JP3205347B2 - エチレン・ペンテン−1共重合体フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
エチレン・ペンテン−1共重合体フィルムおよびその製造方法Info
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Description
共重合体に関し、さらに詳しくは、フィルムに成形した
場合に耐衝撃性と開封性とのバランスに優れ、さらにフ
ィルムの耐ブロッキング性にも優れた、特定要件を充足
する新規なエチレン・ペンテン−1共重合体に関する。
重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
は、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)と比較して
フィルムに成形した場合に衝撃強度に優れるため、フィ
ルム成形用原料として広く用いられている。上記のよう
なエチレン・α-オレフィン共重合体を製造するために
は、α-オレフィンとして、ブテン-1あるいは炭素数6
以上のα-オレフィンが用いられている。
得られるフィルムは、適度な引裂強度を有しているため
開封性には優れているが、衝撃強度がやや劣るという問
題点があった。一方エチレンと炭素数6以上のα-オレ
フィンとの共重合体から得られるフィルムは、衝撃強度
には優れているが、引裂強度が要求される以上に高いた
めフィルムは容易には裂けず、このため開封性に劣ると
いう問題点があった。
に優れたフィルムを提供しうるようなエチレン・α-オ
レフィン共重合体の出現が強く望まれている。 本発明
者らは、上記のようなエチレン・α-オレフィン共重合
体を得るべく鋭意研究したところ、エチレンとペンテン
-1とを共重合させて得られる特定の物性を有するエチレ
ン・ペンテン-1共重合体は、フィルムに成形した場合
に、衝撃強度に優れるとともに開封性にも優れているこ
とを見出して本発明を完成するに至った。
てなされたものであって、衝撃強度に優れるとともに開
封性にも優れたフィルムを提供し得るようなエチレン・
ペンテン-1共重合体を提供することを目的としている。
重合体フィルムは、エチレンとペンテン−1とを気相で
共重合してなり、かつ下記(A)〜(E)の要件を充足
するエチレン・ペンテン−1共重合体からなることを特
徴としている。 (A)ASTM D 1238E によって測定されるメルトフロー
レートが0.01〜100 g/10分であり、 (B)ASTM D 1505 によって測定される密度が0.88〜0.
95 g/cm3 であり、 (C)ペンテン−1から導かれる構成単位が2〜25重量%
であり、 (D)該共重合体をキャストフィルム成形して得られる
40μm厚フィルムの衝撃強度と、該フィルムの引取り方
向の引裂強度との比(RS)が下記式を満たし、 RS≧−20 log MFR−1000d+968 (式中、MFRは該共重合体のメルトフローレートを表
し、dは該共重合体の密度を表す。) (E)該共重合体を200℃で溶融した後、降温速度0.31
℃/分で50℃まで徐冷し、結晶化させた0.5mm厚のシー
トをサンプルとして、DSCを用い10℃から10℃/minの昇
温速度にて200℃まで昇温した際に得られるDSC融解ピー
クパターンが二個の融解ピークを有し、かつ高温側ピー
ク高さHhと、低温側ピーク高さHlとの比 Hh/Hl と、該
共重合体の密度とが下記式を満たす。
さを、dは共重合体の密度を表す。)また、本発明のエ
チレン・ペンテン−1共重合体フィルムの製造方法は、
エチレンとペンテン−1とを気相で共重合してなり、か
つ上記(A)〜(E)の要件を充足するエチレン・ペン
テン−1共重合体を、成形することを特徴としている。
重合体フィルムおよびその製造方法に係るエチレン・ペ
ンテン−1共重合体について具体的に説明する。本発明
に係るエチレン・ペンテン−1共重合体はエチレンとペ
ンテン−1とをオレフィン重合用触媒の存在下に共重合
して得られるランダム共重合体である。この本発明に係
るエチレン・ペンテン−1共重合体には、エチレンとペ
ンテン−1とに加えて、少量の他のα−オレフィンある
いはポリエンなどが共重合されていてもよい。ここで他
のα−オレフィンとしては、たとえばプロピレン、2−
メチルプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチ
ル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテ
ン、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドウデセ
ン−1、などが挙げられる。また、上記ポリエンとして
は、ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、ジ
シクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン
などを例示することができる。
体は、ASTM D 1238Eによって測定されるメルトフローレ
ート(MFR)が 0.01〜100 g/10分、好ましくは 0.05
〜50g/10分である。このMFRが 0.01g/10分未満であ
ると、該共重合体の成形性が低下するとともに、得られ
るフィルムなどの透明性が低下する傾向を生じ、またM
FRが 100g/10分を超えると機械的強度が低下する傾向
を生じる。
体は、密度が0.88〜0.95g/cm3 、好ましくは0.89〜0.94
g/cm3である。なおここで密度はASTM D 1505 によって
測定された値である。本発明に係るエチレン・ペンテン
-1共重合体では、ペンテン-1から導かれる構成単位は2
〜25重量%、好ましくは4〜23重量%、特に好ましくは
6〜20重量%の量で存在し、エチレンから導かれる構成
単位は75〜98重量%、好ましくは77〜96重量%、特に好
ましくは80〜94重量%の量で存在している。
は、上述のように、エチレンおよびペンテン-1以外のα
-オレフィンから導かれる構成単位を10重量%以下、好
ましくは5重量%以下、特に好ましくは3重量%以下の量
で含むことができる。
重合体を200℃まで昇温し融解した後、50℃まで徐冷し
結晶化させて得られる厚さ0.5mmのシート(以下、この
ようにして得られたサンプルを「超徐冷サンプル」と呼
ぶ)をサンプルとして、DSCを用い10℃から10℃/mi
nの昇温速度にて200℃まで昇温した際に得られるDSC
融解ピークパターンは二個の融解ピークを有し、かつ高
温側ピーク高さHhと、低温側ピーク高さHlとの比Hh
/Hlと該共重合体の密度dとが下記式を満たす。
高さを、dは共重合体の密度を表す。)なおここで超徐
冷サンプルのDSC融解ピークパターンの解析は、高温
側融解ピークの高温側のすそに対し、30℃における融
解カーブ上の点を起点に接線を引き、これをベースライ
ンとし、ピーク最高点よりこのベースラインに垂線をお
ろし、この交点とピーク最高点との距離をピーク高さと
した。
ン・ペンテン-1共重合体をキャストフィルム成形して得
られる40μm厚フィルムのフィルム衝撃強度と、該フィ
ルムの引き取り方向の引裂強度との比(RS)は、下記
式[II]を満たし、 RS≧−20log MFR−1000d+968 …[II] (式中、MFRは該共重合体のメルトフローレートを表
し、dは該共重合体の密度を表す。)好ましくは、 RS≧−20log MFR−1000d+973 …[II′] さらに好ましくは、 200 ≧RS≧−20log MFR−1000d+975 …[II″] を満たす。
が、(−20log MFR−1000d+968 )未満であると、
衝撃強度は強いが開封性に劣るフィルムであったり、開
封性は良いが衝撃強度が劣るフィルムである傾向が生じ
る。なおRS値を測定するために用いられる40μm厚フ
ィルムは、エチレン・ペンテン-1共重合体を樹脂温度22
0〜240℃、チルロール温度30〜40℃、製膜速度20〜30m/
min 、ドラフト比(フィルム厚/リップ開度)0.05〜0.
07の条件で65mmφ押出機を備えたTダイフィルム成形機
を用い、作成したフィルムである。
加工して得られる40μm厚のキャストフィルムの衝撃強
度は通常1000kg・cm/cm以上、好ましくは1200kg・cm/cm
以上である。また該フィルムの引取り方向の引裂強度
(TMD)と、エチレン・ペンテン-1共重合体のメルトフ
ローレート(MFR)とは、下記式[III]で示される
関係を満たすことが好ましい。
係は、 log TMD≦−0.37log MFR−5.1d+6.65 …[III′] 特に好ましい関係は、 log TMD≦−0.37log MFR−5.1d+6.59 …[III″] である。
り方向の引裂強度(TMD)とMFRとが、上記式[II
I]に示すような関係を満たしているエチレン・ペンテ
ン-1共重合体からは、衝撃強度および開封性に優れたフ
ィルムを得ることができる。
0〜50g/10分の範囲にあるエチレン・ペンテン-1共重合
体を、ASTM D 1928 に準拠している成形して得られる2
mm厚みのプレスシートの耐ストレスクラッキング性(耐
SC性(ESCR)、ASTM D 1692 に準拠して測定、アンタロ
ックス100%、50℃)が10hr以上で次式[IV-a]で示さ
れる関係を満たしていることが好ましく、 ESCR≧0.7×104(log 80−log MFR)3(0.952−d) …[IV-a] (式中、2.0≦ MFR≦50であり、dは共重合体の密
度を表す)より好ましくは、 ESCR≧0.9×104(log 80−log MFR)3(0.952−d) …[IV′-a] 特に好ましくは、 ESCR≧1.1×104(log 80−log MFR)3(0.952−d) …[IV″-a] を満たす。
の範囲にあるエチレン・ペンテン-1共重合体を、ASTM D
1928 に準拠して成形して得られる2mm厚みのプレスシ
ートの耐ストレスクラッキング性(耐SC性(ESCR)、AS
TM D 1692 に準拠して測定、アンタロックス10%、50
℃)が20hr以上で次式[IV-b]で示される関係を満たし
ていることが好ましく、 ESCR≧1.4×104(log 40−log MFR)2(0.952−d) …[IV-b] (式中、1.0≦MFR≦20であり、dは共重合体の密度
を表す)より好ましくは、 ESCR≧1.7×104(log 40−log MFR)2(0.952−d) …[IV′-b] 特に好ましくは、 ESCR≧2.0×104(log 40−log MFR)2(0.952−d) …[IV″-b] を満たす。
の範囲にあるエチレン・ペンテン-1共重合体を、ASTM D
1928 に準拠して成形して得られる2mm厚みのプレスシ
ートの耐ストレスクラッキング性(耐SC性(ESCR)、AS
TM D 1692 に準拠して測定、アンタロックス10%、60
℃)が50hr以上で次式[IV-c]で示される関係を満たし
ていることが好ましく、 ESCR≧0.50×104(log100−log MFR)(0.952−d) …[IV-c] (式中、0.1≦MFR≦5 であり、dは共重合体の密度
を表す)より好ましくは、 ESCR≧0.65×104(log100−log MFR)(0.952−d) …[IV′-c] 特に好ましくは、 ESCR≧0.80×104(log100−log MFR)(0.952−d) …[IV″-c] を満たす。
(HAZE)と、エチレン・ペンテン-1共重合体のメル
トフローレート(MFR)とは、下記式[V]で示され
る関係を満たすことが好ましい。
は、 log HAZE≦15d−0.45log MFR−12.26 …[V′] であり、特に好ましい関係は、 log HAZE≦15d−0.45log MFR−12.30 …[V″] である。
る0.1mm厚みのプレスシートは、エチレン・ペンテン-1
共重合体をASTM D 1928 に準拠して作成したものであ
る。またHAZE値の測定は、ASTM D 1003 に準拠して
測定した。
重合体の製造方法について説明する。本発明に係るエチ
レン・ペンテン-1共重合体は、エチレンとペンテン-1と
を、特定の条件下で、下記のようなオレフィン重合用触
媒の存在下に共重合させることによって製造することが
できる。
体を製造する際に用いられるオレフィン重合用触媒とし
ては、たとえば、 (A1)マグネシウム化合物および電子供与体を含む混
合物から形成される液状状態のマグネシウム化合物また
はマグネシウム化合物の炭化水素溶媒溶液から形成され
る液状状態のマグネシウム化合物から得られるR1O基
およびR2基(R1、R1はそれぞれ炭化水素基)を有す
る固体状マグネシウム・アルミニウム複合体、 (A2)マグネシウム化合物および電子供与体を含む混
合物から形成される液状状態のマグネシウム化合物また
はマグネシウム化合物の炭化水素溶媒溶液から形成され
る液状状態のマグネシウム化合物から得られるR1O基
またはR1OH含有固体状マグネシウム化合物(B)ま
たは上記(A1)のいずれかと、周期律表第I族〜第III
族金属の有機金属化合物(C)とを反応させることによ
って得られるR1O基およびR3基(R3は炭化水素基)
含有固体状マグネシウム・アルミニウム複合体、 上記(A1)もしくは(A2)から選ばれる炭化水素不溶
の固体状マグネシウム・アルミニウム複合体と4価のチ
タン化合物とを反応させることによって得られた少なく
とも低原子価状態のチタン原子を10%以上の割合で含有
し、かつOR基をOR/Mg(重量比)で1〜15で含有す
るオレフィン重合用固体状チタン触媒成分[A]と、有
機アルミニウム化合物触媒成分[B]とを含むオレフィ
ン重合用触媒を例示することができる。
この触媒を用いた反応系について説明するが、本発明に
係るエチレン・ペンテン-1共重合体はこれら触媒系ある
いは反応系のみに限らず他の触媒系あるいは反応系であ
っても製造可能である。
ン触媒成分は、代表的には液状状態のマグネシウム化合
物を出発原料とし、有機アルミニウム化合物とR1O基
(R1は炭化水素基)形成性化合物とを用い、任意に他
の反応試剤を併用して相互に反応せしめて得られるR1
O基と炭化水素基を有するマグネシウム・アルミニウム
複合体と4価のチタン化合物とを反応させて得られる、
低原子価のチタンが担持された成分である。
ばマグネシウム化合物を炭化水素、電子供与体あるいは
これらの混合物に溶解させたものでもよく、マグネシウ
ム化合物の溶融物であってもよい。この目的に使用され
るマグネシウム化合物としては、塩化マグネシウム、臭
化マグネシウム、沃化マグネシウム、弗化マグネシウム
などのハロゲン化マグネシウム、メトキシ塩化マグネシ
ウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化
マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ
塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライ
ド、フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩
化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライ
ド、エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウ
ム、ブトキシマグネシウム、オクトキシマグネシウムな
どのアルコキシマグネシウム、フェノキシマグネシウ
ム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシ
マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸
マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などを
例示することができる。また、該マグネシウム化合物は
他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合
物との混合物であってもよい。さらにこれらの化合物の
2種以上の混合物であってもよい。
は、MgX2 、Mg(OR5)X、Mg(OR5)2(ただし
Xはハロゲン、R5は炭化水素基)で示されるハロゲン
化マグネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、ア
リロキシマグネシウムハライド、アルコキシマグネシウ
ム、アリロキシマグネシウムであり、好ましくはハロゲ
ン含有マグネシウム化合物、とりわけ塩化マグネシウ
ム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグ
ネシウムであり、特に好ましくは塩化マグネシウムであ
る。
しては、該マグネシウム化合物可溶性の炭化水素溶媒や
電子供与体あるいはこれらの混合物に溶解した溶液が好
適である。この目的に使用される炭化水素溶媒として
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、テトラデカン、灯油などの脂肪族炭化水
素類、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロ
ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シ
クロヘキセンなどの脂環族炭化水素類、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、シメンなど
の芳香族炭化水素類、ジクロルエタン、ジクロルプロパ
ン、トリクロルエチレン、四塩化炭素、クロルベンゼン
などのハロゲン化炭化水素類などを例示することができ
る。
物を得るには、それらの化合物および溶媒の種類によっ
ても異なるが、両者を単に混合する方法(たとえばR5
として炭素数6〜20のMg(OR5)2を用いる方法)、
混合して加熱する方法、該マグネシウム化合物可溶性の
電子供与体、たとえば、アルコール、アルデヒド、アミ
ン、カルボン酸、それらの任意の混合物、さらにはこれ
らと他の電子供与体との混合物などを存在させ、必要に
応じ加熱する方法などを採用することができる。たとえ
ば、ハロゲン含有マグネシウム化合物をアルコールを用
いて炭化水素溶媒に溶解させる場合について述べると、
炭化水素溶媒の種類や使用量、マグネシウム化合物の種
類などによっても異なるが、アルコールは、好ましくは
ハロゲン含有マグネシウム化合物1モル当り、約1モル
以上、好適には約1〜約20モル、とくに好適には約1.5
〜約12モルの範囲で用いられる。炭化水素として脂肪族
炭化水素および/または脂環族炭化水素を使用する場合
は、前記割合でアルコールを使用し、そのうちとくに炭
素数6以上のアルコールを、ハロゲン含有マグネシウム
化合物1モルに対し、約1モル以上、好適には約1.5モ
ル以上用いればアルコールの総使用量もわずかでハロゲ
ン含有マグネシウム化合物の可溶化が可能であり、かつ
形状の良好な触媒成分となるので好ましい。この場合、
たとえば炭素数5以下のアルコールのみを用いると、ハ
ロゲン含有マグネシウム化合物1モルに対し、約15モル
以上のアルコールが必要であり、触媒形状も上記系に及
ばない。一方、炭化水素として芳香族炭化水素を用いれ
ば、アルコールの種類にかかわらず、前記のようなアル
コール使用量でハロゲン含有マグネシウム化合物の可溶
化は可能である。
ールとの接触は、炭化水素媒体中で行なうのが好まし
く、通常室温以上、それらの種類によっては約65℃以
上、好適には約80〜300℃、一層好適には約100〜約200
℃の温度で15分〜5時間程度、より好適には30分〜2時
間程度接触させることにより行なわれる。
上のアルコールであり、たとえば2-メチルペンタノー
ル、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノ
ール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノー
ル、テトラデシルアルコール、ウンデセノール、オレイ
ルアルコール、ステアリルアルコールのような脂肪族ア
ルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノ
ールのような脂環族アルコール、ベンジルアルコール、
メチルベンジルアルコール、イソプロピルベンジルアル
コール、α-メチルベンジルアルコール、α,α-ジメチ
ルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、n-ブチ
ルセロソルブ、1-ブトキシ-2-プロパノールなどのアル
コキシ基を含んだ脂肪族アルコールなどを例示できる。
他のアルコールの例としてはメタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、メチ
ルカルビトールの如き炭素数5以下のアルコールを例示
できる。
ル以外の電子供与体の溶液を用いることもできる。この
ような目的に使用される電子供与体の好ましい例は、ア
ミン、アルデヒドおよびカルボン酸である。他の電子供
与体の例は、フェノール、ケトン、エステル、エーテ
ル、アミド、酸無水物、酸ハライド、ニトリル、イソシ
アネートなどである。これらの溶液を製造する際の量的
関係や溶解温度は、概ね電子供与体を用いて炭化水素溶
媒に溶解させる場合に準ずるが、一般的には高温に維持
する必要があるので、触媒調製の上からは、炭化水素に
溶解させたものを用いる方が高性能のものを得ることが
容易である。
グネシウム化合物の溶融物であり、たとえばハロゲン化
マグネシウムと電子供与体、たとえば先に例示したもの
との錯体の溶融物を代表例として示すことができる。好
適なものは、 MgX2・nR1OH (R1は炭化水素基、nは正数)で示されるハロゲン化
マグネシウム・アルコール錯体の溶融物である。
1O基およびR3基(またはR2基)を有する固体状マグ
ネシウム・アルミニウム複合体(R1、R2、R3は炭化
水素基であって、R3(またはR2)は直接マグネシウム
またはアルミニウムに結合している還元性の基である)
を製造する方法について述べる。ここにマグネシウム・
アルミニウム複合体は、実験式;MgaAlbR2 c(またはR
3 c)(OR1)dX2 e(X2はハロゲン、2a+3b=c+d
+e)で示され、場合によっては他の化合物や電子供与
体がさらに結合していてもよい。好ましくはAl/Mg
(原子比)が0.05〜1 、一層好ましくは0.08〜0.5 、さ
らに好ましくは0.12〜0.3 、R1O基は、マグネシウム
1重量部当り、好ましくは0.5〜15重量部、より好まし
くは1〜10 重量部、さらに好ましくは2〜6重量部、
炭化水素基R2(またはR3)は、マグネシウム1原子当
り、好ましくは0.01〜0.5当量、一層好ましくは0.03〜
0.3当量、さらに好ましくは0.05〜0.2当量、またX2/
Mg(原子比)は好ましくは1〜3、一層好ましくは1.5
〜 2.5である。
体を製造する具体例を述べる。マグネシウム・アルミニ
ウム複合体を製造する具体的方法としては、液状状態の
マグネシウム化合物と有機アルミニウム化合物を接触さ
せて直接複合体を製造する方法が挙げられる。
ミニウム化合物の少なくともいずれか一方に、R1O基
を有する化合物またはR1O基生成性化合物、たとえば
R1OH基を用いるとともに、ハロゲン化合物を用いる
必要がある。たとえばMgX2およびアルコール、好まし
くはさらに炭化水素を含有する溶液とアルキルアルミニ
ウム化合物の反応、あるいはMg(OR5)XまたはMg
(OR5)2とアルコール、好ましくはさらに炭化水素を
含有する溶液またはMg(OR5)2の炭化水素溶液とア
ルキルアルミニウムハライドの反応によって得ることが
できる。
は、具体的にはトリエチルアルミニウム、トリブチルア
ルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリイソ
プレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニ
ウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアル
ミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアル
コキシド、エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチ
ルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミ
ニウムセスキアルコキシドのほかに、R1 2.5Al(O
R2)0.5 などで表わされる平均組成を有する部分的に
アルコキシ化されたアルキルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミドのようなジアルキルアル
ミニウムハライド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミ
ニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウムセ
スキハライド、エチルアルミニウムジクロリド、プロピ
ルアルミニウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロ
ミドなどのようなアルキルアルミニウムジハライドなど
の部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム、ジ
エチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒ
ドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド、エチル
アルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒド
リドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分
的に水素化されたアルキルアルミニウム、エチルアルミ
ニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシ
クロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの
部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキル
アルミニウムである。
は、上記例示のハロゲン含有アルキルアルミニウム化合
物の中から選ぶことができる。液状のマグネシウム化合
物とアルキルアルミニウム化合物とを一段階で作用させ
る方法のみならず、液状のマグネシウム化合物の一部の
アルキルアルミニウム化合物を作用させて固体状のマグ
ネシウム化合物を形成させ、次いで該固体状マグネシウ
ム化合物に先のものと同一または異なるアルキルアルミ
ニウム化合物を接触させるというような多段階の接触を
も包含するものである。通常は後者のような多段階の接
触を行なう方が、マグネシウム化合物の粒径、有機基の
量などを調節し易く、また高性能の触媒が得やすい。
一段階目の接触終了後固体状のマグネシウム化合物を液
状部から分離し、次いで次の反応に進むこともできる。
最終的には固体状マグネシウム・アルミニウム複合体中
の組成が前記した範囲となるようにするのがよい。この
ためには、前記接触におけるアルキルアルミニウム化合
物の使用量を適量とするのが好ましい。たとえば二段階
でアルキルアルミニウム化合物と接触させる方法につい
て述べると、液状のマグネシウム化合物として、アルコ
ールを用いた溶液を用いる場合には、アルコールの水酸
基1当量当り、少なくともアルキルアルミニウム化合物
のR2−Al結合が0.5当量以上となる割合で用いること
が好ましい。一方、アルキルアルミニウム化合物の使用
量が多くなりすぎると、生成粒子の形状が悪化し、顆粒
状触媒が得られないことがある。そのため、通常はアル
コールの水酸基1当量当り、R2−Al結合として0.5〜1
0当量、好ましくは0.7〜5当量、さらに好ましくは0.9
〜3当量、特に好ましくは1.0〜2当量となる範囲で用
いるのが好ましい。
てトリアルキルアルミニウムを用いると形状の良好な触
媒が得られやすいので好ましい。他の好ましい有機アル
ミニウム化合物は、ジアルキルアルミニウムハライド、
ジアルキルアルミニウムヒドリド、ジアルキルアルミニ
ウムアルコキシドなどである。液状のマグネシウム化合
物とアルキルアルミニウム化合物との接触において、液
状物中のマグネシウム化合物の濃度は0.005〜2モル/
l、とくに0.05〜1モル/l程度とするのが好ましい。
ルキルアルミニウム化合物がアルコールと反応すること
によって不溶のマグネシウム化合物が生成することによ
って起こる。マグネシウム化合物の析出を急激に行なわ
せると粒子形状の優れた粒径が適度でかつ粒度分布の狭
い粒子が得難い場合があり、スラリー重合用の触媒担体
として最適なものとなり得ないことがある。このため前
記接触を温和な条件で行なって固体を析出させることが
好ましく、接触の温度、固体析出時のアルキルアルミニ
ウム化合物の添加量あるいは添加速度、各成分の濃度な
どを考慮することが望ましい。
ウム化合物との接触を前述のような理由から−50〜100
℃、とくに−30〜50℃の温度範囲で行ない、ついで0〜
200℃、好ましくは40〜150℃の温度範囲で反応を行なう
のが好ましい。すでに述べたように固体状マグネシウム
化合物を形成させた後、さらにアルキルアルミニウム化
合物を接触反応させるときの温度は0〜250℃、とくに2
0〜130℃の温度が好ましい。
体状マグネシウム・アルミニウム複合体のRO基および
R2基が既述の範囲となることが好ましいが、それとと
もに該複合体の粒径が1μm以上、とくに5μm以上で10
0μm以下、粒度分布が幾何標準偏差で1.0〜2.0の範囲
で、かつ粒子形状が、顆粒状などの性状となるように選
択することが好ましい。
た後に接触させる化合物としては、アルキルアルミニウ
ム化合物に代えて、アルミニウム以外の周期律表第I族
〜第III族の有機金属化合物、たとえばアルキルリチウ
ム、アルキルマグネシウムハライド、ジアルキルマグネ
シウムなどを用いてマグネシウム・アルミニウム複合体
を製造することができる。
を製造する他の方法は、前述の方法のアルキルアルミニ
ウム化合物の使用の任意の段階でハロゲン化剤、たとえ
ば塩素、塩化水素、四塩化ケイ素、ハロゲン化炭化水素
を使用する方法であり、またアルキルアルミニウム化合
物の使用前、あるいは使用後にハロゲン化剤を使用する
方法である。これらの方法は、アルキルアルミニウムハ
ライドを使用する方法に代わる方法としては有用であ
る。
ロゲン化剤を使用する方法は、液状状態のマグネシウム
化合物からR1O基またはR1OH含有の固体状マグネシ
ウム化合物を生成させる手段として有用である。そして
かかる固体状マグネシウム化合物とアルキルアルミニウ
ム化合物とを反応させることによって目的とする固体状
マグネシウム・アルミニウム複合体を製造することがで
きる。たとえばMgX2 、Mg(OR5)X、Mg(O
R5)2 などとアルコール、好ましくはさらに炭化水素
を含有する溶液とハロゲン化剤の反応、またはMg(O
R5)2 の炭化水素溶媒とハロゲン化剤の反応によっ
て、上記固体状マグネシウム化合物を製造することがで
きる。かかる固体状マグネシウム化合物は、実験式Mg
X2-q(OR5)q・nR6OH(0≦q<2、n≧0)で
示され、任意に他の化合物成分と複化合物を形成してい
ることがある。この方法では、通常マグネシウム化合物
中のマグネシウム1原子当り、ハロゲンが1〜1000当量
程度となるような割合で用いられる固体状マグネシウム
化合物とアルキルアルミニウム化合物との反応は、前述
の多段階調製法の後段階の方法に準じて行なうことがで
きる。
得る他の方法は、溶融状態のMgX2-q(OR5)q・nR
6OHを冷却固化、好ましくは炭化水素媒体に分散させ
た状態で冷却固化する方法である。上記いずれの方法に
おいても、固体状マグネシウム化合物として、粒径が1
μm以上、とくに5μm以上で100μm以下、粒度分布が幾
何標準偏差で1.0〜2.0で、かつ球状または顆粒状となる
ように析出条件を選択することが好ましい。なお上記の
ようにして得られた固体状マグネシウム・アルミニウム
複合体中に含まれる還元性基R2またはR3の含量は、以
下のようにして求めることができる。
内容積約200mlのフラスコ中に、固体状マグネシウム・
アルミニウム複合体を約0.5g添加し、これに約25mlの水
を攪拌下徐々に滴下する。約20分後、該フラスコ内の気
相部および水相部をマイクロシリンジで抜き出し、ガス
クロマトグラフィーにより、アルカン濃度を測定する。
これらの濃度の値に、気相部および水相部の容積をそれ
ぞれ掛け合わせた後、この両者を合計して発生アルカン
の総量を求め、この総量値を、該複合体中に存在するア
ルキル基と水との反応によって生成したアルカンの総量
として考えて、該複合体中に存在する還元性基の量と考
えることができる。
有機基を有する固体状マグネシウム・アルミニウム複合
体に、Ti/Mg(原子比)が1未満、好ましくは0.01〜
0.7、とくに好ましくは0.04〜0.5の使用割合となる4価
のチタン化合物と接触させて固体状チタン化合物を調製
する。担持されたチタンの少なくとも一部は、低原子
価、たとえば3価に還元された状態となっている。
られる4価のチタン化合物として種々あるが、通常Ti
(OR)gX4-g(Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子、
0≦g≦4)で示される4価のチタン化合物を挙げるこ
とができる。より具体的には、 TiCl4、TiBr4、TiI4 などのテトラハロゲン化チ
タン; Ti(OCH3)Cl3、 Ti(OC2H5)Cl3、 Ti(On-C4H9)Cl3、 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(O-iso-C4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキ
シチタン; Ti(OCH3)2Cl2、 Ti(OC2H5)2Cl2、 Ti(On-C4H9)2Cl2、 Ti(OC2H5)2Br2などのジハロゲン化ジアルコキシチ
タン; Ti(OCH3)3Cl、 Ti(OC2H5)3Cl、 Ti(On-C4H9)3Cl、 Ti(OC2H5)3Brなどのモノハロゲン化トリアルコキ
シチタン; Ti(OCH3)4、 Ti(OC2H5)4、 Ti(On-C4H9)4、 Ti(O-iso-C4H9)4、 Ti(O-2-エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチ
タンなどを例示することができる。これらの中では、と
くにテトラハロゲン化チタン、トリハロゲン化アルコキ
シチタンが好ましく、とくにトリハロゲン化アルコキシ
チタンの使用が好ましい。
とチタン化合物の接触反応は、炭化水素媒体中で行なう
のが好ましい。チタン化合物との接触において、最終の
固体状チタン触媒成分中、R7O基/Mg(R7は炭化水
素基)が重量比で0.5〜15、好ましくは1〜10、特に好
ましくは2〜6の範囲となるような条件が選択される。
ここにR7O基は、固体状マグネシウム・アルミニウム
複合体中のR1O基に由来するものやチタン化合物に由
来するものである。R7O基が前記範囲より少ないと、
エチレン共重合において、スラリー重合性が悪く、得ら
れる共重合体の組成分布も充分狭いものとはならない。
またR7O基が前記範囲より多すぎると、活性の低下を
引き起こす傾向にある。
範囲に調節するには、チタン化合物の種類、使用量、接
触温度などを調節すればよい。チタン化合物の接触温度
は、通常0〜200℃程度、好ましくは20〜100℃程度であ
る。
多孔質の無機および/または有機の化合物を共存させる
ことができ、それによってこれら化合物表面に該固体生
成物を析出させる方法を採用してもよい。この際、該多
孔質化合物は予め液状状態のマグネシウム化合物と予備
接触させ、液状状態のマグネシウム化合物を含有保持し
た形で液状のチタン化合物と接触させることもできる。
これらの多孔質化合物の例として、シリカ、アルミナ、
マグネシア、ポリオレフィンおよびこれ等のハロゲン含
有化合物による処理物などをあげることができる。また
このような本触媒必須成分であるアルミニウム、マグネ
シウム、RO基等を含む多孔質化合物を使用する場合に
おいては前述した好適な触媒組成からズレを生じること
がある。
式で示され、任意に他の化合物、たとえばケイ素化合物
を含有する。ここにTi/Mg(原子比)が通常0.01〜0.
5 、好ましくは0.02〜0.2 、Al/Mg(原子比)が0.05
〜1、好ましくは0.08〜0.5、さらに好ましくは0.12〜
0.3 、X1/Mg(原子比)が1.5〜3、好ましくは2〜2.
5 、OR7/Mg(重量比)が0.5〜15、好ましくは1〜1
0、特に好ましくは2〜6で、比表面積が50〜1000m2/
g 、好ましくは150〜500m2/gを示す。そして全Tiの1
0〜100%がTi4+よりも低原子価となっている。
機アルミニウム化合物触媒成分[B]と併用して、オレ
フィン重合に使用することができる。有機アルミニウム
化合物触媒成分[B]としては、固体状チタン触媒成分
の調製に用いることができるものとして先に例示したア
ルキルアルミニウム化合物の中から選択することができ
る。
ム、アルキルアルミニウムハライド、あるいはこれらの
混合物が好ましい。上記のような固体状の[A]成分お
よび[B]成分を含むオレフィン重合用触媒を用いたオ
レフィン重合は、エチレンとペンテン-1同士との共重合
のみに限らず、エチレンとペンテン-1以外の少量の他の
α-オレフィンあるいはポリエンを反応系に存在させ、
3成分あるいはそれ以上の成分の共重合を行なうことも
できる。この共重合に使用することのできるエチレンと
ペンテン-1以外の他のα-オレフィンとしては、2-メチ
ルプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペ
ンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、ノネン-
1、デセン-1、ウンデセン-1、ドデセン-1、などが挙げ
られる。また上記ポリエンとしては、ブタジエン、イソ
プレン、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5-
エチリデン-2-ノルボルネンなどを例示することができ
る。
くにエチレンとペンテン-1とを気相で共重合させる際に
有用である。重合反応は気相で行い、この反応は流動床
反応器、攪拌床反応器、攪拌床流動反応器、管型反応器
などを用いて行うことができる。
用するか、もしくは炭化水素媒体あるいはオレフィン等
に懸濁して使用し、有機アルミニウム化合物触媒成分
[B]は希釈し、または希釈せずそのまま重合系内に供
給する。
り重合体の分子量を制御することができる。本発明にお
いては予備重合触媒の使用が好ましい。予備重合にあた
っては触媒成分[A]、上記有機アルミニウム化合物
[B]以外に上記電子供与体触媒成分も共存させること
ができる。その際該チタン触媒成分[A]のチタン1グ
ラム原子当り0.01〜30モル、好ましくは0.1〜10モル、
より好ましくは0.5〜5モルの範囲の電子供与体触媒成
分を使用することもできる。また予備重合は、不活性炭
化水素溶媒中でまたは液状単量体を溶媒として、または
溶媒を用いないで炭素数2〜10のα−オレフィンを予
備重合させるが、不活性炭化水素溶媒中での予備重合が
より好ましい。
1g当り0.5〜5000g、好ましくは1〜1000g、より好ま
しくは3〜200gである。予備重合に用いられる不活性炭
化水素溶媒としては、プロパン、ブタン、n−ペンタ
ン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、n−
ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、
n−ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シクロペン
タン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサンのような脂環族炭化水素、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、のような芳香族炭化水素、メチレン
クロリド、エチルクロリド、エチレンクロリド、クロル
ベンゼンのようなハロゲン化炭化水素などを例示するこ
とができ、中でも脂肪族炭化水素、とくに炭素数3〜10
の脂肪族炭化水素が好ましい。
ノマーを使用する場合溶媒1l当り、チタン触媒成分
[A]をチタン原子に換算して0.001〜500ミリモル、と
くに0.005〜200ミリモルとするのが好ましく、また有機
アルミニウム化合物[B]をAl/Ti(原子比)が0.5
〜500、好ましくは1.0〜50、さらに好ましくは2.0〜20
となるような割合で用いるのが好ましい。
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペン
テン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセンなど炭
素数10以下のものが好適であり、とくにエチレンが好
適である。これらα−オレフィンは単独重合でもよく、
また結晶性重合体を製造する限りにおいては2種以上の
共重合でもよい。
−オレフィンや不活性炭化水素溶媒の種類によっても異
なり一概に規定できないが、一般には-40〜80℃、好ま
しくは−20〜40℃、より好ましくは-10〜30℃程度であ
る。
ができる。また予備重合は回分式、連続式のいずれの方
法であってもよいが、大量の予備重合を行う場合には連
続式の方が好ましい。
た前記触媒を用いてエチレンとのペンテン−1との共重
合を行う。該予備重合触媒を気相重合反応器に導くにあ
たっては、該予備重合触媒を粉末状態で供給するか、あ
るいは前述した炭化水素溶媒に懸濁させて供給するとよ
い。特にプロパン、iso-ブタン、n-ブタン、iso-ペンタ
ン等の低沸点溶媒に懸濁させて供給するのがよい。α−
オレフィンを予備重合した前記触媒のチタン触媒成分
[A]1グラム当り1,000〜100,000g、好ましくは2,000
〜50,000g、より好ましくは3,000〜30,000gのエチレ
ン、ペンテン−1共重合体を共重合により製造する。
ム原子当り該有機アルミニウム化合物触媒[B]を1〜
1000モル、好ましくは3〜500モル、特に好ましくは5
〜100モルの使用が好適である。またその他の化合物例
えば電子供与体触媒成分を添加しても良く、その場合、
該有機アルミニウム化合物触媒成分[B]中の金属元素
1グラム原子当り100モル以下好ましくは1モル以下、
特に好ましくは0.001〜0.1モルの使用が好適である。
℃、より好ましくは70〜110℃で行う。重合圧力は1〜5
0kg/cm2、好ましくは2〜30kg/cm2、より好ましくは5
〜20kg/cm2である。また、メタン、エタン、プロパン、
ブタン、窒素等の重合系内で気体状態を形成する不活性
ガスを適宜供給してもよい。
当り、[A]固体状チタン触媒成分は、Ti原子に換算
して、0.00001〜約1ミリモル、好ましくは約0.0001〜
約0.1ミリモルの割合で用いるのが好ましい。
テン-1共重合体は、透明性、耐衝撃性、耐引裂性、耐ブ
ロッキング性、低温ヒートシール性、耐熱性および耐ス
トレスクラック性に優れ、またこれら優れた性質をバラ
ンスよく具備しているので、特に包装用フィルムとして
好適であるが、フィルムとしての用途に限らず、T−ダ
イ成形、インフレーションフィルム成形、中空成形、射
出成形、押出成形などによって容器、日用品、パイプ、
チューブなどの各種成形品に加工することができる。ま
た他のフィルムに押出被覆あるいは共押出成形すること
により各種複合フィルムとすることもできるし、鋼管被
覆材、電線被覆材あるいは発泡成形品などの用途にも用
いられる。あるいは、他の熱可塑性樹脂、たとえば高密
度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1
-ペンテン、低結晶性あるいは非晶質のエチレンとプロ
ピレンもしくは1-ブテンとの共重合体、プロピレン・1-
ブテン共重合体などのポリオレフィンとブレンドして使
用することもできる。
・ペンテン-1共重合体には、必要に応じて耐熱安定剤、
耐候安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑
剤、核剤、顔料、染料、無機あるいは有機充填剤などを
配合することもできる。
合体は、前述したような特定要件を満たすので、フィル
ムに成形した場合に耐衝撃性と開封性とのバランスに優
れる。また耐SC性、ヘイズも良好であるので各種用途
への応用に好適である。
明はこれら実施例に限定されるものではない。
ルアルコール579mlおよびデカン5.6lを140℃
で3時間加熱反応を行ない、塩化マグネシウムを含む均
一な溶液を得た。
加し、70℃で1時間加熱反応を行った後、冷却した。
この溶液を攪拌下、20℃にてトリエチルアルミニウム
178mlおよびデカン1.1lからなる混合溶液を30
分間で滴下し、その後1時間かけて80℃に昇温し、8
0℃で1時間加熱反応を行った後、トリエチルアルミニ
ウム89mlおよびデカン560mlからなる混合溶液を3
0分間で滴下し、その後30分間同温度で反応を行っ
た。その後、ジエチルアルミニウムクロリド189mlお
よびデカン1.3lからなる混合溶液を30分間かけて
滴下し、80℃、1時間の反応を再度行った。
分を合成した。このようにして得た固体成分をデカン5
lに再懸濁した後、2-エチルヘキソキシチタニウムトリ
クロリドを188ミリモル添加し、80℃で1時間の反
応を行った後、デカンにて洗浄し、固体状チタン触媒成
分を調製した。一方該スラリーの一部を採ってデカンを
除去し、一旦ヘキサンに置換した後乾燥を行ない、この
乾燥触媒を用いて触媒組成を調べた。固体状チタン触媒
成分の組成はチタン1.3重量%、マグネシウム12重
量%、塩素36重量%であった。 [予備重合] 窒素雰囲気中200lの攪拌機付反応器にヘキサン10
0l、トリエチルアルミニウム1.5モルおよび前記チ
タン触媒成分をチタン原子換算で0.5モル添加した
後、エチレンガスを5kg/時間の速度で上記混合液中に
4時間フィードした。この後の温度は30℃に保った。
エチレンフィード開始後4時間してエチレンのフィード
を止め、代わって窒素をフィードし、反応器内を窒素置
換した。攪拌を止めて静置後、上澄液を除去し、新たに
精製ヘキサンを加え、3回の洗浄を行った。 [重 合] 第1図に示した直径40cmφ、容積400lの重合器に
ヘキサンに懸濁させた前記予備重合触媒を管1からTi
原子に換算して0.17ミリモル/hおよびトリイソブ
チルアルミニウム2.5ミリモル/hの割合で連続的に
重合器に供給し、同時に管2からエチレン9.5Kg/h
および1-ペンテン2.9Kg/hの割合で、また管3より
水素を反応器内のH2 /エチレンモル比が0.10にな
るように供給した。
度80℃、滞留時間4時間であり、気相重合器の循環ガ
スの線速を45cm/sec に保持した。管4よりの循環ガ
スは冷却器Bを通り、送風器Cを通して重合器に循環し
た。
の速度で排出された。得られた共重合体の密度は0.9
23g/cm3、MFRは1.1g/10分であった。 [組成物の作成] 前記共重合体にチバガイギー社製Ir
ganox 1076(0.20重量%)、ステアリン酸カルシウ
ム(0.10重量%)およびシリカ(0.10重量%)を
添加し造粒を行った。 [フィルムの成形] 65mmφ押出機をそなえた市販のTダイフィルム成形機
にて、幅420mm、厚み0.04mmのフィルムを成形し
た。
機のスクリュー回転数40rpm、チルロール温度35
℃、製膜速度20m/min 、ドラフト比0.057で成
形した。得られたフィルムの物性を表2に示した。
1に示すようにいくつかの条件を変更してエチレンとα
-オレフィンの共重合を行った。
準じ、また引裂強度はJIS Z 1702の方法に準じて行っ
た。
る。 A 重合容器(直径40cmφ、容積 400l) B 冷却器 C 送風器 1 触媒供給パイプ 2 オレフィン供給パイプ 3 水素供給パイプ 4 ガス循環パイプ 5 共重合体採取パイプ
Claims (2)
- 【請求項1】 エチレンとペンテン−1とを気相で共重
合してなり、かつ下記(A)〜(E)の要件を充足する
エチレン・ペンテン−1共重合体からなることを特徴と
するエチレン・ペンテン−1共重合体フィルム; (A)ASTM D 1238E によって測定されるメルトフロー
レートが0.01〜100 g/10分であり、 (B)ASTM D 1505 によって測定される密度が0.88〜0.
95 g/cm3 であり、 (C)ペンテン−1から導かれる構成単位が2〜25重量%
であり、 (D)該共重合体をキャストフィルム成形して得られる
40μm厚フィルムの衝撃強度と、該フィルムの引取り方
向の引裂強度との比(RS)が下記式を満たし、 RS≧−20 log MFR−1000d+968 (式中、MFRは該共重合体のメルトフローレートを表
し、dは該共重合体の密度を表す。) (E)該共重合体を200℃で溶融した後、降温速度0.31
℃/分で50℃まで徐冷し、結晶化させた0.5mm厚のシー
トをサンプルとして、DSCを用い10℃から10℃/minの昇
温速度にて200℃まで昇温した際に得られるDSC融解ピー
クパターンが二個の融解ピークを有し、かつ高温側ピー
ク高さHhと、低温側ピーク高さHlとの比 Hh/Hl と、該
共重合体の密度とが下記式を満たす。 60d−52.0 < Hh/Hl < 80d−69.0 (式中、Hhは高温側ピーク高さを、Hlは低温側ピーク高
さを、dは共重合体の密度を表す。) - 【請求項2】 エチレンとペンテン−1とを気相で共重
合してなり、かつ下記(A)〜(E)の要件を充足する
エチレン・ペンテン−1共重合体を、成形することを特
徴とするエチレン・ペンテン−1共重合体フィルムの製
造方法; (A)ASTM D 1238E によって測定されるメルトフロー
レートが0.01〜100 g/10分であり、 (B)ASTM D 1505 によって測定される密度が0.88〜0.
95 g/cm3 であり、 (C)ペンテン−1から導かれる構成単位が2〜25重量%
であり、 (D)該共重合体をキャストフィルム成形して得られる
40μm厚フィルムの衝撃強度と、該フィルムの引取り方
向の引裂強度との比(RS)が下記式を満たし、 RS≧−20 log MFR−1000d+968 (式中、MFRは該共重合体のメルトフローレートを表
し、dは該共重合体の密度を表す。) (E)該共重合体を200℃で溶融した後、降温速度0.31
℃/分で50℃まで徐冷し、結晶化させた0.5mm厚のシー
トをサンプルとして、DSCを用い10℃から10℃/minの昇
温速度にて200℃まで昇温した際に得られるDSC融解ピー
クパターンが二個の融解ピークを有し、かつ高温側ピー
ク高さHhと、低温側ピーク高さHlとの比Hh/Hl と、該共
重合体の密度とが下記式を満たす。 60d−52.0 < Hh/Hl < 80d−69.0 (式中、Hhは高温側ピーク高さを、Hlは低温側ピーク高
さを、dは共重合体の密度を表す。)
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