JP3206738U - ワーク支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを切断や折り曲げ加工する順送プレス加工ラインにおいて、加工位置においてワークを水平位置に安定して支持するワーク支持装置を提供する。【解決手段】順送プレス加工装置におけるワーク支持装置であって、水平姿勢を支持するようにワークWの一端を水平方向に磁力により吸引する永久磁石Mを内設した遮蔽ホルダを設けたワーク姿勢制御装置4と、前記ワーク姿勢制御装置4を取付けた支持基台5からなる。ワーク姿勢制御装置4は、金型の加工位置の外側で、その加工位置から離れた金型の外側部位20或いはその内側に設ける。前記永久磁石MはワークWへの左右水平接近調節自在及び上下昇降調節自在及び前後動調節自在である。【選択図】図1

Description

本考案は、帯状のワーク(被加工磁性金属板材)を所定幅づつ連続移動しながら切断加工やプレス加工を行う際に、加工され移動するワークを加工位置で水平姿勢に支持する装置に関するものである。
複数のステージを備えた金型内に帯状の金属板材やロール材を等幅ピッチで順次移送し、各ステージ毎にプレス加工を施す順送プレス加工装置がある。
この順送プレス加工装置は、プレス加工装置に複数のステージを有する上金型と下金型とからなる順送金型をセットし、各ステージへ順次移送しながら、順送金型によって段階的に例えば抜き加工、絞り加工、曲げ加工等の各種プレス加工が施され、これらのプレス加工をすることにより、所定製品を得る加工装置である。
全体の構成は例えば図9に示すような構成で、ロール帯状の金属板材の投入から製品の排出までの一連の工程で、大量加工生産が可能である。
さて、ワークのプレス加工装置では、ワークを加工中全般に監視することができ、使用者が作業中にワークを修正する手間を要しないような安定した支持手段があり、所定位置で正確な加工ができる加工スピードの速いプレス加工装置が要請される。
機械的手段での支持装置としては、従来は、例えばコの字曲げ加工する場合のワーク(W)を支持する構成としては、図10に示すようにバネ式のノックアウトで支持するものがある。
この構成は、二列順送のワーク(W)を、加工位置において、バネの作用でBピンを持ち上げノックアウトでワーク(W)を支え水平な状態に支持する。
ワーク(W)を曲げ加工し始める直前にノックアウトをAピンで押し下げ、ワーク(W)に当たらないようにすると同時に上型ピンでワーク(W)が動かないように押さえて、ワーク(W)を水平位置に支持しておいてから曲げプレス加工に入る。
ワーク(W)の、バネ式支持手段は、ワーク(W)をノックアウトと上型ピンで加工直前まで支持する構成であるが、ノックアウト機構と金型との組み合わせに複雑性がある。
又、磁石の吸引力を用いて金型の所定位置にワークを保持する技術に本件出願人の開発にかかる実用新案第3183548号がある。
この考案は、加工位置に在るワーク(W)と接触する順送金型表面(1)の内部に、永久磁石(2)を内設し、金型の下方からワーク(W)の位置を保持するものである。
実用新案権第3183548号公報
順送プレス加工において、特に帯状のワーク(W)を最初に小片に切断分離する工程があり、次いで段階的に多数回折り曲げる工程があり、その工程を高速度で移送する装置では、ワーク(W)が浮いた状態になりやすいためにワーク(W)の位置支持は重要な課題である。
大量生産の順送プレス加工をする中で発生する不良のいくつかは、打痕、傷、変形で、その発生メカニズムの一原因には、ワーク(W)の浮きや抜き加工工程でスクラップ・破片等が浮き上がりそれに重なる場合があることが知られている。
又、最初や中途や最終にワーク(W)を小片にする切断分離がある加工工程では、分離されたワーク(W)の順送移動位置が正規の位置からずれることや、浮き上がるために位置が安定しないために、打痕、傷、変形が発生する確率が比較的高い。
帯状のワーク(W)を個別に小片に切断した後に、その分離したワーク(W)毎にプレス加工を施すプレス加工ラインでは、分離したワーク(W)を機械的に再度支持するか、又は位置ずれを回避するためには移送スピードや加工スピードを制御することが求められる。
そのため、位置修正する事態が発生するおそれがあり、ワーク(W)形状や加工工程が変わるたびに位置支持する支持機構の新規設置という問題があった。
本発明の解決すべき課題は、プレス加工ラインにおけるワーク(W)の支持手段を簡潔にかつ確実にして、加工スピードの向上を図ることにある。
本考案は、ワーク(W)を打抜き、絞り、鍛造ほか、一対の上下金型を用いて、切断や折り曲げ加工するプレス加工ラインにおいて、機械的手段を構築することなく、ワーク(W)の水平な姿勢を、左右或いは前方からの永久磁石(M)の水平な吸引力で支持することができるワーク姿勢制御装置(4)を設けたワーク支持装置を提供し、ワーク(W)の変更があっても、位置支持が容易にでき、円滑にプレス加工することを最も主要な目的とする。
本考案は、上下金型でワーク(W:被加工材料)を加工する位置の近傍に姿勢制御の磁界発生手段を設けるという発想を基本にしている。
前記特許文献1で開示する加工位置に在るワーク(W)と接触する金型自体の内部に永久磁石を設けた構成とは異なり、本考案はワーク(W)とは接触しない位置にある金型の部位に磁界発生手段を設けるか、或いは金型とは離れた位置に支持基台で磁界発生手段を設けたものである。
接触しない位置とは、ワーク加工金型部分と連結しているが離れた金型の外側部位(部分)の位置や、金型とは別に金型から離れた位置の意味である。
個別のワーク(W)にのみ対応するときは、ワーク(W)とは接触しない位置にある金型の部位に磁界発生手段を設ける。
汎用性を求める構成では金型とは離れた位置に支持基台で磁界発生手段を設ける。
つまり磁界発生手段をワーク加工位置やワークに接触する直近ではなく、近傍に設けたものを提案する。
近傍に設けることでワーク(W)に対応して、磁界を可及的に上下左右の一定ポイントに収束してワーク(W)の位置支持を正確に行うことを目的とする。
前記課題およびこの目的を解決するために、本考案は、プレス加工装置のワーク(W)の加工位置において、ワーク(W)の水平姿勢を支持するようにワーク(W)の一端を水平方向に磁力により吸引する永久磁石(M)を内設した遮蔽ホルダを設けたワーク姿勢制御装置と、前記ワーク姿勢制御装置を取付けた支持基台からなり、前記永久磁石(M)はワーク(W)端面とは非接触の位置で水平に対面し、非接触で水平支持し、ワーク(W)への水平接近距離調節自在に設けられたことを特徴とするワーク支持装置を提供する。
ワーク姿勢制御装置は、ワーク(W)とは接触しない位置にある金型の外側部位に水平接近距離調節自在に装填される。
ワーク姿勢制御装置を金型に一体化するときは、金型の加工位置の外側で、その加工位置から離れた金型の外側部位或いはその内側に設ける。
ワーク(W)の水平姿勢とは、ワーク(W)がプレス加工装置(1)の下金型の上端を係止点(T)として載置されている状態で、そのワーク(W)が前記係止点(T)を基点にして水平であるその水平姿勢である。
磁石の位置は、加工位置にある下金型の上面と水平な延長位置で、その延長位置は左右及び前方のいずれかである。その延長位置にワーク(W)とは非接触に磁石を設けている。
請求項2は、前記支持基台は上下昇降調節自在であり及びワーク(W)の順送方向と平行な前後動調節自在に構成され、ワーク姿勢制御装置をプレス加工位置の外側に取り付けた支持基台から構成されるワーク支持装置であることを特定している。
帯状の金属板材のワーク(W)を等ピッチで順次移送し、切断・プレス加工を施す順送プレス加工装置におけるワーク支持装置であって、ワーク(W)は少なくとも一端に於いてプレス加工装置の下金型の何処かの上面箇所を係止点(T)として係止されている状態、例えば下金型の上端を係止点として載置している状態で、他端は支持がない状態で、その加工位置に在る当該ワーク(W)に対し、前記係止点(T)を基点にしたその水平姿勢を支持するようにワーク(W)の前記他端側を水平方向に磁力により吸引する永久磁石(M)を内設した遮蔽ホルダからなるワーク姿勢制御装置と、前記ワーク姿勢制御装置を取付けた支持基台(5)からなり、順送プレス加工装置におけるワーク(W)加工位置に対面した前記支持基台に取付けたワーク姿勢制御装置の遮蔽ホルダに内設された永久磁石(M)をワーク(W)への水平接近距離調節自在に構成し、順送プレス加工装置におけるワーク(W)加工位置に対面した前記支持基台或いはワーク姿勢制御装置に、上下昇降調節及びワーク(W)の順送方向と平行な前後動調節が可能なようにし、加工位置にあるワーク(W)を空中に水平姿勢を支持して吸引することを特徴とするワーク支持装置を提供する。
請求項3は、永久磁石(M)を内設した遮蔽ホルダを設けたワーク姿勢制御装置の詳細な構造を特定している。
請求項4は、ワーク姿勢制御装置を金型と一体的に装置する構造を特定している。
前記ワーク姿勢制御装置は、キャップ(Y)(ヨーク 継鉄)で背面を被覆した永久磁石(M)を一個以上遮蔽ホルダ内に装填して、磁力を集中させ、遮蔽ホルダは開口部に粉塵防御の前面カバーを備えかつ永久磁石の表面側に間隙を形成したことも特徴とするものである。
本考案のワーク姿勢制御装置(4)は、加工位置にあるワーク(W)に対して、水平乃至水平から1度〜2度上向きに傾斜した吸引力を及ぼすべく、ワーク(W)の水平方向の端面に対面する永久磁石(M)を、左右又は前方のうち1ヶ所以上に配置し、その永久磁石(M)を備えたワーク支持装置は、上下昇降、左右移動及び前後移動の移動調整自在に設けられている。
永久磁石(M)は、鉄板を吸引するが、幅の狭いワーク(W)端面に対面して吸引するために吸引力が、ネオジム磁石 サマコバ磁石、アルニコ磁石(350℃でも吸引力劣化が15%程度で、耐温度性に優れている。残留磁束密度が高く、吸引力をポイントに収束する。)などのような比較的強い磁力の磁石が好ましい。
キャップ(Y)で背面と側周面を被覆した永久磁石(M)は、片側に磁力を集中させることで磁力を強化させた磁石であり、ワーク(W)と永久磁石(M)とは非接触でワーク(W)姿勢を水平に制御する。
永久磁石(M)は、1以上設けられ、2個以上のときは並列に並べることで、両方の磁力を相乗して磁力を強化できる。
永久磁石(M)を備える遮蔽ホルダは、薄い鉄製やブリキ製の磁性体のケースで磁気軽減遮断ケースの機能をもっている。金属箱や金属筒であるので、外側へは磁性を遮断している。
遮蔽ホルダは、ワーク(W)の直近まで接近し、永久磁石(M)の磁界を収束して水平に吸引するもので、遮蔽ホルダの前面には、ワーク(W)を吸引しすぎないように、ワーク(W)に対面する側には止め前面カバーを設けている。
止め前面カバーは、遮蔽ホルダの前面に交換自在に設け、ワーク(W)を引き込まないように所定位置で止める作用で、薄いフィルムや、透明板等で形成する。内部に埃を入れないことにもなる。
遮蔽ホルダは、永久磁石(M)の磁気をワーク(W)端面にポイント収束して、ワーク(W)の水平姿勢を支持する。
遮蔽ホルダ内の永久磁石(M)とワーク(W)とは非接触であり、吸引力でその水平姿勢を支持することになる。
非接触の構造は、ワーク姿勢制御装置の遮蔽ホルダに永久磁石(M)全長深さより少し深い穴や透孔を取付孔として穿ち,永久磁石(M)をワーク姿勢制御装置(4)に螺合深度が調整できるようにネジで取り付け、その取付け具合で表面側に微細な間隙をおいて設けている。
この間隙(42)のためワーク(W)自体と磁石とは、直接に接触磁着することはなく、仮に磁力が強く吸引力でワークが水平方向に引き寄せられても、この間隙を越えて吸引磁着しない距離を割り出している。
特に、遮蔽ホルダは、螺合深度が調整できる構造であるので、間隙も調整でき、吸引力が調整できる。
吸引力の調整のほかに、さらにワーク(W)を吸引しすぎない為の構成として、遮蔽ホルダの前面にワーク(W)止め前面カバーを形成することが好ましい。
行き過ぎた吸引でも、前面カバーで止められるので、ワーク(W)の位置が加工位置から逸脱することはない。
全面前面カバーは、ワーク(W)を吸引すぎないように所定位置で止める作用をするためであり、薄い透明板やフィルムとして形成される。
ワーク(W)が前面カバーに当接しても所定位置を越えて吸引されない壁になる。
ワーク(W)の姿勢支持手段は、磁着力(磁石が密着している場合、引き離すのに必要な力)ではなく永久磁石の吸引力である。
磁石の吸引力は、所定重さのサンプルを徐々に近づけていき、サンプルが磁石に吸引された距離を計測し、この吸引力の単位をミリメートル(mm)として表わして利用する。
しかし、本考案では、磁石の中心点からの吸引力が、ワーク(W)の姿勢が水平方向に向く時点から、これに続く吸引移動開始から磁着直前までの距離を利用することができ、調整に幅があり、ワーク(W)に応じてその距離を調整できる。
遮蔽ホルダに装填された永久磁石(M)1個の吸着力は2kgfであるが、吸引力は吸着力よりは弱い。
水平姿勢の支持調整は、距離の設定のほか、磁力の強い磁石への交換や、1個以上の永久磁石を配置して、吸引力は調整できる。
吸引力で水平姿勢を支持するためには、ワーク支持装置を、順送プレス加工装置のワーク(W)加工位置に近づけてゆき、ワーク(W)は下金型の何処かの箇所を係止点(T)として載置している状態にあるので、前記係止点(T)を基点にしたその水平姿勢を支持する距離を設定し、順送プレス加工装置の輪郭の外からワーク(W)の一端を水平方向に吸引支持する地点に配置することになる。
ワーク姿勢制御装置(4)は、加工位置の左右いずれか又は前方に配置される。
ワーク(W)を磁力で吸引し水平方向に支持するタイミングは、加工位置に移送されてくると同時である。
移送されたときにはほぼ同時にワーク姿勢制御装置(4)は、加工時にずれない程度の力で水平姿勢を支持する。
支持手段として永久磁石(M)を採用したのは、永久磁石の磁力が強いものが開発され、余分な空間や装置を準備することなく、ワーク(W)を確実かつ円滑に所定位置で水平支持をすることができるからである。
本考案は、順送プレス加工装置の輪郭外即ち外側に配置され、遮蔽ホルダに収納された永久磁石(M)の位置を調整することで水平姿勢への吸引力を調整自在にしたワーク(W)の水平支持手段を提供するものであり、次のような技術的効果がある。
(1)プレス加工装置の外側に配置された永久磁石で、ワーク(W)を水平姿勢に支持するので、従来のような機械的にワーク(W)の水平位置を支持しておく機械的装置の構築がなくなり、装置の簡易化ができる。
プレス加工装置の、外側に配置するので、別の種類のワーク(W)に変更がある場合も、ワークが変わるごとに所定位置に装填し機械的に支持する作業や水平姿勢を支持する装置を要せずに、ワーク(W)を順次加工することができる。
(2)ワーク(W)を水平に支持する順送プレス加工において、吸引力の調整が、ワーク姿勢制御装置の遮蔽ホルダの移動で可能であり、ワーク(W)の形状や重量に合わせて、水平姿勢を支持する吸引力を調整できる。
(3)ワーク(W)の水平支持手段がプレス加工装置の外側に支持基台で装置されるので、水平位置を支持する条件に変更があっても、支持装置の設置条件変更で対応ができる。
外側からワーク(W)を位置決め支持するので、プレス加工装置の設計変更や金型設計変更が少なくなる。
ワーク(W)の形状・肉厚・重心に合わせて、プレス加工装置の外に適宜配置できるので、機械的支持に比べて汎用性も優れている。
(4)また、細かい部品を必要としない永久磁石を埋設したワーク姿勢制御装置のシンプルな構造であり、支持手段としては故障の発生はほとんどない。
本考案に係るワーク支持装置の実施例を示すもので、左右にワーク姿勢制御装置(4)を配置した加工工程の説明図である。ワーク姿勢制御装置(4)がワーク(W)を加工直前まで水平に支持してプレス加工される状態を順次に示している。この工程説明図は、ワーク(W)とは接触しない位置にある金型の外側部位(20)の内側に磁界発生手段であるワーク姿勢制御装置(4)を設けている説明図でもある。 本考案に係るワーク支持装置の異なる実施例を示すもので、支持基台に装置されたワーク支持装置を使用して左右のワーク(W)を同時に支持し加工する状態の説明図である。
考案に係るワーク姿勢制御装置(4)の永久磁石(M)の配置例を示すもので、ワーク(W)の一端が金型の頂面に支承されて、磁力で水平に姿勢を支持されていることを示す部分斜視図である。 同じく本考案に係るワーク支持装置の実施例を示すもので、遮蔽ホルダ内に装填されたキャップマグネットの永久磁石(M)が、遮蔽ホルダの間隙をもって左右夫々のワーク(W)とは非接触で水平姿勢に吸引する状態を示した説明図である。
同じく本考案に係るワーク支持装置でワーク(W)が水平姿勢に支持された状態を示すもので、遮蔽ホルダの前面に透明フィルムからなる止め前面カバーを形成した実施例を示す側面断面図である。前面カバーはワーク(W)を所定位置で止める作用である。 同じく本考案に係るワーク支持装置でワーク(W)が水平姿勢に支持された状態を示すもので、遮蔽ホルダの前面が閉塞されていない孔の開いた状態で、ワーク(W)の端部に当接する止め突起を設けた実施例を示す側面断面図である。
遮蔽ホルダ内に装填されたキャップマグネットの永久磁石(M)の配置例を示すものである。横に並列に間隔を置いて配置することで、2つの磁力を有効に幅広くワーク(W)に及ぼす例である。 本考案に係るワーク支持装置の全体概略を示す説明図であり、永久磁石(M)を内設するワーク姿勢制御装置と可動な支持基台からなるワーク支持装置を3カ所に配意した説明図である。 本考案に係るワーク支持装置を順送プレス加工装置に装置した状態の全体の概略説明図である。
従来の機械的手段でワーク(W)を水平位置に支持する構成と加工工程を示す説明図である。
本考案に係るワーク支持装置を実施するための最良の形態を説明する。
基本形態は、帯状の金属板材のワーク(W)を等ピッチで順次移送し、穿孔、切断・プレス加工を施す順送プレス加工装置(1)において、移送されてくるワーク(W)の金型加工の際の姿勢を水平に支持するワーク支持装置である。
ワーク支持装置は、ワーク(W)を吸引して水平姿勢を支持する永久磁石(M)を前後動調整自在 上下昇降動自在 左右動調整自在 にプレス加工装置の外側適宜位置に装置したものである。
ワーク支持装置は、ワーク(W)が少なくとも一端に於いてプレス加工装置(1)の下金型(2)の上端を係止点(T)として載置している状態で、他端は機械的支持がない状態で、その加工位置に在る当該ワーク(W)に対し、前記係止点(T)を基点にしたその水平姿勢を支持するようにワーク(W)の前記他端を水平方向に磁力により吸引するために、順送プレス加工装置(1)におけるワーク(W)加工位置に対面してワーク姿勢制御装置(4)を設けたものである。
ワーク(W)とは接触しない位置にある金型の外側部位(20)又はその内側に磁界発生手段であるワーク姿勢制御装置(4)を設けるか、或いは金型とは離れた位置に磁界発生手段であるワーク姿勢制御装置(4)を設けたものである。
接触しない位置とは、ワーク加工金型部分と連結しているが離れた金型の部分の位置や、金型とは別に金型から離れた位置の意味である。
ワーク姿勢制御装置(4)は、接触しない位置にある金型或いは支持基台(5)に装置されており、ワーク(W)への左右水平接近距離調節(52)及び上下昇降調節(51)及びワーク(W)の順送方向(A)と平行な前後動調節(53)が可能なように配置される。
ワーク(W)姿勢を水平に吸引する永久磁石(M)を備えたワーク姿勢制御装置(4)をプレス加工装置の外側 輪郭外に設けたワーク支持装置である。
前記ワーク姿勢制御装置(4)は、キャップ(Y)(ヨーク 継鉄)で背面を被覆した永久磁石(M)を一個以上遮蔽ホルダ(41)内に装填して、磁力を集中させ、永久磁石(M)の表面側に間隙(42)を形成したことを特徴とするものである。
間隙(42)は、直接の磁着を避ける防護域となる。
遮蔽ホルダ(41)の開口部には、止め前面カバー(41a)或いは止め突起(43)を備え、直接の磁着を避けるとともに、ワーク(W)を所定位置以上は吸引しない。
本考案のワーク姿勢制御装置(4)は、加工位置にあるワーク(W)に対して、水平乃至水平から1度〜2度上向きに傾斜した吸引力を及ぼすべく、ワーク(W)の水平方向の端面に対面する永久磁石を、左右又は前方のうち1ヶ所以上に配置し、その永久磁石は、上下昇降、左右移動及び前後移動の移動調整自在に設けられている。
永久磁石(M)は、幅の狭いワーク(W)端面に対面しているために吸引力がネオジム磁石 サマコバ磁石などのような比較的強い磁力の磁石が好ましい。
キャップ(Y)で被覆した永久磁石(M)は、片側に磁力を集中させることで磁力を強化させた磁石であり、ワーク(W)と永久磁石(M)とは非接触でワーク(W)姿勢を水平に制御する。
永久磁石(M)は1以上設けられ、並列に並べることで、両方の磁力を相乗して磁力を強化できる。
永久磁石(M)を備える遮蔽ホルダ(41)は、ワーク(W)の直近まで接近し、永久磁石(M)の磁界を収束して水平に吸引する。
帯状ワーク(W)は、例えば、最初に孔開け加工され、小孔を施されたワーク(W)が自動送りされ、次にワーク(W)は短冊状に2列に切断される。
切断工程で短冊状に切断された2個のワーク(W)は、次の工程に移動する。
加工工程は、小孔穿設、切断、第1曲工程、第2曲工程、第3曲工程及び第4曲工程など、数次の曲げ工程やプレス工程があるが、その加工の際のワーク(W)の水平支持手段が、プレス加工装置(1)の輪郭外に、ワーク姿勢制御装置(4)として配置するだけであるので、複雑な機械的手段や余分な空間を要せず、従来装置をそのまま利用できるメリットがある。
次に本考案にかかるワーク支持装置について、図面に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本考案に係るワーク支持装置の実施例を示すもので、2列になって送られてくる順送プレス加工装置(1)におけるそれぞれのワーク(W)の所定加工位置の左右にワーク姿勢制御装置(4)を配置した装置の加工工程の説明図である。
ワーク姿勢制御装置(4)は、金型(2)とその金型(2)がワーク(W)を加工する位置から離れた位置、すなわちワーク(W)とは接触しない位置にある金型に装置されている。金型(2)の外側部位(20)も金型部分である。
ワーク姿勢制御装置(4)が、2列になって送られてくるワーク(W)を、屈折加工する工程で、左右それぞれのワーク(W)に対して、左と右に設置したワーク姿勢制御装置(4)でプレスの加工時に水平に支持して、下金型(2)と上金型(3)で、順次プレス加工される状態を示している。
永久磁石(M)を内設する遮蔽ホルダ(41)を支持基台(5)に設けたワーク姿勢制御装置(4)は、永久磁石(M)の表面と遮蔽ホルダ(41)の前面とは間隙(42)をおいて設けられ、かつ永久磁石(M)は、ワーク(W)とは接触しないで磁力で水平姿勢に吸引することを示している。
永久磁石(M)の表面と遮蔽ホルダ(41)の前面とで形成する間隙(42)は、ハンドル(4)を回すことで遮蔽ホルダ(41)内をネジ等での螺合進退でき、左右水平動する永久磁石(M)の進退で調整できる。
切断・プレス加工時に順送されてきたワーク(W)は、所定の加工位置にくると、左右両方配置された永久磁石(M)の吸引力で、非接触にして離脱可能に吸引されて水平姿勢を支持される。
ワーク姿勢制御装置(4)は、ワーク(W)端面とは非接触の位置で水平の高さ(H)で対面し、水平距離を調整されて非接触でワーク(W)の一端を空間に水平支持する。
図1及び図2〜図9で示す通り、下金型(2)の曲げ加工の上端頂面に、ワーク(W)が載置されて移動してくる加工では、下金型(2)の曲げ加工の頂面は狭く、ワーク(W)自体ではその姿勢を支持できないので、何らかの手段でその加工姿勢を支持する装置を必要とするが、下金型(2)の上端を係止点(T)として載置している状態で、その加工位置に在る当該ワーク(W)に対しその一端を水平方向に磁力により吸引するワーク姿勢制御装置(4)を設けている。
ワーク姿勢制御装置(4)は支持基台(5)に取り付けられ、ワーク(W)と対面する永久磁石(M)は、構成上、左右水平接近距離調節(52)及び上下昇降調節(51)及びワーク(W)の順送方向(A)と平行な前後動調節(53)が可能になっている。
ワーク姿勢制御装置(4)の3方向への進退昇降移動は、特にその機構や構成を限定するものではない。
ワーク姿勢制御装置(4)は、遮蔽ホルダ(41)内に装填されたキャップマグネット型の永久磁石(M)が、その前面先端とは間隙(42)をもって内設されている。
間隙(42)は、実施例図では、説明上広く図化しているが、その前面先端の表面よりも0.3mm〜1.0mm凹んで配置している。
この構成で、ワーク(W)と接触しない吸引力でワーク(W)を吸引する。
吸引ではなく、磁着した場合には、離脱の負荷のために、次の工程に移動するときに移動姿勢が不安定になるので、それを回避するとともに、瞬時の支持であるので、吸引力は、充分に調整される。
さらに、切断や加工の工程で、万一にも発生する破片などがあっても、間隙(42)があるためにワーク(W)に接触しないので、ワーク(W)に傷をつけるのを防ぐことができる。
このように、ワーク(W)が永久磁石(M)で水平姿勢を支持されている状態で、上金型(3)が垂下(P)してきて、下金型(2)に押圧し、屈折加工を行う。
図2は、本考案に係るワーク支持装置の異なる実施例で、金型にワーク姿勢制御装置(4)を一体化したものではなく、支持基台(5)にワーク姿勢制御装置(4)を装置して ワーク(W)を水平姿勢に支持した状態で加工する説明図である。
ワーク姿勢制御装置(4)は、永久磁石(M)を内設した遮蔽ホルダ(41)と、その支持基台(5)で構成される。
永久磁石(M)は、遮蔽ホルダ(41)の取付孔に装填されてネジの螺合進退で水平方向前進後退(52)し、ワーク(W)との距離を調整できる。
支持基台(5)は、上下昇降調節(51)及びワーク(W)の順送方向(A)と平行な前後動調節(53)が可能になっている。
図3は、ワーク(W)姿勢制御装置(4)の永久磁石(M)の配置例を示すものである。ワーク(W)はその一端が下金型(2)の上端頂面に支承されていて、他端が磁力で水平に姿勢を支持されている。
永久磁石(M)は並列に複数個並べられ、図3では、ワーク(W)が並列する永久磁石(M)のうちのひとつの中心に対面する位置が加工位置になっている。
例えば、磁石は、弱強強強弱の順に並べるとか、全て均等な磁力の強強強強強のみを並べるとかの設計ができる。
図7も並列の配置例で、横に並列に間隔を置いて配置することで、2つ以上の磁力を有効に線状に幅広くワーク(W)に及ぼす配置例である。
ワーク(W)の端部が長い幅がある場合などには、安定した水平支持が可能である。
加工位置で水平姿勢を支持するのは一つの永久磁石(M)でもよいが、他の隣接する永久磁石(M)も水平姿勢を支持する磁力を及ぼすので、直線状に配することで順送に対応して安定した水平支持ができる。
図4は、遮蔽ホルダ(41)内に装填されたキャップマグネットの永久磁石(M)が、遮蔽ホルダ(41)の表面間隙(42)をもってワーク(W)とは非接触で吸引する状態を示した説明図である。
遮蔽ホルダ(41)の前面に止めワーク(W)の吸引を止める前面カバー(41a)を設けた構成を示している。
図5は、ワーク姿勢制御装置(4)でワーク(W)が水平姿勢に支持された状態を示すもので、遮蔽ホルダ(41)の前面に透明フィルム等からなる全面に止め前面カバー(41a)を形成した実施例を示すものである。
そもそもワーク姿勢制御装置(4)は、ワーク(W)を移動させるものはなく、
その姿勢を水平に起こす磁力の設計ではある。
ただ、ワーク(W)に万一の吸引移動が発生して位置ずれが起きそうになっても、前面カバー(41a)は、ワーク(W)の吸引による移動の限界点となっているので、加工姿勢や位置を保証する。
図6は、遮蔽ホルダ(41)の前面に開口した前面カバー(41a)を形成し、止め突起(43)を付設したものを示している。止め突起(43)も、ワーク(W)の位置ずれを規制するものである。
図8は、ワーク支持装置の全体概略を示す説明図であり、永久磁石(M)を内設するワーク姿勢制御装置(4)と可動な支持基台(5)からなるワーク支持装置を3カ所に配置した説明図である。
ワーク支持装置は、ワーク(W)を吸引して水平姿勢を支持する永久磁石(M)を前後動調整自在 上下昇降動自在 左右動調整自在 に装置したものになる。
図9は、プレス加工装置の全体概略を示す斜視説明図であり、ワーク支持装置を順送プレス加工装置(1)の外側に装置した状態を示す。
ワーク加工位置の外側に支持基台(5)に装置されたワーク姿勢制御装置(4)を設置したものである。
既設のプレス加工装置に後付けで設置が可能である。
本考案に係るワーク姿勢制御装置(4)を使用したプレス加工では、等ピッチで進行してくるワーク(W)をプレス加工の所定位置に順送したと同時に、ワーク姿勢制御装置(4)でその所定位置で水平姿勢に支持するので、プレス加工は従前通りにでき、作業性も安定している。
本考案の、順送プレス加工装置におけるワーク支持装置(4)は、磁性金属板の連続加工においてワーク(W)を安定して水平支持できるもので、ワークの姿勢を何らかの角度で姿勢支持する要請のある装置などに利用できる技術である。
P プレス加工方向
C カット加工
W ワーク(被加工材)
H ワークの水平方向
A ワークの順送進行方向
1 順送プレス加工装置
2 金型(下金型)
20 金型の外側部位
3 金型(上金型)
Ka 左下金型
Kb 右下金型
Kc 左上金型
Kd 右上金型
T 係止点
4 ワーク姿勢制御装置
M 磁石(永久磁石)
Y キャップ(ヨーク)
N 磁石のN極
S 磁石のS局
40 (左右水平動調節の)ハンドル
41 遮蔽ホルダ
41a 前面カバー
42 隙間
43 止め突起
5 支持基台
51 上下昇降動
52 左右水平動
53 前後動



Claims (4)

  1. プレス加工装置のワーク(W)の加工位置においてワーク(W)の水平姿勢を支持するように、ワーク(W)の一端を水平方向に磁力により吸引する永久磁石(M)を内設した遮蔽ホルダを設けたワーク姿勢制御装置を支持基台に取り付け、前記ワーク姿勢制御装置の永久磁石(M)は、ワーク(W)端面と非接触の位置で水平な高さで対面し、ワーク(W)への水平接近距離調節自在に設けたことを特徴とするワーク支持装置。
  2. プレス加工装置におけるワーク支持装置であって、ワーク(W)は少なくとも一端に於いてプレス加工装置の下金型の何処かの上面箇所を係止点(T)として係止され、他端は支持がない状態で、その加工位置に在る当該ワーク(W)に対し、前記係止点(T)を基点にしたその水平姿勢を支持するようにワーク(W)の前記他端側を水平方向に磁力により吸引する永久磁石(M)を内設した遮蔽ホルダを設けたワーク姿勢制御装置と、当該ワーク姿勢制御装置をプレス加工位置の外側に取付けた支持基台からなり、プレス加工装置におけるワーク(W)加工位置に水平な高さで対面した前記支持基台に取付けたワーク姿勢制御装置の遮蔽ホルダに内設された永久磁石(M)を、ワーク(W)への水平接近距離調節自在に構成し、及び支持基台を上下昇降調節自在な構造及びワーク(W)の順送方向と平行な前後動調節自在な構成とし、ワーク(W)端面とは非接触の位置で水平の高さ(H)で対面し、水平距離を調整されて非接触でワーク(W)の一端を空間に水平支持することを特徴とするワーク支持装置。
  3. 前記ワーク姿勢制御装置は、キャップ(Y)で背面を被覆した永久磁石(M)を一個以上遮蔽ホルダ内に装填して、遮蔽ホルダは開口部に前面カバー或いは止め突起を備えかつ永久磁石(M)の表面側に間隙を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載のワーク支持装置。
  4. 前記ワーク姿勢制御装置は、金型の加工位置の外側で、その加工位置から離れた金型の外側部位或いはその内側に設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のワーク支持装置。
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