JP3205046U - 焼き魚の調理容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子レンジで簡単に調理できる上に、加熱系調理器(魚焼き器、炭火、ガスレンジ、グリルなど)で調理した場合と、味、見た目、食感において遜色の無い、焼き魚の調理容器を提供する。【解決手段】焼き魚の調理容器1は、魚を収容して調理可能であって、魚を収容可能な収容空間2と、収容空間2への魚の出し入れを可能とする開口部3と、魚が載置される載置部4と、を備え、載置部4は、調理容器が設置される際の平面に対して、傾き4を有している。【選択図】図1

Description

本考案は、焼き魚を調理する際に使用する調理容器であって、特に電子レンジを用いて調理する場合であっても、ガスレンジ、グリルなどのように、直接的な加熱機を用いたのと同じような見た目、食感、味を有するように調理できる焼き魚の調理容器に関する。
近年、我が国おいては、食生活の西洋化が進んでいるために、魚介類の消費量が減少している。また、核家族化の進展や一人暮らしの進展に伴って、調理に手間のかかる魚よりも肉や加工肉製品を、一般の人々が食する機会が増えている。
加えて、単身世帯、共働きの夫婦世帯、年配の方の多い世帯においては、住居がどうしても狭くなりやすく、台所が手狭となることが多い。このため、台所に、魚を焼くグリルや加熱機が設置されていないことがある。設置されていても、部屋や台所の狭さから、加熱調理における臭いを気にしたりすることが多く、これらの世帯では、魚を調理することを避ける傾向がある。
また、飲食店においても、ランチや昼食では、唐揚げ定食、とんかつ定食、野菜炒め定食、ハンバーグ定食などの肉を中心とした食事の注文率が高く、魚を中心とした食事の注文率が低い傾向がある。午後の仕事を考慮する会社員や労働者が、肉製品を中心とした食事を注文したい欲求を有するからである。これは、夜の食事でも同様であり、居酒屋などにおいても、刺身などの加熱不要の食品、電子レンジで温めるだけの食品、肉製品の揚げ物や炒め物の注文が多くなる傾向がある。
このような状況では、飲食店においても、魚を調理する機会が少なくなり、特に、魚を焼く(焼き魚を作る)機会が減少して、焼き魚を作る調理器具(焼き魚用のガスレンジやグリル)が設置されていなかったり、設置されていても少なかったりする問題がある。このため、上記のような世帯だけでなく、飲食店でも焼き魚を調理する機会が減少している問題がある。
また、近年の高齢化の進展に合わせて老人ホームや老人用住居施設が増加している。このような住居は、老人そのものの自立を促すために、各戸に台所を設置していることがある。しかしながら、焼き魚を調理する場合には、火を使う必要があるので、危険性の面から焼き魚を作る調理器具を設置することができない場合も多い。これは、病院でも同様である。
以上のように、日本人の食事の嗜好の変化に加えて、各世帯、飲食店、特殊施設などにおいて、焼き魚を作る調理器具が、設置されない傾向が進んでいる。この焼き魚を作る調理器具が設置されていないことで、更に焼き魚を始めとした魚料理を食する機会が減少している。魚料理を敬遠する風潮と、焼き魚を作る調理器具の減少とが相まって、焼き魚を始めとした魚料理から遠ざかる風潮が強くなっている。
一方で、DHAやEPAといった栄養素を多く含む魚(特に鯖、アジ、さわら、いわし、秋刀魚などの青魚であって、焼き魚に適した魚)は、健康維持や老化防止の面で、非常に好適であるといわれている。様々な実験や臨床結果からも、これらの傾向が確認されている。加えて、日本は、周囲を海に囲まれた漁業大国であり、魚の消費量は他国に比べて多い。漁業従事者も多く、魚の消費量が減少することは好ましくない。2011年の東日本大震災からの復興を考慮しても、魚の消費量が増えることは、我が国にとっても好ましいことである。
更には、近年の中国での魚消費ブームによって、日本商社が魚を競り落とすことができない問題も起きている。あるいは、日本の漁業活動が停滞すると、日本と近隣諸国で生じている領土問題にもデメリットが生じる。この点からも、日本での魚の消費量が増加する(少なくとも減少を抑える)ことは、国益にも適っている。
ところで、上述のように、焼き魚を作る調理器具を設置していない、あるいは設置しにくい世帯、飲食店、特殊施設であっても、電子レンジが設置されていることは多い。中食や惣菜の広がりに従って、調理済み食品を、温めるだけの作業を必要とする人が増えているからである。もちろん、火を使わない安全性の点からも、飲食店、単身世帯、老人世帯、老人ホーム、病院などでも、電子レンジが設置されることが多くなっている。
このため、電子レンジで焼き魚を調理できれば、日本人の魚離れを防止でき、魚の消費量減少に歯止めをかけて、魚の消費量を増加させることができる可能性がある。もちろん、魚の消費量が増えることは、漁業関係者を始めとする日本の産業に好適であるだけでなく、日本人の健康増進にも繋がって、年々増大する健康保険費用にも好適な結果をもたらす。
このような環境下で、電子レンジで焼き魚を調理するための技術がいくつか提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2011−78392号公報 特開2006−25773号公報
上述のように、家庭、飲食店、特殊施設などにおいては、魚を焼く調理器具が設置されていなくても、電子レンジが設置されていることが多い。このため、電子レンジで焼き魚を調理することができれば、好ましい。
ここで、魚は、身と皮を有しており、その内部には、水分、油分、うまみ成分(アミノ酸など)を含んでいる。特に、焼き魚に適している青魚(上述のような種類の魚)は、皮目および身側がしっかりと焼かれることで、水分、油分、うまみ成分が最適なバランスとなり、おいしくなる。もちろん、白身の魚なども同様であり、適切な加熱によって、魚そのものに火が通るだけでなく、水分、油分、うまみ成分のそれぞれが最適なバランスとして、魚の中に残る。もちろん、適度な焦げ目や焼き目が付くことも、味と見た目を良くし、おいしく食べられるようになる。
グリル、炭火焼、ガスレンジなどは、実際に熱を発生させて、この発生させた熱を、魚に加える。このため、これらの加熱系調理器具は、魚を直接的に加熱できるので、適当な焦げ目や焼き目をつけることができる。これによって、味のみならず、見た目もおいしくできる。当然ながら、加熱系調理器は、魚の表面から熱を内部に浸透させていくように加熱するので、水分、油分、うまみ成分が最適なバランスを保ちながら、魚を焼くことができる。これは、肉を焼く場合でも同じである。もちろん、焼きすぎや焼き不足などがあれば、こげたり生焼けになったりすることもあるし、味の不具合が生じることもある。とはいえ、これは、調理スキルの問題であって、加熱系調理器具の問題ではない。
これに対して、電子レンジは、いわゆる水分の分子運動を活発にさせることで、対象物の温度を内部から上昇させる機能を有している。実際に熱を発生させているのではなく、対象物の内部での温度上昇を行わせているに過ぎない。このため、魚を電子レンジで加熱する場合には、魚が含む水分が分子運動して内部から温度が高まっていくだけである。
このため、魚の水分が抜けすぎたり、乾燥しすぎたりして、ぱさぱさの焼き魚ができてしまうことがある。あるいは、水分だけが高温となって、焼き魚の味に重要な油分が、飛び出したり、その際に身が破裂したりしてしまうこともある。詳細なメカニズムは不明であるが、うまみ成分にも、悪影響が生じている。このように、電子レンジで生の魚を加熱するだけでは、加熱系調理器で調理するような焼き魚は、できない問題を有している。もちろん、焦げ目や焼き目もつけられないので、見た目にもよろしくなく、電子レンジは、おいしそうな焼き魚を作ることができない問題を有している。
特許文献1は、電子レンジで焼き魚を作る際に、表面に焦げ目を生じさせる特殊な調味液を開示する。特殊な調味液を、魚の表面に塗布して電子レンジで作業することで、調味液が魚の表面で焦げ目を生じさせることを企図している。魚の表面に焦げ目が生じれば、見た目上は通常の焼き魚に似るようになり、見た目上のおいしさを表現することができる。
しかしながら、あくまでも見た目を改善するだけであり、電子レンジによる水分の分子運動の活発化による内部からの温度上昇が行われていることに変わりがない。このため、水分、油分が抜けてしまったり、あるいは残りすぎてしまったりして、実際にはおいしい焼き魚を作ることは困難である。また、レンジでの調理中に、身が破裂することも生じる。調味液の味によって、焼き魚風の味が生じることはありえるが、あくまでも雰囲気であって、実際の焼き魚の味とは言えるものではない。
また、特許文献1の技術は、魚の表面に調味液を塗布するが、塗布された調味液は、魚の表面に残ってそのまま電子レンジで加熱される。この調味液は、魚の油分や水分とまじりあって、魚の表面で加熱される。このとき、塗布された調味液の量、魚が含有する水分や油分の量によっては、レンジで加熱する際に、これらの量が過剰であることもある。
これらの量が過剰であると、電子レンジでの加熱によってこれらが焦げになってしまう。また、これらの調味液や油分が、魚のコーティングとなって、電子レンジによる加熱が、魚の内部に浸透しにくくなり、内部が生で外部が焦げた状態となってしまう問題もある。
あるいは、油分や水分の混ざった調味液が、魚の底面(容器と魚の底面との間)に回り込んでしまい、魚の底面でも、焦げすぎるなどの問題が生じてしまう。
特許文献2も、特許文献1と同様に、表面に焦げ目を生じさせる特殊な調味液を開示する。特許文献1と同様の狙いを有している技術である。
このため、特許文献2も、特許文献1と同様の問題を有している。
すなわち、本来の焼き魚のような風味、見た目、味を十分に実現できない。加えて、過剰な調味液、油分、水分が、魚の表面や裏面に過剰な焦げ目をつけたり、内部は生焼けのままとなったりするなどの問題を有している。
以上のように、特許文献1、2に開示される調味液の技術だけでは、電子レンジで、加熱系調理器と同様のレベルの味と見た目を生じさせる焼き魚を調理することが困難であった。調味液だけではない、根本的な解決が求められていた。特に、家庭だけでなく、飲食店や施設の厨房で、電子レンジを使って焼き魚を作らざるを得ない場合には、実際の加熱系調理器で調理したのと遜色の無い焼き魚が求められる。
本考案は、これらの課題に鑑み、電子レンジで簡単に調理できる上に、加熱系調理器(魚焼き器、炭火、ガスレンジ、グリルなど)で調理した場合と、味、見た目、食感において遜色の無い、焼き魚の調理容器を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本考案の焼き魚の調理容器は、
魚を収容して調理可能な焼き魚の調理容器であって、
魚を収容可能な収容空間と、
収容空間への魚の出し入れを可能とする開口部と、
魚が載置される載置部と、を備え、
載置部は、調理容器が設置される際の平面に対して、傾きを有している。
本考案の焼き魚の調理容器は、魚の身や皮目に予め塗布された調味液や、これと混合する魚の油分や水分の内、余分なものを、流し落とすことができる。流し落とす際に、魚の裏面や周囲に付着しないことで、魚の表面、裏面、周囲に、過剰な量の調味液を残したまま、加熱されることを防止できる。
加えて、電子レンジで加熱調理する際に、加熱が進むのに合わせて、余分な調味液が流れ落ちるので、焼き魚としての調理に最適な調味液を残しつつ、調理できる。また、流れ落とされた余分な調味液や油分等によって副材を加熱調理することも可能である。
結果として、電子レンジで加熱して調理する場合であっても、余分な水分、油分を、魚から外部に流しつつ、最適な量の油分や水分での加熱調理を実現できる。
また、調味液によって、表面に適切な焦げ目や焼き目をつけることができるので、実際の味だけでなく、見た目も通常の焼き魚と同じになる。この結果、一般家庭ではもちろんのこと、飲食店や施設などで、客や入居者に提供する焼き魚であっても、十分なものとして通用する。
これらの結果、電子レンジのみで焼き魚を調理でき、魚の消費量の増加や食生活の改善が期待でき、日本産業の発展や健康増進が期待される。
本考案の実施の形態における焼き魚の調理容器の平面図である。 本考案の実施の形態における調理容器の側面図である。 本考案の実施の形態における焼き魚の調理方法を説明するフローチャートである。 本考案の実施の形態における調理容器の斜視図である。
本考案の第1の考案に係る焼き魚の調理容器は、魚を収容して調理可能な焼き魚の調理容器であって、
魚を収容可能な収容空間と、
収容空間への魚の出し入れを可能とする開口部と、
魚が載置される載置部と、を備え、
載置部は、調理容器が設置される際の平面に対して、傾きを有している。
この構成により、調理容器に入れたままで、非常においしく見た目もよく、焼き魚を調理して得ることができる。
本考案の第2の考案に係る焼き魚の調理容器では、第1の考案に加えて、収容空間の外周に側壁が設けられ、側壁および載置部によって、収容空間が形成される。
この構成により、そのまま調理可能に魚を収容できる。
本考案の第3の考案に係る焼き魚の調理容器では、第1または第2の考案に加えて、載置部は、長手方向および短手方向を有し、載置部の傾きは、短手方向に沿って傾く。
この構成により、魚の調理中に生じる油分、水分等を載置部から流し落とすことができる。
本考案の第4の考案に係る焼き魚の調理容器では、第3の考案に加えて、傾きは、短手方向に沿って、側壁の上部から底部に向けて傾いている。
この構成により、魚の調理中に生じる油分、水分等を載置部から流し落とすことができる。また、流れ落とされた余分な調味液や油分等によって副材を加熱調理することも可能である。
本考案の第5の考案に係る焼き魚の調理容器では、第1から第4のいずれか記載の考案に加えて、載置部に載置される魚には、調味液が塗布される。
この構成により、電子レンジで調理される場合であっても、焦げ目や味など、焼き魚を調理することができる。
本考案の第6の考案に係る焼き魚の調理容器では、第1から第5のいずれかの考案に加えて、載置部の周囲の少なくとも一部に設けられる凹部を、更に備える。
この構成により、傾きによって落ちた油分や水分などを受け取ることができ、載置部に逆流させない。
本考案の第7の考案に係る焼き魚の調理容器では、第6の考案に加えて、凹部は、魚の油分、水分および塗布された調味液の少なくとも一部であって余分である余分液を受け取る。
この構成により、載置部における余分な油分等による調理への悪影響を防止できる。
本考案の第8の考案に係る焼き魚の調理容器では、第7の考案に加えて、余分液は、載置部の傾きにより、凹部に流れ込む。
この構成により、載置部における余分な油分等による調理への悪影響を防止できる。
本考案の第9の考案に係る焼き魚の調理容器では、第7または第8の考案に加えて、凹部に受け取られた余分液は、載置部に還流しない。
この構成により、焼き魚を適切に得ることができる。
本考案の第10の考案に係る焼き魚の調理容器では、第1から第9のいずれかの考案に加えて、載置部は、リブを備える。
この構成により、魚からの余分な水分や油分を、適切に外に放出しながら電子レンジで加熱されて、身の破裂などが防止される。結果として味はもちろんのこと見た目も通常の焼き魚と同じレベルで調理される。
本考案の第11の考案に係る焼き魚の調理容器では、第1から第10のいずれかの考案に加えて、載置部に載置された魚の表面との空隙を形成できると共に、開口部を塞ぐ蓋を更に備える。
この構成により、そのまま調理できる。
以下、図面を参照しながら、本考案の実施の形態を説明する。
(実施の形態)
(全体概要)
図1は、本考案の実施の形態における焼き魚の調理容器の平面図である。焼き魚の調理容器1(以下、適宜「調理容器1」と略す)は、魚を収容して調理可能な容器である。特に、調理容器1は、魚を収容した状態で電子レンジにより調理可能である。
調理容器1は、収容空間2、開口部3、載置部4を備える。
収容空間2は、魚を収容可能な空間である。調理容器1は、魚を収容した状態で、調理が可能である。特に、電子レンジで調理可能である。このため、魚を収容可能な収容空間2を備えていることが好ましい。また、調理容器1は、購入者が生の魚から焼き魚を簡単に調理できることを目的としているので、収容空間2には、生の魚が収容される。特に、生の魚を収容した調理容器1が、電子レンジのみで焼き魚に調理できることが適当である。
開口部3は、収容空間2への魚の出し入れを可能とする開口した部分である。調理容器1は、収容空間2を備える箱型態様であるので、開口しているこの上部が、開口部3であればよい。このため、収容空間2の外側には側壁5が設けられる。側壁5および載置部4によって、収容空間2が形成される。
供給者が魚を調理容器1に入れて販売する場合には、開口部3から載置部4に魚が入れられる。販売や調理の際には、開口部3は、樹脂フィルムなどで封止され、収容空間2が密封される。調理後においては、樹脂フィルムが取り除かれて、開口部3から調理後の魚が取り出される。
載置部4は、実際に魚が載置される部位である。載置部4は、調理容器1の底部に該当し、魚が載置される。すなわち、載置部4に魚が載置されて、魚が収容空間2内部において固定された状態で設置される。
ここで、図2に示されるように、載置部4は、調理容器1が設置される際の平面に対して、傾き41を有している。
図2は、本考案の実施の形態における調理容器の側面図である。
傾き41は、調理容器1が設置される際に形成される平面(例えば、調理容器1が置かれる食卓の天板平面)に対する傾きである。傾き41は、図1、図2に示されるように、収容空間2の一方の端部から他方の端部に向けて傾いている。
傾き41が形成されていることで、魚も収容空間2において斜めに傾いた状態で載置される。魚がこのように傾いて載置部4に載置された状態で、調理容器1が電子レンジなどに投入される。
調理容器1が投入されて電子レンジでの加熱が行われると、生の魚が加熱されて焼き魚へと調理される。このとき、魚には、予め調味液が塗布されている。電子レンジでの加熱において、魚に合わせて調味液が加熱される。この調味液の加熱によって、魚に味が染みると共に、魚の表面に焼き魚として必要な適当な焦げ目が生じる。
このように塗布された調味液の加熱と相まって、電子レンジでの加熱のみで、生の魚を焼き魚として調理できる。
ここで、調理容器1に収容された魚および調味液が加熱される際に、魚の含む油分、水分および粘性の低くなった調味液が、魚の内部や表面から落ちてくる。この油分、水分、調味液が魚から落ちると、そのまま載置部4に乗ってしまう。この載置部4が傾き41を有していないと、油分や水分が載置部4に留まってしまう。留まってしまうと、魚の下に油分や水分が溜まってしまい、魚が水っぽくなったり、焦げすぎたりなどが生じる。
ここで、傾き41を載置部4が備えていることで、加熱中に生じる油分、水分、調味液は、載置部4から下に落ちていく。この結果、余分な水分や油分は、載置部4の表面や魚の下に留まらなくなり、水っぽくなったり、焦げすぎたりするなどの問題を回避できる。これは、調味液が塗布されていない場合でも同様である。
このように、載置部4が傾き41を有していることで、電子レンジで調理する調理容器1でも、不具合を生じさせずに、焼き魚を調理することができる。
調理容器1は、魚を購入した購入者が、購入した魚を載置部4においてから調理を行ってもよい。あるいは、供給者(小売業者や製造業者)が、切り身にした魚を載置部4において、開口部3を樹脂フィルムなどで密封した状態で販売し、購入者は、そのまま電子レンジで調理するなどでもよい。
本考案の調理容器1は、購入者が手間をかけずに、購入した状態から電子レンジを用いるだけで、生の魚から本格的な焼き魚を作ることができることを提供できる。この点からも、供給者が切り身にした生の魚を収容した上で販売し、購入者がそのまま電子レンジなどで調理する使用態様が好ましい。
次に、調理方法について説明する。
(調理方法)
図3は、本考案の実施の形態における焼き魚の調理方法を説明するフローチャートである。図3のフローチャートは、電子レンジを用いて、グリルやガスコンロなどのような直接的な加熱調理器と同様に焼き魚を調理する調理方法を、そのステップごとに示している。多少の前後や多少の追加等があることはあっても、実施の形態における焼き魚の調理方法は、図3に示されるステップに従って進められる。
まず、ステップST1にて、第1工程が行われる。第1工程の前には、既に調理対象となる魚が切り身にされている。例えば、商店やスーパーマーケットで販売されている魚は、既にこのような切り身にされていることも多い。このため、調理を行う調理担当者は、ステップST1に必要な調理対象の魚の切り身を容易に入手可能である。
あるいは、魚が半身や一本売りで売られており、その状態で入手された場合には、三枚におろされた状態から、調理担当者が切り身に切り分ける。こうして、ステップST1で示される第1工程に必要な切り身となった調理対象の魚の切り身が得られる。
第1工程では、調理対象となる切り身の魚の皮目に、第1所定方向に切れ目が入れられる。切れ目は、単数でもよいし複数でも良い。しかしながら、切れ目が複数であることが、電子レンジでの調理時における内部の均一的な加熱にとって好適である。加えて、水分、油分、うまみ成分のバランスを、実現しやすくなる。
次に、ステップST2において、第2工程が実施される。第2工程では、第1工程と逆に、調理対象の切り身の魚の身側に切れ目が入れられる。この第1工程と第2工程によって、魚の皮目と身側の両方に切れ目が入れられる。
次に、ステップST3にて、第3工程が実施される。第3工程では、調理対象となる魚の表面に所定の調味液が塗布される。
調味液は、調理される焼き魚の味を決定すると共に、電子レンジで調理したにも係らず、グリルやガスレンジなどの直接的な加熱機で調理した場合と同様に、魚の表面に焦げ目をつけることができる。この焦げ目が付くことで、見た目にも、通常の加熱機を用いて焼いた焼き魚と遜色の無いものとなる。もちろん、味においても同様である。
調味液の塗布の量やバランスは、調理作業者の好みに応じてもよいし、食する人の好みに応じてもよい。また、電子レンジでの調理とのバランスにおうじた経験値に基づいて、定められても良い。これらは、結果として最適になればよく、特段の定めを必要とするものではないからである。
次に、ステップST4にて、第4工程が実施される。
第4工程では、調理容器1の載置部4に魚が載置される。調理容器1は、図1、図2を用いて上述の通りに説明したものである。この載置部4は、上述したように、傾き41を有しており、傾いた面の載置部4に調味液の塗布された魚が乗せられる。
最終的に、ステップST5にて、第5工程が実施される。第5工程では、電子レンジに投入された魚が、調理容器1ごと調理される。このとき、電子レンジの性能や機能、および魚1の種類や大きさに応じて、その電力量、時間数が設定されればよい。これは、調理担当者の経験や知識によって定められても良いし、調理担当者の好みによって定められても良い。あるいは、一定のマニュアルが用意されても良い。
この第5工程が完了すると、焼き魚の調理は完了する。この結果、電子レンジであるにも係らず、グリルやガスレンジのような直接的な加熱機器を用いた場合と同じような見た目、出来具合、味を有する焼き魚が調理される。もちろん、使用される器具は電子レンジだけであるので、直接的な火や加熱機器を使わないことで、安全に使用できる。
また、傾き41があることで、電子レンジでの調理中に生じる、余分な魚の油分、水分、調味液が、載置部4や魚の下に留まらずに、水っぽくなったり、焦げすぎたりなどを回避して、程よい状態での焼き魚が調理できる。
次に、各部の詳細等について説明する。
(載置部)
載置部4は、上述の通り、調味液の塗布された魚を載置する。載置部4は、調理容器1の形状に合わせて様々な形態を有すればよい。一例として、載置部4は、長手方向および短手方向を有する。載置部4の傾き41は、この短手方向に沿って傾いていることも好適である。
短手方向に沿って傾いていることで、魚の載置が容易であると共に、魚のより広い面から生じる油分や水分を、広い範囲で載置部4から落とすことができるからである。
傾き41は、短手方向に沿って、側壁の上部から底部に向けて傾いている。側壁の上部から底部に向けて傾いていることで、収容空間2を損なわずに、傾き41が形成できる。
載置部4は、魚が実際に載置されるので、表面が抗菌処理されていたり、衛生処理されていたりすることも好ましい。
また、載置部4は、その表面にリブを備えることも好適である。リブは、線状であってもよいし、一定の面積を有する面状や点状であってもよい。線状のリブの場合には、格子、縦、横、斜め、その他の形状に合わせて設けられれば良い。このようなリブが形成される結果、載置部4は、凸凹を有するようになる。
この凸凹によって、載置部4に載置された魚の下に隙間が生じ、加熱が均一に伝わりやすくなる。また、魚から出る余分な油分や水分などが、隙間を介して、傾き41によって落ちやすくなる。
なお、調理容器1は、紙、陶器、磁器、樹脂、シリコンなどの素材で形成されることが適当である。
(収容空間)
収容空間2は、載置部4に載置された魚を収容する空間である。側壁5と合わせて載置部4が収容空間2を形成する。魚がこの収容空間2に収容された状態で、調理容器1は、そのまま調理される。
このため、収容空間2は、魚を開口部3からはみ出させない程度の深さを有することが好適である。例えば、開口部3には、これを塞ぐ蓋が設けられる。蓋は、樹脂成型された蓋でもよいし、樹脂フィルムで封止されることでもよい。この蓋が、載置部4に載置されている蓋に触れない程度に、収容空間2が深さを備えていることが好適である。
蓋は、載置部4に載置された魚の表面との空隙を形成できることが好ましい。これは、収容空間2の深さによって実現されつつ、蓋の形状によっても形成されればよい。
収容空間2は、深さ以外でも、縦横においても、魚を収容できる大きさを有している。
(凹部)
図4は、本考案の実施の形態における調理容器の斜視図である。載置部4の周囲の少なくとも一部に設けられる凹部7を更に備えることも好適である。
調理容器1の底面は、載置部4が形成される。この載置部4は、傾き41を有しており、この傾いた載置部4に魚が載置される。この載置部4の外周の少なくとも一部に、凹部7が形成される。凹部7は、調理容器1の底面において載置部4の外周をお堀のような形態である。
上述したように、加熱中において、魚の油分、水分、塗布された調味液の少なくとも一部であって、余分である余分液が生じる。載置部4は、傾き41を有しており、余分液は、傾き41に沿って載置部4を落ちていく。載置部4を落ちた余分液は、凹部に到達する。載置部4の傾きにより、余分液は、凹部7に流れ込む。
このように、凹部7は、余分液を受け取る。
余分液が凹部で受け取られることで、余分液が載置部4の表面に残りにくく、余分液が多い場合でも、載置部4に残ったりすることもない。この結果、電子レンジで調理される場合でも、魚が水っぽくなったり焦げすぎたりするなどの問題も生じにくい。
(調味液)
調味液は、しょうゆ、みりん、糖分、出汁などの和食の基本的な成分に、いくつかの成分を添加した調味液である。
考案者が試行錯誤で到達したこの調味液が、魚の表面に塗布される。皮目、身側のいずれに多く塗布されるのが好ましいかといった点は、調理担当者や食する人の好みで使い分けられればよい。
この調味液は、身側の切れ目から内部の身に浸透しつつ、表面にも残る。また、切れ目から浸透する際に、魚が有している水分や油分と交じり合って、調理後の焼き魚の味を更に引き立てる。
また、上述のように、調味液は、切れ目の蓋となりつつ身にも浸透する役割を有し、切れ目からの、余分な水分、油分、うまみ成分の放出を調整できる。この結果、魚の身が破裂したりすることもなく、べたつき感とパサパサ感を生じさせることもないままに、その味をも最適にできる。
また、調味液は、電子レンジでの調理における加熱によって、魚の表面に焦げ目をつける。実際には、魚の表面がこげているわけではなく、この調味液がこげることで、魚の表面がこげるように見えるだけであるが、見た目がよくなって、電子レンジで調理しただけの焼き魚とは思えないものとなる。
完全な焼き魚ではないが、簡単かつ安全な調理で、一定レベル以上の焼き魚を欲する人にとっては、味に加えて、見た目も十分となる。調味液には、このような役割もある。
また、調味液は、皮目および身側のいずれにも塗布されてもよいし、片側のみに塗布されてもよいが、両方に塗布される場合には、身側よりも皮目に多く塗布されることが好ましい。
皮目に多く塗布されることで、上述の焦げ目が皮目に多く生じ、調理後の見た目が非常においしく感じられるからである。また、皮目に多く塗布されることで、皮目3のぱりぱり感も高くなって、焼き魚としての完成度が更に上がるメリットもある。
また、調味液は、種々開発されればよいが、一例を示す。調味液は、小麦たんぱく質加水分解物、酒、水あめ、食塩、甘味料、増粘剤、酸味料および酒糟を含む。これらの成分比率は、種々に定められれば良く、対象魚の種類、大きさ、食する人の好み、電子レンジの特性で決定されれば良い。また、これら以外に、味を良くしたり、見た目を良くしたりできる他の成分が加えられてもよい。
なお、実施の形態で説明された電子レンジによる焼き魚の調理方法は、本考案の趣旨を説明する一例であり、本考案の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 調理容器
2 収容空間
3 開口部
4 載置部
41 傾き
5 側壁
7 凹部

Claims (12)

  1. 魚を収容して調理可能な焼き魚の調理容器であって、
    魚を収容可能な収容空間と、
    前記収容空間への前記魚の出し入れを可能とする開口部と、
    前記魚が載置される載置部と、を備え、
    前記載置部は、前記調理容器が設置される際の平面に対して、傾きを有している、焼き魚の調理容器。
  2. 前記収容空間の外周に側壁が設けられ、
    前記側壁および前記載置部によって、前記収容空間が形成される、請求項1記載の焼き魚の調理容器。
  3. 前記載置部は、長手方向および短手方向を有し、
    前記載置部の傾きは、前記短手方向に沿って傾く、請求項1または2記載の焼き魚の調理容器。
  4. 前記傾きは、前記短手方向に沿って、前記側壁の上部から底部に向けて傾いている、請求項3記載の焼き魚の調理容器。
  5. 前記載置部に載置される魚には、調味液が塗布される、請求項1から4のいずれか記載の焼き魚の調理容器。
  6. 前記載置部の周囲の少なくとも一部に設けられる凹部を、更に備える、請求項1から5のいずれか記載の焼き魚の調理容器。
  7. 前記凹部は、前記魚の油分、水分および塗布された調味液の少なくとも一部であって余分である余分液を受け取る、請求項6記載の焼き魚の調理容器。
  8. 前記余分液は、前記載置部の前記傾きにより、前記凹部に流れ込む、請求項7記載の焼き魚の調理容器。
  9. 前記凹部に受け取られた前記余分液は、前記載置部に還流しない、請求項7または8記載の焼き魚の調理容器。
  10. 前記載置部は、リブを備える、請求項1から9のいずれか記載の焼き魚の調理容器。
  11. 前記載置部に載置された魚の表面との空隙を形成できると共に、前記開口部を塞ぐ蓋を更に備える、請求項1から10のいずれか記載の焼き魚の調理容器。
  12. 前記調理容器は、電子レンジでの調理に使用される、請求項1から11のいずれか記載の焼き魚の調理容器。
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