JP3208833U - 取付具及び取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】パネル壁に対し、長時間にわたって位置がずれることなく、安定的に取付体及び被取付体を取付けることが可能であるとともに、取付けが容易な取付具及び取付構造を提供する。【解決手段】貫通孔Bに嵌合可能に形成された筒状の本体部2と、本体部2の内面に形成された雌ねじ部3と、本体部2の外周面に形成されたフランジ部4と、取付具1を吊下げ可能な紐状体を係合する係合部5とを備え、貫通孔Bに本体部2が嵌合された状態の取付具の姿勢を取付姿勢とし、取付姿勢の取付具を平面視したとき、本体部2及びフランジ部4は貫通孔Bを通過可能な形状に形成されており、取付姿勢の取付具を正面視したとき、雌ねじ部3は貫通孔Bの中心と同心となるように形成されており、係合部5は、本体部2において、本体部2の中心から偏心した位置に形成されたことを特徴とする。【選択図】図2
Description
本考案は、建築物の内壁などに使用されるパネル壁の表面に、被取付体として、フック、L型金具などの金具類のほか、ホワイトボード、ディスプレイ、鏡、棚、家具、絵画、エアコンなどの物品を取り付けるための取付具及びその取付具を使用した取付構造に関するものである。
壁面に器具を取り付けるための取付け具として、特許文献1に示すものが知られている。この取付け具は、ブロック体にねじ孔を設け、ブロック体のねじ孔の近くの位置に紐体を連結した構成とされている。取付け具を取り付けるには、壁面材に取付け具を挿通可能な径の貫通孔を穿設し、紐体を手元に残したまま、貫通孔から壁面材の裏面隙間に向けて取付け具を挿入する。取付け具を隙間内に押し込むと、貫通孔から壁面材の表面側に紐体が引き出された状態となり、取付け具は隙間内に垂れ下がり、紐体を引っ張ると取付け具はねじ孔が貫通孔と連通する状態で、取付け具が壁面材の裏面側に当接する。器具に挿通したボルトをねじ孔にねじ込めば器具(被取付体)を壁面表面に取り付けることができる。
ところで、上記取付け具は、壁面の貫通孔の径に比べて、貫通孔を挿通するボルト径はかなり小さい。器具は、ボルトにより取付け具と器具とで壁面材を挟み込む摩擦力のみによって、壁面に固定されることになる。したがって、時間経過とともに、器具の重みによって、取付け具の位置がずれたり、引いては、器具及び取付け具がぐらついたりするという問題があった。
そこで、本考案は、被取付体が重量物であったとしても、パネル壁に対し、長時間にわたって位置がずれることなく、安定的に取付体及び被取付体を取付けることが可能であるとともに、取付けが容易な取付具及び取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案の一態様としての取付具は、パネル壁に被取付体を取り付けるために前記パネル壁に穿設された所定径の貫通孔の裏面側に設置される取付具であって、前記貫通孔に嵌合可能に形成された筒状の本体部と、前記本体部の内面に形成された雌ねじ部と、前記本体部の外周面に形成された、前記貫通孔からの取付具の脱落を防止するフランジ部と、取付具を吊下げ可能な紐状体を係合する係合部とを備え、前記貫通孔に前記本体部が嵌合された状態の取付具の姿勢を取付姿勢とし、取付姿勢の取付具を平面視したとき、前記本体部及びフランジ部は前記貫通孔を通過可能な形状に形成されており、取付姿勢の取付具を正面視したとき、前記雌ねじ部は前記貫通孔の中心と同心となるように形成されており、前記係合部は、前記本体部において、本体部の中心から偏心した位置に形成されたことを特徴とする。
上記態様の取付具を用いて、被取付体をパネル壁に取り付けるには、紐状体を手元に保持した状態で、パネル壁の貫通孔から取付具を挿入し、取付具がパネル壁の裏面側で完全に紐状体によって吊り下げられた状態(以下、「吊下げ状態」という)とする。その状態で紐状体を貫通孔から前方上方に向けて引っ張ることで、本体部を貫通孔に導入させ、取付具を貫通孔の裏面側に設置することができる。
本態様の取付具においては、本体部が貫通孔に嵌合する形状に形成されている。これにより、被取付具と取付具のフランジ部とでパネル壁を挟み込む力のみならず、本体部でも取付具にかかる荷重を支持可能なため、長時間にわたって位置ずれを生じることなく、被取付体が重量物であったとしても、安定的に取付具及び被取付体をパネル壁に取付けることが可能となる。
さらに、上記態様の取付具を用いて構成される取付構造であって、パネル壁の垂直方向に間隔をおいて形成された所定径の複数の貫通孔を覆うようにパネル壁表面に設置されるベース基板と、前記複数の貫通孔の裏面にそれぞれ設置される前記取付具と、前記取付具の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を有する複数の螺合部材とを備え、前記ベース基板は、パネル壁表面に設置したときに取付具の雌ねじ部と同心位置に開孔が形成されており、前記貫通孔ごとに、前記開孔を通じて螺合部材が雌ねじ部に螺合され、取付具とベース基板とでパネル壁を挟み込むようにしてベース基板をパネル壁に固定する取付構造を採用することも可能である。
上記態様の取付構造によれば、パネル壁に対して取付具とベース基板を一体的に取付けることにより、取付具のフランジ部及び本体部とベース基板とで被取付体の荷重を分散して保持することが可能となる。さらに、取付構造を取り付けた部分のパネル壁を補強するのと同じ効果を得ることもできる。
これにより、取付構造の耐荷重性能に関して、取付構造に用いた取付具の数を単純に加算した性能の増加にとどまらず、それを大幅に越えて相乗的に性能を向上させることが可能となる。したがって、上記取付け構造を用いることで、被取付体として、より重量のあるディスプレイ、エアコン、家具等の大型の重量物を安定的にパネル壁に取り付けることが可能となる。
上述したように、本態様では、取付具の本体部がパネル壁の貫通孔に嵌合可能な形状とされる。ところで、このような形状の本体部を貫通孔に導入する際、紐状体の操作のみで本体部を貫通孔に導入するには困難を伴う。すなわち、取付具を取付姿勢を維持したまま、本体部を貫通孔に導入することは困難であり、実際の取付具は、いずれかの方向に傾きやすく、姿勢が安定しない。そのため、本体部が貫通孔の途中で引っかかり、本体部を貫通孔に完全に導入するのに手間がかかる。
本態様の取付具では、係合部を、本体部において、本体部の中心から偏心した位置に形成するようにしている。これにより、係合部は、吊下げ姿勢時に本体部中心よりも上側に位置するようになる。そして、吊下げ姿勢で係合部が貫通孔に臨むようになると、紐状体によって係合部が前方に引っ張られて本体部(取付具)が前傾し、フランジ部がパネル壁に当接する。これにより、取付具は、前傾した姿勢で保持される。
その状態で、さらに紐状体を引っ張ると、本体部外周面の上面が貫通孔の開口縁部の頂部に当接する。本体部は、貫通孔の開口縁部との接触箇所を中心に、本体部の下部側が紐状体に引っ張られて前方に回動する。その結果、取付具が取付姿勢に近づき、本体部がスムーズにスライドしながら貫通孔内に導入される。上述したように、本態様においては、本体部を貫通孔に導入する際に、あえて本体部を傾斜させることで、取付具の姿勢を安定させ、貫通孔内への本体部の導入を容易に行なうことが可能となる。
上記本考案の一態様に係る取付具によれば、本体部がパネル壁の貫通孔に嵌合可能な形状に形成されているため、被取付体が重量物であったとしても、長時間にわたって位置ずれを生じることなく、安定的に取付具及び被取付体をパネル壁に取付けることが可能となる。さらに、係合部が、本体部において、本体部の中心から偏心した位置に形成されているため、本体部が貫通孔に嵌合可能な形状に形成されているにもかかわらず、本体部を貫通孔内へ容易に導入することが可能となる。
また、パネル壁の垂直方向に間隔をおいて形成された所定径の複数の貫通孔を覆うようにパネル壁表面に設置されるベース基板と、複数の貫通孔の裏面にそれぞれ設置される上記態様の取付具と、取付具の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を有する複数の螺合部材とを備えた取付構造であって、ベース基板は、パネル壁表面に設置したときに取付具の雌ねじ部と同心位置に開孔が形成されており、貫通孔ごとに、開孔を通じて螺合部材が雌ねじ部に螺合され、取付具とベース基板とでパネル壁を挟み込むようにしてベース基板をパネル壁に固定する構成を採用することで、被取付体としてより重量のある大型の重量物を安定的にパネル壁に取り付けることが可能となる。
また、パネル壁の垂直方向に間隔をおいて形成された所定径の複数の貫通孔を覆うようにパネル壁表面に設置されるベース基板と、複数の貫通孔の裏面にそれぞれ設置される上記態様の取付具と、取付具の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を有する複数の螺合部材とを備えた取付構造であって、ベース基板は、パネル壁表面に設置したときに取付具の雌ねじ部と同心位置に開孔が形成されており、貫通孔ごとに、開孔を通じて螺合部材が雌ねじ部に螺合され、取付具とベース基板とでパネル壁を挟み込むようにしてベース基板をパネル壁に固定する構成を採用することで、被取付体としてより重量のある大型の重量物を安定的にパネル壁に取り付けることが可能となる。
[第1実施形態]
以下、本考案に係る取付具を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態における、取付姿勢をとる取付具を示す正面図であり、図2は図1の取付具を示す平面図であり、図3は図1の取付具を示す側面図である。
以下、本考案に係る取付具を図面に基づいて説明する。図1は、第1実施形態における、取付姿勢をとる取付具を示す正面図であり、図2は図1の取付具を示す平面図であり、図3は図1の取付具を示す側面図である。
図示のごとく、本実施形態における取付具1は、建築物の内壁等に使用されるパネル壁Aに被取付体を取り付けるために、パネル壁Aに穿設された所定径の貫通孔Bの裏面側に設置される金属製の取付具であって、貫通孔Bに嵌合可能に形成された筒状の本体部2と、本体部2の内面に形成された雌ねじ部3と、本体部2の外周面に形成された、前記貫通孔からの取付具の脱落を防止するフランジ部4と、取付具1を吊下げ可能な紐状体Cを係合する係合部5とを備える。なお、図中、二点鎖線は貫通孔Aを表しており、図1では、貫通孔Aに本体部2が嵌合された取付姿勢を示している。また、図2では、本体部2及びフランジ部4が貫通孔Aを通過可能な形状に形成されていることを示している。
本体部2は、円筒状体を横向きにし、その中心軸Dを水平方向に向けた状態で、中心軸Dを挟んでその左右を一定幅で切り欠いた、正面視で俵形状に形成される。すなわち、本体部2の外周面は、上面および下面が断面円弧状の曲面に形成され、左右側面はそれぞれ平面状に形成される。なお、本体部2の径は、貫通孔Aの所定径よりも若干小さいサイズとされ、取付具1の取付姿勢において、本体部2の上面及び下面が貫通孔Aに接することにより、雌ねじ部3が貫通孔Aの中心と同心に位置決めされた状態で保持される。
フランジ部4は本体部2の外周面の後端部において、径方向外向きに突設される。フランジ部4は板状で、外観形状が、上下方向に長い略矩形形状に形成され、上下方向長さが貫通孔の所定径よりも長くなるように、かつ、左右長さが貫通孔の所定径よりも短くなるように形成される。これにより、取付具が、取付姿勢をとるときは、フランジ部4のうち、上下方向に突設された部分が、貫通孔Aの裏面に当接して、取付具が貫通孔Aからパネル壁Aから脱落するのを防止する。
係合部5は、取付姿勢の本体部2において、雌ねじ部3の上方、すなわち、本体部2の中心から偏心した位置に形成された、本体部2の前面と後面とを貫通する2つの通孔によって構成される。紐状体Cを係合部5に係合するには、図4に示すように、紐状体CをU字状に折り返し、紐状体Cの両端部を各通孔の後面側から前面側に挿通すればよい。
すなわち、本実施形態の取付具では、紐状体Cは、U字状に折り返した両端部が各通孔の後面側から前面側に挿通した状態で係合部5に係合されている。取付具1を操作するには、折り返した2本の紐状体Cを手に持って操作する。取付具1を取付けた後は、片方の紐状体Cを引っ張ることで紐状体Cを係合部5から離脱させることができる。これにより、紐状体Cを本体部2に対して着脱可能に係合させることが可能となる。
係合部5は、一つの通孔で構成することもできる。具体的には、一端側に抜け止めを設けた紐状体Cを用い、通孔に対して本体部2の後面側から前面側に紐状体Cを通して係合部5に係合させる。取付具1を取り付けた後は、紐状体Cを本体部2の後面側に落とし込めばよい。係合部5としては、接着や溶着等の手段によって紐状体Cを本体部2に固着するものであってもよい。
上記構成の取付具1をパネル壁Aに取り付ける方法について説明する。先ず、図5に示すように、パネル壁Aに所定径の貫通孔Bを穿設する。取付具1は、紐状体Cを手元に残した状態で、下向きにして底面側から貫通孔Bに挿入する。取付具1には、図2に示すように、フランジ部4の後面側の左右コーナ部及び本体部2の前面外縁部の全周にR加工が施されており、これにより、取付具1を容易に貫通孔Aに挿入することが可能となる。
そして、取付具1をパネル壁Aの裏面側において、紐状体Cによって吊下げられた状態とする。次に、紐状体Cを貫通孔Bの前方上方に向けて引っ張り、取付具1を引き上げる。図6に示すように、係合部5が貫通孔Bに臨むようになると、紐状体Cによって係合部5が前方に引っ張られて本体部2が前傾する。
本体部2が前傾した状態で、さらに紐状体Cを引っ張ると、図7に示すように、本体部2の外周面の上面が貫通孔Bの開口縁部の頂部に当接する。本体部2は、貫通孔Bの開口縁部との接触箇所を中心に、本体部2の下部側が紐状体Cに引っ張られて前方に回動する。その結果、取付具1が取付姿勢に近づき、本体部2がスムーズに貫通孔B内に導入される。このように、本実施形態においては、本体部2を貫通孔Bに導入する際に、あえて本体部2を傾斜させることで、取付具1の姿勢を安定させ、貫通孔B内への本体部2の導入をスムーズに行なうことが可能となる。
図8に示すように、取付具1の本体部2が貫通孔Bに導入され、フランジ部4がパネル壁Aに当接した後(取付具1が取付姿勢をとった後)は、雄ねじ部を有する被取付体Eを雌ねじ部3に螺合する。これにより、取付具1は、図9に示すように、被取付体Eと取付具1とでパネル壁Aを挟み込む力のみならず、本体部2でも取付具1にかかる荷重を支持することが可能となる。したがって、安定的に取付具1及び被取付体Eをパネル壁Aに取付けることが可能となる。
被取付体Eは、前述のように、雌ねじ部3に螺合可能な雄ねじ部を備えたもの(例えば、フック等)であってもよいし、被取付体と、雄ねじ部を有する螺合部材とは別体として設け、螺合部材によって取付具1と被取付体Eとでパネル壁Aを挟み込むようにしてもよい。
係合部5は、取付姿勢をとる取付具1において、取付具重心Gよりも上方に位置するように設けるのが好ましい。これにより、取付姿勢と吊下げ姿勢とで、取付具1の上下方向の向きが同じとなるため、本体部2を貫通孔Bに挿入した後、取付具1の向きを大きく変更する必要がなく、取付具1の取付けをスムーズに行なうことができる。
また、取付具1は、取付姿勢をとる取付具1のフランジ部4の上端部と係合部5との間の最短距離が、貫通孔Bの所定径よりも長くなるように設けるのが好ましい。その理由について説明すると、図6に示すように、係合部5が貫通孔Bに臨むようになって取付具1が前傾すると、フランジ部4の上端部がパネル壁Aに接触する。
このとき、フランジ部4の上端部と係合部5との間の最短距離Fが貫通孔Bの所定径よりも短い場合には、フランジ部4の上端部が貫通孔Bの開口縁部に引っかかり、取付具1の引き上げ移動の障害となるおそれが生じる。一方、フランジ部4の上端部と係合部5との間の最短距離Fが、貫通孔Bの所定径よりも長い場合には、フランジ部4の上端部が貫通孔Bを越えてパネル壁Aに接触するため、本体部2をスムーズに貫通孔B内に挿入することが可能となる。
[第2実施形態]
図10〜図13は、本考案に係る取付具を備えて構成される取付構造を示す図である。本実施形態では、第1実施形態の取付具を複数用いて、これら取付具とベース基板とを螺合部材によって一体的にパネル壁に取り付けることで耐荷重性能を大幅に向上させている点が特徴とされる。
図10〜図13は、本考案に係る取付具を備えて構成される取付構造を示す図である。本実施形態では、第1実施形態の取付具を複数用いて、これら取付具とベース基板とを螺合部材によって一体的にパネル壁に取り付けることで耐荷重性能を大幅に向上させている点が特徴とされる。
図10は、ベース基板を示す正面図であり、図11は、取付具を取り付けたパネル壁表面に、螺合部材によってベース基板を固定する前の様子を示すパネル壁断面図であり、図12は、図10において取付具取り付け後の取付構造の様子を示すパネル壁断面図であり、図13は、本実施形態の取付構造を用いて、被取付体として重量のある大型の絵画をパネル壁に取り付けた状態を示す図である。
本実施形態の取付構造8は、パネル壁Aの垂直方向に間隔をおいて形成された所定径の複数の貫通孔Bを覆うようにパネル壁表面に設置されるベース基板6と、複数の貫通孔Bの裏面にそれぞれ設置される取付具1と、取付具1の雌ねじ部3に螺合可能な雄ねじ部を有する複数の螺合部材7とを備えており、貫通孔Bごとに、螺合部材7によって取付具1とベース基板Bとでパネル壁Aを挟み込むようにしてベース基板6をパネル壁Aに固定する点が特徴とされる。これにより、取付具1を使用しつつ、取付具1単体よりも耐荷重性に優れた取付構造8を得ることが可能となる。
以下、本実施形態の取付構造8について、具体的に、パネル壁Aの垂直方向に間隔をおいて2つの所定径の貫通孔Bを形成した場合について説明する。ベース基板6は、図10に示すように、金属板をL字状に折曲して形成される。ベース基板6には、パネル壁A表面にベース基板1を設置したときに取付具1の雌ねじ部3及び係合部5と同心位置に、それぞれ第1開孔9及び第2開孔10が予め形成される。
次に、本実施形態の取付構造8を形成する方法について説明する。先ず、第1実施形態で説明したようにして、パネル壁Aに形成した2つの貫通孔Bにそれぞれ取付具1を取り付ける。その後、図11に示すように、ベース基板6の第2開孔10に紐状体Cを通し、ベース基板6をパネル壁A表面に設置した状態で、第1開孔9を通じて螺合部材7を雌ねじ部3に螺合する。
これにより、図12に示すように、取付具1とベース基板6とでパネル壁Aを挟み込むようにしてベース基板6をパネル壁Aに固定することが可能となり、さらに、本体部2でも取付具1にかかる荷重を支持可能なため、耐荷重性に優れ、安定的にベース基板6をパネル壁Aに取付けることが可能となる。図13は、本実施形態の取付構造8を用い、被取付体Eとして大型の絵画をパネル壁Aに取り付けた状態を示す概略図である。図示のように、パネル壁Aの一定高さにおいて、左右一対の取付構造8,8を設け、被取付体Eを載置して固定する。なお、取付構造8の数は適宜変更可能である。
上述のごとく、本実施形態の取付構造によれば、被取付体によって大きな荷重がかかった場合でも、取付構造全体で荷重を分散して保持することが可能となる。したがって、取付具単体で被取付体を取り付ける場合に比べて、大幅に耐荷重性能を向上させることができ、被取付体を長期にわたって安定的にパネル壁Aに取付け保持することが可能となる。
以上、本考案の実施形態につき説明したが、本考案の範囲はこれに限定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。たとえば、第1実施形態及び第2実施形態では、取付具1のフランジ部4の表面が平面状である例について説明したが、これに限らず、フランジ部4の表面に凹凸を設けることも可能である。
具体的に、第1実施形態における取付具のフランジ部を変形した例を図14に示す。図示のごとく、本変形例の取付具1は、フランジ部4の表面にパネル壁の裏面に突刺可能な1又は2以上の突起部11を備える。これにより、被取付体あるいは雄ねじ部材を取付具の雌ねじ部に螺合する際に、取付具1が共回りするのを抑制することができる。
また、第1実施形態及び第2実施形態では、紐状体Cは、変形自在な一般的な紐状のものを使用する例について説明したが、これに限らず、紐状体としては弾性変形可能な線状乃至棒状のもの(以下、弾性を有する紐状体という)であってもよい。弾性を有する紐状体を使用すると、パネル壁の裏面側に挿入した取付具を自由に移動させることが可能となり、特に、パネル壁が天井面である場合に取付具1の本体部2を貫通孔Bに取り付ける際に有用である。
第1実施形態〜第4実施形態及び上記変形例に開示されている構成要件は互いに組合せ可能であり、組合せることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 取付具
2 本体部
3 雌ねじ部
4 フランジ部
5 係合部
6 ベース基板
7 螺合部材
8 取付構造
9 第1開孔
10 第2開孔
11 突起部
A パネル壁
B 貫通孔
C 紐状体
D 本体部の中心軸
E 被取付体
F フランジ部の上端部と係合部との間の最短距離
G 取付具重心
2 本体部
3 雌ねじ部
4 フランジ部
5 係合部
6 ベース基板
7 螺合部材
8 取付構造
9 第1開孔
10 第2開孔
11 突起部
A パネル壁
B 貫通孔
C 紐状体
D 本体部の中心軸
E 被取付体
F フランジ部の上端部と係合部との間の最短距離
G 取付具重心
Claims (5)
- パネル壁に被取付体を取り付けるために、前記パネル壁に穿設された所定径の貫通孔の裏面側に設置される取付具であって、前記貫通孔に嵌合可能に形成された筒状の本体部と、前記本体部の内面に形成された雌ねじ部と、前記本体部の外周面に形成された、前記貫通孔からの取付具の脱落を防止するフランジ部と、取付具を吊下げ可能な紐状体を係合する係合部とを備え、前記貫通孔に前記本体部が嵌合された状態の取付具の姿勢を取付姿勢とし、取付姿勢の取付具を平面視したとき、前記本体部及びフランジ部は前記貫通孔を通過可能な形状に形成されており、前記係合部は、前記本体部において、本体部の中心から偏心した位置に形成されたことを特徴とする取付具。
- 前記係合部は、前記取付姿勢をとる取付具において、取付具の重心よりも上方に位置するように設けられており、紐状体に吊り下げられた状態の前記取付具の姿勢を吊下げ姿勢としたとき、前記前記取付姿勢と吊下げ姿勢とで、取付具の上下方向の向きが同じになることを特徴とする請求項1に記載の取付具。
- 前記取付姿勢をとる取付具のフランジ部上端部と係合部との間の最短距離が、前記貫通孔の所定径よりも長くなるように設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の取付具。
- 前記係合部は、前記本体部の前面と後面とを貫通する2つの通孔によって構成され、前記紐状体は、U字状に折り返した両端部が各通孔の後面側から前面側に挿通した状態で前記係合部に係合されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の取付具。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の取付具を備えて構成される取付構造であって、パネル壁の垂直方向に間隔をおいて形成された所定径の複数の貫通孔を覆うように前記パネル壁表面に設置されるベース基板と、前記複数の貫通孔の裏面にそれぞれ設置される複数の前記取付具と、前記取付具の雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部を有する複数の螺合部材とを備え、前記ベース基板は、パネル壁表面に設置したときに取付具の雌ねじ部と同心位置に開孔が形成されており、前記貫通孔ごとに、前記開孔を通じて螺合部材が雌ねじ部に螺合され、取付具とベース基板とでパネル壁を挟み込むようにしてベース基板をパネル壁に固定することを特徴とする取付構造。
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