JP3206704U - 獣類侵入防止柵用支柱 - Google Patents
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Abstract
【課題】地面への打ち込みの作業性が良好な獣類侵入防止柵用支柱を提供する。【解決手段】金属製の軸体からなり、地面に対して起立し、柵体が固定される固定支柱部2と、固定支柱部2の下端に位置し、保護領域から非保護領域へ向かって延びる延長支柱部3と、その延長支柱部3の非保護領域側の端部に位置し、下方に延びる基礎支柱部4とを有する。地面に近い延長支柱部を木槌、ハンマーなどで叩くことによって、基礎支柱部をより容易に地面に打ち込むことができる。【選択図】図1
Description
この考案は、鹿、猪、狸などの獣類が田畑や放牧地などに侵入することを防止する獣類侵入防止柵を支える獣類侵入防止柵用支柱に関する。
鹿、猪、狸などの獣類が田畑や放牧地等に侵入して農作物を食い荒らすことを防止するための対策として、その田畑や放牧地等の周囲に獣類侵入防止柵の設置が行われている。
この獣類侵入防止柵として、所定の間隔をあけて地面に打ち込まれた複数の支柱に主柵体が支持され、その主柵体の下部に、地面に沿って設けられた裾柵体と、その裾柵体の端部から動物の侵入方向に斜め上方に突出する踏切り攪乱用柵体とを備えたものが知られている(特許文献1参照)。
この獣類侵入防止柵は、裾柵体によりその下方の地面を掘り起こす距離が長くなり、踏切り攪乱用柵体により、主柵体を飛び越える獣類の跳躍すべき距離が長くなるので、獣類の獣類侵入防止柵内への侵入を防止することができる。
特許文献1に記載された獣類侵入防止柵は、主柵体を飛び越えて侵入しようとする獣類、特に鹿の侵入を防止するためには、主柵体の高さを十分に高く(例えば、1.5〜2m程度)する必要があり、主柵体を支える支柱の高さも高くする必要があった。
支柱を地面に打ち込む際、脚立などの上に立ち、地面からの支柱の高さが所定高さとなるまで支柱の上端を木槌やハンマーなどの工具で何度も叩き、支柱の下部を地面に埋め込む必要があった。
このような脚立などの上での支柱の打ち込み作業は不安定であり、地面からの支柱の高さが高くなるほど、重労働となり、作業性が悪いという問題があった。
そこで、この考案の課題は、地面への打ち込みの作業性が良好な獣類侵入防止柵用支柱を提供することにある。
前記の課題を解決するために、保護領域内への獣類の侵入を防止する柵体を支える軸体からなる獣類侵入防止柵用支柱であって、地面に対して起立し、前記柵体が固定される固定支柱部と、その固定支柱部の下端から地面に沿って延びる延長支柱部と、その延長支柱部の前記固定支柱部と反対側の端部から下方に延びる基礎支柱部とを有する構成を採用することができる。
この構成によると、固定支柱部の上端よりも地面に近い延長支柱部を木槌、ハンマーなどで叩くことによって、基礎支柱部を地面に打ち込むことができる。また、地面に接するまで延長支柱部を打ち込めばよく、延長支柱部が基礎支柱部の打ち込み位置の目印となる。
前記構成において、前記延長支柱部は、前記固定支柱部側の端部が前記保護領域側に位置し、前記基礎支柱部側の端部が前記保護領域以外の非保護領域側に位置する状態である構成を採用することができる。
通常、獣類が衝突したり、もたれかかったりすることで、獣類侵入防止柵の柵体に対して非保護領域から保護領域へ向かう外力が作用する。この外力によって柵体が固定された固定支柱部に荷重が負荷される。このような荷重が負荷されたとき、延長支柱部の固定支柱部側の端部が地面を押し付けるため、その荷重を地面で受けることができる。
前記固定支柱部及び基礎支柱部が軸心方向に間隔をおいて配置された複数のリブを有し、それぞれのリブが周方向に形成されている構成を採用することができる。この構成によると、固定支柱部の隣り合うリブの間に、例えば、針金や結束帯などを巻き付けて柵体を固定することで、下方のリブにより針金などの下方への移動を規制することができる。
また、地面に挿し込まれた基礎支柱部は、リブにより地面に対して、より大きなアンカー効果が生じるので地面から抜け出にくくなる。
また、前記延長支柱部が接地部材を有する構成を採用すると、延長支柱部は接地部材の接地面積分だけ接地面積が大きくなる。このため、地盤が緩い場所に設置した場合や、積雪に伴い雪の重さで柵体へ負荷が掛かる場合など、獣類侵入防止柵用支柱が地面に対して沈み込むこと防止することができる。
前記接地部材が平板状であって、その下面が地面を臨む状態である構成を採用することができる。接地部材の下面の全面が接地面となり、より大きな接地面積を確保することができる。
以上のように、この考案は、延長支柱部を叩くことで基礎支柱部を地面に挿し込むことができるので、固定支柱部の上端を叩くための脚立などが不要となり、打ち込み作業の効率が向上する。
以下、この考案の第一実施形態に係る獣類侵入防止柵用支柱を添付図面の図1〜図3に基づいて説明する。この実施形態に係る獣類侵入防止柵用支柱1は金属製の軸体からなり、田畑や放牧地等の保護領域A1内への獣類の侵入を防止する柵体10が固定されている。
獣類侵入防止柵用支柱1(以下、単に支柱1と称する)は、柵体10が固定され、地面Gに対して起立する固定支柱部2と、固定支柱部2の下端に位置し、地面に沿って延びる延長支柱部3と、延長支柱部3の固定支柱部2と反対側の端部に位置し、下方に延びる基礎支柱部4とを有する。
固定支柱部2は、図3(c)に示すように、断面が円形の軸体からなる。固定支柱部2は、その外周部に軸線方向に沿って形成された突条5と、軸線方向に一定のピッチで間隔をおいて周方向に延びる複数のリブ6、6・・・とを有する。
突条5は、固定支柱部2の軸線を挟んで直径方向両側の二箇所に形成される。リブ6は、固定支柱部2の半周ごとに軸線方向の位置が半ピッチ分ずれて形成される。突条5及びリブ6は、その突出高さが同じであって、突条5及びリブ6の頂面は連続面となっている。
固定支柱部2の高さ(地面からの高さ)は、保護領域A1への侵入を防止する獣類に応じて、設定される。例えば、獣類が鹿、猪、狸等であれば、1.0m〜2.5mに設定される。
延長支柱部3は、固定支柱部の下端に配置され、断面が円形の軸体からなる。延長支柱部3は、図2(b)に示すように、固定支柱部2の下端に配置されており、保護領域A1から非保護領域A2へ向かって地面Gに沿って延び出している。なお、非保護領域A2とは、保護領域A1以外の領域をいう。
延長支柱部3は、固定支柱部2と同様に、その外周部に軸線方向に沿って形成された突条5と、軸線方向に一定のピッチで間隔をおいて周方向に延びる複数のリブ6、6・・・とを有する。
延長支柱部3の長さは、支柱1の設置時に、ハンマー、木槌等の工具を延長支柱部3に対して打ち込み可能な長さに設定される。例えば、5〜20cmに設定される。
基礎支柱部4は、断面円形の軸体からなり、延長支柱部3の固定支柱部2と反対側の端部(非保護領域A2側の端部)に配置され、下方に延び出している。また、基礎支柱部4は、固定支柱部2と同様に、その外周部に軸線方向に沿って形成された突条5と、軸線方向に一定のピッチで間隔をおいて周方向に延びる複数のリブ6、6・・・とを有する。
基礎支柱部4の長さは、その基礎支柱部4が地面に打ち込まれた状態で、固定支柱部2に固定された柵体10が自重で非保護領域A2側に倒れないような長さに設定される。具体的には、40〜100cmに設定されている。
支柱1としては、鋳鉄、鋼(工具鋼、特殊鋼)などの鉄系材料を採用することが可能であり、耐食性、曲げ強度に優れるものが好ましい。なお、支柱1は、金属製の軸体からなる固定支柱部2、延長支柱部3及び基礎支柱部4を溶接により一体化して作成してもよい。また、金属製の軸体を折り曲げ加工することにより、固定支柱部2、延長支柱部3及び基礎支柱部4を有する支柱1を作成してもよい。
固定支柱部2に固定される柵体10は、間隔をおいて配列された複数の横線材10a及び縦線材10bが格子状に組み合わされた金網である。柵体10は、固定支柱部2に対して非保護領域A2側に配置され、横線材10aと縦線材10bの交点部分が固定支柱部2に固定される。
柵体10の横線材10aは、図3に示すように固定支柱部2の隣り合うリブ6、6の間に配置されている。リブ6により、横線材10aの上下方向の移動が規制される。
縦線材10bは、固定支柱部2に沿って上下方向に配置され、横線材10aを固定支柱部2に押し付けた状態で固定支柱部2に固定される。縦線材10bの固定支柱部2に対する固定は、図3(a)〜(c)に示すように、固定支柱部2に巻き回した針金11の両端部を相互に捩ることでなされる。
それぞれの縦線材10bの間隔は、保護領域A1への侵入防止の対象となる獣類により、適宜設定され、例えば、10〜15cmに設定される。それぞれの横線材10aの間隔は、図2(a)に示すように、柵体10の上部が下部と比較して広い間隔となっている。例えば、柵体10の上部では、それぞれの縦線材10bの間隔と同じ間隔であり、柵体10の下部では、それぞれの縦線材10bの間隔の半分の間隔となっている。
この実施形態では柵体10は金網であるが、天然繊維、合成繊維又はこれらの混合繊維を素材とする紐体を格子状に編んだ網状体であってもよい。
また、固定支柱部2に対する柵体10の固定は、針金11を用いているが、これに限られない。例えば、樹脂製の結束帯、天然繊維、合成繊維又はこれらの混合繊維を素材とする紐体などを用いてもよい。
この実施形態に係る支柱1は、以上のように構成される。次に、支柱1の設置について説明する。まず、保護領域A1の周囲において、支柱1を地面上で起立状態に保持する。このとき、延長支柱部3の固定支柱部2側の端部を保護領域A1側に位置させ、延長支柱部3の基礎支柱部4側の端部を被保護領域A2側に位置させる。
続いて、支柱1を起立状態に保持しつつ、延長支柱部3をハンマー、木槌などの工具で叩き、基礎支柱部4を地面に打ち込む。ここで、延長支柱部3は、固定支柱部2の上端よりも低い位置にある。
このため、従来のように脚立の上に立って、支柱の上端を工具で叩く必要がなく、地面に立った状態、あるいは座った状態で延長支柱部3を叩くことが可能となり、効率良く支柱1の打ち込み作業を行うことができる。
さらに、延長支柱部3を地面に接するまで打ち込むことにより、基礎支柱部4が確実に地面に打ち込まれるので、延長支柱部3が基礎支柱部4の打ち込み位置の目印となる。延長支柱部3が地面に接することで、地盤の緩い箇所である場合や、積雪に伴い柵体10に雪の重みが負荷される場合であっても、支柱1の沈み込みを防止することができる。
また、固定支柱部2の高さが予め設定されている。このため、複数の支柱1について、延長支柱部3を地面に接するまで打ち込むことで、地面からの固定支柱部2の高さが揃い景観が良いものとなる。
基礎支柱部4は、軸心方向に間隔をおいて配置されたリブ6を有する。これらのリブ6が地中に食い込むことにより、アンカー効果を奏するため、支柱1が地面から抜け出にくくなる。
基礎支柱部4が地面に打ち込まれることで、支柱1は固定支柱部2が地面から起立した状態に設置される。また、延長支柱部3は、固定支柱部2の下端に配置されて、保護領域A1から非保護領域A2へ向かって地面に沿って延びる状態となっている。
このように設置される支柱1と同様に、保護領域A1の周囲に一定の間隔をおいて、他の支柱1を複数設置する。その後、複数設置された支柱1のそれぞれの固定支柱部2に柵体10を上述した針金11を用いて固定する。
このようにして、保護領域A1の周囲に柵体10が張り巡らされる。柵体10に対して、獣類が衝突したり、もたれかかったりして、非保護領域A2から保護領域A1へ向かう外力が作用する。
この外力によって、柵体10が固定された固定支柱部2に荷重が負荷される。固定支柱部2に荷重が負荷されたとき、延長支柱部3の固定支柱部2側の端部が地面を押し付けるため、その荷重を地面で受けることができる。
この考案の第二実施形態に係る獣類侵入防止柵用支柱を図4、5に基づいて説明する。この実施形態は、延長支柱部3が接地部材12を有する点で、上述の第一実施形態と相違する。その他の構造は第一実施形態と同じと考えられ、同じ符号を付してその説明を省略する。
延長支柱部3は、図4に示すように、その下方に板状の接地部材12を有している。接地部材12は、矩形の金属製の板状部材からなり、その長さ方向が延長支柱部3の長さ方向と一致する状態となっている。
接地部材12は、その下面が地面Gを臨む状態で、延長支柱部3に対して溶接により固定されている。このため、図5に示すように、支柱1を地面に設置した状態において、接地部材12の下面が地面Gに接している。
この第二実施形態では、支柱1を設置した場合、延長支柱部3は接地部材12により、より大きな接地面積を確保することが可能となる。その結果、第一実施形態の支柱1と比較して、地盤の緩い箇所である場合や、積雪に伴い柵体10に雪の重みが負荷される場合であっても、より効果的に支柱1の沈み込みを防止することができる。
なお、接地部材12は、板状部材に限られず、支柱1を地面Gに設置した状態において、地面Gに対する接地面を有するものであればよい。
1 獣類侵入防止柵用支柱(支柱)
2 固定支柱部
3 延長支柱部
4 基礎支柱部
5 突条
6 リブ
10 柵体
10a 横線材
10b 縦線材
11 針金
12 接地部材
A1 保護領域
A2 非保護領域
G 地面
2 固定支柱部
3 延長支柱部
4 基礎支柱部
5 突条
6 リブ
10 柵体
10a 横線材
10b 縦線材
11 針金
12 接地部材
A1 保護領域
A2 非保護領域
G 地面
Claims (5)
- 保護領域内への獣類の侵入を防止する柵体(10)を支える軸体からなる獣類侵入防止柵用支柱であって、地面に対して起立し、前記柵体(10)が固定される固定支柱部(2)と、その固定支柱部(2)の下端から地面に沿って延びる延長支柱部(3)と、その延長支柱部(3)の前記固定支柱部(2)と反対側の端部から下方に延びる基礎支柱部(4)とを有する獣類侵入防止柵用支柱。
- 前記延長支柱部(3)は、前記固定支柱部(2)側の端部が前記保護領域側に位置し、前記基礎支柱部(4)側の端部が前記保護領域以外の非保護領域側に位置する状態である請求項1に記載の獣類侵入防止柵用支柱。
- 前記固定支柱部(2)及び基礎支柱部(4)が軸心方向に間隔をおいて配置された複数のリブ(6)を有し、それぞれのリブ(6)が周方向に形成されている請求項1または2に記載の獣類侵入防止柵用支柱。
- 前記延長支柱部(3)が接地部材(12)を有する請求項1乃至3のいずれかに記載の獣類侵入防止柵用支柱。
- 前記接地部材(12)が平板状であって、その下面が地面を臨む状態である請求項4に記載の獣類侵入防止柵用支柱。
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---|---|---|---|
JP2016003493U JP3206704U (ja) | 2016-07-20 | 2016-07-20 | 獣類侵入防止柵用支柱 |
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