JP3208131B2 - パラジウム/鉄合金メッキ液及びパラジウム合金メッキ基材 - Google Patents
パラジウム/鉄合金メッキ液及びパラジウム合金メッキ基材Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パラジウム合金メ
ッキ液に関し、さらに詳しくはニッケルによる金属アレ
ルギーを誘発する心配がなく、白色優美な、光沢、耐食
性に優れたパラジウム合金メッキを賦与することができ
るパラジウム/鉄合金メッキ液(以下単に「パラジウム
合金メッキ液」と呼ぶことがある)に関する。
ッキ液に関し、さらに詳しくはニッケルによる金属アレ
ルギーを誘発する心配がなく、白色優美な、光沢、耐食
性に優れたパラジウム合金メッキを賦与することができ
るパラジウム/鉄合金メッキ液(以下単に「パラジウム
合金メッキ液」と呼ぶことがある)に関する。
【0002】本発明のパラジウム/鉄合金メッキ液は、
白色光沢があり、耐食性に優れ、厚付け性が良く、良好
なメッキ皮膜を得ることができるので、被メッキ金属の
表面の一部または全部を、あるいは基部メッキ層として
の下地メッキに好適であり、腕時計などの外装部品、装
身具、眼鏡フレーム、置物類、食器類、筆記用具などの
基材として有用なものである。
白色光沢があり、耐食性に優れ、厚付け性が良く、良好
なメッキ皮膜を得ることができるので、被メッキ金属の
表面の一部または全部を、あるいは基部メッキ層として
の下地メッキに好適であり、腕時計などの外装部品、装
身具、眼鏡フレーム、置物類、食器類、筆記用具などの
基材として有用なものである。
【0003】
【従来の技術】従来のパラジウム合金メッキとしては、
パラジウム/ニッケルあるいはパラジウム/コバルトの
合金があり、これらのメッキ皮膜は耐食性に優れており
光沢も良好なものである。しかしながら、ニッケルによ
る金属アレルギーの問題があり肌に接触する装飾品には
使用することが難しいという問題がある。このため、コ
ストの高い純パラジウムメッキが採用されているのが実
情であり、業界においては貴金属白色メッキとして多用
されているパラジウム/ニッケル合金メッキに替わる、
金属アレルギーを誘発する虞れがなく白色パラジウム合
金メッキの開発が望まれている。
パラジウム/ニッケルあるいはパラジウム/コバルトの
合金があり、これらのメッキ皮膜は耐食性に優れており
光沢も良好なものである。しかしながら、ニッケルによ
る金属アレルギーの問題があり肌に接触する装飾品には
使用することが難しいという問題がある。このため、コ
ストの高い純パラジウムメッキが採用されているのが実
情であり、業界においては貴金属白色メッキとして多用
されているパラジウム/ニッケル合金メッキに替わる、
金属アレルギーを誘発する虞れがなく白色パラジウム合
金メッキの開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の貴金属白色メッ
キとして多用されているパラジウム/ニッケル合金メッ
キに替わるパラジウム合金メッキとして、耐食性に優れ
ており、白色優美なメッキを得るためには、メッキ皮膜
の光沢、合金比率の安定性、メッキ厚付け性等の改善が
必要である。本発明は、従来使用されているニッケルに
替えて金属アレルギーの誘発の虞れがなく、光沢が良好
で、耐食性に優れており厚付け性の良いパラジウム合金
メッキおよびそのメッキ液を提供するものである。
キとして多用されているパラジウム/ニッケル合金メッ
キに替わるパラジウム合金メッキとして、耐食性に優れ
ており、白色優美なメッキを得るためには、メッキ皮膜
の光沢、合金比率の安定性、メッキ厚付け性等の改善が
必要である。本発明は、従来使用されているニッケルに
替えて金属アレルギーの誘発の虞れがなく、光沢が良好
で、耐食性に優れており厚付け性の良いパラジウム合金
メッキおよびそのメッキ液を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の実情に
鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ニッケルに替えて鉄を使
用したパラジウム/鉄合金メッキ液が光沢性、耐食性に
優れており厚付け性の良いことを見出し、本発明を完成
した。
鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ニッケルに替えて鉄を使
用したパラジウム/鉄合金メッキ液が光沢性、耐食性に
優れており厚付け性の良いことを見出し、本発明を完成
した。
【0006】すなわち、本発明は、(1)伝導塩を5g
/L〜300g/L、可溶性鉄化合物を金属鉄として
0.01g/L〜10g/L、可溶性パラジウム化合物
を金属パラジウムとして1g/L〜30g/Lを含有
し、遊離アンモニアを1g/L〜50g/Lおよび光沢
剤を0.1g/L〜30g/L含有し、pHが7.0〜
12.0であることを特徴とする光沢性パラジウム/鉄
合金メッキ液を要旨とする。(2)また、可溶性鉄化合
物が塩化第二鉄、塩化第一鉄、燐酸第二鉄、燐酸第一鉄
のアンモニア化合物から選ばれる一種である上記(1)
記載の光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液、(3)また
本発明は、可溶性パラジウム化合物が亜硝酸パラジウ
ム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム
のアンモニア化合物から選ばれる一種である上記(1)
記載の光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液、(4)伝導
塩が無機酸または有機酸のアンモニア化合物である上記
(1)、(2)または(3)記載の光沢性パラジウム/
鉄合金メッキ液、(5)また、無機酸がピロリン酸、り
ん酸、硫酸、塩酸のアンモニア化合物から選ばれる少な
くとも一種であり、有機酸がEDTA、酒石酸のアンモ
ニア化合物から選ばれる少なくとも一種である上記
(4)記載の光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液を要旨
とする。上記の本発明メッキ液を使用することにより、
パラジウムを60重量%〜99.5重量%含有し、残分
が鉄である光沢性を有するパラジウム合金メッキ皮膜を
有するメッキ基材を得ることができる。
/L〜300g/L、可溶性鉄化合物を金属鉄として
0.01g/L〜10g/L、可溶性パラジウム化合物
を金属パラジウムとして1g/L〜30g/Lを含有
し、遊離アンモニアを1g/L〜50g/Lおよび光沢
剤を0.1g/L〜30g/L含有し、pHが7.0〜
12.0であることを特徴とする光沢性パラジウム/鉄
合金メッキ液を要旨とする。(2)また、可溶性鉄化合
物が塩化第二鉄、塩化第一鉄、燐酸第二鉄、燐酸第一鉄
のアンモニア化合物から選ばれる一種である上記(1)
記載の光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液、(3)また
本発明は、可溶性パラジウム化合物が亜硝酸パラジウ
ム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム
のアンモニア化合物から選ばれる一種である上記(1)
記載の光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液、(4)伝導
塩が無機酸または有機酸のアンモニア化合物である上記
(1)、(2)または(3)記載の光沢性パラジウム/
鉄合金メッキ液、(5)また、無機酸がピロリン酸、り
ん酸、硫酸、塩酸のアンモニア化合物から選ばれる少な
くとも一種であり、有機酸がEDTA、酒石酸のアンモ
ニア化合物から選ばれる少なくとも一種である上記
(4)記載の光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液を要旨
とする。上記の本発明メッキ液を使用することにより、
パラジウムを60重量%〜99.5重量%含有し、残分
が鉄である光沢性を有するパラジウム合金メッキ皮膜を
有するメッキ基材を得ることができる。
【0007】
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のパラジウム/鉄合金メッ
キ液の鉄成分として用いられる鉄化合物は、アンモニア
可溶性の化合物、あるいはメッキ液中で反応してアンモ
ニア化合物となるものであればよい。例えば塩化第二
鉄、塩化第一鉄、燐酸第二鉄、燐酸第一鉄などが例示さ
れる。本発明において、これらの鉄化合物は金属鉄に換
算して0.01g/L〜10g/L含有する。鉄の含有
量が10g/Lを超える量であると電流効率の低下を招
き、一方0.01g/Lよりも少ない場合には鉄の析出
が少なくなり合金メッキとして好ましくない。
キ液の鉄成分として用いられる鉄化合物は、アンモニア
可溶性の化合物、あるいはメッキ液中で反応してアンモ
ニア化合物となるものであればよい。例えば塩化第二
鉄、塩化第一鉄、燐酸第二鉄、燐酸第一鉄などが例示さ
れる。本発明において、これらの鉄化合物は金属鉄に換
算して0.01g/L〜10g/L含有する。鉄の含有
量が10g/Lを超える量であると電流効率の低下を招
き、一方0.01g/Lよりも少ない場合には鉄の析出
が少なくなり合金メッキとして好ましくない。
【0010】本発明のパラジウム/鉄合金メッキ液のパ
ラジウム成分として用いられるパラジウム化合物は、ア
ンモニア可溶性の化合物が使用され、例えば、亜硝酸パ
ラジウム、亜硝酸パラジウムアミン、硝酸パラジウム、
硝酸パラジウムアミン、塩化パラジウム、塩化パラジウ
ムアミン、硫酸パラジウム、硫酸パラジウムアミン、な
どが例示される。本発明において、これらのパラジウム
化合物はパラジウム金属に換算して1g/L〜30g/
L含有する。パラジウムの含有量が1g/L未満である
場合には電流効率の低下を招き、一方30g/Lを超え
る量になるとパラジウムの救い出し量(付着して持ち出
される量)が増加し、さらには常時使用されるパラジウ
ム貴金属が増加するため採算上好ましくない。
ラジウム成分として用いられるパラジウム化合物は、ア
ンモニア可溶性の化合物が使用され、例えば、亜硝酸パ
ラジウム、亜硝酸パラジウムアミン、硝酸パラジウム、
硝酸パラジウムアミン、塩化パラジウム、塩化パラジウ
ムアミン、硫酸パラジウム、硫酸パラジウムアミン、な
どが例示される。本発明において、これらのパラジウム
化合物はパラジウム金属に換算して1g/L〜30g/
L含有する。パラジウムの含有量が1g/L未満である
場合には電流効率の低下を招き、一方30g/Lを超え
る量になるとパラジウムの救い出し量(付着して持ち出
される量)が増加し、さらには常時使用されるパラジウ
ム貴金属が増加するため採算上好ましくない。
【0011】本発明のパラジウム合金メッキ液には金属
錯塩安定剤としての伝導塩が添加される。この伝導塩と
しては、ピロリン酸、りん酸、塩酸、硫酸、EDTA,
酢酸、酒石酸などの無機酸あるいは有機酸のアンモニア
化合物であり、通常、アンモニウム塩が使用される。例
えば、ピロリン酸アンモニウム、りん酸アンモニウム、
硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウム、EDTAアンモ
ニウム、酢酸アンモニウム、酒石酸アンモニウムなどが
例示される。伝導塩の添加量は5g/L〜300g/L
であり、5g/L未満であると鉄の溶解安定性が悪くな
り、一方300g/Lを超えると伝導塩自体の安定性が
悪くなり好ましくない。金属錯塩安定剤として添加され
る伝導塩は単独でまたは混合して使用することができ
る。
錯塩安定剤としての伝導塩が添加される。この伝導塩と
しては、ピロリン酸、りん酸、塩酸、硫酸、EDTA,
酢酸、酒石酸などの無機酸あるいは有機酸のアンモニア
化合物であり、通常、アンモニウム塩が使用される。例
えば、ピロリン酸アンモニウム、りん酸アンモニウム、
硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウム、EDTAアンモ
ニウム、酢酸アンモニウム、酒石酸アンモニウムなどが
例示される。伝導塩の添加量は5g/L〜300g/L
であり、5g/L未満であると鉄の溶解安定性が悪くな
り、一方300g/Lを超えると伝導塩自体の安定性が
悪くなり好ましくない。金属錯塩安定剤として添加され
る伝導塩は単独でまたは混合して使用することができ
る。
【0012】本発明のパラジウム合金メッキ液には光沢
剤が使用され、光沢剤としては、サッカリン、スルホン
酸化合物などのニッケルメッキの一次光沢剤として使用
される公知の光沢剤が使用され、0.1g/L〜30g
/Lの範囲で使用される。光沢剤の添加量が0.1g/
L未満であると光沢が悪く、30g/Lを超える量を添
加しても効果は変わらず、むしろ溶解性が悪くなりメッ
キ表面にザラツキなどが発生し好ましくない。
剤が使用され、光沢剤としては、サッカリン、スルホン
酸化合物などのニッケルメッキの一次光沢剤として使用
される公知の光沢剤が使用され、0.1g/L〜30g
/Lの範囲で使用される。光沢剤の添加量が0.1g/
L未満であると光沢が悪く、30g/Lを超える量を添
加しても効果は変わらず、むしろ溶解性が悪くなりメッ
キ表面にザラツキなどが発生し好ましくない。
【0013】また、本発明のパラジウム合金メッキ液に
はpH安定剤として遊離アンモニアを1g/L〜50g
/L含有させることが望ましい。アンモニアが1g/L
未満ではpHの安定性に乏しく、光沢ムラが発生し易く
なり、50g/Lを超える量ではアンモニア臭が強くな
り作業環境上好ましくない。
はpH安定剤として遊離アンモニアを1g/L〜50g
/L含有させることが望ましい。アンモニアが1g/L
未満ではpHの安定性に乏しく、光沢ムラが発生し易く
なり、50g/Lを超える量ではアンモニア臭が強くな
り作業環境上好ましくない。
【0014】本発明のパラジウム合金メッキ液は、水酸
化アルカリでpH7.0〜12.0、好ましくはpH
8.0〜10.0になるように調整される。pH調整に
は好ましくはアンモニア水が使用されるが、遊離のアン
モニアの存在下では水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
なども使用することができる。
化アルカリでpH7.0〜12.0、好ましくはpH
8.0〜10.0になるように調整される。pH調整に
は好ましくはアンモニア水が使用されるが、遊離のアン
モニアの存在下では水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
なども使用することができる。
【0015】本発明のパラジウム合金メッキ液には、光
沢安定剤として界面活性剤を添加することは望ましく、
0.01ml/L〜5ml/L程度の範囲で添加され
る。0.01ml/L未満では光沢安定性が乏しくな
り、5ml/Lを超える量を添加してもそれ以上の効果
は得られない。なお、本発明のメッキ液には,Au成
分、Cd成分、As成分、Sb成分、Te成分、Tl成
分、Sn成分、Zn成分などの他の成分を所期の目的を
害しない範囲で少量含有することは差し支えない。
沢安定剤として界面活性剤を添加することは望ましく、
0.01ml/L〜5ml/L程度の範囲で添加され
る。0.01ml/L未満では光沢安定性が乏しくな
り、5ml/Lを超える量を添加してもそれ以上の効果
は得られない。なお、本発明のメッキ液には,Au成
分、Cd成分、As成分、Sb成分、Te成分、Tl成
分、Sn成分、Zn成分などの他の成分を所期の目的を
害しない範囲で少量含有することは差し支えない。
【0016】本発明のパラジウム合金メッキ液は、従来
公知の方法および条件で取り扱うことができる。例えば
電圧1〜10V、電流密度0.1〜5A/dm2で使用
することができる。
公知の方法および条件で取り扱うことができる。例えば
電圧1〜10V、電流密度0.1〜5A/dm2で使用
することができる。
【0017】
【実施例】次に本発明について実施例を挙げて具体的に
説明する。なお、本発明はこれら実施例の範囲に制限さ
れるものではい。
説明する。なお、本発明はこれら実施例の範囲に制限さ
れるものではい。
【0018】実施例1 下記のパラジウム/鉄合金メッキ液組成を調整した。 EDTA第一鉄 (金属Feとして) 1g/L 亜硝酸パラジウムアミン(金属Pdとして) 10g/L EDTAアンモニウム 50g/L サッカリンNa 5g/L ノニオン界面活性剤 0.01ml/L アンモニア (28%NH4OH水) 10cc/L pH 10.0
【0019】上記組成のパラジウム/鉄合金メッキ液を
用いて、メッキ液温度55℃とし、電圧2V、電流密度
1A/dm2で、10cm×15cm×0.1cmの黄
銅素材の板に銅合金用の一般の前処理[アルカリ脱脂
(マクダミッド社WSP)、次いで電解脱脂(マクダミ
ッド社DEW)、酸浸漬(5wt%硫酸液)]を施した
後、20分間メッキした。明るい白色光沢のある膜厚2
μmのメッキが得られた。このメッキの人工汗24時間
浸漬試験を行ったが何ら異常の発生はなく耐食性が良好
であった。さらに180度折り曲げ試験を行ったが割れ
の発生もなく、剥離も認められず耐摩耗性の良好なメッ
キであった。析出皮膜を王水で溶解し、原子吸光分析装
置により分析した結果、Pd(94%)、Fe(6%)
が確認された。
用いて、メッキ液温度55℃とし、電圧2V、電流密度
1A/dm2で、10cm×15cm×0.1cmの黄
銅素材の板に銅合金用の一般の前処理[アルカリ脱脂
(マクダミッド社WSP)、次いで電解脱脂(マクダミ
ッド社DEW)、酸浸漬(5wt%硫酸液)]を施した
後、20分間メッキした。明るい白色光沢のある膜厚2
μmのメッキが得られた。このメッキの人工汗24時間
浸漬試験を行ったが何ら異常の発生はなく耐食性が良好
であった。さらに180度折り曲げ試験を行ったが割れ
の発生もなく、剥離も認められず耐摩耗性の良好なメッ
キであった。析出皮膜を王水で溶解し、原子吸光分析装
置により分析した結果、Pd(94%)、Fe(6%)
が確認された。
【0020】実施例2 実施例1のメッキ液において亜硝酸パラジウムアミンを
塩化パラジウムに変えて使用し、実施例1と同様の方法
でメッキしたところ白色で光沢のある膜厚4μmのメッ
キが得られた。このメッキについて実施例1と同様に試
験した結果耐食性のある良好なメッキであった。また実
施例1と同様にして皮膜の分析を行った結果、Pd(9
2%),Fe(8%)が確認された。
塩化パラジウムに変えて使用し、実施例1と同様の方法
でメッキしたところ白色で光沢のある膜厚4μmのメッ
キが得られた。このメッキについて実施例1と同様に試
験した結果耐食性のある良好なメッキであった。また実
施例1と同様にして皮膜の分析を行った結果、Pd(9
2%),Fe(8%)が確認された。
【0021】実施例3 下記のパラジウム/鉄合金メッキ液組成を調整した。 EDTA第一鉄 (金属Feとして) 3g/L 塩化パラジウムアミン(金属Pdとして) 3g/L りん酸アンモニウム 50g/L 酢酸ナトリウム 50g/L サッカリンNa 30g/L アンモニア (28%NH4OH水) 10cc/L pH 8.0
【0022】上記のパラジウム/鉄合金メッキ液によ
り、メッキ液温度を30℃とし、電圧2V、電流密度1
A/dm2で、実施例1に使用したと同様の10cm×
15cm×0.1cm黄銅素材の板に実施例1における
と同様に前処理[アルカリ脱脂(マクダミッド社WS
P)、次いで電解脱脂(マクダミッド社DEW)、酸浸
漬(5wt%硫酸液)]を施した後、20分間メッキし
た。明るい白色光沢のある膜厚1μmのメッキが得られ
た。このメッキの人工汗24時間浸漬試験を行ったが何
ら異常の発生はなく耐食性が良好であった。さらに18
0度折り曲げ試験を行ったが割れの発生もなく、剥離も
認められず耐摩耗性の良好なメッキであった。析出皮膜
を王水で溶解し、原子吸光分析装置により分析した結
果、Pd(60%)、Fe(40%)が確認された。
り、メッキ液温度を30℃とし、電圧2V、電流密度1
A/dm2で、実施例1に使用したと同様の10cm×
15cm×0.1cm黄銅素材の板に実施例1における
と同様に前処理[アルカリ脱脂(マクダミッド社WS
P)、次いで電解脱脂(マクダミッド社DEW)、酸浸
漬(5wt%硫酸液)]を施した後、20分間メッキし
た。明るい白色光沢のある膜厚1μmのメッキが得られ
た。このメッキの人工汗24時間浸漬試験を行ったが何
ら異常の発生はなく耐食性が良好であった。さらに18
0度折り曲げ試験を行ったが割れの発生もなく、剥離も
認められず耐摩耗性の良好なメッキであった。析出皮膜
を王水で溶解し、原子吸光分析装置により分析した結
果、Pd(60%)、Fe(40%)が確認された。
【0023】実施例4 下記のパラジウム/鉄合金メッキ液組成を調整した。 りん酸第一鉄 (金属Feとして) 0.01g/L 硫酸パラジウムアミン(金属Pdとして) 5g/L 硫酸アンモニウム 5g/L ピロリン酸アンモニウム 300g/L サッカリンNa 0.1g/L アンモニア (28%NH4OH水) 10cc/L pH 9.5
【0024】上記のパラジウム/鉄合金メッキ液によ
り、メッキ液温度を30℃とし、電圧2V、電流密度
0.5A/dm2で、実施例1に使用したと同様の10
cm×15cm×0.1cm黄銅素材の板に実施例1に
おけると同様に前処理[アルカリ脱脂(マクダミッド社
WSP)、次いで電解脱脂(マクダミッド社DEW)、
酸浸漬(5wt%硫酸液)]を施した後、8分間メッキ
した。明るい白色光沢のある膜厚1μmのメッキが得ら
れた。このメッキの人工汗24時間浸漬試験を行ったが
何ら異常の発生はなく耐食性が良好であった。さらに1
80度折り曲げ試験を行ったが割れの発生もなく、剥離
も認められず耐摩耗性の良好なメッキであった。析出皮
膜を王水で溶解し、原子吸光分析装置により分析した結
果、Pd(99.9%)、Fe(0.1%)が確認され
た。
り、メッキ液温度を30℃とし、電圧2V、電流密度
0.5A/dm2で、実施例1に使用したと同様の10
cm×15cm×0.1cm黄銅素材の板に実施例1に
おけると同様に前処理[アルカリ脱脂(マクダミッド社
WSP)、次いで電解脱脂(マクダミッド社DEW)、
酸浸漬(5wt%硫酸液)]を施した後、8分間メッキ
した。明るい白色光沢のある膜厚1μmのメッキが得ら
れた。このメッキの人工汗24時間浸漬試験を行ったが
何ら異常の発生はなく耐食性が良好であった。さらに1
80度折り曲げ試験を行ったが割れの発生もなく、剥離
も認められず耐摩耗性の良好なメッキであった。析出皮
膜を王水で溶解し、原子吸光分析装置により分析した結
果、Pd(99.9%)、Fe(0.1%)が確認され
た。
【0025】比較例1 実施例1のメッキ液から鉄成分を除いたメッキ液を使用
して、実施例1と同様の方法、条件でメッキを行ったと
ころ、白色の2μmのメッキが得られたが、完全光沢で
はなく部分的に光沢ムラが確認され、本発明のメッキ液
によるメッキとは大きく異なるものであった。
して、実施例1と同様の方法、条件でメッキを行ったと
ころ、白色の2μmのメッキが得られたが、完全光沢で
はなく部分的に光沢ムラが確認され、本発明のメッキ液
によるメッキとは大きく異なるものであった。
【0026】比較例2 実施例1のメッキ液からアンモニアを除いたメッキ液を
使用して、実施例1と同様の方法、条件でメッキを行っ
たところ、途中で沈殿物が発生し光沢がなく、部分的に
光沢ムラが確認され、本発明のメッキ液によるメッキと
は大きく異なるものであった。
使用して、実施例1と同様の方法、条件でメッキを行っ
たところ、途中で沈殿物が発生し光沢がなく、部分的に
光沢ムラが確認され、本発明のメッキ液によるメッキと
は大きく異なるものであった。
【0027】比較例3 実施例1のメッキ液からEDTAアンモニウムを除いた
メッキ液を使用して、実施例1と同様の方法、条件でメ
ッキを行ったところ、光沢のある白色の2μmのメッキ
が得られたが、その後メッキ液が濁り、再度メッキを行
ったところ光沢のある安定したメッキが得られなかっ
た。
メッキ液を使用して、実施例1と同様の方法、条件でメ
ッキを行ったところ、光沢のある白色の2μmのメッキ
が得られたが、その後メッキ液が濁り、再度メッキを行
ったところ光沢のある安定したメッキが得られなかっ
た。
【0028】比較例4 実施例1のメッキ液からサッカリンを除いたメッキ液を
使用して、実施例1と同様の方法、条件でメッキを行っ
たところ、光沢ムラがある2μmのメッキが得られ、本
発明のメッキ液によるメッキとは大きく異なるものであ
った。
使用して、実施例1と同様の方法、条件でメッキを行っ
たところ、光沢ムラがある2μmのメッキが得られ、本
発明のメッキ液によるメッキとは大きく異なるものであ
った。
【0029】
【発明の効果】本発明のパラジウム/鉄合金メッキ液
は、白色光沢があり、耐食性に優れ、厚付け性が良く、
良好なメッキ皮膜を得ることができるので、被メッキ金
属の表面の一部または全部を、あるいは基部メッキ層と
しての下地メッキに好適であり、腕時計などの外装部
品、装身具、眼鏡フレーム、置物類、食器類、筆記用具
などの基材として有用なものである。本発明のパラジウ
ム合金メッキは、金属アレルギーを誘発する虞れがな
く、光沢が良好で、耐食性に優れており厚付け性の良い
メッキを提供することができ、コスト的にも大きく寄与
するものであり工業的に極めて意義あるものである。
は、白色光沢があり、耐食性に優れ、厚付け性が良く、
良好なメッキ皮膜を得ることができるので、被メッキ金
属の表面の一部または全部を、あるいは基部メッキ層と
しての下地メッキに好適であり、腕時計などの外装部
品、装身具、眼鏡フレーム、置物類、食器類、筆記用具
などの基材として有用なものである。本発明のパラジウ
ム合金メッキは、金属アレルギーを誘発する虞れがな
く、光沢が良好で、耐食性に優れており厚付け性の良い
メッキを提供することができ、コスト的にも大きく寄与
するものであり工業的に極めて意義あるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 3/56 C25D 7/00
Claims (5)
- 【請求項1】伝導塩を5g/L〜300g/L、可溶性
鉄化合物を金属鉄として0.01g/L〜10g/L、
可溶性パラジウム化合物を金属パラジウムとして1g/
L〜30g/Lを含有し、遊離アンモニアを1g/L〜
50g/Lおよび光沢剤を0.1g/L〜30g/L含
有し、pHが7.0〜12.0であることを特徴とする
光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液。 - 【請求項2】可溶性鉄化合物が塩化第二鉄、塩化第一
鉄、燐酸第二鉄、燐酸第一鉄のアンモニア化合物から選
ばれる一種である請求項1記載の光沢性パラジウム/鉄
合金メッキ液。 - 【請求項3】可溶性パラジウム化合物が亜硝酸パラジウ
ム、硝酸パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム
のアンモニア化合物から選ばれる一種である請求項1記
載の光沢性パラジウム/鉄合金メッキ液。 - 【請求項4】伝導塩が無機酸または有機酸のアンモニア
化合物である請求項1、2または3記載の光沢性パラジ
ウム/鉄合金メッキ液。 - 【請求項5】無機酸がピロリン酸、りん酸、硫酸、塩酸
のアンモニア化合物から選ばれる少なくとも一種であ
り、有機酸がEDTA、酒石酸のアンモニア化合物から
選ばれる少なくとも一種である請求項4記載の光沢性パ
ラジウム/鉄合金メッキ液。
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JP36756099A JP3208131B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | パラジウム/鉄合金メッキ液及びパラジウム合金メッキ基材 |
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JP36756099A JP3208131B2 (ja) | 1999-12-24 | 1999-12-24 | パラジウム/鉄合金メッキ液及びパラジウム合金メッキ基材 |
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-
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