JP3208864B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP3208864B2
JP3208864B2 JP24914492A JP24914492A JP3208864B2 JP 3208864 B2 JP3208864 B2 JP 3208864B2 JP 24914492 A JP24914492 A JP 24914492A JP 24914492 A JP24914492 A JP 24914492A JP 3208864 B2 JP3208864 B2 JP 3208864B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アクティブ素子として
酸化亜鉛を主成分とするバリスタ素子を用いた、二端子
素子型の液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶を用いた画像表示装置には大
別して単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式
とがある。単純マトリクス方式は直角をなして設けられ
た一対の帯状電極群(走査電極と信号電極)の間に複数
の液晶画素を行列状に配して接続したものであり、これ
ら帯状電極間に駆動回路によって所定の電圧を印加して
液晶画素を作動させる。この方式は、構造が簡単なため
低価格でシステムを実現できるという利点があるが各液
晶画素間でのクロストークが生じるため、画素のコント
ラストが低く、画像表示を行う際、画質の低下は避けら
れないものであった。これに対し、アクティブマトリク
ス方式は各液晶画素毎にスイッチング素子を設けて電圧
を保持するものであり、液晶表示装置を時分割駆動して
も液晶画素が選択時の電圧を保持する事ができるため、
表示容量の増大が可能で、コントラスト等の画質に関す
る特性がよく、液晶表示装置の高画質表示を実現できる
ものである。現在このアクティブ素子として一般に薄膜
トランジスタ(TFT)が使用されているが、本素子は
製造工程が非常に複雑であるため、歩留まりが悪く、価
格が高価であり、大画面の液晶表示装置を製造する事は
非常に困難である。
【0003】上記のような事から、コントラスト等の画
質に関する特性がよくかつ構造簡単にして低コストな方
式の液晶表示装置の実現が望まれており、この様な要求
を実現する方式としてアクティブ素子としてバリスタ素
子を用いた二端子素子型の液晶表示装置が注目されてい
る。
【0004】バリスタ素子を用いた二端子素子型の液晶
表示装置は、(図17)に示すように走査電極11と信
号電極15との間に液晶14と所定のしきい値電圧Vc
で導通するバリスタ素子13とを電気的に直列に配して
接続したものであり、(図18)に示すようなバリスタ
素子13の非線形な電流電圧特性を利用したものであ
る。周知のようにバリスタ素子の電流電圧特性は次式の
(数1)で示される。
【0005】
【数1】
【0006】ここで、Iはバリスタ素子に流れる電流、
Vはバリスタ素子の両端子間にかかる電圧、Kは固有抵
抗の抵抗値に相当する定数、αは電圧非直線特性の指数
を示し(通常は、α値と称す)、この値が大きいほどバ
リスタ特性としては優れているといえる。また通常は、
前記Iが便宜的にI=10-6(A)となる時の電圧Vの
値をバリスタ素子の代表的な電気特性の一つとして電圧
のしきい値とみなし、特にバリスタ電圧(ここではVc
で示す)と呼んでいる。
【0007】従来のバリスタ素子を用いた二端子素子型
の液晶表示装置の構成を、(図13)及び(図14)に
示す。図示のように、下側ガラス基板10上に走査電極
11と画素電極12とを所定の間隔Vgを隔てて設け、
これら走査電極11と画素電極12とを酸化亜鉛から成
るバリスタ素子13で接続してある。ここで、Vgはバ
リスタギャップと呼ばれるもので、バリスタ素子の電気
的特性(特にバリスタ電圧Vc)を決定する重要なパラ
メータの一つである。そして、これらの上部に所定の間
隔(セルギャップ)を隔てて、信号電極15及びカラー
フィルタ16が設けられた対向する上側ガラス基板17
との間に液晶14が注入充填してある。
【0008】バリスタ素子13は(図15)に示すよう
に、粒径5乃至10μmの酸化亜鉛結晶粒子131の表
面をマンガン、コバルト酸化物等の無機質絶縁膜132
で被覆したバリスタ粒子13aからなり、(図16)に
詳示するように、これらバリスタ粒子13aをガラスフ
リット13bで焼結固化したものである。バリスタ粒子
の1粒界あたり約3Vのしきい値電圧が得られる。した
がって、走査電極11と画素電極12との電極間隙(バ
リスタギャップ)を20μmに設定すれば、この間隙に
介在する実質的に直列6個のバリスタ粒子粒界を介して
走査電極11と画素電極12とが接続され、これら電極
間には3V×6個=18Vのしきい値電圧が得られる。
すなわち、このしきい値電圧を越えた電圧が印加された
ときに、液晶14が駆動される状態になり、他の液晶素
子への印加電圧の影響を排除して、クロストークの発生
を防止することができる。
【0009】ところで、特に、画質の良好な二端子素子
型の液晶表示装置を実現するためには、バリスタ素子は
高性能を有し安定性が高くかつその特性が素子間で一定
していることが要求される。
【0010】しかしながら従来技術による液晶表示装置
においては、(図14)に模式的に示すようにバリスタ
粒子の平均粒径が7μmであるのに対し、バリスタギャ
ップは20μmであるために、バリスタギャップ中に介
在する粒界の数は電極との界面も含めて最小で4個、ま
た最大で6個となっていた。上述のように、この粒界数
によりバリスタ電圧Vc(しきい値電圧)は決定される
ために、バリスタ素子間でバラツキが生じるのは構造上
不可避であり、したがって液晶表示装置においては表示
ムラが生じ、良質な表示画像を得ることが困難であっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来の問
題点を鑑みなされたものであり、その目的とするところ
とは、すなわち、液晶表示装置中に設けられた多数(通
常は膨大な個数)のバリスタ素子が、α値が高いうえに
特にバリスタ電圧Vcのバラツキが小さいこと、つまり
バリスタ素子が高性能であるうえにその特性が素子間で
一定であること、そして結果として、構造が簡単で製造
も容易でしかも低コストであるうえに、良好な画質をも
有するという液晶表示装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明が提供する手段は、すなわち、アクティブマ
トリクス素子としてバリスタ素子を配した下側ガラス基
板と、対向する上側ガラス基板との間に液晶層を設け、
該バリスタ素子を介して駆動する二端子素子型の液晶表
示装置において、該下側ガラス基板上の画素電極と走査
電極との間のバリスタ素子が設けられるバリスタギャッ
プの寸法を、バリスタ粒子の最大粒径以下とすることを
特徴とする液晶表示装置である。
【0013】そしてさらに好ましくは、複数個の前記バ
リスタギャップを直列に配して前記バリスタ素子を構成
することを特徴とする前記の液晶表示装置である。
【0014】また別の好ましい実施態様としては、アク
ティブマトリクス素子としてバリスタ素子を配した下側
ガラス基板と、対向する上側ガラス基板との間に液晶層
を設け、該バリスタ素子を介して駆動する二端子素子型
の液晶表示装置において、該下側ガラス基板上の画素電
極と走査電極との間のバリスタ素子が設けられるところ
のバリスタギャップが、電気的に直列に接続された次の
二つのバリスタギャップ、すなわち、バリスタ粒子の最
大粒径以下の寸法を有し画素電極に接続される第一ギャ
ップと、バリスタ粒子の最大粒径以上の寸法を有し走査
電極に接続される第二ギャップとに分割され、かつ該第
一ギャップと該第二ギャップとの間に設けられた中間電
極が、走査電極と平行に複数個の画素電極間に渡って連
続して配置されていることを特徴とする液晶表示装置で
ある。
【0015】そしてさらに好ましくは、前記バリスタ素
子が走査電極と平行に複数個の画素電極間に渡って連続
して設けられたバリスタ素子であることを特徴とする前
記の液晶表示装置である。
【0016】
【作用】本発明によると、請求項1乃至2については、
バリスタ素子を構成するバリスタギャップの寸法をバリ
スタ粒子の最大粒径以下とすることから、バリスタギャ
ッブ間に存在する粒界の数を、各素子共最小の2個に揃
えることが可能となり、したがって特性が素子間で一定
であるバリスタ素子を得ることを可能とする。さらに、
当該バリスタギャップを電気的に直列に適当数を配置す
ることにより、希望のバリスタ電圧を得ることを可能と
する。
【0017】さらに以下には請求項3乃至4について述
べる。これらは(前記請求項1乃至2についても同様
に)、バリスタ素子特性のデバイスパラメータに対する
基礎的な実験の結果を根拠に得られたものである。ま
ず、バリスタ素子の諸特性は、バリスタギャップVgと
バリスタギャップ幅(前記走査電極に平行な方向の幅)
Vwとに対して大きな依存性を示すことが判ってきたも
のである。まずバリスタギャップVgについては、(図
13)に示すように、Vgこれが小さいほど、バリスタ
電圧Vcのバラツキは小さいが、ただしα値までもが小
さくなる傾向がある。一方、バリスタギャップ幅Vwに
ついては、(図14)にも示すように、Vwが大きいほ
ど、バリスタ電圧Vcのバラツキは小さく、しかもα値
は高く(良好で)一定となる傾向がある。
【0018】必要とするバリスタ素子は、前記のように
バリスタ電圧Vcのバラツキが小さくかつα値が大き
い、という特性を有するものである。前記の結果を考慮
すると、特にバリスタ電圧Vcのバラツキ低減のために
は、バリスタギャップVgが小、バリスタギャップ幅V
wが大というバリスタ素子の構造が望まれるが、バリス
タギャップVgが小の場合にはα値が小さくなってしま
い、また、バリスタギャップ幅Vwを大きくすることは
構造上から画素寸法の幅に制限されるという問題が生じ
る。このため前記のように望まれる構造を、単純に液晶
表示装置に応用することは不可能とみるのが妥当であ
る。そこで、バリスタギャップVgを二分割し各バリス
タギャップが望まれる前記の役割を分担することで、前
記の問題点を解決し、かつバリスタ電圧Vcのバラツキ
を低減する方法を見いだした。
【0019】これは、バリスタ素子特性が、電気的に直
列に接続された2個以上のギャップに対しては、各ギャ
ップにおける特性を重ね併せた特性を示す、という性質
に基づいたものである。より具体的に述べると、画素電
極に接続する第一のギャップは、バリスタ粒子の最大粒
径以下になるように小さくしてバリスタ電圧Vcバラツ
キを低減し、一方で走査電極に接続する第二のギャップ
は、バリスタ粒径の最大粒径以上となるように比較的大
きくしてバリスタの粒子−粒子界面(数、面積)を増加
させることで高い(良好な)α値を維持し、さらには、
第一ギャップと第二ギャップとの間の中間電極を画素電
極毎に分離せずに走査電極と平行に連続して配し、バリ
スタギャップ幅Vwを実効的に大きくする構造とするこ
とで、バリスタ電圧Vcバラツキを低減したものであ
る。すなわち、第一のギャップでバリスタ電圧Vcのバ
ラツキを低減し、第二のギャップではバリスタ電圧Vc
のバラツキを抑えたまま、α値の維持を行っている。な
お、ギャップ寸法を規定する値をバリスタ粒子径の最大
粒径として参照したのは、バリスタ素子特性が粒界によ
り発現することに基づき、実験データから好ましい境界
値として検討し、最適化した結果によるものである。
【0020】すなわち本発明によると、バリスタ素子を
構成するための、画素電極と走査電極との間のバリスタ
ギャップを、中間電極を介して電気的に直列な二個のギ
ャップに分割し、即ち、画素電極に接続する第一ギャッ
プと、走査電極に接続する第二ギャップとに分割し、第
一ギャップの寸法Vgをバリスタ粒子の最大粒径以下と
することにより、素子間の特性バラツキを最小限に抑
え、かつ、第二ギャップの寸法Vgをバリスタ粒子の最
大粒径以上とすることにより、良好な素子特性を維持
し、さらに第一ギャップと第二ギャップとの間の中間電
極を、画素電極毎に分離せず走査電極と平行に連続して
配すことで、第二ギャップにより生ずる素子間の特性バ
ラツキを最小限に抑え、さらには、バリスタ素子を構成
するガラスにより固化されたバリスタ粒子群からなるバ
リスタ素子を、画素電極毎に分離せずに走査電極と平行
に連続して配すことで、バリスタ素子特性が高性能でか
つ素子間で一定しているバリスタ素子を得ることが可能
となる。
【0021】
【実施例】
<実施例1>本発明の液晶表示装置を(図1)及び(図
2)に基づいて具体的に説明する。
【0022】(図1)は本発明による液晶表示装置の平
面図であり、(図2)は(図1)のA−A’断面図であ
る。また、(図3)はバリスタギャップ付近をさらに拡
大した模式図である。(図2)のように、ガラス基板10
上にCr等の金属薄膜から成る走査電極11及びITO等
の透明電極から成る画素電極12が形成され、走査電極11
と画素電極12の間に、両電極からバリスタ粒子の最大粒
径以下の間隔の位置に、島状に金属薄膜20が介在してい
る。さらに上記走査電極11と上記画素電極12の間にZn
Oを主成分とするバリスタ粒子13a が設けられている。
【0023】一方、対向する上側ガラス基板17には、C
r等の金属薄膜からなるブラックマトリックス19及び絶
縁層18、カラーフィルタ16が順に積層され、さらにその
上にITO等の透明電極から成る信号電極15が形成され
ている。
【0024】上記構成の液晶表示装置は次のような工程
で製造される。まず、ガラス基板10上にマグネトロン−
スパッタリング装置を用いてCr薄膜を厚さ1000Å
に成膜し、フォトリソグラフィ法により走査電極11及び
金属薄膜20を所定の形状に形成する。さらに同様のスパ
ッタリング装置により、ITO膜を厚さ1100Åに成
膜し、フォトリソグラフィ法により画素電極12を形成す
る。
【0025】さらに、市販の酸化亜鉛微粉末を(粒径1
μm以下)にドーパントとしてアルミニウム0.003
mol%をV型混合機を用い添加混合し、温度1200
℃で1時間の焼結後に粉砕し、次にエアー分級して粒径
5乃至8μmの酸化亜鉛結晶粒子を得たのち、温度10
00℃で1時間の角取り焼成により球状化する。次い
で、硝酸コバルト0.25mol%及び硝酸マンガン
0.50mol%を水に溶解して水溶液とし、この水溶
液に前記酸化亜鉛結晶粒子粉末を分散し、まず温度12
0℃で水分を蒸発させ前記酸化亜鉛結晶粒子に金属被膜
をコーティング後、温度200℃に昇温し金属被膜を酸
化し酸化物被膜を生成する。さらに温度1100℃で1
時間焼成し、酸化亜鉛結晶粒子の表面に無機質絶縁膜を
形成し、得られた粉末を乳鉢等で軽くほぐしバリスタ粒
子とする。
【0026】次いで、前記バリスタ粒子16重量部に対
し、ガラスフリットを4重量部と、有機バインダーとし
てエチルセルロース(粘度45cps)を1重量部と、
有機溶剤としてカルビトールを8重量部と、以上を加え
て混練しペースト化し、前記ガラス基板10上に、上記ペ
ーストを400メッシュのスクリーン印刷版を用いて所
定形状に塗布し印刷基板を得、次に温度420℃で1時
間の焼成を経て固化させることによりバリスタ素子13を
得た。
【0027】次に、対向する上側ガラス基板17にCr等
の金属薄膜をスパッタリング装置により成膜し、フォト
リソグラフィ法によりブラックマトリックス19を形成す
る。さらにブラックマトリックス19と信号電極15とのシ
ョートを防止するために、SiO2 からなる絶縁層18を
積層する。次にカラーレジストを用いて、R、G、Bの
3色からなるカラーフィルタ16を形成した後、マグネト
ロン−スパッタリング装置を用いてITO膜を厚さ15
00Åに成膜する。この時ITO膜のシート抵抗値は3
0Ω/□であった。さらに本ITO膜をフォトリソグラ
フィ法により所定の形状に形成して信号電極15を得る。
【0028】次に、対向する上側ガラス基板17にガラス
−スペーサー(粒径20μm)を散布した後、対向する
上側ガラス基板の周辺部にガラスビーズを数%混合した
接着用エポキシ樹脂をシルクスクリーン印刷法により印
刷し、ガラス基板10とアライメントして貼り合わせ、加
圧加熱して接着させる。次いで上記接着部の一部に設け
た封入口よりTN液晶14を充填し、液晶表示装置が完成
する。
【0029】<実施例1>により作製した液晶表示装置
における、バリスタ素子の特性について述べる。
【0030】
【表1】
【0031】(表1)は、本発明による液晶表示装置に
おけるバリスタ素子と、従来の構造のバリスタ素子のバ
リスタ電圧Vc、α値、バリスタ電圧Vcのバラツキー
を比較し示したものである。ここでバリスタ素子特性の
バラツキは、バリスタ電圧Vcの平均値に対する割合で
評価してある。(表1)より、本発明は従来の構造のバ
リスタ素子と比べ、特にバラツキに関しては大幅に低減
されていることが明確である。したがって、本発明によ
り高性能かつその特性が素子間で一定したバリスタ素子
が提供されることがわかる。
【0032】なお<実施例1>においては、バリスタ粒
子は粒径5乃至8μm(最大粒径8μm)を用い、バリ
スタギャップを16μmすなわち8μm+8μmの場合
について述べているが、これはギャップを1個とした場
合に得られるバリスタ電圧が9Vであったので、<実施
例1>の構成の液晶表示装置ではバリスタ電圧は18V
程度を必要とするために8μm+8μmの二重ギャップ
を採用している。したがって、例えば液晶表示装置の構
成から10V程度必要な場合は(図4)に示すように単
一ギャップにしバリスタ電圧を9Vとし、また28V程
度必要であれば、(図5)に示すように8μm+8μm
+8μmとして三重ギャップとする事で9V×3=27
Vのバリスタ電圧が得られる。なお、バリスタ電圧の微
調整はギャップを可変する事で可能であることは容易に
理解できる。
【0033】さらに、より高いバリスタ電圧を得ようと
する場合には、(図6)に示すようにバリスタギャップ
を配列する方向を従来と垂直をなす方向とすれば、液晶
表示装置の開口率を低減することなく高いバリスタ電圧
が得られる。
【0034】<実施例2>本発明の液晶表示装置を(図
7)及び(図8)に基づいて具体的に説明する。
【0035】(図7)は本発明による液晶表示装置の平
面図であり、(図8)は(図7)のA−A’断面図であ
る。また、(図9)はバリスタギャップ付近をさらに拡
大した模式図である。図示のように、ガラス基板10上
にCr等の金属薄膜から成る走査電極11及びITO等
の透明電極から成る画素電極12が形成され、走査電極
11と画素電極12の間に、前記走査電極11と平行に
中間電極21が介在している。前記中間電極21と前記
画素電極12の間隙が第一ギャップXでバリスタ粒子の
最大粒径以下で、前記中間電極21と前記走査電極11
の間隙が第二ギャップYでバリスタ粒子の最大粒径以上
で、それぞれ間隔が設けられている。このとき、バリス
タギャップは第一ギャップXと第二ギャップYとの和に
相当する。さらに前記走査電極11と前記画素電極12
の間にガラスで固化されたバリスタ粒子群13が設けら
れている。具体的には、本実施例においてはバリスタ粒
子の粒径範囲を5乃至10μmとし、したがって、第一
ギャップXは7μm、第二ギャップYは15μmとし
た。
【0036】一方、対向する上側ガラス基板17には、
Cr等の金属薄膜からなるブラックマトリクス19及び
絶縁層18、カラーフィルタ16が順に積層され、さら
にその上にITO等の透明電極から成る信号電極15が
形成されている。
【0037】上記構成の液晶表示装置は次のような工程
で製造される。まず、ガラス基板10上にマグネトロン
スパッタリング装置を用いてCr薄膜を厚さ1000Å
に成膜し、フォトリソグラフィ法により走査電極11及
び中間電極21を所定の形状に形成する。さらに同様の
スパッタリング装置により、ITO膜を厚さ1100Å
に成膜し、フォトリソグラフィ法により画素電極12を
形成する。
【0038】さらに、市販の酸化亜鉛微粉末を(粒径1
μm以下)にドーパントとしてアルミニウム0.003
mol%をV型混合機を用い添加混合し、温度1200
℃で1時間焼結後粉砕し、次にエアー分級して粒径範囲
5乃至10μm、平均粒径7μmの酸化亜鉛結晶粒子を
得、温度1000℃で1時間の角取り焼成により球状化
する。次いで、硝酸コバルト0.25mol%及び硝酸
マンガン0.50mol%を水に溶解して水溶液とし、
この水溶液に前記酸化亜鉛結晶粒子粉末を分散し、まず
温度120℃で水分を蒸発させ前記酸化亜鉛結晶粒子に
金属被膜をコーティング後、温度200℃に昇温し金属
被膜を酸化し酸化物被膜を生成する。さらに温度110
0℃で1時間焼成し、酸化亜鉛結晶粒子の表面に無機質
絶縁膜を形成し、得られた粉末を乳鉢等で軽くほぐしバ
リスタ粒子とする。次いで、前記バリスタ粒子16重量
部に対しガラスフリットを4重量部、有機バインダーと
してエチルセルロース(粘度45cps)を1重量部、
有機溶剤としてカルビトールを8重量部加えて混練しペ
ースト化し、前記ガラス基板10上に、前記ペーストを
400メッシュのスクリーン印刷版を用いて所定形状に
塗布し印刷基板を得、次に温度350℃で3時間焼成し
有機バインダーを除去した後、温度480℃で1時間焼
成してガラスフリットを固化させバリスタ素子群13を
得た。
【0039】次に、対向する上側ガラス基板17にCr
等の金属薄膜をスパッタリング装置により成膜し、フォ
トリソグラフィ法によりブラックマトリクス19を形成
する。さらにブラックマトリクス19と信号電極15と
のショートを防止するためにSiO2 から成る絶縁層1
8を積層する。次にカラーレジストを用いて、R、G、
Bの3色から成るカラーフィルタ16を形成した後、マ
グネトロンス−パッタリング装置を用いてITO膜を厚
さ1500Åに成膜する。この時ITO膜のシート抵抗
値は20Ω/□であった。さらにフォトリソグラフィ法
により信号電極15を所定の形状に形成する。
【0040】次に、対向する上側ガラス基板17にガラ
ススペーサー(粒径20μm)を散布した後、対向する
上側ガラス基板の周辺部にガラスビーズを数%混合した
接着用エポキシ樹脂をシルクスクリーン印刷法により印
刷し、ガラス基板10とアライメントして貼り合わせ、
加圧加熱して接着させる。次いで前記接着部の一部に設
けた封入口よりTN液晶14を充填し、液晶表示装置が
完成する。
【0041】本発明の<実施例2>により作製した液晶
表示装置における、バリスタ素子の特性について述べ
る。
【0042】
【表2】
【0043】(表2)は、本発明による液晶表示装置に
おけるバリスタ素子と、従来の構造のバリスタ素子のバ
リスタ電圧Vc、α値、バリスタ電圧Vcのバラツキを
比較し示したものである。ここでバリスタ素子特性のバ
ラツキは、標準偏差σで評価してある。(表2)より、
本発明は従来の構造のバリスタ素子と比べ、高性能な素
子特性を維持し、かつバラツキは低減されていることが
明確である。したがって、本発明により高性能かつその
特性が素子間で一定したバリスタ素子が提供されること
がわかる。
【0044】なお本実施例においては、ガラスで固化さ
れたバリスタ粒子群は、各画素毎に素子分離された例を
示しているが、例えば(図10)に示すように、第二ギ
ャップ上は素子分離しないパターンとすれば、より素子
特性バラツキが低減されることは明かである。またさら
に比較的大型の液晶表示装置で開口率が小さくても支障
をきたさない場合には、(図11)に示すようにさらに
第一ギャップ上も画素電極毎に分離しないパターンと
し、素子特性バラツキをより低減することも可能であ
る。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
ると、まずバリスタギャップをバリスタ粒子の最大粒径
以下とし、さらにはバリスタギャップを複数個直列に配
してバリスタ素子を構成することによって、バリスタギ
ャップ中に介在する粒界の数のバラツキから起きるバリ
スタ素子間でのバリスタ電圧Vc(しきい値電圧)のバ
ラツキが生じないようにできた。
【0046】またバリスタギャップを複数に分割するこ
と、そして特には、電気的に直列に接続された次の二つ
のバリスタギャップ、すなわち、バリスタ粒子の最大粒
径以下の寸法を有し画素電極に接続される第一ギャップ
と、バリスタ粒子の最大粒径以上の寸法を有し走査電極
に接続される第二ギャップとに分割され、かつ該第一ギ
ャップと該第二ギャップとの間に設けられた中間電極
が、走査電極と平行に複数個の画素電極間に渡って連続
して配置されていること、あるいはさらに、バリスタ素
子が走査電極と平行に複数個の画素電極間に渡って連続
して設けられたバリスタ素子とすることにより、液晶表
示装置中に設けられた多数(通常は非常に膨大な個数)
のアクティブマトリクス素子としてのバリスタ素子がα
値が高いうえに特にバリスタ電圧Vcのバラツキが小さ
いものを得た、つまりバリスタ素子が高性能であるうえ
にその特性が素子間で一定しているバリスタ素子を容易
に得ることが出来た。
【0047】その結果として、構造が簡単で製造も容易
でしかも低コストであるうえに、良好な画質をも有する
という液晶表示装置を容易に提供することが出来るよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示装置の一実施例を、平面
図で示す説明図である。
【図2】(図1)のA−A’に沿う断面を示す説明図で
ある。
【図3】(図2)の特にバリスタギャップ付近を拡大し
て示す模式的断面図である。
【図4】本発明に係る液晶表示装置の他の一実施例を、
平面図で示す説明図である。
【図5】本発明に係る液晶表示装置の別の一実施例を、
平面図で示す説明図である。
【図6】本発明に係る液晶表示装置のさらに別の一実施
例を、平面図で示す説明図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置のまた他の一実施例
を、平面図で示す説明図である。
【図8】(図7)のA−A’に沿う断面を示す説明図で
ある。
【図9】(図8)の特にバリスタギャップ付近を拡大し
て示す模式的断面図である。
【図10】本発明に係る液晶表示装置のまた別の一実施
例を、平面図で示す説明図である。
【図11】本発明に係る液晶表示装置のさらに別の一実
施例を、平面図で示す説明図である。
【図12】本発明に係る液晶表示装置のまたさらに別の
一実施例を、平面図で示す説明図である。
【図13】従来の液晶表示装置の一例を断面図で示す説
明図である。
【図14】バリスタギャップ付近を拡大して示す模式的
断面図である。
【図15】一般的なバリスタ粒子の断面図である。(本
発明と従来のいずれにも係わる)
【図16】(図14)のバリスタ素子の要部の拡大図で
ある。
【図17】バリスタ素子による一般的な二端子素子型の
液晶表示装置の概略の等価回路図である。
【図18】バリスタ素子の(一般的な)電圧−電流特性
図である。
【図19】バリスタ素子の特性とバリスタギャップVg
との関係を示すグラフである。
【図20】バリスタ素子の特性とバリスタギャップ幅V
wとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10・・・ガラス基板 11・・・走査電極 12・・・画素電極 13・・・バリスタ素子 14・・・液晶 15・・・信号電極 16・・・カラーフィルタ 17・・・対向する上側ガラス基板 18・・・絶縁層 19・・・ブラックマトリックス 20・・・金属薄膜 21・・・中間電極 13a ・・・バリスタ粒子 13b ・・・ガラスフリット 131 ・・・酸化亜鉛結晶粒子 132 ・・・無機質絶縁膜

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクティブマトリクス素子としてバリスタ
    素子を配した下側ガラス基板と、対向する上側ガラス基
    板との間に液晶層を設け、該バリスタ素子を介して駆動
    する二端子素子型の液晶表示装置において、該下側ガラ
    ス基板上の画素電極と走査電極との間のバリスタ素子が
    設けられるバリスタギャップの寸法を、バリスタ粒子の
    最大粒径以下とすることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】複数個の前記バリスタギャップを直列に配
    して前記バリスタ素子を構成することを特徴とする請求
    項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】アクティブマトリクス素子としてバリスタ
    素子を配した下側ガラス基板と、対向する上側ガラス基
    板との間に液晶層を設け、該バリスタ素子を介して駆動
    する二端子素子型の液晶表示装置において、該下側ガラ
    ス基板上の画素電極と走査電極との間のバリスタ素子が
    設けられるところのバリスタギャップが、電気的に直列
    に接続された次の二つのバリスタギャップ、すなわち、
    バリスタ粒子の最大粒径以下の寸法を有し画素電極に接
    続される第一ギャップと、バリスタ粒子の最大粒径以上
    の寸法を有し走査電極に接続される第二ギャップとに分
    割され、かつ該第一ギャップと該第二ギャップとの間に
    設けられた中間電極が、走査電極と平行に複数個の画素
    電極間に渡って連続して配置されていることを特徴とす
    る液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記バリスタ素子が走査電極と平行に複数
    個の画素電極間に渡って連続して設けられたバリスタ素
    子であることを特徴とする請求項3記載の液晶表示装
    置。
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