JP3205385B2 - 核磁気共鳴断層撮影装置 - Google Patents

核磁気共鳴断層撮影装置

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JP3205385B2 JP12830492A JP12830492A JP3205385B2 JP 3205385 B2 JP3205385 B2 JP 3205385B2 JP 12830492 A JP12830492 A JP 12830492A JP 12830492 A JP12830492 A JP 12830492A JP 3205385 B2 JP3205385 B2 JP 3205385B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、核スピンの励起のた
めの送信アンテナ及び局部コイルの形の受信アンテナを
備える核磁気共鳴断層撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴により検査対象物特に人体の
断層像を作成する装置が知られている。このいわゆる核
磁気共鳴断層撮影装置は、人体内の核スピンを整列させ
る基本磁界磁石、及び空間的に異なる磁界を発生させる
傾斜磁界コイル、並びに核スピンを励起し励起された核
スピンから放出される信号を受信する高周波アンテナを
備える。励起コイル及び測定コイルを備えるこの種の高
周波アンテナを使用する場合に、コイルのインダクタン
スが可変のキャパシタンスと共にLC共振回路として構
成され、その際コンデンサ装置が所望の周波数に応じて
同調させられる。
【0003】ソレノイドとして構成されその基本磁界が
円筒軸線の方向へ延びる一般に超伝導の基本磁界磁石を
備える核磁気共鳴断層撮影装置の従来例では、アンテナ
の励起コイルが、例えば円筒軸線に対し平行に延びかつ
低周波傾斜磁界に対して周波数的に透過性でありしかし
ながら高周波のアンテナ磁界に対して非透過性であるカ
バー筒、すなわち導電性材料から成るいわゆる高周波シ
ールド中に配置された導体から成ることができる。これ
らの導体の端部はそれぞれ少なくとも一つの共振コンデ
ンサを介してカバー筒と結合されている。導体とカバー
筒との間には同相で振動する高周波磁界が形成される。
カバー筒は導体の端部を越えて突出するので、非周期的
波伝搬を伴う円形中空導体アンテナが生じ、その結合要
素はアンテナの励起コイルの導体である(アメリカ合衆
国特許第4680550 号明細書参照)。
【0004】比較的小さい身体局部の撮像のために、こ
の種の核磁気共鳴断層撮影装置ではいわゆる表面コイル
又は局部コイルが用いられる。ノイズ信号が比較的小さ
い身体領域だけから受信されるにすぎないので、この局
部コイルにより良好なSN比が得られる。この表面コイ
ルは最も簡単な場合には高周波向きに接続された円形の
線材ループから成る。磁界不均一性の作用をできるだけ
小さく保つためにこの局部コイルはただ測定コイルとし
て用いられるにすぎず、他方では励起コイルとして良好
な磁界均一性を発生させる全身アンテナが用いられる。
従ってアンテナ装置のこの従来例では撮像に二つの異な
る共振性高周波アンテナが関与している。
【0005】励起アンテナと受信アンテナとの高周波交
番磁界の結合を防止するために、送信の際には受信アン
テナがまた受信の際には送信アンテナが、直流制御され
た高周波スイッチ望ましくはPINダイオードを備える
回路を介して離調される(アメリカ合衆国特許第480188
5 号明細書参照)。その際高周波磁界を介しての結合が
低減される。しかしながら補助的になお送信アンテナの
電界と局部コイルのリード線との結合が生じるおそれが
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、受
信アンテナとして局部コイルを備える核磁気共鳴断層撮
影装置において、局部コイルのリード線と送信アンテナ
の高周波電界とのこの結合を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題はこの発明に基
づき、受信アンテナとしての局部コイルのリード線が、
送信アンテナの電界範囲内では、複数個の減結合要素に
よって互いに減結合された複数個の導体要素に分割され
ていることにより解決される。
【0008】
【作用効果】この発明によれば、この種の減結合要素望
ましくは補助的なインダクタンスを備える受信アンテナ
のためのリード線に対しては、特別なケーブル案内はも
はや必要ではなく送信期間中のリード線内部の電力密度
が比較的小さい値に制限される。アンテナの別の特に有
利な実施態様は請求項2以下に記載されている。
【0009】この核磁気共鳴断層撮影装置の特に有利な
実施態様によれば、減結合要素として、アメリカ合衆国
特許第4922204 号明細書及びそれに対応する特開平2−
17037号公報に開示されたトロイド形シース波トラ
ップが設けられる
【0010】
【実施例】次にこの発明に基づく核磁気共鳴断層撮影装
置の複数の実施例を示す図面により、この発明を詳細に
説明する。
【0011】図示されていない中空円筒形基本磁界磁石
を備える図1に示す核磁気共鳴断層撮影装置の実施例で
は、円形偏波アンテナの励起コイルのために例えば四つ
のアンテナ導体が設けられ、これらの導体のうち図1に
は二つだけが示され符号2、3が付けられている。これ
らのアンテナ導体は共振コンデンサ4、5を介して中空
円筒形高周波シールド6と結合される。高周波シールド
6は低周波の傾斜磁界に対しては透過性であり高周波磁
界に対しては非透過性であり、良導電性材料例えば銅箔
から成り、図示されていない支持体上に取り付けられて
いる。長さLを有する高周波シールド6は著しく小さい
長さSを有するアンテナ導体2、3と共に非周期的波伝
搬を伴う円形中空導体アンテナを形成し、その結合要素
はアンテナ導体2、3である。比較的狭く制限された身
体領域の測定のために、リード線9を備える局部コイル
8が設けられている。
【0012】アンテナ導体2、3の電界は図1において
符号の無い矢印により示され、矢印の長さは電界Eの強
さを示す。基本磁界は座標系のz軸の方向へ延び、z軸
自体は等電位面である。更に等電位面が図1に一点鎖線
で示された平面z=0上に存在する。この直線偏波アン
テナの場合に平面y=0もまた等電位面である。局部コ
イル8のリード線9が前記等電位面外の領域の電界E中
に置かれると導体表面上に電位差が存在し、導体中へ侵
入する電界が自由なキャリヤ上に働く力に基づき電流を
引き起こし、この電流の電磁界はリード線が患者の身体
に接触するとそこを局部的に加熱するおそれがある。リ
ード線9の長さがあらかじめ定められている場合に高周
波シールド6中でのその位置と関連して、共振従ってリ
ード線9上の定在波を招くおそれがある。そのとき送信
の際にリード線9のシールド上に誘導される電流は比較
的大きい。更にこの結合によりアンテナ導体2、3の電
界Eのひずみ従って相応の像の乱れが発生するおそれが
ある。
【0013】それゆえにこの発明に基づき、局部コイル
8のリード線9には所定の間隔aを置いて減結合要素1
0望ましくはインダクタンスが設けられ、その高い抵抗
はリード線9を長さaを有し個々の相互に減結合された
導体要素に分割する。この減結合要素の距離aは一般に
20cmを著しく越えず望ましくは約10cmとされ
る。
【0014】減結合要素10と直列に局部コイル8の入
口には更に、図示されていない受信増幅器を配置するこ
とができるので有利である。
【0015】図2に示す実施例では減結合要素10は例
えば、内側導体12及びシールド13を備えるリード線
の同軸導体が、相応に高いインダクタンスを有し少なく
とも二つの望ましくは少なくとも三つのループ14を備
え、これらのループが共振コンデンサ16により橋絡さ
れることにより構成される。共振コンデンサ16は減結
合要素10のインピーダンスの増加のために用いられ、
それゆえにループ14のインダクタンスと共に並列共振
回路を構成する。例えば40MHzのための核磁気共鳴
断層撮影装置の場合にかつ例えば1μHの三つのループ
14のインダクタンスにより、共振コンデンサ16のキ
ャパシタンスは例えば約10pFとなる。導体ループ1
4及び共振コンデンサ16は例えば図示されていないケ
ース中に鋳込むことができる。
【0016】図3によれば、リード線9の減結合要素1
0が8の字形の二つ以上の導体ループ15から成る。導
体ループ15は同様に共振コンデンサ17により橋絡さ
れている。減結合要素10のこの実施例は、導体ループ
15が本質的に均一な高周波磁界から減結合されるとい
う長所を有する。
【0017】図4に示す減結合要素10の実施例では、
それぞれ符号の無い複数のターンを備える二つの分離さ
れた筒形コイル22、23が設けられる。これらのター
ンは共通な心上に巻き付けることができるが、しかし図
示の実施例のように別個の心24又は25上に配置され
るのが有利である。これらの心24、25は非磁性材料
例えばプラスチックから成る。両筒形コイル22、23
は同様に8の字形に巻かれ、図4に矢印26、27で示
された逆向きの固有磁界を発生させるように接続されて
いる。筒形コイル22の始端及び筒形コイル23の終端
は共振コンデンサ18により橋絡されている。例えば1
mの全長と、それぞれ10cmの減結合要素10間の個
々の導体片の長さaと、例えば0.6mmのシールド1
3の外径と、合計10個の減結合要素10と、それぞれ
20ターンの両方の分離された筒形コイル22、23と
を備え、筒形コイル22、23のインダクタンスがL=
2μHであり、共振コンデンサ18のキャパシタンスが
C=6.2pFであり、運転周波数及び減結合要素の固
有共振が40MHzであるような局部コイル8のリード
線9に対して、核磁気共鳴断層撮影装置の高周波シール
ド内の座標系原点を囲み図示されていない撮像体積中へ
局部コイル8を挿入する場合に、実際上高周波電界の結
合の無い従って共振ずれも反射係数の変化も無いような
リード線が得られる。
【0018】図5に示す実施例では、減結合要素30と
して例えば前記アメリカ合衆国特許第4922204 号明細書
及びそれに対応する特開平2−17037号公報から知
られているようなトロイド形シース波トラップが設けら
れている。リード線9のターン28は心29上に巻か
れ、符号の付けられていない始端及び終端は共振コンデ
ンサ19により橋絡されている。
【0019】図1に示す実施例では核磁気共鳴断層撮影
装置が、z軸の方向へすなわち中空円筒形の高周波シー
ルド6の軸線方向へ延びる基本磁界を備える。しかしな
がらこの発明は、例えばいわゆるC字形磁石又はH字形
磁石を備える別の形式の核磁気共鳴断層撮影装置の場合
にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に基づく核磁気共鳴断層撮影装置の一
実施例の要部略示図である。
【図2】図1に示す減結合要素の一具体例である。
【図3】図1に示す減結合要素の異なる具体例である。
【図4】図1に示す減結合要素の異なる具体例である。
【図5】図1に示す減結合要素の異なる具体例である。
【符号の説明】
8 局部コイル 9 リード線 10 減結合要素 14、15 導体ループ 16、17 共振コンデンサ 22、23 筒形コイル 24、25 心 30 シース波トラップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−17037(JP,A) 特開 平1−160539(JP,A) 特開 平2−307433(JP,A) 特開 昭62−72342(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 24/00 - 24/14 G01R 33/20 - 33/64 A61B 5/055

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核スピンの励起のための送信アンテナ
    と、局部コイルの形の受信アンテナを備える核磁気共
    鳴断層撮影装置において、受信アンテナとしての局部コ
    イル(8)のリード線(9)が、送信アンテナ(2,
    3)の電界範囲内では、複数個の減結合要素(10)に
    よって互いに減結合された複数個の導体要素(a)に分
    割されていることを特徴とする核磁気共鳴断層撮影装
    置。
  2. 【請求項2】 減結合要素としてインダクタンスを備え
    ることを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 減結合要素として導体ループ(14、1
    5)を備えることを特徴とする請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 導体ループ(14、15)が、導体ルー
    プ(14、15)のインダクタンスと共に並列振動回路
    を形成する共振コンデンサ(16、17)を備えること
    を特徴とする請求項2記載の装置。
  5. 【請求項5】 減結合要素(10)として8の字形の各
    二つの筒形コイル(22、23)を備えることを特徴と
    する請求項1記載の装置。
  6. 【請求項6】 筒形コイル(22、23)が方形のター
    ンを備えることを特徴とする請求項5記載の装置。
  7. 【請求項7】 筒形コイル(22、23)のターンが、
    少なくともほぼ方形断面を有する非磁性材料から成る心
    (24、25)上に巻かれていることを特徴とする請求
    項6記載の装置。
  8. 【請求項8】 減結合要素(10)としてトロイド形シ
    ース波トラップ(30)が設けられることを特徴とする
    請求項2記載の装置。
  9. 【請求項9】 局部コイル(8)と減結合要素(10)
    との間に受信増幅器が配置されることを特徴とする請求
    項1乃至8の1つに記載の装置。
JP12830492A 1991-04-22 1992-04-20 核磁気共鳴断層撮影装置 Expired - Lifetime JP3205385B2 (ja)

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