JP2007517570A - 電気導電性調整要素を選択的に挿入することにより調整されるrfトラップ - Google Patents

電気導電性調整要素を選択的に挿入することにより調整されるrfトラップ Download PDF

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Abstract

磁気共鳴撮像装置(10)は、少なくとも撮像領域に亘って空間的に一様な主磁場を生成する主磁石(20)と、少なくともその撮像領域に亘って磁場勾配を選択的に生成する複数の勾配コイルと、撮像領域内に備えられている撮像対象物において選択された共鳴周波数で磁気共鳴を励起すること及び検出することの少なくとも一を実行するための高周波コイル(32,34)とを有する。高周波コイル(32,34)と接続されている高周波トラップ(60,60′)は、同軸ケーブルが巻き付けられている螺旋状に溝形成された誘電体フォーマ(62,62′)を有する。複数のスクリュー(84)又はロッド(90)のような電気導電性調整要素は、トラップのインダクタンスを調節することにより選択された共鳴周波数に高周波とラップ(60,62′)を調整するように誘電体フォーマ(62,62′)に選択的に挿入される。

Description

本発明は高周波技術に関する。本発明は、特に、磁気共鳴撮像スキャナにおけるアプリケーションに適合し、特に、その磁気共鳴撮像スキャナに関連して詳述する。しかしながら、本発明は他の高周波アプリケーションにまた、適合する。
磁気共鳴撮像スキャナにおいて、高周波コイルは、典型的には、高周波電流にコモンモード高インピーダンスを与えるように高周波トラップに接続されている。1つのコモンモードの構成において、高周波トラップは2つの誘電体フォーマ又はボビンを有するバランス合わせされたバタフライトラップである。同軸ケーブルは、誘導要素を規定するように2つの誘電体フォーマの周りに巻き付けられる。バランス合わせされたバタフライトポロジーにおいては、その同軸ケーブルは、それら2つのフォーマにおいて反対に方向付けられた磁場を生成するように2つのフォーマの反対に方向付けられた螺旋状に巻き付けられる。反対方向に方向付けられた螺旋巻き付けは、高周波トラップが、典型的には、高周波コイルの比較近く及び大きい磁場環境の内側に備えられているために、有利である外部磁場の削除を与える。コンデンサは、次式のような共鳴周波数を有する共鳴LC回路を構成するように誘導要素のシールド導体において接続され、
ωres=1/√LC (1)
ここで、Lは誘電体フォーマの周りにケーブルを巻き付けることにより形成される誘導要素のインダクタンスであり、Cは容量値であり、ωresは高周波トラップの共鳴周波数である。
構成される高周波トラップにおける1つの困難なことは、磁気共鳴周波数を微調整するように共鳴周波数ωresを微調整することである。磁気共鳴周波数は、典型的には、数十又は数百MHzである。例えば、3.0テスラの主B磁場においては、共鳴周波数は約128MHzである。市販されているディスクリート固定値コンデンサは、トラップが共鳴周波数ωresの微調整なしで所望の共鳴周波数を有することを確実にするように十分に狭い許容範囲を有し、容易に利用可能でない。
微調整に対する一方法においては、異なる固定値のコンデンサはバタフライトラップでテストされる。容量値は実質的にコンデンサ毎に異なる(例えば、市販のコンデンサは典型的には約5%の許容範囲を有する)ため、一部のコンデンサは、他より所望の応答周波数に近い応答を与えることが可能である。このような方法は多くの欠点を有する。テストされる大量のコンデンサの供給を維持する必要がある。しかしながら、大量のコンデンサの供給がある場合でさえ、一方で、所望の共鳴周波数を与えるコンデンサが存在しない可能性がある。更に、微調整処理中にコンデンサを半田付する且つ半田除去する多量の手作業が含まれる。
他の方法においては、可変コンデンサが用いられる。可変コンデンサは、微調整を与えるように容易に適合されている。しかしながら、高パワー可変コンデンサは大きく、かさばり、磁気共鳴撮像スキャナハウジング及びボア内の空間において位置付けられる付加を与えるため、問題である。可変コンデンサはまた、高価である。
一部の高周波トラップにおいては、ケーブル巻線の空間を調節することにより調整が達成される。しかしながら、巻線の調節は労働集約性であり時間を要し、調節された巻線はバタフライトラップの対称性を壊し、有利な外部の磁場の無効性を低くする可能性がある。更に、振動、磁気力又は他の影響のために時間経過に伴って調節された巻線空間における変化が高周波トラップの調整の悪化をもたらす可能性がる。
本発明は、上記の欠点及び他の欠点を克服する改善された装置及び方法について検討したものである。
一特徴に従って、フォーマの周りに巻き付けられた同軸ケーブルと誘電体フォーマを有する誘導要素を有する高周波トラップを調整するための方法が提供される。電気導電性材料の有効な量が誘電体フォーマに挿入され、その量は、選択された共鳴周波数値に対して高周波トラップを調整するように誘導要素のインダクタンスを調節するために有効である。
他の特徴に従って、1つ又はそれ以上の誘電体フォーマを含む高周波トラップが開示されている。内側導体及び同軸外側導体を有するケーブルの少なくとも一部は1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられている。1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられているケーブルの一部の同軸外側導体は少なくとも1つの誘導要素を規定する。容量は、少なくとも1つの誘導要素において接続されている。電気導電性材料の選択された量は1つ又はそれ以上の誘電体フォーマに挿入されている。電気導電性材料の選択された量は、選択された共鳴周波数を有する共鳴回路を規定するように少なくとも1つの誘導要素及び容量と協働する。
他の特徴に従って、高周波トラップを有する装置について開示されている。高周波トラップは偶数個の誘電体フォーマを有し、同軸ケーブルは誘電体フォーマの周りに巻き付けられ、複数の調整要素は、選択された共鳴周波数に対して高周波トラップを調整するように誘電体フォーマに挿入される。
他の特徴に従って、高周波トラップについて開示されている。内側導体及び同軸外側導体を有するケーブルの少なくとも一部が1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられている。1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられているケーブルの一部の同軸外側導体は少なくとも1つの誘導要素を規定する。容量は少なくとも1つの誘導要素において接続されている。1つ又はそれ以上の電気導電性固定部材は基板に1つ又はそれ以上の誘電体フォーマを固定する。各々の電気導電性固定部材の少なくとも一部は、固定されている誘電体フォーマの内側に備えられている。
一有利点は、高周波トラップの簡単な調整にある。
他の有利点は、調整された高周波トラップの低減されたコストにある。
他の有利点は高周波トラップの適切な調整にある。
他の有利点により、振動、磁気又は他の影響のために巻線の空間における変化による調整の悪化の可能性を低減するバタフライトラップの巻線の位置付けが固定される。
多くの付加的有利点及び優位性については、以下の好適な実施形態についての詳細説明に従って読むときに、当業者に明らかになるであろう。
本発明は、種々の構成要素及び構成要素の構成、種々の処理操作及び処理操作の構成において実施される。図面は、単に好適な実施形態を例示することを目的とするものであり、本発明を制限するように意図されるものではない。
図1を参照するに、磁気共鳴撮像スキャナ10は、一般に円筒状のスキャナボア14を規定するハウジング12を有し、そのスキャナボアの内側に、関連撮像対象物16が配置されている。主磁場コイル20はハウジング12の内側に備えられ、一般に、スキャナボア14の中心軸22に沿って平行に方向付けられた主B磁場を生成する。主磁場コイル20は、典型的には、クライオシュラウディング24の内側に備えられた超伝導コイルであるが、抵抗主磁場をまた、用いることが可能である。
ハウジング12はまた、スキャナボア14の中心軸22に平行な、中心軸22に対して横断的な、又は他の選択方向に沿って磁場勾配を選択的に生成するために、磁場勾配コイル30を収容する又は支持する。ハウジング12は、磁気共鳴を選択的に励起する及び/又は検出するために、高周波ボディコイル32を収容する又は支持する。スキャナボア14の内側に備えられているコイルアレイ34は、複数のコイル、特に、標本コイルアレイ34における4つのコイルを有するが、他の数のコイルアレイ34を用いることが可能である。コイルアレイ34は、平行撮像のための受信器のフェーズドアレイ、感度エンコード(SENSE)撮像のためのSENSE等として、用いられることができる。ハウジング12は、典型的には、スキャナボア14を規定する整形内側ライナー36を有する。
コイルアレイ34は、全身コイル32により励起される磁気共鳴を受信するために用いられ、又は、磁気共鳴は、コイルアレイ34により励起及び受信される。更に、コイルアレイ34により磁気共鳴を励起し、全身コイル32により磁気共鳴を検出することがまた、考慮されている。コイル32、34の一が送信及び受信の両方のために用いられる場合、それらのコイル32、34の他の一は任意に除外されることが理解できる。
主磁場コイル20は主磁場Bを生成する。磁気共鳴撮像制御器40は、磁場勾配コイル30に選択的に電力供給するように磁場勾配制御器42を動作させ、高周波コイル又はコイルアレイ32、34に選択的に電力供給するように高周波スイッチ45を介して高周波コイル32に又はコイルアレイ34に結合されている高周波送信器44を動作させる。磁場勾配コイル30及び高周波コイル32又はコイルアレイを選択的に動作させることにより、磁気共鳴が、撮像対象物16の注目すべき領域の少なくとも一部において生成され、空間的にエンコードされる。勾配コイル30を介して選択磁場勾配を適用することにより、例えば、直交軌道、複数の径方向軌道又は螺旋軌道等の選択k空間軌道は横断される。代替として、撮像データは、選択磁場勾配方向に沿った軌道として取得されることが可能である。撮像データ取得の読み出し段階の間に、磁気共鳴撮像制御器40は、磁気共鳴データメモリ50において記憶されている磁気共鳴サンプルを取得するように、全身コイル32又はコイルアレイ34に対して高周波受信器46を結合するようにスイッチ45を動作させる。
撮像データは、再構成処理器52により画像表現に再構成される。k空間サンプリングデータの場合、フーリエ変換に基づく再構成アルゴリズムが用いられる。例えば、フィルタリング逆投影に基づく再構成等の他の再構成アルゴリズムはまた、取得された磁気共鳴撮像データの形式に応じて用いられる。SENSE撮像データについて、再構成処理器52は、各々のコイルにより取得された撮像データから折り畳み画像を再構成し、次いで、非折り畳み再構成画像を生成するようにコイル感度パラメータと共に折り畳み画像を結合させる。
再構成処理器52により生成された再構成画像は画像メモリ54に記憶され、ユーザインターフェース56に表示され、不揮発性メモリに記憶され、ローカルイントラネット又はインターネットにおいて送信され、視覚化され、記憶され、操作される等がなされる。ユーザインターフェース56はまた、放射線技師、技術者又は他の磁気共鳴撮像スキャナ10のオペレータが、磁気共鳴撮像シーケンスを選択し、修正し及び実行するように磁気共鳴撮像制御器40と通信することを可能にする。
図1を継続して参照し、図2乃至7を更に参照するに、バタフライトラップ又はバラン60(ハウジング12の部分断面図として図1を示している)は、コイル32、34と高周波スイッチ45を接続するラインに挿入されている。バタフライトラップ又はバラン60は、高周波電流にコモンモードの高インピーダンスを供給する。図2に示すように、高周波トラップ60は、同軸ケーブル64を巻き付けている一般に円筒状の誘電体フォーマ又はボビン62の対を有する。同軸ケーブルは、基準電流“I”が図2に示す方向にケーブル中を流れるとき、逆方向に方向付けられた基準磁場“B”が2つのフォーマ62において生成される。それ故、誘電体フォーマ62の周りに巻き付けられているケーブル64の一部は、電気的に直列に結合された2つのインダクタを有する誘導要素66を規定する。基準電流“I”及び基準磁場“B”は電流磁場と磁場との間の相対的関係を示している。しかしながら、電流方向及び磁場方向は高周波において交互にスイッチングされる。
一実施形態においては、各々の誘電体フォーマ又はロビン62は、誘電体フォーマ62の円筒形表面上に形成された螺旋状の溝70(図3において適切に見える)を有する。同軸ケーブル64は、アライメントを与えるように螺旋状の溝により受け入れられ、誘電体フォーマ62においてその同軸ケーブル64のコイルの間隔が決められる。他の実施形態(図示せず)においては、螺旋状の溝70は省略される。
コンデンサ74は、LC共鳴回路を規定するように誘導要素66を横断して接続されている。更に詳細には、コンデンサ74は、同軸ケーブル64のシールド導体の端部に渡されて接続されている。コンデンサ74は、コンデンサの回路記号を用いて、図2に示されている。一実施形態においては、バタフライトラップ60はプリント回路基板78(図4乃至7参照)に固定され、コンデンサ74はチップコンデンサである(図5参照)。ケーブル64の端部は、プリント回路基板78との接続のため、高周波コイル32、34の一又は両方のケーブルとの接続のため、又は高周波電力供給又は検出回路におけるどこかとの接続のための接続端部80を構成するように被服を取られている。プリント回路基板78はバタフライトラップ60のみを支持するように示されている一方、付加高周波回路又は他のエレクトロニクスがプリント回路基板78上に形成され、それにより支持され及び/又はそれを介して相互接続されることが可能である。
バタフライトラップ60は、誘導要素66のインダクタンス及びコンデンサ74の容量に関連する共鳴周波数を有する。単純なパラレルLC共鳴回路トポロジーについて、バタフライトラップ60は、式(1)、即ち、ωtrap=(LC)−0.5に従った共鳴周波数ωtrapを有し、ここで、Lは誘導要素のインダクタンスであり、Cはコンデンサ74の容量である。他の共鳴回路トポロジーを採用することも検討され、その共鳴回路トポロジーに対して、共鳴周波数は、誘導要素のインダクタンスへの異なる関数依存性を有する可能性がある。
典型的には、コンデンサ74は、一般に、特定の許容範囲内で変化する名目上の容量を有する市販のコンデンサである。例えば、コンデンサは5%の許容範囲を有することが可能である。同様に、ロビン62において同軸ケーブル64を巻き付けることにより構成される誘導要素66は、ケーブル巻線の間隔の再現性、ロビン62の密度及び形状の再現性等のような因子に関連する特定の代表的な許容範囲を有する。それらの容量及びインダクタンスの許容範囲はバタフライトラップの共鳴周波数の対応する許容範囲に繋がり、その許容範囲は、磁気共鳴周波数又は他の所望の共鳴周波数に対するトラップの適切な調整を確実にするには大き過ぎる可能性がある。
磁気共鳴周波数又は他の所望の高周波共鳴値に対してバタフライトラップ60は微調整されるように、容量は固定され、誘導要素66のインダクタンスは目的の共鳴周波数が達成されるように調節される。そのインダクタンスは、フォーマ62に挿入される電気導電性材料により調節される。図2乃至7に示す実施形態においては、電気導電性材料は、フォーマ62を固定するためのフォーマ62に、それ故、プリント回路基板78に対するバタフライトラップ60に取り付ける電気導電性ねじ84(図6及び7参照)のような電気導電性固定部材の形をとる。
一実施形態においては、高周波トラップ60は主B磁場に備えられている。この実施形態においては、電気導電性ねじ84は適切な非強磁性体である。誘電体フォーマ62への非強磁性体の挿入は誘導要素66のインダクタンスを効果的に小さくする。それ故、式ωtrap=(LC)−0.5に従って、減少されたインダクタンスLは、バタフライトラップの共鳴周波数ωtrapにおける増加をもたらす、より非強磁性の導電性材料が誘電体フォーマ62に挿入されるとき、トラップ共鳴周波数ωtrapは増加する。この実施形態においては、コンデンサ74の容量は、フォーマ62に何れの非強磁性の導電性材料の挿入前に、トラップ共鳴周波数が所望のトラップ共鳴周波数値より小さいことを確実にするために十分大きいように選択される必要がある。
他の実施形態においては、高周波トラップ60は、主B磁場の外側に備えられている。この実施形態においては、電気導電性ねじ84は、上記のように、非強磁性であり、又は、それらのねじは強磁性である。誘電体フォーマ62への強磁性の導電性材料の挿入は、誘導要素66のインダクタンスを効果的に大きくする。それ故、式ωtrap=(LC)−0.5に従って、増加したインダクタンスLは、バタフライトラップの共鳴周波数ωtrapの減少をもたらす。より強磁性の導電性材料が誘電体フォーマ62に挿入されるとき、トラップ共鳴周波数ωtrapは減少する。強誘電性の導電性材料が調整のために用いられるとき、コンデンサ74の容量は、フォーマ62に何れの非強磁性の導電性材料の挿入前に、トラップ共鳴周波数が所望のトラップ共鳴周波数値より大きいことを確実にするために十分小さいように選択される必要がある。
バタフライトラップ60が主B磁場内に備えられているとき、外部磁場を低減するためにバランスを保たれているトラップ60を有することは有利である。それ故、誘電体フォーマ62の数は、好適には、偶数である。例えば、2つのフォーマ62が、図示しているように用いられる。同軸ケーブル66は、それら2つのフォーマ62において反平行磁場を生成するように2つの誘電体フォーマ62において逆方向の螺旋状に巻き付けられている。更に、電気導電性チューニング材料の等しい量が、好適には、微調整用バタフライトラップにおける磁場バランスを維持するように2つのフォーマ62の各々に挿入されている。
一実施形態においては、ボビン62は、電気導電性ねじ84、電気絶縁性ねじ85(例えば、テフロン(登録商標)ねじ)、又は電気導電性ねじ84及び電気絶縁性ねじ85の特定の組み合わせのどれかを用いて、プリント回路基板78に固定される。電気導電性ねじ84及び電気絶縁性ねじ85は機械的に交換可能である。
図6及び7に示すように、各々のボビン62は2つのねじによりプリント回路基板78に固定され、それら2つのねじは、図7に示すように、2つの電気導電性ねじ84であること、2つの電気絶縁性ねじ84であること、又は図6に示しているように、1つの電気導電性ねじ84及び1つの電気絶縁性ねじ85の組み合わせであることが可能である。異なる長さ及び径のねじの中から選択することにより、複数の対応する選択可能なチューニング値が得られる。例えば、ねじは、約0.5cm乃至2cmまでの長さの範囲内で変えることが可能である。微調整のために、微少量がねじの一の端部で回転されることが可能であり、又は、それらのねじの一は不完全に挿入されていることが可能である。
調整の更なるレベルは、各々のボビンを固定し、そして、ボビン62に挿入されている電気導電性材料の総量を制御するように電気導電性ねじ84及び電気絶縁性ねじ85から選択されるように、3つ、4つ又はそれ以上のねじを用いることにより与えられる。他の検討された実施形態においては、電気導電性材料の可変量を有する複合材料ねじが、トラップ共鳴周波数の更なる微調整のレベルを与えられるように用いられる。
図2乃至7の実施形態は、プリント回路基板78に対して高周波トラップ60を固定するために既に用いられた固定部材がバタフライトラップ60の周波数を選択的に微調整するように付加的に用いられる。
図8及び9を参照するに、バランス合わせされた高周波バタフライトラップ60′の他の実施形態について示している。図8及び9においては、図2乃至7のトラップ60と変わらない構成要素が同じ参照番号で示されている一方、修正された構成要素は対応するダッシュを付けられた参照番号で示されている。新しい構成要素は新しい参照番号で示されている。
バタフライトラップ60′においては、同軸ケーブル64は、修正された誘導要素66′を構成するように修正された誘電体フォーマ又はボビン62′の周囲に巻き付けられている。一実施形態においては、ボビン66′は、一般に、円筒状であり、各々のボビンは、ボビン62′の円筒形表面において形成されている螺旋状溝70′を有する。コンデンサは、適切には、トラップ60におけるものと同じコンデンサ74であるが、図8及び9には示していない。トラップ60′は、電気導電性でないか又は、フォーマ62′に挿入されていないかどちらかである固定部材(図示せず)を用いてプリント回路基板78に固定されている。他の変形においては、固定部材は電気導電性であり、フォーマ62′に挿入されているが、常に電気導電性である。それらの何れの場合、固定部材は、バタフライトラップ60′を微調整するために用いられない。
それに代えて、微調整は、誘電体フォーマ62′において形成されている開口92に電気導電性ロッド又はピン90を選択的に挿入することにより得られる。図8においては、3つのチューニングロッド90が各々のボビン62′に挿入されている一方、3つの他のチューニングロッド90が各々のボビン62′への挿入のために位置調整されているように示されている。有利であることに、ロッド又はピン90は、プリント回路基板78からバタフライトラップ60′を部分的に又は完全に緩めることなく、挿入又は取り外しされることが可能である。更に、電気導電性の低い材料が必要な場合、一部の電気導電性ロッド又はピン90は削除され、挿入されていない対応する開口のまま残される。一般に、それらの開口にダミーの絶縁性ピンを挿入する必要はない。更に、開口数は、機械的固定部材の数と同じでない。図8及び9に示しているように、比較的多い数の開口92を、バタフライトラップ60′のために複数の微調整レベルを与えるように備えることが可能である。図2乃至7のトラップ60と同様に、電気導電性ロッド又はピン90は非強磁性であることが可能であり、又は、環境が非磁性である場合、強磁性であることが可能である。非強磁性のピンはインダクタンスを減少させ且つ共鳴周波数を高くする一方、強磁性のピンはインダクタンスを増加させ且つ共鳴周波数を低くする。
トラップ60、60′を調整するために非強磁性又は強磁性電気導電性材料を用いるとき、特定の所望の共鳴周波数に対して特定のトラップを調整するために必要な電気導電性材料の有効な量を種々の方法で決定することができる。トラップ共鳴は、トラップ60の接続端部80に適切な高周波プローブを接続することにより電気的に測定される。ロッド90は、目的の共鳴周波数に達するまで、挿入される。目的の共鳴周波数が、部分的に挿入されたロッドの一により達せられたとき、そのロッドは、従って、任意に短くされ又はより短いロッドで置き換えられる。
代替として、コンデンサ74の許容範囲が誘導要素66、66′の許容範囲より実質的に大きい場合、コンデンサ74の容量はトラップ共鳴周波数を大幅に制御する。この場合、有効な材料の量は、例えば、式(1)に関して、特定のトラップトポロジー又はインダクタンスについて共鳴周波数を計算することにより又は経験的に、コンデンサ74の容量に対して計算される。他の方法においては、トラップ60、60′は、例えば、トラップ60、60′を介して高周波コイルの励起により、磁気共鳴スキャナ10内に設置した後、調整される。一旦、調整されると、ロッドは、所定の位置にエポキシ樹脂等により任意に固定される。
図8及び9の高周波トラップ60′においては、次いで、種々の共鳴周波数を得るように特定のトラップに挿入される必要がある調整ロッド90数を較正することが検討される。一旦、この検討がなされると、ユーザは、調整ロッド90の単に追加、除去又は短縮化によって、異なる所定の周波数に対してトラップを微調整することができる。それ故、例えば、トラップは、異なるB磁場、異なるプロトン共鳴システム等を収容するように異なる磁気共鳴周波数に選択的に微調整される。
トラップが磁場環境の外側で用いられる場合、バランス合わせされていないトラップを用いることが許容可能である。例えば、バタフライトポロジー以外のトラップトポロジーがそのような場合に用いられる。更に、トラップが磁場環境の外側で用いられる場合、強磁性導電性材料及び非強磁性導電性材料の組み合わせが、高周波トラップ共鳴周波数を選択的に増減するようにボビン中に挿入される。
更に、上記実施形態について、磁気共鳴撮像システムに関連して詳述したが、ここで開示した高周波トラップ及びトラップ調整処理は、高周波励起及び信号を用いる他のアプリケーションに適用可能であることが理解されるであろう。
本発明について、好適な実施形態に関連して詳述した。明らかに、上記詳細説明を読み、理解することにより、当業者は修正及び変形を考案するであろう。本発明は、同時提出の特許請求の及びそれと同等である範囲内で考案されるような修正及び変形全てを網羅するとみなされることが意図されている。
高周波バタフライトラップを有する磁気共鳴撮像システムを示す図である。 図1の高周波バタフライトラップを示す斜視図である。 図2の高周波バタフライトラップのボビンの一を示す斜視図である。 基板上に備えられたプリント回路のコンデンサを有する基板に設置された図2の高周波バタフライトラップの斜視図である。 図2の高周波バタフライトラップの同軸ケーブルに接続されたチップコンデンサの斜視図である。 各々のボビンに挿入された1つの調整スクリュー及び機械的固定のために挿入された1つの非電気導電性スクリューを伴った図2の高周波バタフライトラップの斜視図である。 各々のボビンに挿入された2つの調整スクリューを伴った図2の高周波バタフライトラップの斜視図であって、調整スクリューはまた基板に超音波バタフライトラップを固定するための固定部材として機能する、斜視図である。 高周波バタフライトラップの他の実施形態の斜視図であって、その高周波バタフライトラップにおいて調整ロッドが用いられ、それはボードに設置されていて、調整ロッドの半数が挿入される一方、調整ロッドの他の半数はボビンへの挿入のために位置合わせされている、斜視図である。 図8の高周波バタフライトラップのボビンの一の斜視図である。

Claims (22)

  1. 誘電体フォーマ及び該フォーマの周りに巻き付けられている同軸ケーブルを有する誘導要素を有する高周波トラップを調整するための方法であって:
    前記誘電体フォーマに電気導電性材料の有効な量を挿入する段階であって、前記量は、選択された共鳴周波数値に前記高周波トラップを調整するように前記誘導要素のインダクタンスを調節するために有効である、段階;
    を有することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって:
    前記誘導要素において容量を電気的に接続する段階であって、前記容量は、前記の選択された共鳴周波数値より小さい調整されていない共鳴周波数を生成するように前記誘導要素と協働する、段階;
    を更に有する、ことを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記の電気導電性材料の有効な量を挿入する段階は: 前記の調整されていない共鳴周波数が前記の選択された周波数値まで増加されるまで、前記誘電体フォーマに非強磁性電気導電性材料を挿入する手順;
    を有する、ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記電気導電性材料は強磁性であり、前記方法は:
    前記誘導要素において容量を電気的に接続する段階であって、前記容量は所望の共鳴周波数より高い調整されていない共鳴周波数を生成するように前記誘導要素と協働し、前記の調整されていない周波数が前記の選択された共鳴周波数値まで減少されるまで、前記挿入は強磁性電気導電性材料の挿入を有する、段階;
    を有する、ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、前記誘導要素は2つの誘電体フォーマを有し、前記同軸ケーブルは2つの誘電体フォーマにおいて非平行磁場を生成するように逆方向に方向付けられた螺旋状に前記2つの誘電体フォーマの周りに巻き付けられていて、前記誘電体フォーマに電気導電性材料を挿入する前記段階は:
    各々の誘電体フォーマに実質的に導電性材料の同じ量を挿入する手順;
    を有する、ことを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記誘導要素は2つの誘電体フォーマを有し、前記同軸ケーブルはバランス合わせされた高周波バタフライトラップトポグラフィーにおいて前記2つの誘電体フォーマの周りに巻き付けられていて、前記誘電体フォーマに電気導電性材料を挿入する前記段階は:
    前記誘電体フォーマの各々において生成された開口に、1つ又はそれ以上のロッドを挿入する手順であって、各々のロッドは導電性材料を有する、手順;
    を有する、ことを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、前記誘電体フォーマに電気導電性材料を挿入する前記段階は:
    前記誘電体フォーマに固定する1つ又はそれ以上の固定部材を用いて、基板に前記高周波トラップを固定する手順であって、前記固定部材は前記電気導電性材料を有する、手順;
    を更に有する、ことを特徴とする方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記高周波トラップは、偶数個の誘電体フォーマを有し且つ前記高周波トラップを固定するバランス合わせされたバタフライトラップであって、前記方法は:
    各々の誘電体フォーマに電気導電性固定部材の同じ数を固定する段階;
    を有する、ことを特徴とする方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって:
    各々のフォーマに1つ又はそれ以上の他の固定部材を固定する段階であって、前記1つ又はそれ以上の他の固定部材はまた、前記基板への前記高周波トラップの固定に寄与し、前記他の固定部材の各々は電気導電性材料を有しない、段階;
    を更に有する、ことを特徴とする方法。
  10. 請求項8に記載の方法であって、前記1つ又はそれ以上の固定部材は前記誘導要素のインダクタンスを調節するように選択される、ことを特徴とする方法。
  11. 高周波トラップであって:
    1つ又はそれ以上の誘電体フォーマ;
    内側導体及び同軸外側導体を有するケーブルであって、該ケーブルの少なくとも一部は前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられ、前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられた前記ケーブルの前記一部の前記同軸外側導体は少なくとも1つの誘導要素を規定する、ケーブル;
    前記少なくとも1つの誘導要素において接続されたコンデンサ;並びに
    前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマに挿入された選択された量の電気導電性材料であって、前記選択された量の電気導電性材料は、選択された共鳴周波数を有する共鳴回路を規定するように前記少なくとも1つの誘導要素及びコンデンサと協働する、電気導電性材料;
    を有することを特徴とする高周波トラップ。
  12. 請求項11に記載の高周波トラップであって、前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマは、円筒状表面に形成された螺旋状スロットを伴って、各々一般に円筒状である、ことを特徴とする高周波トラップ。
  13. 請求項11に記載の高周波トラップであって、前記選択された量の電気導電性材料は、支持構造に前記誘電体フォーマを備えるために固定部材において実施される、ことを特徴とする高周波トラップ。
  14. 装置であって、高周波トラップは:
    偶数個の誘電体フォーマ;
    前記誘電体フォーマの周りに巻き付けられた同軸ケーブル;及び
    選択された共鳴周波数に前記高周波トラップを調整するように前記誘電体フォーマに選択的に挿入された複数の調整要素;
    を少なくとも有する、ことを特徴とする装置。
  15. 請求項14に記載の装置であって:
    少なくとも撮像領域において空間的に一様な主磁場を発生させる少なくとも主磁場を有する磁気共鳴撮像スキャナであって、複数の勾配コイルは少なくとも前記撮像領域に対して磁場勾配を選択的に生成する、磁気共鳴撮像スキャナ;並びに
    前記撮像領域内に配置されている撮像対象物用に前記選択された共鳴周波数において磁気共鳴の励起及び検出の少なくとも一を実行するための高周波コイル;
    を更に有する、高周波トラップであり、
    前記高周波トラップは、前記高周波コイルにおける高周波電流にコモンモードの高インピーダンスを供給するように前記磁気共鳴撮像スキャナの前記高周波コイルと接続されている;
    ことを特徴とする装置。
  16. 請求項14に記載の装置であって、前記誘電体の数は2つである、ことを特徴とする装置。
  17. 請求項16に記載の装置であって、前記調整要素は、各々が基板に前記高周波トラップを固定する予め選択された量の電気導電性材料を有する、調整固定部材を有する、ことを特徴とする高周波トラップ。
  18. 請求項17に記載の高周波トラップであって:
    電気導電性材料を有しない非調整固定部材であって、前記高周波トラップは、前記2つの誘電体フォーマの各々に挿入された少なくとも1つの調整固定部材と1つの非調整固定部材とを有する選択された数の固定部材により前記基板に固定されている、非調整固定部材;
    を更に有する、ことを特徴とする装置。
  19. 請求項16に記載の装置であって、前記高周波トラップは、前記2つの誘電体フォーマの各々に挿入された同じ数の調整要素を有する、ことを特徴とする装置。
  20. 請求項14に記載の装置であって、各々の誘電体フォーマは、前記円筒状表面において形成された螺旋状スロットを伴って一般に円筒状であり、前記巻き付けられた同軸ケーブルは前記螺旋状スロットにより受け入れられている、ことを特徴とする装置。
  21. 高周波トラップであって:
    1つ又はそれ以上の誘電体フォーマ;
    内側導電対及び同軸外側導体を有するケーブルであって、該ケーブルの少なくとも一部は前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられ、前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマの周りに巻き付けられた前記ケーブルの前記一部の前記同軸外側導体は少なくとも1つの誘導要素を規定する、ケーブル;
    前記少なくとも1つの誘導要素において接続されたコンデンサ;並びに
    基板に前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマを固定する1つ又はそれ以上の電気導電性固定部材であって、各々の電気導電性固定部材の少なくとも一部は、固定されている前記誘電体フォーマの内側に備えられている、電気導電性固定部材;
    を有することを特徴とする高周波トラップ。
  22. 請求項21に記載の高周波トラップであって:
    1つ又はそれ以上の電気絶縁性固定部材は前記1つ又はそれ以上の誘電体フォーマを基板に固定し、前記電気導電性固定部材及び前記電気絶縁性固定部材は機械的に交換可能である、ことを特徴とする高周波トラップ。
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