JP3208573B2 - 電池チェッカー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電池の消耗度を検査する
電池チェッカーに関する。

【０００２】

【従来技術】従来から、使用を希望する電池が使用可能
か否かを検査する際には図２に示すような電池チェッカ
ーが用いられていた。即ち、この電池チェッカーは電池
ボックス１の相対向する一方の内壁面に金属片を張り付
けてプラス端子２を形成すると共に、前記他方の内壁面
に渦巻バネを取り付けてマイナス端子３を形成し、プラ
ス端子２及びマイナス端子３を夫々電圧計４の入力端子
に電気的に接続したものである。これを使用する際には
検査すべき電池を電池ボックス１に収納すれば、電池の
マイナス電極と前記マイナス端子３とが互いに接触する
と共に、電池には前記渦巻バネによって電池のプラス電
極を前記プラス端子２に接触せしめる力が加わり電池の
電極間電圧を電圧計４で測定することができから、その
測定結果から電池の消耗度を検査することができる。

【０００３】又、電池チェッカーには図３に示すように
比較的電気抵抗が大きい導伝塗料５を細い帯状にしてフ
ィルム６の表面に塗布すると共に、該帯状の導伝塗料５
の両端を円形の端子７及び８とし、更に帯状の導伝塗料
５の表面上に感温塗料９を塗布したものがある。これを
使用する際には図４に示すようにフィルム状の電池チェ
ッカーを湾曲せしめて前記端子７及び８を夫々電池のプ
ラス電極及びマイナス電極に接触せしめれば、電池から
その起電力に応じた電流が導伝塗料５に流れて該導伝塗
料５が発熱し感温塗料９が変色するから、その変色具合
を観察することによって電池の消耗度を検査することが
できる。

【０００４】しかしながら、最近店頭で販売されている
電池は全面が保護フィルムで覆われていることが少なく
ないため、この保護フィルムを除去することなしに上述
した如き従来の電池チェッカーを用いて店頭で購入せん
とする電池の消耗度を検査することは不可能であり、し
ばしば自然放電によって起電力の低下した電池を購入さ
せられると云う問題があった。

【０００５】

【発明の目的】本発明は上述した如き従来の電池チェッ
カーの問題を解決するためになされたものであって、電
池の全面が保護フィルムで覆われていても、これを除去
することなく電池の消耗度を検査することが可能な電池
チェッカーを提供することを目的とする。

【０００６】

【発明の概要】上述の目的を達成するため本発明の電池
チェッカーは電池の各電極に夫々接触せしめる端子の形
状を針状にすると共に、その針状の端子を前記電極面に
ほぼ垂直にあて得るように構成する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例に基づい
て詳細に説明する。図１は本発明の電池チェッカーの一
実施例を示す平面図である。同図に於いて１０は電池ボ
ックスであって、その相対向する一方の内壁面に金属針
１１、１１を垂直に立設した金具１２、１２を固定す
る。又、前記金具１２、１２に対面する前記電池ボック
ス１０の壁面には孔を穿けてその孔に摺動メタル１３、
１３を固定し、該摺動メタル１３、１３の貫通孔には一
端にノブ１４、１４を有すると共に他端１５、１５を針
状としたメタルシャフト１６、１６を挿入し、前記摺動
メタル１３、１３の電池ボックス１０の外壁側端面と前
記ノブ１４、１４との間にはコイルバネ１７、１７を介
装し、前記メタルシャフト１６、１６の先端近傍にはス
トッパ（フランジ）１８、１８を固定して当該メタルシ
ャフト１６、１６が前記バネ１７、１７によって摺動メ
タル１３、１３から抜け落ちないようにする。更に、前
記各摺動メタル１３、１３及び前記金具１２、１２は互
いに電気的に接続し、夫々の接続端を電圧計１９の各端
子に接続したものである。

【０００８】このように構成する電池チェッカーは使用
する際に検査すべき電池を電池ボックス１０に収納した
後、図５に示すように一方のノブ１４を順次バネ１７に
抗して押せば、検査すべき電池の全面が保護フィルムで
覆われていても、この保護フィルムを破ることなく前記
針１１とメタルシャフト１６の他端１５との先端が夫々
前記保護フィルムに小さな孔を穿けて電池の正負電極に
接触し、電池の電極間電圧を電圧計１９で測定すること
ができるから、その測定結果から電池の消耗度を検査す
ることができる。

【０００９】又、上述した電池チェッカーは多数本の電
池が保護フィルムで覆われている場合、図６に示すよう
に変形しても良い。同図に於いて２０は両端を垂直に折
り曲げたプラスチック板であって、その相対向する一方
の端部に上述した如き金属針１１が立設した金具１２を
固定すると共に、該金具１２に対面する前記プラスチッ
ク板２０の端部には上述した如き摺同メタル１３、メタ
ルシャフト１６、コイルバネ１７及びストッパ１８を設
け、摺同メタル１３及び金具１２を夫々電圧計の各端子
に接続したものである。このように構成する電池チェッ
カーは使用する際に図７に示すようにプラスチック板２
０に前記多数本の電池各々を順次載せる毎にノブ１４を
バネ１７に抗して押せば、針１１とメタルシャフト１６
との先端が夫々プラスチック板２０に載せた電池の電極
面上の保護フィルムに小さな孔を穿けて該電極の正負電
極接触するから、多数本の電池が保護フィルムで覆われ
ていても各電池の消耗度を順次検査することができる。

【００１０】更に、図８は本発明の電池チェッカーの変
形実施例を示す図である。同図に於いて２１は比較的電
気抵抗が大きく細い帯状の導伝塗料であって、該帯状の
導伝塗料２１をフィルム２２の表面に塗布すると共に、
帯状の導伝塗料２１の両端を円形の端子２３及び２４と
し、又各端子には夫々各面に対して垂直に背の低い針２
５及び２６を立てる。更に、帯状の導伝塗料２１の表面
上に感温塗料２７を塗布して電池チェッカーを形成す
る。

【００１１】この電池チェッカーは使用する際に図９に
示すようにフィルム２２を湾曲せしめて針２５及び２６
を夫々電池の正負電極両面に対して垂直にあてれば、検
査すべき電池の全面が保護フィルムで覆われていても、
針２５及び２６の先端が前記保護フィルムに小さな孔を
穿けて該先端が電池の正負電極に夫々接触し、電池の起
電力に応じた電流が導伝塗料２１を流れて該塗料が発熱
するから、その発熱による感温塗料２７の変色具合を観
察することによって前記保護フィルムを除去することな
く電池の消耗度を検査することができる。

【００１２】尚、上述の実施例では検査すべき電池の各
電極の各面に対して垂直に針をあてたが、本発明はその
針をあてる角度は電池を覆う保護フィルムに孔を穿ける
ことができれば必ずしも垂直に限るものではなく、又針
を電池の電極にあてる構造も上述したものに限る必要が
ないことは自明であろう。又、上述の実施例では電圧
計、又は感温塗料を用いて電池の電極間電圧、又は起電
力の程度を検査するようにしたが、本発明は電池の消耗
度を検査できるものであればこれに限る必要はなく、例
えばＬＥＤ等を用いてその点灯の有無を観察するように
しても良い。

【００１３】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、検査すべ
き電池の正負電極に接触せしめる電池チェッカーの端子
の形状を針状にしたので、電池の全面が保護フィルムで
覆われていても、これを破ることなく電池の正負電極を
夫々電池チェッカーの端子に電気的に接触させることが
できるから、店頭で販売されている電池の包装たる保護
フィルムを損することなく電池の消耗度を検査すること
が可能となる。従って、本発明に係る電池チェッカーを
電池の売り場に備えれば顧客は電池を買う前に電池を覆
っている保護フィルムを破ることなく購入せんとする電
池の消耗度を検査することができるから、自然放電によ
って起電力の低下した電池の購入する虞がなくなり顧客
へのサービスの質を向上する上で著しい効果がある。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す図である。

【図２】従来の電池チェッカーを説明するための図であ
る。

【図３】従来の電池チェッカーを説明するための図であ
る。

【図４】従来の電池チェッカーの使用方法を説明するた
めの図である。

【図５】本発明の一実施例を説明するための図である。

【図６】本発明の変形実施例を示す図である。

【図７】本発明の変形実施例を説明するための図であ
る。

【図８】本発明の変形実施例を示す図である。

【図９】本発明の変形実施例を説明するための図であ
る。

【符号の説明】

１０ 電池ボックス １１ 金属針 １２ 金具 １３ 摺動メタル １４ ノブ １６ メタルシャフト １７ コイルバネ １８ ストッパ １９ 電圧計

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】保護フィルムに覆われた状態の電池の消耗
   度を検査可能な電池チェッカーであって、 電圧計、感温塗料、或いはＬＥＤなどの電池の消耗度を
   検査する手段と、 前記電池の消耗度を検査する手段に接続され前記電池の
   プラス電極及びマイナス電極それぞれに対応して備えら
   れた少なくとも２つの端子とを有し、 前記端子の先端は前記保護フィルムに小さな孔を穿けて
   前記電池の電極に接触することができる針状に形成した
   ことを特徴とする電池チェッカー。