JP3208782B2 - ソフトコンタクトレンズのマーキング方法及びソフトコンタクトレンズ - Google Patents

ソフトコンタクトレンズのマーキング方法及びソフトコンタクトレンズ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、鮮明で堅牢性に優れたソフトコ
ンタクトレンズ及びそのようなソフトコンタクトレンズ
を製造する際に用いるマーキング方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】コンタクトレンズの所望の部分に文字、
記号等を付与することはレンズの表裏判別、左右のレン
ズの区別等の為に有効である。従来、コンタクトレンズ
にマーキングする方法としては、(1)特公昭54−3
9140号公報等に開示されているように予めコンタク
トレンズを構成するポリマー中にカップリング成分を持
たせておき、後からジアゾニウム塩との反応によってコ
ンタクトレンズ素材そのものを発色させることによって
マーキングする方法、(2)特公昭53−2692号公
報等に開示されているように刻印装置を使ってコンタク
トレンズ表面に凹部を形成することによってマーキング
する方法、(3)特公昭64−10045号公報等に開
示されているように露光処理を伴う写真製版を応用する
ことによってマーキングする方法、(4)特開昭53−
45253号公報等に開示されているようにパッド印刷
の手法を応用してマーキングする方法などが利用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1)の方法は、長期間の使用により変色あるいは退色
するという欠点がある。また、前記(2)の方法はコン
タクトレンズに凹部を形成するために、必然的にコンタ
クトレンズの機械的強度の低下をもたらし、破損しやす
いという欠点がある。また、前記(3)の方法は、紫外
線照射による露光処理等を必要とすることから用いるこ
とのできる染料がバット染料に限られるという欠点があ
る。また、前記(4)の方法は、作業性は良いけれど
も、細かい文字、記号等を押印した場合、インクがにじ
んでマークが不鮮明になり易いなどの問題があった。本
発明は上記のような従来技術の欠点を克服するためのも
ので、その目的とするところは膨潤性のソフトコンタク
トレンズの染色において、レンズの所望の部分に、発色
成分としてコンタクトレンズ基材中の水酸基等と共有結
合を形成し得る反応染料を含有する染色剤を浸透又は付
着させた後、アルカリ溶液中に浸漬して共有結合を形成
させることにより不溶化し、煮沸消毒等の処理によって
も退色などの変化をきたさないような強固な染着性を持
ったソフトコンタクトレンズのマーキング方法を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】(1)請求項1のソフト
コンタクトレンズのマーキング方法は、膨潤状態のソフ
トコンタクトレンズに、レンズ基材中の水酸基等と共有
結合を形成しうる発色成分としての反応染料及び界面活
性剤(カチオン系界面活性剤を除く)を含有する染色剤
を、所望の形状に浸透又は付着させる第1の工程と、こ
のソフトコンタクトレンズをアルカリ溶液中に浸漬して
共有結合を形成させることによリ前記反応染料を不溶化
させる第2の工程と、をこの順序で有することを特徴と
する。 (2)請求項2のソフトコンタクトレンズのマーキング
方法は、請求項1のソフトコンタクトレンズのマーキン
グ方法において、膨潤状態のソフトコンタクトレンズと
所望の文字、記号等の型を設けたスクリーンとを重ねて
配置した後、前記染色剤を用いて捺染することによって
前記第1の工程を実施することを特徴とする。 (3)請求項3のソフトコンタクトレンズは、請求項1
又は2に記載のソフトコンタクトレンズのマーキング方
法を用いてマーキングされたことを特徴とする。
【0005】以下、本発明の詳細な説明をする。染色剤
は、発色成分と界面活性剤、および必要に応じて助剤お
よび増粘剤を加えてもよい。発色成分である反応性染料
の例としては、染料便覧(有機合成化学協会編,丸善
(1970),880ページ)等に開示されているよう
に(1)クロル・トリアジニル基を持つ染料、(2)ビ
ニル・スルホン基を持つ染料、(3)アルキル硫酸基を
持つ染料等を挙げることができる。具体的には、シー
アイリアクティブ ブルー 19(C.I.React
ive Blue 19)、シー アイ リアクティブ
ブルー 27(C.I.Reactive Blue
27)、シー アイ リアクティブ ブルー 28
(C.I.Reactive Blue 28)、シー
アイ リアクティブ バイオレット 5(C.I.R
eactive Violet 5)、シー アイ リ
アクティブ ブラック 5(C.I.Reactive
Black 5)、シー アイ リアクティブ ブラ
ック 14(C.I.Reactive Black
14)などが挙げられる。
【0006】染料の使用濃度は、染料の種類、目的とす
る染色濃度等によっても異なるが、好ましくは0.01
〜10.0%がよい。より好ましくは0.05〜5.0
%がよい。染料濃度が低すぎると仕上がり時の色が薄す
ぎてマーキングの意味をなさないし、逆に濃度が高すぎ
ると色が濃すぎて装用した時に他人が判別することがで
き、美容上好ましくない。
【0007】界面活性剤は、含水ソフトコンタクトレン
ズにマーキングした時に起こりやすいにじみを抑えるの
に非常に有効である。含水ソフトコンタクトレンズは、
それが水または生理食塩水で膨潤しているために、水溶
性の染色剤を用いてマーキングを施すとマーク部から外
に染色剤が拡散してしまい、これがにじみ発生の原因と
なって、鮮明な着色が得られないことになる。しかし、
染色剤に界面活性剤を適量添加することによって、マー
キング時のにじみが生じなくなり、鮮明な着色が得られ
た。用いる界面活性剤としては、炭化水素系、シリコン
系、フッ素系等いずれも使用することができる。炭化水
素系の界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル酢酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルスルホカル
ボン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0008】界面活性剤の添加量は、使用する界面活性
剤の種類等によっても異なるが、好ましくは0.001
〜5.0%がよい。より好ましくは0.01〜2.0%
がよい。添加量が少なすぎると界面活性剤の効果が低下
してマーク部のにじみが生じ易くなり、逆に添加量を必
要以上に増加していっても界面活性剤の効果が増すこと
はないので好ましくない。
【0009】助剤は反応染料のレンズ内部への浸透また
は付着を助けるために用いられるもので、その例として
硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が用いられる。この
助剤の使用によって容易にムラなく均一に着色すること
ができる。
【0010】増粘剤は染色液の着色方法に応じて染色剤
の粘性を調整するために用いるものである。その例とし
て、アルギン酸ナトリウム、デンプン、カルボキシメチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン等が用いられる。
【0011】染色液の着色方法としては一般に用いられ
るバッチ浸染法、スクリーン捺染法、転写方法等を用い
ることができるが、それぞれの方法に応じて染色剤の粘
性を調整する必要がある。この粘性を調整することによ
ってもマーキング文字、記号等のにじみ等を抑えること
ができる。
【0012】染料の反応に用いるアルカリ溶液の例とし
てはアルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物等の
水溶液が挙げられる。その濃度は、用いる染料やアルカ
リの種類などによって異なるが0.01〜10%がよ
い。より好ましくは0.05〜5%がよい。アルカリの
濃度が低すぎると反応に時間を要し、染色時間が長時間
となり効率が悪い。逆に、アルカリの濃度が高すぎると
レンズにアルカリが付着する可能性があり、マーキング
後、長時間の水洗を必要とし、レンズに対して強度低下
等のダメージを与えることがあるので好ましくない。
【0013】
【実施例】以下実施例により、更に詳しく説明するが、
本発明は、これらに限定されるものではない。
【0014】(実施例1)スクリーン捺染によるマーキ
ング方法 反応性染料C.I.Reactive Blue 19
0.2g、無水硫酸ナトリウム0.2g、およびSI
LWET L−7604(シリコン系界面活性剤、日本
ユニカー(株)製)0.05gを水4gに分散溶解させ
る。これに別途水30gにアルギン酸ナトリウム2gを
溶かしてつくった増粘剤を4g加えて染色液とする。膨
潤状態のソフトコンタクトレンズ(例えば2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピ
ルメタクリレート等のヒドロキシアルキルメタ(アクリ
レート)を含有する共重合体から成るソフトコンタクト
レンズ、またN,N−ジメチルアクリルアミドを含有す
る共重合体から成るソフトコンタクトレンズ等が挙げら
れる)を1枚取り出し、表面の水分をよく拭き取った
後、所望の記号の型を設けたスクリーンの記号の部分に
合致するように張り付けた。これに使用したスクリーン
は厚さ64μm、網目の開き270メッシュ、オープニ
ングエリア33%のポリエステル製のスクリーンであ
る。
【0015】次に、厚さ1mmのガラス板でソフトコン
タクトレンズを挟んで固定し、スクリーンの染色部上に
染色液1滴を塗布した後、室温で1分間放置した。スク
リーンよりソフトコンタクトレンズをはがし1%NaO
H溶液へ約10分間浸漬した。レンズを取り出し、水洗
した後、生理食塩水中で30分間煮沸処理した。ソフト
コンタクトレンズには青色の鮮明な記号が染着されてい
た。完成品の仕様は例えば図1〜図5に示す様なもので
あった。
【0016】次に、このマーキング済みのソフトコンタ
クトレンズに対して以下の試験を行って、その染着性を
確認した。 (1)耐光性試験:透明ガラス性バイアル瓶(内容量2
0cc)に0.9%生理食塩水およびマーキング済みの
レンズを入れ、屋外に30日間放置した。
【0017】(2)耐煮沸性試験:透明ガラス性バイア
ル瓶(内容量20cc)に0.9%生理食塩水およびマ
ーキング済みのレンズを入れ、100℃空気恒温槽中に
最長150時間放置した。
【0018】いずれも、比較には各種処理を行う前のレ
ンズを用い、目視によって行った。その結果は、いずれ
も記号の退色、変色、にじみなどの異常は観測されなか
った。
【0019】(実施例2)反応性染料C.I.Reac
tive Black 14 0.2gと無水硫酸ナト
リウム0.2gを水4gに分散溶解させる。これに別途
水30gにアルギン酸ナトリウム2gを溶かしてつくっ
た増粘剤を4g加えて染色液とする。膨潤状態のソフト
コンタクトレンズを1枚取り出し、表面の水分をよく拭
き取った後、所望の文字の型を設けたスクリーンの文字
の部分に合致するように張り付けた。これに使用したス
クリーンは厚さ55μm、網目の開き400メッシュ、
オープニングエリア41%のステンレス製のスクリーン
である。
【0020】次に、厚さ1mmのガラス板でソフトコン
タクトレンズを挟んで固定し、スクリーンの染色部上に
染色液1滴を塗布した後、室温で3分間放置した。スク
リーンよりソフトコンタクトレンズをはがし1%NaO
H溶液へ約10分間浸漬した。レンズを取り出し、水洗
した後、生理食塩水中で30分間煮沸処理した。ソフト
コンタクトレンズには黒色の鮮明な文字が染着されてい
た。
【0021】また染着性試験の結果、いずれも文字の退
色、にじみなどの異常は観測されなかった。
【0022】(実施例3)反応性染料C.I.Reac
tive Blue28 0.2g、塩化ナトリウム
0.1g、およびNIKKOL サルコシネート LN
(炭化水素系界面活性剤、日光ケミカルズ(株)製)
0.1gを水5gに分散溶解させる。これに別途水30
gにアルギン酸ナトリウム2gを溶かしてつくった増粘
剤を3g加えて染色液とする。膨潤状態のソフトコンタ
クトレンズを1枚取り出し、表面の水分をよく拭き取っ
た後、所望の文字の型を設けたスクリーンの文字の部分
に合致するように張り付けた。これに使用したスクリー
ンは厚さ55μm、網目の開き400メッシュ、オープ
ニングエリア41%のステンレス製のスクリーンであ
る。 次に、厚さ1mmのガラス板でソフトコンタクト
レンズを挟んで固定し、スクリーンの染色部上に染色液
1滴を塗布した後、室温で2分間放置した。スクリーン
よりソフトコンタクトレンズをはがし1%NaOH溶液
へ約10分間浸漬した。レンズを取り出し、水洗した
後、生理食塩水中で30分間煮沸処理した。ソフトコン
タクトレンズには青色の鮮明な文字が染着されていた。
【0023】また染着性試験の結果、いずれも文字の退
色、にじみなどの異常は観測されなかった。
【0024】(実施例4)実施例1と同様な方法で染色
液を調製した。膨潤状態のソフトコンタクトレンズを1
枚取り出し、表面の水分をよく拭き取った後、厚さ5m
mのガラス板上に広げて置いた。
【0025】次に、外径10mmの丸く切り取ったスポ
ンジを先端に備えたジグを用いてこのスポンジ部に上記
の染色液を含ませ、レンズの中心部に押し当てて塗布し
た後、室温で1分間放置した。ソフトコンタクトレンズ
をはがし1%NaOH溶液へ約5分間浸漬した。レンズ
を取り出し、水洗した後、生理食塩水中で30分間煮沸
処理を行った。中央部が青く染着され、周辺部は透明な
ままのソフトコンタクトレンズが得られた。完成品の仕
様は例えば図6に示す様なものであった。
【0026】また染着性試験の結果、着色部位の退色な
どの異常は観測されなかった。
【0027】(実施例5)C.I.Reactive
Blue 19 0.01gと無水硫酸ナトリウム0.
5gを蒸留水200ccに分散溶解させて染料溶液と
し、40℃恒温槽中で保温攪⌒する。膨潤状態のソフト
コンタクトレンズをジグに挟んでこの染料溶液中に5分
間浸漬した。次にレンズを染料溶液から取り出しジグか
らはずした後、1%NaOH溶液に10分間浸漬し、そ
の後大量の水で洗浄を行い、レンズ全体が均一に着色さ
れたソフトコンタクトレンズを得た。
【0028】上記の方法で染色した着色ソフトコンタク
トレンズを膨潤状態のままで1枚取り出し、表面の水分
をよく拭き取った後、所望の記号の型を設けたスクリー
ンの記号の部分に合致するように張り付けた。これに使
用したスクリーンは厚さ64μm、網目の開き270メ
ッシュ、オープニングエリア33%のポリエステル製の
スクリーンである。
【0029】次に、厚さ1mmのガラス板でソフトコン
タクトレンズを挟んで固定し、スクリーンの染色部上に
実施例1と同様な方法で調製した染色液1滴を塗布した
後、室温で3分間放置した。スクリーンよりソフトコン
タクトレンズをはがし1%NaOH溶液へ約10分間浸
漬した。レンズを取り出し、水洗した後、生理食塩水中
で30分間煮沸処理した。得られたソフトコンタクトレ
ンズは、レンズ全体が青色に薄く着色されており、レン
ズの周辺部に青色の記号が鮮明に染着されていた。完成
品の仕様は例えば図7に示す様なものであった。
【0030】また染着性試験の結果、着色部位の退色な
どの異常は観測されなかった。
【0031】(実施例6)C.I.Reactive
Blue 19 0.01gと無水硫酸ナトリウム0.
5gを蒸留水200ccに分散溶解させて染料溶液と
し、40℃恒温槽中で保温攪⌒する。膨潤状態のソフト
コンタクトレンズをジグに挟んでこの染料溶液中に5分
間浸漬した。次にレンズを染料溶液から取り出しジグか
らはずした後、1%NaOH溶液に10分間浸漬し、そ
の後大量の水で洗浄を行い、レンズ全体が均一に着色さ
れたソフトコンタクトレンズを得た。
【0032】上記の方法で染色した着色ソフトコンタク
トレンズを膨潤状態のままで1枚取り出し、表面の水分
をよく拭き取った後、所望の文字の型を設けたスクリー
ンの記号の部分に合致するように張り付けた。これに使
用したスクリーンは厚さ55μm、網目の開き400メ
ッシュ、オープニングエリア41%のステンレス製のス
クリーンである。
【0033】次に、厚さ1mmのガラス板でソフトコン
タクトレンズを挟んで固定し、スクリーンの染色部上に
実施例2と同様な方法で調製した染色液1滴を塗布した
後、室温で5分間放置した。スクリーンよりソフトコン
タクトレンズをはがし1%NaOH溶液へ約10分間浸
漬した。レンズを取り出し、水洗した後、生理食塩水中
で30分間煮沸処理した。得られたソフトコンタクトレ
ンズは、レンズ全体が青色に薄く着色されており、レン
ズの周辺部に黒色の文字が鮮明に染着されていた。マー
キング部の色がレンズ全体の色と異なるため、実施例5
によって得られた着色ソフトコンタクトレンズよりもマ
ーク部をはっきりと識別することができる。完成品の仕
様は例えば図8に示す様なものであった。
【0034】また染着性試験の結果、着色部位の退色な
どの異常は観測されなかった。
【0035】(実施例7)パッド印刷によるマーキング
方法 反応性染料C.I.Reactive Violet
5 0.4g、無水硫酸ナトリウム0.4g、およびN
IKKOL NP−10(炭化水素系界面活性剤、日光
ケミカルズ(株)製)0.1gを水3gに分散溶解させ
る。これに別途水30gにアルギン酸ナトリウム2gを
溶かしてつくった増粘剤を5g加えて染色液とする。膨
潤状態のソフトコンタクトレンズを1枚取り出し、表面
の水分をよく拭き取った後、レンズ固定用ジグに張り付
けた。
【0036】次に、上記染色液が所望の文字の形に転写
されたシリコンラバー製パッドを、先の固定されている
ソフトコンタクトレンズに押し付け、染色液をコンタク
トレンズ表面に付着させた後、室温で1分間放置した。
レンズ固定ジグよりソフトコンタクトレンズをはがし1
%NaOH溶液へ約10分間浸漬した。レンズを取り出
し、水洗した後、生理食塩水中で30分間煮沸処理し
た。ソフトコンタクトレンズには紫色の鮮明な文字が染
着されていた。
【0037】また染着性試験の結果、いずれも文字の退
色、にじみなどの異常は観測されなかった。
【0038】(実施例8)インクジェット法によるマー
キング方法 反応性染料C.I.Reactive Black 5
0.3g、無水硫酸ナトリウム0.5g、Fluor
ad FC−430(フッ素系界面活性剤、住友スリー
エム(株)製)0.2gおよびグリセリン10gを蒸留
水50ccに分散溶解させて染料溶液とする。膨潤状態
のソフトコンタクトレンズを1枚取り出し、表面の水分
をよく拭き取った後、厚さ5mmのガラス板上に張り付
けた。
【0039】次に、上記染色液を充填したインクジェッ
ト装置を用いて所望の文字をソフトコンタクトレンズ上
に描いた後、室温で3分間放置した。ガラス板よりソフ
トコンタクトレンズをはがし0.5%NaOH溶液へ約
10分間浸漬した。レンズを取り出し、水洗した後、生
理食塩水中で30分間煮沸処理した。ソフトコンタクト
レンズには黒く鮮明な文字が染着されていた。
【0040】また染着性試験の結果、いずれも文字の退
色、にじみなどの異常は観測されなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、含水ソフトコンタクトレンズ
の所望の部分に表裏判別などに有効な文字、記号等を鮮
明に付与することができ、さらに煮沸消毒等の処理によ
って退色しない染着性を有するソフトコンタクトレンズ
のマーキング方法とそれに使用する染色剤を提供できる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例1の方法によって製造
されたソフトコンタクトレンズの平面図である。 (b)は本発明の実施例1の方法によって製造されたソ
フトコンタクトレンズの断面図である。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】本発明の実施例1の方法によって製造されたソ
フトコンタクトレンズの平面図である。
【図6】本発明の実施例4の方法によって製造されたソ
フトコンタクトレンズの平面図である。
【図7】(a)は本発明の実施例5の方法によって製造
されたソフトコンタクトレンズの平面図である。 (b)は本発明の実施例5の方法によって製造されたソ
フトコンタクトレンズの断面図である。
【図8】(a)は本発明の実施例6の方法によって製造
されたソフトコンタクトレンズの平面図である。 (b)は本発明の実施例6の方法によって製造されたソ
フトコンタクトレンズの断面図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−186222(JP,A) 特開 昭58−46319(JP,A) 特開 平3−200922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02C 1/00 - 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨潤状態のソフトコンタクトレンズに、
    レンズ基材中の水酸基等と共有結合を形成しうる発色成
    分としての反応染料及び界面活性剤(カチオン系界面活
    性剤を除く)を含有する染色剤を、所望の形状に浸透又
    は付着させる第1の工程と、 このソフトコンタクトレンズをアルカリ溶液中に浸漬し
    て共有結合を形成させることによリ前記反応染料を不溶
    化させる第2の工程と、をこの順序で有することを特徴
    とするソフトコンタクトレンズのマーキング方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のソフトコンタクトレンズのマ
    ーキング方法において、 膨潤状態のソフトコンタクトレンズと所望の文字、記号
    等の型を設けたスクリーンとを重ねて配置した後、前記
    染色剤を用いて捺染することによって前記第1の工程を
    実施することを特徴とするソフトコンタクトレンズのマ
    ーキング方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のソフトコンタク
    トレンズのマーキング方法を用いてマーキングされたこ
    とを特徴とするソフトコンタクトレンズ。
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