JP3206132B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FTN型液晶表示装置
(以下、FTN型LCDという)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、液晶分子長軸の捩じれ
角を180度〜270度としたSTN型液晶表示装置
(以下、STN型LCDという)の開発により、単純マ
トリックス駆動方式による10インチ程度の大型液晶表
示が可能となり、大表示容量を必要とするラップトップ
型ワープロ、パソコン等に用いられるようになってき
た。しかし、STN型LCDは、液晶の複屈折性を利用
しているために、視野角特性が良くない、表示が青色に
着色する、コントラストが低い等の欠点があった。
【0003】これを解決するために、液晶の複屈折性を
補償する補償用位相差フィルムとして、熱可塑性樹脂か
らなる一軸配向性位相差フィルムを利用するFTN型L
CDが開発され、表示の白黒化及びコントラストの向上
を実現することが可能となったが、見る角度により、コ
ントラストが低下したり色相が変化したりするといった
視野角特性については、未だ満足できる状態に至ってい
ない。一軸配向性位相差フィルムを補償用フィルムとし
て用いた場合、レターデーションの角度依存性が小さい
ほど、視野角特性は向上することが知られている。
【0004】位相差フィルムのレターデーションの角度
依存性を小さくする方法としては、特開平3−1413
22号公報に示されているように、負の屈折率異方性を
有する熱可塑性樹脂からなる一軸配向性位相差フィルム
と、フィルム面内のレターデーションがほとんどなく、
かつフィルム面内の屈折率が厚み方向の屈折率より大き
い位相差フィルムとを組み合わせる方法が知られてい
る。負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂からなる一
軸配向性位相差フィルムは、ポリスチレン等の負の屈折
率異方性を有する熱可塑性樹脂フィルムを、従来から知
られている一軸延伸又はアンバランス二軸延伸すること
により、容易に得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、フィルム面内の
レターデーションがほとんどなく、かつフィルム面内の
屈折率が厚み方向の屈折率より大きい位相差フィルム
は、正の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂フィルムを
バランス良く二軸延伸する方法、熱可塑性樹脂をプレス
する方法、結晶から光学軸を選択して切り出す方法等に
より得られることが知られているが、これらの方法によ
り広い面積で均一な品質のフィルムを得ることは難しい
ため、大面積の液晶表示装置へ応用することが困難であ
り、フィルムの量産性も優れているとは言いがたい。
【0006】本発明者らは、上記問題を解決するために
鋭意検討した結果、無機層状化合物を用いた位相差フィ
ルムを採用することにより、このような課題が解決でき
ることを見出し、本発明に到った。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、電極
を有し、かつ電極が対向した状態で平行に保たれた一対
の透明基板に挟持され、電圧を印加しない状態では液晶
分子長軸が透明基板に平行でかつ液晶分子長軸が透明基
板垂直方向に180度ないし270度捩じれた構造をと
っている正の誘電率異方性を有するネマチック液晶分子
を有した液晶セル、その液晶セルの外側に配置された一
対の直線偏光フィルム、及び液晶セルと直線偏光フィル
ムとの間の少なくとも1つに配置された補償用位相差フ
ィルムからなるFTN型液晶表示装置において、補償用
位相差フィルムとして、面内の屈折率が厚み方向の屈
折率より大きな無機層状化合物層を用いた位相差フィル
ムと、負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂からな
る一軸配向性位相差フィルムを含む組み合わせを用いた
ことを特徴とする液晶表示装置に関するものである。
【0008】本発明に用いる無機層状化合物とは、単位
結晶層が互いに積み重なった層状構造をなしており、単
位結晶層同士の結合が比較的弱いため、単位結晶層の構
造を破壊することなく、単位結晶層間に種々の物理・化
学的方法でイオンや分子を挿入させることができるもの
をいい、面内の屈折率と厚み方向の屈折率が異なるとい
う性質を有している。
【0009】このような無機層状化合物は、「層間化合
物の開発と応用」(加藤忠蔵、黒田一幸編、株式会社シ
ーエムシー、1985年発行)に記載されており、例え
ば粘土系鉱物、カルコゲン化物、リン酸ジルコニウム系
化合物、遷移金属酸素酸塩、層状ポリケイ酸塩、金属オ
キシハロゲン化物などを挙げることができ、なかでも本
発明では、面内の屈折率が厚み方向の屈折率より大きな
粘土系鉱物が好ましく使用される。
【0010】粘土系鉱物は2つのタイプに分類される。
第1のタイプは、シリカの4面体層の上部にアルミニウ
ムやマグネシウムなどを中心金属にした8面体層を有す
る2層構造により構成される単位結晶層を有するタイプ
であり、第2のタイプは、シリカの4面体層がアルミニ
ウムやマグネシウムなどを中心金属にした8面体層の両
側をサンドイッチした3層構造により構成される単位結
晶層を有するタイプである。第1のタイプとしては、カ
オリナイト族、アンチゴライト族を挙げることができ、
第2のタイプとしては、イオン交換カチオンの数によっ
て、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族な
どを挙げることができる。
【0011】粘土系鉱物の具体例としては、カオリナイ
ト、ディッカイト、ナクライト、ハロイサイト、アンチ
ゴライト、クリソタイル、パイロフィライト、モンモリ
ロナイト、ヘクトライト、ナトリウム4珪素雲母、ナト
リウムテニオライト、白雲母、マーガライト、タルク、
バーミキュライト、金雲母、ザンソフィライト、緑泥石
などが挙げられる。粘土系鉱物のなかでも、化学合成さ
れた不純物の少ないナトリウム4珪素雲母やスメクタイ
ト族は、透明性などに優れるため、好ましい。スメクタ
イト族に属するものとしては、モンモリロナイト、バイ
デライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライ
ト、ソーコナイト及びそれらと類似の結晶構造を持つ化
学合成品などが例示できる。
【0012】無機層状化合物を膨潤又は分散させたもの
を、離型性のある基板、例えば、表面に離型処理を施し
たポリエステルフィルムに、キャスト法、コート法等で
製膜した後、基板から剥離する方法等により、面内の屈
折率が厚み方向の屈折率よりも大きい無機層状化合物層
を有する位相差フィルムを連続的に製造することができ
る。無機層状化合物を膨潤又は分散させるために用いる
溶媒としては、無機層状化合物の各単位結晶層の層間を
膨潤させるもの、なかでも、コロイド状を呈するまで単
位結晶層間を膨潤させ得るものが好ましく、単位結晶層
間が有機物で修飾されてない粘土系鉱物の場合を例にと
れば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、
ニトロメタン、水、メタノール、エチレングリコールな
どを用いることができる。
【0013】製膜後の透明性を良好とするためには、不
純物を含まず、粒径が5μm 以下の無機層状化合物を用
いるのが好ましい。粒径を可視光線波長以下に制御した
合成スメクタイト族は、これらの点で好ましく、なかで
も合成ヘクトライトが好ましい。
【0014】無機層状化合物層を用いた位相差フィルム
を製造するにあたり、光学的に透明な樹脂を無機層状化
合物に混合することは、製膜性だけでなく、力学的性質
及び耐久性を向上させるので、好ましい。混合に供する
光学的に透明な樹脂に特別な限定はなく、無機層状化合
物の種類によって、疎水性樹脂や親水性樹脂から適宜選
択することができ、単独でも複数の樹脂のブレンド物で
もよく、また少量であれば樹脂添加剤を含有していても
差し支えない。無機層状化合物と光学的に透明な樹脂と
の混合比も特に限定されないが、製膜性の向上及び無機
層状化合物層の割れ防止など力学的性質の向上のために
は、無機層状化合物/光学的に透明な樹脂の体積比が
0.1〜10の範囲であるのが好ましい。
【0015】無機層状化合物と光学的に透明な樹脂とを
混合したものの製膜方法としては、製膜後に無機層状化
合物の単位結晶層間が広がり、単位結晶層間を樹脂が占
めている構造をとることができる方法であれば、特に限
定はない。例えば、無機層状化合物と光学的に透明な樹
脂を熱混練し、押し出し成形する方法、無機層状化合物
を溶媒に膨潤又は分散させたものと光学的に透明な樹脂
を混合し、押し出し成形する方法、無機層状化合物を溶
媒に膨潤又は分散させたものと光学的に透明な樹脂を溶
解した溶液とを均一混合し、これをキャスト法により製
膜する方法などが挙げられるが、なかでも、無機層状化
合物を溶媒に膨潤又は分散させるとともに光学的に透明
な樹脂を溶解して均一混合し、これをキャスト法により
製膜する方法が好ましい。
【0016】無機層状化合物として、水に膨潤又は分散
することができる粘土系鉱物を用いる場合、親水性樹脂
としては、非イオン性親水性樹脂(ポリビニルアルコー
ルやエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル部分ケン化物の如きポリビニルアルコール系重合
体、セルロースやヒドロキシエチルセルロース、カルボ
メトキシセルロースの如きセルロース系重合体、ポリビ
ニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール
等)、カチオン性親水性樹脂(ポリエチレンイミン、ポ
リアリルアミン、ポリビニルピリジンのN−アルキル化
物、キトサン等)、アニオン性親水性樹脂(ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホ
ン酸、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等)などを用
いることができる。
【0017】製膜性の向上及び無機層状化合物層の割れ
防止など力学的性質の向上のためには、非イオン性親水
性樹脂、なかでもポリビニルアルコール系重合体を用い
るのが好ましく、ケン化度70%以上でかつ重合度20
0〜1,800のポリビニルアルコールは、水に膨潤又
は分散することができる粘土系鉱物との混合性や製膜後
の透明性に優れており、特に好ましい。
【0018】無機層状化合物層を用いた位相差フィルム
は、取り扱いの点から、面内の複屈折性を持たないか又
は面内複屈折性の非常に小さい透明基板上に製膜して、
透明基板上に積層された形態の位相差フィルムとしても
よい。透明基板としては、例えば、面内レターデーショ
ン値が50nm以下であって、光学的に均一で無機層状化
合物を膨潤又は分散した液を均一に製膜できるものが使
用される。このような透明基板としては、清浄なガラス
基板、キャスト製膜法により作製された透明樹脂基板、
表面ケン化処理を行ったセルロース系フィルムなどが例
示でき、なかでも表面ケン化処理を行ったセルロース系
フィルムが好ましい。
【0019】無機層状化合物層の透明基板への積層方法
としては、例えば、表面シリコン処理したポリエステル
フィルムやフッ素加工されたステンレス板など、離型性
のある基板上で製膜した後、その基板から剥離し、次に
基板から剥離した無機層状化合物層と透明基板を接着
剤、粘着剤などで貼合して積層する方法、無機層状化合
物を溶媒に膨潤又は分散させたものを透明基板上でキャ
スト製膜して無機層状化合物層を透明基板に積層する方
法、無機層状化合物を溶媒に膨潤又は分散させたものと
光学的に透明な樹脂を溶解した溶液とを均一混合し、こ
れを透明基板上にキャスト法で製膜する方法、無機層状
化合物層を透明基板上に押し出しラミネートする方法な
どが例示できるが、なかでも、無機層状化合物を溶媒に
膨潤又は分散させるとともに光学的に透明な樹脂を溶解
して均一混合し、これを透明基板上に塗布、乾燥して製
膜する方法が好ましい。
【0020】無機層状化合物層を用いた位相差フィルム
に使用される無機層状化合物は、その単位結晶構造が単
位結晶層という平面構造であるため、単独で又は樹脂と
の混合状態で、単位結晶層が無機層状化合物層の表面に
対して平行にかつ面内の向きがランダムに配向する。基
板上に製膜した無機層状化合物層は、面内のレターデー
ションがほぼ0nmであり、かつ面内の屈折率が厚み方向
の屈折率よりも大きい屈折率構造を有する。そして、光
学特性のパラメータである(nXY−nZ)・d(ここに
XYはフィルム面内の屈折率を、nZ は厚み方向の屈折
率を、dはフィルムの厚みを表す)の値も所定の範囲に
容易に制御でき、大面積で均一性を保つことができる。
【0021】なお、無機層状化合物と光学的に透明な樹
脂とを混合したものは、製膜時に光学的に透明な樹脂の
配向が起こり、複屈折を生じることがあるが、無機層状
化合物層の面内レターデーション値を50nm以下に調整
することが必要であり、好ましくは30nm以下、さらに
は10nm以下に調整される。
【0022】使用にあたっては、耐久性及び取り扱い性
の向上のために、無機層状化合物層を用いた位相差フィ
ルムの片面又は両面に保護フィルムを積層した形態で用
いることができる。保護フィルムは、可視光線領域で透
明であり、面内に複屈折性を持たないか又は面内複屈折
性が非常に小さいもので、光学的に均一なものであれば
よく、例えば、表面ケン化処理を行ったセルロース系フ
ィルムが好ましく用いられる。保護フィルムの積層方法
としては、例えば、粘着剤を用いて貼合する方法や、ポ
リビニルアルコールの低濃度水溶液を用いてウェットラ
ミネート法により貼合する方法を用いることができる。
【0023】以上いずれの形態で用いるにしても、透明
基板及び/又は保護フィルムに積層された形態の位相差
フィルムとして、面内のレターデーションを50nm以下
にする必要がある。面内のレターデーションは、好まし
くは30nm以下、さらに好ましくは10nm以下である。
そして、無機層状化合物層の厚みは、液晶表示装置の視
野角特性が良好となるような(nXY−nZ)・d値とな
るよう設定される。
【0024】負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂か
らなる一軸配向性位相差フィルムに用いることのできる
負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂は、種々知られ
ているが、側鎖に誘電率の高い置換基を有するビニル系
樹脂が好ましく用いられる。そのなかでも、芳香族ビニ
ル系樹脂やアクリル系樹脂は、光学特性に優れることか
ら、特に好ましく用いられる。具体的には、ポリスチレ
ン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリビニルピリジン、
ポリビニルナフタレン、ポリメチルメタクリレートなど
が挙げられる。これら負の屈折率異方性を有する熱可塑
性樹脂からなるフィルムに一軸配向性を付与するには、
公知の延伸法を用いればよい。延伸は、一軸配向性位相
差フィルムにおいて面内レターデーションの高い均一性
が得られる方法で行えばよく、例えば、テンター延伸
法、ロール間延伸法、ロール間圧縮延伸法などが挙げら
れる。なかでも、テンター延伸法が好ましい。
【0025】無機層状化合物層を用いた位相差フィルム
と負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂からなる一軸
配向性位相差フィルムとの組み合わせをFTN型LCD
の補償用位相差フィルムとして配置するにあたり、この
補償用位相差フィルムは、液晶セルの上側又は下側のい
ずれに配置してもよく、また、いずれのフィルムが液晶
セル側に位置してもよい。さらに、無機層状化合物層を
用いた位相差フィルムと負の屈折率異方性を有する熱可
塑性樹脂からなる一軸配向性位相差フィルムが液晶セル
の両側に分離して配置されてもよく、無機層状化合物層
を用いた位相差フィルムが負の屈折率異方性を有する熱
可塑性樹脂からなるフィルムに積層された形態で配置し
てもよい。この場合の積層方法としては、例えば、前述
の透明基板等へ積層する方法と同様の方法を用いること
ができるが、予め負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹
脂からなる一軸配向性位相差フィルムにコロナ処理やプ
ライマー処理等の表面処理を施しておくのが好ましい。
【0026】無機層状化合物を用いた位相差フィルムと
負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂からなる一軸配
向性位相差フィルムとを積層した位相差フィルムを2枚
以上使用する代わりに、無機層状化合物層の厚みを厚め
に、すなわち、無機層状化合物層の(nXY−nZ)・d
の値が必要とされる値となるよう厚めに調製した無機層
状化合物を含むフィルムを、負の屈折率異方性を有する
熱可塑性樹脂からなるフィルムに積層し、これに、もう
1枚の負の屈折率異方性を有する複屈折性フィルムを、
無機層状化合物層が2枚の負の屈折率異方性を有する複
屈折性フィルムの間に配置されるように積層して用いて
もよい。また、本発明の組み合わせに、ポリカーボネー
ト等の正の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂からなる
一軸配向性位相差フィルムをさらに追加して使用しても
よい。
【0027】
【発明の効果】本発明に従って、無機層状化合物層を用
いた位相差フィルムと負の屈折率異方性を有する熱可塑
性樹脂からなる一軸配向性位相差フィルムを含む組み合
わせを補償用位相差フィルムとすることにより、従来の
FTN型LCDに比較して視野角特性が大幅に改良され
たFTN型LCDを容易に製造することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0029】実施例1 厚み80μm のトリアセチルセルロースフィルム(商品
名“フジタック”、富士写真フィルム(株)製)を表面
ケン化処理したフィルムを基板フィルムとし、この基板
フィルム上に、粘土系鉱物である合成ヘクトライト(商
品名“ラポナイト XLS”、Laporte社製)1.5%と、ポ
リビニルアルコール(商品名“ポバール103”、(株)
クラレ製;ケン化度98.5%、重合度300)1.7%
とを含有させて混合した水分散液を、乾燥後の膜厚が
2.4μmとなるように製膜し、ポリビニルアルコール含
有合成ヘクトライト層をトリアセチルセルロースフィル
ムに積層した位相差フィルム(フィルムAとする)を得
た。フィルムAの面内レターデーションは、偏光顕微鏡
による測定で5.5nmであり、(nXY−nZ)・dの値は
約90nmであった。また、負の屈折率異方性を有する熱
可塑性樹脂であるポリスチレン(商品名“スミブライト
E183 ”、住友化学工業(株)製)を25%ジクロロメ
タン溶液とし、キャスト法により製膜したフィルムを一
軸延伸して、面内レターデーションが偏光顕微鏡による
測定で390nmである一軸配向性位相差フィルム(フィ
ルムBとする)と、同じく面内レターデーションが40
6nmである一軸配向性位相差フィルム(フィルムCとす
る)を得た。これらのフィルムを用い、フィルムAとフ
ィルムBとを粘着剤で積層した位相差フィルム1(構
成:トリアセチルセルロースフィルム/ポリビニルアル
コール含有合成ヘクトライト層/ポリスチレンフィル
ム)及び、フィルムAとフィルムCとを粘着剤で積層し
た位相差フィルム2(構成:トリアセチルセルロースフ
ィルム/ポリビニルアルコール含有合成ヘクトライト層
/ポリスチレンフィルム)を得た。
【0030】ワードプロセッサ(商品名“OASYS 30LX-4
01”、富士通(株)製)に搭載されているFTN型LC
Dの上偏光フィルムと液晶セルの間に位相差フィルム1
を、下偏光フィルムと液晶セルの間に位相差フィルム2
を、いずれもトリアセチルセルロースフィルムが液晶セ
ルに対して外側となるように積層して、無機層状化合物
層を用いた位相差フィルムと一軸配向性位相差フィルム
との組み合わせを補償用位相差フィルムとしたFTN型
LCDを制作した。このFTN型LCDは、視角による
コントラストの変化が小さく、良好な視野角特性を示し
た。等コントラスト曲線を図1に示す。
【0031】実施例2 フィルムAの膜厚が7.2μmとなるようにした以外は、
実施例1と同様にしてFTN型LCDを制作した。この
場合のフィルムAの面内レターデーション値は5.5n
m、(nXY−nZ)・d値は約180nmであった。このF
TN型LCDは、視角によるコントラストの変化が小さ
く、良好な視野角特性を示した。等コントラスト曲線を
図2に示す。
【0032】比較例1 位相差フィルム1の代わりに、正の屈折率異方性を有す
る熱可塑性樹脂であるポリカーボネートで構成され、面
内レターデーションが385nmの位相差フィルム(商品
名“スミカライト”、住友化学工業(株)製)を用い、
位相差フィルム2の代わりに、面内レターデーションが
408nmの位相差フィルム(商品名“スミカライト”、
住友化学工業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同
様にしてFTN型LCDを制作した。このFTN型LC
Dは、実施例1及び2のFTN型LCDと比較して、視
野角特性、特に上下方向の視野角特性が劣っていた。等
コントラスト曲線を図3に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における等コントラスト曲線を示す
図。
【図2】実施例2における等コントラスト曲線を示す
図。
【図3】比較例1における等コントラスト曲線を示す
図。
フロントページの続き (72)発明者 清水 朗子 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (72)発明者 新堂 忠 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住友 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−96115(JP,A) 特開 平4−194820(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13363 G02F 1/1335 G02F 1/133 500

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極を有しかつ電極が対向した状態で平行
    に保たれた一対の透明基板に挟持され、電圧を印加しな
    い状態では液晶分子長軸が透明基板に平行でかつ液晶分
    子長軸が透明基板垂直方向に180度ないし270度捩
    じれた構造をとっている正の誘電率異方性を有するネマ
    チック液晶分子を有した液晶セル、該液晶セルの外側に
    配置された一対の直線偏光フィルム及び該液晶セルと該
    直線偏光フィルムとの間の少なくとも1つに配置された
    補償用位相差フィルムからなるFTN型液晶表示装置に
    おいて、補償用位相差フィルムとして、 面内の屈折率が厚み方向の屈折率より大きな無機層状
    化合物層を用いた位相差フィルムと 負の屈折率異方性を有する熱可塑性樹脂からなる一軸
    配向性位相差フィルムを含む組み合わせを用いたことを
    特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】面内の屈折率が厚み方向の屈折率より大き
    い無機層状化合物層を用いた位相差フィルムが光学的に
    透明な樹脂を含有していることを特徴とする請求項1記
    載の液晶表示装置。
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