JP3207812B2 - ポンプ用メインテナンス装置 - Google Patents

ポンプ用メインテナンス装置

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JP3207812B2
JP3207812B2 JP32958498A JP32958498A JP3207812B2 JP 3207812 B2 JP3207812 B2 JP 3207812B2 JP 32958498 A JP32958498 A JP 32958498A JP 32958498 A JP32958498 A JP 32958498A JP 3207812 B2 JP3207812 B2 JP 3207812B2
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仁志 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立軸形ポンプを分
解・組立する際に用いられるポンプ用メインテナンス装
置に関し、特に、原子炉冷却材ポンプ等の大容量ポンプ
に対する定期検査時等に用いるのに好適なポンプ用メン
テナンス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、原子炉内に一次冷却材を循環さ
せる原子炉冷却材ポンプ等の大容量ポンプは、所定の運
転期間が経過すると、各構成部品に分解された上で点検
・清掃され、再度組み立てられるのが一般的である。図
20に、原子炉冷却材ポンプの一例を示す。同図に示す
原子炉冷却材ポンプ100は、ケーシング101を備
え、ケーシング101の内部には、インペラ102が配
されている。このインペラ102は、主軸103に接続
されている。主軸103は、軸シール104に挿通させ
られ、その先端には、カプリング部材105が固定され
る。カプリング部材105は、スプールピース106を
介してモータ(原動機)107の駆動軸に取り付けられ
たカプリング部材108と連結される。
【0003】同図に示すように、モータ107は、モー
タスタンド(原動機台)109に固定されており、この
モータスタンド109は、多数(例えば、24本)のボ
ルト110(スタッドボルト)によってケーシング10
1に対して固定されている。モータスタンド109は、
軸シール104、カプリング部材105,108、スプ
ールピース106の周囲を覆う。また、ケーシング10
1とモータスタンド109との間には、ケーシング10
1内を水密に保つための主フランジ(ボルティングリン
グ)111が配されている。
【0004】この主フランジ111の中央部には、第1
シール112を支持するシールハウジング114が配置
されている。第1シール112は、第2シール115と
第3シール116とを一体化させたカートリッジシール
117と結合し、これらの部材によって、いわゆるメカ
ニカル式の軸シール104が構成される。カートリッジ
シール117は、ボルト113によってシールハウジン
グ114に固定されている。ここで、軸シール104
は、原子炉冷却材ポンプ100を構成する部品の中で最
も頻繁な整備を要するものであり、通常は、プラントの
定期検査毎に取り外されて、分解・点検される。
【0005】軸シール104を取り外すに際しては、作
業性を考慮すれば、モータ107を取り外すことが望ま
しいが、各種工事が輻輳してしまったり、検査工程に影
響を与えたりすることから、図21に示すように、モー
タ107が取り付けられたままの状態で施工する手法が
採用されている。この場合、モータスタンド109の外
周部に設けられている2つの整備用開口109aに、2
本のレール118を固定すると共に、ジブクレーン12
2に吊下げたチェーンブロック119を用いてプレーン
トロリ120を各レール118に支持させる。
【0006】そして、整備用開口109aから、作業員
の手によってプレーントロリ120をモータスタンド1
09内に進入させ、プレーントロリ120とスプールピ
ース106とを、ターンバックル121によって互いに
繋ぎ合わせる。スプールピース106を吊下げた状態の
プレーントロリ120は、作業員の手によって整備用開
口109aからモータスタンド109外に移送させられ
る。以下同様の手法によって、カプリング部材105、
カートリッジシール117、第1シール112の順に取
外し、モータスタンド109外に移送する。また、点検
終了後に、再度、原子炉冷却材ポンプ100を組み立て
る際には、上述した手順と逆の手順で各構成部品を元の
位置まで移送し、取り付ける。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の手法によって行われるポンプの分解・点検作業
には、次のような問題点が存在していた。
【0008】まず、整備用開口109aに2本のレール
118を固定することにより、作業スペースが狭められ
てしまい、作業能率の低下を招いてしまう。また、各構
成部品を昇降させたり、プレーントロリ120とジブク
レーン122との間で各構成部品を受け渡したりする作
業も手間のかかるものであった。また、分解・点検作業
のために原子炉冷却材ポンプ100を停止させた場合、
主軸103をはじめとする回転体の停止位置は一定する
ものではない。このため、各構成部品を吊下げるための
吊具(アイボルト等)を取り付ける位置が、プレーント
ロリ120から遠ざかってしまうことがある。この場合
は、極めて大重量である主軸103等の回転体を作業員
の手で回転させると共に、モータ軸受に油圧を供給する
電動ポンプを作動させる必要が生じてしまう。
【0009】更に、各シール112,117と主軸10
3との間の間隙は、狭小であり、各部品を損傷させない
ように軸シール104を取り出すのには、極めて慎重な
作業が必要とされ、作業労力も多大であった。このよう
に、ポンプの分解・点検作業には、きわめて多大な時間
が必要とされると共に、作業員の負担も大きく、当該作
業の省力化が望まれていた。
【0010】そこで、本発明は、立軸形ポンプ、とりわ
け原子炉冷却材ポンプ等の大容量ポンプの分解・点検作
業に要する時間を大幅に短縮化可能であると共に、当該
作業の労力低減、省力化を図ることができるポンプ用メ
インテナンス装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
よるポンプ用メインテナンス装置は、原動機台に固定さ
れた原動機によって、軸シールを介して鉛直方向に延び
る主軸を回転駆動する立軸形ポンプを分解・組立する際
に用いられるポンプ用メインテナンス装置において、主
軸の軸心周りに回転自在に取り付けられ、立軸形ポンプ
の構成部品を昇降させるための昇降機を保持して旋回可
能な昇降機保持手段と、主軸と平行に装着可能であり、
昇降させられる構成部品をガイドするガイド手段と、構
成部品を分解・組立するための部品取扱具を装着可能で
あり、この部品取扱具を水平方向及び鉛直方向に移動さ
せることができるハンドリング手段とを備えることを特
徴とする。
【0012】このポンプ用メインテナンス装置を用いて
立軸形ポンプを分解する手順の一例を説明すると、この
場合は、立軸形ポンプの構成部品のうち、取外し対象と
なる構成部品(例えば軸シール等)よりも上方の任意の
位置に、昇降機保持手段を主軸の軸心周りに回転自在に
なるように取り付ける。この昇降機保持手段には、例え
ばホイスト等の昇降機を保持させる。また、立軸形ポン
プでは、各構成部品は、鉛直方向に延びるボルト等の締
結具によって互いに固定されるのが一般的である。従っ
て、締結具を取り外せば鉛直なボルト穴等が出現するこ
とになるので、このようなボルト穴等に、ガイド手段を
装着し、鉛直方向に延びる立軸形ポンプの主軸と平行を
なすようにする。
【0013】この状態で、取外し対象となる構成部品と
昇降機保持手段に支持させた昇降機とを繋ぎ合わせる。
この際、構成部品に取り付けられた吊具が昇降機の真下
に位置するように昇降機保持手段を主軸の軸心周りに旋
回させる。そして、昇降機を作動させ、取外し対象の構
成部品を吊り上げる。上昇させられる構成部品は、ガイ
ド手段によってガイドされながら真直ぐに上昇する。
【0014】一方、ハンドリング手段には、部品取扱具
として、例えば、当該構成部品を保持可能な部品保持部
材を装着させておく。そして、所定位置まで構成部品を
吊り上げたならば、ハンドリング手段によって部品取扱
具を水平方向及び鉛直方向に適宜移動させ、昇降機によ
って吊り上げた構成部品を受け取らせる。部品取扱具に
よって取外し対象の構成部品が保持されたならば、再
度、ハンドリング手段によって部品取扱具を水平方向及
び鉛直方向に適宜移動させ、所望の位置まで当該構成部
品を移送する。分解した立軸形ポンプを再度組み立てる
場合には、上述した手順と逆の手順によって、取付対象
となる構成部品を運搬し、取り付ける。
【0015】このように、このポンプ用メインテナンス
装置によれば、昇降機保持手段を旋回させることによ
り、取外し対象となる構成部品を吊下げるための吊具の
位置を、所望位置、すなわち、昇降機保持手段に保持さ
せた昇降機の真下に容易に位置させることが可能とな
る。これにより、極めて大重量である主軸等の回転体を
作業員の手で回転させたり、モータ軸受に油圧を供給す
る電動ポンプを作動させる必要がなくなる。また、例え
ば、立軸形ポンプの構成部品の一つである軸シールと主
軸との間の間隙は、狭小であるが、ガイド手段を用いる
ことにより、両者を損傷させることなく取り外したり、
取り付けたりすることができる。更に、部品取扱具を水
平及び鉛直方向に移動させることができるハンドリング
手段を用いることにより、各構成部品の受け渡し作業等
が省力化できる。
【0016】従って、立軸形ポンプの分解・点検作業、
特に、原子炉冷却材ポンプ等の大容量ポンプの分解・点
検作業に要する時間を大幅に短縮化可能であると共に、
当該作業の労力低減、省力化を図ることができる。
【0017】また、昇降機保持手段は、主軸の軸心周り
に固定され、水平な走行面を有する環状レールと、昇降
機を支持可能な昇降機支持部材とを備え、昇降機支持部
材には、環状レール上を転動する複数の支持ローラと、
主軸と同軸の所定面上を転動可能な複数のガイドローラ
とが設けられており、かつ、昇降機支持部材は、所望位
置に位置決め可能であると好ましい。
【0018】これにより、昇降機支持部材は、環状レー
ルによって水平に支持されると共に、ガイドローラによ
って案内された状態で主軸の軸心周りに旋回することに
なる。従って、この昇降機保持手段は、安定した状態で
主軸の軸心周りに旋回することができる。また、昇降機
支持部材に支持させた昇降機を作動させる際には、構成
部品に取り付けられた吊具が昇降機の真下に位置する状
態で、昇降機支持部材を位置決めする。これにより、取
外し・取付対象の構成部品を真直ぐに昇降させることが
できる。
【0019】この場合、環状レールは、原動機の駆動軸
に接続されたカプリング部材に固定され、ガイドローラ
は、カプリング部材の外周面上を転動すると好ましい。
これにより、カプリング部材の下方に位置する構成部品
(例えば、軸シール等)の取外し/取付作業の効率を大
幅に改善することができる。
【0020】更に、ハンドリング手段は、一端側に部品
取扱具が装着され、他端側に原動機台又は昇降機保持手
段に取り付け可能な取付部を有する多関節アームである
と好ましい。
【0021】このように、ハンドリング手段として、伸
縮自在かつ回動自在である多関節アームを採用すれば、
ポンプの分解・点検作業を行うための作業スペースが狭
い場合であってもハンドリング手段を容易に操作するこ
とができる。従って、例えば、原動機台内部のような狭
隘部における構成部品の受渡し作業等の効率を向上させ
ることができる。また、取付部は、昇降機構を含むもの
として構成すると好ましく、原動機台又は昇降機保持手
段に昇降自在に取り付けてもよい。更に、ハンドリング
手段は、一端側に部品取扱具を昇降自在に支持する多関
節アームとしてもよい。加えて、このハンドリング手段
に部品取扱具としてのボルトテンショナを装着すれば、
ハンドリング手段を原動機台内部にボルトテンショナを
搬入・搬出するために用いることも可能である。
【0022】この場合、多関節アームは、互いにピンを
介して回動自在に連結される複数のアームブロックから
なり、一端側のアームブロックには、部品取扱具がピン
を介して回動自在に連結され、他端側のアームブロック
には、取付部がピンを介して回動自在に連結されると好
ましい。
【0023】これにより、伸縮(折り曲げ)自在であ
り、水平移動容易な多関節アームを簡易に形成すること
ができる。また、この多関節アームは、アームブロッ
ク、部品取扱具、取付部をピン結合させる構成であるの
で、各部品を容易に分解・組立することが可能となる。
従って、狭隘なポンプ内部、ポンプ設置箇所等に対する
搬入・搬出が容易となり、作業効率を向上させることが
できる。
【0024】また、ガイド手段は、円棒状に形成されて
おり、軸方向に所定間隔を隔てて配設された多数の目盛
を外表面上に有すると好ましい。
【0025】一般に、例えば、軸シールを主軸から抜き
出したり、嵌め込んだりするためには、両者間の間隙が
狭小であることから、軸シール等を水平に維持しながら
昇降させる必要がある。この際、従来は、軸シールの水
平度を確認するために、軸シールの180°離間する2
ヶ所について、その高さを計測しつつ、軸シールを少し
ずつ微調整しながら上昇させる(下降させる)必要があ
り、この作業には極めて多大な労力及び時間が必要とさ
れていた。
【0026】これに対して、このガイド手段は、外表面
上に多数の目盛を有する円棒状に形成されている。これ
により、ガイド手段を主軸と平行になるように(好まし
くは少なくとも2本)装着すれば、ガイド手段に形成さ
れた目盛を手掛かりとして、立軸型ポンプの構成部品の
水平度を容易に確認することが可能となる。従って、軸
シールのような慎重な取り扱いを要求される構成部品の
取外し・取付作業の大幅な省力化を図ることが可能とな
り、また、各構成部品を損傷させてしまうことを低減で
きる。
【0027】この場合、ガイド手段は、長手方向に分割
可能であると好ましい。このような構成を採用すれば、
ガイド手段を狭隘なポンプ内部、ポンプ設置箇所等に対
して容易に搬入・搬出することが可能となり、作業効率
を一層向上させることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明によるポ
ンプ用メインテナンス装置の好適な実施形態について詳
細に説明する。
【0029】図1は、本発明によるポンプ用メインテナ
ンス装置を示す部分断面図である。同図に示すポンプ用
メインテナンス装置1は、軸シール104を介して鉛直
方向に延びる主軸103をもった立軸形ポンプ(原子炉
冷却材ポンプ100)を分解・組立するのに好適なもの
である。同図に示すように、このポンプ用メインテナン
ス装置1は、昇降機保持装置10(昇降機保持手段)
と、ガイドロッド40(ガイド手段)と、ハンドリング
装置50(ハンドリング手段)とからなる。
【0030】昇降機保持装置10は、主軸103の軸心
103aの周りに回転自在に取り付けられ、原子炉冷却
材ポンプ100の構成部品(例えば、カートリッジシー
ル117等)を昇降させるためのホイスト2(昇降機)
を保持して旋回可能である。また、ガイドロッド40
は、主軸103と平行に装着され、昇降させられる各種
構成部品をガイドする。更に、ハンドリング装置50
は、各種構成部品を保持可能な部品保持部材51(部品
取扱具)を装着可能であり、この部品保持部材51を水
平に回動させると共に、鉛直移動させることができる。
以下、昇降機保持装置10(昇降機保持手段)、ガイド
ロッド40(ガイド手段)、及び、ハンドリング装置5
0の構成についてそれぞれ説明する。
【0031】〔昇降機保持装置〕図2は、ポンプ用メイ
ンテナンス装置1に含まれる昇降機保持装置10を示す
部分断面図である。同図に示すように、昇降機保持装置
10は、主軸103の軸心103aの周りに固定される
環状レール11を備える。環状レール11は、略L字形
の断面形状を有し、図3に示すように、2つのレール半
部12,13に分割されている。レール半部12とレー
ル半部13との接合面は、直径方向から所定角度だけ傾
けられて斜めになっている。図2に示す例では、環状レ
ール11は、鉛直に延びるモータ107の駆動軸に接続
されたカプリング部材108の下部に形成されているフ
ランジ部108aの上面に、ボルト14及びブッシュ1
5を介して固定されている。これにより、環状レール1
1の走行面11aは、図2に示すように水平をなす。
【0032】また、昇降機保持装置10は、環状レール
11に沿って旋回可能な昇降機支持部材15を備える。
図4に示すように、昇降機支持部材15は、半円環状の
平面形状を有するフレーム16,17を備える。フレー
ム16とフレーム17とは、ボルト結合部18を介して
互いに結合させることができる。図2及び4に示すよう
に、フレーム16からは、外方かつ直径方向に延びる梁
部19が延出されている。同様に、フレーム17から
も、外方かつ直径方向に延びる梁部20が延出されてい
る。図4に示すように、梁部19,20は、フレーム1
6とフレーム17とを結合させた際に、一直線上に延在
する。各梁部19,20の先端部には、ホイスト等の昇
降機を固定するための取付ボルト21がそれぞれ設けら
れている。
【0033】昇降機支持部材15を形成する各フレーム
16,17には、環状レール11上を転動する支持ロー
ラ22が所定間隔を隔てて複数(各フレーム16,17
に対して2個ずつ、図4参照)配設されている。支持ロ
ーラ22は、各フレーム16,17の底面に固定された
ローラフォーク23に対してピン24を介して取り付け
られている。図2に示すように、ピン24の内側端部
(図2におけるカプリング部材108側)は、軸受25
に接続されており、この軸受25は、環状レール11の
上端に設けられた水平部と当接する。これにより、昇降
機保持装置10に装着させた昇降機によって原子炉冷却
材ポンプ100の構成部品を吊り上げる(吊り降ろす)
際、荷重がアンバランスになっても、昇降機支持部材1
5を水平に維持することができる。
【0034】図5に示すように、支持ローラ22を支持
する各ローラフォーク23には、ブレーキ機構26が設
けられている。ブレーキ機構26は、ローラフォーク2
3の内部上面23aと支持ローラ22との間に配された
枕ブレーキ27を含む。枕ブレーキ27は、楔型の断面
形状を有する。枕ブレーキ27の両脇には、皿ばね28
が配設されている。また、枕ブレーキ27及び各皿ばね
28の中心には、一端にノブ29aを有する両ねじボル
ト29が挿通されている。そして、各皿ばね28を両脇
から押さえるようにナット30が両ねじボルト29に螺
合されている。また、両ねじボルト29は、ローラフォ
ーク23の所定ヶ所に設けられたネジ穴と螺合させらて
いる。これにより、ノブ29aを回転させれば、枕ブレ
ーキ27が支持ローラ22の進行方向に沿って前後移動
し、環状レール11上を転動する支持ローラ22を停止
させることができる。従って、昇降機支持部材15を所
望位置に位置決めすることができる。
【0035】更に、昇降機支持部材15を形成する各フ
レーム16,17には、図4に示すように、主軸103
と同軸の所定面上を転動可能なガイドローラ31が複数
(各フレーム16,17に対して2個ずつ)配設されて
いる。図6に示すように、各ガイドローラ31は、各フ
レーム16,17に所定間隔を隔てて配設されているガ
イドローラ支持ブロック32に支持されている。ガイド
ローラ支持ブロック32の内部には、ローラフォーク3
3が皿ばね34を介して固定されており、ガイドローラ
31は、ローラフォーク33に対して鉛直方向に延びる
ピン35を介して取り付けられている。
【0036】昇降機保持装置10の昇降機支持部材15
は、各支持ローラ22を介して、カプリング部材108
に固定されている環状レール11上に水平に支持される
と共に、ガイドローラ31によって案内された状態で主
軸103の軸心103aの周りに旋回可能となる。すな
わち、図2及び図6に示す例では、各ガイドローラ31
は、主軸103と同軸の円柱面であるカプリング部材1
08の外周面上を転動する。従って、この昇降機保持装
置10は、安定した状態で主軸103の軸心周りに旋回
することができる。また、昇降機支持部材15に支持さ
せた昇降機を作動させる際には、取外し・取付対象とな
る構成部品に取り付けられた吊具が昇降機の真下に位置
する状態で、昇降機支持部材15を位置決めする。従っ
て、取外し・取付対象の構成部品を真直ぐに昇降させる
ことができる。この結果、後述するように、カプリング
部材108の下方に位置する軸シール104(図1参
照)の取外し/取付作業の効率を大幅に改善することが
できる。
【0037】〔ガイドロッド〕図7は、ポンプ用メイン
テナンス装置1に含まれるガイドロッドを示す立面図で
ある。同図に示すガイドロッド40は、ステンレス等の
金属によって円棒状に形成された上ロッド41と下ロッ
ド42とからなる。上ロッド41と下ロッド42とは、
それぞれ、例えば1m程度の全長を有する。上ロッド4
1の上部は、滑らかに丸められており、その下部には、
結合おねじ44が設けられている。一方、下ロッド42
の上部には、上ロッド41の結合おねじ44を螺合させ
ることができる結合めねじ穴45が形成されている。ま
た、図7及び8に示すように、上ロッド41の所定箇所
には、上ロッド41を回転させるための回転棒(図示せ
ず)を挿入するための回転棒挿入穴46a,46bが形
成されている。上側の回転棒挿入穴46aと下側の回転
棒挿入穴46bとは、図8に示すように互いに直交す
る。同様に、下ロッド42にも、回転棒挿入穴47a,
47bが形成されている。
【0038】上ロッド42の回転棒挿入穴46a,46
bに回転棒を挿入すると共に、上ロッド42を一の方向
に回転させ、結合おねじ44を下ロッド42の結合めね
じ穴45に螺合させれば、上ロッド41と下ロッド42
とを結合させることができる。また、上ロッド42を逆
方向に回転させれば、ガイドロッド40を長手方向に分
割することができる。すなわち、ガイドロッド40を狭
隘なポンプ内部、ポンプ設置箇所等に装着する際には、
ガイドロッド40を上ロッド41と下ロッド42とを分
割して搬入・搬出し、装着箇所で両者を結合させる。こ
れにより、ポンプの分解・組立作業の効率がより向上す
る。
【0039】また、上ロッド41及び下ロッド42の外
表面には、軸方向に所定間隔(例えば10cm程度)を
隔てて多数の目盛Sが配設されている。目盛Sは、図9
に示すように、上ロッド41及び下ロッド42の全周に
及ぶV字形状のV溝48によって表示される。各V溝4
8は、上ロッド41及び下ロッド42の軸方向と直交す
る。また、各V溝48の上部には、上ロッド41と下ロ
ッド42とを結合させた際に、下から上に向かって番号
が大きくなるように、数字Nが印字されている。
【0040】更に、下ロッド42の下端部には、原子炉
冷却材ポンプ100の各構成部品に設けられている鉛直
なボルト穴、(例えば、カートリッジシール117をシ
ールハウジング114に固定するために、シールハウジ
ング114に形成されているボルト穴114a、図1参
照)と螺合可能な取付おねじ49が設けられている。こ
れにより、このようなボルト穴114等に取付おねじ4
9を螺合させれば、ガイドロッド40を鉛直方向に延び
る原子炉冷却材ポンプ100の主軸103と平行に配す
ることができる。
【0041】〔ハンドリング装置〕図10は、ポンプ用
メインテナンス装置1に含まれるハンドリング装置50
の立面図であり、図11は、ハンドリング装置50の平
面図である。これらの図面に示すように、ハンドリング
装置50は、複数(この場合、2体)のアームブロック
52,53を有する。アームブロック52は、鍛造鋼等
によって中空に形成されており、例えば450mm程度
の全長を有する。このように、アームブロック52は軽
量化(50kg以下)が図られているので容易に運搬可
能である。アームブロック52の両端部には、外方に延
びる係合部52aが設けられており、各係合部52に
は、それぞれ1個ずつ貫通穴が形成されている。
【0042】図10及び11に示すように、このアーム
ブロック52の一端側(図10及び11における左側)
には、部品保持部材51やボルトテンショナ等の部品取
扱具を取り付けるためのアタッチメント54が連結され
る。すなわち、アタッチメント54には、アームブロッ
ク52の係合部52aと係合する支持部54aが上下に
設けられており、各支持部54aにもそれぞれ1個ずつ
貫通穴が形成されている。これにより、アームブロック
52の係合部52aとアタッチメント54の支持部54
aとを係合させ、各貫通穴に連結ピン55を挿通させれ
ば、アームブロック52とアタッチメント54とを回動
自在に連結することができる。また、アタッチメント5
4には、部品取扱具を装着するための取付ピン54bが
設けられている。アタッチメント54の重量も50kg
以下に押さえられている。
【0043】一方、アームブロック53も、鍛造鋼等に
よって中空に形成されており、例えば450mm程度の
全長を有する。このように、アームブロック53も軽量
化(50kg以下)が図られているので容易に運搬可能
である。アームブロック53の一端部(図10及び11
における左側)には、アームブロック52の係合部52
aと係合する支持部53aが上下に設けられており、各
支持部53aにもそれぞれ1個ずつ貫通穴が形成されて
いる。これにより、アームブロック52の係合部52a
とアームブロック53の支持部53aとを係合させ、各
貫通穴に連結ピン55を挿通させれば、アームブロック
52とアームブロック53とを回動自在に連結すること
ができる。
【0044】更に、アームブロック53の他端側(図1
0及び11における右側)には、取付部56が連結ピン
55を介して回動自在に連結される。図11及び12に
示すように、取付部56は、アームブロック53と連結
ピン55を介して回動自在に連結させられる昇降ブロッ
ク57を有する。昇降ブロック57は、ボールねじ58
と螺合すると共に、ハンドル59を回転することにより
駆動されるギヤ機構を内蔵する。また、ボールねじ58
は、図10及び12に示すように、支持板60によって
回動自在に支持されており、支持板60には、昇降ブロ
ック57をガイドするリニアガイド61が固定されてい
る。これにより、昇降ブロック57、ボールねじ58、
支持板60、リニアガイド61等は、昇降機構を構成
し、ハンドル59を正逆方向に回転させれば、昇降ブロ
ック57と、アームブロック52,53、アタッチメン
ト54を介して連結させられる部品取扱具を昇降させる
ことができる。
【0045】また、支持板60は、図10に示すよう
に、多数の取付穴が形成されている。これにより、図1
3に示すように、これらの取付穴とボルト締結具とを用
いれば、支持板60を、例えば、原子炉冷却材ポンプ1
00に含まれるモータスタンド109の側部に固定する
ことができる。この結果、ハンドリング装置50は、モ
ータスタンド109に対して昇降自在に支持される。そ
して、ハンドリング装置50を適宜昇降させると共に、
アームブロック52,53等を水平に回動させることに
より、図13に示すように、モータスタンド109の整
備用開口109aから、モータスタンド109の内部に
部品取扱具を出し入れすることができる。なお、取付部
56を構成する昇降ブロック57、支持板60等は、チ
タン合金によって形成され、軽量化(50kg以下)が
図られているので、容易に運搬することができる。
【0046】上述したように、ハンドリング装置50
を、伸縮自在かつ回動自在である多関節アームとして構
成すれば、ポンプの分解・点検作業を行うための作業ス
ペースが狭い場合であってもハンドリング装置を容易に
操作することができる。これにより、例えば、モータス
タンド109の内部のような狭隘部における構成部品の
受渡し作業等の効率を向上させることができる。また、
ハンドリング装置50を、互いに連結ピン55を介して
連結される複数のアームブロック52,53等を含む多
関節アームとして構成することにより、伸縮(折り曲
げ)自在であり、水平移動容易な多関節アームを簡易に
形成することができる。
【0047】また、このハンドリング装置50(多関節
アーム)は、アームブロック52,53、アタッチメン
ト54(部品取扱具)、取付部56をピン結合させる構
成であるので、各部品を容易に分解・組立することが可
能となる。従って、狭隘なポンプ内部、ポンプ設置箇所
等に対する搬入・搬出が容易となり、作業効率を向上さ
せることができる。更に、アームブロック52,53、
取付部56等はいずれも軽量化されているので、作業員
が容易に運搬することができる。なお、ハンドリング装
置50は、一端側に部品取扱具を昇降自在に支持する多
関節アームとして構成してもよい。
【0048】ここで、ハンドリング装置50に装着させ
る部品取付具について説明する。部品取扱具としては、
まず、図1及び図13に示す部品保持部材51が挙げら
れる。この部品保持部材51は、U字状又は半円環状に
形成されていると共に、2つの遊端部に、上方に突出す
る係止突起51aをそれぞれ1個ずつ有する。また、部
品保持部材51の開口幅Wは、各構成部品の外径に適合
するように定められる。この部品保持部材51によって
取り扱い対象となる各種構成部品(スプールピース10
6、カプリング部材105、カートリッジシール117
等)を保持させる場合、対象構成部品を部品保持部材5
1の開口部に位置させると共に、各係止突起51aを当
該構成部品に形成されているボルト穴等と係合させる。
【0049】一方、部品取扱具としては、図14に示す
部品保持部材62を採用してもよい。同図に示す部品保
持部材62は、長孔状の切欠部65を有する円盤状に形
成された底板63を備える。底板63の周縁部には、所
定高さの側壁64が設けられている。この部品保持部材
62によって各種構成部品を保持させる場合、底板63
の上面に取り扱い対象となる構成部品を載置する。この
際、底板63には、切欠部65が設けられているので、
部品保持部材62と主軸103との干渉を回避すること
ができる。
【0050】なお、構成部品を保持させるための部品取
扱具は、各構成部品毎に専用のものを準備してもよい。
また、ハンドリング装置50には、部品取扱具としての
ボルトテンショナ(図示せず)を装着してもよい。これ
により、ハンドリング装置50を、モータスタンド10
9内に、ボルトテンショナを搬入・搬出するために用い
ることができる。
【0051】〔ポンプ用メインテナンス装置の使用手
順〕次に、図1、13、15並びに16等を参照しなが
ら、上述したポンプ用メインテナンス装置1を用いて原
子炉冷却材ポンプ100を分解・組立する手順について
説明する。
【0052】この場合は、原子炉冷却材ポンプ100の
モータスタンド109側方まで、ハンドリング装置50
を構成するアームブロック52,53、アタッチメント
54、連結ピン55、取付部56等の各構成部品、並び
に、部品取扱具(部品保持部材51)を運搬する。そし
て、図13に示すように、アームブロック52,53等
を連結ピン55によって連結し、ハンドリング装置50
を組み上げると共に、取付部56をモータスタンド10
9の側部に固定する。この際、これらの各構成部品は軽
量化が図られているので、運搬作業の省力化を図ること
ができると共に、ハンドリング装置50を容易かつ短時
間で組み立てることができる。
【0053】次に、ハンドリング装置50のアタッチメ
ント54に図示しないボルトテンショナを装着する。そ
して、取付部56のハンドル59を回転させると共に、
作業員の手によって、各アームブロック52,53等を
水平移動(回動)させながら、ハンドリング装置50に
装着させたボルトテンショナを整備用開口109aから
モータスタンド109の内部に搬入する。そして、モー
タスタンド109内で、作業員は、ボルトテンショナを
操作して、スプールピース106と上下のカプリング部
材105,108(何れも図20参照)とを締結するボ
ルトを緩め、取り外す。すべてのボルトを取り外したな
らば、作業員の手によって、各アームブロック52,5
3等を回動させ、ボルトテンショナをモータスタンド1
09外に搬出すると共に、ボルトテンショナをアタッチ
メント54から取り外す。
【0054】ボルトテンショナを取外したならば、次
に、アタッチメント54に部品保持部材51を取り付け
る。そして、図15に示すように、各アームブロック5
2,53等を回動させ、部品保持部材51の開口部にス
プールピース106を位置させる。また、ハンドリング
装置50の取付部56に設けられているハンドル59を
回転することにより、部品保持部材51を上昇させ、部
品保持部材51の各係止突起51aをスプールピース1
06に形成されているボルト穴等と係合させる。これに
より、スプールピース106は、部品保持部材51によ
って保持される。この状態で、アームブロック52,5
3等を水平に回動させ、スプールピース106をモータ
スタンド109外に搬出する。スプールピース106
は、モータスタンド109外で部品保持部材51から取
り外された後、所定箇所まで移送され、点検される。
【0055】このように、原子炉冷却材ポンプ100か
らスプールピース106を取り外した状態では、モータ
107の駆動軸に取り付けられたカプリング部材108
と、下側のカプリング部材105との間には空間が形成
される。そこで、この空間を利用して、図16に示すよ
うに、モータスタンド109内に昇降機保持装置10を
配置する。すなわち、原子炉冷却材ポンプ100の構成
部品のうち、以後の取外し対象となる構成部品(カプリ
ング部材105、カートリッジシール117等)よりも
上方に位置するカプリング部材108に昇降機保持装置
10を主軸103の軸心103aの周りに回転自在にな
るように取り付ける。
【0056】昇降機保持装置10の各梁部19,20に
は、ホイスト等の昇降機2を保持させる。また、次の取
外し対象となるカプリング部材105には、所定の吊下
治具3を固定し、昇降機2とカプリング部材105に固
定した吊下治具3とを繋ぎ合わせる。この際、昇降機保
持装置10は、主軸103の軸心103aの周りに旋回
可能であるので、取外し対象となるカプリング部材10
5を吊下げるための吊下治具3に設けられたアイボルト
等の吊具の位置を、所望位置、すなわち、昇降機保持装
置10に保持させた昇降機2の真下に容易に位置させる
ことが可能となる。これにより、極めて大重量である主
軸103等の回転体を作業員の手で回転させたり、モー
タ軸受に油圧を供給する電動ポンプを作動させる必要が
なくなる。
【0057】そして、ゆっくりと昇降機2を作動させて
カプリング部材105を所定高さまで真っ直ぐに上昇さ
せると共に、スプールピース106を取り外す場合と同
用の手順でハンドリング装置50を操作し、部品保持部
材51を介してカプリング部材105をモータスタンド
109外に搬出する。カプリング部材105も、スプー
ルピース106と同様に、モータスタンド109外で部
品保持部材51から取り外された後、所定箇所まで移送
され、点検される。
【0058】カプリング部材105の取外しが完了した
ならば、次は、カートリッジシール117を取り外す。
この場合は、まず、カートリッジシール117とシール
ハウジング114とを固定するためのボルト113(図
20参照)を取り外す。また、カートリッジシール11
7には、吊下治具4を固定する(図1参照)。更に、モ
ータスタンド109内には、上ロッド41及び下ロッド
42を搬入する。そして、下ロッド42をカートリッジ
シール117に形成されている貫通穴(ボルト113を
挿通させる穴)に挿入すると共に、取付おねじ49(図
7参照)をシールハウジング114のボルト穴114a
に螺合させる。また、下ロッド42には、上ロッド41
を螺合させ、両者を結合させる。これにより、ガイドロ
ッド40は主軸103と平行に配置される。ガイドロッ
ド40は、カートリッジシール117の180°離間す
る2ヶ所に対して配置する。
【0059】この状態で、取外し対象となるカートリッ
ジシール117に固定した吊下治具4と、昇降機保持装
置10に支持させた昇降機2とを繋ぎ合わせる。この
際、カートリッジシール114に取り付けられた吊下治
具4に設けられているアイボルト4a(吊具)が昇降機
2の真下に位置するように昇降機保持装置10を主軸1
03の軸心103aの周りに旋回させる。そして、昇降
機2を作動させ、取外し対象のカートリッジシール11
7をゆっくりと吊り上げる。
【0060】上昇させられるカートリッジシール117
は、ガイドロッド40によってガイドされながら真直ぐ
に上昇する。ここで、一般に、カートリッジシール11
7を主軸103から抜き出したり、嵌め込んだりするた
めには、両者間の間隙が狭小であることから、カートリ
ッジシール117を水平に維持しながら昇降させる必要
がある。これに対して、ガイドロッド40を使用すれ
ば、その外表面に形成された目盛S(図7及び9参照)
を手掛かりとして、カートリッジシール117の水平度
を容易に確認することが可能となる。
【0061】これにより、カートリッジシール117の
水平度を確認するために、カートリッジの180°離間
する2ヶ所について、その高さを計測しつつ、軸シール
を少しずつ微調整しながら上昇させる(下降させる)と
いった、従来行われた作業は一切不要となる。従って、
カートリッジシール117(軸シール104)のような
慎重な取り扱いを要求される構成部品の取外し・取付作
業の大幅な省力化を図ることが可能となり、また、各構
成部品を損傷させてしまうことを低減できる。
【0062】所定位置までカートリッジシール117を
吊り上げたならば、ハンドリング装置によって部品保持
部材51を水平方向及び鉛直方向に適宜移動させ、昇降
機2によって吊り上げたカートリッジシール117を受
け取らせる。部品保持部材51によってカートリッジシ
ール117が保持されたならば、再度、ハンドリング装
置50によって部品保持部材51を水平方向及び鉛直方
向に適宜移動させ、モータスタンド109外までカート
リッジシール117を移送する。カートリッジシール1
17も、モータスタンド109外で部品保持部材51か
ら取り外された後、所定箇所まで移送され、点検され
る。
【0063】以下、上述した手順と同様に、第1シール
112を取り外す。また、分解した原子炉冷却材ポンプ
100を再度組み立てる場合には、上述した手順と逆の
手順によって、取付対象となる構成部品を運搬し、取り
付ける。このように、本発明によるポンプ用メインテナ
ンス装置1を用いれば、立軸形ポンプの分解・点検作
業、特に、原子炉冷却材ポンプ100のような大容量ポ
ンプの分解・点検作業に要する時間を大幅に短縮化可能
であると共に、当該作業の労力低減、省力化を図ること
ができる。
【0064】〔他の実施形態〕上述したハンドリング装
置50は、原子炉冷却材ポンプ100に含まれるモータ
スタンド109の側部に取り付けられるものである。こ
れに対して、図17及び18に示すように、昇降機保持
装置10の梁部19(20)に取り付け可能なハンドリ
ング装置50Aを採用してもよい。このハンドリング装
置50Aでは、取付部56Aに、長尺の支持板60A及
び長尺のボールねじ58Aを設ける。そして、支持板6
0Aの上端を梁部19(20)に固定する。すなわち、
このような構成は、取付部56Aを昇降機として梁部1
9(20)に装着したものに相当する。
【0065】この例では、部品取扱具としての部品保持
部材51に各種構成部品を保持させた状態で、ハンドリ
ング装置50Aをボールねじ58Aに沿って上下動させ
る。これにより、ホイスト等を用いることなく、各種構
成部品を昇降させることができる。また、ホイスト等と
各種構成部品を繋ぎ合わせる作業を省略することができ
るので、作業時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0066】また、図19に示すように、2本の平行な
レール状に形成された梁部19A及び20Aを有する昇
降機保持装置10Aを採用してもよい。この昇降機保持
装置10Aの梁部19A,20Aには、図示しないプレ
ーントロリを取り付ける。また、モータスタンド109
に設けられている2つの整備用開口109aには、梁部
19A,20Aと連続するように、2本の平行なレール
5を固定しておく。
【0067】この場合、プレーントロリにターンバック
ルやチェーンブロック等を介してポンプの各種構成部品
を繋ぎ合わせて吊り上げると共に、昇降機保持装置10
Aを旋回させ、梁部19A(20A)と整備用開口10
9aに固定されたレール5とを連続させる。これによ
り、プレーントロリを梁部19A(20A)及びレール
5に沿って移動させれば、各種構成部品をモータスタン
ド109外に搬出することができる。また、これと逆の
手順を踏めば、各種構成部品をモータスタンド109内
に搬入することも可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるポン
プ用メインテナンス装置は、ポンプの構成部品を昇降さ
せるための昇降機を保持して旋回可能な昇降機保持手段
と、昇降させられる構成部品をガイドするガイド手段
と、構成部品を分解・組立するための部品取扱具を水平
方向及び鉛直方向に移動させることができるハンドリン
グ手段とを備える。従って、このポンプ用メインテナン
ス装置を用いることにより、立軸形ポンプ、とりわけ、
原子炉冷却材ポンプ等の大容量ポンプの分解・点検作業
に要する時間を大幅に短縮化可能であると共に、当該作
業の労力低減、省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポンプ用メインテナンス装置を示
す部分断面図である。
【図2】図1のポンプ用メインテナンス装置に含まれる
昇降機保持装置を示す部分断面図である。
【図3】図2の昇降機保持装置の環状レールを示す平面
図である。
【図4】図2に示す昇降機保持装置の平面図である。
【図5】昇降機保持装置の要部を示す部分拡大図であ
る。
【図6】図4におけるVI−VI線についての部分断面図で
ある。
【図7】図1のポンプ用メインテナンス装置に含まれる
ガイドロッドを示す立面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線についての断面図で
ある。
【図9】図7におけるIX部を示す拡大図である。
【図10】図1のポンプ用メインテナンス装置に含まれ
るハンドリング装置を示す立面図である。
【図11】図10に示すハンドリング装置の平面図であ
る。
【図12】図10に示すハンドリング装置の背面図であ
る。
【図13】図10のハンドリング装置を示す模式図であ
る。
【図14】図10に示すハンドリング装置に装着可能な
部品取扱具を示す斜視図である。
【図15】本発明によるポンプ用メインテナンス装置の
使用手順を説明するための模式図である。
【図16】本発明によるポンプ用メインテナンス装置の
使用手順を説明するための模式図である。
【図17】本発明によるポンプ用メインテナンス装置の
他の実施形態を説明するための模式図である。
【図18】本発明によるポンプ用メインテナンス装置の
他の実施形態を説明するための模式図である。
【図19】本発明によるポンプ用メインテナンス装置の
更に他の実施形態を説明するための模式図である。
【図20】一般的な原子炉冷却材ポンプを示す部分断面
図である。
【図21】従来の原子炉冷却材ポンプの分解・組立手順
を示す模式図である。
【符号の説明】
1…ポンプ用メインテナンス装置、2…昇降機、10,
10A…昇降機保持装置(昇降機保持手段)、11…環
状レール、11a…走行面、15…昇降機支持部材、1
9,19A,20,20A…梁部、22…支持ローラ、
26…ブレーキ機構、31…ガイドローラ、40…ガイ
ドロッド(ガイド手段)、41…上ロッド、42…下ロ
ッド、48…V溝、50,50A…ハンドリング装置
(ハンドリング手段)、51,62…部品保持部材(部
品取扱具)、52,53…アームブロック、54…アタ
ッチメント、55…連結ピン、56,56A…取付部、
57…昇降ブロック、100…原子炉冷却材ポンプ(立
軸形ポンプ)、103…主軸、103a…軸心、104
…軸シール、108…カプリング部材、109…モータ
スタンド、109a…整備用開口、112…第1シー
ル、114…シールハウジング、114a…ボルト穴、
117…カートリッジシール、N…数字、S…目盛。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−41389(JP,A) 特開 平4−361197(JP,A) 特開 平6−75086(JP,A) 特開 昭63−55392(JP,A) 特開 平8−262178(JP,A) 実開 平2−4890(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 7/08 F04D 29/60 F04D 13/08 B66C 11/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原動機台に固定された原動機によって、
    軸シールを介して鉛直方向に延びる主軸を回転駆動する
    立軸形ポンプを分解・組立する際に用いられるポンプ用
    メインテナンス装置において、 前記主軸の軸心周りに回転自在に取り付けられ、前記立
    軸形ポンプの構成部品を昇降させるための昇降機を保持
    して旋回可能な昇降機保持手段と、 前記主軸と平行に装着可能であり、昇降させられる前記
    構成部品をガイドするガイド手段と、 前記構成部品を分解・組立するための部品取扱具を装着
    可能であり、この部品取扱具を水平方向及び鉛直方向に
    移動させることができるハンドリング手段とを備えるこ
    とを特徴とするポンプ用メインテナンス装置。
  2. 【請求項2】 前記昇降機保持手段は、前記主軸の軸心
    周りに固定され、水平な走行面を有する環状レールと、
    前記昇降機を支持可能な昇降機支持部材とを備え、前記
    昇降機支持部材には、前記環状レール上を転動する複数
    の支持ローラと、前記主軸と同軸の所定面上を転動可能
    な複数のガイドローラとが設けられており、かつ、前記
    昇降機支持部材は、所望位置に位置決め可能であること
    を特徴とする請求項1に記載のポンプ用メインテナンス
    装置。
  3. 【請求項3】 前記環状レールは、前記原動機の駆動軸
    に接続されたカプリング部材に固定され、前記ガイドロ
    ーラは、前記カプリング部材の外周面上を転動すること
    を特徴とする請求項2に記載のポンプ用メンテナンス装
    置。
  4. 【請求項4】 前記ハンドリング手段は、一端側に前記
    部品取扱具が装着され、他端側に前記原動機台又は前記
    昇降機保持手段に取り付け可能な取付部を有する多関節
    アームであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに
    記載のポンプ用メインテナンス装置。
  5. 【請求項5】 前記多関節アームは、互いにピンを介し
    て回動自在に連結される複数のアームブロックからな
    り、前記一端側の前記アームブロックには、前記部品取
    扱具がピンを介して回動自在に連結され、前記他端側の
    前記アームブロックには、前記取付部がピンを介して回
    動自在に連結されることを特徴とする請求項4に記載の
    ポンプ用メインテナンス装置。
  6. 【請求項6】 前記ガイド手段は、円棒状に形成されて
    おり、軸方向に所定間隔を隔てて配設された多数の目盛
    を外表面上に有することを特徴とする請求項1〜5の何
    れかに記載のポンプ用メインテナンス装置。
  7. 【請求項7】 前記ガイド手段は、長手方向に分割可能
    であることを特徴とする請求項6に記載のポンプ用メイ
    ンテナンス装置。
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