成を示すブロック回路図である。
【図2】上記ブロック回路で使用されるBPFの周波数
に対するゲイン及び位相特性に示す模式図である。
【図3】本発明に係るトラッキングサーボ装置の第2の
実施例の回路構成を示すブロック回路図である。
【図4】本発明に係るトラッキングサーボ装置の第3の
実施例の回路構成を示すブロック回路図である。
【図5】従来のトラッキングサーボ装置の回路構成を示
すブロック回路図である。
【図6】従来のトラッキングサーボ装置でトラッキング
アクチュエータを安定なトラッキングサーボになること
を説明する模式図である。
【図7】従来のトラッキングサーボ装置でトラッキング
アクチュエータが不安定なトラッキングサーボになるこ
とを説明する模式図である。
【符号の説明】
10・・・・・・・・入力端子 11、13・・・・・加算器 12・・・・・・・・信号抽出部 14・・・・・・・・位相補償回路部 15・・・・・・・・アンプ 16・・・・・・・・トラッキングアクチュエータ 12A・・・・・・・シフトレジスト群 12B・・・・・・・バンドパスフィルタ部 12C・・・・・・・係数乗算部 121〜12n・・・バンドパスフィルタ M0・・・・・・・・係数乗算器 SW1〜SW5・・・切換スイッチ 20・・・・・・・・メモリ部 31〜33・・・・・高周波除去部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラッキングアクチュエータを回転記録
    媒体に対して追従させるトラッキングサーボ装置におい
    て、 上記 回転記録媒体から得られるトラッキングエラー信号
    に含まれる上記回転記録媒体の回転に応じて生じる偏心
    エラー成分の基本波及びこの基本波の各高調波に対応し
    た成分を取り出す信号抽出手段と、上記 信号抽出手段からの各出力信号を加算する加算手段
    とを有し、上記信号抽出手段は、複数の段数の記憶素子と、上記高
    調波の周波数と上記トラッキングアクチュエータの応答
    特性との関係により、上記複数の段数の記憶素子の内か
    ら予め選択された特定の記憶素子からの出力をバンドパ
    スフィルターを介して取り出す信号取り出し手段とを備
    え、 上記信号取り出し手段からの各出力信号を上記加算手段
    により加算して上記 トラッキングアクチュエータに印加
    することを特徴とするトラッキングサーボ装置。
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