JP3207974U - 防水クッション - Google Patents
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Abstract
【課題】デザイン性やファッション性を有する織物を表皮に使用することができ、しかも、雨水等の侵入を抑制することができる防水クッションを提供する。【解決手段】防水クッション1は、クッション材2が織物3で被覆されていて、織物3は、クッション材2に対面する裏面側に非透水性及び柔軟性を有する防水剤からなる皮膜4が形成され、この皮膜4により織物3の裏面側の織り目が封止され、表面側の織り目を残存させている。【選択図】図1
Description
本考案は、特に、屋外に設置される椅子の座部に使用されるクッションに関し、詳しくは、降雨等やシャワー等の水の侵入を阻止することが可能な防水クッションに関する。
特に、屋外に設置される椅子は、降雨によって雨水がかかり、着座が可能になるまで乾燥させるには長時間を要することから、プラスチック製或いは金属製の椅子が多用されている。ところが、これらのプラスチック製或いは金属製の椅子は、クッション性に乏しいことから、長時間の使用に耐えられず、座り心地を著しく損ねていた。
クッション性を有する座部を備えた全天候型の椅子は、特開2003−204835号公報(特許文献1)に開示されている。この椅子は、座部に設けた座部クッションを、座部に載置した透水性のクッション体と、下側を除いてこのクッション体を覆う表皮によって構成し、雨天の際などに表皮の回りの隙間や表皮を通して雨水がクッション体に浸入したときに、この雨水をクッション体の下部まで通り抜けるようにして排水している。
上記特許文献1に開示された椅子は、クッション体を非透水性の表皮によって覆うことにより、雨水の浸入を阻止している。一般的に、椅子はデザイン性やファッション性が求められることから、椅子の座部に撥水機能を有する布地を使用するが、設置する場所によっては、座部に好みの色彩や柄を有する織物を使用することが望まれている。しかしながら、特許文献1に開示されているような非透水性の表皮は、織物ではないことから、デザイン性やファッション性を阻害するものであった。また、ファッション性等を有する織物は、一般に透水性及び保水性を有していることから、雨天の際には織物に雨水が浸透するために、雨上がり時に着座すると衣類等を濡らしてしまう問題があった。さらに、一旦保水した織物は、乾燥するまでに長時間を要するため、その間は使用できないといった問題があった。
本考案が解決しようとする課題は、デザイン性やファッション性を有する織物を表皮に使用することができ、しかも、雨水等の侵入を抑制することができる防水クッションを提供することにある。
そこで、本考案による速乾クッションは、クッション材が織物で被覆されていて、前記織物は、前記クッション材に対面する裏面側に非透水性及び柔軟性を有する防水剤からなる皮膜が形成され、この皮膜により前記織物の裏面側の織り目が封止され、表面側の織り目を残存させることを要旨としている。
また、織物の裏面側の皮膜は、ゲル状シリコンゴムやホットメルトからなる防水剤を塗布或いは熱溶解によって形成され、前記防水剤は前記織物の表面側に至らないように含浸させている。
さらに、織物の表面側には、撥水剤を塗布又は含浸させた撥水加工を施すことが望ましい。
さらにまた、クッション材は、透水性及び弾性を有する三次元立体構造網状体とすることが望ましい。
本考案による防水クッションによれば、クッション材を被覆する織物のクッション材に対面する裏面側に、非透水性及び柔軟性を有する防水剤からなる皮膜が形成されているので、この皮膜により裏面側の織り目が封止されるので、降雨等やシャワー等の水を皮膜によって阻止することができる。しかも、織物の表面側の織り目が残存しているので、椅子の座部の表面を織物本来の風合いにするとともに、好みの色彩や柄を任意に選択することが可能となり、防水機能を有しながら高級感を得ることが可能となる。さらに、織物によってクッション材が被覆されているので、座り心地を向上させることができる。
また、織物の表面側に撥水剤を塗布又は含浸させた撥水加工を施すことにより、撥水剤によって、降雨等やシャワー等の水の侵入を阻止することが可能なとなり、防水効果をさらに高めることが可能となる。また、降雨量が多い場合や強い場合には、織物の織り目から一部の水が侵入することがあっても、防水剤の皮膜によって阻止するので、撥水剤と皮膜の相乗作用によって防水効果が一段と向上させることが可能となる。
さらに、織物の裏面側の皮膜をゲル状シリコンゴムやホットメルトからなる防水剤を塗布或いは熱溶解によって形成することにより、防水剤の粘度が高いことから、皮膜が織物の裏面側のみに含浸し、表面側に至らないので、織物の表面側の織り目が残存するので、織物本来の風合いを保持することが可能となる。
さらにまた、クッション材として、透水性及び弾性を有する三次元立体構造網状体とすることにより、屋外に設置される椅子であっても、クッション性とともに、通気性を有することから座り心地を大幅に良好なものにすることができる。
本考案による防水クッションは、クッション材が織物で被覆されていて、前記織物は、前記クッション材に対面する裏面側に非透水性及び柔軟性を有する防水剤からなる皮膜が形成され、この皮膜により前記織物の裏面側の織り目が封止され、表面側の織り目を残存させている。
以下、図面に基づいて本考案の実施例を詳細に説明する。図1に示す防水クッション1は、クッション材2と、織物3によって形成されている。さらに、防水クッション1は、例えば、後述する椅子6の座部に使用するための底板5によって構成されている。
クッション材2は、例えば、三次元立体構造網状体からなる立体網状クッション材が好適である。この立体網状クッション材は、弾性のある弾性合成樹脂(ポリエーテルエステル系繊維)などからなり、弾性合成樹脂からなる中実または中空な連続線条体を曲がりくねらせ多数の線条体ループを形成し、線条体ループが相互に接合された三次元立体構造網状体であり、多数の線条体ループの間に隙間が形成されていることから、この隙間に水を通過させることができるので、優れた透水性を備えている。また、必要な弾性力や通気性を有している。そして、三次元立体構造網状体の密度は20kg〜40kg/立方メートル程度に設定され、この密度によって所望の硬さ或いは反発力を得ることができる。この立体網状クッションとしては、市販されている商品名「ブレスエアー」(東洋紡株式会社製)を使用することができる。なお、クッション材2としては、透水性ウレタンフォームなどの他の素材を使用しても良い。
このクッション材2は、図1に示すように、中心部分を頂点とする略半球状に形成されている。そして、クッション材2の底面は、図4に示すような、底板5に当接させている。この底板5は、木材、合成樹脂等の素材によって椅子の座部に対応させた形状の平面状に形成されている。
底板5の外周縁には、図4に示すように、透孔5aが複数個形成されている。透孔5aは、図示のように、底板5の端面から内方に向けて略半円状に陥没させる形状に形成することが望ましい。さらに、底板5の中央部には、複数個の空気流通孔5bが形成されている。
上述したクッション材2の表面には織物3が被覆されている。この織物3の周縁は底板5の底面外周に固着されている。そして、図示のように、織物3の周縁近傍が透孔5aの開口を被覆する場合には、複数個の透孔5aに対応した位置に例えばハトメを設け、このハトメの透孔が透孔5aと外部とを連通させるようにしている。
織物3は、椅子用の織物が使用され、多種の織物から使用者の希望に応じた色彩、柄、織り方等であって、椅子に適した任意の織物から選択される。そして、クッション材2に対面する裏面側3aには、図2(B)及び図3に示すように、非透水性及び柔軟性を有する防水剤からなる皮膜4が形成されている。この皮膜4は、織物3の表面側3bに至らないように含浸させている。この皮膜4により、織物3の裏面側3aの織り目が封止される一方、図2(A)及び図3に示すように、表面側3bの織り目を残存させている。
織物3の裏面側3aに形成する皮膜4は、好ましくは、ゲル状シリコンゴムやホットメルトからなる非透水性及び柔軟性を有する防水剤を塗布或いは熱溶解によって形成される。ゲル状シリコンゴムによって皮膜4を形成する場合は、織物3を裏面側3aが上になるように平坦な台に設置し、適量のゲル状のシリコンゴムを載せた後に、先端が直線状のヘラ又はスキージーによってシリコンゴムを延ばしながら平坦に塗布する。このとき、織物3の織り目がシリコンゴムによって完全に埋没させることが重要である。また、織物3の裏面側3aの糸が薄く隠蔽される程度に塗布することが望ましい。使用するゲル状のシリコンゴムは、粘度が高いことから、上述したように塗布しても、シリコンゴムが織物3の裏面側3aのみに含浸し、表面側3bに至らないので、図2(A)及び図3に示すように、織物3の表面側3bの織り目が残存する。シリコンゴムは、塗布するときはゲル状であるが、時間の経過とともに固化し、やがて柔軟性を有するゴム状に変化する。シリコンゴムとしては、有害物質を含有しないシリコン100%の素材が好ましい。
また、ホットメルトによって皮膜4を形成する場合は、例えば、熱可塑性の軟質ウレタンからなるシートを織物3の裏面側3aに載置した後、軟質ウレタンシートの上からアイロン等の加熱装置で押圧し、軟質ウレタンシートを熱溶解して織物3の織り目に軟質ウレタンを含浸させることにより皮膜4を形成する。このように軟質ウレタンシートが熱溶解したとき、粘度が高いことから、軟質ウレタンが織物3の裏面側のみに含浸し、表面側3bには至らない。このホットメルトは、非透水性及び柔軟性を有することから、防水効果を有するとともに、織物3の裏面側3aに熱溶着しても柔軟性を有しているので、織物3の機能を阻害しない。
さらに、この織物3には、フッ素、シリコン、或いは二酸化ケイ素等の撥水剤を表面に塗布または含浸させる周知の撥水加工が施される。これによって織物3は接触角が150度程度の撥水効果を得ることができ、雨水等を撥水することが可能となる。
以上のように構成された防水クッション1は、図5に示すように、例えば椅子6に装着される。椅子6は、一般に用いられる椅子の構成であり、詳細な説明は省略する。椅子6は、クッション装着部61及び背もたれ装着部62と、2本の前脚部63及び2本の後脚部64とを有している。クッション装着部61は前脚部63及び後脚部64によって支持され、背もたれ装着部62は後脚部64によって支持されている。クッション装着部61は略四角形の枠状に形成され、中間には、複数本の支持部材61aが設けられていて、その間は上下方向に貫通している。そして、防水クッション1は、クッション装着部61の内周部の段差及び支持部材61aの上に載置される。防水クッション1の底板5と支持部材61aには、例えば面ファスナーを取り付けることにより着脱自在に固定される。なお、クッション装着部61の内周部には、前述した底板4の周縁に形成した透孔4aに対応した位置に凹所61bが形成され、透孔4aに空気を流通させるようにしている。
次に、本考案による防水クッション1の作用について説明する。図3に示すように、防水クッション1の上方から雨水やシャワー等の水10が織物3に落下する。雨水等の水10の量が少ない場合には、織物3に施した撥水加工による撥水効果により、織物3の表面に向けて水滴10aとなって落下する。ところが、水10が大量の場合や長時間落下した場合には、織物3の織り目を通って侵入することがある。水滴10aの一部は、図3に示すように、皮膜4に到達することがある。ところが、皮膜4が非透水性のために、クッション材2への侵入が皮膜4によって阻止される。このとき、織物3の表面側3bの織り目内に僅かの量の水10が残存することがあるが、織物3に撥水加工を施こすことにより、容易に排除することができる。
このように、水10が大量の場合や長時間落下した場合、希に織物3内に侵入した場合であっても、水10をクッション材2に侵入させることが防止されることから、短時間で乾燥させることができる。
通常の場合、上述したように、皮膜4を形成した織物3のみで防水されるが、上述したように、例え水が織物3の表面側3bの織り目に侵入した場合であっても、皮膜4によって水10の量は極めて少量に止めることができるので、短時間に乾燥させることが可能となる。使用者によって、完全に乾燥することを希望する場合は、図6に示すように、壁20等に立てかけて乾燥させることができる。このような乾燥方法であっても、織物3の織り目内の僅かな水10を乾燥させるだけであり、乾燥時間を短くすることが可能である。
以上、本発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。前述した実施例においては、防水クッションを椅子に適用した例を説明したが、椅子以外に用いられる一般的なクッションに提要可能である。また、防水クッションは、円形或いは多角形にしても良い。
1 防水クッション
2 クッション材
3 織物
3a 裏面側
3b 表面側
4 皮膜
5 底板
6 椅子
10 水
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6 椅子
10 水
Claims (4)
- クッション材を織物で被覆してなるクッションであって、
前記織物は、前記クッション材に対面する裏面側に非透水性及び柔軟性を有する防水剤からなる皮膜が形成され、この皮膜により前記織物の裏面側の織り目が封止され、表面側の織り目を残存させた防水クッション。 - 織物の裏面側の皮膜は、ゲル状シリコンゴムやホットメルトからなる防水剤を塗布或いは熱溶解によって形成され、前記防水剤は前記織物の表面側に至らないように含浸させてなる請求項1に記載の防水クッション。
- 織物の表面側には、撥水剤を塗布又は含浸させた撥水加工が施されている請求項1及び2に記載の防水クッション。
- クッション材は、透水性及び弾性を有する三次元立体構造網状体とした請求項1に記載の防止クッション。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11304536B2 (en) * | 2016-07-28 | 2022-04-19 | Airweave Inc. | Bedding and bedding cover sheet |
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2016
- 2016-09-23 JP JP2016004936U patent/JP3207974U/ja active Active
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