JP3206050B2 - ダイヤモンド単結晶の合成方法 - Google Patents

ダイヤモンド単結晶の合成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、装飾用途や光学部品な
どに用いられる無色で透明なダイヤモンド単結晶の合成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市販されている装飾用ダイヤモンド
としては、主に南アフリカ、ソビエト連邦より産出され
るものの中から、無色透明で内部欠陥の少ないものを選
別して用いている。天然装飾用ダイヤモンドは宝石の中
でも最も販売量が多い。また、ダイヤモンドを用いた光
学部品として、レーザー窓やIRアンビルセルなどがあ
るが、いずれも天然原石の中から赤外領域に光の吸収の
ない透明なダイヤモンド(IIa型と呼ばれる)が選ばれ
て用いられている。しかし、透明無色な原石の産出は極
めて少なく、安定供給や価格に問題がある。
【0003】一方、人工合成によるダイヤモンドは通
常、超高圧高温下で合成する際に、溶媒中の窒素が結晶
格子内に取り込まれるために黄色く着色してしまうが、
溶媒中に窒素ゲッターを添加することにより無色透明の
ダイヤモンドを得ることができる。この窒素ゲッターと
しては、たとえば、The Journal of Physical Chemistr
y, vol.75, No.12 (1971) p1838 に記載されているよう
に、Alがよく知られている。具体的には、米国特許第
4034066号明細書において、Fe溶媒にAlを3
〜5重量%添加することにより宝石級の無色透明なダイ
ヤモンド単結晶が得られたと記載されている。Al以外
の窒素ゲッターを用いた例として、たとえば無機材質研
究所研究報告書第39号(1984)第16〜19頁に、T
iやZrを溶媒金属に添加することにより結晶中の窒素
が除去されたという報告がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特に無色透明
の合成ダイヤモンドは合成コストが天然装飾用ダイヤモ
ンドよりはるかに高くなるため、工業生産は行われてい
ない。この理由は、合成には高価で特殊な装置が必要で
ある上に、Alなどを窒素ゲッターとして添加した場
合、その添加量の増加に従って、溶媒が結晶中に取り込
まれて(以下インクルージョン)不良結晶となることが
多くなるため、良質な結晶とするためには成長速度を大
幅に下げる必要があるからである。特にTiやZrを窒
素ゲッターとして用いた場合は、合成途中に溶媒中に生
成した炭化物(TiC,ZrCなど、カ−バイドとも称
する)が結晶中に取り込まれるため、完全な結晶は得ら
れなくなる。
【0005】本発明者等が行った実験の結果によると、
窒素ゲッターとしてAlを用いて溶媒金属に均一混合し
た場合、無色透明なダイヤモンド結晶を合成するために
は、その添加量は溶媒に対し少なくとも4重量%必要で
あるが、この場合インクルージョンの巻き込みなしに結
晶成長させるためには、成長速度を1mg/hr以下に
する必要がある。この場合、たとえば1カラット(20
0mg)の結晶を合成するには200時間の合成時間を
要し、製造コストは膨大なものとなる。また、Ti、Z
rなど、Alより窒素との反応性の高い物質を窒素ゲッ
ターとして溶媒に均一添加した場合、添加量は1重量%
でも無色透明な結晶となるが、成長速度を大幅に低下さ
せたとしてもインクルージョン(カーバイド)が多く、
良質な結晶は殆ど得られない。本発明はこのような問題
を解決し、窒素ゲッターを加えて無色透明でしかもイン
クルージョのない良質なダイヤモンド単結晶を容易に製
造できる新規な製法の提供を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度差法によ
るダイヤモンド単結晶合成において、窒素ゲッターとし
てAl−X系金属間化合物(XはTi、Zr、Hf、
V、Nb及びTaから選ばれる元素を表す)を添加した
溶媒金属を用いることを特徴とするものである。本発明
において、前記溶媒金属としては、Fe、Co、Ni、
Mn及びCrの中から選ばれる一種もしくは二種以上か
らなる金属であり、0.1〜6.0重量%の炭素を含む
ものが特に好ましい。また、本発明における前記窒素ゲ
ッターとして添加するAl−X系金属間化合物(XはT
i、Zr、Hf、V、Nb及びTaから選ばれる元素を
表す)の添加量は、前記溶媒金属に対して0.1〜5重
量%であることが特に好ましい。
【0007】上記の問題を解決するため、本発明者ら
は、添加する窒素ゲッターについて種々検討したとこ
ろ、溶媒中にAlを添加すると同時に、Ti、Zr、H
fなどの窒素との反応性の高い元素を添加すれば、窒素
の除去効率が上がり、またTiCやZrCなど合成中に
溶媒中に生成した炭化物が結晶に取り込まれることが少
なくなり、比較的はやい成長速度でも良質なIIaタイプ
のダイヤモンド結晶が得られることを見いだした。さら
に検討を重ねたところ、AlとTiからなる金属間化合
物などを窒素ゲッターとして用いれば、さらに窒素の除
去効率が上がり、またTiCなどの炭化物の生成が大幅
に抑えられ、インクルージョンの混入がかなり少なくな
ることがわかった。その結果、従来の2倍程度の速い成
長速度でも良質なIIa結晶が得られることを確認し、本
発明を完成するに至った。
【0008】図1は本発明の一具体例であって、結晶合
成用の試料室構成を示す図であり、2はAl−X系金属
間化合物(XはTi、Zr、Hf、V、Nb及びTaか
ら選ばれる元素を表す)の粉末が予め添加されている溶
媒金属である。なお、図1中、1は炭素源、3は種結
晶、4は絶縁体、5は黒鉛ヒーター、6は圧力媒体を示
す。金属間化合物の例として、たとえばAl−Ti系金
属間化合物としては、AlTi,Al3 Ti,Al2
i,AlTi3 などが、Al−Zr系金属間化合物とし
ては、AlZr,Al3 Zr,Al2 Zr,Al3 Zr
2 ,Al3 Zr5 ,Al2 Zr3 ,AlZr2 ,AlZ
3 などが、Al−Hf系金属間化合物としては、Al
Hf,Al3 Hf,Al2 Hf,Al3 Hf2 、Al3
Hf4 ,Al 2 Hf3 などが挙げられる。その他、Al
−V系、Al−Hf系、Al−Ta系金属間化合物各種
も用いることができる。これらの金属間化合物の添加量
はできるだけ少ない方が好ましいが、溶媒金属に対して
0.1重量%より少ないと窒素が十分に除去されずに結
晶がかなり黄色味を帯びてくる。また、5重量%を越え
ると、結晶中にインクルージョンが多く取り込まれるよ
うになる。
【0009】ここで図1の溶媒金属2は、Fe,Co,
Ni,Mn,Crの中から選ばれる一種もしくは二種以
上からなる金属であり、種結晶溶解防止のため0.1〜
6.0重量%の炭素を予め添加しておく。炭素添加量が
0.1重量%未満もしくは炭素を含まない溶媒金属を用
いた場合、種結晶上にPtなどの種結晶溶解防止材を配
置する必要があるが、種結晶防止材を配置することは多
結晶化やインクルージョンの巻き込みの原因となり、好
ましくない。また、炭素添加量が6重量%を越えると、
自然核発生が起こりやすくなり、種結晶以外の部所より
結晶成長するため結晶同士が干渉し、良質な結晶が得ら
れなくなる。
【0010】本発明に用いる種結晶、炭素源等はこの種
の技術分野で公知のものを用いることができる。また、
温度差法による合成の条件等は適宜選択することができ
る。具体的な例は後記する実施例に挙げられる。
【0011】
【作用】本発明によるダイヤモンド合成方法によると、
Al−X系金属間化合物(XはTi、Zr、Hf、V、
Nb及びTaから選ばれる元素を表す)を窒素ゲッター
として溶媒金属に添加する。その結果、従来よりかなり
速い成長速度でも良質なIIaダイヤモンド結晶が得られ
る。この理由について、Al−Ti系の金属間化合物を
例にして次に具体的に述べる。先にも述べたように、A
lのみを窒素ゲッターとして用いた場合は、無色透明な
ダイヤモンド結晶を合成するためには、4重量%以上と
いう多量の添加を必要とする。そのためインクルージョ
ンが結晶中に取り込まれ易く、良質な結晶とするために
は成長速度を1mg/hr以下にする必要がある。また
Tiのみを窒素ゲッターとして添加した場合、添加量は
〜1重量%という微量でも無色透明な結晶となるが、T
iCが溶媒中に多量に生成し、たとえ結晶の成長速度を
大幅に低下させたとしてもインクルージョン(カーバイ
ド)の混入が多く、良質な結晶は殆ど得られない。しか
し、窒素ゲッターとしてTiを添加するとともに、低粘
性で炭化物を形成しないAlを同時に添加することで、
生成したTiCを溶媒金属中に拡散させることができ、
インクルージョンの混入をある程度抑えることができ
る。さらに本発明のように、AlとTiからなる金属間
化合物たとえばAlTiやAl3 Ti、AlTi3 など
を添加した場合、孤立したTiがなくなるためTiCの
生成が減少し、またたとえ分解してTiCが生成しても
Alが近傍に存在するため、これによりTiCは容易に
溶媒中に拡散される。その結果、インクルージョンのな
い良質な結晶がかなり得やすくなる。また、窒素の除去
効率も、Tiと同程度で、1重量%程度の微量の添加量
でも殆ど窒素が除去される。以上のように、窒素ゲッタ
ーとしてAl−Ti系の金属間化合物を用いることによ
り、AlもしくはTiを単独もしくは複合で用いる場合
より、速い成長速度で無色透明でインクルージョンのな
い良質なIIaダイヤモンド結晶IIaダイヤモンド結晶を
合成することが可能となる。具体的にはAl−Ti金属
間化合物を溶媒金属に対し1重量%添加した場合、成長
速度2.5mg/hrでも、無色透明な良質なIIaダイ
ヤモンド結晶が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Fe粉
末、Co粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Co:C=60:40:4.5(重量比) となるように配合した。これにさらに平均粒径50μm
のAlTi金属間化合物粉末(約5重量%のAlTi3
を含む)を、溶媒金属量に対して1重量%添加し、十分
に混合した。この混合粉末を型押し成形し、脱ガス、焼
成したもの(直径20mm、厚み10mm)を溶媒とし
た。炭素源にはダイヤモンドの粉末、種結晶には直径約
500μmのダイヤモンド結晶3個を用いた。図1に示
す試料室構成で、炭素源と種部に約30℃の温度差がつ
くように加熱ヒーター内にセットした。これを超高圧発
生装置を用いて、圧力5.5GPa、温度1300℃で
70時間保持し、ダイヤモンドの合成を行った。その結
果、0.7〜0.9カラットの無色透明なインクルージ
ョンの殆どない良質なIIa型のダイヤモンド結晶3個が
得られた。ESRにより結晶中の窒素濃度を測定する
と、いずれも0.1ppm以下であった。磁気天秤によ
りインクルージョン濃度を測定すると、いずれも0.3
重量%以下であった。
【0013】実施例2〜4 AlTi金属間化合物粉末の添加量を溶媒金属量に対し
て0.5、2.0、4.0重量%と変えた他は実施例1
と同様にして、ダイヤモンド合成を行った。いずれも
0.8カラット前後の良質なIIa型ダイヤモンド結晶が
得られた。窒素濃度およびインクルージョン量の測定結
果を実施例1とあわせて表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】窒素量は0.2ppm以下では殆ど無色透
明で、装飾用途や光学部品等に用いるには問題とならな
い。また、インクルージョン量は0.5重量%以下では
種結晶付近、すなわち結晶の下部のごく一部に分布して
いるだけであり、少し研磨することで除去できるため、
殆ど問題とならない程度である。したがって、いずれも
装飾用途、光学部品用途に適用可能な品質を有する。ま
た、成長速度は2〜2.5mg/hrであり、これは従
来技術で同様の結晶を合成するための限界成長速度の2
倍以上である。
【0016】実施例5 AlTi金属間化合物粉末の代わりに、AlZr金属間
化合物粉末を用いた他は実施例1と同様にして、本発明
によりダイヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例
1と殆ど同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られ
た。
【0017】実施例6 AlTi金属間化合物粉末のかわりに、AlHf金属間
化合物粉末を用いた他は実施例1と同様にして、本発明
によりダイヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例
1と殆ど同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られ
た。
【0018】実施例7 実施例1に示したAlTi金属間化合物粉末の代わり
に、AlTi3 金属間化合物(約20%のAlTiを含
む)粉末を用いた他は実施例1と同様にして、本発明に
よりダイヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例1
と殆ど同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られ
た。
【0019】実施例8 実施例1に示したAlTi金属間化合物粉末の代わり
に、Al3 Ti金属間化合物(約10%のAlTiを含
む)粉末を用いた他は実施例1と同様にして、本発明に
よりダイヤモンド結晶を合成した。その結果、実施例1
と殆ど同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られ
た。
【0020】実施例9 実施例1に示したAlTi金属間化合物粉末の代わり
に、Al3 V金属間化合物粉末を用いた他は実施例1と
同様にして、本発明によりダイヤモンド結晶を合成し
た。その結果、実施例1と殆ど同じ、良質なIIa型ダイ
ヤモンド結晶が得られた。
【0021】実施例10 実施例1に示したAlTi金属間化合物粉末の代わり
に、Al3 Nb金属間化合物粉末を用いた他は実施例1
と同様にして、本発明によりダイヤモンド結晶を合成し
た。その結果、実施例1と殆ど同じ、良質なIIa型ダイ
ヤモンド結晶が得られた。
【0022】実施例11 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Fe粉
末、Ni粉末、Co粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Ni:Co:C=60:30:10:4.2(重
量比) となるように配合し、その他は実施例1と同様にして本
発明に従いダイヤモンド結晶を合成した。その結果、実
施例1と殆ど同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得
られた。
【0023】実施例12 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Fe粉
末、Ni粉末、Mn粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Ni:Mn:C=60:30:10:4.0(重
量比) となるように配合し、その他は実施例1と同様にして本
発明に従いダイヤモンド結晶を合成した。その結果、実
施例1と殆ど同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得
られた。
【0024】実施例13 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Fe粉
末、Ni粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Ni:C=70:30:3.5(重量比) となるように配合し、その他は実施例1と同様にして本
発明に従いダイヤモンド結晶を合成した。その結果、実
施例1と殆ど同じ、良質なIIa型ダイヤモンド結晶が得
られた。
【0025】実施例14 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Co粉
末とグラファイト粉末を用い、 Co:C=100:4.7(重量比) となるように配合し、合成温度条件を1350℃にした
他は実施例1と同様にして本発明に従いダイヤモンド結
晶を合成した。その結果、実施例1と殆ど同じ、良質な
IIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0026】実施例15 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Ni粉
末とグラファイト粉末を用い、 Ni:C=100:4.2(重量比) となるように配合し、合成温度条件を1350℃にした
他は実施例1と同様にして本発明に従いダイヤモンド結
晶を合成した。その結果、実施例1と殆ど同じ、良質な
IIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0027】実施例16 AlTi金属間化合物粉末を金属溶媒量に対し1重量%
添加するかわりに、AlTi金属間化合物粉末0.5重
量%、AlZr金属間化合物粉末0.5重量%を添加し
た他は実施例1と同様にした、本発明に従いダイヤモン
ド結晶を合成した。その結果、実施例1と殆ど同じ、良
質なIIa型ダイヤモンド結晶が得られた。
【0028】比較例1〜6 AlTi金属間化合物粉末を添加せず、かわりに平均粒
径50μmのTi粉末もしくはAl粉末を添加した。こ
れらの添加量を種々変えた他は実施例1と同様にして、
ダイヤモンド結晶の合成を試みた。得られたダイヤモン
ド結晶の窒素濃度およびインクルージョン濃度の測定結
果を表2にまとめて示す。
【表2】
【0029】いずれの結晶も窒素量が多く黄色いため、
もしくはインクルージョンが多すぎるため、装飾用途や
光学部品等には用いることができないものであった。
【0030】比較例7 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Fe粉
末、Ni粉末、Co粉末を用い、 Fe:Ni:Co=60:30:10(重量比) となるように配合し、炭素(グラファイト)を添加しな
かった他は実施例1と同様にして、ダイヤモンド結晶の
合成を試みた。その結果、種結晶は溶媒中に完全に溶解
して消失してしまい、ダイヤモンドの成長は認められな
かった。
【0031】比較例8 溶媒の原料として粒径50〜100μmの高純度Fe粉
末、Ni粉末、Co粉末、グラファイト粉末を用い、 Fe:Ni:Co:C=60:30:10:7(重量
比) となるように配合した他は実施例1と同様にして、ダイ
ヤモンド結晶の合成を試みた。その結果、種結晶以外の
ところよりダイヤモンドが多数自然核発生し、このため
結晶同士が干渉し、良質な結晶は殆ど得られなかった。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば無
色透明でインクルージョンのほとんど無いダイヤモンド
結晶を、安価に安定して合成できる。本発明の方法によ
って合成ダイヤモンドを装飾用途、光学部品用途などに
利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一具体例における結晶合成用の試料室
構成を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 炭素源 2 窒素ゲッターとしてのAl−X金属間化合物を添加
された溶媒金属 3 種結晶 4 絶縁体 5 黒鉛ヒーター 6 圧力媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−96712(JP,A) 特開 昭62−105911(JP,A) 特開 昭56−69211(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 3/06 C01B 31/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度差法によるダイヤモンド単結晶合成
    において、窒素ゲッターとしてAl−X系金属間化合物
    (XはTi、Zr、Hf、V、Nb及びTaから選ばれ
    る元素を表す)を添加した溶媒金属を用いることを特徴
    とするダイヤモンド単結晶の合成方法。
  2. 【請求項2】 前記溶媒金属は、Fe、Co、Ni、M
    n及びCrの中から選ばれる一種もしくは二種以上から
    なる金属であり、且つ0.1〜6.0重量%の炭素を含
    むことを特徴とする請求項1記載のダイヤモンド単結晶
    の合成方法。
  3. 【請求項3】 前記窒素ゲッターとして添加するAl−
    X系金属間化合物(XはTi、Zr、Hf、V、Nb及
    びTaから選ばれる元素を表す)の添加量は前記溶媒金
    属に対して0.1〜5重量%であることを特徴とする
    求項1又は請求項2記載のダイヤモンド単結晶の合成方
    法。
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