JP3208770B2 - 難燃性絶縁電線およびその製造方法 - Google Patents

難燃性絶縁電線およびその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は難燃性絶縁電線およびその製造方法に関し、
特に金属水酸化物を含むポリオレフィン絶縁被覆を有す
る難燃性絶縁電線およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
ポリエチレン等のポリオレフィンは、絶縁体として絶
縁抵抗、絶縁耐力、誘電率、耐水性、耐湿性、耐溶剤
性、耐薬品性等多くの点で優れているので、電線・ケー
ブルの絶縁被膜として広く用いられているが、燃焼し易
く、火源から電線・ケーブルを伝わって火災が広がるこ
とがしばしばあるため、難燃性にすることが要求されて
いる。特に、航空機、車両、船舶、トンネル、原子力発
電所、工場、高層ビル、民生用電気機器等に用いる電線
・ケーブルでは難燃性を強く要求される。
難燃化剤をポリオレフィンに添加することにより、ポ
リオレフィン絶縁材料を難燃性とすることが行われてい
る。難燃化剤としてハロゲン含有有機化合物が広く用い
られているが、火災時に有毒ガスや大量の煙を発生する
ため、最近では、このような欠点のない、水酸化アルミ
ニウムや水酸化マグネシウム等の金属水酸化物が、難燃
化剤として用いられるようになっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、金属水酸化物は、ポリオレフィン中に多量に
添加しないと、最近の電線ケーブル各種規格(例えばIE
EE規格383)で要求される高度の難燃性を得ることがで
きない。金属水酸化物をポリオレフィンに多量に添加す
ると、絶縁体やシースの引張特性等の機械的特性を著し
く悪化させる。電線・ケーブル製造の際の加工特性も悪
化する。
それ故、本発明の目的は、すぐれた難燃性を有し、か
つ要求される絶縁耐の機械的特性を満足する絶縁電線を
実現することである。
また、本発明の目的は、すぐれた難燃性を有し、かつ
要求される絶縁体の機械的特性を満足する絶縁電線の製
造方法を実現することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の難燃性絶縁電線では、すぐれた難燃性を有
し、かつ要求される絶縁体の機械的特性を満足する絶縁
電線を実現するため、絶縁物で被覆された導体の外周
を、分散された合成樹脂と平均粒径50μm以下の中空ガ
ラスビーズとを含む有機または無機繊維の布で被覆し、
その外側に、ポリオレフィンと金属水酸化物から成る絶
縁被覆(シース)を設けた。本発明の絶縁電線はケーブ
ルを包含する。
また、本発明の難燃性絶縁電線の製造方法では、すぐ
れた難燃性を有し、かつ要求される絶縁体の機械的特性
を満足する絶縁電線の製造方法を実現するため、導体の
外周を絶縁体で被覆し、有機または無機繊維の帯状の布
に、平均粒子径50μm以下の中空ガラスビーズと、中空
ガラスビーズ100重量部に対し10ないし30重量部の合成
樹脂水分散物とから成る組成物を、布の面積100cm2当た
り2cm3以下の量になるよう含浸し、この含浸された布を
絶縁体の外周に巻きつけ、布の外周をポリオレフィンお
よび金属水酸化物から成る絶縁被覆で被覆するようにし
た。
導体は通常用いられる電気良導体の何れでもよく、例
えば、銅、アルミニウム等、あるいはそれらの合金を用
いることができる。導体は、錫、ハンダ、ニッケル、銀
等の種々の金属でめっきされたものでもよい。導体の構
造は、単線でも、撚り線でもよい。
導体の外周は少なくとも1種の絶縁物で被覆され、そ
れらの絶縁物層の間に絶縁性または非絶縁性の介在物が
設けられてもよい。
絶縁物で被覆された導体(以下、線心と言う)は、中
空ガラスビーズおよび分散された合成樹脂を含む布で被
覆される。線心の外周を被覆する布は、綿糸、絹糸、ポ
リエチレンテレフタレート、ナイロンのような有機繊維
の布でもよいし、ガラス繊維のような無機繊維の布でも
よい。布としては、線心の外周に巻き付けた布テープが
好ましい。しかし線心の外周に編まれた布でもよい。後
者を用いる場合には、編まれた布の上から合成樹脂の水
中分散物と中空ガラスビーズから成る組成物を、塗布等
により含浸させる。布の厚さは、約100μmないし600μ
mが適当である。
中空ガラスビーズの平均粒径は50μm以下とする。平
均粒径を50μmより大にすると、布を線心に巻きつける
際に、その表面付近のガラスビーズと合成樹脂から成る
層に、ひび割れが生ずる。中空ガラスビーズの中空部の
内径は、外径の50%から90%の範囲とするのが好まし
い。
中空ガラスビーズに混合する、水中に分散された合成
樹脂は、オレフィン系、特にエチレンおよびその誘導体
の重合体が好ましい。例えば、酢酸ビニルポリマー、エ
チレン−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル−プロピオ
ン酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル−アクリル酸エステ
ルコポリマー、2種以上のアクリル酸エステルのコポリ
マーである。これらの2種以上の混合物(ポリマーブレ
ンド)でもよい。
分散された合成樹脂を布に中空ガラスビーズとともに
含ませるには、合成樹脂の水中分散物(便宜上、水性エ
マルジョンと呼ぶ。ただし、合成樹脂は液体に限らず、
固体でもよい。)を中空ガラスビーズに混和し、これを
布に含浸させる方法がある。分散物の調製方法は、多数
の方法が広く知られている。水性エマルジョンは、合成
樹脂の含有量が30重量%から80重量%の範囲のものが適
当であり、中空ガラスビーズ100重量部に対し、このよ
うな水性エマルジョンを10ないし30重量部混合する。従
って、中空ガラスビーズ100重量部に対し、分散された
合成樹脂の量は乾燥後3ないし24重量部である。中空ガ
ラスビーズ100重量部に対し分散された合成樹脂の量が
重量部未満であると、含浸された布の可撓性が乏しくな
り、布を線心または導体に巻きつけることが困難とな
る。また、ガラスビーズ100重量部に対し、分散された
合成樹脂の量が3ないし24重量部を超えると、塗布され
た布が可燃性となり、電線・ケーブルの難燃性が低下す
る。中空ガラスビーズは中実のガラスビーズより比重が
小さいので、水性エマルジョンと混合する際比較的沈降
しにくいが、液中でなるべく均一になるように攪拌する
ことが好ましい。
中空ガラスビーズと水性エマルジョンの混合物を布に
含浸する際には、平滑面に塗布したとして形成される塗
布液層の厚さが200μmを超えないような単位面積当た
りの液量で、布に含浸することが好ましい。このような
液量は、100cm2当たり2cm3以下に相当する。中空ガラス
ビーズの平均粒径が50μmであるとき、分散合成樹脂の
占める厚さを無視するとすれば、この厚さは最密充填さ
れた中空ガラスビーズの約5粒子層に相当する。含浸組
成物の液層の厚さが200μmを超える場合、含浸された
布の可撓性が乏しくなり、布、特にテープ状の布を、線
心に巻きつけることが困難となる。これは、含浸組成物
の体積の大部分を占める中空ガラスビーズも、その層の
厚さが約200μm以上となり、ガラスビーズを含む含浸
された組成物が脆くなるためである。
布の外周を被覆する絶縁被覆(シース)の主成分とな
るポリオレフィンとしては、ポリエチレン、エチレンプ
ロピレン共重合体(ブタジエン等の他の重合成分を含ん
でもよい)、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメ
チルアクリレート共重合体、エチレンエチルアクリレー
ト共重合体、エチレエンブテン共重合体(ブタジエン等
の他の重合成分を有してもよい)等を用いることができ
る。二種以上のポリオレフィンを用いてもよい。
金属水酸化物は結晶水を有する2価、3価、または4
価の金属水酸化物が好ましく、炭酸塩、珪酸塩等との複
合体でもよい。例えば水酸化マグネシウム、塩基性炭酸
マグネシウム、ハイドロタルサイト、水酸化アルミニウ
ムを用いることができる。金属水酸化物は、ポリオレフ
ィン100重量部に対し50重量部以上加えることが望まし
い。そうでないと、充分な難燃性を得ることができな
い。前述の通り、金属水酸化物が多過ぎると機械的特性
を損なうので、250重量部以下が望ましい。
ポリオレフィン絶縁被覆はポリオレフィン、例えばポ
リエチレンを、架橋させたものでもよい。架橋には、有
機過酸化物の添加、電子線照射、シラングラフト水架橋
等のいずれを用いてもよい。有機過酸化物としては、ジ
クミルペルオキシド(dicumyl peroxide)、3−ビス
(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等が好
適である。電子線照射を用いる場合、架橋助剤としてト
リメチロールプロパントリメリテート、トリアリルイソ
シアヌレート等の反応性のモノマーを添加してもよい。
ポリオレフィン絶縁被覆はさらに、酸化防止剤、滑
剤、カーボンブラック、軟化剤、分散剤等を含んでもよ
い。酸化防止剤としては、フェニル−α−ナフチルアミ
ン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミ
ン等のアミン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェノール、立体障害フェノール等のフェノー
ル系酸化防止剤の、いずれを用いることもできる。
〔作用〕
本発明の絶縁電線(ケーブルを含む)は、中空ガラス
ビーズと分散された合成樹脂を含む有機または無機繊維
の布で線心が被覆されているため、その外側のポリオレ
フィン絶縁被覆(シース)に金属水酸化物を、機械的特
性の悪化を生じるほど多量に添加しなくても、すぐれた
難燃性を得ることができる。
また、本発明の絶縁電線の製造方法によると、所定の
外径をもつ中空ガラスビーズと、ガラスビーズに対し所
定量の合成樹脂水分散物とから成る組成物を、単位面積
当たり所定量含浸した有機または無機繊維の布で、線心
を被覆することにより、ポリオレフィン絶縁被覆に機械
的特性の悪化を生じるほど多量の金属水酸化物を添加し
なくても、すぐれた難燃性を有する絶縁電線を製造する
ことができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例1〜4〕 本発明のケーブルの実施例の断面を図に示す。導体1
をエチレンプロピレンゴムの絶縁体2で被覆した外径5.
3mmの絶縁線心を3本撚り合わせてコアとし、紙介在層
3で覆った上にテープ4が巻かれ、さらにその外側をポ
リオレフィン絶縁シース5で被覆されている。テープ4
は第1表に示す組成物を含浸させたガラス繊維テープま
たは綿糸テープである(表中、数字の単位は重量部)。
実施例1のポリオレフィン絶縁組成物のみはジクミルペ
ルオキシドを含み、ポリオレフィン被覆が架橋されてい
る。
第1表中に記したエマルジョンAはエチルアクリレー
ト成分30モル%を含む分子量5000のエチレンエチルアク
リレートコポリマーを、70重量%含む水性エマルジョン
である。ポリマーBは酢酸ビニル成分40モル%を含む分
子量10000のエチレン酢酸ビニルコポリマーを、40重量
%含む水性エマルジョンである。
シース組成物に用いたエチレン酢酸ビニルコポリマー
は酢酸ビニル成分32重量%を含み、メルトインデックス
(190℃)1.0のもの、エチレンエチルアクリレートコポ
リマーはエチレンアクリレート成分19重量%を含み、メ
ルトインデックス(190℃)1.5のもの、水酸化マグネシ
ウムの平均粒子径は1μm、水酸化アルミニウムの平均
粒子径は0.6μmである。
各シース組成物を、温度100℃に保持した6インチロ
ールでロール混練を行った後、120℃に保持した40mm押
し出し機(スクリュー部のL/D=25)を用い、3本撚り
合わせた外径5.3mmのエチレンプロピレンゴム絶縁線心
の周りに厚さ2.0mmに押出被覆し、ケーブル試料を作製
した。
シース組成物の機械的特性は下記の方法で評価した。
各シース組成物を180℃で厚さ1mmにプレス成形し、日
本電線工業規格第391号に従い、JIS K7112のダンベル
3号を用いて試験片を作製し、ショッパ型引張試験機を
用い、引張速度200mm/分で引張試験を行った。引張強さ
が1.0kg/mm2以上、伸びが350%以上のものを良とし、こ
れらをどちらかでも下回るものを不良とした。
各テープ試料およびシース組成物の加工性は、テープ
の巻き付けのときの状況、押出機での押し出し状況、お
よびシースの外観で判定した。
ケーブル試料の難燃性は、長さ2mのケーブル試料を8
本垂直に並べ、下端に70,000BTU/hrの炎を20分間当てた
後炎を取り去り、自己消炎するか否かで判定した。自己
消炎すれば合格、全焼した場合不合格とした。
機械的特性、加工特性、難焼性を評価した結果を、シ
ース組成およびテープ構成とともに第1表に示す。各シ
ース組成の機械的特性、テープおよびシースの加工特性
とも良好であり、ケーブル試料の難燃性も合格であっ
た。
〔比較例1〜4〕 第2表に示す組成の絶縁組成物を調製した(単位は重
量部)。調製方法、評価方法は実施例1〜4と同じであ
る。評価結果を組成とともに第2表に示す(表中*印は
測定不能を示す)。難燃性について表中には、不合格を
不良、合格を良として示した。
比較例1は、テープ塗布組成中の平均粒子径10μmの
ガラスビーズAの代わりに、平均粒子径500μmの中空
ガラスビーズBを用いたもので、塗布したテープの表面
にクラックが入る。難燃性試験に適するケーブル試料は
一応得られたが、ケーブルの難燃性も不合格となった。
これは、テープ塗布組成物中の中空ガラスビーズの平均
粒子径が50μmより大きいと、塗布したテープの加工性
が悪くなり、ケーブルの難燃性も悪いことを示してい
る。
比較例2はテープ塗布組成中エマルジョンA(含まれ
る分散ポリマーは70重量%)を10重量部から5重量部に
減量したものであるが、テープの可撓性が悪くなり、線
心の外側に巻けなくなるため、難燃性試験に適するケー
ブル試料が得られなかった。ガラスビーズ100重量部に
対し分散ポリマーが3ないし24重量部未満では、線心の
外側に巻けなくなるほどテープの可撓性が悪くなること
を示している。
比較例3はテープ塗布組成中のエマルジョンB(含ま
れる分散ポリマーは40重量%)を100重量部に増量した
もので、加工性は良好であるが、難燃性は不合格であ
る。ガラスビーズ100重量部に対し分散ポリマーが3な
いし24重量部を超えると、難燃性を低下させることを示
している。
比較例4はテープに含浸する組成物の厚さを100μm
から500μmまで増したものであるが、テープの可撓性
が悪くなるため、線心の外側に巻けなくなり、難燃性試
験に適するケーブル試料が得られなかった。テープに含
浸する組成物の単位面積当たりの量が200μmを超える
と、線心の外側に負けなくなるほどテープの可撓性が悪
くなることを示している。
〔比較例5〜6〕 第3表に示す組成の絶縁組成物を調製した(単位は重
量部)。調製方法、評価方法は実施例1〜4と同じであ
る。評価結果を組成とともに第3表に示す(表中*印は
測定不能を示す)。難燃性について表中には、不合格を
不良、合格を良として示した。
比較例5は水酸化マグネシウムを10重量部に減量した
もので、加工性は良好であるが、難燃性は不合格であ
る。50重量部未満の金属水酸化物では、充分な難燃性が
得られないことを示している。
比較例6は水酸化マグネシウムを100重量部から500重
量部に増量したものであるが、シースの加工性、機械的
特性とも悪く、難燃性試験に適するケーブル試料が得ら
れなかった。250重量部を超える金属水酸化物はシース
の加工性、機械的特性を悪化させることを示している。
〔比較例7〜10〕 第4表に示す組成の絶縁組成物を調製した(単位は重
量部)。調製方法、評価方法は実施例1〜4と同じであ
る。評価結果を組成とともに第4表に示す(表中*印は
測定不能を示す)。難燃性について表中には、不合格を
不良、合格を良として示した。
比較例7は、実施例2のテープ塗布組成中の平均粒子
径10μmのガラスビーズAの代わりに、平均粒子径500
μmの中空ガラスビーズBを用いたもので、塗布したテ
ープの表面にクラックが入る。比較例1と同様、難燃性
試験のためのケーブル試料は一応得られたが、ケーブル
の難燃性は不合格であった。実施例2との比較により、
テープ塗布組成物中の中空ガラスビーズの平均粒子径が
50μmより大きいと、塗布したテープの加工性が悪くな
り、ケーブルの難燃性も悪いことが理解される。
比較例8は、実施例2において布テープに含浸する組
成物の厚さを100μmから500μmに増したものである
が、布テープの可撓性が悪くなるため、線心の外側に巻
けなくなり、難燃性試験に適するケーブル試料が得られ
なかった。実施例2との比較により、布テープに含浸す
る組成物の厚さが200μmを超えると、布テープの可撓
性が悪くなることが理解される。
比較例9は、実施例1のテープ塗布組成中エマルジョ
ンA(含まれる分散ポリマーは70重量%)を10重量部か
ら5重量部に減量したものであるが、テープの可撓性が
悪くなり、線心の外側に巻けなくなるため、難燃性試料
に適するケーブル試料が得られなかった。実施例1との
比較により、ガラスビーズ100重量部に対し分散ポリマ
ー3ないし24重量部未満では、テープの可撓性が悪くな
ることが結論される。
比較例10は実施例3のテープ塗布組成中のエマルジョ
ンAを100重量部に増量したもので、加工性は良好であ
るが、難燃性は不合格である。実施例3との比較によ
り、ガラスビーズ100重量部に対し分散ポリマーが3な
いし24重量部を超えると、難燃性を低下させることが理
解される。
以上の各実施例および比較例から、本発明の絶縁電線
の有するすぐれた難燃性および機械的特性が明らかであ
る。
〔発明の効果〕
本発明による絶縁電線は、すぐれた難燃性を有し、か
つ要求される絶縁体の機械的特性を満足する。また、本
発明の絶縁電線の製造方法によると、すぐれた難燃性を
有し、要求される絶縁体の機械的特性を満足する絶縁電
線を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明による絶縁電線の実施例の断面図である。 符号の説明 1……導体 2……絶縁体 3……紙介在層 4……テープ 5……ポリオレフィン絶縁シース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 康彰 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日 立電線株式会社電線研究所内 (56)参考文献 特開 平4−155710(JP,A) 特開 昭63−310508(JP,A) 特開 昭52−39200(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 7/295 H01B 13/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体
    と、前記絶縁体の外周を被覆する、分散された合成樹脂
    および平均粒子径50μm以下の中空ガラスビーズを含む
    有機または無機繊維の布と、 前記布の外周を被覆する、ポリオレフィンおよび金属水
    酸化物から成る絶縁被覆とから成ることを特徴とする、
    難燃性絶縁電線。
  2. 【請求項2】導体の外周を絶縁体で被覆し、 有機または無機繊維の帯状の布に、平均粒子径50μm以
    下の中空ガラスビーズと、前記中空ガラスビーズ100重
    量部に対し10ないし30重量部の合成樹脂水分散物とから
    成る組成物を、前記布の面積100cm2当たり2cm3以下の量
    になるよう含浸し、 前記絶縁体の外周に前記含浸された布を巻きつけ、 前記布の外周をポリオレフィンおよび金属水酸化物から
    成る絶縁被覆で被覆することを特徴とする、難燃性絶縁
    電線の製造方法。
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