JPH08280651A - バードケージコイル製造方法 - Google Patents
バードケージコイル製造方法Info
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- JPH08280651A JPH08280651A JP7093908A JP9390895A JPH08280651A JP H08280651 A JPH08280651 A JP H08280651A JP 7093908 A JP7093908 A JP 7093908A JP 9390895 A JP9390895 A JP 9390895A JP H08280651 A JPH08280651 A JP H08280651A
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Abstract
実現する。 【構成】 対向するリング部と、このリング部間に複数
のエレメントとを有するバードケージコイルの製造方法
であって、所定のエレメント間隔の範囲内においてエレ
メント幅を調整(ステップ,,)し、核磁気共鳴
により倒されるスピンの角度が一定になる状態で要求さ
れる励起電力が最小になるように前記エレメント幅を決
定(ステップ)してバードケージコイルを製造する。
Description
(MRI(Magnetic Resonance Imaging))装置に用い
るRFコイルに関し、特にバードケージコイル構造のM
RI用RFコイルの効率向上のための調整方法に関す
る。
て被検体中の所望の検査部位における原子核スピンの密
度分布,緩和時間分布等を計測して、その計測データか
ら被検体の断面を画像表示するものである。
被検体の原子核スピンは、静磁場の強さによって定まる
周波数(ラーモア周波数)で静磁場の方向を軸として歳
差運動を行う。そこで、このラーモア周波数に等しい周
波数の高周波パルスを外部より照射すると、スピンが励
起されて高いエネルギー状態に遷移する。これを核磁気
共鳴現象と言う。この高周波パルスの照射を打ち切る
と、スピンはそれぞれの状態に応じた時定数で元の低い
エネルギー状態に戻り、この時に外部に電磁波を照射す
る。これをその周波数に同調した高周波受信コイル(R
Fコイル)で検出する。このとき、空間内に位置情報を
付加する目的で、三軸の傾斜磁場を静磁場空間に印加す
る。この結果、空間内の位置情報を周波数情報として捕
らえることができる。
高周波回転磁場を印加するため、または被検体で発生す
る電磁波を受信するために用いられるRFコイルは、そ
の中に被検体を収容し、被検体の周囲の線輪(エレメン
ト)部分に高周波電流を流している。
ジ構造と呼ばれる形状のものがある。このバードケージ
コイル構造のRFコイル(以下、単にバードケージコイ
ルという)のうちハイパス形の一例を図12に示す。
及び第2のリング部2b(以下、単にリング部とも言
う)は導電ループを形成し、略円形をなしており、2個
のリング部2a,2bはその面が平行になるように配置
されている。エレメント3はこの2個のリング部2a,
2bをその各々の周縁に沿って同一間隔に隔たった点で
リング部2a,2bの面に直交して接続されているもの
で、複数本のエレメントから構成されている。また、コ
ンデンサ4がリング部2aのエレメント接続点間に直列
に挿入され、またコンデンサ5がリング部2bのエレメ
ント接続点間に直列に挿入されており、エレメント3の
インダクタンスとこのコンデンサ4,5の容量とで前記
ラーモア周波数に共振するような値に選ばれている。こ
のようなバードケージコイルは同相と直交の両成分の結
合を同時に行うことができ、又、Qも十分高いので一般
的に多く用いられている。
ジコイルでは、コイルの全長(=エレメントの長さ)と
コイルの断面(エレメントに垂直な断面)の大きさが決
定されると、エレメントやリング部の幅は材質により決
まった値であるため、エレメントとリング部が有するイ
ンダクタンスの大きさが決まる。このバードケージコイ
ルを必要な周波数(=ラーモア周波数)で共振させる為
には、必要なキャパシタンスが一義的に決定される。
定することで、各部の素子の定数が一義的に決まること
になる。また、バードケージコイルの形状が決定される
ことで、周囲及び内部の磁場分布も殆ど定まる。
やリング幅(太さ)については一切配慮されていなかっ
た。すなわち、エレメントやリング部には銅箔テープや
銅棒などが用いられており、この部材の持つ幅や太さが
そのまま用いられていたにすぎない。
RI装置のシールド材などが配置されており、これらシ
ールド材にバードケージコイルからの磁場が作用して渦
電流が発生している。そして、この渦電流から発生する
磁場は、バードケージコイルが発生する磁場を打ち消す
方向に作用するため、送信や受信の効率の低下やSN比
の悪化を引き起こすことがある。このような渦電流によ
りもたらされるバードケージコイルの効率の低下につい
ては、バードケージコイル周囲の磁場の分布等によって
も発生する程度が異なるものであるが、従来は何ら配慮
がなされていなかった。
で、その目的は、バードケージコイルの効率を向上させ
るためにバードケージコイルの各部の値を最適化調整し
てバードケージコイルを製造する製造方法を実現するこ
とである。
来のバードケージコイルの効率に関する問題を改良すべ
く鋭意研究を行った結果、バードケージコイル周囲の磁
場の分布によってバードケージコイルのSN比や効率が
変化することを新たに見い出し、バードケージコイルの
SN比や効率を高めるため新たな調整手法を見出して本
発明の製造方法を完成させたものである。
明は基本的に以下の(1)〜(4)に説明するようなも
のである。 (1)前記の課題を解決する第1の手段は、対向するリ
ング部と、このリング部間に複数のエレメントとを有す
るバードケージコイルの製造方法であって、所定のエレ
メント間隔の範囲内においてエレメント幅を調整し、核
磁気共鳴により倒されるスピンの角度が一定になる状態
で要求される励起電力が最小になるように前記エレメン
ト幅を決定してバードケージコイルを製造することを特
徴とするバードケージコイル製造方法である。
は、対向するリング部と、このリング部間に複数のエレ
メントとを有するバードケージコイルの製造方法であっ
て、所定のエレメント間隔の範囲内においてエレメント
幅を調整し、核磁気共鳴により得られる受信信号のSN
比が最大となるように前記エレメント幅を決定してバー
ドケージコイルを製造することを特徴とするバードケー
ジコイル製造方法である。
は、対向するリング部と、このリング部間に複数のエレ
メントとを有するバードケージコイルの製造方法であっ
て、リング幅をバードケージコイルの収容可能な範囲内
で調整し、核磁気共鳴により倒されるスピンの角度が一
定になる状態で要求される励起電力について、励起電力
の初期値と比較して一定の割合以上小さくなるリング幅
に決定してバードケージコイルを製造することを特徴と
するバードケージコイル製造方法である。
は、対向するリング部と、このリング部間に複数のエレ
メントとを有するバードケージコイルの製造方法であっ
て、リング幅をバードケージコイルの収容可能な範囲内
で調整し、核磁気共鳴により得られる受信信号のSN比
について、SN比の初期値と比較して一定の割合以上大
きくなるリング幅に決定してバードケージコイルを製造
することを特徴とするバードケージコイル製造方法であ
る。
しては、以上の(1)〜(4)以外にも以下に示すよう
な(5)〜(7)に説明するような手段も含まれる。 (5)前記の課題を解決する第5の手段は、対向するリ
ング部と、このリング部間に複数のエレメントとを有す
るバードケージコイルの製造方法であって、核磁気共鳴
により倒されるスピンの角度が一定になる状態で要求さ
れる励起電力が最小になるような前記エレメント幅の調
整と、核磁気共鳴により得られる受信信号のSN比が大
きくなるような前記エレメント幅の調整とを交互に行な
うことで、前記エレメント幅を決定してバードケージコ
イルを製造することを特徴とするバードケージコイル製
造方法である。尚、この場合、励起電力による調整とS
N比による調整とのいずれを先に行っても構わない。
て、エレメント幅若しくはリング幅を調整する際に、幅
を徐々に広げる方向に調整をして決定を行うことが望ま
しい。
スピンの角度が一定になる状態で要求される励起電力が
最小になるような前記エレメント幅の調整と、核磁気共
鳴により得られる受信信号のSN比が大きくなるような
前記エレメント幅の調整とを交互に行なう場合には、い
ずれか一方の特性が急激に変化する点を避けるようにし
てエレメント幅とリング幅の決定を行なって製造を行う
ことが望ましい。
コイル製造方法では、エレメント幅の調整により、核磁
気共鳴により倒されるスピンの角度が一定になる状態で
要求される励起電力が最小になるようにエレメント幅が
決定されてバードケージコイルが製造される。
で、バードケージコイルによる磁場が周囲の部材に作用
して生じる渦電流が最小になった結果により励起電力が
最小で済むようになるので、バードケージコイルの効率
が高まる。
ージコイル製造方法では、エレメント幅の調整により、
核磁気共鳴により得られる受信信号のSN比が最大とな
るようにエレメント幅が決定されてバードケージコイル
が製造される。
で、バードケージコイルによる磁場が周囲の部材に作用
して生じる渦電流が最小になった結果によりSN比が大
きくなるので、バードケージコイルの効率が高まる。
ージコイル製造方法では、リング幅の調整により、核磁
気共鳴により倒されるスピンの角度が一定になる状態で
要求される励起電力が一定以上改善されるようにしてリ
ング幅が決定されてバードケージコイルが製造される。
で、バードケージコイルによる磁場が周囲の部材に作用
して生じる渦電流が少なくなった結果により励起電力が
小さくて済むようになるので、バードケージコイルの効
率が高まる。
ージコイル製造方法では、リング幅の調整により、核磁
気共鳴により得られる受信信号のSN比が大きくなるよ
うにリング幅が決定されてバードケージコイルが製造さ
れる。
で、バードケージコイルによる磁場が周囲の部材に作用
して生じる渦電流が少なくなった結果によりSN比が大
きくなるので、バードケージコイルの効率が高まる。
ージコイル製造方法では、エレメント幅の調整により、
励起電力が最小になるような前記エレメント幅の調整
と、受信信号のSN比が大きくなるような前記エレメン
ト幅の調整とが交互に繰り返されて、エレメント幅が決
定されてバードケージコイルが製造される。
で、バードケージコイルによる磁場が周囲の部材に作用
して生じる渦電流が最小になった結果により励起電力が
最小で済むようになり、また、SN比が大きくなるの
で、バードケージコイルの効率が高まる。
ング幅を決定するにあたっては、エレメント幅若しくは
リング幅の狭い状態から徐々に広げる方向に調整をして
いくことにより、SN比が緩やかに上昇するので最適点
を容易に見つけることができる。
ング幅を決定するにあたっては、エレメント幅若しくは
リング幅の狭い状態から徐々に広げる方向に調整をして
いくことにより、必要な励起電力が徐々に減少するので
最適点を容易に見つけることができる。
リング幅を決定するにあたっては、いずれか一方の特性
が急激に変化する点を避けるようにしてエレメント幅と
リング幅の決定を行なうことにより、製造誤差や各種経
時変化により値が変化した場合であっても、特性の変化
が小さくなる。
に説明する。図1は本発明のバードケージコイル製造方
法についての一実施例の調整手順を示すフローチャート
である。
ージコイルの構成例を展開図により示す構成図である。
従来例で説明した図12のバードケージコイルと同一物
には同一番号を付してある。
ドケージコイルの概要について説明する。この図2にお
いて、第1のリング部2a及び第2のリング部2b(以
下、単にリング部とも言う)は導電ループを形成し、略
円形をなしており、2個のリング部2a,2bはその面
が平行になるように配置されている。エレメント3はこ
の2個のリング部2a,2bをその各々の周縁に沿って
同一間隔に隔たった点でリング部2a,2bの面に直交
して接続されているもので、複数本(8本,16本,
…)のエレメントから構成されている。
コンデンサは省略してあるが、従来のバードケージコイ
ル同様に、エレメントやリング部のインダクタンス成分
との組み合わせでラーモア周波数に同調するような容量
Cのコンデンサが配置されているものとする。
がw,エレメント幅がx,エレメント長がy1 ,リング
部の幅(以下、単にリング幅という)がy2 であるとし
て説明を続ける。
ず、製造方法の第一の例として励起電力によるエレメン
ト幅調整を用いた場合について図1により説明を行う。
大きさ等からバードケージコイルのエレメント長y1 ,
バードケージコイル断面(エレメントに垂直な断面)の
大きさを決定する(図1ステップ)。この場合、エレ
メント幅としては、初期値として従来用いていた値(例
えば、25.4mm)等を用いる。
ント長y1 とコイルの断面の大きさが決定されると、エ
レメント幅やリング幅が一定である場合にはエレメント
とリング部が有するインダクタンスの大きさが決まる。
従って、このようなバードケージコイルを必要な周波数
(ラーモア周波数)で共振させる為には、同調用に必要
なキャパシタンスが一義的に求まる(図1ステップ
)。
バードケージコイルにおいて、核磁気共鳴により倒され
るスピンの角度が一定になる状態で要求される励起電力
を求める。
と共に、このエレメント幅のインダクタンス値に応じて
コンデンサの容量を変更してラーモア周波数に同調する
ようにし(図1ステップ)、核磁気共鳴により倒され
るスピンの角度が一定になる状態で要求される励起電力
を再び求める。この作業を繰り返して(図1ステップ
,,)、励起電力が最小になるエレメント幅を決
定する(図1ステップ)。
ようにして決定した値を用いてバードケージコイルを製
造する。表1はこのようなエレメント幅の決定を行った
場合のエレメント幅と励起電力との関係を示す実験結果
であり、図3は表1の実験結果に基づく特性図である。
同じ種類の送受信コイルをMRI装置内に通常と同じ様
に載置した場合について実験をして得られた結果であ
る。この表1及び図3に示す実験結果において、実験例
1及び実験例2の場合、エレメント長500mm,直径6
00mm,エレメント数16,であって上述の説明のよう
にして決定された寸法のバードケージコイルを用いて測
定した特性を示している。
て、コイル内に載置した負荷を変えて実験を行った。実
験例1では体重135kgの人体に相当する負荷を入れて
実験を行い、実験例2では人体の頭部に相当する負荷を
入れて実験を行った。
イルでは110mm付近で最低値が選られ、また、他方の
コイルでは115mm付近で最低値が得られている。この
ように、エレメント幅を広げていくにつれて励起電力が
小さくて済む理由としては、以下の〜のような関係
になっているものと考えられる。
ージコイルのエレメント周囲に発生する磁場がエレメン
トに沿うようになる。 磁場がエレメントに沿うようになるため、バードケー
ジコイル周囲のシールド部材に作用する磁場が少なくな
る。
るために、シールド部材で発生する渦電流が少なくな
る。 渦電流がすくなくなるため、渦電流が発生する磁場に
よってバードケージコイルが発生した磁場が打ち消され
る割合が少なくなる。
ンの角度を一定にする場合にバードケージコイルからの
発生すべき磁場が小さくて済む。すなわち、上記の〜
のような作用によりバードケージコイルの効率が向上
したことになる。
エレメント幅xがエレメント間隔wに近づくにつれて、
必要な励起電力が増大する傾向にある。この理由として
は、隣接するエレメント間のスリット幅(x−w)が狭
くなり、各エレメントを取り巻くようにして発生すべき
磁場がスリットを通り抜け難くなることが原因であると
予想されている。
メント幅を広げた状態が励起電力を最低限にする際の条
件になる。この場合、エレメント長やエレメントの厚
み、また、周囲のバードケージコイル周囲のシールド材
の配置状況などによって各種の条件が異なったものとな
るため、励起電力が最小になるエレメント幅(またはエ
レメント間隔とエレメント幅の比率)は一義的に決定さ
れるものではない。このため、図3の破線A及び破線B
の結果も、周囲の状況により変化する可能性がある。
ることにより、励起電力も徐々に低下するので測定が容
易になるまた、以上のように最適点を超えて広げた場合
に急激に特性が悪化するものである場合には、測定によ
り得られた最適値より若干エレメント幅を狭めて特性変
化の小さい領域に決定することで、製造誤差や各種経時
変化により特性が変化して最適点にずれが生じるような
場合であっても、励起電力に与える影響(変化)が小さ
くなる利点がある。
に、製造方法の第二の例としてSN比によるエレメント
幅調整を用いた場合について図4及び図5により説明を
行う。
大きさ等からバードケージコイルのエレメント長y1 ,
バードケージコイル断面(エレメントに垂直な断面)の
大きさを決定する(図4ステップ)。この場合、エレ
メント幅としては、初期値として従来用いていた値(例
えば、25.4mm)等を用いる。
必要な周波数(ラーモア周波数)で共振させる為に、同
調用に必要なキャパシタンスを求める(図4ステップ
)。次に、エレメント幅を初期値とした場合のバード
ケージコイルにおいて、核磁気共鳴により得られる受信
信号のSN比を求める。
と共に、このエレメント幅のインダクタンス値に応じて
コンデンサの容量を変更して(図4ステップ)、核磁
気共鳴により得られる受信信号のSN比を再び求める。
この作業を繰り返して(図4ステップ,,)、S
N比が最大となるエレメント幅を決定する(図4ステッ
プ)。
ようにして決定した値を用いてバードケージコイルを製
造する。表2はこのようなエレメント幅の決定を行った
場合のエレメント幅と励起電力との関係を示す実験結果
であり、図5は表2の実験結果に基づく特性図である。
同一種類の送受信コイルをMRI装置内に通常と同じ様
に載置した場合について実験をして得られた結果であ
る。尚、図5及び表2においてSN比は信号Sとノイズ
Nとの比をそのまま示したものであり、dBで表したも
のではない。
て、実験例3及び実験例4の場合は、エレメント長50
0mm,直径600mm,エレメント数16,であって上述
の説明のようにして決定された寸法のバードケージコイ
ルを用いて測定した特性を示している。
て、コイル内に載置した負荷を変えて実験を行った。実
験例3では人体の頭部に相当する負荷を入れて実験を行
い、実験例4では体重135kgの人体に相当する負荷を
入れて実験を行った。
イルで115mm付近でSN比の最大値が得られている。
このように、エレメント幅を広げていくにつれてSN比
が良くなる理由としては、以下の〜のような関係に
なっているものと考えられる。
ージコイルのエレメント周囲に発生する磁場がエレメン
トに沿うようになる。 磁場がエレメントに沿うようになるため、バードケー
ジコイル周囲のシールド部材に作用する磁場が少なくな
る。
るために、シールド部材で発生する渦電流が少なくな
る。 渦電流が発生する磁場が受信信号に対してノイズとし
て作用するが、渦電流が少なくなるために、ノイズ成分
も減少してSN比が向上する。
ドケージコイルの効率が向上したことになる。尚、最適
点を超えてエレメント幅を広げ、エレメント幅xがエレ
メント間隔wに近づくにつれて、SN比が低下する傾向
にある。
のスリット幅(x−w)が狭くなり、各エレメントを取
り巻くようにして発生すべき磁場がスリットを通り抜け
難くなることが原因であると予想されている。
メント幅を広げた状態がSN比を最大にする際の条件に
なる。この場合、エレメント長やエレメントの厚み、ま
た、周囲のバードケージコイル周囲のシールド材の配置
状況などによって各種の条件が異なったものとなるた
め、SN比が最大になるエレメント幅(またはエレメン
ト間隔とエレメント幅の比率)は一義的に決定されるも
のではない。
ることにより、SN比も徐々に良くなるので測定が容易
になるまた、以上のように最適点を超えて広げた場合に
急激に特性が悪化するものである場合には、測定により
得られた最適値より若干エレメント幅を狭めて特性変化
の小さい領域に決定することで、製造誤差や各種経時変
化により特性が変化した場合であっても、SN比に与え
る影響が小さくなる利点がある。
との双方を行う製造方法>以上の実施例における励起電
力の最良点とSN比との最良点は、周囲の影響などにも
よるが一致する場合と一致しない場合がある。
調整との両方の調整を繰り返して行うことも可能であ
る。すなわち、励起電力によるエレメント幅の調整の最
良点とSN比によるエレメント幅の最良点とが一致しな
いような場合に、一方の最良点が他方では急激に変化
(悪化)する点である可能性もある。
して、両方の調整において最良点付近であって特性が急
激に悪化しない領域を見つけてエレメント幅とすれば良
い。このようにすることで、安定した状態を得ることが
できる。
とで、製造誤差や各種経時変化により値が変化した場合
であっても、性能に与える影響が小さくなるといった利
点がある。
造方法の第三の例として励起電力によるリング幅調整を
用いた場合について図6及び図7により説明を行う。
大きさ等からバードケージコイルのエレメント長y1 ,
バードケージコイル断面(エレメントに垂直な断面)の
大きさを決定する(図6ステップ)。この場合、リン
グ幅としては、初期値として従来用いていた値(例え
ば、25.4mm)等を用いる。
ント長y1 とコイルの断面の大きさが決定されると、エ
レメント幅やリング幅が一定である場合にはエレメント
とリング部が有するインダクタンスの大きさが決まる。
従って、このようなバードケージコイルを必要な周波数
(ラーモア周波数)で共振させる為には、同調用に必要
なキャパシタンスが一義的に求められる(図6ステップ
)。
ドケージコイルにおいて、核磁気共鳴により倒されるス
ピンの角度が一定になる状態で要求される励起電力を求
める。
に、このリング幅のインダクタンス値に応じてコンデン
サの容量を変更して(図6ステップ)、核磁気共鳴に
より倒されるスピンの角度が一定になる状態で要求され
る励起電力を再び求める。この作業を繰り返して(図6
ステップ,,)、励起電力が初期値と比較して一
定の割合(例えば、10%)以上小さくなるリング幅を
決定する(図6ステップ)。
ようにして決定した値を用いてバードケージコイルを製
造する。表3はこのようなリング幅の決定を行った場合
のリング幅と励起電力との関係を示す実験結果であり、
図7は表3の実験結果に基づく特性図である。
線は、核磁気共鳴により倒されるスピンの角度が一定に
なる状態で要求される励起電力について、従来の標準的
なバードケージコイルのリング幅(25.4mm)の励起
電力を 1.0になるよう正規化して、リング幅を変化
させた場合の励起電力を相対的に示したものである。
5の場合は、エレメント長500mm,エレメント幅2
5.4mm,直径600mm,エレメント数16,であって
上述の説明のようにして決定された寸法のバードケージ
コイルを用いて測定した特性を示している。
電力が小さくて済むことを示している。すなわち、可能
であればリング幅を無限に広げることが好ましいことが
わかるが、一定の値に収束するために実現可能な範囲
(収容可能な範囲)にすることが好ましい。
て励起電力が小さくて済む理由としては、上述の励起電
力によるエレメント幅調整の場合に説明した〜と同
じ様なものになっていると考えられる。従って、リング
幅を広げるにつれて周囲のシールド材との渦電流の関係
がなくなってバードケージコイルの効率が向上したこと
になる。
係で最適点が存在していたが、リング幅の場合には広げ
るにつれて効率が改善されるため最適点は存在しない。
しかし、MRI装置の大きさの制限によりリング幅も制
限される。また、リング幅を広げるにつれて、改善され
る割合いが小さくなり収束する。
善率が得られたリング幅に決定することも可能である。
実験の結果、リング幅の初期値が25.4mmであった場
合に、30mmとしたことにより励起電力を初期値の場合
の90%以下にすることができ、明らかな効率改善の効
果を得た。
おける励起電力の90%となるリング幅から、MRI装
置内に収容可能な最大の幅のいずれかの値を任意に選択
することが可能である。
方法の第四の例としてSN比によるリング幅調整を用い
た場合について図8及び図9により説明を行う。
大きさ等からバードケージコイルのエレメント長y1 ,
バードケージコイル断面(エレメントに垂直な断面)の
大きさを決定する(図8ステップ)。この場合、リン
グ幅としては、初期値として従来用いていた値(例え
ば、25.4mm)等を用いる。
ント長y1 とコイルの断面の大きさが決定されると、エ
レメント幅やリング幅が一定である場合にはエレメント
とリング部が有するインダクタンスの大きさが決まる。
従って、このようなバードケージコイルを必要な周波数
(ラーモア周波数)で共振させる為には、同調用に必要
なキャパシタンスが一義的に求められる(図8ステップ
)。
ドケージコイルにおいて、核磁気共鳴により得られる受
信信号のSN比を求める。そして、リング幅を初期値か
ら広げると共に、このリング幅のインダクタンス値に応
じてコンデンサの容量を変更して(図8ステップ)、
核磁気共鳴により得られる受信信号のSN比を再び求め
る。
,)、SN比が初期値と比較して一定の割合(例え
ば、3dB)以上良くなるリング幅を決定する(図8ス
テップ)。
ようにして決定した値を用いてバードケージコイルを製
造する。表4はこのようなリング幅の決定を行った場合
のリング幅とSN比との関係を示す実験結果であり、図
9は表4の実験結果に基づく特性図である。ここで、図
9はこのようなリング幅の決定を行った場合のリング幅
とSN比の改善率(リング幅を変更した場合のSN比
と、リング幅を初期値とした場合のSN比との比)との
関係を示す特性図である。尚、この図9では従来の標準
的なバードケージコイルのリング幅(25.4mm)のS
N比を基準として示したものである。
は、エレメント長500mm,エレメント幅25.4mm,
直径600mm,エレメント数16,であって上述の説明
のようにして決定された寸法のバードケージコイルを用
いて測定した特性を示している。
ように、リング幅の広げるに従って、SN比が良くなる
ことを示している。すなわち、可能であればリング幅を
無限に広げることが好ましいことがわかる。
てSN比が良くなる理由としては、上述のSN比による
エレメント幅調整の場合に説明した〜と同じ様な理
由になっているものと考えられる。従って、リング幅を
広げるにつれて周囲のシールド材との渦電流の関係がな
くなってバードケージコイルの効率が向上したことにな
る。
係でSN比の最適点が存在していたが、リング幅の場合
には広げるにつれて効率が改善されるため最適点は存在
しない。しかし、MRI装置の大きさの制限によりリン
グ幅も制限される。また、リング幅を広げるにつれて、
改善される割合いが小さくなり収束する。
善率が得られたリング幅に決定することも可能である。
ある条件のもとで実験を行った結果、リング幅の初期値
が25.4mmであった場合に、85mmとしたことにより
SN比を初期値の場合より3dB改善することができ、
明らかな効率改善の効果を得た。
おけるSN比と比較して3dB改善となるリング幅か
ら、MRI装置内に収容可能な最大の幅のいずれかの値
を任意に選択することが可能である。
って良好な結果を得たバードケージコイルについて図1
0に具体的数値を示して説明する。
径603mmのものを用意し、エレメント間隔wが118
mmであった場合、エレメント幅xを108mmとしたとこ
ろ励起電力を最小にし、また受信したNMR信号のSN
比も良好な値を得ることができた。
うなヘッドコイル(受信コイル)として直径280mmの
ものを用意し、エレメント間隔wが109mmであった場
合、エレメント幅xを40mmとしたところ励起電力を最
小にし、また受信したNMR信号のSN比も良好な値を
得ることができた。
果は以上の説明の通りであり良好な結果が得られた。一
方、実験例8の受信コイルとしてのヘッドコイルの場
合、以上の説明の送受信に用いるコイルとは若干異なっ
て、エレメント幅がエレメント間隔の半分以下のところ
で最良値を実現している。
ヘッドコイルより内側の被検体に対して有効に作用させ
るために、スリットの幅が大きくなっている必要があ
り、 ヘッドコイルとシールド材との距離が離れているため
に渦電流の影響が小さい、といった2点が考えられる。
作成されたバードケージコイルと従来(通常)のバード
ケージコイルのQを比較するための説明図である。どち
らのコイルもコイル単体(被検体を収容していない状
態)ではQが300 であった。そこで、通常のコイルでは
被検体を収容した状態ではQが250 に低下した。これは
被検体とバードケージコイルが結合して励起電力が吸収
されたことを示している。
では被検体を収容した状態ではQが50にまで低下した。
これは被検体とバードケージコイルの結合が強く、励起
電力の大部分が被検体に吸収された(励起電力が有効に
作用している)ことを示している。すなわち、従来のバ
ードケージコイルよりも、シールドとの結合が小さく、
被検体との結合が大きく、結果として効率が良いことを
示しており、前述の励起電力が小さくて済み、SN比が
良くなるという特性を裏付けるものでもある。
ング部にコンデンサを有するハイパス型であってもエレ
メントにコンデンサを有するローパス型のいずれの型の
MRI用RFコイルについても用いることが可能であ
る。従って、いずれの場合であっても、リング幅若しく
はエレメント幅を調整しながら同調用のコンデンサの容
量を調整して、エレメント幅若しくはリング幅の最適値
を求めれば良い。
核磁気共鳴により倒されるスピンの角度が一定になる状
態で要求される励起電力が最小になるようにエレメント
幅を調整することで、バードケージコイルとその周囲の
シールド材との結合が小さくなってバードケージコイル
からの励起電力が有効に利用されて励起電力が最小で済
ようになり、バードケージコイルの効率が改善される。
のSN比が大きくなるようにエレメント幅を調整するこ
とで、バードケージコイル周囲のシールド材との結合が
小さくなって、受信したNMR信号のSN比も大きくな
るようになり、バードケージコイルの効率が改善され
る。
イルを収容可能な範囲内で所定の励起電力の低減が得ら
れるように調整して決定することで、バードケージコイ
ルからの励起電力が有効に利用されて励起電力が最小で
済むように改善され、バードケージコイルの効率が改善
される。
イルを収容可能な範囲内で所定のSN比の改善が得られ
るように調整して決定することで、バードケージコイル
とその周囲のシールド材との結合が小さくなって、受信
したNMR信号のSN比も大きくなるように改善され、
バードケージコイルの効率が改善される。
法における励起電力によるエレメント幅調整の手順を示
すフローチャートである。
を示す構成図である。
電力によるエレメント幅調整による特性の一例を示す特
性図である。
法におけるSN比によるエレメント幅調整の手順を示す
フローチャートである。
比によるエレメント幅調整による特性の一例を示す特性
図である。
法における励起電力によるリング幅調整の手順を示すフ
ローチャートである。
電力によるリング幅調整による特性の一例を示す特性図
である。
法におけるSN比によるリング幅調整の手順を示すフロ
ーチャートである。
比によるリング幅調整による特性の一例を示す特性図で
ある。
法の一例を示す説明図である。
の一例を示す説明図である。
成図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 対向するリング部と、このリング部間に
複数のエレメントとを有するバードケージコイルの製造
方法であって、 所定のエレメント間隔の範囲内においてエレメント幅を
調整し、核磁気共鳴により倒されるスピンの角度が一定
になる状態で要求される励起電力が最小になるように前
記エレメント幅を決定してバードケージコイルを製造す
ることを特徴とするバードケージコイル製造方法。 - 【請求項2】 対向するリング部と、このリング部間に
複数のエレメントとを有するバードケージコイルの製造
方法であって、 所定のエレメント間隔の範囲内においてエレメント幅を
調整し、核磁気共鳴により得られる受信信号のSN比が
最大となるように前記エレメント幅を決定してバードケ
ージコイルを製造することを特徴とするバードケージコ
イル製造方法。 - 【請求項3】 対向するリング部と、このリング部間に
複数のエレメントとを有するバードケージコイルの製造
方法であって、 リング幅をバードケージコイルの収容可能な範囲内で調
整し、核磁気共鳴により倒されるスピンの角度が一定に
なる状態で要求される励起電力について、励起電力の初
期値と比較して一定の割合以上小さくなるリング幅に決
定してバードケージコイルを製造することを特徴とする
バードケージコイル製造方法。 - 【請求項4】 対向するリング部と、このリング部間に
複数のエレメントとを有するバードケージコイルの製造
方法であって、 リング幅をバードケージコイルの収容可能な範囲内で調
整し、核磁気共鳴により得られる受信信号のSN比につ
いて、SN比の初期値と比較して一定の割合以上大きく
なるリング幅に決定してバードケージコイルを製造する
ことを特徴とするバードケージコイル製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09390895A JP3483652B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | バードケージコイル製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09390895A JP3483652B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | バードケージコイル製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08280651A true JPH08280651A (ja) | 1996-10-29 |
JP3483652B2 JP3483652B2 (ja) | 2004-01-06 |
Family
ID=14095586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09390895A Expired - Lifetime JP3483652B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | バードケージコイル製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3483652B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012217675A (ja) * | 2011-04-11 | 2012-11-12 | Hitachi Ltd | 高周波コイルユニット及び磁気共鳴イメージング装置 |
-
1995
- 1995-04-19 JP JP09390895A patent/JP3483652B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012217675A (ja) * | 2011-04-11 | 2012-11-12 | Hitachi Ltd | 高周波コイルユニット及び磁気共鳴イメージング装置 |
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Publication number | Publication date |
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