JP3207255U - 紙鍋 - Google Patents
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Abstract
【課題】優美な外観を維持ししつ加熱される内容物のくっつきを防止して、提供できる料理の種類や具材の多様化をはかることができる紙鍋を提供する。【解決手段】紙製の内面層15と外面層16の間に合成樹脂フィルムからなる中間層17を有する平らな基材シートを熱成形して形作る紙鍋11において、内容物が接する内面層15を構成する紙にシリコーン樹脂などの離型剤を含浸させて、内面層15の表面張力の低減をはかり、摩擦抵抗を小さくする。【選択図】図1
Description
この考案は、紙で形成された紙鍋に関し、より詳しくは料理の幅を広げられるような紙鍋に関する。
紙鍋はその特有の優美な外観により料理を際立たせて独特の雰囲気を醸し出すものであって、古くから利用されてきた。
しかし、紙鍋はどんな鍋料理にでも使えるわけではなかった。例えば餅やうどんなどの具材は加熱中に紙鍋の底にくっつきやすく、紙鍋が焦げることがある。豆乳鍋などのように流動性が低く塊ができる料理も紙鍋が焦げるおそれがあるので、紙鍋には不向きであった。また、豆腐を具材とする場合には、豆腐が鍋底にくっつかないように豆腐の下に野菜を敷くなどの工夫が必要であった。
下記特許文献1には耐水耐油耐熱性のシートで構成する紙鍋が開示されている。この紙鍋を構成するシートは、厚紙の表面に耐水耐油性のバリヤ層を設けて、このバリヤ層の表面にシリコーン樹脂塗工層を設けたものであり、紙鍋はシリコーン樹脂塗工層を内側にして折り曲げて箱状に形成されている。
しかし、シリコーン樹脂塗工層は表面に形成された皮膜であり、この皮膜が内面にあると紙鍋らしい外観は得られない。
この考案は、紙鍋特有の外観を維持ししつ食材のくっつきを防止して、提供できる料理の幅を広げることができるようにすることを主な目的とする。
そのための手段は、内面を構成する紙に離型剤を含浸させることである。離型剤としては、シリコーン樹脂やフッ素樹脂が使用できる。
この構成では、内面の紙に浸み込んだ離型剤が内容物(食材)とのくっつきを防止する。
この考案によれば、紙鍋の優美な外観を維持ししつ食材のくっつきを防止するので、これまで紙鍋では提供できなかった料理を提供することができるようになる。
この考案を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
この考案の紙鍋11は、加熱中に具材などがくっつくのを防止できるようにしたものである。図1に紙鍋11の要部と作用を、図2に紙鍋11の外観を示している。
この考案の紙鍋11は、加熱中に具材などがくっつくのを防止できるようにしたものである。図1に紙鍋11の要部と作用を、図2に紙鍋11の外観を示している。
図2に示したように紙鍋11は、正方形に裁断された基材をプレスにより熱成形して製造されるものである。紙鍋11の形状は、中央部に円形の底面部12を有し、この底面部12の全周に斜め上に立ち上がる周壁部13を有するものである。周壁部13は底面部12の中心点を中心に放射状に延びる山折り線部13aと谷折り線部13bを交互に有する。
紙鍋11は、金属製のホルダ21を介在させてコンロ22の上にのせて使用される。
紙鍋11を構成する基材は、図1に示したように3層構造である。つまり基材は内面層15と外面層16の間に中間層17を有し、内面を構成する内面層15が内容物に接する側である。内面層15と外面層16は適宜の紙で構成され、中間層17は合成樹脂フィルムで構成される。この合成樹脂製フィルムには耐熱性と耐水性を有し成形性も良い樹脂、たとえばポリプロピレンが使用される。
紙と合成樹脂フィルムはラミネートにより接合一体化され、内面層15となる側の紙に、液状の離型剤を塗布して含浸させ乾燥したのち、所定の大きさに裁断すると基材になる。内面層15が紙に離型剤を含浸させた離型剤含浸層である。
離型剤にはシリコーン樹脂やフッ素樹脂を使用できる。いずれも耐熱性に優れ、化学的にも不活性であるので、熱成形は良好に行え、所望の形状と外観が得られる。
このような構成の紙鍋11は、図1に示したように、汁(液体31)や具材32などの内容物を入れて火にかけると、燃えることなく内容物を加熱させる。紙鍋11の内面層15は表面張力が低く摩擦抵抗が低いので、対流する液体31は内面層15上を円滑に移動し、液体31に沈む具材32も適宜向きを変えたり移動したりする。餅やうどん、豆腐などのようにくっつきやすいとされる具材31であっても、内面層15がくっつくのを防止する。また豆乳などのように表面に膜33ができたり固まったりする液体であっても、内面層15がくっつきを防止する。このため液体31は内面層15に行き渡る。
内面層15の表面張力が低くない場合には、図3に示したように、具材32や膜33などが紙鍋101の内面102にくっついて、液体31が行き渡らずに、くっついた部分に焦げ103が生じることになる。
しかし、この考案の紙鍋11では、前述のように液体31が内面層15上に行き渡るので、焦げ付きが発生することはない。このため、餅やうどんを具材とする料理はもちろん、豆乳鍋や牛すき鍋などの料理も提供できる。チーズフォンデュのような紙鍋としては斬新な料理も可能である。また、料理に提供に際して、焦げ付きを防止するための具材配置をする必要がないので、見た目を重視して美しく料理の提供ができる。
そのうえ、紙鍋の内面に塗工層を形成する場合と異なり、紙の外観を維持できる。このため、優美な紙鍋の特質を減殺することなく、料理を映えさせることができる。
紙鍋は前述のような形状に限定されることはなく、その他の形状であってもよく、熱成形以外の折り曲げ等で形成してもよい。
11…紙鍋
15…内面層
16…外面層
17…中間層
15…内面層
16…外面層
17…中間層
Claims (5)
- 内面に、紙に離型剤を含浸させた離型剤含浸層を備えた
紙鍋。 - 紙製の内面層と外面層の間に合成樹脂フィルムを有する紙鍋であって、
前記内面層を構成する紙に離型剤が含浸された
紙鍋。 - 紙製の内面層と外面層の間に合成樹脂フィルムを有する平らな基材シートを熱成形して形作る紙鍋であって、
前記内面層を構成する紙に離型剤が含浸された
紙鍋。 - 前記離型剤がシリコーン樹脂である
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の紙鍋。 - 前記離型剤がフッ素樹脂である
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の紙鍋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016004009U JP3207255U (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 紙鍋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016004009U JP3207255U (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 紙鍋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3207255U true JP3207255U (ja) | 2016-11-04 |
Family
ID=57216943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016004009U Active JP3207255U (ja) | 2016-08-18 | 2016-08-18 | 紙鍋 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3207255U (ja) |
-
2016
- 2016-08-18 JP JP2016004009U patent/JP3207255U/ja active Active
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