JP3204891B2 - Oamセル処理方法および装置 - Google Patents

Oamセル処理方法および装置

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JP3204891B2
JP3204891B2 JP32464595A JP32464595A JP3204891B2 JP 3204891 B2 JP3204891 B2 JP 3204891B2 JP 32464595 A JP32464595 A JP 32464595A JP 32464595 A JP32464595 A JP 32464595A JP 3204891 B2 JP3204891 B2 JP 3204891B2
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崇 栗本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はATM網におけるセ
ルレベルのマルチキャスト通信をサポートする通信装置
が備えるOAMセル処理装置に関する。
【0002】ATM(Asynchronous Transfer Mode;非
同期転送モード)とは音声・データ・画像といった各種
メディアのデータをセルという固定長パケットに分割し
て網内で統一的に転送するモードである。ATMでは多
様なサービスの提供が期待されており、電話や単純なデ
ータ通信等のような1:1接続サービスに関しては基本
的な仕組みがすでに開発されているが、今後はビデオ配
信などの1:N接続サービスの提供が検討される。
【0003】
【従来の技術】ATMではVC(Virtual Channel ;仮
想チャネル)やVP(Virtual Path;仮想パス)といっ
たセルレベルでのOAM(Operation, Administration
and Maintenance ;保守運用管理)機能が強化されてお
り、OAM情報を運ぶOAMセルがATMコネクション
上でユーザセルと一緒に転送される。OAMセルには、
ネットワーク内の回線毎の障害情報を回線の両端の端末
等に伝えるためのFMセル(警報セル)、ネットワーク
内の輻輳状態を回線の両端の端末等に伝えるためのRM
セル(リソース管理セル)、回線毎のセル廃棄率やビッ
ト誤り率等を検出するためのPMセル(品質監視セ
ル)、回線導通試験のためのLBセル(ループバックセ
ル)やCCセル(接続正常性確認セル)が定義されてい
る。
【0004】このうちFMセルとRMセルは、回線で発
生した障害や輻輳を発信側端末と着信側端末に通知する
ために、まず、障害等の検出点から下流側に向けて(つ
まり順方向に)OAMセルが転送され、この通知を受け
た着信側端末は、今度は上流側に向けて(つまり逆方向
に)OAMセルを返送する。それにより回線の両端の端
末や回線上のノード装置は回線で発生した障害等を認識
することができる。順方向のFMセルはAIS(警報表
示信号)セル、逆方向のFMセルはRDI(遠端受信故
障)セルと呼ばれ、また、順方向のRMセルはEFCN
(前方輻輳通知)セル、逆方向のRMセルはEBCN
(後方輻輳通知)セルと呼ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ATMスイッ
チングノードにおいてマルチキャストサービスをサポー
トする場合、FMセルとRMセルに関しては以下の問題
が発生する。
【0006】(1)FMセルに関する問題 図11に示すように、マルチキャスト呼のルート端
末とノード装置との間の回線に障害が発生し、ノード装
置から複数のリーフ端末に向けてAISセルが送出され
た場合、それに応じて各リーフ端末からRDIセルが返
送されるので、リーフ端末数が多いとRDIセルがノー
ド装置のバッファ部で輻輳し、そのためセル廃棄の発生
確率が高まる。 図12に示すように、マルチキャスト呼のリーフ端
末とノード装置との間の回線のうちの何れかに障害が発
生し、ルート端末に向けてAISセルが送出された場
合、それに応じてルート端末からRDIセルが返送さ
れ、ノード装置から各リーフ端末へRDIセルが分配さ
れるため、正常なチャネルが確保されているリーフ端末
へもRDIセルが転送されてしまう。RDIセルを受信
したリーフ端末はルート端末との間の回線上で障害が発
生したと判定するため、正常なチャネルが確保されてい
るにもかかわらずセルの送信を停止してしまう。
【0007】(2)RMセルに関する問題 図13に示すように、マルチキャスト呼のルート端
末とノード装置との間の回線に輻輳が発生し、ノード装
置から複数のリーフ端末に向けてEFCNセルが送出さ
れた場合、それに応じて各リーフ端末からEBCNセル
が返送されるので、リーフ端末数が多いとEBCNセル
がノード装置のバッファ部で輻輳し、そのためセル廃棄
の発生確率が高まる。 図14に示すように、マルチキャスト呼のリーフ端
末とノード装置との間の回線のうちの何れかで輻輳が発
生し、ルート端末に向けてEFCNセルが送出された場
合、それに応じてルート端末からEBCNセルが返送さ
れ、ノード装置から各リーフ端末へEBCNセルが分配
されるため、回線が輻輳していないリーフ端末へもEB
CNセルが転送されてしまう。EBCNセルを受信した
リーフ端末はルート端末側との間の回線上で輻輳が発生
したと判定するため、正常な帯域が確保されているにも
かかわらずセルの送信を停止したり、送信帯域を絞った
りする。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、ATM網で設定されたマルチキャスト呼の回
線分岐点となる通信装置において、回線分岐先の各端末
から返送されたOAMセルが集中的に到着してセル廃棄
が発生することや、障害等を通知する必要のない端末に
までOAMセルを転送してしまうことを回避するのを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1および図2は本発明
に係る原理説明図である。上述の課題を解決するため
に、本発明においては、第一の形態として、ATM網で
設定されたマルチキャスト呼のルート側回線が複数のリ
ーフ側回線に分岐する回線分岐点にて、該ルート側回線
で検出された監視情報を通知するために該検出点からリ
ーフ側への方向に伝送される順方向OAMセルと、該順
方向OAMセルに対してリーフ端末からルート側への方
向に返送される逆方向OAMセルとを処理する方法であ
って、該複数のリーフ側回線の少なくとも一を代表、他
を非代表として定め、非代表として定められたリーフ側
回線から伝送されてきた逆方向OAMセルを該回線分岐
点で廃棄するようにしたOAMセル処理方法が提供され
る。
【0010】また本発明においては、第二の形態とし
て、ATM網で設定されたマルチキャスト呼のルート側
回線が複数のリーフ側回線に分岐する回線分岐点にて、
該複数のリーフ側回線の何れかで検出された監視情報を
通知するために該検出点からルート側への方向に伝送さ
れる順方向OAMセルと、該順方向OAMセルに対して
ルート端末からリーフ側への方向に返送される逆方向O
AMセルとを処理する方法であって、順方向OAMセル
に対してルート端末から該回線分岐点まで返送された逆
方向OAMセルを、該順方向OAMセルが伝送されてき
たリーフ側回線だけに送出するようにしたOAMセル処
理方法が提供される。
【0011】また本発明においては、上記OAMセル処
理方法を実現するために、ATM網でにおける通信装置
内に回線対応に設けられ、上流側回線で検出された監視
情報を通知するために下流側に向けて転送される順方向
OAMセルと、順方向OAMセルに対して下流側端末か
ら上流側に向けて返送される逆方向OAMセルとを処理
するOAMセル処理装置が提供される。
【0012】上記第一の形態のOAMセル処理方法を実
現するためのOAMセル処理装置は、対応回線の代表/
非代表を示す代表回線フラグと、対応回線への順方向O
AMセル送出の検出/未検出を示す順方向OAMセル送
信フラグと、対応回線へ送出されるセルを監視し、順方
向OAMセルを検出したとき、該順方向OAMセル送信
フラグが「検出」を示すように設定するOAMセル送信
監視部と、対応回線から到着するセルを監視し、逆方向
OAMセルを検出したとき、該代表回線フラグが「非代
表」を示し、かつ該OAMセル送信フラグが「検出」を
示していれば、該検出した逆方向OAMセルを廃棄する
OAMセル受信監視部とを備えて構成される。
【0013】また、上記第二の形態のOAMセル処理方
法を実現するためのOAMセル処理装置は、対応回線か
らの順方向OAMセル到着の検出/未検出を示す順方向
OAMセル受信フラグと、対応回線への順方向OAMセ
ル送出の検出/未検出を示す順方向OAMセル送信フラ
グと、対応回線から到着するセルを監視し、順方向OA
Mセルを検出したとき、該順方向OAMセル受信フラグ
が「検出」を示すように設定し、また、逆方向OAMセ
ルを検出したとき、該順方向OAMセル送信フラグが
「検出」を示していれば、該検出した逆方向OAMセル
内に廃棄指示情報を挿入するOAMセル受信監視部と、
対応回線へ送出されるセルを監視し、順方向OAMセル
を検出したとき、該順方向OAMセル送信フラグが「検
出」を示すように設定し、また、逆方向OAMセルを検
出したとき、該順方向OAMセル受信フラグが「未検
出」を示し、かつ該検出した逆方向OAMセル内に廃棄
指示情報が挿入されていれば、該検出した逆方向OAM
セルを廃棄するOAMセル送信監視部とを備えて構成さ
れる。
【0014】上記第一の形態のOAMセル処理方法にお
けるOAMセル処理装置の動作を図1を参照して説明す
る。図示されているリーフ側回線のうち、リーフ側回線
(1)は代表回線、リーフ側回線(2)〜(n)は非代
表回線である。ルート側回線(0)で検出された監視情
報をリーフ側に運ぶ順方向OAMセルは、図中に示され
る〜の転送経路を通ってリーフ側端末(1)〜
(n)のそれぞれに転送される。それに対してリーフ側
端末がルート側に返送する逆方向OAMセルは、図中に
示される〜の転送経路を通ってルート端末(0)に
転送される。ただし、非代表のリーフ側回線を通って返
送されてきた逆方向OAMセルは、それを受信したOA
Mセル処理装置において廃棄される。
【0015】上記の過程において、OAMセル処理装置
(1)〜(n)は、対応するリーフ端末に順方向OAM
セルを送信(図中の)する時、OAMセル送信監視部
により順方向OAMセル送信フラグが「検出」を示すよ
うに設定される。また、OAMセル処理装置(1)〜
(n)は、その順方向OAMセルに対してリーフ端末か
ら返送された逆方向OAMセルを受信(図中の)した
時、OAMセル受信監視部により回線代表フラグと順方
向OAMセル送信フラグとが参照される。OAMセル処
理装置(1)の場合は、回線代表フラグが「代表」を示
し、かつ順方向OAMセル送信フラグが「検出」を示し
ているので、受信した逆方向OAMセルはルート側に転
送(図中の)されるが、OAMセル処理装置(2)〜
(n)の場合は、回線代表フラグが「非代表」を示し、
かつ順方向OAMセル送信フラグが「未検出」を示して
いるので、受信した逆方向OAMセルは廃棄される。
【0016】上記第二の形態のOAMセル処理方法にお
けるOAMセル処理装置の動作を図2を参照して説明す
る。ルート側回線(0)からn本に分岐するリーフ側回
線の何れか(図中ではリーフ側回線(1))で検出され
た監視情報をルート側に運ぶ順方向OAMセルは、図中
に示される〜の転送経路を通ってルート側端末
(0)に転送される。それに対してルート側端末(0)
がリーフ側に返送する逆方向OAMセルは、図中に示さ
れる〜の転送経路を通ってOAMセル処理装置
(1)〜(n)に分配されるが、OAMセル処理装置
(2)〜(n)はこの逆方向OAMセルを廃棄する。し
たがって、この逆方向OAMセルはリーフ端末(1)だ
けに返送される(図中の)。
【0017】上記の過程において、OAMセル処理装置
(1)は、リーフ端末(1)から順方向OAMセルを受
信(図中の)した時、OAMセル受信監視部により順
方向OAMセル受信フラグが「検出」を示すように設定
され、その順方向OAMセルはOAMセル処理装置
(0)に転送される(図中の)。OAMセル処理装置
(0)は、この順方向OAMセルをルート端末(0)に
送信(図中の)する時、OAMセル送信監視部により
順方向OAMセル送信フラグが「検出」を示すように設
定される。また、OAMセル処理装置(0)は、この順
方向OAMセルに対してルート端末(0)から返送され
た逆方向OAMセルを受信(図中の)した時、OAM
セル受信監視部により順方向OAMセル送信フラグが参
照され、順方向OAMセル送信フラグが「検出」を示し
ているので、受信した逆方向OAMセルに廃棄指示情報
を挿入してから回線分岐点側に転送する。この逆方向O
AMセルは回線分岐点からOAMセル処理装置(1)〜
(n)に分配される(図中の)。OAMセル処理装置
(1)〜(n)は、この逆方向OAMセルを受け取った
時、OAMセル送信監視部により順方向OAMセル受信
フラグが参照される。OAMセル処理装置(1)の場合
は、順方向OAMセル受信フラグが「検出」を示し、か
つこの逆方向OAMセルに廃棄指示情報が挿入されてい
るので、この逆方向OAMセルをリーフ端末(1)に転
送(図中の)するが、OAMセル処理装置(2)〜
(n)の場合は、順方向OAMセル受信フラグが「非検
出」を示しているので、この逆方向OAMセルを廃棄す
る。
【0018】なお、上記の廃棄指示情報を回線分岐点側
に転送する方法については、逆方向OAMセルに挿入し
て転送する方法以外に、呼処理プロセッサ等を経由して
転送する方法も可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。図3は、図11に示した問題を解決す
るためのOAMセル処理方法の実施例を示す図である。
ATMスイッチング装置1はスイッチ部10とOAMセ
ル処理部11とを含んで構成される。OAMセル処理部
11は、ルート端末(0)およびリーフ端末(1)〜
(n)にそれぞれ対応させて、ATMスイッチング装置
1の入出力回線対応部に設けられる。
【0020】ATMスイッチング装置1と各端末間のチ
ャネルは代表チャネルと非代表チャネルとに区別され
る。代表チャネル/非代表チャネルはマルチキャスト呼
の設定時にソフトウェアにより決定される。本実施例で
は、ルート端末(0)およびリーフ端末(1)へのチャ
ネルを代表チャネル、リーフ端末(2)〜(n)へのチ
ャネルを非代表チャネルとする。
【0021】図4はOAMセル処理部11の構成例を示
す図である。OAMセル処理部11は、フラグテーブル
110とAISセル検出部111とRDIセル検出部1
12と遮断部113とを含んで構成される。
【0022】フラグテーブル110は、ATMスイッチ
ング装置1と各端末間に張られたVCコネクション対応
に、代表/非代表フラグ(F1)およびAIS送信フラ
グ(F2)を格納するテーブルである。フラグテーブル
110内のフラグはVCI(仮想チャネル識別子)によ
り検索される。
【0023】代表/非代表フラグ(F1)はコネクショ
ン設定時に一括して設定され、AIS送信フラグ(F
2)は通信時の状況に応じてセット/リセットされる。
代表/非代表フラグ(F1)は、“0”に設定されてい
れば代表チャネル、“1”に設定されていれば非代表チ
ャネルを示すものとする。
【0024】AISセル検出部111は、スイッチ部1
0からOAMセル処理部11を通って端末側へ送出され
るセルを監視し、AISセルを検出したらそのヘッダか
らVCIを複写し、フラグテーブル110内のそのVC
Iに対応するAISセル送信フラグ(F2)を“1”に
セットする。RDI検出部112は、端末側から到着し
てOAMセル処理部11を通ってスイッチ部10へ送ら
れるセルを監視し、RDIセルを検出したらそのヘッダ
からVCIを複写し、フラグテーブル110内のそのV
CIに対応する代表/非代表フラグ(F1)とAISセ
ル送信フラグ(F2)を参照し、F1=“1”(そのV
CIに対応するチャネルが非代表)かつF2=“1”
(そのVCIに対応するチャネルを通して端末側にAI
Sセルを送信済)であれば、そのRDIセルを廃棄する
よう遮断部113に指示する。遮断部113は、RDI
検出部112からRDIセル廃棄を指示されたら、当該
RDIセルをスイッチ部10に転送せずに廃棄する。
【0025】次に、本実施例におけるATMスイッチン
グ装置1の動作を図3と図4を参照して説明する。 ルート端末(0)とATMスイッチング装置1との
間で発生した回線断によりATMスイッチング装置1に
AISセルが送出されると、そのAISセルはOAMセ
ル処理部11(0)で受信され、RDIセル検出部11
2と遮断部113を通過してスイッチ部10へ転送され
る。この場合、AISセルはOAMセル処理部11
(0)を単に通過するだけである。 スイッチ部10はこのAISセルをOAMセル処理
部11(1)〜(n)に分配する。 OAMセル処理部11(1)〜(n)はそれぞれ、
スイッチ部10から転送されてきたAISセルをAIS
セル検出部111で検出することにより、フラグテーブ
ル110内の対応するAISセル送信フラグ(F2)を
“1”にセットし、そのAISセルを対応するリーフ端
末に送信する。
【0026】 リーフ端末(1)〜(n)はそれぞれ
AISセルを受信するとRDIセルを返送する。 代表チャネルを通ってRDIセルが到着するOAM
セル処理部11(1)では、RDIセル検出部112が
そのRIDセルを検出することにより、フラグテーブル
110内の対応する代表/非代表フラグ(F1)とAI
Sセル送信フラグ(F2)を参照する。AISセル送信
フラグ(F2)は上記の処理で“1”に設定されてお
り、代表/非代表フラグ(F1)は“0”に設定されて
いるので、このRDIは廃棄されずにスイッチ部10に
転送される。 非代表チャネルを通ってRDIセルが到着するOA
Mセル処理部11(2)〜(n)でも上記と同様に代
表/非代表フラグ(F1)とAISセル送信フラグ(F
2)が参照されるが、代表/非代表フラグ(F1)が
“1”に設定されているので、このRDIはスイッチ部
10に転送されずに廃棄される。
【0027】以上の動作の結果、ルート側から転送され
たAISセルに対してリーフ端末(1)〜(n)がRD
Iセルを返送しても、ATMスイッチング装置1におい
てスイッチ部10の手前でリーフ端末(2)〜(n)か
らのRDIセルは廃棄され、リーフ端末(1)からのR
DIセルだけがスイッチ部10を通ってルート端末
(0)に返送されるので、スイッチ部10でセルが輻輳
してバッファ溢れが起こることが避けられる。なお、本
実施例ではリーフ端末(1)へのチャネルだけを代表チ
ャネルとし、リーフ端末(1)から返送されたRDIセ
ルだけをルート端末(0)に転送しているが、ATMス
イッチング装置1で輻輳が発生しない範囲内で、複数の
リーフ端末へのチャネルを代表チャネルとする方法も可
能である。
【0028】図5は、図12に示した問題を解決するた
めのOAMセル処理方法の実施例を示す図である。AT
Mスイッチング装置2はスイッチ部20とOAMセル処
理部21とを含んで構成される。OAMセル処理部21
は、ルート端末(0)およびリーフ端末(1)〜(n)
にそれぞれ対応させて、ATMスイッチング装置2の入
出力回線対応部に設けられる。
【0029】図6はOAMセル処理部21の構成例を示
す図である。OAMセル処理部21は、フラグテーブル
210とFMセル検出部211、212と遮断部213
と廃棄フラグ挿入部214とを含んで構成される。
【0030】フラグテーブル210は、ATMスイッチ
ング装置2と各端末間に張られたVCコネクション対応
に、代表/非代表フラグ(F1)、AIS送信フラグ
(F2)およびAIS受信フラグ(F3)を格納するテ
ーブルである。ただし、代表/非代表フラグ(F1)
は、図3に示したOAMセル処理方法にも対応できるよ
うに設けられたものであり、本実施例では使用されな
い。AIS送信フラグ(F2)とAIS受信フラグ(F
3)は通信時の状況に応じてセット/リセットされる。
【0031】FMセル検出部211は、端末側から到着
してOAMセル処理部21を通ってスイッチ部20へ送
られるセルを監視し、AISセルを検出したらそのヘッ
ダからVCIを複写し、フラグテーブル210内のその
VCIに対応するAISセル受信フラグ(F3)を
“1”にセットし、また、RDIセルを検出したらその
ヘッダからVCIを複写し、フラグテーブル210内の
そのVCIに対応するAISセル送信フラグ(F2)を
参照し、F2=“1”(そのVCIに対応するチャネル
を通して端末側にAISセルを送信済)であれば、その
RDIセルのヘッダ内に廃棄フラグを挿入するよう廃棄
フラグ挿入部214に指示する。
【0032】廃棄フラグ挿入部214は、FMセル検出
部211から廃棄フラグ挿入を指示されたら、当該RD
Iセルのヘッダ内の廃棄フラグ(FD)を“1”に設定
して、そのRDIセルをスイッチ部20へ転送する。
【0033】FMセル検出部212は、スイッチ部20
からOAMセル処理部21を通って端末側へ送出される
セルを監視し、AISセルを検出したらそのヘッダから
VCIを複写し、フラグテーブル210内のそのVCI
に対応するAISセル送信フラグ(F2)を“1”にセ
ットし、また、RDIセルを検出したらそのヘッダから
VCIを複写し、フラグテーブル210内のそのVCI
に対応するAISセル受信フラグ(F3)と、検出した
RDIセルのヘッダ内の廃棄フラグ(FD)とを参照
し、F3=“0”(そのVCIに対応するチャネルで端
末側からのAISセルを未受信)かつFD=“1”であ
れば、そのRDIセルを廃棄するよう遮断部213に通
知する。
【0034】遮断部213は、FMセル検出部212か
ら廃棄フラグ挿入を指示されたら、当該RDIセルをス
イッチ部20に転送しないで廃棄する。
【0035】次に、本実施例におけるATMスイッチン
グ装置2の動作を図5と図6を参照して説明する。 リーフ端末(1)とATMスイッチング装置2との
間で発生した回線断によりATMスイッチング装置2に
AISセルが送出されると、OAMセル処理部21
(1)は、FMセル検出部211がそのAISセルを検
出することにより、フラグテーブル210内の対応する
AISセル受信フラグ(F3)が“1”にセットされ
る。そのAISセルは廃棄フラグ挿入部214を通過
し、スイッチ部20を介してOAMセル処理部21
(0)に転送される。 OAMセル処理部21(0)は、このAISセルを
FMセル検出部212で検出することにより、フラグテ
ーブル210内の対応するAISセル送信フラグ(F
2)を“1”にセットし、そのAISセルをルート端末
(0)に送信する。
【0036】 ルート端末(0)はそのAISセルを
受信するとRDIセルをOAMセル処理部21(0)に
返送する。 OAMセル処理部21(0)は、FMセル検出部2
11でそのRIDセルを検出することにより、フラグテ
ーブル210内の対応するAISセル送信フラグ(F
2)を参照する。AISセル送信フラグ(F2)は上記
の処理で“1”に設定されているので、廃棄フラグ挿
入部214がこのRDIセルのヘッダ内の廃棄フラグ
(FD)を“1”にセットし、スイッチ部20に転送す
る。 スイッチ部20はこのRDIセルをOAMセル処理
部21(1)〜(n)に分配する。 OAMセル処理部21(1)は、このRDIセルを
FMセル検出部212で検出することにより、フラグテ
ーブル210内の対応するAISセル受信フラグ(F
3)を参照する。AISセル受信フラグ(F3)は上記
の処理で“1”に設定されているので、このRDIセ
ルは遮断部213で廃棄されずリーフ端末(1)に送信
される。 OAMセル処理部21(2)〜(n)は、上記と
同様にAISセル受信フラグ(F3)を参照し、AIS
セル受信フラグ(F3)が“0”に設定されているの
で、スイッチ部20から転送されてきたRDIセルを遮
断部213で廃棄する。
【0037】以上の動作の結果、リーフ端末(1)側か
ら転送されたAISセルに対してルート端末(0)がR
DIセルを返送し、そのRDIセルがATMスイッチン
グ装置2のスイッチ部20でOAMセル処理部21
(1)〜(n)に分配されても、OAMセル処理部21
(1)だけがRDIセルをリーフ端末(1)に送信し、
OAMセル処理部21(2)〜(n)はRDIセルをリ
ーフ端末に送信せずに廃棄するので、正常なチャネルが
確保されているリーフ端末(2)〜(n)に対してRD
Iセルを返送することが避けられる。
【0038】図7は図13に示した問題を解決するため
のOAMセル処理方法の実施例であり、図8はこの実施
例におけるATMスイッチング装置3に設けられたOA
M処理部31の構成例である。本実施例と図3で示した
実施例とは対応しており、図3の実施例がFMセルに対
して行う処理と本実施例がRMセルに対して行う処理と
は同一である。したがって、図4に示すOAM処理部1
1と図8に示すOAM処理部31は、処理対象のOAM
セルが異なるという点を除けば、構成および動作は同一
である。ゆえに、本実施例の説明は省略して、図3の実
施例とは名称が異なる部分の対応関係だけを以下に示
す。 AISセル検出部111 → EFCNセル検出部311 RDIセル検出部112 → EBCNセル検出部312 AIS送信フラグ(F2) → EFCN送信フラグ(F4)
【0039】図9は図14に示した問題を解決するため
のOAMセル処理方法の実施例であり、図10はこの実
施例におけるATMスイッチング装置4に設けられたO
AM処理部41の構成例である。本実施例と図5で示し
た実施例とは対応しており、図5の実施例がFMセルに
対して行う処理と本実施例がRMセルに対して行う処理
とは同一である。したがって、図6に示すOAM処理部
21と図10に示すOAM処理部41は、処理対象のO
AMセルが異なるという点を除けば、構成および動作は
同一である。ゆえに、本実施例の説明は省略して、図5
の実施例とは名称が異なる部分の対応関係だけを以下に
示す。 FMセル検出部211 → RMセル検出部411 FMセル検出部212 → RMセル検出部412 AIS送信フラグ(F2) → EFCN送信フラグ(F4) AIS受信フラグ(F3) → EFCN受信フラグ(F5)
【0040】以上の各実施例に示したOAMセル処理部
は、ATMスイッチング装置内での設置位置がルート側
かリーフ側かにかかわらず同じ構成を有するので、マル
チキャスト呼が新たに設定されてルート端末とリーフ端
末が変更された場合にも対応が可能である。
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、ATM網でマルチキャスト通信を行う場合に、マル
チキャスト通信をサポートするATMスイッチング装置
においてバッファ部で輻輳が起こってセルが廃棄される
ことや、正常なチャネルが確保されている端末にOAM
セルを転送して無駄な送信停止を引き起こすことが回避
されるので、ネットワークの効率的な利用が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原理説明図である。
【図2】本発明に係る原理説明図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図である。
【図4】図3の実施例におけるOAMセル処理装置の構
成例を示す図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す図である。
【図6】図5の実施例におけるOAMセル処理装置の構
成例を示す図である。
【図7】本発明のまた他の実施例を示す図である。
【図8】図7の実施例におけるOAMセル処理装置の構
成例を示す図である。
【図9】本発明のまた他の実施例を示す図である。
【図10】図9の実施例におけるOAMセル処理装置の
構成例を示す図である。
【図11】従来技術におけるFMセルに関する問題(そ
の1)を示す図である。
【図12】従来技術におけるFMセルに関する問題(そ
の2)を示す図である。
【図13】従来技術におけるRMセルに関する問題(そ
の1)を示す図である。
【図14】従来技術におけるRMセルに関する問題(そ
の2)を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 ATMスイッチング装置 10、20、30、40 スイッチ部 11、21、31、41 OAMセル処理部 110、210、310、410 フラグテーブル 111 AISセル検出部 112 RDIセル検出部 211、212 FMセル検出部 311 EFCNセル検出部 312 EBCNセル検出部 411、412 RMセル検出部 113、213、313、413 遮断部 214、414 廃棄フラグ挿入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松岡 直樹 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 武智 竜一 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 栗本 崇 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 源田 浩一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 山中 直明 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 八尾 宏 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−307744(JP,A) 1994信学秋大B589

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ATM網で設定されたマルチキャスト呼の
    ルート側回線が複数のリーフ側回線に分岐する回線分岐
    点にて、該ルート側回線で検出された監視情報を通知す
    るために該検出点からリーフ側への方向に伝送される順
    方向OAMセルと、該順方向OAMセルに対してリーフ
    端末からルート側への方向に返送される逆方向OAMセ
    ルとを処理する方法であって、 該複数のリーフ側回線の少なくとも一を代表、他を非代
    表として定め、 非代表として定められたリーフ側回線から伝送されてき
    た逆方向OAMセルを該回線分岐点で廃棄するようにし
    たOAMセル処理方法。
  2. 【請求項2】ATM網で設定されたマルチキャスト呼の
    ルート側回線が複数のリーフ側回線に分岐する回線分岐
    点にて、該複数のリーフ側回線の何れかで検出された監
    視情報を通知するために該検出点からルート側への方向
    に伝送される順方向OAMセルと、該順方向OAMセル
    に対してルート端末からリーフ側への方向に返送される
    逆方向OAMセルとを処理する方法であって、 順方向OAMセルに対してルート端末から該回線分岐点
    まで返送された逆方向OAMセルを、該順方向OAMセ
    ルが伝送されてきたリーフ側回線だけに送出するように
    したOAMセル処理方法。
  3. 【請求項3】ATM網における通信装置内に回線対応に
    設けられ、上流側回線で検出された監視情報を通知する
    ために下流側に向けて転送される順方向OAMセルと、
    順方向OAMセルに対して下流側端末から上流側に向け
    て返送される逆方向OAMセルとを処理するOAMセル
    処理装置であって、 OAMセル処理装置の対応回線の代表/非代表を示す代
    表回線フラグと、 該対応回線への順方向OAMセル送出の検出/未検出を
    示す順方向OAMセル送信フラグと、 該対応回線へ送出されるセルを監視し、順方向OAMセ
    ルを検出したとき、該順方向OAMセル送信フラグが
    「検出」を示すように設定するOAMセル送信監視部
    と、 該対応回線から到着するセルを監視し、逆方向OAMセ
    ルを検出したとき、該代表回線フラグが「非代表」を示
    し、かつ該OAMセル送信フラグが「検出」を示してい
    れば、該検出した逆方向OAMセルを廃棄するOAMセ
    ル受信監視部とを備えたOAMセル処理装置。
  4. 【請求項4】ATM網における通信装置内に回線対応に
    設けられ、上流側回線で検出された監視情報を通知する
    ために下流側に向けて転送される順方向OAMセルと、
    順方向OAMセルに対して下流側端末から上流側に向け
    て返送される逆方向OAMセルとを処理するOAMセル
    処理装置であって、 OAMセル処理装置の対応回線からの順方向OAMセル
    到着の検出/未検出を示す順方向OAMセル受信フラグ
    と、 該対応回線への順方向OAMセル送出の検出/未検出を
    示す順方向OAMセル送信フラグと、 該対応回線から到着するセルを監視し、順方向OAMセ
    ルを検出したとき、該順方向OAMセル受信フラグが
    「検出」を示すように設定し、また、逆方向OAMセル
    を検出したとき、該順方向OAMセル送信フラグが「検
    出」を示していれば、該検出した逆方向OAMセル内に
    廃棄指示情報を挿入するOAMセル受信監視部と、 該対応回線へ送出されるセルを監視し、順方向OAMセ
    ルを検出したとき、該順方向OAMセル送信フラグが
    「検出」を示すように設定し、また、逆方向OAMセル
    を検出したとき、該順方向OAMセル受信フラグが「未
    検出」を示し、かつ該検出した逆方向OAMセル内に廃
    棄指示情報が挿入されていれば、該検出した逆方向OA
    Mセルを廃棄するOAMセル送信監視部とを備えたOA
    Mセル処理装置。
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