JP3206292B2 - 組立式クランクシャフト - Google Patents

組立式クランクシャフト

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JP3206292B2
JP3206292B2 JP08543194A JP8543194A JP3206292B2 JP 3206292 B2 JP3206292 B2 JP 3206292B2 JP 08543194 A JP08543194 A JP 08543194A JP 8543194 A JP8543194 A JP 8543194A JP 3206292 B2 JP3206292 B2 JP 3206292B2
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は組立式クランクシャフ
トに係り、特に二輪車や四輪車、船外機、スノーモビル
等の2サイクル多気筒エンジンに使用され、コストの低
減を図る組立式クランクシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】クランクシャフトは、コネクティングロ
ッドの往復運動を回転運動に変換するものであり、これ
により、ピストンに働く圧力をエンジントルクに変換す
るものである。
【0003】また、前記クランクシャフトの材質には、
一般に炭素鋼や特殊鋼、そして、特殊鋳鉄等が用いら
れ、鍛造のものと鋳造のものとがあるが、一般に鍛造の
ものが多く使用されている。
【0004】更に、エンジンにおいては、クランクシャ
フトの不釣合をなくして回転を円滑に行わせるために、
バランスウェイト及びクランクバランサを設けている。
そして、バランスウェイト及びクランクバランサを取付
けることにより、エンジンの振動が少なくなり、回転が
円滑になり、クランクジャーナルやベアリングの摩擦を
低減させることができるものである。
【0005】更にまた、2サイクルエンジンとは、クラ
ンクシャフトの1回転によりピストンが2行程動くエン
ジンのことであり、4サイクルエンジンとは区別され、
2サイクルエンジンは、主に出力を重要視する二輪車や
船外機、そしてスノーモビルと称される雪上車に搭載さ
れている。
【0006】前記組立式クランクシャフトとしては、特
開昭58−28009号公報に開示されるものがある。
この公報に開示されるエンジンは、連接棒の平軸受が装
入されている大端部を、クランク軸のウェブに組み付け
られているクランクピンに連結させ、連接棒の大端部の
軽量化を図っている。
【0007】また、特開平2−42207号公報に開示
されるものがある。この公報に開示される連接棒の接続
装置は、連接棒の大端部に平軸受を装入し、大端部をク
ランク軸のクランクピンに連結し、平軸受を一体型とす
るとともに、その内周部の内径を小端部と大端部とを結
ぶ軸線に対して直交する部位で最大とし、連接棒の大端
部の軽量化及び慣性質量の低減化を図るとともに、焼き
付きの生じない連接棒としている。
【0008】更に、実開昭58−16421号公報に開
示されるものがある。この公報に開示されるクランク軸
の軸受装置は、クランクケースに複数個のボール軸受を
介してクランク軸を回転自在に支承するようにし、ボー
ル軸受のジャーナル部に圧入等により固定し、またその
アウタレースをクランクケースの軸受孔に嵌合し、少な
くとも一つのボール軸受の一側面に、そのアウタレース
を軸方向一方に偏倚させるばね等の偏倚部材を設け、残
余のボール軸受のアウタレース外側面に偏倚部材の偏倚
力に対抗するストッパ片を配設している。
【0009】更にまた、実開昭59−43715号公報
に開示されるものがある。この公報に開示される内燃機
関におけるクランク軸支持装置は、アウターリングを構
成する一方の半割り部材に深座グリ穴を設け、アウター
リングを構成する半割り部材同士を、頭部上面に断面多
角形状の締付用穴を有するボルトによって深座グリ穴か
ら連結するとともに、ボルト頭部を深座グリ穴内に沈み
込んだ状態で収納している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の組立
式クランクシャフトにおいては、一側のクランクピンと
他側のクランクピンとを支持するシャフト構成体を一体
形成している。
【0011】つまり、図7及び図8に示す如く、クラン
クシャフト102を、第1端部シャフト部110−1
と、第2端部シャフト部110−2と、第1、第2端部
シャフト部110−1、110−2間に位置する2個の
第1、第2シャフト構成体112−1、112−2と、
第1〜第3クランクピン104−1、104−2、4−
3とにより組み上げる際に、第1シャフト構成体112
−1及び第2シャフト構成体112−2を一体形成し、
これら第1、第2シャフト構成体112−1、112−
2の外周面を軸受用転動面Fとして機能させるととも
に、軸受用転動面Fに分割式の第1、第2軸受150−
1、150−2を配設している。
【0012】しかし、前記シャフト構成体が一体形成さ
れていることにより、鍛造素材や機械加工時の制約があ
り、これらの制約によってウェブ部分の選択の自由度が
低くなり、理想的なクランクバランスの設定が困難とな
り、実用上不利であるという不都合がある。
【0013】また、分割式の軸受の転動面が、熱容量の
大なる左右のシャフト構成体のウェブ部分にあることに
より、熱処理後の表面硬度のバラツキが大きく、コスト
が大となって経済的に不利であるという不都合がある。
【0014】更に、クランクシャフトの半径によってク
ランクピン径やシャフト構成体の径の選択に制限が生ず
ることにより、クランクシャフトの剛性確保が困難とな
り、使い勝手が悪いという不都合がある。
【0015】更にまた、分割式の軸受を使用することに
より、コストが大となり、経済的に不利であるという不
都合がある。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、上
述不都合を除去するために、クランクピンを介して伝達
されるコネクティングロッドの往復運動を回転運動に変
換するクランクシャフトにおいて、前記クランクシャフ
トは、軸受を挟んで隣り合う気筒の一側の気筒のクラン
クピンを支持する第1ウェブと他側の気筒のクランクピ
ンを支持する第2ウェブとを別体に形成するとともに、
前記第1ウェブに設けた第1圧入部と第2ウェブに設け
た第2圧入部とを円筒状のコネクティングチューブに圧
入連結してなるシャフト構成体を備え、前記コネクティ
ングチューブの外周面へ一体に軸受用転動面を形成する
とともに、前記軸受用転動面と第1、第2ウェブの第
1、第2圧入部の境界部分がオーバラップしないように
前記軸受を配設したことを特徴とする。
【0017】
【作用】上述の如く発明したことにより、シャフト構成
体を、一側の第1ウェブと他側の第2ウェブと第1、第
2圧入部を圧入して第1、第2ウェブを連結するコネク
ティングチューブとコネクティングチューブ外周面に配
設する軸受とにより組み上げるとともに、前記シャフト
構成体によってクランクシャフトを組み上げ、コストの
低減を図っている。
【0018】
【実施例】以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細
に説明する。
【0019】図1〜図4はこの発明の第1実施例を示す
ものである。図1において、2は図示しない2サイクル
多気筒、例えば6気筒エンジンのクランクシャフトであ
る。
【0020】このクランクシャフト2は、図示しない前
記6気筒エンジンのシリンダブロック(図示せず)の下
部に軸支されるとともに、図示しないクランクケースハ
ウジングが取り付けられ、シリンダブロックとクランク
ケースハウジングとによってクランクケースであるクラ
ンク室(図示せず)が形成される。
【0021】また、前記クランクシャフト2に、1個の
クランクピン4毎に2個のコネクティングロッド6を装
着、つまり第1クランクピン4−1に第1、第2コネク
ティングロッド6−1、6−2を装着するとともに、第
2クランクピン4−2に第3、第4コネクティングロッ
ド6−3、6−4を装着し、第3クランクピン4−3に
第5、第6コネクティングロッド6−5、6−6を装着
し、これら第1〜第6コネクティングロッド6−1、6
−2、6−3、6−4、6−5、6−6を介して第1〜
第6ピストン8−1(第2〜第6ピストンは省略)を連
結している。そして、夫々のピストン8−1の往復運動
を第1〜第6コネクティングロッド6−1、6−2、6
−3、6−4、6−5、6−6及び第1〜第3クランク
ピン4−1、4−2、4−3により回転運動に変換して
クランクシャフト2に伝達させている。
【0022】前記クランクシャフト2は、一端の第1端
部シャフト部10−1と、他端の第2端部シャフト部1
0−2と、第1、第2端部シャフト部10−1、10−
2間に位置する2個の第1、第2シャフト構成体12−
1、12−2とからなり、第1シャフト構成体12−1
は、一側のクランクピンである第1クランクピン4−1
と他側のクランクピンである第2クランクピン4−2と
を支持するとともに、第2シャフト構成体12−2は、
一側のクランクピンである第2クランクピン4−2と他
側のクランクピンである第3クランクピン4−3とを支
持するものである。
【0023】そして、前記クランクシャフト2には、3
個の第1〜第3クランクスロー部14−1、14−2、
14−3が形成される。第1クランクスロー部14−1
は、一端の第1端部シャフト部10−1と第1クランク
ピン4−1と第1シャフト構成体12−1とからなると
ともに、第2クランクスロー部14−2は、第1シャフ
ト構成体12−1と第2クランクピン4−2と第2シャ
フト構成体12−2とからなり、第3クランクスロー部
14−3は、第2シャフト構成体12−2と第3クラン
クピン4−3と他端の第2端部シャフト部10−2とか
らなる。
【0024】ここで、前記クランクシャフト2は、2個
の第1、第2シャフト構成体12−1、12−2を有し
ており、第1、第2シャフト構成体12−1、12−2
は夫々同一の構成を有することにより、第1シャフト構
成体12−1のみの構成を説明し、第2シャフト構成体
12−2の構成の説明は省略する。
【0025】前記第1シャフト構成体12−1は、図3
に示す如く、一側のクランクピンである第1クランクピ
ン4−1と他側のクランクピンである第2クランクピン
4−2とを支持している。
【0026】また、前記クランクシャフト2は、軸受、
例えば第1軸受20−1を挟んで隣り合う図示しない気
筒の一側の気筒のクランクピンたる第1クランクピン4
−1を支持する第1ウェブ16−1と他側の気筒のクラ
ンクピンたる第2クランクピン4−2を支持する第2ウ
ェブ16−2とを別体に形成するとともに、前記第1ウ
ェブ16−1に設けた第1圧入部16a−1と第2ウェ
ブ16−2に設けた第2圧入部16a−2とを円筒状の
コネクティングチューブたる第1コネクティングチュー
ブ18−1に圧入連結してなる第1シャフト構成体12
−1を備え、前記第1コネクティングチューブ18−1
の外周面へ一体に軸受用転動面Fを形成するとともに、
前記軸受用転動面Fと第1、第2ウェブ16−1、16
−2の第1、第2圧入部16a−1、16a−2の境界
部分Sがオーバラップしないように前記第1軸受20−
1を配設する構成とする。
【0027】詳述すれば、前記第1ウェブ16−1は、
大径円板部16b−1とこの大径円板部16b−1に対
して同芯に形成される小径の前記第1圧入部16a−1
とからなり、大径円板部16b−1には前記第1クラン
クピン4−1の他端側を嵌装する嵌装孔部16c−1を
形成する。
【0028】また、前記第2ウェブ16−2は、上述し
た第1ウェブ16−1のものと同様に、大径円板部16
b−2とこの大径円板部16b−2に対して同芯に形成
される小径の前記第2圧入部16a−2とからなり、大
径円板部16b−2には前記第2クランクピン4−2の
一端側を嵌装する嵌装孔部16c−2を形成している。
【0029】そして、前記第1ウェブ16−1の第1圧
入部16a−1と第2ウェブ16−2の第2圧入部16
a−2とを対峙させるべく、前記第1コネクティングチ
ューブ18−1内に両側から圧入し、前記第1シャフト
構成体12−1を組み立てるものである。
【0030】前記第2シャフト構成体12−2も、上述
の第1シャフト構成体12−1の如く組み立てることが
できるものである。
【0031】このとき、第1コネクティングチューブ1
8−1外周面を軸受用転動面Fとして機能させるべく、
この軸受用転動面Fに2個1組のシングルローラベアリ
ングB1、B2からなる第1軸受20−1を配設する。
【0032】また、この第1軸受20−1を配設する際
には、夫々一体的に形成したシングルローラベアリング
B1、B2を少許離間させ、シングルローラベアリング
B1、B2が、第1、第2ウェブ16−1、16−2の
第1、第2圧入部16a−1、16a−2の境界部分
S、つまり第1、第2圧入部16a−1、16a−2の
接触面部位に対してオーバラップしないように配設する
ものである。
【0033】なお符号22−1は、前記第1端部シャフ
ト部10−1を軸支する一体式の第1端部軸受、22−
2は前記第2端部シャフト部10−2を軸支する一体式
の第2端部軸受である。
【0034】次に作用について説明する。
【0035】前記第1シャフト構成体12−1を、一側
の第1ウェブ16−1と、他側の第2ウェブ16−2
と、第1、第2圧入部16a−1、16a−2を圧入し
て第1、第2ウェブ16−1、16−2を連結する第1
コネクティングチューブ18−1と、第1コネクティン
グチューブ18−1外周面に配設する第1軸受20−1
とにより組み上げるとともに、第2シャフト構成体12
−2を、上述の第1シャフト構成体12−1と同様に組
み上げる。
【0036】そして、前記第1端部シャフト部10−1
と、第2端部シャフト部10−2と、第1、第2端部シ
ャフト部10−1、10−2間に位置する2個の第1、
第2シャフト構成体12−1、12−2と、第1〜第3
クランクピン4−1、4−2、4−3とにより前記クラ
ンクシャフト2を組み上げる。
【0037】これにより、外周面が軸受用転動面Fとな
るコネクティングチューブを単純な円筒形状とすること
ができ、コネクティングチューブの製作が容易となり、
コストを低廉とし得て、経済的に有利であるとともに、
熱処理時の表面部分の硬度分布のバラツキを小とするこ
とができ、且つ部材間でのバラツキをも小とすることが
でき、実用上有利である。
【0038】また、前記シャフト構成体を第1、第2ウ
ェブによって構成することにより、ウェブ形状を自由に
設定することができ、理想的なクランクバランスを確保
し得るものである。
【0039】更に、クランクピン径や第1、第2圧入部
の外径、そしてコネクティングチューブ外径を任意に設
定することができることにより、大なる剛性を確保し得
て、実用上有利である。
【0040】更にまた、前記第1軸受20−1を、2個
1組のシングルローラベアリングB1、B2によって構
成したことにより、前記クランクシャフト2を確実に軸
支することができ、しかも一体式のシングルローラベア
リングを使用することによってコストを低廉とし得て、
経済的に有利である。
【0041】図5はこの発明の第2実施例を示すもので
ある。この第2実施例において、上述第1実施例と同一
機能を果たす箇所には同一符号を付して説明する。
【0042】上述第1実施例においては、前記第1軸受
20−1を2個1組のシングルローラベアリングB1、
B2により構成したが、この第2実施例の特徴とすると
ころは、第1軸受30−1をダブルローラベアリングW
B1により構成した点にある。
【0043】すなわち、図5に示す如く、第1軸受30
−1を配設する際には、ダブルローラベアリングWB1
の中間部位を第1、第2ウェブ16−1、16−2の第
1、第2圧入部16a−1、16a−2の境界部分S上
に位置させる。
【0044】さすれば、前記第1軸受30−1を、ダブ
ルローラベアリングWB1によって構成したことによ
り、前記クランクシャフト2を確実に軸支することがで
き、しかも一体式のダブルローラベアリングを使用する
ことによってコストを低廉とし得て、経済的に有利であ
る。
【0045】また、外周面が軸受用転動面Fとなるコネ
クティングチューブを単純な円筒形状とすることができ
ることにより、上述第1実施例のものと同様に、コネク
ティングチューブの製作が容易となり、コストを低廉と
し得て、経済的に有利であるとともに、熱処理時の表面
部分の硬度分布のバラツキを小とすることができ、且つ
部材間でのバラツキをも小とすることができ、実用上有
利である。
【0046】更に、前記シャフト構成体を第1、第2ウ
ェブによって構成することにより、上述第1実施例のも
のと同様に、ウェブ形状を自由に設定することができ、
理想的なクランクバランスを確保し得るものである。
【0047】更にまた、クランクピン径や第1、第2圧
入部の外径、そしてコネクティングチューブ外径を任意
に設定することができることにより、上述第1実施例の
ものと同様に、大なる剛性を確保し得て、実用上有利で
ある。
【0048】図6はこの発明の第3実施例を示すもので
ある。
【0049】この第3実施例の特徴とするところは、第
1軸受40−1を1個1組のシングルローラベアリング
B1により構成した点にある。
【0050】すなわち、図6に示す如く、第1軸受40
−1を配設する際には、シングルローラベアリングB1
を例えば第2ウェブ16−2側に位置させ、シングルロ
ーラベアリングB1が、第1、第2ウェブ16−1、1
6−2の第1、第2圧入部16a−1、16a−2の境
界部分S、つまり第1、第2圧入部16a−1、16a
−2の接触面部位に対してオーバラップしないように配
設する。
【0051】さすれば、前記第1軸受40−1を、1個
のシングルローラベアリングB1によって構成したこと
により、前記クランクシャフト2を確実に軸支すること
ができるとともに、構成を簡略化することができ、しか
も一体式のシングルローラベアリングを使用することに
よってコストを低廉とし得て、経済的に有利である。
【0052】また、外周面が軸受用転動面Fとなるコネ
クティングチューブを単純な円筒形状とすることができ
ることにより、上述第1及び第2実施例のものと同様
に、コネクティングチューブの製作が容易となり、コス
トを低廉とし得て、経済的に有利であるとともに、熱処
理時の表面部分の硬度分布のバラツキを小とすることが
でき、且つ部材間でのバラツキをも小とすることがで
き、実用上有利である。
【0053】更に、前記シャフト構成体を第1、第2ウ
ェブによって構成することにより、上述第1及び第2実
施例のものと同様に、ウェブ形状を自由に設定すること
ができ、理想的なクランクバランスを確保し得るもので
ある。
【0054】更にまた、クランクピン径や第1、第2圧
入部の外径、そしてコネクティングチューブ外径を任意
に設定することができることにより、上述第1及び第2
実施例のものと同様に、大なる剛性を確保し得て、実用
上有利である。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明した如くこの発明によれ
ば、クランクピンを介して伝達されるコネクティングロ
ッドの往復運動を回転運動に変換するクランクシャフト
において、クランクシャフトは、軸受を挟んで隣り合う
気筒の一側の気筒のクランクピンを支持する第1ウェブ
と他側の気筒のクランクピンを支持する第2ウェブとを
別体に形成するとともに、第1ウェブに設けた第1圧入
部と第2ウェブに設けた第2圧入部とを円筒状のコネク
ティングチューブに圧入連結してなるシャフト構成体を
備え、コネクティングチューブの外周面へ一体に軸受用
転動面を形成するとともに、軸受用転動面と第1、第2
ウェブの第1、第2圧入部の境界部分がオーバラップし
ないように軸受を配設したので、外周面が軸受用転動面
となるコネクティングチューブを単純な円筒形状とする
ことができ、コネクティングチューブの製作が容易とな
り、コストを低廉とし得て、経済的に有利であるととも
に、熱処理時の表面部分の硬度分布のバラツキを小とす
ることができ、且つ部材間でのバラツキをも小とするこ
とができ、実用上有利である。また、前記シャフト構成
体を第1、第2ウェブによって構成することにより、ウ
ェブ形状を自由に設定することができ、理想的なクラン
クバランスを確保し得るものである。更に、クランクピ
ン径や第1、第2圧入部の外径、そしてコネクティング
チューブ外径を任意に設定することができることによ
り、大なる剛性を確保し得て、実用上有利である。
【0056】また、前記軸受を、2個1組のシングルロ
ーラベアリングによって構成すれば、クランクシャフト
を確実に軸支することができ、しかも一体式のシングル
ローラベアリングを使用することによってコストを低廉
とし得て、経済的に有利である。
【0057】更に、前記軸受を、ダブルローラベアリン
グによって構成すれば、クランクシャフトを確実に軸支
することができ、しかも一体式のダブルローラベアリン
グを使用することによってコストを低廉とし得て、経済
的に有利である。
【0058】更にまた、前記軸受を、1個のシングルロ
ーラベアリングによって構成すれば、クランクシャフト
を確実に軸支することができるとともに、構成を簡略化
することができ、しかも一体式のシングルローラベアリ
ングを使用することによってコストを低廉とし得て、経
済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示すクランクシャフト
の要部切欠き断面図である。
【図2】図1の矢視II部分の概略図である。
【図3】第1シャフト構成体の断面正面図である。
【図4】第1シャフト構成体を示し、(a)は第1シャ
フト構成体の左側面図、(b)は第1シャフト構成体の
右側面図である。
【図5】この発明の第2実施例を示すクランクシャフト
の要部切欠き断面図である。
【図6】この発明の第3実施例を示すクランクシャフト
の要部切欠き断面図である。
【図7】この発明の従来の技術を示すクランクシャフト
の要部切欠き断面図である。
【図8】図7の矢視VIII部分の概略図である。
【符号の説明】
2 クランクシャフト 4 クランクピン 4−1 第1クランクピン 6 コネクティングロッド 6−1 第1コネクティングロッド 6−2 第2コネクティングロッド 8−1 第1ピストン 10−1 第1端部シャフト部 10−2 第2端部シャフト部 12−1 第1シャフト構成体 14−1 第1クランクスロー部 16−1 第1ウェブ 16a−1 第1圧入部 16b−1 大径円板部 16c−1 嵌装孔部 16−2 第2ウェブ 16a−2 第2圧入部 16b−2 大径円板部 16c−2 嵌装孔部 18−1 第1コネクティングチューブ 20−1 第1軸受 22−1 第1端部軸受、 22−2 第2端部軸受 F 軸受用転動面 B1、B2 シングルローラベアリング S 第1、第2圧入部の境界部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 3/10 F16C 3/20 F16C 9/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクピンを介して伝達されるコネク
    ティングロッドの往復運動を回転運動に変換するクラン
    クシャフトにおいて、前記クランクシャフトは、軸受を
    挟んで隣り合う気筒の一側の気筒のクランクピンを支持
    する第1ウェブと他側の気筒のクランクピンを支持する
    第2ウェブとを別体に形成するとともに、前記第1ウェ
    ブに設けた第1圧入部と第2ウェブに設けた第2圧入部
    とを円筒状のコネクティングチューブに圧入連結してな
    るシャフト構成体を備え、前記コネクティングチューブ
    の外周面へ一体に軸受用転動面を形成するとともに、前
    軸受用転動面と第1、第2ウェブの第1、第2圧入部
    の境界部分がオーバラップしないように前記軸受を配設
    したことを特徴とする組立式クランクシャフト。
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